JP2683963B2 - ウッドチップまたはウッドファイバーを用いた舗装材 - Google Patents
ウッドチップまたはウッドファイバーを用いた舗装材Info
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Description
品位木や建築廃材として排出された木材を細かく破砕し
たウッドチップまたはウッドファイバーを主原料とする
舗装材に関するものである。
利用した舗装は、弾力性と透水性に優れているため、ジ
ョギング道路などの特殊舗装の材料として多く使用され
ている。例えば、特開平2−248505号公報に開示
されたウッドチップまたはウッドファイバーを使用した
舗装材は、その代表例である。この公報に開示された舗
装材は、ウッドチップまたはウッドファイバーを砂など
の骨材と混合して舗設し、その表面を合成ゴムあるいは
エマルジョン型の接着剤を用いて表面処理したことを特
徴とするものである。
ムあるいはエマルジョン型の接着剤を用いて表面処理し
た場合には、以下のような問題点があった。 (1)接着剤が固化するためには、水分の蒸発が不可欠
である。ところがウッドチップまたはウッドファイバー
は、多量の水分を含んでいるため、固化するまでにかな
りの養生期間を必要としていた。すなわち養生期間を長
くとる必要があり、工期が長い。そのため、万一養生期
間中に降雨があったりすると固化不良となり、舗装とし
ての品質機能の確保に難点があった。 (2)表面処理手段として、従来は接着剤を散布方式に
より施工している。そのため、接着剤の全層にわたる浸
透が不充分となり、表面のみが固化され、経時的に表面
が剥離されてしまう傾向があった。そこで、この発明
は、これらの問題点の解決を課題とするものであって、
耐摩耗性などの耐久性の高いウッドチップまたはウッド
ファイバーを用いた舗装材を提供するものである。
として、この発明に係るウッドチップまたはウッドファ
イバーを用いた舗装材は、ウッドチップまたはウッドフ
ァイバーと、砂と、湿気硬化型樹脂系のウレタン樹脂か
らなる接着剤とで構成され、かつ、路盤上に表層として
用いられる舗装材であって、前記ウッドチップまたはウ
ッドファイバーと砂とを、当該砂の容積比が10%〜4
0%の範囲であることを特徴とするものである。このよ
うな技術的手段において、前記ウッドチップの寸法は、
縦と横との長さが5cm以下で、厚さが5mm以下で、
ウッドファイバーの寸法は最大長さが80mm以下で、
縦の長さは横の長さの3倍以上、厚さは5mm以下のも
のとすることである。また、前記砂の粒度は、最大粒径
が5mm以下で、0.075mmの通過質量百分率が1
0%以下のものとすることである。さらに、前記ウッド
チップまたはウッドファイバーの含水比は、150%以
下で、かつ、砂の含水比は、10%以下に規制したこと
にある。
イバーと砂とを混合して得た舖装材は、前記したように
湿気硬化型樹脂系のウレタン樹脂からなる接着剤を用
い、しかも主材料であるウッドチップまたはウッドファ
イバー、さらに砂の含水比を一定値以下に規制して混練
したので、まず養生期間が短縮される。しかも、舗装材
は全層にわたって固化されるため、従来の接着剤を散布
方式により施工して舗設した舖装材の場合に比較し、舗
装としての耐摩粍性などの耐久性が、飛躍的に改善さ
れ、また砂の容積比率が10%〜40%にある場合が最
も好適である。もちろんウッドチップまたはウッドファ
イバーのもつ弾力性および透水性はなんら損なわれるこ
とはなく、ジョギング道路などの舖装材として、その効
用が発揮れた。
する。
3cm、厚さが3mmのウッドチップの単体と、ウッド
チップと、砂との容積比率を80:20、60:40と
した3種類の原材料を用いた。そして、それぞれに湿気
硬化型ウレタン樹脂からなる接着剤を加えてミキサーに
て混練し舗装材とした。そして、これを路盤上に敷なら
し、転圧してウッドチップ舗装を構築した。他方、この
舗装材により供試体を作成するとともに、湿度95%以
上、温度20℃の室内で14日間養生し固化させた。そ
して、この供試体を用い、次のような安定性、耐久性を
チェックするための試験を行った。なお、湿度95%以
上、温度20℃で養生し、固化させたのは、実際の施工
条件に適合させるためである。ついで、前記安定性およ
び耐久性を確認するため、温度20℃でラベリング試験
(舗装試験方法便覧:往復チェーン式)による摩粍量試
験を行った。さらに冬期における凍結融解に対する安定
性を確認するため、前記養生後の供試体を+10℃〜−
10℃〜+10℃の下降上昇の温度をとり、48時間を
1サイクルとし、7サイクル繰り返し、しかるのち前記
同様なラベリング試験を行って凍結融解による摩粍量を
チェックした。なお、従来の舖装材、すなわち接着剤と
してエマルジョン型のアクリル系接着剤を用いた場合と
比較するため、前記3種類の原材料に、それぞれエマル
ジョン型アクリル系接着剤をスプレーして固化した供試
体を作成し、それぞれについて前記と同様な摩粍量の試
験を行った。図1は、その摩耗量試験の結果を示すもの
である。
ジョン型の接着剤、すなわちエマルジョン型のアクリル
系接着剤を舗装表面に散布して養生固化させた場合よ
り、本発明による舗装材の耐摩粍性は飛躍的に向上し、
安定性の高い舖装であることが立証された。
かけ、長さ3cm、幅5cm、厚さ3mm以下のウッド
ファイバーとし、これに湿気硬化型ウレタン樹脂を加え
て混練し、前記実施例1の場合と同様な条件で養生固化
させて供試体を作成し、しかるのちラベリング試験を実
施した。すなわち、ウッドファイバーのサイズによる舖
装材としての安定性、耐久性についてチェックした。図
2は、その一環としての摩粍量の試験結果を示す。
例1で用いたウッドチップの場合と同様に、その形状サ
イズをしかるべく設定すれば、ウッドファイバーを用い
ても、その耐摩粍性はなんら遜色がなく、安定性の高い
舖装が得られることが立証された。
影響をチェックするため、前記実施例2で用いたウッド
ファイバーと砂との配合が80:20の容積比率の材料
におけるウッドファイバーの含水比を、180%、15
0%、120%とし、また砂の含水比を、13%、10
%、7%の3段階に設定して供試体を作成し、これらの
供試体を前記実施例2と同様な養生日数をもって固化
し、しかるのちラベリング試験を行った。図3は、その
試験結果を表にして示すものである。
は、ウッドファイバーの含水比が150%以下で、砂の
含水比は10%以下の場合が小さいことが立証された。
すなわちウッドファイバーの含水比は、150%以下、
砂の含水比は、10%以下に規制することが好ましいこ
とが立証された。
に行ったものである。すなわちウッドファイバーの単体
と、これに実施例1の場合と同様な容積比率をもって砂
を混合し、これに湿気硬化型のウレタン樹脂系の接着剤
を加えて混練し、直径10cm、高さ12.7cmの円
柱状を呈する透水試験用の供試体を作成した。そして、
この供試体を湿度60%、温度20℃の室内で28日間
養生して固化し、JSFT311に基づいて定水位透水
試験を行った。図4は、その結果を表にして示すもので
ある。
1×10−3以上を示し、きわめて透水性機能の高いこ
とが立証された。
ったものである。すなわち実施例2で配合したウッドフ
ァイバーに湿気硬化型ウレタン樹脂の接着剤を加えて混
練したものと、比較のため、アクリル系エマルジョンか
らなる接着剤を散布したものとを、それぞれ厚さ10c
mの透水性コンクリート版上に、厚さ3cmをもって積
層し、前記同様な条件設定で、すなわち湿度60%、温
度20%の室内にて28日間養生して固化させて板状の
供試体を作成した。そして、この供試体に高さ1mの位
置からゴルフボールおよびスチールボールをそれぞれ自
由落下させ、供試体の反撥量を測定し、舗装としての弾
力性をチェックした。図5は、その結果を示すものであ
る。なお、ゴルフボールおよびスチールボールの寸法形
状は、(財)日本体育施設協会発行の屋外体育施設の建
設指針に準拠した。
ーンが、ウッドファイバーを湿気硬化型のウレタン樹脂
で固化させたものであり、左下に同じく斜線で示すゾー
ンが、アクリル系エマルジョンを散布して固化させたも
のの、それぞれの反撥量を示すものである。明らかなよ
うに、従来のアクリル系エマルジョンからなる接着剤を
散布して固化させたものより、本発明による湿気硬化ウ
レタン樹脂からなる接着剤を加えて混練して固化させた
ものが、その反撥量、すなわち弾力性においては格段に
優れていることが立証された。なお、図中に示すクレイ
舖装、天然芝舗装、人工芝舖装、さらにアスファルト舗
装は、本発明によるウッドチップまたはウッドファイバ
ーよりなる舗装と比較するために参考までに示したもの
である。
変化による剥離性、耐摩粍性をチェックするために行っ
たものである。その方法としては、実施例2において用
いた3種類の配合比からなる材料を、それぞれ屋外にて
試験舗装し、1年間の経過をチェックした。その結果
は、湿気硬化ウレタン樹脂からなる接着剤を加えて混練
した、本発明の舗装材は、剥離性、耐摩耗性にもきわめ
て強いものであることが立証された。図6は、前記試験
舖装の1年経過後、切り取って供試体とし、ラベリング
試験を行った摩耗量の試験結果を示す。
よる舗装材は、経年変化に対しても、きわめて有効性が
高いものである。なお、図7は、本発明による舗装材を
砕石路盤上に舗設した舗装構造の断面図であり、図8
は、同じく透水性路盤上に舗設した舗装構造の断面図で
ある。
ドファイバーを用いた舗装材は、ウッドチップまたはウ
ッドファイバーと、砂と、湿気硬化型樹脂系のウレタン
樹脂からなる接着剤とで構成され、かつ、路盤上に表層
として用いられる舗装材であって、前記ウッドチップま
たはウッドファイバーと砂とを、当該砂の容積比が10
%〜40%の範囲としたので、以上実施例を通して説明
したように、従来のエマルジョン型の接着剤を表面にス
プレイして舗設する舗装材に比較して、耐摩耗性などの
耐久性に優れ、しかも弾力性さらには透水性に優れてい
るため、ジョギング道路などの特殊舗装材として好適で
ある。特に耐摩耗性、透水性において、その機能が高
く、従来のエマルジョン型の接着剤を用いた舗装に比較
し、きわめて安定性が高い。
と、同じくウッドチップを用いた従来の舗装材との摩粍
量の試験結果を表にして示す比較図である。
ドファイバーを用いた舗装材の摩粍量試験結果を表にし
て示すものである。
ーと砂)の含水比による摩粍量試験結果を表にして示す
ものである。
るために行ったウッドファイバー舖装材の透水係数を示
すものである。
るために行った反撥量試験に基づくゴルフボールとスチ
ールボールとの反撥係数の関係を示すものである。な
お、アスファルト舗装、クレイ舗装などは、比較のため
に示す。
ために行った1年経過後の切り取り供試体の摩粍量試験
結果を示すものである。
バーを用いた舗装材をもって砕石路盤上に舗設した舗装
構造の断面図である。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ウッドチップまたはウッドファイバー
と、砂と、湿気硬化型樹脂系のウレタン樹脂からなる接
着剤とで構成され、かつ、路盤上に表層として用いられ
る舗装材であって、 前記ウッドチップまたはウッドファイバーと砂とを、当
該砂の容積比が10%〜40%の範囲であることを特徴
とするウッドチップまたはウッドファイバーを用いた舗
装材。 - 【請求項2】 前記ウッドチップは、縦と横との長さが
5cm以下で、厚さが5mm以下で、ウッドファイバー
は最大長さが80mm以下で、縦の長さは横の長さの3
倍以上、厚さは5mm以下であることを特徴とする請求
項1記載のウッドチップまたはウッドファイバーを用い
た舗装材。 - 【請求項3】 前記砂の粒度は、5mm以下で、0.0
75mmの通過質量百分率が10%以下であることを特
徴とする請求項1記載のウッドチップまたはウッドファ
イバーを用いた舗装材。 - 【請求項4】 前記ウッドチップまたはウッドファイバ
ーの含水比は、150%以下で、砂の含水比は、10%
以下であることを特徴とする請求項1記載のウッドチッ
プまたはウッドファイバーを用いた舗装材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3118674A JP2683963B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | ウッドチップまたはウッドファイバーを用いた舗装材 |
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JP3118674A JP2683963B2 (ja) | 1991-05-23 | 1991-05-23 | ウッドチップまたはウッドファイバーを用いた舗装材 |
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JPH04347202A JPH04347202A (ja) | 1992-12-02 |
JP2683963B2 true JP2683963B2 (ja) | 1997-12-03 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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-
1991
- 1991-05-23 JP JP3118674A patent/JP2683963B2/ja not_active Expired - Fee Related
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