JP2683872B2 - 建物用のコンクリートパネル - Google Patents

建物用のコンクリートパネル

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JP2683872B2 JP6158018A JP15801894A JP2683872B2 JP 2683872 B2 JP2683872 B2 JP 2683872B2 JP 6158018 A JP6158018 A JP 6158018A JP 15801894 A JP15801894 A JP 15801894A JP 2683872 B2 JP2683872 B2 JP 2683872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として、建物の外壁
パネル、床材パネル、屋根パネル等に使用される建物用
のコンクリートパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】外壁パネル等に使用される建物用のコン
クリートパネルは、建物である躯体に、簡単に、しかも
強固に連結できることが大切である。このことを実現す
るために、本発明者は、図1に示す連結構造の建物用の
コンクリートパネルを開発した(実公昭52−4432
4号公報)。この図に示すコンクリートパネルは、パネ
ルの端縁に沿ってC型鋼1を埋設すると共に、C型鋼1
を端面から突出させている。この構造のコンクリートパ
ネルは、C型鋼1を建物躯体の梁等に溶接して固定し、
突出するC型鋼1によってできる隙間にコーキング2を
充填して防水している。
【0003】さらに、この構造のコンクリートパネルに
類似する構造として、図2に示すコンクリートパネルも
開発されている(実公昭45−12911号公報)。こ
の図に示すコンクリートパネルは、図1に示すパネルと
同じように、全体の形状をL字状とする型鋼3を埋設し
て成形している。型鋼3にボルト4を固定している。ボ
ルト4は頭の部分をコンクリートパネルに埋設してい
る。この構造のコンクリートパネルは、ボルト4にナッ
トをねじ込んで固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1に示す構造のコン
クリートパネルは、C型鋼を溶接して梁等に固定するの
で、正確に定位置に固定するのが難しい欠点がある。ま
た、C型鋼を強固にコンクリートパネルに連結するため
に、C型鋼をコンクリートパネルのほぼ全長に埋設する
必要がある。このため、長いC型鋼を埋設することにな
って、コンクリートパネルの重量が重くなる欠点があ
る。重いコンクリートパネルを、正確に位置決めして定
位置に固定する作業は難しくて、手間のかかることであ
る。このため、能率よく施工するのが難しい欠点があ
る。さらに、長いC型鋼を埋設するので、材料コストも
高くなり、安価に多量生産するのが難しくなる欠点があ
る。
【0005】図2に示すコンクリートパネルは、型鋼の
定位置にボルトを固定しているので、ボルトを介してコ
ンクリートパネルを正確に定位置に固定できる特長があ
る。しかしながら、この構造のコンクリートパネルは、
表面からボルトを突出させてコンクリートを成形するの
で、型枠の構造が複雑になり、しかも能率よく多量生産
するのが難しい欠点がある。また、ボルトの一部をコン
クリートに埋設するので、コンクリートを成形するとき
に、モルタルがボルトのネジ部分に付着する欠点があ
る。モルタルの付着したボルトは、ナットをスムーズに
ねじ込むことができず、コンクリートパネルの取り付け
作業能率を著しく低下させる。
【0006】さらに、ALCパネルにアンカープレート
を埋設する気泡コンクリートパネルも開発されている
(特開昭63−312451号公報)。この公報に記載
されるコンクリートパネルは、図3に示すように、コン
クリートパネルの内部にアンカープレート5を埋設して
いる。アンカープレート5の一部を外部に表出させるた
めに、気泡コンクリートパネルを成形した後、アンカー
プレート5に向かって穴17を開口している。この穴1
7にスタッドボルト7を入れてその先端をアンカープレ
ート5に溶接し、スタッドボルト7を介してコンクリー
トパネルを建物に固定している。
【0007】この構造のコンクリートパネルは、気泡コ
ンクリートの内部に埋設されたアンカープレートのー部
を外部に表出させて、スタッドボルトを溶着するので、
アンカープレートを気泡コンクリートに埋設した後、コ
ンクリートに穴を開けてアンカープレートを外部に表出
させる必要がある。このため、アンカープレートを外部
に表出させるのに手間がかかる欠点がある。とくに、ア
ンカープレートの表面にコンクリートが付着しないよう
に穴を開けるのは極めて手間がかかる。アンカープレー
トを表出させる穴は、たとえばコアードリルで開けられ
る。コアードリルは、コンクリートを筒状に切断して穴
を開ける。筒状に開口された穴の内側の気泡コンクリー
トを除去して、アンカープレートを表出させる穴が開け
られる。ただ、この状態では、必ずしも、アンカープレ
ート表面に付着するコンクリートを綺麗に除去できるわ
けではない。コアードリルが、コンクリートを筒状に切
断して、アンカープレートの表面のコンクリートを確実
に除去しないからである。アンカープレートの表面にコ
ンクリートが付着していると、スタッドボルトを確実に
溶接できなくなる。コンクリートが溶着する大電流の流
れを阻止するからである。さらに、コアードリルに代わ
って、コンクリートドリルでコンクリートに穴を開ける
こともできる。ただ、コンクリートドリルは、先端を円
錐状としているので、穴の全面でアンカープレートに付
着するコンクリートを綺麗に除去できない。先端の中心
がアンカープレートに接触するまで穴を開けても、コン
クリートドリルの外周はアンカープレートに接触しない
からである。このため、このド リルを使用しても、アン
カープレートの表面に付着するコンクリートを綺麗に除
去するのは難しい。
【0008】さらに、この図のコンクリートパネルは、
アンカープレートを気泡コンクリート内の正確な位置
に、しかも、正確な姿勢で埋設するのにも相当に手間が
かかる。それは、このことを実現するには、アンカープ
レートを鉄筋に対して正確な位置と姿勢に溶接し、さら
に、アンカープレートと鉄筋とを、気泡コンクリートを
成形する型枠の内部に、正確な位置と姿勢に仮止めし
て、気泡コンクリートを成形するからである。アンカー
プレートの位置や姿勢がずれると、気泡コンクリートに
穴を開けるときに、アンカープレートの正確な位置を確
実に外部に表出するのがさらに難しくなる。とくに、コ
アードリルで穴を開けるときに、アンカープレートが傾
斜していると、アンカープレート表面に付着するコンク
リートを綺麗に除去するのがさらに難しくなってしま
う。
【0009】本発明は、さらにこれ等の欠点を解決する
ことを目的に開発されたものである。本発明の重要な目
的は、簡単かつ容易に、しかも安価に多量生産できると
共に、建物の定位置に簡単かつ容易に、しかも正確な位
置に固定できる建物用のコンクリートパネルを提供する
ことにある。また、本発明の他の重要な目的は、全体を
軽量にして材料コストを低減できる建物用のコンクリー
トパネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の建物用のコンク
リートパネルは、前述の目的を達成するために下記の全
ての構成を備える。 (a) コンクリートパネルはコンクリート製で、全体
の形状を長方形の板状とし、さらに、中央部分と両側縁
を厚く成形して縦方向に伸びる3列の凸条11を設けて
いる。 (b) コンクリートパネルには、中央の凸条11の両
端にアンカープレート5を埋設している。アンカープレ
ート5は好ましくは、コンクリートパネルの両端部分に
埋設される。 (c) アンカープレート5は、片面をコンクリートパ
ネルの表面に表出させ、他面をコンクリート内に位置さ
せて、コンクリートパネルに埋設されている。 (d) アンカープレート5には、アンカープレート5
を強固にコンクリートパネルに連結するために、コンク
リートパネルの内部に突出するスタッドジベル6をスタ
ッド溶接して溶着している。 (e) スタッドジベル6はコンクリート内に埋設され
て、アンカープレート5をコンクリートパネルに強固に
連結している。 (f) アンカープレート5は、コンクリートパネルを
梁等に固定するために、コンクリートパネルの外側に突
出してスタッドボルト7をスタッド溶接して溶着してい
る。
【0011】
【作用】本発明の建物用のコンクリートパネルは、図4
に示す型枠を使用して下記の工程で製造する。型枠は、
コンクリートパネルの底面を成形する部分と、周囲を成
形する部分とからなる。底を成形する部分は、水平台の
上面に3枚の底板9を固定し、この底板9の間にアーチ
プレート10を連結している。
【0012】(1) 中央の底板9の上にアンカープレ
ート5を載置する。載置するアンカープレート5は、上
面に突出してスタッドジベル6が溶着されている。ただ
し、この工程において、アンカープレート5にスタッド
ボルト7は溶着されていない。
【0013】(2) 上面を開放した型枠に生コンクリ
ートを打設する。 (3) コンクリートを硬化させた後、側部を成形する
型枠を除去して、コンクリートパネルを脱型する。 (4) アンカープレート5の正確な位置にスタッドボ
ルト7を溶着する。
【0014】以上のように、スタッドジベル6をコンク
リートに埋設してアンカープレート5をコンクリートパ
ネルに固定するので、アンカープレート5は強固にコン
クリートパネルに連結される。コンクリートを成形する
ときに、スタッドボルト7が突出しないので、能率よく
コンクリートパネルを成形できる。コンクリートパネル
を成形した後に、工場でジグ等を使用して、アンカープ
レート5の正確な位置にスタッドボルト7を溶着する。
このため、スタッドボルト7を正確な位置に固定でき
る。スタッドボルト7は、梁等の正確な位置に穿設され
た取付孔に挿入された、コンクリートパネルを定位置に
固定する。
【0015】図5に示すように、スタッドボルト7を建
物躯体に固定した後、隣接するコンクリートパネルとの
端面にできる段差形状8の隙間にコーキング剤を充填し
て防水処理する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための建物用のコンクリートパネルを例示
するものであって、本発明は建物用のコンクリートパネ
ルを下記のものに特定しない。
【0017】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0018】図6平面図と、図5の縦断面図と、図7
背面図とに示す建物用のコンクリートパネルは、コン
クリートに鉄筋を埋設して型枠で成形したもので、全体
の形状を長方形である板状に成形している。コンクリー
トは、軽量あるいは普通のコンクリートで、いずれの場
合も強度を180kg/m以上とする。板状のコンク
リートパネルは、両側縁と中央部分とを厚く成形して、
この部分に3列の凸条11を成形している。
【0019】中央の凸条11の両端には、図7に示すよ
うに、コンクリートパネルを成形するときに、アンカー
プレート5を埋設している。アンカープレート5は充分
な強度の厚い金属板である。アンカープレート5は、片
面(図6において下面)をコンクリートパネルの表面に
表出させ、他の面(図6において上面)をコンクリート
パネルの内側に位置させるようにして埋設されている。
【0020】アンカープレート5には、コンクリートパ
ネルに埋設されるスタッドジベル6をスタッド溶接して
着している。スタッドジベル6は、頭の部分を太くし
て埋設強度を強くしている。アンカープレート5には複
数本のスタッドジベル6をスタッド溶着している。スタ
ッドジベル6は、好ましくは、図に示すように、スタッ
ドボルト7の内側に位置して溶接される。スタッドボル
ト7とスタッドジベル6とを同じ位置に溶接するコンク
リートパネルは、スタッドボルト7に作用する力を、こ
の近傍に配設されているスタッドジベル6で強固に支持
できる特長がある。図に示すコンクリートパネルは、ア
ンカープレート5に4本のスタッドボルト7を固定して
いるので、スタッドジベル6も4本固定している。
【0021】アンカープレート5は、コンクリートパネ
ルの表面に突出してスタッドボルト7を溶着している。
スタッドボルト7はスタッドジベル6と同じように、ア
ンカープレート5にスタッド溶接して、溶着して連結さ
れる。ただし、スタッドボルト7は、型枠でコンクリー
トパネルを成形するときには固定されない。型枠で成形
するときにスタッドボルト7があると、これが邪魔にな
って能率よく成形できないからである。スタッドボルト
7は、コンクリートパネルを型枠から脱型した後、アン
カープレート5に溶接される。
【0022】スタッドボルト7は、コンクリートパネル
を建物躯体に固定する位置を決定する。このため、スタ
ッドボルト7は正確な位置に溶接することが大切であ
る。これに対して、スタッドジベル6はアンカープレー
ト5をコンクリートパネルに連結する強度を強くするも
のであるから正確に位置決めする必要はない。コンクリ
ートパネルを脱型した後、ジグ等を使用し、あるいは、
コンクリートパネルを定位置に固定し、スタッドボルト
7の溶接位置をケガキしてコンクリートパネルの正確な
位置にスタッドボルト7を溶接する。スタッドボルト7
はアンカープレート5に対して正確に直角に固定され
る。
【0023】さらに、コンクリートパネルは端面を段差
形状8に成形している。コンクリートパネルの段差形状
8は、凸部8Aを隣接するコンクリートパネルの凹部8
Bに挿入できる形状に成形している。図6に示すコンク
リートパネルは、左端上縁に縦に延長して凸部8Aを、
右端上縁にこの凸部8Aを挿入できる凹部8Bを成形し
ている。
【0024】これ等の図に示すコンクリートパネルは、
図4の断面図に示す型枠を使用して製作される。この図
の型枠は、水平に配設されている水平台の上面に3枚の
底板9を固定し、底板9の間にアーチプレート10を固
定して、アーチプレート10と底板9とでコンクリート
パネルの底面を成形する。コンクリートパネルの側面
は、スペーサー13を固定したC型鋼である側枠12で
成形する。側枠12は横に移動できるように、底板9の
上に配設されている。
【0025】この構造の型枠を使用して下記の工程でコ
ンクリートパネルを製作する。 (1) 本発明のスタッドジベル6をスタッド溶接して
着したアンカープレート5を製作する。 (2) スタッドジベル6を溶接したアンカープレート
5を、型枠の底板9の定位置に配設する。図に示すコン
クリートパネルは、両端にアンカープレート5を埋設す
るので、型枠の両端でその中央部分にアンカープレート
5を配設する。 (3) スタッドジベル6に鉄筋14を溶接し、鉄筋1
4を型枠の定位置に仮り止めする。 (4) 型枠に生コンクリートを打設する。 (5) コンクリートを硬化させる。 (6) コンクリートが硬化すると、側枠12を横に移
動させて、硬化したコンクリートパネルを型枠から脱型
する。 (7) 脱型したコンクリートパネルのアンカープレー
ト5に、正確な位置にスタッドボルト7をスタッド溶
して溶着する。
【0026】以上の工程で製造されたコンクリートパネ
ルを梁に固定する状態を、図8と図9に示す。この図に
示すコンクリートパネルは、アングルピース15を介し
て梁16に固定されている。アングルピース15は梁1
6に溶接されている。アングルピース15は、コンクリ
ートパネルのスタッドボルト7を挿入するための連結孔
を定位置に穿設している。アングルピース15の連結孔
にスタッドボルト7を挿入し、スタッドボルト7にナッ
トをねじ込んでコンクリートパネルをアングルピース1
5に固定している。コンクリートパネルは、上下のアン
カープレート5に固定しているスタッドボルト7をアン
グルピース15に固定して、梁16に固定される。コン
クリートパネルを固定した後、隣接するコンクリートパ
ネルとの隙間をコーキングして防水する。図9に示すよ
うに コンクリートパネルの隙間をコーキングして防水
するコンクリートパネルは、隙間が地震のときに遊びに
なる。
【0027】図10と図11は、建物の窓の部分にコン
クリートパネルを固定する状態を示す。開口部に固定さ
れるコンクリートパネルは、全長を短く成形して両端に
アンカープレート5を埋設している。一方の端部に埋設
されるアンカープレート5は、4本のスタッドジベル6
及びスタッドボルト7がスタッド溶着される。他方の端
部(図において窓の開口端部側)のアンカープレート5
には2本のスタッドジベル6とスタッドボルト7とを溶
接している。コンクリートパネルの端部に埋設したアン
カープレート5に固定した2本のスタッドボルト7を補
強アングルに連結し、アンカープレート5を介してコン
クリートパネルを連結している。
【0028】図10と図11に示す建物は、コンクリー
トパネルの両端にアンカープレート5を埋設している。
コンクリートパネルは、窓の開口側端部にアンカープレ
ート5を埋設しない構造とすることもできる。アンカー
プレート5のないコンクリートパネルの端部は、埋設す
る鉄筋14を補強アングルに溶接し、あるいは、コンク
リートパネルの端部を補強アングルに接着して連結する
ことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の建物用のコンクリートパネル
は、簡単かつ容易に、しかも安価に多量生産できると共
に、建物の定位置に簡単かつ容易に、しかも正確な位置
に固定できる特長がある。それは、本発明のコンクリー
トパネルが、スタッドジベルを連結してスタッドボルト
を連結しないアンカープレートをコンクリートに埋設し
て成形し、コンクリートパネルを脱型した後に、アンカ
ープレートの正確な位置にスタッドボルトを溶接して固
できるからである。コンクリートパネルに埋設される
アンカープレートとスタッドジベルは正確な位置に配設
する必要がない。これ等がコンクリートパネルの固定位
置を決定しないからである。コンクリートパネルの固定
位置は、スタッドボルトで特定される。コンクリートパ
ネルから突出するスタッドボルトは、コンクリートパネ
ルを成形した後でアンカープレートに正確に位置決めし
て固定できる。コンクリートパネルを成形するときに、
正確に位置決めするスタッドボルトがないので、コンク
リートパネルの成形工程において、スタッドボルトの正
確な位置決め作業は要求されない。所定の位置にアンカ
ープレートを埋設して生産できるので、簡単に能率よく
多量生産できる。スタッドボルトは、コンクリートパネ
ルを成形した後に、ジグ等を使用してアンカープレート
に正確に固定できる。
【0030】さらに本発明の建物用のコンクリートパネ
ルは、アンカープレートにスタッドジベルを固定し、こ
のスタッドジベルをコンクリートパネルに埋設してアン
カープレートをコンクリートパネルに固定する。スタッ
ドジベルは、アンカープレートに強固に固定されて、ア
ンカープレートをコンクリートパネルの定位置に強固に
固定する。したがって、アンカープレートを大きくする
必要がなく、コンクリートパネルを軽量にして材料コス
トを低減できる特長がある。
【0031】さらにまた、本発明の建物用のコンクリー
トパネルは、正確な位置にスタッドボルトが固定されて
いるので、施工現場においては、簡単かつ容易に、しか
も能率よく正確な位置に固定できる特長がある。
【0032】また、本発明の建物用のコンクリートパネ
ルは、アンカープレートの表面に、コンクリートが付着
しないようにコンクリートパネルに固定できる。それ
は、アンカープレートが、コンクリートパネルの表面と
同一平面に固定されているので、アンカープレートを型
枠表面に密着させる状態で、型枠に生コンクリートを注
入して硬化できるからである。コンクリートが付着され
ないアンカープレートは、スタッドボルトを確実にスタ
ッド溶接して固定できる。表面に付着するコンクリート
が、スタッドボルトをスタッド溶接するときに大電流が
流れるのを阻止しないからである。このため、本発明の
コンクリートパネルは、スタッドボルトを極めて強固に
アンカープレートに固定でき、さらに、アンカープレー
トはスタッドジベルを介してコンクリートパネルに強固
に固定されるので、スタッドボルトを介して建物に確実
に固定できる特長がある。
【0033】さらに、本発明のコンクリートパネルは、
アンカープレートを型枠の表面に密着してコンクリート
を成形できるので、アンカープレートを極めて正確にコ
ンクリートパネルの表面と同一平面に固定できる。この
状態で固定されたアンカープレートは、ここに固定され
るスタッドボルトを、たとえば、図9に示すように、建
物のアングルピース等に固定するとき、アングルピース
に広い面積で密着する。このため、アンカープレートと
スタッドボルトとを介して、コンクリートパネルは正確
な姿勢で、しかも確実に固定される。
【0034】さらにまた、本発明のコンクリートパネル
は、アンカープレートにスタッドボルトを固定している
にもかかわらず、図3に示すコンクリートパネルのよう
に、硬化したコンクリートに穴を開ける必要はなく、ま
た、図2に示すコンクリートパネルのように、スタッド
ボルトにコンクリートが付着しないように処理する必要
もない。コンクリートパネルを成形した後に、アンカー
プレートにスタッドボルトをスタッド溶接して固定でき
るからである。
【0035】また、本発明のコンクリートパネルは、軽
量化して優れた耐震性を実現できる特長もある。それ
は、全体の形状を長方形の板状に成形すると共に、中央
部分と両側縁を厚く成形して縦方向に伸びる3列の凸条
を設け、中央の凸条の両端にアンカープレートを埋設し
ているからである。この構造のコンクリートパネルは、
両端のアンカープレートにスタッド溶接されたスタッド
ボルトが建物に固定される。両端の中央が建物に固定さ
れるコンクリートパネルは、たとえば、地震で建物がひ
し形に変形するとき、両端のアンカープレートを中心に
固定部分が多少は回動されるが、コンクリートパネルが
ひし形に変形されることはない。このため、建物が変形
しても、コンクリートパネルは変形せず、優れた耐震構
造にできる。とくに、本発明のコンクリートパネルは、
中央と両側に3条の凸条を設けているので、これが補強
リブとなって極めて強靭にできる特長がある。また、ア
ンカープレートが、確実に固定されるスタッドジベルを
介してコンクリートに固定されていることも、耐震性を
向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の建物用のコンクリートパネルの一例を示
す断面図
【図2】従来の他の実施例にかかる建物用のコンクリー
トパネルの一例を示す断面図
【図3】従来の建物用のコンクリートパネルの他の一例
を示す断面図
【図4】本発明の実施例にかかるコンクリートパネル
成形する型枠の断面図
【図5】本発明の実施例にかかるコンクリートパネル
取付構造を示す断面図
【図6】本発明の実施例にかかるコンクリートパネルの
平面図
【図7】図6に示すコンクリートパネルの背面図
【図8】本発明の実施例にかかるコンクリートパネルを
建物に固定する状態を示す断面図及び正面図
【図9】図8に示す取付構造の拡大側面図及び背面図
【図10】本発明のコンクリートパネルを建物の開口部
に固定する状態を示す背面図
【図11】図10に示す取付構造の断面図
【符号の説明】
1…C型鋼 2…コーキング 3…型鋼 4…ボルト 5…アンカープレート 6…スタッドジベル 7…スタッドボルト 8…段差形状 8A…凸部 8B…凹
部 9…底板 10…アーチプレート 11…凸条 12…側枠 13…スペーサー 14…鉄筋 15…アングルピース 16…梁17…穴

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の全ての構成を備える建物用のコン
    クリートパネル。 (a) コンクリートパネルはコンクリート製で、全体
    形状を長方形の板状とし、さらに 、中央部分と両側縁
    を厚く成形して縦方向に伸びる3列の凸条の(11)を
    設けている。 (b) 前記のコンクリートパネルは、中央の凸条(1
    1)の両端にアンカープレート(5)埋設している。 (c) 前記のアンカープレート(5)は、片面をコン
    クリートパネルの表面に表出させ、他面をコンクリート
    内に位置させて、コンクリートパネルに埋設されてい
    る。 (d) 前記のアンカープレート(5)には、コンクリ
    ートパネルの内部に突出するスタッドジベル(6)を
    タッド溶接して溶着している。 (e) 前記のスタッドジベル(6)はコンクリート内
    に埋設されている。 (f) 前記のアンカープレート(5)は、コンクリー
    トパネルの外側に突出するスタッドボルト(7)をスタ
    ッド溶接して溶着している。
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