JP2685120B2 - ジチアゾリウム塩の製造方法 - Google Patents

ジチアゾリウム塩の製造方法

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JP2685120B2
JP2685120B2 JP6167576A JP16757694A JP2685120B2 JP 2685120 B2 JP2685120 B2 JP 2685120B2 JP 6167576 A JP6167576 A JP 6167576A JP 16757694 A JP16757694 A JP 16757694A JP 2685120 B2 JP2685120 B2 JP 2685120B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,2,4−ジチアゾ
リウム塩の製造方法に関し、さらに詳しく言えば、チオ
尿素とイソチオシアナートからone−potで1,
2,4−ジチアゾリウム塩を製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】3,5位に置換アミノ基を持つ1,2,
4−ジチアゾリウム塩は、他の複素環化合物を誘導する
合成中間体として使用されるばかりではなく、イエバイ
に対する不妊化剤〔J.Med.Chem.,14,772(1971)〕や写
真用増感剤〔Photograph.Sci.Eng.,22(5),263(197
8)〕としても有用な化合物であるが、その製造方法はほ
とんど進歩していない。すなわち、入手しにくいチオカ
ルバモイルクロリド又は1,2,4−ジチアゾール−3
−チオンを出発物質として、数段階の反応を経て製造さ
れている〔J.Med.Chem.,15,447(1972)〕。このため、
3,5位に導入される置換アミノ基の種類も極めて限定
されており、現在までに報告されていない未知の化合物
が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、3,5位に
置換アミノ基を持つ1,2,4−ジチアゾリウム塩製造
時に見られる前記従来法の欠点を克服し、簡便且つ高収
率で3,5位に各種の置換アミノ基が導入された1,
2,4−ジチアゾリウム塩を製造する方法を提供するこ
とをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解結すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、下記一般式
(1)で表されるN,N−ジ置換チオ尿素と下記一般式
(2)で表されるイソチオシアナートを、水素化ナトリ
ウムの存在下に反応させてから、該反応液を酸性として
酸化することを特徴とする下記一般式(3)で表される
1,2,4−ジチアゾリウム塩の製造方法が提供され
る。
【化1】 (式中、R1、R2は有機基を表している)
【化2】 (式中、R3は有機基を表している)
【化3】 (式中、R1、R2及びR3は有機基を表し、X-は酸根を
表している)
【0005】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。一般式(1)において、R1及びR2で示される有機
基には脂肪族基、芳香族基及び複素環基が包含される。
脂肪族基としては、炭素数1〜10、好ましくは1〜6
のアルキル基やシクロアルキル基が挙げられ、これらは
アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。ま
た、脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、シクロヘキシル基、エトキシエチル基等が例示され
る。芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基、ナフ
チル基等が挙げられ、これらはメチル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、ニトロ基等で置換されていてもよ
い。複素環基としては、ピリジル基、チエニル基、フリ
ル基等が挙げられ、これらはメチル基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、ニトロ基等で置換されていてもよい。ま
た、R1及びR2は結合して環状構造を形成していてもよ
い。
【0006】一般式(2)において、R3で示される有
機基には脂肪族基、芳香族基及び複素環基が包含され
る。脂肪族基としては、炭素数1〜10、好ましくは1
〜6のアルキル基、シクロアルキル基及びアルケニル基
が挙げられ、これらの脂肪族基はアルコキシ基等て置換
されていてもよい。脂肪族基の具体例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、エトキ
シエチル基等を挙げることができる。芳香族基として
は、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基等が挙げら
れ、これらの芳香族基はメチル基、ハロゲン原子、アル
コキシ基、ニトロ基等で置換されていてもよい。複素環
基としては、ピリジル基、チエニル基、フリル基等が挙
げられ、これらの複素環基はメチル基、ハロゲン原子、
アルコキシ基、ニトロ基等で置換されていてもよい。
【0007】一般式(3)のジチアゾリウム塩は、一般
式(1)のN,N−ジ置換チオ尿素と一般式(2)のイ
ソチオシアナートを原料として合成されるから、一般式
(3)のR1及びR2は原料のN,N−ジ置換チオ尿素に
含まれているR1及びR2であり、R3は原料のイソチオ
シアナートに含まれているR3である。また、一般式
(3)のX-は、一般式(3)のジチアゾリウム塩製造
の際に使用する酸に由来する酸根である。そして、ここ
で使われる酸としては強酸が好ましいから、X-はSO4
2-、Cl-、BF4 -、ClO4 -、CF3SO3 -、NO3 -
の強酸根を表すのが一般的である。しかし、これらの酸
根に限定されるものではない。
【0008】本発明法では、一般式(1)のN,N−ジ
置換チオ尿素と一般式(2)のイソチオシアナートを原
料とし、この両者を水素化ナトリウムの存在下に結合さ
せる過程を、ジチアゾリウム塩合成の第一段階としてい
る。この水素化ナトリウムの使用により、反応が容易で
温和に進行する。本発明法による1,2,4−ジチアゾ
リウム塩合成の第二段階は酸化反応であり、この過程は
空気を吹き込むことで実施できる。従って、酸化剤の使
用は必要不可欠ではないが、反応を完結させるためには
酸化剤の使用が好ましく、酸化剤としてはm−クロル過
安息香酸や過酸化水素水等が好ましい。本発明法では、
必要に応じて適当な反応溶媒を使用することが好まし
い。ここで使われる反応溶媒としては、テトラヒドロフ
ラン、エタノール、メタノール、トルエン、酢酸エチ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド等が例示される。
【0009】本発明法による1,2,4−ジチアゾリウ
ム塩製造反応の反応機構は、下記(4)〜(6)式のよ
うに推定される。
【化4】
【0010】本発明による1,2,4−ジチアゾリウム
塩製造方法を具体的に例示すると以下の通りである。一
般式(1)で表されるN,N−ジ置換チオ尿素と、一般
式(2)で表されるイソチオシアナートの等モル混合物
に前記の溶媒を添加混合して均一液とする。この液に、
前記(4)から計算される理論量、好ましくは理論量の
約1.5倍の水素化ナトリウムをそのまま又は溶媒に溶
解して、室温で撹拌されている反応液中に少しずつ加え
る。この添加が終了後も1〜24時間、好ましくは3〜
10時間撹拌を続けて反応を完結させてから、反応液に
理論量の2倍以上、好ましくは3〜10倍の酸を加えて
反応液を酸性にする。なお、この場合の理論量は(5)
式から計算される理論量である。
【0011】酸性の反応液に室温で2〜10時間空気を
吹込むか、或いは(6)式で計算される理論量の1.5
〜10倍、好ましくは2〜3倍の酸化剤を添加して2〜
20時間、好ましくは3〜5時間撹拌する。この酸化反
応は一般に室温で行われるが、50〜150℃、好まし
くは60〜80℃で行えば反応時間を短縮することがで
きる。酸化反応終了後は、2〜50時間、好ましくは1
0〜20時間室温に静置して反応生成物が析出するのを
待つ。ここでは、反応液を0〜15℃、好ましくは0〜
5℃に冷却すると反応生成物の析出が促進される。反応
生成物は一般に微粒子状又は微結晶として析出するか
ら、これを濾別や遠心分離等の公知の方法で母液から分
離して乾燥すれば目的物が得られる。また、反応生成物
が析出しにくい場合は反応液に大量の水を加えたり、減
圧濃縮する等の方法で析出を促進することができる。そ
して、得られた反応生成物はエタノールや酢酸等から再
結晶して精製することができる。
【0012】本発明法によって製造することができる
1,2,4−ジチアゾリウム塩を具体的に例示すると表
1の通りである。
【表1−(1)】
【表1−(2)】
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。なお、本発明で製造される1,2,4−ジ
チアゾリウム塩には新規化合物が多く、そのため新規化
合物では元素分析結果と赤外線吸収スペクトル測定の結
果を主要な判定基準として生成物を確認した。赤外線吸
収スペクトルによると、3300cm-1付近にはNH伸
縮振動による鋭い吸収が(表2のa)、1530cm-1
付近には1,2,4−ジチアゾリウム環による強い吸収
(表2のb)が観測されることが知られている。このほ
か、1110cm-1付近には過塩素酸塩による吸収が
(表2のc)、1071cm-1付近には四フッ化ホウ素
酸塩による吸収(表2のd)が観測されることが知られ
ている。
【0014】実施例1〜8 目的化合物の組成に応じたN,N−ジ置換チオ尿素とイ
ソチオシアナートを、両者とも2ミリモルづつテトラヒ
ドロフラン5ミリリットル中に投入して均一液とする。
この液を撹拌しながら、これに純度60重量%の市販水
素化ナトリウム100mgを5分間で少しずつ添加す
る。添加後、液を撹拌下に加温して3時間還流させてか
ら、過塩素酸又は四フッ化ホウ素酸10ミリモルを含む
水溶液20ミリリットル中に室温で前記の液を投入し
た。この液に市販30重量%過酸化水素水1ミリリット
ルを添加混合して均一液とし、この液を室温又は氷冷下
で1〜5時間撹拌していると粗生成物が微粒子状で析出
してくる。これを3号のガラスフィルターで母液から濾
別し、エタノール等を溶媒として再結晶すると精製品が
得られる。なお、市販水素化ナトリウム中の不純物は水
素化ナトリウムを安定に保存するための炭化水素系溶剤
であり、反応に影響することはない。
【0015】各実施例毎に、目的化合物(表1に記載し
た記号で示す)、使用した酸、使用した再結晶溶媒、原
料に使ったN,N−ジ置換チオ尿素からの目的化合物の
収率、融点及び赤外線吸収部の波数を表2に示す。な
お、表2では文献の存在する化合物については文献記載
の融点を併記した。また、赤外線吸収部の波数は前記し
た分類に従ってa、b、c、dの4ヶ所に分けて測定値
を示した。以上のほか、実施例1〜8の生成物中の新規
化合物については元素分析結果を表3に示すと共に、構
造式から計算される元素分析の計算値を併記した。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、比較的温和な条件で反
応が容易に進行し、one−potの簡便な方法で収率
良く1,2,4−ジチアゾリウム塩を製造することがで
きる。また、一般式(1)におけるR1、R2及び一般式
(2)におけるR3、並びに添加する酸の種類を選ぶこ
とによって、従来法では合成できなかった多数の化合物
を製造することができる。すなわち、各種の置換基や酸
根を持つ一般式(3)で表される3−ジ置換−5−置換
アミノ−1,2,4−ジチアゾリウム塩類が、本発明法
によって多数合成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 晃広 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−183770(JP,A) INDIAN JOURNAL OF CHEMISTRY,29(1990)P. 937−940

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるN,N−ジ
    置換チオ尿素と下記一般式(2)で表されるイソチオシ
    アナートを、水素化ナトリウムの存在下に反応させてか
    ら、該反応液を酸性として酸化することを特徴とする下
    記一般式(3)で表される1,2,4−ジチアゾリウム
    塩の製造方法。 【化1】 (式中、R1、R2は有機基を表している) 【化2】 (式中、R3は有機基を表している) 【化3】 (式中、R1、R2及びR3は有機基を表し、X-は酸根を
    表している)
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