JP3006769B2 - 2―置換―3―アミノカルボニルプロピオン酸の立体選択的製法 - Google Patents

2―置換―3―アミノカルボニルプロピオン酸の立体選択的製法

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JP3006769B2
JP3006769B2 JP2037340A JP3734090A JP3006769B2 JP 3006769 B2 JP3006769 B2 JP 3006769B2 JP 2037340 A JP2037340 A JP 2037340A JP 3734090 A JP3734090 A JP 3734090A JP 3006769 B2 JP3006769 B2 JP 3006769B2
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、レニン等の酸性プロテアーゼに対して優れ
た阻害活性を有する化合物の合成において、有用となる
光学活性な合成中間体の製造法に関する。
(従来の技術) レニン等の酸性プロテアーゼに対する阻害剤は、その
立法構造が活性の強さに重要な影響を及ぼし、特に、そ
の重要構成成分である(2R)−2−置換−3−アミノカ
ルボニルプロピオン酸の類縁化合物においては、(2R)
の絶対配位を有するものが阻害活性が強く、医療品とし
ては好ましいことが知られている。
従来、かかる不斉化合物を合成する方法としては、例
えば、エバンス等の不斉アルキル化反応を利用した方法
[特開昭63−63649号公報]の方法が知られているが、
多工程を要するものである。
一方、ラセミ化合物の合成法としては、例えば、飯塚
等の方法[J.Med.Chem.,31,701(1988)]が知られてい
るが、エナンチオマーの分離という煩雑な作業を要し、
多くの場合に分離が極めて困難であり、実用に適さない
ものである。
(当該発明が解決しようとする課題) 本発明者等は、光学活性な2−置換−3−アミノカル
ボニルプロピオン酸類の合成について、永年に亘り鋭意
研究を行なった結果、α,β−不飽和カルボン酸類を基
質として、不斉水素化遷移金属触媒を用いて、接触還元
反応を行なった場合に、上記の好ましい絶対配位を有す
る、不斉な2−置換−3−アミノカルボニルプロピオン
酸類が、優れた立法選択性で、かつ高収率で得られるこ
と及び用いる触媒が再生使用可能であること等を見い出
し、本発明を完成した。
〔構成〕
本発明の一般式 [式中、R1は、置換されていてもよいアリール基を示
し、 R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、低級アル
キル基、置換された低級アルキル基(該置換基として
は、保護されていてもよいアミノ基、モノ若しくはジ低
級アルキル置換アミノ基、保護されていてもよい水酸
基、置換されていてもよいアリール基若しくは置換され
ていてもよい炭素数3乃至8個のシクロアルキル基を示
す。)、置換されていてもよい炭素数3乃至8個のシク
ロアルキル基又はアミノ基の保護基を示すか、或いはR2
及びR3が一緒になって、炭素数2乃至6個のアルキレン
基又は酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子で中断され
た炭素数2乃至6個のアルキレン基を示し、R4は、水素
原子又は低級アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示
す。]で表わされる、新規な2−置換−3−アミノカル
ボニルプロピオン酸の立法選択的製法は、一般式 (式中、R1、R2、R3及びR4は、前記と同意義を示す。)
で表わされるα,β−不飽和カルボン酸誘導体を、不斉
水素化遷移金属触媒の存在下に還元することを特徴とす
る。
上記一般式(I)及び(II)において、 R1、R2及びR3の定義における「置換されていてもよい
アリール基」とは、アリール基の環上に、1乃至4個の
下記より選択される置換基を有していてもよいアリール
基を示す。アリール基としては、例えばフェニル、ナフ
チルのような炭素数6乃至10個の芳香族炭化水素基を挙
げることができ、好適にはフェニル基、1−ナフチル及
び2−ナフチル基である。該環上の置換基としては、ア
ミノ基;ニトロ基;シアノ基;後記低級アルキル又は後
記ハロゲノ低級アルキル基で置換されていてもよいカル
ボキシ基;カルバモイル基;弗素、塩素、臭素、沃素の
ようなハロゲン原子;後記低級アルキル基;メトキシ、
エトキシ、プロポキシのような低級アルコキシ基;トリ
フルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチ
ル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、フルオロメチ
ル、クロロメチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチ
ル、2−フルオロエチル、2,2−ジブロモエチル、2,2,2
−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、n
−トリフルオロプロピル、2−トリフルオロメチルブチ
ル、4−トリフルオロメチルペンチル、3−トリフルオ
ロメチルペンチル、2−トリフルオロメチルペンチル、
3,3−トリフルオロジメチルブチル等の炭素数1乃至6
個の直鎖若しくは分岐鎖のハロゲノ低級アルキル基;前
記脂肪族アシル基及びメチレンジオキシ、エチレンジオ
キシ、プロピレンジオキシのような炭素数1乃至4個の
アルキレンジオキシ基を挙げることができ、好適には、
低級アルキル基、ハロゲン原子又はハロゲノ低級アルキ
ル基である。
「置換されていてもよいアリール基」の具体例として
は、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルの
ようなアリール基;2−フルオロフェニル、3−フルオロ
フェニル、4−フルオロフェニル、2−クロロフェニ
ル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブ
ロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニ
ル、3,5−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニ
ル、2,6−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニ
ル、3,5−ジブロモフェニル、2,5−ジブロモフェニル、
2,6−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,3,
6−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニ
ル、3,4,5−トリフルオロフェニル、2,5,6−トリフルオ
ロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,3,6−ト
リブロモフェニル、2,3,4−トリブロモフェニル、3,4,5
−トリブロモフェニル、2,5,6−トリクロロフェニル、
2,4,6−トリクロロフェニルのようなハロゲン原子で置
換されたアリール基;2−トリフルオロメチルフェニル、
3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメ
チルフェニル、2−トリクロロメチルフェニル、3−ジ
クロロメチルフェニル、4−トリクロロメチルフェニ
ル、2−トリブロモメチルフェニル、3−ジブロモメチ
ルフェニル、4−ジブロモメチルフェニル、3,5−ビス
トリフルオロメチルフェニル、2,5−ビストリフルオロ
メチルフェニル、2,6−ビストリフルオロメチルフェニ
ル、2,4−ビストリフルオロメチルフェニル、3,5−ビス
トリブロモメチルフェニル、2,5−ビスジブロモメチル
フェニル、2,6−ビスジクロロメチルメチルフェニル、
2,4−ビスジクロロメチルフェニル、2,3,6−トリストリ
フルオロメチルフェニル、2,3,4−トリストリフルオロ
メチルフェニル、3,4,5−トリストリフルオロメチルフ
ェニル、2,5,6−トリストリフルオロメチルフェニル、
2,4,6−トリストリフルオロメチルフェニル、2,3,6−ト
リストリブロモメチルフェニル、2,3,4−トリスジブロ
モメチルフェニル、3,4,5−トリストリブロモメチルフ
ェニル、2,5,6−トリスジクロロメチルメチルフェニ
ル、2,4,6−トリスジクロロメチルフェニルのようなハ
ロゲノ低級アルキル基で置換されたアリール基;2−メチ
ルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニ
ル、2−エチルフェニル、3−プロピルフェニル、4−
エチルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ペンチルフ
ェニル、4−ペンチルフェニル、3,5−ジメチルフェニ
ル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、
2,4−ジメチルフェニル、3,5−ジブチルフェニル、2,5
−ジペンチルフェニル、2,6−ジプロピルメチルフェニ
ル、2,4−ジプロピルフェニル、2,3,6−トリメチルフェ
ニル、2,3,4−トリメチルフェニル、3,4,5−トリメチル
フェニル、2,5,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリメ
チルフェニル、2,3,6−トリブチルフェニル、2,3,4−ト
リペンチルフェニル、3,4,5−トリブチルフェニル、2,
5,6−トリプロピルメチルフェニル、2,4,6−トリプロピ
ルフェニルのような低級アルキル基で置換されたアリー
ル基;2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4
−メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、3−プロ
ポキシフェニル、4−エトキシフェニル、2−ブトキシ
フェニル、3−ペントキシフェニル、4−ペントキシフ
ェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフ
ェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフ
ェニル、3,5−ジブトキシフェニル、2,5−ジペントキシ
フェニル、2,6−ジプロポキシメトキシフェニル、2,4−
ジプロポキシフェニル、2,3,6−トリメトキシフェニ
ル、2,3,4−トリメトキシフェニル、3,4,5−トリメトキ
シフェニル、2,5,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−ト
リメトキシフェニル、2,3,6−トリブトキシフェニル、
2,3,4−トリペントキシフェニル、3,4,5−トリブトキシ
フェニル、2,5,6−トリプロポキシフェニル、2,4,6−ト
リプロポキシフェニルのような低級アルコキシ基で置換
されたアリール基;2−アミノフェニル、3−アミノフェ
ニル、4−アミノフェニル、3,5−ジアミノフェニル、
2,5−ジアミノフェニル、2,6−ジアミノフェニル、2,4
−ジアミノフェニルのようなアミノ基で置換されたアリ
ール基;2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、4−
ニトロフェニル、3,5−ジニトロフェニル、2,5−ジニト
ロフェニル、2,6−ジニトロフェニル、2,4−ジニトロフ
ェニルのようなニトロ基で置換されたアリール基;2−シ
アノフェニル、4−シアノフェニル、4−シアノフェニ
ル、3,5−ジシアノフェニル、2,5−ジシアノフェニル、
2,6−ジシアノフェニル、2,4−ジシアノフェニルのよう
なシアノ基で置換されたアリール基;2−アセチルフェニ
ル、3−アセチルフェニル、4−アセチルフェニル、3,
5−ジアセチルフェニル、2,5−ジアセチルフェニル、2,
6−ジアセチルフェニル、2,4−ジアセチルフェニル、2,
3,6−トリプロピオニルフェニルのような脂肪族アシル
基で置換されたアリール基;2−カルボキシフェニル、3
−カルボキシフェニル、4−カルボキシフェニルのよう
なカルボキシ基で置換されたアリール基;2−カルバモイ
ルフェニル、3−カルバモイルフェニル、4−カルバモ
イルフェニル、3,5−ジカルバモイルフェニル、2,5−ジ
カルバモイルフェニル、2,6−ジカルバモイルフェニ
ル、2,4−ジカルバモイルフェニルのようなカルバモイ
ル基で置換されたアリール基;3,4−メチレンジオキシフ
ェニルのようなアルキレンジオキシ基で置換されたアリ
ール基を挙げることができる。
R2、R3及びR4の定義における「低級アルキル基」と
は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、
ネオペンチル,n−ヘキシル、4−メチルペンチル、3−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、3,3−ジメチル
ブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、
1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジ
メチルブチルのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分岐
鎖アルキル基を示し、好適には炭素数1乃至4個のアル
キル基である。
R2及びR3の定義における「保護されていてもよいアミ
ノ基」の「保護基」及び「アミノ基の保護基」とは、下
記の保護基群より選択される1又は2個の保護基を示
し、該保護基としては、通常アミノ基の保護基として使
用するものであれば限定はないが、好適には、例えば、
ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブ
チリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバ
レリル、オクタノイル、ウラロイル、ミリストイル、ト
リデカノイル、パルミトイル、ステアロイルのようなア
ルキルカルボニル基、クロロアセチル、ジクロロアセチ
ル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルのよう
なハロゲン化脂肪族アシル基、メトキシアセチルのよう
な低級アルコキシ脂肪族アシル基、(E)−2−メチル
−2−ブテノイルのような不飽和脂肪族アシル基等の脂
肪族アシル基;ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフ
トイルのようなアリールカルボニル基、2−ブロモベン
ゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲン化アリ
ールカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4
−トルオイルのような低級アルキル化アリールカルボニ
ル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化アリー
ルカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベ
ンゾイルのようなニトロ化アリールカルボニル基、2−
(メトキシカルボニル)ベンゾイルのような低級アルコ
キシカルボニル化アリールカルボニル基、4−フェニル
ベンゾイルのようなアリール化アリールカルボニル基等
の芳香族アシル基;メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボ
ニルのような低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−ト
リクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエ
トキシカルボニルのようなハロゲン又はトリ低級アルキ
ルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基等
のアルコキシカルボニル基;ビニルオキシカルボニル、
アリルオキシカルボニルのようなアルケニルオキシカル
ボニル基;ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベ
ンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオ
キシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニ
ル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような、1
乃至2個の低級アルコキシ又はニトロ基でアリール環が
置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基;
トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジ
メチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイ
ソプロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリ
イソプロピルシリルのようなトリ低級アルキルシリル
基、ジフェニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリ
ル、ジフェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプ
ロピルシリルのような1乃至2個のアリール基で置換さ
れたトリ低級アルキルシリル基等のシリル基又はベンジ
ル、フェネチル、2−フェニルプロピル、α−ナフチル
メチル、β−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、トリ
フェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、9−
アンスリルメチルのような1乃至3個のアリール基で置
換された低級アルキル基、4−メチルベンジル、2,4,6
−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、
4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニ
ルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、
4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノ
ベンジル、4−シアノベンジルジフェニルメチル、ビス
(2−ニトロフェニル)メチル、ピペロニルのような低
級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、シア
ノ基でアリール環が置換された1乃至3個のアリール基
で置換された低級アルキル基等のアラルキル基であり、
更に好適には、脂肪族アシル基又は芳香族アシル基であ
る。
R2及びR3の定義における「モノ若しくはジ低級アルキ
ル置換アミノ基」とは、メチルアミノ、エチルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ブ
チルアミノのような炭素数1乃至6個のアルキル基がモ
ノ若しくはジ置換したアミノ基を挙げることができ、好
適には、炭素数1乃至4個のアルキル基がモノ若しくは
ジ置換したアミノ基である。
R2及びR3の定義における「保護されていてもよい水酸
基」の保護基としては、例えば、前記脂肪族アシル基;
前記芳香族アシル基;テトラヒドロピラン−2−イル、
3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキ
シテトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピ
ラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン
−4−イルのようなテトラヒドロピラニル又はテトラヒ
ドロチオピラニル基;テトラヒドロフラン−2−イル、
テトラヒドロチオフラン−2−イルのようなテトラヒド
ロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基;前記シリ
ル基;メトキシメチル、1,1−ジメチル−1−メトキシ
メチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロ
ポキシメチル、ブトキシメチル、t−ブトキシメチルの
ような低級アルコキシメチル基、2−メトキシエトキシ
メチルのような低級アルコキシ化低級アルコキシメチル
基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−ク
ロロエトキシ)メチルのようなハロゲノ低級アルコキシ
メチル等のアルコキシメチル基;1−エトキシエチル、1
−メチル−1−メトキシエチル、1−(イソプロポキ
シ)エチルのような低級アルコキシ化エチル基、2,2,2
−トリクロロエチルのようなハロゲン化エチル基、2−
(フェニルゼレニル)エチルのようなアリールゼレニル
化エチル基等の置換エチル基;前記アラルキル基;前記
アルコキシカルボニル基;前記アルケニルオキシカルボ
ニル基;前記アラルキルオキシカルボニル基を挙げるこ
とができる。
R2及びR3の定義における「置換されていてもよい炭素
数3乃至8個のシクロアルキル基」とは、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチルのような3乃至8員飽
和環状炭化水素基(好適には5乃至7員飽和環状炭化水
素基)の環上に、前記「置換されていてもよいアリール
基」において記載した置換基より選択される置換基が1
乃至4個置換していてもよい基を示す。
R2及びR3が一緒になって示す「炭素数2乃至6個のア
ルキレン基」とは、例えばエチレン、トリメチレン、テ
トラメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルト
リメチレン、3−メチルトリメチレン、ペンタメチレ
ン、ヘキサメチレンのような炭素数2乃至6個のアルキ
レン基を挙げることができ、好適にはエチレン、トリメ
チレン又はテトラメチレンである。
R2及びR3が一緒になって示す「酸素原子、硫黄原子若
しくは窒素原子で中断された炭素数2乃至6個のアルキ
レン基」とは、例えばメチレンオキシメチレン、メチレ
ンアミノメチレン、メチレンチオメチレン、エチレンオ
キシメチレン、エチレンアミノメチレン、エチレンチオ
メチレン、トリメチレンオキシメチレン、トリメチレン
アミノメチレン、トリメチレンチオメチレン、エチレン
オキシエチレン、エチレンアミノエチレン、エチレンチ
オエチレン、テトラメチレンオキシメチレン、テトラメ
チレンアミノメチレン、テトラメチレンチオメチレン、
トリメチレンオキシエチレン、トリメチレンアミノエチ
レン、トリメチレンチオエチレン、ペンタメチレンオキ
シメチレン、ペンタメチレンアミノメチレン、ペンタメ
チレンチオメチレン、テトラメチレンオキシエチレン、
テトラメチレンアミノエチレン、テトラメチレンチオエ
チレン、トリメチレンオキシトリメチレン、トリメチレ
ンアミノトリメチレン、トリメチレンチオトリメチレン
のような酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子で中断さ
れた炭素数2乃至6個のアルキレン基を挙げることがで
き、更に、このアルキレン基には、前記低級アルキル基
が置換していてもよく、この結果、R2及びR3が、隣接す
る窒素原子と一緒になって、例えば、ピペラジニル、モ
ルホリノ、2,6−ジメチルモノホリノ、2−メチルモノ
ホリノ、チオモルホリノ、N−メチルピペラジニル、ピ
ペリジノ、ピロリジノのような飽和複素環基を示す。
本発明の方法に使用される「不斉水素化遷移金属触
媒」としては、その触媒の分子内に、不斉炭素原子を有
する水素化触媒であれば、特に、限定はないが、例え
ば、ルテニウムを遷移金属として有する、 一般式 Ru(X1(binap)、 [Ru(X1(binap)]+Y-又は Ru2(X2(binap)・Z [式中、Ruはルテニウム原子を示し、X1は、塩素、臭
素、沃素のようなハロゲン原子又はアセトキシ、トリフ
ルオロアセトキシのようなハロゲン化されていてもよい
脂肪族アシルオキシ基を示し、X2は、X1におけるハロゲ
ン原子と同様の基を示し、 binapとは、 一般式 を有する基(式中、R6は、置換されていてもよいアリー
ル基、置換されていてもよい直鎖若しくは分枝鎖の低級
アルキル基又は置換されていてもよい炭素数3乃至8個
のシクロアルキル基を示す。)を示し、分子不斉を有す
るものである。
Y-は、過塩素酸イオン、トリフルオロホウ素イオンの
ような酸性アニオンを示し、Zは、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ピリジンのような第三級の有機アミ
ン化合物を示す。]を有する不斉水素化触媒をあげるこ
とができる。
本発明は、化合物(I)を溶媒に溶かし、凍結脱気さ
せ、この溶液に不斉水素化遷移金属触媒を加え、更にこ
の溶液を凍結脱気した後、オートクレーブ中で、水素ガ
ス雰囲気下にて攪拌し、接触還元することにより達成さ
れる。
使用される溶媒としては、反応を阻害しないものであ
れば特に限定はないが、好適には、メタノール、エタノ
ールのようなアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシ
レンのような芳香族炭化水素類、エーテル、ジメトキシ
エタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テト
ラヒドロフランのようなエーテル類;ジクロロメタン、
クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類及びこれら
の混合溶媒を挙げることができ、更に好適には、アルコ
ール類又はアルコール類と上記他の溶媒との混合溶媒で
ある。
使用される不斉水素化遷移金属触媒としては、前記定
義された化合物であれば特に限定はないが、好適には、
前記式(III)及び(IV)に於いて (1)R6が、置換されていてもよいアリール基である化
合物 (2)R6が、フェニル又はトリルである化合物を挙げる
ことができる。
不斉水素化遷移金属触媒の量は、多量に使用しても問
題はないが、通常、一般式(I)を有する化合物に対し
て1/100〜1/1000モルを用いることによって実施され
る。
尚、本発明化合物(II)の2位の立体配位は、不斉水
素化遷移金属触媒の不斉によって、選択的に決定され
る。例えば、原料化合物(I)を用いて、(2R)の本発
明化合物(II)を合成するためには、(S)−binap(I
V)を用いれば良い。
反応圧力は、通常、0〜200気圧で行なわれるが、好
適には1〜50気圧である。
反応温度は、通常0℃乃至200℃で行なわれるが、好
適には、20℃乃至100℃である。
反応時間は、主に、反応圧力、反応温度、原料化合物
及び使用される溶媒の種類によって異なるが、通常12時
間乃至200時間である。
反応終了後、本反応の目的化合物(II)は常法に従っ
て、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物に
水と混和しない有機溶媒を加え、水洗後、溶剤を留去す
ることによって得られる。得られた目的化合物は必要な
らば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフ
ィー等によって更に精製できる。
本発明の方法の原料化合物であるα,β−不飽和カル
ボン酸類(I)は、公知化合物(特開昭61−186366号公
報記載)であるが、例えば、ホーニング等の方法[E.C.
Horning,J.Am.Chem.Soc.,74,5147(1952)]準じて容易
に合成できる。
一方、不斉水素化遷移金属触媒は、例えば、野依ら
[J.Org.Chem.,51,629(1986)、J.Am.Chem.Soc.,108,7
117−7119(1986)及びJ.Am.Chem.Soc.,109,5856(198
7)]の方法に従って、原料として光学活性なルテニウ
ム化合物を用い、有機酸塩をメタノール、エタノール、
t−ブタノールのようなアルコール類の溶媒中で、20〜
110℃の温度で3〜15時間反応させた後、溶媒を留去し
て、エーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類
又はメタノール、エタノール、t−ブタノールのような
アルコール類の溶媒で抽出後、乾固することにより得る
ことができ、更に、再結晶することにより、精製品を得
ることができる。
反応終了後、保護基の除去はその種類によって異なる
が、一般にこの分野の技術において周知の方法によって
以下の様に実施される。
アミノ基及び/又は水酸基の保護基として、トリ低級
アルキルシリル基を使用した場合には、通常弗化テトラ
ブチルアンモニウムのような弗素アニオンを生成する化
合物で処理することにより除去する。反応溶媒は反応を
阻害しないものであれば特に限定はないが、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンのようなエーテル類が好適であ
る。反応温度及び反応時間は特に限定はないが、通常室
温で10乃至18時間反応させる。
アミノ基及び/又は水酸基の保護基が、脂肪族アシル
基、芳香族アシル基又はアルコキシカルボニル基である
場合には、水性溶媒の存在下に酸又は塩基で処理するこ
とにより除去することができる。酸としては、塩酸、硫
酸、リン酸、臭化水素酸が用いられ、塩基としては、化
合物の他の部分に影響を与えないものであれば特に限定
はないが、好適には炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのよ
うなアルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムのようなアルカリ金属水酸化物又は濃アンモニア
−メタノールを用いて実施される。尚、塩基による加水
分解では異性化が起こることがある。使用される溶媒と
しては通常の加水分解反応に使用されるものであれば特
に限定はなく、水又は水とメタノール、エタノール、n
−プロパノールのようなアルコール類若しくはテトラヒ
ドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類のような有
機溶媒との混合溶媒が好適である。反応温度及び反応時
間は出発物質及び用いる塩基等によって異なり特に限定
はないが、副反応を抑制するために、通常は0℃乃至15
0℃で、1乃至10時間である。
アミノ基及び/又は水酸基の保護基が、アラルキル基
又はアラルキルオキシカルボニル基である場合には、白
金若しくはパラジウム炭素のような触媒を使用して、常
温で接触還元を行ない、除去する方法又は酸化剤を用い
て除去する方法が好適である。
還元による除去において使用される溶媒としては本反
応に関与しないものであれば特に限定はないが、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコー
ル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンのようなエーテル類、トルエン、ベンゼン、キシレ
ンのような芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサ
ンのような脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピ
ルのようなエステル類、酢酸のような脂肪酸類又はこれ
らの有機溶媒と水との混合溶媒が好適である。使用され
る触媒としては、通常、接触還元反応に使用されるもの
であれば、特に限定はないが、好適にはパラジウム炭
素、ラネーニッケル、酸化白金、白金黒、ロジウム−酸
化アルミニウム、トリフェニルホスフィン−塩化ロジウ
ム、パラジウム−硫酸バリウムが用いられる。圧力は、
特に限定はないが、通常1乃至10気圧で行なわれる。反
応温度及び反応時間は、出発物質及び触媒の種類等によ
り異なるが、通常、0℃乃至100℃で、5分乃至24時間
実施される。
酸化による除去において使用される溶媒としては本反
応に関与しないものであれば特に限定はないが、好適に
は、含水有機溶媒である。このような有機溶媒として好
適には、アセトンのようなケトン類、メチレンクロリ
ド、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭水
素類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエー
テル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類
及びジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類を挙
げることができる。使用される酸化剤としては、通常、
酸化に使用される化合物であれば特に限定はないが、好
適には過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、アンモニウ
ムセリウムナイトレイト(CAN)、2,3−ジクロロ−5,6
−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)が用いられる。
反応温度及び反応時間は、出発物質及び触媒の種類等
により異なるが、通常、0℃乃至150℃で、10分乃至24
時間実施される。
アミノ基及び/又は水酸基の保護基がアルケニルオキ
シカルボニル基である場合は、通常前記アミノ基の保護
基が脂肪族アシル基、芳香族アシル基又は低級アルコキ
シカルボニル基である場合の除去反応の条件と同様にし
て塩基と処理することにより脱離させることができる。
尚、アリルオキシカルボニルの場合は、特にパラジウム
及びトリフェニルホスフィン若しくはニッケルテトラカ
ルボニルを使用して除去する方法が簡便で、副反応が少
なく実施することができる。
水酸基の保護基が、アルコキシメチル基、テトラヒド
ロピラニル基、テトラヒドロフラニル基又は置換された
エチル基である場合には、通常溶媒中で酸で処理するこ
とにより除去することができる。使用される酸として
は、好適には塩酸、酢酸、硫酸、p−トルエンスルホン
酸又は酢酸等である。使用される溶媒としては本反応に
関与しないものであれば特に限定はないが、メタノー
ル、エタノールのようなアルコール類;テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンのようなエーテル類又はこれらの有機
溶媒と水との混合溶媒が好適である。反応温度及び反応
時間は出発物質及び用いる酸の種類等によって異なる
が、通常は0℃乃至50℃で、10分乃至18時間である。
上記のアミノ基及び/又は水酸基の保護基の除去反応
は、順不同で希望する除去反応を順次実施することがで
きる。
以下に、実施例及び参考例をあげて本発明を更に具体
的に説明する。
尚、以下の実施例において、鏡像体過剰率は、本不斉
水素化反応により合成したカルボン酸をメチルエステル
とした後、光学異性体分離カラム(CHIRALCEL OC)に付
し、ヘキサン:2−プロパノールを用い、UV波長254nmで
検出することにより決定した。
実施例1 2−(R)−(1−ナフチル)メチル−3−モルホリノ
カルボニルプロピオン酸 メチルエステル E−2−(1−ナフチルメチレン)−3−(モノホリ
ノカルボニル)プロピオン酸100mg(0.31ミリモル)
を、無水メタノール2ml中に溶解し、凍結脱気を3回行
なった。アルゴンガス雰囲気下、Ru(OAc)[(S)
−binap]2mg(2.38×10-6モル)を加え、更に凍結脱気
を3回繰り返し、この溶液をカニュラーを用い、ステン
レス・スチール・オートクレーブに移し、水素圧を4気
圧かけ、50℃にて48時間攪拌した。48時間後、溶媒を減
圧留去し、残渣をジアゾメタン−エーテル溶液にてメチ
ル化した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エ
ーテル:ヘキサン=4:1)にて精製し、標記光学活性化
合物を、無水アモルファスとして57mg(54%)得た。
従来に比べ、立体選択的に、不斉合成できた。
マススペクトル(m/e):341(M)+,129. tR値(カラム:CHIRALCEL OC(Daicel) 溶媒:ヘキサン:2−プロパノール=50:50 溶出速度:1.5ml/min): (2R)体:12.93min. (2S)体:20.70min. 実施例2 2−(R)−ベンジル−3−モルホリノカルボニルプロ
ピオン酸 メチルエステル E−2−ベンジリデン−3−(モノホリノカルボニ
ル)プロピオン酸200mg(0.73ミリモル)を、無水メタ
ノール3ml中に溶解し、凍結脱気を3回行なった。アル
ゴンガス雰囲気下、Ru(OAc)[(S)−binap]2mg
(2.38×10-6モル)を加え、更に凍結脱気を3回繰り返
し、この溶液をカニュラーを用い、ステンレス・スチー
ル・オートクレーブに移し、水素圧を2気圧かけ、50℃
にて48時間攪拌した。48時間後、溶媒を減圧留去し、残
渣をジアゾメタン−エーテル溶液にてメチル化した後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エーテル:ヘキ
サン=4:1)にて精製し、標記光学活性化合物を、白色
結晶として127mg(60%)得た。
従来に比べ、立体選択的に、不斉合成できた。
融点:66−68℃ マススペクトル(m/e):291(M)+,129. tR値(カラム:CHIRALCEL OC(Daicel) 溶媒:ヘキサン:2−プロパノール=30:70 溶出速度:1.0ml/min): (2R)体:11.90min. (2S)体:15.60min. 実施例3 2−(R)−ベンジル−3−ベンジルメチルアミノカル
ボニルプロピオン酸 E−2−ベンジリデン−3−(モノホリノカルボニ
ル)プロピオン酸200mg(0.64ミリモル)を、無水メタ
ノール3ml中に溶解し、凍結脱気を3回行なった。アル
ゴンガス雰囲気下、Ru(OAc)[(S)−binap]2mg
(2.38×10-6モル)を加え、更に凍結脱気を3回繰り返
し、この溶液をカニュラーを用い、ステンレス・スチー
ル・オートクレーブに移し、水素圧を2気圧かけ、50℃
にて48時間攪拌した。48時間後、溶媒を減圧留去し、精
製し、標記光学活性化合物を、121mg(60%)得た。
従来に比べ、立体選択的に、不斉合成できた。
融点:119−121℃ マススペクトル(m/e):311(M)+,120,91. 参考例1 (E)−2−(1−ナフチルメチレン)−3−モノホリ
ノカルボニルプロピオン酸 コハク酸ジエチル16.15g(92.7ミリモル)及び1−ナ
フトアルデヒド14.50g(92.8ミリモル)を無水エタノー
ル160ml中に溶解し、氷冷下に50%水素ナトリウム5.35g
を加え、30分間加熱還流した。更に、1規定水酸化ナト
リウム水溶液115mlを加え、1時間加熱還流した。溶媒
を減圧留去後、水を加えてエーテル抽出を行なった。水
層を濃塩酸にて酸性とした後、エーテルで抽出した。有
機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧留去し
た。残渣にベンゼンを加え、析出結晶を瀘取し、2−
(1−ナフチルメチレン)コハク酸15.3gを得た。
2−(1−ナフチルメチレン)コハク酸14.0gに無水
酢酸150mlを加え、60℃にて1時間加熱した。溶媒を減
圧留去後、残渣にベンゼン:ヘキサン=1:1の混合溶液
を加え、析出結晶を瀘取し、2−(1−ナフチルメチレ
ン)無水コハク酸8.78gを得た。
次いで、この2−(1−ナフチルメチレン)無水コハ
ク酸5.00g(21.0ミリモル)をメチレンクロリド150ml中
に溶解し、モルホリン2.56ml(21.2ミリモル)を加え、
室温にて2時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、残渣を酢
酸エチル:ベンゼン:ヘキサン=1:1:1の混合溶媒にて
結晶化を行ない、更に、酢酸エチルにて再結晶を行な
い、標記化合物を白色結晶として、5.93g(87%)を得
た。
融点:145−147℃ 元素分析値:C19H19NO4として 計算値C:70.14,H:5.89,N:4.31. 実測値C:69.40,H:6.08,N:4.42. 質量分析スペクトル(m/e):325(M+),238,165. 参考例2 (E)−2−ベンジリデン−3−モルホリノカルボニル
プロピオン酸 前記ホーニング等の方法に準じて、(E)−ベンジリ
デン無水コハク酸を合成した。
この(E)−ベンジリデン無水コハク酸568mg(3.02
ミリモル)をメチレンクロリド15ml中に溶解し、更に、
モルホリン0.4ml(3.31ミリモル)を加え、室温にて1
時間攪拌後、2時間加熱還流した。酢酸エチルを加え、
1規定塩酸、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣を酢
酸エチルにて再結晶し、標記化合物を白色結晶として65
0mg(78%)得た。
融点:123−124℃ 元素分析値:C15H17NO4として 計算値C:65.44,H:6.22,N:5.09. 実測値C:65.07,H:6.27,N:5.21. 質量分析スペクトル(m/e):275(M+),188,116. 参考例3 (E)−2−ベンジリデン−3−ベンジメチルアミノカ
ルボニルプロピオン酸 (E)−ベンジリデン無水コハク酸3.0g(15.9ミリモ
ル)をメチレンクロリド90ml中に溶解し、更に、ベンジ
ルメチルアミン3.1ml(23.9ミリモル)を加え、室温に
て1時間攪拌後、2時間加熱還流した。酢酸エチルを加
え、2規定塩酸、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸
マグネシウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去後、残渣
をイソプロピルエーテルにて再結晶し、標記化合物を白
色結晶として3.1g(63%)得た。
融点:115−117℃ 元素分析値:C19H19NO3として 計算値C:73.77,H:6.19,N:4.53. 実測値C:73.90,H:6.29,N:4.51. 質量分析スペクトル(m/e):308(M+).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 貞夫 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 小林 赳夫 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−272562(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、 R1は、置換されていてもよいアリール基(ただし、置換
    及び無置換の1−ナフチル基を除く)を示し、 R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、低級アルキ
    ル基、置換された低級アルキル基(該置換基としては、
    保護されていてもよいアミノ基、モノ若しくはジ低級ア
    ルキル置換アミノ基、保護されていてもよい水酸基、置
    換されてもよいアリール基若しくは置換されていてもよ
    い炭素数3乃至8個のシクロアルキル基を示す。)、置
    換されていてもよい炭素数3乃至8個のシクロアルキル
    基又はアミノ基の保護基を示すか、或いはR2及びR3が一
    緒になって、炭素数2乃至6個のアルキレン基又は酸素
    原子、硫黄原子若しくは窒素原子で中断された炭素数2
    乃至6個のアルキレン基を示し、 R4は、水素原子又は低級アルキル基を示す。] で表わされる、α,β−不飽和カルボン酸誘導体を、不
    斉水素化遷移金属触媒の存在下に還元することを特徴と
    する 一般式 (式中、R1、R2、R3、R4は、前記と同意義を示し、*は
    不斉炭素原子を示す。)で表わされる光学活性な2−置
    換−3−アミノカルボニルプロピオン酸の立体選択的製
    法。
  2. 【請求項2】一般式 [式中、 R1は、置換されていてもよいアリール基を示し、 R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、低級アルキ
    ル基、置換された低級アルキル基(該置換基としては、
    保護されていてもよいアミノ基、モノ若しくはジ低級ア
    ルキル置換アミノ基、保護されていてもよい水酸基、置
    換されていてもよいアリール基若しくは置換されていて
    もよい炭素数3乃至8個のシクロアルキル基を示
    す。)、置換されていてもよい炭素数3乃至8個のシク
    ロアルキル基又はアミノ基の保護基を示すか、或いはR2
    及びR3が一緒になって、炭素数2乃至6個のアルキレン
    基又は酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子で中断され
    た炭素数2乃至6個のアルキレン基を示し、 R4は、水素原子又は低級アルキル基を示す。] で表わされる、α,β−不飽和カルボン酸誘導体を、ル
    テニウムを遷移金属触媒として有する不斉水素化遷移金
    属触媒の存在下に還元することを特徴とする 一般式 (式中、R1、R2、R3、R4は、前記と同意義を示し、*は
    不斉炭素原子を示す。)で表わされる光学活性な2−置
    換−3−アミノカルボニルプロピオン酸の立体選択的製
    法。
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