JP2683662B2 - 芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物 - Google Patents
芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物Info
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Description
ーを含有する樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、芳香
族ポリカーボネートおよびグラスフィラーの密着性が高
い芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物に関する。
であるのでエンジニヤリングプラスチックとして広く使
用されており、その性質を利用して種々の樹脂とのブレ
ンドも知られている。また、このような芳香族ポリカー
ボネートを含む樹脂組成物に、ガラス繊維等のグラスフ
ィラーを添加することにより、当該樹脂組成物の機械的
強度、耐熱性、硬度、寸法安定性、耐応力亀裂性などの
向上を図る試みがなされている(特開昭第60−199055号
公報および特開昭第61−9456号公報)。
ラーとは、相互の密着性が十分でないために、両者を含
む樹脂組成物の成形品の衝撃強度が極端に低下してしま
うという問題点がある。
ィラーの密着性を高め、樹脂組成物の成形品の耐衝撃性
を改善することを目的とする。
性末端基と非フェノール性末端基との比率を調節するこ
とにより、芳香族ポリカーボネートとグラスフィラーと
の相互の密着性を高めることができ、よって、得られる
樹脂組成物の成形品の耐衝撃性が著しく改善されること
を見出し、本発明に到達した。
でき、それぞれ、水素原子または20個以下の炭素原子を
有するアルキル基であり、ハロゲン置換されていてもよ
い) の比(I):(II)が1:19〜1:0である芳香族ポリカー
ボネート 100重量部、 (B)グラスフィラー 5〜200重量部 を含む芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物を提供す
る。
常、式 (各Rはフェニレン、ハロゲン置換フェニレンまたはC1
〜20アルキル置換フェニレンを示し、AおよびBは水素
原子、脂肪族不飽和を含まないC1〜12炭化水素基または
隣接炭素原子と共にシクロアルカン基を形成する基を示
す)で示される繰返し単位を主に有する。本発明におい
ては、このような芳香族ポリカーボネートのフェノール
性末端基(I)および非フェノール性末端基(II)の比
(末端基比)を調節したものを使用することを特徴とす
る。
ル交換法によって芳香族ポリカーボネートを作り、その
際に原料のジフェニルカーボネートとジフェノール(た
とえばビスフェノールA)のモル比を変えることによっ
て容易に行うことができる。例えばビスフェノールAと
ジフェニルカーボネートをエステル交換させた場合に
は、ポリカーボネートの末端は、ビスフェノールAに由
来するフェノール性残基またはジフェニルカーボネート
に由来するフェニル基である。従って、エステル交換反
応の際に、ビスフェノールAのモル比を高くすると、生
成ポリカーボネートにおいてフェノール性末端基の割合
が高くなる。なお、芳香族ポリカーボネートは分枝して
いてもよい。そのような分枝ポリカーボネートは、多官
能性芳香族化合物をジフェノールおよび/またはカーボ
ネート先駆体と反応させることにより、分枝した熱可塑
性ランダム分枝ポリカーボネートとして得られる。
特にホスゲン法により作られた芳香族ポリカーボネート
においては、フェノール性末端基と非フェノール性末端
基の比は1:20以下である。すなわち、ビスフェノールA
とホスゲンを反応させてポリカーボネートを作るのであ
るが、原料中または反応途中に少量のフェノールを加え
ることによりポリマー末端をフェノールで封止(ヒドロ
キシル基が反応)している。
ール性末端基と非フェノール性末端基との比、すなわち
(I):(II)は1:19〜1:0、好ましくは1:10〜1:0、特
には1:5〜10とする。末端基比が1:19より小さいときは
芳香族ポリカーボネートとグラスフィラーとの密着性に
改善がみられず、成形品の耐衝撃性は低くなる。
の吸収強度を測定することにより決定される。全末端基
濃度は、塩化メチレン溶液で測定したIV(固有粘度)値
をもとに平均分子量を求めることにより、計算される。
IV値を平均分子量に換算する際にはSchnellの式を用い
た。
の種類、形状共に特に限定されないが、例えばガラス繊
維、ミルドグラス、グラスフレーク、グラスビーズ(中
空のものも含む)等を使用することができる。中でもガ
ラス繊維が好ましい。
目的で、例えばシラン系、チタネート系等のカップリン
グ剤による表面処理、および/または、ウレタン系、エ
ポキシ系、ブタジエン系等の集束剤による処理を施され
ることができる。特に好ましい処理剤としてはエポキシ
シラン系カップリング剤またはアミノシラン系カップリ
ング剤である。具体的には、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン等が挙げられる。
トとグラスフィラーとの配合比は、芳香族ポリカーボネ
ート100重量部に対して、グラスフィラー5〜200重量
部、好ましくは、10〜120重量部である。
限りにおいて樹脂の混合時、成形時に他の樹脂、添加
剤、たとえば顔料、染料、グラスフィラー以外の強化剤
や充填剤(例えば微粉砕のアルミニウム、鉄またはニッ
ケルなどの金属酸化物および非金属、例えば炭素フィラ
メント、珪酸塩、例えば雲母、珪酸アルミニウム(粘
土)、タルク、石綿、二酸化チタン、珪灰石、ノバキュ
ライト、チタン酸カリウムおよびチタン酸塩ウイスカ
ー、ポリマー繊維等)、耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐候
剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、
帯電防止剤などを添加することができる。
カーボネートを含む場合、これにより達成される難燃性
を相乗的に高めるために、本発明の組成物中にさらに無
機または有機アンチモン化合物を配合し得る。
ール、ホスファイト、リン酸金属塩、亜リン酸金属塩等
を混入することができる。
公知の方法で各成分を混合することができる。例えば、
各成分をターンブルミキサーやヘンシェルミキサー、リ
ボンブレンダー、スーパーミキサーで代表される高速ミ
キサーで分散混合した後、押出機、バンバリーミキサ
ー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択される。
ポリカーボネートは、ジフェニルカーボネートとビスフ
ェノールAとをエステル交換させて得たものであり、塩
化メチレン中、25℃で測定した固有粘度は0.51dl/gであ
った。ジフェニルカーボネートとビスフェノールAのモ
ル比を調整して、フェノール性末端基と非フェノール性
末端基の比を、2:8および6:4となるようにし、これをPC
(20)およびPC(60)と表す。
り重合し、フェニル基で末端封止してフェノール性末端
基の比を約1:99とした芳香族ポリカーボネート(Lexan1
41、商標、ゼネラルエレクトリック社、塩化メチレン中
25℃での固有粘度0.51dl/g)を用いた。これをPC(1)
と表す。
H;商標、富士ファイバーグラス製、GF−aと称す)、ミ
ルドグラス(MF−A;商標、旭ファイバーグラス製、未処
理、GF−bと称す)およびグラスフレーク(REF−140T;
商標、日本板ガラス製、エポキシシランカップリング剤
処理を行ったもの、GF−cと称す)を用いた。
グラスフィラーを混合し、次いで65mm単軸押出し機で押
出した後、160トン成形機で成形し、アイゾット衝撃強
度試験用の試験片を作った。アイゾット衝撃強度は、AS
TM D256−54T A法に従って、以下の条件で測定した。
倍の走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、
芳香族ポリカーボネートとグラスフィラーとの密着性が
良好であることがわかった。
ラスフィラーとの密着性が良好であるので、その成形品
は著しく改善された耐衝撃性を有する。したがって、そ
の用途は広く、有用性は高い。
Claims (1)
- 【請求項1】(A)次式: で示されるフェノール性末端基、および次式: で示される非フェノール性末端基 (上記式中、R1およびR2は互に同じまたは異なることが
でき、それぞれ、水素原子または20個以下の炭素原子を
有するアルキル基であり、ハロゲン置換されていてもよ
い) の比(I):(II)が1:19〜1:0である芳香族ポリカー
ボネート 100重量部、 (B)グラスフィラー 5〜200重量部 を含む芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
Priority Applications (8)
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---|---|---|---|
JP1332953A JP2683662B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物 |
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EP90200648A EP0389055B1 (en) | 1989-03-20 | 1990-03-19 | Aromatic polycarbonate resin composition |
AT90200648T ATE156850T1 (de) | 1989-03-20 | 1990-03-19 | Zusammensetzung aromatischer polycarbonate |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2001049109A (ja) * | 1999-08-12 | 2001-02-20 | Teijin Chem Ltd | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2001139793A (ja) * | 1999-11-18 | 2001-05-22 | Teijin Chem Ltd | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 |
US6362269B1 (en) | 1998-10-09 | 2002-03-26 | Teijin Chemicals, Ltd. | Resin composition |
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---|---|---|---|---|
JPS61163930A (ja) * | 1985-01-14 | 1986-07-24 | Daicel Chem Ind Ltd | ポリカーボネートの製造法 |
-
1989
- 1989-12-25 JP JP1332953A patent/JP2683662B2/ja not_active Expired - Fee Related
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