JP2685241B2 - α−置換β−アミノカルボン酸エステルの製造法 - Google Patents

α−置換β−アミノカルボン酸エステルの製造法

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JP2685241B2
JP2685241B2 JP63224565A JP22456588A JP2685241B2 JP 2685241 B2 JP2685241 B2 JP 2685241B2 JP 63224565 A JP63224565 A JP 63224565A JP 22456588 A JP22456588 A JP 22456588A JP 2685241 B2 JP2685241 B2 JP 2685241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [目的] (産業上の利用分野) 本発明は、β−アミノ酸であるイソセリンの誘導体
(例えば、ベスタチン)、即ち、α−置換β−アミノカ
ルボン酸エステルの新規な製造法に関する。
(従来の技術) 従来、α−置換β−アミノカルボン酸エステルは、α
−アミノ酸より導かれるアミノ基が保護されたα−アミ
ノアルデヒドに、例えばシアン化ナトリウムを作用させ
て炭素鎖を伸長したのち加水分解する方法{例えば、梅
沢等[ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオテイクス,
29,600(1976)]}、アクリル酸誘導体を酸化して得ら
れるエポキシカルボン酸を例えばアンモニアと反応させ
る方法{例えば、K.B.シャープレス等[Pure & App
l.Chem.,55,589(1983)]}等により合成されていた。
しかしながら、上記のシアン化ナトリウムを使用する
方法では、目的とするα−置換β−アミノカルボン酸エ
ステルに対応する適当なα−アミノ酸が得にくく、一
方、アクリル酸誘導体を使用する方法においては、対応
するエポキシドがシス体の場合やエポキシドの開環反応
の位置選択性が充分でない場合には適用が困難であっ
た。
そこで、α−アミノ酸に比較して、多様な置換基を持
つものがはるかに容易に合成し得る、アルデヒド体乃至
ケトン体を原料として用いることによる適用化合物の範
囲の拡大を目的として、ボロントリフレートによる縮合
反応が用いられることとなった。
しかしながら、このボロントリフレート法を適用する
場合には、相当するカルボキシ基をチオールエステル体
としなければ反応が進行せず、不要な多工程を経る必要
があり、又、こうした反応は必ずしも所望の相対配位の
生成物を与えないため、更に立体反転等により数工程を
経て導くか、別法を用いる必要があり煩雑であった。
(当該発明が解決しようとする課題) 本発明者等は、ボロントリフレート及びα−置換カル
ボン酸エステル誘導体を出発原料とした、α−置換β−
アミノカルボン酸エステル誘導体の合成について、永年
に亘り鋭意研究を行なった結果、原料として、α位に一
般式−XR1を有する基が置換したα−置換カルボン酸エ
ステル誘導体を使用することにより、チオールエステル
体を経ることなく、高収率及び簡便性をもって目的化合
物を製造できること、更に、適当なカルボキシ置換基及
びボロントリフレートを選択することでα−置換基とβ
−アミノ基の相対配置を制御して各異性体を立体選択的
に製造し得ることを見出し本発明を完成した。
[構成] 本発明のα−置換β−アミノカルボン酸エステルの新
規な製造法は、 一般式 [式中、R1は、一般式−XHを有する基の保護基を示し、
R2は、水素原子、低級アルキル基、置換低級アルキル基
(置換基としては、シクロアルキル基、アリル基、アリ
ール基、複素環基若しくは一般式−XR1を有する基を示
す。)、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基を
示し、R3は、カルボキシ基の保護基を示し、R4は、R2
同様の基を示し、R5は、水素原子若しくはR2と同様の基
を示し、R6は、アミノ基の保護基を示し、Xは、酸素原
子、硫黄原子、ゼレン原子、スルホキシド基、スルホン
基又はゼレンオキシド基を示す。]で表わされる化合物
を製造するために、 一般式 [式中、R1、R2、R3及びXは、前記と同意義を示す。]
で表わされる化合物と 一般式 [式中、R4、R5及びR6は、前記と同意義を示す。]で表
わされる化合物とを、ボロントリフレート及び塩基の存
在下に反応させることを特徴とするものである。
上記一般式(I)、(II)及び(III)において、 R1の定義における「一般式−XHを有する基の保護基」と
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシルのような低級アルキル基;ホルミル、
アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペ
ンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オ
クタノイル、ラウロイル、ミリストイル、トリデカノイ
ル、パルミトイル、ステアロイルのようなアルキルカル
ボニル基、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリク
ロロアセチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲン
化アルキルカルボニル基、メトキシアセチルのような低
級アルコキシアルキルカルボニル基、(E)−2−メチ
ル−2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル
基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル、α−ナフトイル、
β−ナフトイルのようなアリールカルボニル基、2−ブ
ロモベンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲ
ン化アリールカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾ
イル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリール
カルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ
化アリールカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−
ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリールカルボニル
基、2−(メトキシカルボニル)ベンゾイルのような低
級アルコキシカルボニル化アリールカルボニル基、4−
フェニルベンゾイルのようなアリール化アリールカルボ
ニル基等の芳香族アシル基;テトラヒドロピラン−2−
イル、3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−
メトキシテトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロ
チオピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロチオ
ピラン−4−イルのようなテトラヒドロピラニル又はテ
トラヒドロチオピラニル基;テトラヒドロフラン−2−
イル、テトラヒドロチオフラン−2−イルのようなテト
ラヒドロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基;ト
リメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメ
チルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソ
プロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイ
ソプロピルシリルのようなトリ低級アルキルシリル基、
ジフェニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジ
フェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプロピル
シリルのような1乃至2個のアリール基で置換されたト
リ低級アルキルシリル基等のシリル基;メトキシメチ
ル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメ
チル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブト
キシメチル、t−ブトキシメチルのような低級アルコキ
シメチル基、2−メトキシエトキシメチルのような低級
アルコキシ化低級アルコキシメチル基、2,2,2−トリク
ロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチ
ルのようなハロゲン化低級アルコキシメチル等のアルコ
キシメチル基;1−エトキシエチル、1−メチル−1−メ
トキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチルのような
低級アルコキシ化エチル基、2,2,2−トリクロロエチル
のようなハロゲン化エチル基、2−(フェニルゼレニ
ル)エチルのようなアリールゼレニル化エチル基等の置
換エチル基;ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロ
ピル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフ
ェニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフ
ェニルメチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3
個のアリール基で置換された低級アルキル基、4−メチ
ルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリ
メチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシ
フェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−
ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベン
ジル、4−シアノベンジル、4−シアノベンジルジフェ
ニルメチル、ビス(2−ニトロフェニル)メチル、ピペ
ロニルのような低級アルキル、低級アルコキシ、ニト
ロ、ハロゲン、シアノ基でアリール環が置換された1乃
至3個のアリール基で置換された低級アルキル基等のア
ラルキル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル
のような低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリク
ロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキ
シカルボニルのようなハロゲン若しくはトリ低級アルキ
ルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基等
のアルコキシカルボニル基;ビニルオキシカルボニル、
アリルオキシカルボニルのようなアルケニルオキシカル
ボニル基又はベンジルオキシカルボニル、4−メトキシ
ベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジル
オキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような、1
乃至2個の低級アルコキシ又はニトロ基でアリール環が
置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基の
ような反応における保護基を示す。
R2、R4及びR5の定義における「低級アルキル基」又は
「置換基低級アルキル基」の「低級アルキル基」は、前
記「低級アルキル基」と同様の基を示す。
R2、R4及びR5の定義における「シクロアルキル基」と
は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル、アダ
マンチル、2−インダニルのような3乃至10員飽和環状
炭化水素基を示し、好適には5乃至7員飽和環状炭化水
素基である。
R2の定義における「アリール基」とは、例えばフェニ
ル、ナフチルのような炭素数5乃至12個の芳香族炭化水
素基を挙げることができ、好適にはフェニル基である。
かかる「アリール基」は、その環上に1乃至4個の下記
より選択される置換基を有していてもよく、該置換基と
しては、アミノ基;ニトロ基;シアノ基;前記低級アル
キル、後記ハロゲン化低級アルキル若しくは前記アラル
キルで置換されていてもよいカルボキシ基;カルバモイ
ル基;弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子のよう
なハロゲン原子;前記低級アルキル基;メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオ
キシのような低級アルコキシ基;トリフルオロメチル、
トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチ
ル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリク
ロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ブロモ
エチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2,2
−ジブロモエチルのようなハロゲン化低級アルキル基;
前記脂肪族アシル基及びメチレンジオキシ、エチレンジ
オキシ、プロピレンジオキシのような炭素数1乃至4個
のアルキレンジオキシ基を挙げることができる。
R2の定義における「複素環基」とは、例えばフリル、
チエニル、ピロリル、アゼピニル、モルホリニル、チオ
モルホリニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリ
ル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,
2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリ
ル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニ
ル、ピリミジニル、ピラジニル及びこれらの基に対応す
る、部分若しくは完全還元型の基のような硫黄原子、酸
素原子又は/及び窒素原子を1乃至3個含む5乃至7員
複素環基を示し、好適には、例えば、ピロリル、アゼピ
ニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラゾリル、
イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾ
リル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、ト
リアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジ
ル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びこれ
らの基に対応する、部分若しくは完全還元型の基のよう
な窒素原子を少なくとも1個含み、酸素原子又は硫黄原
子を含んでいてもよい5乃至7員複素環基を挙げること
ができ、さらに好適には、ピリジル、イミダゾリル、オ
キサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル及びこれらの
基に対応する、部分若しくは完全還元型の基である。
R3の定義における「カルボキシ基の保護基」とは、例
えば、前記低級アルキル基;前記ハロゲノ低級アルキル
基又は前記アラルキル基等の反応における保護基を挙げ
ることができ、好適には低級アルキル基である。
R6の定義における「アミノ基の保護基」とは、通常ア
ミノ基の保護基として使用するものであれば限定はない
が、好適には、前記「脂肪族アシル基」、前記「芳香族
アシル基」、前記「アルコキシカルボニル基」、前記
「アルケニルオキシカルボニル基」、前記「アラルキル
オキシカルボニル基」、前記「シリル基」及び前記「ア
ラルキル基」である。
本発明に使用されるボロントリフレートとは、一般式 [式中、R7及びR8は、同一又は異なって、R2で定義され
た基と同様の基を示す。]を有する化合物である。
本発明で使用される塩基としては、生成するトリフル
オロメタンスルホン酸を中和できるものであれば特に限
定はないが、好適にはメチルアミン、エチルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ピリジン、キノリン、アニリン、N,N
−ジメチルアニリン、ピペリジン、ジイソプロピルエチ
ルアミンのような有機塩基を挙げることができ、更に好
適にはトリエチルアミン、トリメチルアミン、ジイソプ
ロピルエチルアミンのような3級の有機塩基である。
本発明の化合物(I)、(II)及び(III)は、分子
内に不斉炭素を有し、各々がR配位、S配位である立体
異性体が存在するが、その各々、或いはそれらの混合物
のいずれも本発明に包含される。
本発明の製造法において、好適な基としては、 (1)R1基として、アラルキル基、 (2)R2基として、水素原子、 (3)R3基として、低級アルキル基、 (4)Xとして、硫黄原子又は酸素原子、 (5)R4基として、アリール基又は低級アルキル基、 (6)R5基として、水素原子、 (7)R6基として、アリール基又はアラルキル基 (8)R7基及びR8基として、低級アルキル基又はシクロ
アルキル基、 を挙げることができる。
本発明のα−置換β−アミノカルボン酸エステルの製
造法は、例えば、以下に記載する方法によって実施する
ことができる。
ボロントリフレートの溶液に、窒素気流下、−100〜2
0℃[好適には、−70〜−40℃]で、塩基を攪拌しなが
ら加え、次にα−置換カルボン酸エステル(I)の溶液
を滴下する。
滴下が終了したら、反応液を、−70〜20℃[好適に
は、−20℃]として、30分〜3時間[好適には、1.5時
間]攪拌する。
次に、例えば、フレッド等{Fred H.Suydam Analytic
al Chemistry 35,195(1963)}の方法でカルボニル化
合物及び第一アミンから調製したイミン(II)の溶液
を、−100〜20℃[好適には、−70〜−20℃]にて、攪
拌しながら滴下する。このまま、1時間乃至48時間攪拌
した後、通常の後処理、例えばリン酸緩衝液(pH7)を
加え、ジエチルエーテル抽出を行ない、溶媒を留去して
得られる残渣を、メタノールに溶解し、0℃で、30%過
酸化水素水を加え、室温として1〜2時間攪拌した後、
水を加え、ジエチルエーテル抽出を行なう。これを、水
硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、シリカゲル
クロマトグラフィーで分離精製する方法等を行なうこと
により、目的とするα−置換β−アミノカルボン酸エス
テルを得ることができる。
溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定はな
いが、好適には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ルのようなエーテル類、メチレンクロリド、ジクロロエ
タンのようなハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、トルエ
ン、ペンタンのような炭化水素類、アセトニトリルのよ
うなニトリル類等の極性、非極性の溶媒を挙げることが
でき、更に好適にはエーテル類である。
得られるα−置換β−アミノカルボン酸エステルに
は、α位、β位の相対配置についてシン体及びアンチ体
が存在するがこれらは次の方法で選択して製造すること
ができる。
即ち、アンチ体を選択的に製造するには、原料となる
α−置換カルボン酸エステル(I)のカルボキシ基の保
護基(R3)に嵩高い基を、ボロントリフレートのR7基及
びR8基に立体的に小さい基を用い、溶媒にはエーテル類
を用いて行なう。例えばα−置換カルボン酸エステル
(I)として、t−ブチル ベンジルオキシ酢酸、ボロ
ントリフレートとしてジn−ブチルボリルトリフレー
ト、溶媒にジエチルエーテルを用いることにより実施さ
れる。
一方、シン体を選択的に製造するには、原料となるα
−置換カルボン酸エステル(I)のカルボキシ基の保護
基(R3)及びボロントリフレートのR7基及び/又はR8
として立体的に嵩高い基を用い、溶媒には炭化水素類又
はハロゲン化炭化水素類を用いて行なう。例えばα−置
換カルボン酸エステル(I)として、t−ブチル ベン
ジルオキシ酢酸、ボロントリフレートとしてジシクロペ
ンチルボリルトリフレート、溶媒にトルエンを用いるこ
とにより実施される。
いずれの異性体を得る場合も充分な選択性のために
は、アミノ基の保護基の選択を含め反応条件を注意深く
決定しなくてはならない場合がある。
尚、所望により、−XH基の保護基R1、カルボキシ基の
保護基R3及び/又はアミノ基の保護基R6を除去すること
ができる。
保護基の除去は、一般にこの分野の技術において周知
の方法によって以下の様に実施される。
R1基が、低級アルキル基の場合には、例えば、酸又は
塩基で処理することにより除去することができる。酸と
しては、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸が用いられ、
塩基としては、化合物の他の部分に影響を与えないもの
であれば特に限定はないが、好適には炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物
又は濃アンモニア−メタノールを用いて実施される。
尚、塩基による加水分解では異性化が起こることがあ
る。使用される溶媒としては通常の加水分解反応に使用
されるものであれば特に限定はなく、水又は水とメタノ
ール、エタノール、n−プロパノールのようなアルコー
ル類若しくはテトラヒドロフラン、ジオキサンのような
エーテル類のような有機溶媒との混合溶媒が好適であ
る。反応温度及び反応時間は出発物質及び用いる塩基等
によって異なり特に限定はないが、副反応を抑制するた
めに、通常は0乃至150℃で、1乃至10時間である。
R1基が、脂肪族アシル基、芳香族アシル基又はアルコ
キシカルボニル基である場合には、例えば、溶媒の存在
下に、塩基で処理することにより除去することができ
る。塩基としては、化合物の他の部分に影響を与えない
ものであれば特に限定はないが、好適にはナトリウムメ
トキシドのような金属アルコラート類、アンモニア水、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭
酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアル
カリ金属水酸化物又は濃アンモニア−メタノールを用い
て実施される。使用される溶媒としては通常の加水分解
反応に使用されるものであれば特に限定はなく、水、メ
タノール、エタノール、n−プロパノールのようなアル
コール類若しくはテトラヒドロフラン、ジオキサンのよ
うなエーテル類のような有機溶媒又は水と有機溶媒との
混合溶媒が好適である。反応温度及び反応時間は出発物
質及び用いる塩基等によって異なり特に限定はないが、
副反応を抑制するために、通常は0乃至150℃で、1乃
至10時間である。
R1基が、トリ低級アルキルシリル基を使用した場合に
は、通常弗化テトラブチルアンモニウムのような弗素ア
ニオンを生成する化合物で処理することにより除去す
る。反応溶媒は反応を阻害しないものであれば特に限定
はないが、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ
ーテル類が好適である。反応温度及び反応時間は特に限
定はないが、通常室温で10乃至18時間反応させる。
R1基が、アラルキルオキシカルボニル基又はアラルキ
ル基である場合には、通常、還元剤と接触させることに
より除去することができる。例えば、パラジウム炭素、
白金、ラネーニッケルのような触媒を用い、常温にて接
触還元を行なうことにより達成される。反応は溶媒の存
在下に行なわれ、使用される反応溶媒としては本反応に
関与しないものであれば特に限定はないが、メタノー
ル、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンのようなエーテル類、酢酸のような脂
肪酸又はこれらの有機溶媒と水との混合溶媒が好適であ
る。反応温度及び反応時間は出発物質及び使用する還元
剤等によって異なるが、通常は0℃乃至室温で、5分乃
至12時間である。
又、液体アンモニア中若しくはメタノール、エタノー
ルのようなアルコール中において、−78〜−20℃で、金
属リチウム若しくはナトリウムを作用させることによっ
ても除去できる。
更に、塩化アルミニウム−沃化ナトリウム又はトリメ
チルシリルイオダイドのようなアルキルシリルハライド
類を用いても除去することができる。反応は溶媒の存在
下に行なわれ、使用される反応溶媒としては本反応に関
与しないものであれば特に限定はないが、好適には、ア
セトニトリルのようなニトリル類、メチレンクロリド、
クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類又はこれら
の混合溶媒が使用される。反応温度は出発物質等によっ
て異なるが、通常は0乃至50℃である。
尚、反応基質が硫黄原子を有する場合においては、好
適には、塩化アルミニウム−沃化ナトリウムが用いられ
る。
R1基が、アルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル
基、テトラヒドロフラニル基又は置換されたエチル基で
ある場合には、通常溶媒中で酸で処理することにより除
去することができる。使用される酸としては、好適には
塩酸、酢酸−硫酸、p−トルエンスルホン酸又は酢酸等
である。使用される溶媒としては本反応に関与しないも
のであれば特に限定はないが、メタノール、エタノール
のようなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンのようなエーテル類又はこれらの有機溶媒と水との混
合溶媒が好適である。反応温度及び反応時間は出発物質
及び用いる酸の種類等によって異なるが、通常は0乃至
50℃で、10分乃至18時間である。
R1基が、アルケニルオキシカルボニル基である場合
は、通常R1基が脂肪族アシル基、芳香族アシル基又はア
ルコキシカルボニル基である場合の除去反応の条件と同
様にして塩基と処理することにより脱離させることがで
きる。尚、アリルオキシカルボニルの場合は、特にパラ
ジウム及びトリフェニルホスフィン若しくはニッケルテ
トラカルボニルを使用して除去する方法が簡便で、副反
応が少なく実施することができる。
上記のようなR1基を除去する操作によって、アミノ基
の保護基R6が同時に除去されることもある。
R6基の除去は、R1基が相当する基の場合と同様にして
実施される。
上記のR1基及びR6基の保護基の除去反応は、順不同で
希望する除去反応を順次実施することができる。
尚、所望により、カルボキシ基の保護基(R3)も上記
と同様にして、除去することができる。, 反応終了後、本反応の目的化合物は常法に従って、反
応混合物から採取される。例えば、反応混合物に水と混
和しない有機溶媒を加え、水洗後、溶剤を留去すること
によって得られる。得られた目的化合物は必要ならば、
常法、例えば再結晶、再沈澱又はクロマトグラフィー等
によって更に精製できる。
目的化合物(III)の一般式R1−X−を有する基は、
所望により、例えば有機水素化錫試薬又はラネーニッケ
ルで処理することにより水素原子と置換することができ
る。
[効果] 本発明の製造法により、 (1)α−アミノ酸に比べ、多様の置換基に対応する原
料が得られやすいカルボニル化合物を出発物質にするた
め、適用化合物の範囲の拡大をすることができた。
(2)新規なα−置換カルボン酸エステル誘導体を原料
として使用することにより、チオールエステル体を経る
ことなく、高収率及び簡便性をもって目的化合物を製造
できることができた。
(3)本願発明の原料化合物(I)のカルボキシ基の保
護基(R3)及びボロントリフレートを適宜選択すること
によって各立体異性体を選択的に製造することができ
た。
次に実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 窒素気流下、ジn−ブチルボリルトリフレート0.768g
(2.8mmol)のトルエン(5ml)溶液に、−78℃でジイソ
プロピルエチルアミン0.465g(3.6mmol)を攪拌しなが
ら加え、更にメチル ベンジルオキシアセテート0.400g
(2.2mmol)のトルエン(5ml)溶液を加えた。この溶液
を−20℃として1.5時間攪拌した後、N−ベンジル−ベ
ンジルイミン0.433g(2.2mmol)のトルエン(3ml)溶液
を加え、1.5時間攪拌した。リン酸緩衝液(pH7)を加
え、ジエチルエーテル抽出を行ない、溶媒を留去して得
られた残さを、メタノール20mlに溶解した。これに0℃
で、30%過酸化水素水5mlを加え、室温として1時間攪
拌したのち、水を加えジエチルエーテルで抽出を行な
い、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち減圧濃縮した。
これをシリカゲルクロマトグラフィーで分離精製するこ
とによりシン体のメチル3−フェニル−ベンジルアミノ
−2−ベンジルオキシプロピオネート0.804g(97%)を
得た。
NMRスペクトラム(270MHz) 2.04(1H,br.s);3.47(1H,d,J=13.2Hz);3.54(3H,
s);3.71(1H,d,J=13.2Hz);4.05(3H,s),4.37(1H,
d,J=11.4Hz);4.64(1H,d,J=11.4Hz);7.14−7.37(1
5H,m) マススペクトラム 376(M+);196(PhCH2NHCHPh). 実施例2 窒素気流下,ジn−ブチルボリルトリフレート0.548g
(2.0mmol)のジエチルエーテル(4ml)溶液に、−78℃
でジイソプロピルエチルアミン0.386g(3.0mmol)を攪
拌しながら加え、更に、t−ブチル ベンジルオキシア
セテート0.400g(1.8mmol)のジエチルエーテル(5ml)
溶液を加えた。この溶液を−20℃として1.5時間攪拌し
た後、N−ベンジル−3−メチルブチルイミン0.320g
(1.8mmol)のジエチルエーテル(3ml)溶液を加え1.5
時間攪拌した。これを実施例1と同様に処理することで
アンチ体のt−ブチル5−メチル−3−ベンジルアミノ
−2−ベンジルオキシヘキサノエート0.520g(72%)を
得た。
NMRスペクトラム(60MHz) 0.75(3H,d,J=7Hz);0.88(3H,d,J=7z);1.10−1.58
(3H,m);1.48(9H,s);2.73−3.14(1H,m);3.49(1H,
d,J=14Hz);3.71(1H,d,J=14Hz);4.12(1H,d,J=4H
z);4.37(1H,d,J=12Hz);4.87(1H,d,J=12Hz);7.29
(5H,s);7.38(5H,s). マススペクトラム 398(M+). 実施例3 窒素気流下,ジシクロペンチルボリルトリフレート1.
49g(5.0mmol)の塩化メチレン(23ml)溶液に−78℃で
ジイソプロピルエチルアミン0.97g(7.5mmol)を攪拌し
ながら加え、更にメチル ベンジルオキシアセテート0.
90g(4.0mmol)の塩化メチレン(8ml)溶液を加えた。
この溶液を−20℃として1.5時間攪拌した後、N−ベン
ジル−3−メチルブチルイミン0.70g(4.0mmol)の塩化
メチレン(8ml)溶液を加え24時間攪拌した。これを実
施例1と同様に処理することでシン体のt−ブチル5−
メチル−3−ベンジルアミノ−2−ベンジルオキシヘキ
サノエート0.64g(40%)を得た。
NMRスペクトラム(60MHz) 0.78(3H,d,J=3Hz);0.89(3H,d,J=3Hz);1.23−1.65
(3H,m);1.46(9H,s);2.85−3.19(1H,m);3.74(2H,
s);3.83(1H,d,J=4Hz);4.36(1H,d,J=12Hz);4.81
(1H,d,J=12Hz);7.27(5H,s);7.33(5H,s). マススペクトラム 398(M+).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 315/04 C07C 315/04 317/44 317/44 319/20 319/20 323/51 323/51 391/00 391/00 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、R1は、一般式−XHを有する基の保護基を示し、
    R2は、水素原子、低級アルキル基、置換低級アルキル基
    (置換基としては、シクロアルキル基、アリール基、複
    素環基若しくは一般式−XR1を有する基を示す。)、シ
    クロアルキル基、アリル基、アリール基又は複素環基を
    示し、R3は、カルボキシ基の保護基を示し、Xは、酸素
    原子、硫黄原子、ゼレン原子、スルホキシド基、スルホ
    ン基又はゼレンオキシド基を示す。]で表わされる化合
    物と 一般式 [式中、R4は、上記R2と同様の基を示し、R5は、水素原
    子若しくは上記R2と同様の基を示し、R6は、アミノ基の
    保護基を示す。]で表わされる化合物とを、ボロントリ
    フレート及び塩基の存在下に反応させることを特徴とす
    る 一般式 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びXは、前記と同意
    義を示す。]で表わされるα−置換β−アミノカルボン
    酸エステルの製造法。
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