JP2804284B2 - 4―アミノ―3―ヒドロキシカルボン酸類の立体選択的合成法 - Google Patents

4―アミノ―3―ヒドロキシカルボン酸類の立体選択的合成法

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JP2804284B2
JP2804284B2 JP1060543A JP6054389A JP2804284B2 JP 2804284 B2 JP2804284 B2 JP 2804284B2 JP 1060543 A JP1060543 A JP 1060543A JP 6054389 A JP6054389 A JP 6054389A JP 2804284 B2 JP2804284 B2 JP 2804284B2
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 [目的] (産業上の利用分野) 本発明は、レニン等の酸性プロテアーゼ類の阻害活性
に優れた化合物を製造するための有用な光学活性合成中
間体の製造法に関する。
(従来の技術) レニン等の酸性プロテアーゼ類の阻害剤は、その立体
構造が活性の強さに重要な影響を及ぼし、特に、その重
要構成成分である(3S,4S)−4−アミノ−3−ヒドロ
キシ−6−メチルヘプタン酸(以下、スタチンと呼称)
又は(3S,4S)−4−アミノ−5−シクロヘキシル−3
−ヒドロキシペンタン酸(以下、シクロスタチンと呼
称)の類縁化合物においては、(3S,4S)の立体を有す
るものが阻害活性が強く、医薬品として好ましいことが
知られている。
かかる光学活性な化合物の合成は、β−ケトエステル
化合物類の還元により達成されるが、かかるβ−ケトエ
ステル化合物類を還元する方法としては、従来、例え
ば、キャストロ等[B.Castro et al.,J.C.S.Perkin I,1
895(1986)]の方法、リッチ等[D.H.Rich et al.,J.O
rg.Chem.,53,869−873(1988)]の方法及びシュウダ等
[P.F.Schuda et al.,J.Org.Chem.,53,873−875(198
8)]の方法が知られている。
しかしながら、これらの方法は、阻害活性が弱く医薬
品として好ましくない立体配位を有する化合物が多く生
成し、ジアステレオマーの分離という煩雑な作業を要
し、又多工程を要するものであるか、或いは収率が実用
に適さないものである。
(当該発明が解決しようとする課題) 本発明者等は、光学活性なスタチン及びシクロスタチ
ン類縁体の合成について、永年に亘り鋭意研究を行なっ
た結果、光学活性なβ−ケトエステル化合物を基質とし
て、不斉水素化遷移金属触媒を用いて接触還元反応を行
なった場合に、合成中間体として、上記の好ましい立体
配位を有する光学活性なスタチン及びシクロスタチン類
縁体が、優れた立体選択性で、かつ高収率で得られるこ
と及び用いる触媒が再生使用可能であること等を見出
し、本発明を完成した。
[構成] 本発明の新規な 一般式 [式中、R1は、保護されていてもよいアミノ基又はモノ
若しくはジ低級アルキル置換アミノ基を示し、R2は、保
護されていてもよいカルボキシ基、保護されていてもよ
いカルバモイル基、モノ若しくはジ低級アルキル置換カ
ルバモイル基、低級アルキル基或いは置換した低級アル
キル基[該置換基は、保護されていてもよいアミノ基、
モノ若しくはジ低級アルキル置換アミノ基、置換基を有
していてもよいアリール基又は炭素数3乃至3個のシク
ロアルキル基である。]を示し、R3は、保護されていて
もよいカルボキシ基、保護されていてもよいチオカルボ
キシ基、保護されていてもよいカルバモイル基又はモノ
若しくはジ低級アルキル置換カルバモイル基を示し、*
は不斉炭素原子を示す。]で表わされる光学活性な4−
アミノ−3−ヒドロキシカルボン酸類の立体選択的合成
法は、 一般式 [式中、R1、R2、R3及び*は、前記と同意義を示す。]
で表わされる光学活性なβ−ケトカルボン酸誘導体又は
その塩を、不斉水素化遷移金属触媒の存在下に、還元す
ることを特徴とする。
上記一般式において、 R1及びR2の定義における「保護されていてもよいアミ
ノ基」とは、下記の保護基が1又は2個アミノ基を保護
している基を示し、該保護基としては、通常アミノ基の
保護基として使用するものであれば、特に限定はない
が、好適には、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロ
イル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、ラウロ
イル、ミリストイル、トリデカノイル、パルミトイル、
ステアロイルのようなアルキルカルボニル基、クロロア
セチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリ
フルオロアセチルのようなハロゲン化脂肪族アシル基、
メトキシアセチルのような低級アルコキシ脂肪族アシル
基、(E)−2−メチル−2−ブテノイルのような不飽
和脂肪族アシル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル、α
−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリールカルボ
ニル基、2−ブロモベンゾイル、4−クロロベンゾイル
のようなハロゲン化アリールカルボニル基、2,4,6−ト
リメチルベンゾイル、4−トルオイルのような低級アル
キル化アリールカルボニル基、4−アニソイルのような
低級アルコキシ化アリールカルボニル基、4−ニトロベ
ンゾイル、2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリ
ールカルボニル基、2−(メトキシカルボニル)ベンゾ
イルのような低級アルコキシカルボニル化アリールカル
ボニル基、4−フェニルベンゾイルのようなアリール化
アリールカルボニル基等の芳香族アシル基;メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニルのような低級アルコキシカ
ルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
2−トリメチルシリルエオキシカルボニルのようなハロ
ゲン又はトリ低級アルキルシリル基で置換された低級ア
ルコキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ビ
ニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルのよう
なアルケニルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカル
ボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4
−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベ
ンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルのような、1乃至2個の低級アルコキシ又はニ
トロ基でアリール環が置換されていてもよいアラルキル
オキシカルボニル基;トリメチルシリル、トリエチルシ
リル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチ
ルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ−t
−ブチルシリル、トリイソプロピルシリルのようなトリ
低級アルキルシリル基、ジフェニルメチルシリル、ジフ
ェニルブチルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、
フェニルジイソプロピルシリルのような1乃至2個のア
リール基で置換されたトリ低級アルキルシリル基等のシ
リル基;ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピ
ル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェ
ニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェ
ニルメチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3個
のアリール基で置換された低級アルキル基、4−メチル
ベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメ
チルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフ
ェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニ
トロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジ
ル、4−シアノベンジル、4−シアノベンジルジフェニ
ルメチル、ビス(2−ニトロフェニル)メチル、ピペロ
ニルのような低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、
ハロゲン、シアノ基でアリール環が置換された1乃至3
個のアリール基で置換された低級アルキル基等のアラル
キル基又はN,N−ジメチルアミノメチレン、ベンジリデ
ン、4−メトキシベンジリデン、4−ニトロベンジリデ
ン、サリシリデン、5−クロロサリシリデン、ジフェニ
ルメチレン、(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)
フェニルメチレンのようなシッフ塩基を形成する置換さ
れたメチレン基であり、更に好適には、脂肪族アシル基
又は芳香族アシル基である。
R1及びR2の定義における「モノ若しくはジ低級アルキ
ル置換アミン基」の「低級アルキル基」、R2及びR3の定
義における「モノ若しくはジ低級アルキル置換カルバモ
イル基」の「低級アルキル基」、R2の定義における「低
級アルキル基」及びR2の定義における「置換低級アルキ
ル基」の「低級アルキル基」としては、例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチ
ル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、
n−ヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチ
ル、2−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−
ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチル
ブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチルの
ような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基を
示し、好適には炭素数1乃至4個のアルキル基である。
尚、R2の定義における「低級アルキル基」としては、
イソブチル基が最も好適である。
R2及びR3の定義における「保護されていてもよいカル
ボキシ基」又はR3の定義における「保護されていてもよ
いチオカルボキシ基」の保護基としては、例えば、前記
低級アルキル基;トリフルオロメチル、トリクロロメチ
ル、トリブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメ
チル、フルオロメチル、クロロメチル、2−ブロモエチ
ル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジ
ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−ト
リクロロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−
トリフルオロメチルブチル、4−トリフルオロメチルペ
ンチル、3−トリフルオロメチルペンチル、2−トリフ
ルオロメチルペンチル、3,3−ビス(トリフルオロメチ
ル)ブチル等の炭素数1乃至6個の直鎖若しくは分枝鎖
ハロゲン化アルキル基のようなハロゲノ低級アルキル基
又は前記アラルキル基のような反応における保護基を挙
げることができ、好適には低級アルキル基である。
R2及びR3の定義における「保護されていてもよいカル
バモイル基」の保護基としては、例えば、前記「保護さ
れていてもよいアミノ基」の保護基と同様の基を挙げる
事ができ、好適には、脂肪族アシル基又は芳香族アシル
基である。
R2の定義における「置換基を有していてもよいアリー
ル基」とは、下記の置換基が環上に、1乃至4個置換し
ていてもよいアリール基を示し、アリール基としては、
例えばフェニル、ナフチルのような炭素数6乃至10個の
芳香族炭化水素基を挙げることができ、好適にはフェニ
ル基である。該環上の置換基としては、例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシのよう
な炭素数1乃至6個の低級アルコキシ基;アミノ基;ニ
トロ基;シアノ基;前記低級アルキル、前記ハロゲノ低
級アルキル若しくは前記アラルキルで置換されていても
よいカルボキシ基;カルバモイル基;弗素原子、塩素原
子、臭素原子、沃素原子のようなハロゲン原子;前記低
級アルキル基;前記ハロゲノ低級アルキル基;前記脂肪
族アシル基及びメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、
プロピレンジオキシのような炭素数1乃至4個のアルキ
レンジオキシ基を挙げることができ、好適には、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ低級アルキル基
又はハロゲン原子である。
「置換されていてもよいアリール基」としては、好適
には、フェニル、ナフチルのようなアリール基;2−メト
キシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフ
ェニル、2−エトキシフェニル、3−エトキシフェニ
ル、4−エトキシフェニル、2−プロポキシフェニル、
3−プロポキシフェニル、4−プロポキシフェニル、3,
5−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,
6−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,
5−ジプロポキシフェニル、2,5−ジプロポキシフェニ
ル、2,6−ジエトキシフェニル、2,4−ジエトキシフェニ
ル、2,3,6−トリメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキ
シフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2,5,6−ト
リメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、
2,3,6−トリプロポキシフェニル、2,3,4−トリプロポキ
シフェニル、3,4,5−トリプロポキシフェニル、2,5,6−
トリエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル
のようなハロゲン原子で置換されたアリール基;2−フル
オロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフ
ェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4
−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフ
ェニル、4−ブロモフェニル、3,5−ジフルオロフェニ
ル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニ
ル、2,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジブロモフェニ
ル、2,5−ジブロモフェニル、2,6−ジクロロフェニル、
2,4−ジクロロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニ
ル、2,3,4−トリフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオ
ロフェニル、2,5,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−ト
リフルオロフェニル、2,3,6−トリブロモフェニル、2,
3,4−トリブロモフェニル、3,4,5−トリブロモフェニ
ル、2,5,6−トリクロロフェニル、2,4,6−トリクロロフ
ェニルのようなハロゲン原子で置換されたアリール基;2
−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチ
ルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−ト
リクロロメチルフェニル、3−ジクロロエチルフェニ
ル、4−トリクロロメチルフェニル、2−トリブロモメ
チルフェニル、3−ジブロモメチルフェニル、4−ジブ
ロモメチルフェニル、3,5−ビストリフルオロメチルフ
ェニル、2,5−ビストリフルオロメチルフェニル、2,6−
ビストリフルオロメチルフェニル、2,4−ビストリフル
オロメチルフェニル、3,5−ビストリブロモメチルフェ
ニル、2,5−ビスジブロモメチルフェニル、2,6−ビスジ
クロロメチルメチルフェニル、2,4−ビスジクロロメチ
ルフェニル、2,3,6−トリストリフルオロメチルフェニ
ル、2,3,4−トリストリフルオロメチルフェニル、3,4,5
−トリストリフルオロメチルフェニル、2,5,6−トリス
トリフルオロメチルフェニル、2,4,6−トリストリフル
オロメチルフェニル、2,3,6−トリストリブロモメチル
フェニル、2,3,4−トリスジブロモメチルフェニル、3,
4,5−トリストリブロモメチルフェニル、2,5,6−トリス
ジクロロメチルメチルフェニル、2,4,6−トリスジクロ
ロメチルフェニルのようなハロゲノ低級アルキル基で置
換されたアリール基;2−メチルフェニル、3−メチルフ
ェニル、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3
−プロピルフェニル、4−エチルフェニル、2−ブチル
フェニル、3−ペンチルフェニル、4−ペンチルフェニ
ル、3,5−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、
2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,5
−ジブチルフェニル、2,5−ジペンチルフェニル、2,6−
ジプロピルメチルフェニル、2,4−ジプロピルフェニ
ル、2,3,6−トリメチルフェニル、2,3,4−トリメチルフ
ェニル、3,4,5−トリメチルフェニル、2,5,6−トリメチ
ルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,3,6−トリ
ブチルフェニル、2,3,4−トリペンチルフェニル、3,4,5
−トリブチルフェニル、2,5,6−トリプロピルメチルフ
ェニル、2,4,6−トリプロピルフェニルのような低級ア
ルキル基で置換されたアリール基;2−メトキシフェニ
ル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2
−エトキシフェニル、3−プロポキシフェニル、4−エ
トキシフェニル、2−ブトキシフェニル、3−ペントキ
シフェニル、4−ペントキシフェニル、3,5−ジメトキ
シフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキ
シフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジブトキ
シフェニル、2,5−ジペントキシフェニル、2,6−ジプロ
ポキシメトキシフェニル、2,4−ジプロポキシフェニ
ル、2,3,6−トリメトキシフェニル、2,3,4−トリメトキ
シフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2,5,6−ト
リメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、
2,3,6−トリブトキシフェニル、2,3,4−トリペントキシ
フェニル、3,4,5−トリブトキシフェニル、2,5,6−トリ
プロポキシフェニル、2,4,6−トリプロポキシフェニル
のような低級アルコキシ基で置換されたアリール基;2−
アミノフェニル、3−アミノフェニル、4−アミノフェ
ニル、3,4−ジアミノフェニル、2,5−ジアミノフェニ
ル、2,6−ジアミノフェニル、2,4−ジアミノフェニルの
ようなアミノ基で置換されたアリール基;2−ニトロフェ
ニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、3,5
−ジニトロフェニル、2,5−ジニトロフェニル、2,6−ジ
ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニルのようなニト
ロ基で置換されたアリール基;2−ジアノフェニル、3−
シアノフェニル、4−シアノフェニル、3,5−ジシアノ
フェニル、2,4−ジシアノフェニル、2,6−ジシアノフェ
ニル、2,4−ジシアノフェニルのようなシアノ基で置換
されたアリール基;2−アセチルフェニル、3−アセチル
フェニル、4−アセチルフェニル、3,5−ジアセチルフ
ェニル、2,5−ジアセチルフェニル、2,6−ジアセチルフ
ェニル、2,4−ジアセチルフェニル、2,3,6−トリプロピ
オニルフェニルのような脂肪族アシル基で置換されたア
リール基;2−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェ
ニル、4−カルボキシフェニルのようなカルボキシ基で
置換されたアリール基;2−カルバモイルフェニル、3−
カルバモイルフェニル、4−カルバモイルフェニル、3,
5−ジカルバモイルフェニル、2,5−ジカルバモイルフェ
ニル、2,6−ジカルバモイルフェニル、2,4−ジカルバモ
イルフェニルのようなカルバモイル基で置換されたアリ
ール基;3,4−メチレンジオキシフェニルのようなアルキ
レンジオキシ基で置換されたアリール基を挙げることが
できる。
R2の定義における「炭素数3乃至8個のシクロアルキ
ル基」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオク
チルのような3乃至8員環状飽和炭化水素基を示し、好
適には5乃至7員環状飽和炭化水素基である。
本発明の反応基質である化合物(I)は、塩の形で本
発明の基質として使用することができるが、そのような
塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩又はカ
ルシウム塩のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属
の塩;弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素
酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸
塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸
塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン
酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩、ベンゼンスル
ホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリール
スルホン酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸
塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩及び
グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩
を挙げることができる。
本発明の方法に使用される「不斉水素化遷移金属触
媒」としては、その触媒の分子内に、不斉炭素原子を有
する水素化触媒であれば、特に、限定はないが、例え
ば、ルテニウムを遷移金属として有する、 一般式 Ru(X1(binap)、 [Ru(X1(binap)]+Y-又は Ru2(X2(binap)・Z [式中、Ruはルテニウム原子を示し、X1は、前記ハロゲ
ン原子又は前記脂肪族アシル基が酸素原子と結合した脂
肪族アシルオキシ基を示し、好適には、塩素原子、アセ
トキシ基又はトリフルオロアセトキシ基であり、X2は、
前記ハロゲン原子を示し、好適には塩素原子であり、 binapとは、 一般式 を有する基(式中、R4は、前記置換基を有していてもよ
いアリール基、前記低級アルキル基、前記ハロゲノ低級
アルキル基又は置換されていてもよい炭素数3乃至8個
のシクロアルキル基を示す。) を示し、分子不斉を有するものである。
Y-は、過塩素酸イオン、トリフロオロホウ素イオンの
ような酸性アニオンを示し、Zは、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ピリジンのような第三級の有機アミ
ン化合物を示す。]を有する不斉水素化触媒を挙げるこ
とができる。
R4は定義における「置換されていてもよい炭素数3乃
至8個のシクロアルキル基」とは、シクロアルキル基の
環上に、前記「置換されていてもよいアリール基」にお
いて記載した置換基より選択される置換基が1乃至4個
有していてもよいシクロアルキル基を示す。
本発明は、化合物(I)を溶媒に溶かし、凍結脱気さ
せ、この溶液に不斉水素化遷移金属触媒を加え、更にこ
の溶液を凍結脱気した後、オートクレーブ中で、高圧水
素ガス雰囲気にて撹拌下、接触還元することにより達成
される。
使用される溶媒としては、反応を阻害しないものであ
れば特に限定はないが、好適には、メタノール、エタノ
ールのようなアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシ
レンのような芳香族炭化水素類;エーテル、ジメトキシ
エタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テト
ラヒドロフランのようなエーテル類;ジクロロメタン、
クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類及びこれら
の混合溶媒を挙げることができ、更に好適には、アルコ
ール類又はアルコール類と上記他の溶媒との混合溶媒で
ある。
使用される不斉水素化遷移金属触媒としては、前記定
義された化合物であれば特に限定はないが、好適には、
前記式(III)及び(IV)において (1) R4が、置換基を有していてもよいアリール基で
ある化合物 (2) R4が、フェニル又はトリルである化合物を挙げ
ることができる。
不斉水素化遷移金属触媒の量は、多量に使用しても問
題はないが、通常、一般式(I)を有する化合物に対し
て1/100〜1/500モルを用いることによって実施される。
尚、本発明化合物(II)の3位の立体配位は、原料化
合物(I)の4位炭素の不斉及び不斉水素化遷移金属触
媒の不斉によって、選択的に決定される。例えば、(4
S)の原料化合物(I)を用いて、(3S,4S)の本発明化
合物(II)を合成するためには、(R)−binap(III)
を用い、(3R,4S)体を合成するためには、(S)−bin
ap(IV)を用いれば良い。
反応圧力は、通常、0〜200気圧で行なわれるが、好
適には50〜100気圧である。
反応温度は、通常0℃乃至100℃で行なわれるが、好
適には、10℃乃至40℃である。
反応時間は、主に反応圧力、反応温度、原料化合物、
及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常2時
間乃至60時間である。
反応終了後、目的化合物(II)は常法に従って、反応
混合物から採取される。例えば、反応混合物に水と混和
しない有機溶媒を加え、水洗後、溶剤を留去することに
よって得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常
法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィー等に
よって更に精製できる。
本発明の方法の原料化合物であるβ−ケトカルボン酸
誘導体(I)は、種々の常法により容易に合成できる。
例えば、N−保護アミノ酸をイミダゾリドとし、次いで
酢酸エステルのリチウムエノレート[例えば、ジョーリ
ー等の方法(Tetrahedron Lett.,28,2837(1987)]や
マロン酸モノエステルのマグネシウムエノレートと反応
させる方法[例えば、梅沢等の方法(J.Antibiot.,36,1
15(1973))]や、N−保護アミノアルデヒドと酢酸エ
ステルのリチウムエノレートや酢酸エステルと臭化亜鉛
との反応によって得られるβ−ヒドロキシカルボン酸誘
導体の酸化によって合成できる。
一方、不斉水素化遷移金属触媒は、例えば、野依ら
[J.Org.Chem.,51,629(1986)、J.Am.Chem.Soc.,108,7
117−7119(1986)及びJ.Am.Chem.Soc.,109,5856(198
7)]の方法に従って、原料として光学活性なルテニウ
ム化合物を用い、有機酸塩をメタノール、エタノール、
t−ブタノールのようなアルコール類の溶媒中で、20乃
至110℃の温度で、3乃至15時間反応させた後、溶媒を
留去して、エーテル、テトラヒドロフランのようなエー
テル類又はメタノール、エタノール、t−ブタノールの
ようなアルコール類の溶媒で抽出後、乾固することによ
り得ることができ、更に、再結晶することにより、精製
品を得ることができる。
反応終了後、保護基の除去はその種類によって異なる
が、一般にこの分野の技術において周知の方法によって
以下の様に実施される。
アミノ基の保護基として、トリ低級アルキルシリル基
を使用した場合には、通常弗化テトラブチルアンモニウ
ムのような弗素アニオンを生成する化合物で処理するこ
とにより除去する。反応溶媒は反応を阻害しないもので
あれば特に限定はないが、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンのようなエーテル類が好適である。反応温度及び反
応時間は特に限定はないが、通常室温で10乃至18時間反
応させる。
アミノ基の保護基が、脂肪族アシル基、芳香族アシル
基、アルコキシカルボニル基又はシッフ塩基を形成する
置換されたメチレン基である場合には、水性溶媒の存在
下に酸又は塩基で処理することにより除去することがで
きる。酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸が
用いられ、塩基としては、化合物の他の部分に影響を与
えないものであれば特に限定はないが、好適には炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金
属水酸化物又は濃アンモニア−メタノールを用いて実施
される。尚、塩基による加水分解では異性化が起こるこ
とがある。使用される溶媒としては通常の加水分解反応
に使用されるものであれば特に限定はなく、水又は水と
メタノール、エタノール、n−プロパノールのようなア
ルコール類若しくはテトラヒドロフラン、ジオキサンの
ようなエーテル類のような有機溶媒との混合溶媒が好適
である。反応温度及び反応時間は出発物質及び用いる塩
基等によって異なり特に限定はないが、副反応を抑制す
るために、通常は0℃乃至150℃で、1乃至10時間であ
る。
アミノ基の保護基が、アラルキル基又はアラルキルオ
キシカルボニル基である場合には、白金若しくはパラジ
ウム炭素のような触媒を使用して、常温で接触還元を行
ない、除去する方法又は酸化剤を用いて除去する方法が
好適である。
還元による除去において使用される溶媒としては本反
応に関与しないものであれば特に限定はないが、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコー
ル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンのようなエーテル類、トルエン、ベンゼン、キシレ
ンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサ
ンのような脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピ
ルのようなエステル類、酢酸のような脂肪酸類又はこれ
らの有機溶媒と水との混合溶媒が好適である。使用され
る触媒としては、通常、接触還元反応に使用されるもの
であれば、特に限定はないが、好適にはパラジウム炭
素、ラネーニッケル、酸化白金、白金黒、ロジウム−酸
化アルミニウム、トリフェニルホスフィン−塩化ロジウ
ム、パラジウム−硫酸バリウムが用いられる。圧力は、
特に限定はないが、通常1乃至10気圧で行なわれる。反
応温度及び反応時間は、出発物質及び触媒の種類等によ
り異なるが、通常、0℃乃至100℃、5分乃至24時間実
施される。
酸化による除去において使用される溶媒としては本反
応に関与しないものであれば特に限定はないが、好適に
は、含水有機溶媒である。このような有機溶媒として好
適には、アセトンのようなケトン類、メチレンクロリ
ド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化
水素類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ
ーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類
及びジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類を挙
げることができる。使用される酸化剤としては、通常、
酸化に使用される化合物であれば特に限定はないが、好
適には過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、アンモニウ
ムセリウムナイトレイト(CAN)、2,3−ジクロロ−5,6
−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)が用いられる。
反応温度及び反応時間は、出発物質及び触媒の種類等
により異なるが、通常、0℃乃至150℃で、10分乃至24
時間実施される。
アミノ基の保護基がアルケニルオキシカルボニル基で
ある場合は、通常前記アミノ基の保護基が脂肪族アシル
基、芳香族アシル基又は低級アルコキシカルボニル基で
ある場合の除去反応の条件と同様にして塩基と処理する
ことにより脱離させることができる。尚、アリルオキシ
カルボニルの場合は、特にパラジウム及びトリフェニル
ホスフィン若しくはニッケルテトラカルボニルを使用し
て除去する方法が簡便で、副反応が少なく実施すること
ができる。
尚、上記のようなアミノ基の保護基を除去する操作に
よって、カルボキシ基又はチオカルボキシ基の保護基が
同時に除去されることもある。
次に、カルボキシ基又はチオカルボキシ基の保護基と
して、低級アルキル基を使用した場合には、酸又は塩基
で処理することにより除去することができる。酸として
は、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸が用いられ、塩基
としては、化合物の他の部分に影響を与えないものであ
れば特に限定はないが、好適には炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物又は
濃アンモニア−メタノールを用いて実施される。尚、塩
基による加水分解では異性化が起こることがある。使用
される溶媒としては通常の加水分解反応に使用されるも
のであれば特に限定はなく、水又は水とメタノール、エ
タノール、n−プロパノールのようなアルコール類若し
くはテトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類のような有機溶媒との混合溶媒が好適である。反応温
度及び反応時間は出発物質及び用いる塩基等によって異
なり特に限定はないが、副反応を抑制するために、通常
は0℃乃至150℃で、1乃至10時間である。
カルボキシ基又はチオカルボキシ基の保護基がジフェ
ニルメチルのようなジアリール置換メチル基である場合
には、通常酸性条件下で除去する。使用される反応溶媒
としてはアニソールのような芳香族炭化水素類がよく、
酸としてはトリフルオロ酢酸のようなフッ素置換有機酸
が用いられる。反応温度及び反応時間は出発物質等によ
って異なるが、通常は室温で30分乃至10時間である。
カルボキシ基又はチオカルボキシ基の保護基がアラル
キル基又はハロゲノ低級アルキル基である場合には、通
常還元剤と接触させることにより除去することができ
る。還元剤としては、カルボキシ基の保護基がハロゲノ
低級アルキル基である場合には、亜鉛−酢酸が好適であ
り、アラルキル基である場合には、パラジウム炭素、白
金のような触媒を用い、接触還元を行なうか、又は硫化
カリウム、硫化ナトリウムのようなアルカリ金属硫化物
を用いて実施される。反応は溶媒の存在下に行なわれ、
使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれ
ば特に限定はないが、メタノール、エタノールのような
アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのよう
なエーテル類;酢酸のような脂肪酸又はこれらの有機溶
媒と水との混合溶媒が好適である。反応温度及び反応時
間は出発物質及び用いる還元剤等によって異なるが、通
常は0℃乃至室温付近で、5分乃至12時間である。
尚、上記のようなカルボキシ基又はチオカルボキシ基
の保護基を除去する操作によって、アミノ基の保護基が
同時に除去されることもある。
上記のアミノ基の保護基の除去反応及びカルボキシ基
又はチオカルボキシ基の保護基の除去反応は、順不同で
希望する除去反応を順次実施することができる。
以下に、実施例及び参考例をあげて本発明を更に具体
的に説明する。
実施例1 N−(t−ブトキシカルボニル)−(3S,4S)−4−ア
ミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸 エチ
ルエステル 無水エタノール4ml中に、N−(t−ブトキシカルボ
ニル)−(4S)−4−アミノ−3−オキソ−5−フェニ
ルペンタン酸 エチルエステル2.00g(5.96ミリモル)
を溶解し、凍結脱気を3回行った。アルゴンガス雰囲気
下、RuBr2[(R)−binap]10.4mg(1.18×10-5モル)
を加え、更に凍結脱気を3回繰り返し、この溶液をカニ
ューラを用い、ステンレス・スチール・オートクレーブ
に移し、水素圧を100気圧かけ、室温にて60時間撹拌し
た。60時間後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトクラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:
4)にて精製を行い、標記化合物1.97g(98%)を白色結
晶として得た。
融点:88.0〜89.0℃ [α]D:−36.9゜(C=1.0、メタノール、20℃) 元素分析値:C18H27NO5として 計算値:C:64.07,H:8.07,N:4.15 実測値:C:63.88,H:7.99,N:4.18 質量分析 m/e:338(M++1) 実施例2 N−(t−ブトキシカルボニル)−(3S,4S)−4−ア
ミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸 エチル
エステル 無水エタノール2ml中に、N−(t−ブトキシカルボ
ニル)−(4S)−4−アミノ−6−メチル−3−オキソ
ヘプタン酸 エチルエステル500mg(1.66ミリモル)を
溶解して凍結脱気を3回行った。アルゴンガス雰囲気
下、RuBr2[(R)−binap]3.6mg(4.10×10-6モル)
を加え、更に凍結脱気を3回繰り返し、この溶液をカニ
ューラを用い、ステンレス・スチール・オートクレーブ
に移し、水素圧を100気圧かけ、室温にて60時間撹拌し
た。60時間後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:
4)にて精製を行い、標記化合物360mg(72%)を無色油
状物質として得た。
[α]D:−38.0゜(C=1.0、メタノール、20℃) 元素分析値:C15H29NO5として 計算値:C:59.38,H:9.63,N:4.62 実測値:C:59.27,H:9.48,N:4.59 質量分析 m/e:304(M++1) 実施例3 N−(t−ブトキシカルボニル)−(3R,4S)−4−ア
ミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタン酸 エチ
ルエステル 無水エタノール2ml中に、N−(t−ブトキシカルボ
ニル)−(4S)−4−アミノ−3−オキソ−5−フェニ
ルペンタン酸 エチルエステル100mgを溶解し、凍結脱
気を3回行った。アルゴンガス雰囲気下、RuBr
2[(S)−binap]1mg(1.14×10-6モル)を加え、更
に凍結脱気を3回繰り返し、この溶液をカニューラを用
い、ステンレス・スチール・オートクレーブに移し、水
素圧を100気圧かけ、室温にて40時間撹拌した。溶媒を
減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5)にて精製を行い、
標記化合物46mg(46%)及び(3S,4S)体を4mg(4%)
得た。
参考例1 N−(t−ブトキシカルボニル)−(4S)−4−アミノ
−3−オキソ−5−フェニルペンタン酸 エチルエステ
ル N−(t−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラ
ニン10.00g(37.7ミリモル)を無水テトラヒドロフラン
20ml中に溶かした溶液をN,N−カルボジイミダゾール6.7
2g(41.4ミリモル)を無水テトラヒドロフラン30ml中に
溶かした溶液に滴加し、室温にて30分間撹拌した。この
溶液をマロン酸モノエチルと金属マグネシウムより調整
したマロン酸モノエチルのマグネシウムエノレートの無
水テトラヒドロフラン溶液に滴下し、ジメチルスルホキ
シド80mlを添加した。この反応液を室温にて4時間撹拌
後、反応混合物を1N−塩酸にて酸性とし、更に30分間撹
拌した。次いでジエチルエーテルにて抽出を行い、有機
層を水、飽和炭酸水素ナトリウム液、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧濃縮後、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:n−ヘキサン=1:6)にて精製し、n−ヘキサンにて
再結晶を行い、標記化合物9.80g(78%)を白色針状結
晶として得た。
融点:64.0〜65.0℃ [α]D:−58.5゜(C=1.0、メタノール、20℃) 元素分析値:C18H25NO5として 計算値:C:64.46,H:7.51,N:4.18 実測値:C:64.21,H:7.31,N:4.14 質量分析 m/e:335(M+) 参考例2 N−(t−ブトキシカルボニル)−(4S)−4−アミノ
−6−メチル−3−オキソヘプタン酸 エチルエステル 参考例1と同様に、N−(t−ブトキシカルボニル)
−L−ロイシン10.00g(43.2モル)を用い、標記化合物
9.20g(70.7%)を白色結晶として得た。
融点:41.0〜42.5℃ [α]D:−57.3゜(C=1.0、メタノール、20℃) 元素分析値:C15H27NO5として 計算値:C:59.78,H:9.03,N:4.65 実測値:C:59.54,H:9.08,N:4.46 質量分析 m/e:273(M+−28) 参考例3 RuBr2〔(R)−binap〕の合成 Ru(OAc)[(R)−binap]802mg(9.53×10-4
ル)をデカスした無水塩化メチレン5mlに溶解し、この
溶液に1.9N−臭化水素/メタノール溶液1.05mlを加え、
室温にて30分間撹拌し、その後、溶媒を減圧留去し、残
渣を一晩減圧下乾燥し、標記化合物を茶褐色物質として
得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 229/34 C07C 229/34 231/18 231/18 233/18 233/18 233/47 233/47 235/06 235/06 237/06 237/06 271/16 271/16 271/22 271/22 327/06 327/06 327/22 327/22 // B01J 31/24 B01J 31/24 C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 (72)発明者 西 剛秀 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−310847(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 229/22,227/32,229/24,229/26,22 9/32,229/34,231/18,233/18,233/47,235 /06, 237/06,271/16,271/22,327/06,327/22 B01J 31/24 C07B 53/00,61/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、R1は、保護されたアミノ基を示し、R2は保護さ
    れていてもよいカルボキシ基、保護されていてもよいカ
    ルバモイル基、モノ若しくはジ低級アルキニル置換カル
    バモイル基、低級アルキル基或は置換低級アルキル基
    (該置換基は、保護されていてもよいアミノ基、モノ若
    しくはジ低級アルキニル置換アミノ基、置換基を有して
    いてもよいアリール基又は炭素数3乃至8個のシクロア
    ルキル基である。)を示し、R3は、保護されていてもよ
    いカルボキシ基、保護されていてもよいチオカルボキシ
    基、保護されていてもよいカルバモイル基又はモノ若し
    くはジ低級アルキニル置換カルバモイル基を示し、*は
    不斉炭素原子を示す。] で表される光学活性なβ−ケトカルボン酸誘導体又はそ
    の塩を、ルテニウム−ホスフィン錯体触媒の存在下に還
    元することを特徴とする 一般式 (式中、R1、R2、R3及び*は、前記と同意義を示す。)
    で表される光学活性な4−アミノ−3−ヒドロキシカル
    ボン酸類の立体選択的合成法。
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