JP2686008B2 - 分子動力学計算装置 - Google Patents

分子動力学計算装置

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JP2686008B2
JP2686008B2 JP31060491A JP31060491A JP2686008B2 JP 2686008 B2 JP2686008 B2 JP 2686008B2 JP 31060491 A JP31060491 A JP 31060491A JP 31060491 A JP31060491 A JP 31060491A JP 2686008 B2 JP2686008 B2 JP 2686008B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば分子動力学法シ
ミュレータの出力データを解析する際に,そのデータに
関するグラフを表示し,計算範囲を簡単に指定できるよ
うにして,適切な輸送係数などを容易に求めることがで
きるようにした分子動力学計算装置に関する。
【0002】高速な科学技術計算に適したスーパーコン
ピュータ等の応用技術として,原子の初期座標,初期速
度,原子間ポテンシャル関数,原子の質量,原子の電荷
等を入力し,分子動力学法により分子の挙動をシミュレ
ーションして,物質の特性などを求める分子動力学法の
シミュレータが考えられている。
【0003】この分子動力学法シミュレータの出力デー
タを解析することにより,輸送係数として,自己拡散係
数,ずれ粘性率,体積粘性率,熱伝導率,電気伝導率等
を求めることができるが,その際に,どの範囲の出力デ
ータを使用するかによって,誤差が大きくなったり,計
算時間が長くなったりする。したがって,計算範囲を適
切に指示することができる手段が必要になる。
【0004】
【従来の技術】従来,分子動力学法によって計算され出
力されたデータから輸送係数を算出する場合,時間相関
関数から求める方法と平均二乗変位から求める方法とが
ある。
【0005】線形応答理論としてよく知られているよう
に,ある力学量W(t) の時間微分W'(t) と,それに
よって運ばれる量の輸送係数Kとの間には,
【0006】
【数1】
【0007】の関係がある。このW'(t) は,分子動力
学法によって計算することができるが,時間tは有限で
あり,したがって積分範囲も有効な区間で行うことにな
る。そのため,実際の計算では,輸送係数Kは,次の式
で近似されることになる。
【0008】
【数2】
【0009】その精度は,この積分範囲の取り方に大き
く依存する。積分範囲は,F(t)=<[W'(t) W'
(0)]>(ただし,< >はサンプル平均を表す。以
下同様。)のグラフを描き,関数F(t)の振動が十分
収束した時刻t0 までをとればよい。これが時間相関関
数から輸送係数を求める方法である。
【0010】また,数学的に,
【0011】
【数3】
【0012】の関係があるから,輸送係数Kは,
【0013】
【数4】
【0014】からも求めることができる。この場合に
は,力学量W(t) を分子動力学法によって計算し,G
(t)=<[W(t) −W(0)]2 >のグラフを描
き,その直線部分の傾きを読み取ることによって求める
ことになる。これが平均二乗変位から輸送係数を求める
方法である。
【0015】従来,このような輸送係数を求めるために
使用するデータの範囲を指定する場合,経験的知識に基
づいて試行錯誤を繰り返しながら行ったり,手作業で概
略的なグラフを描いて適当な範囲を決めるようにしてい
た。
【0016】ここで,参考のため,分子動力学法を用い
た計算の出力データから輸送係数を算出する際の諸式に
ついて簡単に説明する。前述したように,ある力学量W
(t) とその時間微分W'(t) およびそれによって運ば
れる量の輸送係数Kとの間には,
【0017】
【数5】
【0018】の関係がある。これから求められる様々な
輸送係数Kと力学量W(t) ,その時間微分W'(t) と
の関係は以下のとおりである。 (1)自己拡散係数 D: K=D W(t) = vec-ri (t)=(xi (t),yi (t) ,
i (t) ) W'(t) = vec-vi (t)=(vix(t),viy(t) ,
iz(t) ) ここで,vec-ri (t)は,時刻tでの粒子iの位置ベ
クトル,vec-vi (t)は,時刻tでの粒子iの速度ベ
クトルである。
【0019】また,vix(t),viy(t) ,viz(t) は,
それぞれxi (t),yi (t) ,zi (t) の時間微分であ
る。 (2)ずれ粘性係数 η: K=VkB Tη (Vは体積,Tは温度,kB はボルツマン定数) W(t) =mΣ{vix(t)yi (t) +viy(t) zi (t) +viz(t) xi (t) +vix(t)zi (t) +viy(t) xi (t)+viz(t) yi (t) } W'(t) =2mΣ{vix(t)viy(t) +viy(t) viz(t) +viz(t) vix(t)} +Σ{Fix(t)yi (t) +Fiy(t) zi (t) +Fiz(t) xi (t) +Fix(t)zi (t) +Fiy(t) xi (t)+Fiz(t) yi (t) } ここで,Σは,粒子数をNとしたとき,i=1からNまでの総和を表す。
【0020】mは粒子の質量,Fix(t),Fiy(t) ,F
iz(t) は,それぞれ粒子iに働く力のx,y,z成分で
ある。 (3)体積粘性率 ζ: K=VkB T(4η/3+ζ) W(t) =mΣ{vix(t)xi (t)+viy(t) yi (t) +viz(t) zi (t) } W'(t) =mΣ{Fix(t)xi (t) +Fiy(t) yi (t) +Fiz(t) zi (t) +mΣ{vix(t)2 +viy(t) 2 +viz(t) 2 } (Σは,i=1からN(粒子数)までの総和) (4)熱伝導率 λ: K=VkB 2 λ W(t) =Σ{xi (t)+yi (t) +zi (t) } ×{(1/2)m(vec-vi (t))2 +(1/2)φi (t) } W'(t) =Σ{vix(t)+viy(t) +viz(t) } ×{(1/2)m(vec-vi (t))2 +(1/2)φi (t) } +(1/2)Σ[vix(t)xi (t){Fix(t)+Fiy(t) +Fiz(t) } +viy(t) yi (t) {Fix(t)+Fiy(t) +Fiz(t) } +viz(t) zi (t) {Fix(t)+Fiy(t) +Fiz(t) }] ここで,φi (t) は時刻tでの粒子iのポテンシャルエネルギー。
【0021】 (Σは,i=1からN(粒子数)までの総和) (5)電気伝導率 σ: K=VkB Tσ W(t) =ΣQi vec-ri (t) W'(t) =ΣQi vec-vi (t) ここで,Qi は粒子iの電荷である。
【0022】(Σは,i=1からN(粒子数)までの総
和)。 分子動力学法により,各粒子の各時刻での座標,速度,
ポテンシャルエネルギー等が算出されるので,それを用
いて,以上の諸式によりW(t) ,W'(t) を計算す
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の説明で述べ
たように,輸送係数を時間相関関数から求める場合に
は,その積分範囲の設定が重要であるが,F(t)=<
[W'(t) W'(0)]>のグラフを紙などに描いてか
ら,関数F(t)の振動が十分収束した時刻t0 を読み
取り,それから積分を実行するプログラムにt0 を入力
して輸送係数を求めるのは,作業効率が非常に悪かっ
た。
【0024】また,輸送係数を平均二乗変位から求める
場合にも,関数G(t)=<[W(t) −W(0)]2
>のグラフを描いて,その直線部分の範囲を抽出し,そ
の傾きを読み取って求めなければならないので,読み取
り誤差を含む可能性があり,さらに傾きの計算に最小二
乗法を用いたりすると,作業効率が非常に悪くなるとい
う問題があった。
【0025】輸送係数を求める場合に限らず,計算機で
処理した未知の時系列データについて解析する場合,そ
のデータの動きによって,必要とする結果を得るための
計算範囲を決める必要があることが多くあるが,従来技
術では,その計算範囲を選択するための指針となるもの
がなく,羅列された数字の列を見て経験的知識によって
選ぶか,または手作業によってグラフ化するなどしてか
ら決めなければならないので,誤差が生じやすく,また
多大な労力と時間がかかるという問題があった。
【0026】本発明は上記問題点の解決を図り,適切な
計算範囲を簡単に指定することができる手段を提供し,
輸送係数などを容易に求めることができるようにするこ
とを目的としている。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の第1の構
成例による原理説明図である。図1において,20は分
子動力学に基づいて分子の挙動をシミュレーションする
分子動力学法シミュレータ,21はCPUおよびメモリ
などからなる輸送係数計算装置,22は輸送係数を求め
るためのグラフを表示するグラフ表示処理部,23は積
分範囲を入力する計算範囲入力処理部,24は積分値を
計算することにより輸送係数を算出する輸送係数計算処
理部,25はディスプレイ装置,26はマウスやライト
ペン等の画面上の位置を入力する位置入力装置,27は
画面上の操作位置を示すカーソル,28は計算された輸
送係数の結果を表示する係数表示域を表す。
【0031】分子動力学法シミュレータ20は,原子の
初期座標,初期速度,原子間ポテンシャル関数,原子の
質量,原子の電荷等を入力し,分子動力学法により分子
の挙動をシミュレーションする装置であって,各原子の
各時刻での座標,速度,ポテンシャルエネルギー等を出
力するものである。なお,分子動力学法シミュレータ2
0自体の構成については,本発明の要旨に関係しないの
で説明を省略する。
【0032】グラフ表示処理部22は,分子動力学法シ
ミュレータ20の出力データをもとに,時間の関数であ
る力学量W(t)の時間微分をW’(t)とし,その時
間相関関数<[W'(t) W'(0)]>をF(t)とし
て,ディスプレイ装置25の画面におけるX−Y平面上
に,Y=F(t),X=tのグラフを表示する処理手段
である。
【0033】計算範囲入力処理部23は,ディスプレイ
装置25に表示されたグラフにおける位置を,位置入力
装置26によって入力することにより,輸送係数を求め
るための積分範囲を指定する処理手段である。
【0034】輸送係数計算処理部24は,計算範囲入力
処理部23によって指定された積分範囲のもとで,F
(t)の積分値を計算し,その結果を輸送係数として係
数表示域に表示する処理手段である。
【0035】図2は本発明の第2の構成例による原理説
明図である。図2において,30は分子動力学に基づい
て分子の挙動をシミュレーションする分子動力学法シミ
ュレータ,31はCPUおよびメモリなどからなる輸送
係数計算装置,32は輸送係数を求めるためのグラフを
表示するグラフ表示処理部,33は計算範囲を入力する
計算範囲入力処理部,34は傾きを計算することにより
輸送係数を算出する輸送係数計算処理部,35はディス
プレイ装置,36はマウスやライトペン等の画面上の位
置を入力する位置入力装置,37は画面上の操作位置を
示すカーソル,38は計算された輸送係数の結果を表示
する係数表示域を表す。
【0036】
【0037】本発明の第1の構成例では,輸送係数を時
間相関関数から求めるのに対し,本発明の第2の構成例
では,輸送係数を平均二乗変位から算出する。グラフ表
示処理部32は,分子動力学法シミュレータ30の出力
データをもとに,時間の関数である力学量をW(t)と
し,その平均二乗変位である<[W(t) −W(0)]
2 >をG(t)として,ディスプレイ装置15の画面に
おけるX−Y平面上に,Y=G(t),X=tのグラフ
を表示する処理手段である。
【0038】計算範囲入力処理部33は,ディスプレイ
装置35に表示されたグラフにおける2点の位置を,位
置入力装置36によって入力することにより,輸送係数
を求めるための計算範囲を指定する処理手段である。
【0039】輸送係数計算処理部34は,計算範囲入力
処理部33によって指定された2点間での関数G(t)
のグラフの傾きG(t)/tを計算し,結果を力学量W
(t)の輸送係数として,係数表示域38に表示する処
理手段である。
【0040】この第2の構成例において,輸送係数計算
処理部34は,指定された2点間でのグラフの傾きG
(t)/tを計算する際に,2点間のデータについて最
小二乗法を用いて計算することにより,精度のよい結果
を得ることができる。 以上の輸送係数として,前述した
自己拡散係数,ずれ粘性率,体積粘性率,熱伝導率,電
気伝導率のいずれも求めることが可能である。
【0041】
【作用】本発明によれば,解析対象のデータのグラフを
ディスプレイ装置に表示させ,そのグラフの様子を見
て,適切な計算範囲をペンヒットやマウスクリックによ
り簡単な操作で指定することができるので,データの解
析を短時間で精度よく行うことができるようになる。
【0042】特に,輸送係数を時間相関関数から求める
ような場合,関数F(t)のグラフを見て,振動が十分
収束した時刻t0 を積分範囲として簡単に指定すること
ができるので,精度のよい結果を得ることができる。ま
た,輸送係数を平均二乗変位から求める場合にも,関数
G(t)のグラフを見て,直線部分の計算範囲を指定す
ることができるので,輸送係数を簡単に精度よく求める
ことができる。この際,自動的に最小二乗法を用いた計
算を行わせることにより,良好な結果を得ることができ
る。
【0043】
【実施例】図3は,本発明の実施例に係る計算範囲の指
定説明図である。分子動力学法シミュレータの出力デー
タをもとに,輸送係数を時間相関関数で求める場合,数
値積分が必要になる。
【0044】輸送係数Kは,<[W'(t) W'(0)]>
を時刻0から無限大まで積分することにより求めること
ができるが,数値積分の場合,積分区間を無限大にまで
とることはできないので,ある有限区間0〜t0を指定
することで近似しなければならない。
【0045】時間相関関数F(t)=<[W'(t) W'
(0)]>は,一般に図3の(イ)に示すようになる。
この場合,積分区間は振動が十分収束したt0 までとら
なければ,正しい結果は得られず,例えば0〜t1 の区
間では不十分である。どのへんで収束しているかは,グ
ラフを見れば明瞭に分かる。なお,この積分区間を必要
以上に長く取り過ぎると,計算誤差等の影響が出てくる
ことがあるので,妥当でないことがある。
【0046】また,分子動力学法による算出データが時
間的に不足している場合,時間相関関数F(t)は,例
えば図3の(ロ)に示すようになる。このように時間的
にデータが不足している場合には,輸送係数Kを算出す
ることはできないので,分子動力学法による計算を再び
行い,算出データを追加しなければならない。算出デー
タが十分であるか,不足しているかについては,グラフ
を表示することにより,はじめて分かることであるの
で,グラフを表示することにより,誤った計算や無駄な
計算をしないで済むようになる。
【0047】また,輸送係数Kは,
【0048】
【数6】
【0049】によって求めることができるが,数値計算
の場合,t→∞の極限まで求めることはできないので,
有限であるtについて,G(t)=<[W(t) −W
(0)]2 >のグラフを描き,その傾きから輸送係数K
を求める。
【0050】この平均二乗変位G(t)=<[W(t)
−W(0)]2 >は,一般に図3の(ハ)に示すグラフ
になる。このグラフにおいて,t=0〜t1 の区間は,
粒子の移動距離が平均自由行程よりも小さいので輸送現
象を生じていない。一方,t=t2 〜t3 の区間は,粒
子間距離が大きくなり過ぎて,輸送現象が起こりにくく
なっている。したがって,区間t1 〜t2 でグラフの傾
きを求める必要がある。グラフの傾きを求める場合,最
小二乗法を用いると精度がよくなることは知られてい
る。
【0051】以上のことも,グラフ表示によって明らか
になる。図4は本発明の実施例のフローチャート,図5
は本発明の実施例に係る輸送係数を求める際の条件入力
画面の例,図6は本発明の実施例に係るグラフ表示画面
の例を示す。
【0052】以下,図5および図6を参照しつつ,図4
に示す処理(a) 〜(g) に従って,本発明の実施例を説明
する。 (a) 分子動力学法シミュレータによる出力データの解析
を行う場合,まず,図6に示すような条件入力画面によ
って,どのデータをどのように解析するかを指定する。
そのため,最初に図5の(イ)に示すような条件入力画
面において,「File select 」機能により,シミュレー
タの出力データが格納されたファイルを, ファイル名リ
スト(File name list)の中からマウスクリックで選択す
る。ファイル名リストは,左端の上下方向の矢印をクリ
ックすることによりスクロールすることができるように
なっている。この例では,“Li”のファイルが選択さ
れたとする。
【0053】(b) 次に, 「Analysis」ボタンをクリック
して, 解析法を指定するプルダウンメニューを開く。こ
こには,「Transport coefficient(correlation functi
on)」, 「Transport coefficient(Mean square displac
ement) 」等の選択メニューがある。ここで,時間相関
関数による輸送係数の計算の場合には, 「Transportcoe
fficient(correlation function) 」を, 平均二乗変位
による計算の場合には,「Transport coefficient(Mean
square displacement) 」を選択する。
【0054】(c) 次に,図5の(ロ)に示す入力画面に
より,輸送係数のタイプと輸送係数の計算のための条件
を入力する。輸送係数のタイプとしては,拡散係数(Dif
fusion function), ずれ粘性係数(Shear viscosity),体
積粘性係数(Bulk viscosity), 熱伝導率(Thermal condu
ctivity), 電気伝導率(Electric conductivity) 等の中
から選択することができる。計算条件としては, 以下の
ものを指定する。
【0055】Job comment :この計算に対して付与する
任意の注釈である。 Start step :シミュレータの出力ファイルの何ステッ
プ目から計算を開始するかを指定する。
【0056】Calculate interval:サンプリングのステ
ップ間隔を指定する。 Number of time series :時系列の数である。 Time series shift step:隣合う時系列の時間的ずれを
指定する。
【0057】Time series length:時系列の長さを指定
する。なお,図示省略するが,このとき,全ステップ
数,1ステップの時間,温度,圧力,開始時間,最終時
間などの情報が,選択した出力データのファイルと計算
条件によって,画面に自動的に表示される。
【0058】(d) 条件の入力が終了した後,図5
(ロ)に示す「Exec」ボタンをクリックすると,時間相
関関数または平均二乗変位の計算を開始し,結果を所定
のファイルに格納する。
【0059】(e) 時間相関関数または平均二乗変位の計
算結果が格納されたファイルが選択され,「Display 」
ボタン(図示省略)がクリックされると,選択されたフ
ァイルのグラフを,例えば図6の(イ)に示すように表
示する。この例では,平均二乗変位のグラフが表示され
ている。
【0060】(f) 図6の(イ)に示すような平均二乗変
位のグラフから輸送係数を求める場合には,「Coeffici
ent 」ボタン(図示省略)のクリックの後,グラフの直
線部分の2点をマウス等により入力する。この2点の位
置を図6の(イ)に示すように×印で表示する。また,
時間相関関数のグラフから輸送係数を求める場合には,
「Coefficient 」ボタン(図示省略)のクリックの後,
積分範囲を指定するグラフ上の1点を入力する。
【0061】(g) 入力した計算範囲について,輸送係数
の値を計算し,例えば図6の(ロ)に示すように,結果
を表示する。グラフの傾きを計算する場合,次のように
最小二乗法を適用して,輸送係数を精度よく求めること
ができる。グラフ上でヒットした2点間において,関数
G(t)がtの一次関数として,G(t)=at+bで
表せると仮定する(a,bは定数)。また,2点間での
時刻を,小さい順にt1 ,t2 ,…,ti ,…,tn
おく。
【0062】最小二乗法では,D=Σ|W(ti ) −G(t
i) |2 (ただし,Σはi=1からNまでの総和)を最
小にするa,bを求めることを行う。 D=Σ|W(ti ) −G(ti ) |2 =Σ|W(ti ) −(ati +b)|2 =(Σti 2 )a2 +2(Σti )ab+(Σ1)b2 −2(Σti W(ti ))a−2(ΣW(ti ))b+ΣW(ti ) 2 であるから,Dを最小にするa,bを求めるには,この
式において,∂D/∂a=0,∂D/∂b=0とした連
立方程式を解けばよい。すなわち, ∂D/∂a=2(Σti 2 )a+2(Σti )b−2(Σti W(ti ))=0 ∂D/∂b=2(Σti )a+2(Σ1)b−2(ΣW(ti ))b=0 を解いて,a,bを求めれば,aが求める傾きとなる。
【0063】この処理をフローチャートにすると,図7
に示すようになる。 グラフ表示した関数G(t)の直線状の部分の2点
をマウスヒットにより入力する。
【0064】 ヒットされた2点間にある離散データ t1 ,W(t1 ),t2 ,W(t2 ),…,tn ,W
(tn )を,ファイルから読み込む。
【0065】 読み込んだデータをもとに,連立方程
式の係数となるΣti ,Σti 2 ,Σti W(ti ),Σ
W(ti )を計算する。 連立方程式 2(Σti 2 )a+2(Σti )b−2(Σti W(ti ))=0 2(Σti )a+2(Σ1)b−2(ΣW(ti ))b=0 を解いて,a,bを求める。
【0066】 aを求める傾きとする。 以上のようにグラフの傾きを求める際に,最小二乗法を
用いることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
計算範囲をグラフを見て指定することができ,精度のよ
い結果を得ることができる。特に,分子動力学法シミュ
レータの出力データの解析を,妥当な部分について行う
ことができ,輸送係数の算出を容易に行うことができる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の原理説明図である。
【図3】本発明の実施例に係る計算範囲の指定説明図で
ある。
【図4】本発明の実施例のフローチャートである。
【図5】本発明の実施例に係る輸送係数を求める際の条
件入力画面の例を示す図である。
【図6】本発明の実施例に係るグラフ表示画面の例を示
す図である。
【図7】本発明の実施例に係るグラフの傾き計算処理の
フローチャートである。
【符号の説明】
20 分子動力学法シミュレータ 21 輸送係数計算装置 22 グラフ表示処理部 23 計算範囲入力処理部 24 輸送係数計算処理部 25 ディスプレイ装置 26 位置入力装置 27 カーソル 28 係数表示域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−63245(JP,U) 情報化学討論会・構造活性相関 シン ポジウム講演要旨集 Vol.13th− 18th 1990 P.113−116 木戸敏弘 他4名 「分子動力学シミュレータのた めのワークベンチ:COMDESI」

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子動力学計算により算出される時系列
    のデータより,分子動力学における係数を算出する計算
    機システムにおいて, 前記分子動力学により算出された時系列のデータをもと
    に,力学量を時系列にグラフ表示する表示手段と, 前記表示手段で表示されたグラフ上の計算範囲を指定す
    る点の位置を入力する入力手段と, 前記入力手段で指定された点の時刻に対応するデータに
    基づいて,分子動力学における係数を算出する計算処理
    手段と を備えたことを特徴とする分子動力学計算装置
  2. 【請求項2】 前記計算処理手段で算出する分子動力学
    における係数が,自己拡散係数,ずれ粘性率,体積粘性
    率,熱伝導率または電気伝導率であることを特徴とする
    請求項1記載の分子動力学計算装置
  3. 【請求項3】 分子動力学計算により算出される時系列
    のデータより,分子動力学における係数を算出する計算
    機システムにおいて, 前記データから計算される時間の関数である力学量W
    (t)の時間微分をW’(t)とし,その時間相関関数
    <[W'(t) W'(0)]>(ただし,< >はサンプル
    平均を表す)をF(t)とおき,ディスプレイ画面にお
    けるX−Y平面上に,Y=F(t),X=tのグラフを
    表示するグラフ表示処理手段と, 前記ディスプレイ画面に表示されたグラフ上のX軸方向
    の位置t0 を,位置入力装置によって入力することによ
    り,積分範囲を指定する計算範囲入力処理手段と, 指定された積分範囲のもとで,前記F(t)の積分値を
    計算し,その結果を輸送係数Kとして表示する輸送係数
    計算処理手段とを備えたことを特徴とする分子動力学計
    算装置
  4. 【請求項4】 分子動力学計算により算出される時系列
    のデータより,分子動力学における係数を算出する計算
    機システムにおいて, 前記データから計算される時間の関数である力学量をW
    (t)とし,その平均二乗変位である<[W(t) −W
    (0)]2 >(ただし,< >はサンプル平均を表す)
    をG(t)とおき,ディスプレイ画面におけるX−Y平
    面上に,Y=G(t),X=tのグラフを表示するグラ
    フ表示処理手段と, 前記ディスプレイ画面に表示されたグラフ上の2点の位
    置を,置入力装置によって入力する計算範囲入力処理
    段と, 計算範囲として指定された2点間での関数G(t)のグ
    ラフの傾きG(t)/tを計算し,結果を力学量W
    (t)の輸送係数Kとして表示する輸送係数計算処理手
    段とを備えたことを特徴とする分子動力学計算装置
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