JP2683627B2 - ポリエステル表面のフッ素機能化法 - Google Patents

ポリエステル表面のフッ素機能化法

Info

Publication number
JP2683627B2
JP2683627B2 JP9948289A JP9948289A JP2683627B2 JP 2683627 B2 JP2683627 B2 JP 2683627B2 JP 9948289 A JP9948289 A JP 9948289A JP 9948289 A JP9948289 A JP 9948289A JP 2683627 B2 JP2683627 B2 JP 2683627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
reactive
group
graft
containing functional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9948289A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02279737A (ja
Inventor
幸治郎 伊藤
英幸 友田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neos Co Ltd
Original Assignee
Neos Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neos Co Ltd filed Critical Neos Co Ltd
Priority to JP9948289A priority Critical patent/JP2683627B2/ja
Publication of JPH02279737A publication Critical patent/JPH02279737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2683627B2 publication Critical patent/JP2683627B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はポリエステル表面をフッ素機能化する方法に
関する。さらに詳しくは含フッ素機能剤をポリエステル
表面上に化学結合することによるポリエステル表面のフ
ッ素機能化方法に関する。
従来の技術 従来、ポリエステルは繊維、フィルム、塗料、コーテ
ィング剤等の広表面積を有する製品に多用されている
が、その表面は多くの場合、用途に応じて表面加工が施
される。表面加工は、例えば、様々の汚れに対する防
汚、繊維製品における撥水撥油、フィルムにおける易滑
(高湿潤性)、塗料における防湿、防汚等の特性の改良
に効果があり、そのため表面加工に対する要望が極めて
大きい。例えば、上記特性は一般に表面層をフッ素処理
することによって改質し得ると考えられている。
従来、ポリエチレンンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、不飽和ポリエステル樹脂等のポリエス
テルの表面改質は、通常の反応性試薬によって直接、フ
ッ素化を行うことはできないため、アクリル樹脂系フッ
素化合物のような含フッ素樹脂をコーティングする方法
が採られており、その方法が実用化された唯一の改質法
であった。
発明が解決しようとする課題 ポリエステルの表面改質を上記したように含フッ素樹
脂をコーティングする方法では長期使用によりコート樹
脂が剥離、摩耗、変質等の変化を受け、含フッ素コーテ
ィング効果が劣化し、また、繊維製品の場合には樹脂加
工により、風合、ドレープ性等の実用特性が微妙に変化
したり、さらに加工コストも高価につくという欠点があ
った。
本発明はポリエステルの表面に含フッ素化合物をポリ
エステルに表面に直接化学結合することによりフッ素特
有の表面機能を得、さらに長期使用しても該機能を維持
可能な表面を形成する方法を提供することを目的とす
る。
課題を解決するための手段 本発明はポリエステル表面を二価あるいは多価アミン
で気相処理してポリエステル鎖に化学的に結合したアミ
ン基を形成し、該アミン基に反応性オリゴマー状のグラ
フトを結合し、該グラフトに含フッ素機能剤を液相処理
により結合させポリエステル表面をフッ素機能化する方
法、または予め含フッ素機能剤を側鎖状に配した反応性
オリゴマー状のグラフトをアミン基との反応を介してポ
リエステルに結合するポリエステル表面のフッ素機能化
方法に関する。
本発明が適用可能なポリエステルはエステル結合を主
鎖構成成部分の主結合体とするあらゆる高分子を意味す
るが、実用的に特に有用なものとしてはポリエステルテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の、テレ
フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸とエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール等のグリコールとの重縮合体、あ
るいは、それらの共重合物、ポリマーアロイよりなる芳
香族ポリエステル;上記芳香族ジカルボン酸とビスフェ
ノールA、同AF、同F、同S等の二価フェノールとの重
縮合体を主構成成分とするポリアリレート;p−オキシ安
息香酸の単独重合体であるポリp−オキシ安息香酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、2,
6−ナフタレンオキシカルボン酸等の芳香族オキシカル
ボン酸、ヒドロキノン、2,6−ジナフトール、4,4′−ジ
オキシジフエニール等の芳香族二価フェールの重縮合
体、あるいはこれらとポリエチレンテレフタレート等の
芳香族ポリエステルとの共重合物、あるいはそれらのポ
リマーアロイを主成分とする液晶ポリエステル;無水マ
レイン酸、フマール酸、無水フタル酸等の多塩基酸とエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等の多価アルコールの重縮合体、あるい
は、それとスチレン等の重合性モノマーとの共重合体よ
り得られる不飽和ポリエステル樹脂;無水フタル酸、フ
マル酸、テレフタル酸等の多塩基酸およびリノール酸、
オレイン酸、ラウリル酸、ステアリン酸、安息香酸等の
一塩基酸とグリセリン、ペンエリスリトール等の多価ア
ルコールとの重縮物、あるいは、それに天然油脂等のグ
リセライドを配合して変性した組成物を主構成物とする
アルキッド樹脂(グリフタル酸);エポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸、あるいは含(メタ)アクリル不飽和ア
ルコール/多塩基酸無水物付加物との反応、あるいはグ
リシジルメタクリレートと多価フェノール類、芳香族ジ
アミン、多価カルボン酸、あるいは同左無水物との反
応、等より得られるビニルエステル類、あるいは、それ
とスチレン等の重合性モノマーとの共重合物よりなるビ
ニルエステル樹脂;ジアリルフタレート、ジアリルイソ
フタレートの重合体あるいは共重合体を主構成体とする
ジアリルフタレート樹脂;アジピン酸、セバチン酸等の
脂肪族二塩基酸、とエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール等のグリコールとの重縮
合物、あるいはε−カプロラクトン等のラクトンの開環
重合物、1,6−ヘキサンジオール等のグリコールとエチ
レンカーボネート等のカーボネートとの開環重付加物等
のポリエステルポリオールとトルエンジイソシアネート
(TDI)、メチルフェニルジイソシアネート(MDI)等の
ポリイソシアネートとの重付加重合によって得られるエ
ステル型ポリウレタン樹脂;などが挙げられる。対象と
する表面はどのような形態でもよいが、前記したよう
に、特に繊維、フィルム、シート塗料コーティング剤等
の広表面積を有するものが効果的である。
これらポリエステル製品にそのまま、またはポリエス
テル製品をジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキ
サイド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン極
性溶媒にて湿潤処理を行った後、第一級あるいは第二級
のアミノ基からなる二価あるいは多価アミンにて気相処
理を行う。
ここで用いるアミンとしては、ヒドラジン、エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、プロピ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、1,2,3−トリアミノプロパン、トリス(2−ア
ミノエチル)アミン、テトラ(アミノメチル)メタン、
1,4−ジアザビシクロヘプタン、シクロジ(トリメチレ
ン)ジイミン、N−メチルエチレンジアミン、N−エチ
ルエチレンジアミン、2,2′−ジアミノエチルエーテル
等が適切である。
処理の方法は前記したように気相化、蒸発させた気相
状態で行うことが好ましいが、本発明においては、溶
媒、媒体等の他液体を用いずそのままの液状で、あるい
は、水、アルコール、極性溶媒等の溶媒を用いた溶液状
で、あるいは非相溶の媒体に分散させた分散液状で、被
処理物を接触させ、室温から150℃までの温度に加熱し
て処理を行うことも可能である。これらの反応に際し
て、一般に少量の水を存在させると反応が促進する効果
が得られる。
本処理によってポリエステル主鎖のエステル結合の一
部が処理アミンの第一級あるいは第二級のアミノ基によ
りアミノリシスを受けアミド結合が形成されると共に残
りのアミノ基がポリエステル主鎖に形成したアンカー用
の反応基となる。
この際、反応と共に主鎖の切断が起こるので、繊維、
フィルム、シート等の被処理物の場合にはあまり高密度
で内部まで反応させると力学特性等物性の劣化を引き起
こすことになる。従って、温和な条件で、しかも、比較
的短時間で処理を終了する必要がある。
このような制約から形成される結合アミノ基濃度は比
較的低く、従って、そのまま反応性含フッ素化合物を該
アミノ基に反応させるとフッ素化合物特有の機能は極め
て低位のものとなる。
本発明においては、該アミノ基を核にして反応性含フ
ッ素機能剤と反応し得るポリエステル面上の反応基を幾
倍にも増殖する。
具体的には、 (i) アミン処理ポリエステル面を新規に形成された
アミノ基に対して反応性を有する対アミン反応基を少な
くとも1個と反応性含フッ素機能剤に対して反応性を有
する対含フッ素機能剤反応基を少なくとも2個有するオ
リゴマー(グラフト)によって処理を行って該アミノ基
と対アミン反応基を化学結合させ、ポリエステル表面と
グラフトとの間にアンカー(くさび結合)を形成し、こ
のグラフトの対含フッ素機能剤反応基に反応性含フッ素
機能剤を化学結合させる方法; (ii) アミン処理ポリエステル面に、新規に形成され
たアミノ基に対して反応性を有する対アミン反応基を少
なくとも1個と含フッ素機能側鎖を少なくとも2個有す
るオリゴマー(含フッ素グラフト)を作用させて、該含
フッ素グラフトを該面のアミノ基と対アミン反応基との
間の化学結合(アンカー)によってポリエステル面に結
びつける方法; (iii) アミン処理ポリエステル面に、新規に形成さ
れたアミノ基とグラフトとを化学的に連結するカップラ
ーと、該カップラーに対して反応性を有する対カップラ
ー反応基を少なくとも1組と反応性含フッ素機能剤に対
して反応性を有する対含フッ素機能剤反応基を少なくと
も2個有するオリゴマー(カップラー型グラフト)を逐
次的に、または同時に処理して、該グラフトをアミノ基
/カップラー/対カップラー反応基結合(アンカー)に
よってポリエステル面に結合し、該カップラー型グラフ
トの対含フッ素機能剤反応基に反応性含フッ素機能剤に
作用せしめて化学結合する方法; (iv) アミン処理ポリエステル面に、新規に形成され
たアミノ基と含フッ素グラフトを化学的に連結するカッ
プラーと該カップラーに対して反応性を有する対カップ
ラー反応基を少なくとも1個と含フッ素機能側鎖を少な
くとも2個有するオリゴマー(カップラー型含フッ素グ
ラフト)を逐次的に、または同時に処理して、該カップ
ラー型含フッ素グラフトをアミノ基/カップラー/対カ
ップラー反応基結合(アンカー)によってポリエステル
面に結合する方法;が挙げられる。
各方法において各種グラフトはポリエステル面のアミ
ノ基への反応基あるいはカップラーへの反応基と反応性
含フッ素機能剤への反応基の2種の機能を異にする官能
基を持ったオリゴマーであるが、これら各基はそれぞれ
別種の基であってもよいし、また全く同一基であっても
よい。
例えば上記(i)の方法の場合、グリシジル基を数個
置換したポリビニルアルコールオリゴマーをグラフト
に、カルボン酸クロライドを反応基とするパーフルオロ
アルキル化合物を含フッ素機能剤に選び、それらをアミ
ン処理ポリエステル面に逐次処理すると、グリシジル基
のエポキシドとポリエステル面のアミンとの間でアンカ
ー結合が形成されると共に、ポリビニルアルコールの残
りの水酸基とカルボン酸クロライドとの反応により含フ
ッ素機能剤がグラフトに化学結合し、永続性のある含フ
ッ素機能面が得られる。
また、ポリビニルアルコールのすべての水酸基をグリ
シジル基に置換したオリゴマーをグラフトに用い、該グ
ラフトのエポキシドの一部をアミン処理ポリエステルに
反応させてアンカーを形成してから、残りのエポキシド
にカルボン酸無水物を反応基とする含フッ素機能剤を触
媒と共に作用させて、該グラフトに結合する方法も有効
である。
同一の基を両反応基に併用する場合、グラフトのポリ
エステル面への処理反応の際の反応条件を選択すること
により、アンカーと含フッ素機能剤結合基の比率を自由
に変え得るという長所がある。
上記(ii)の方法の場合にもグラフトの反応基が単一
種のオリゴマーを用いて含フッ素機能化を行うことがで
きる。すなわち、アミンを迅速に反応し得る基を該単一
種の反応基とし、該基を3個以上有するオリゴマーを含
フッ素オリゴマーの基質とし、この反応基の少なくとも
1個を残して、他の基に反応性含フッ素機能剤を反応さ
せて含フッ素機能側鎖を少なくとも2個形成した含フッ
素オリゴマーを調製し、これをアミン処理ポリエステル
面に作用させる方法が有効に使用できる。
上記(iii)および(iv)の方法の場合には、グラフ
トおよび含フッ素グラフトの前記対アミン反応基を対カ
ップラー反応基に置換えると、前記と同様に単一反応基
にて含フッ素機能化が可能となる。
これらグラフトあるいは含フッ素グラフトの機能側鎖
形成前の基質の例としては、分子量が200〜30,000の、
ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール等のポリ
オール、ポリアクロレイン、ポリクロトンアルデヒド等
のポリアルデヒド、ポリアクリル酸クロライド、ポリメ
タクリル酸クロライド等のポリカルボン酸ハライド、ビ
ニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無
水マレイン酸共重合体等のポリカルボン酸無水物、ポリ
グリシジルメタクリレート、グリシジルノボラック等の
多価エポキシ樹脂、ポリアリールアミン、ポリエチレン
イミン、ポリビニルアミン等のポリアミン、およびTDI/
TMPアダクト等のポリイソシアネートプレポリマー等の
オリゴマーが挙げられる。
これらグラフトあるいは含フッ素グラフト基質の反応
基とそれに対する含フッ素機能剤の反応基の結合様およ
び該両グラフトのポリエステル面への結合様式は表1に
例示した通りである。また、カップラーを用いるカップ
ラー型グラフトに関する同様の例は表2に掲げた通りで
ある。
反応性含フッ素機能剤としては炭素数3以上のパーフ
ルオロアルキル基(下記式RfI)、パーフルオロアルケ
ニル基(下記式RfII)またはパーフルオロアリル基等の
パーフルオロ基(下記式RfIII)を含有し、かつ、アル
コール、チオール、フェノール、メチロール(核置
換)、メチレンハライド(核置換)、エポキシ、カルボ
ン酸(塩)、カルボン酸ハライド、カルボン酸無水物、
スルホン酸(塩)、スルホン酸ハライド、ホスホン酸
(塩)、ホスホン酸ジハライド、ホスホラスジハライ
ド、アルデヒド、アミン、メチロールアミン、メチロー
ルアミド、ヒドラジン、ジクロロトリアジン、ジアルコ
キシトリアジン、ジチオトリアジン、メラミン、エチレ
ン尿素、イソシアネート、ニトリル、オキサゾール、チ
アゾール、イミダゾール、ビニール、ビニルエーテル、
(メタ)アクリル、無水マレイミド、アセチレニル、
(モノ,ジ,トリ)クロルシラン、(モノ,ジ,トリ)
アルコキシシラン等の反応基を有する化合物が好適であ
る。
ここで、パーフルオロアルケニル基(RfI)の具体例
としては、次の分子式にて表わされる基が例示される。
−(CF2)m−CF3 (m=2〜15) −(CF2CF2)m−H (m=2〜8) パーフルオロアルケニル基(RfII)の例としては次式
が挙げられる。
[式中、Rj=CnjF2nj+1(nj=1〜6、j=1,2また
は3)] パーフルオロアリル基(RfIII)の例は次の通りであ
る。
[式中Rj=Cnj2nj+1 (nj=0〜6)であり、 を満足する] アミン処理ポリエステルのアミノ基とカップラー型グ
ラフトあるいはカップラー型含フッ素グラフトの対カッ
プラー反応基を連結するカップラーとしては、両反応基
に対して共通して反応性を示す単一基であってもよい
し、それぞれ反応性を異にする2種の基を有するもので
もよい。例えば、表2に例示したように前者の例とし
て、ホルムアミドおよびコハク酸クロライドがあり、後
者の例として、シランカップリング剤およびアクロレイ
ンが例示される。
これらのカップラーの使用方法としては、逐次処理
方法と同時処理方法がある。
逐次処理方法は、ポリエステル表面に形成されたアミ
ノ基にカップラーを作用せしめてアミノ基/カップラー
反応基の結合を形成し、次いでカップラー型グラフト、
あるいはカップラー型含フッ素グラフトを該カップラー
の被結合反応基を液相で作用せしめてカップラーと各グ
ラフトとの間でカップラー反応基/対カップラー反応基
結合を形成し、アンカーを完成させる(カップラー型グ
ラフトの場合には、更にこのアンカー形成グラフトに反
応性含フッ素機能剤をさらに結合させてすべての処理が
完了する)。
同時処理方法は、ポリエステル表面に形成されたアミ
ノ基にカップラーとカップラー型グラフトあるいはカッ
プラー型含フッ素グラフトを同時に作用せしめ、一挙
に、アミノ基/カップラー反応基結合とカップラー反応
基/対カップラー反応基結合を形成させる。
上記いずれを選択するかはカップラー、グラフトの組
合せ、対象高分子製品の要求仕様、経済性等を勘案の
上、決定する。
以上、いずれの方法においても各グラフトは液相反応
により行う。液相反応は、溶液、あるいはエマルジョン
等の分散液状にして適切な反応温度条件にて対象処理物
を該液に含浸、スプレーコート等の方法にて接触せしめ
て反応させる処理をいう。
以上の各処理方法においてアミン処理、グラフト処
理、反応性含フッ素機能剤処理の各処理条件を適切に選
べば、含フッ素機能剤の効果が発現し、永続的に使用可
能なフッ素特有の各種機能が付与されることになるが、
そのバランスがくずれると期待する効果が得られないこ
とがある。その際の最も大きな問題点は該各処理の際に
被処理反応基と反応することなく残存した反応活性を有
するアミノ基の存在である。
該アミノ基は含フッ素機能剤の機能発現を抑制するだ
けでなく、長期空気中にさらされると着色、力学性劣化
等の原因になることもある。
従って、該アミノ基は上記(i)、(iii)の方法に
おける含フッ素機能剤処理後、あるいは上記(ii)、
(iv)の方法における含フッ素グラフト、あるいはカッ
プラー型含フッ素グラフトのグラフト処理終了後に塩化
アセチル、塩化ベンゾイル、塩化メチル、ヨウ化メチ
ル、塩化ベンジル、無水酢酸等の低分子−官能性対アミ
ン反応剤を作用せしめ、該残存アミンを不活性化するこ
とが好ましい。
比較例 ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と記す)
フィルム;100μm(製版用)、PET加工糸織物(ツイ
ル)をエチレンジアミン10%水和液の75℃飽和蒸気中に
て4分間加熱処理を行い、素早く系外に出してアセトン
にて数回洗浄し、風乾した。
これら試料5gを以下に記す反応性含フッ素機能剤Aお
よびB各1gのキシレン/ジオキサン(7/3)混液200mlに
溶解した溶液に浸漬し、60℃で30分間加熱処理を行っ
た。結果を表3に示した。
この試料をアセトン500mlで数回にわけて洗浄し、風
乾後、50℃恒温槽にて乾燥した。各処理試料につき、以
下の物性測定を行った。
撥水度:JIS L-1092スプレー法……布帛のみ 濡れ特性:水に対する接触角、液滴法……フィルムのみ
(ゴニオメーター式) 反応性含フッ素機能剤 A) p−パーフルオロアルケニロキシ)ベンゾイルク
ロライド(PFBCと略記) B) p−(パーフルオロアルケニロキシ)グリシジル
ベンゾエート(PFGBと略記) 実施例 参考例と同じ試料について、全く同様に気相にてアミ
ン処理を行い、以下のグラフト剤と反応性含フッ素機能
剤; グラフト剤 a) メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体
(G.A.F.Corp社製:GANTREZ AN 119低分化物) b) グリシジルメタクリレート共重合体 (日本油脂社製:ブレンマーCP-20SA) c) エポキシ変性シリコンオイル (信越化学社製;KF105) カップラー型グラフト剤 d) ポリアリルアミン (日東紡績社製;PAA-HCl−Lアルカリ脱HCl物) カップラー;ホルムアルデヒド 反応性含フッ素機能剤 A) PFBC B) PFGB C) p−(パーフルオロアルケニロキシ)アニリン
(PFAと略記) D) p−(パーフルオロアルケニロキシ)安息香酸ナ
トリウム(PFBAを略記) を用い表4に示した組み合わせで使用し、表5に掲げた
条件にてグラフト処理と含フッ素機能剤処理を行った。
比較例における同様の物性特性(撥水度、濡れ特性)
を測定し、結果を表5に示した。
以上の結果から、比較例のようにアミン処理物に直接
反応性含フッ素機能剤を作用させる方式ではアミノ基濃
度が不足しているので実用に耐えるだけの効果が得られ
ないが、実施例のように対含フッ素機能剤反応基を有す
るグラフト(あるいはカップラー型グラフト)を介在し
て該反応性含フッ素機能剤を作用させると、従来のコー
ティング法にて形成した樹脂皮膜コート面に比して耐洗
濯性の一段と優れた耐久性の強い撥水面が得られること
が明らかとなった。
発明の効果 本発明に従うと、含フッ素機能剤がポリエステルの表
面に化学結合し、分子オーダーの薄い層からなる永続的
なコーティングを施すことが可能となり、パーフルオロ
基特有の撥水、撥油、防汚、非付着、高潤滑(低摩擦係
数、耐摩耗性)、耐薬品性等の機能が永続的に付与され
る。しかも、本発明はポリエステル本来の風合、柔軟性
等の力学的特性を損ねることがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 101:32

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル表面を二価あるいは多価アミ
    ンによって気相処理し、アミド結合によってポリエステ
    ル鎖に結合した第一級あるいは第二級アミノ基を形成
    し、次いで、該アミノ基に対して反応性を有する対アミ
    ン反応基を少なくとも1個と反応性含フッ素機能剤に対
    して反応性を有する対含フッ素機能剤反応基を少なくと
    も2個有するオリゴマー(グラフト)によって処理を行
    って、該アミノ基と対アミンの反応基を化学結合させ、
    ポリエステル表面とグラフトとの間にアンカーを形成
    し、さらに、該反応性含フッ素機能剤によって液相処理
    を行って該グラフトに含フッ素機能剤を化学結合させる
    ことを特徴とするポリエステル表面の含フッ素機能化方
    法。
  2. 【請求項2】ポリエステル表面を二価あるいは多価アミ
    ンによって気相処理し、アミド結合によってポリエステ
    ル鎖に結合した第一級あるいは第二級アミノ基を形成
    し、次いで該アミノ基に対して反応性を有する対アミン
    反応基を少なくとも1個と含フッ素機能側鎖を少なくと
    も2個有するオリゴマー(含フッ素グラフト)によって
    液相処理を行って該含フッ素グラフトを該アミノ基と該
    対アミン反応基との間の化学結合(アンカー)によって
    ポリエステル表面に結びつけることを特徴とするポリエ
    ステル表面の含フッ素機能化法。
  3. 【請求項3】ポリエステル表面を二価あるいは多価アミ
    ンによって気相処理し、アミド結合によってポリエステ
    ル鎖に結合した第一級あるいは第二級アミノ基を形成
    し、次いで、該アミノ基と次に記すグラフトとを化学的
    に連結するカップラーと該カップラーに対して反応性を
    有する対カップラー反応基を少なくとも1個と反応性含
    フッ素機能剤に対して反応性を有する対含フッ素機能剤
    反応基を少なくとも2個有するオリゴマー(グラフト)
    を逐次的に、または、同時に、処理して該グラフトをア
    ミノ基/カップラー/対カップラー反応基結合(アンカ
    ー)によってポリエステル面に結合し、さらに反応性含
    フッ素機能剤によって液相処理を行って該グラフトに含
    フッ素機能剤を化学結合させることを特徴とするポリエ
    ステル表面の含フッ素機能化法。
  4. 【請求項4】ポリエステル表面を二価あるいは多価アミ
    ンによって気相処理し、アミド結合によってポリエステ
    ル鎖に結合した第一級あるいは第二級アミノ基を形成
    し、次いで、該アミノ基と次に記す含フッ素グラフトと
    を化学的に連結するカップラーと該カップラーに対して
    反応性を有する対カップラー反応基を少なくとも1個と
    含フッ素機能側鎖を少なくとも2個有するオリゴマー
    (含フッ素グラフト)を逐次的に、または同時に、液相
    処理して、該含フッ素グラフトをアミノ基/カップラー
    /対カップラー反応基結合(アンカー)によってポリエ
    ステル面に連結することを特徴とするポリエステル表面
    の含フッ素機能化法。
  5. 【請求項5】グラフトの対アミン反応基と対含フッ素機
    能剤反応基とが同一の基であることを特徴とする請求項
    1に記載の方法。
  6. 【請求項6】グラフトの対アミン反応基と対含フッ素機
    能剤反応基が同一の基であり、それを3個以上有し、該
    反応基のうちの1個以上を残して他の反応基に反応性含
    フッ素機能剤を液相反応させて含フッ素機能側鎖を少な
    くとも2個形成したオリゴマー(含フッ素グラフト)を
    用いることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】グラフトの対カップラー反応基と対含フッ
    素機能剤反応基とが同一の基であることを特徴とする請
    求項3に記載の方法。
  8. 【請求項8】含フッ素グラフトの対カップラー反応基と
    対含フッ素機能剤反応基が同一の基であり、それを3個
    以上有し、該反応基のうち1個以上を残して他の官能基
    に反応性含フッ素機能剤を液相反応させて含フッ素機能
    側鎖を少なくとも2個形成したオリゴマー(含フッ素グ
    ラフト)を用いることを特徴とする請求項4に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】グラフトあるいは含フッ素グラフトの機能
    側鎖形成前の基質が分子量200〜30000のオリゴマーでポ
    リビニルアルコール、ポリアリルアルコール等のポリオ
    ール、ポリアクロレイン、ポリクロトンアルデヒド等の
    ポリアルデヒド、ポリアクリル酸クロライド、ポリメタ
    クリル酸クロライド等のポリカルボン酸ハライド、ビニ
    ルエーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水
    マレイン酸共重合体等のポリカルボン酸無水物、ポリグ
    リシジルメタクリレート、グリシジルノボラック等の多
    価エポキシ樹脂、ポリアリールアミン、ポリエチレンイ
    ミン等のポリアミン、トルエンジイソシアネート(TD
    I)/(メチルフェニルジイソシアネート(TMP)アダク
    ト等のポリイソシアネートプレポリマーであることを特
    徴とする請求項5〜8いずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】反応性含フッ素機能剤が炭素数3以上の
    パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基、
    パーフルオロアリル基等のパーフルオロ基を含有し、か
    つ、アルコール、チオール、フェノール、エポキシ、カ
    ルボン酸(塩)、カルボン酸ハライド、カルボン酸無水
    物、スルフォン酸(塩)、スルオン酸ハライド、ホスホ
    ン酸(塩)、ホスホン酸ジハライド、ホスホニル酸ジハ
    ライド、アルデヒド、アミン、メチロールアミン、メチ
    ロールアミド、ヒドラジン、塩化シアヌル、メラミン、
    エチレン尿素、イソシアネート、ニトリル、オキサゾリ
    ン、無水マレイミド、ビニル、ビニルエーテル、(メ
    タ)アクリル、(モノ,ジ,トリ)クロルシラン、(モ
    ノ,ジ,トリ)アルコキシシラン等の反応基を有する化
    合物であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記
    載の方法。
  11. 【請求項11】反応性含フッ素機能剤を各グラフト結合
    を行ったポリエステル面に作用せしめ、反応終了後、あ
    るいは含フッ素機能剤を側鎖に有する含フッ素グラフ
    ト、あるいはカップリング型含フッ素グラフトをポリエ
    ステル面に作用せしめ、反応終了後、塩化アセチル、塩
    化ベンゾイル、塩化メチル、ヨウ化メチル、塩化ベンジ
    ル、無水酢酸等の、低分子−官能性対アミン反応剤をポ
    リエステル面あるいは、各グラフトにおける残存アミン
    に作用せしめ、該アミンを不活性化することを特徴とす
    る請求項1〜4いずれかに記載の方法。
JP9948289A 1989-04-19 1989-04-19 ポリエステル表面のフッ素機能化法 Expired - Fee Related JP2683627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9948289A JP2683627B2 (ja) 1989-04-19 1989-04-19 ポリエステル表面のフッ素機能化法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9948289A JP2683627B2 (ja) 1989-04-19 1989-04-19 ポリエステル表面のフッ素機能化法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02279737A JPH02279737A (ja) 1990-11-15
JP2683627B2 true JP2683627B2 (ja) 1997-12-03

Family

ID=14248530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9948289A Expired - Fee Related JP2683627B2 (ja) 1989-04-19 1989-04-19 ポリエステル表面のフッ素機能化法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2683627B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1150265A (ja) * 1997-08-05 1999-02-23 Nitto Denko Corp 表面低エネルギ―化処理法
EP1485423B1 (en) * 2002-03-20 2007-01-24 Stichting Dutch Polymer Institute Process for making a modified thermoplastic polyester
JP4929998B2 (ja) * 2006-11-16 2012-05-09 オムロン株式会社 表面処理された樹脂を備える光導波路およびその製造方法
RU2495884C1 (ru) * 2012-07-11 2013-10-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Волгоградский государственный технический университет" (ВолгГТУ) Способ модификации поверхности гранулята полиэтилентерефталата
RU2495885C1 (ru) * 2012-07-12 2013-10-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Волгоградский государственный технический университет" (ВолгГТУ) Способ модификации поверхности гранулята полиэтилентерефталата
CN106084195A (zh) * 2016-06-16 2016-11-09 宜昌中盈合成材料有限公司 一种抗油聚酯合成工艺
CN115613154B (zh) * 2022-11-15 2024-06-07 浙江恒百华化纤有限公司 一种三维超亮光dty纤维及其生产工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02279737A (ja) 1990-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3242920B2 (ja) フルオロケミカル表面改質剤、フッ素化化合物、及び水性分散液の安定化方法
JP6418166B2 (ja) 撥水撥油剤組成物、物品、および物品の製造方法
JPH08225620A (ja) 建材の疎油及び疎水処理用のカチオン性フルオロコポリマー
US3249461A (en) Article having reinforcing coupled to matrix and reinforcing for same
US4012353A (en) Copolymer having quaternary ammonium, n-alkoxyalkyl amido, and carboxy groups, optionally epoxy resin, and aqueous dispersions
JP2683627B2 (ja) ポリエステル表面のフッ素機能化法
US3816167A (en) Stain-releasing textiles of synthetic fibers and process for treating textiles of synthetic fibers
US5449707A (en) Aqueous dispersion of polyester
JPH0637570B2 (ja) ポリエステルフィルムの被覆方法及び表面被膜を有する新規のフィルム
JPS58127715A (ja) アクリルプラスチツク分散液及び平面状繊維製品固定法
JP6094585B2 (ja) 撥水撥油剤組成物および物品
US3480463A (en) Self-cross-linking acrylic resin coating process and product
WO2019188369A1 (ja) 撥水撥油剤組成物、物品及び物品の製造方法
WO2004069935A1 (ja) 仕上げ加工用水性分散液
JPH10316719A (ja) 新規重合体およびそれを含む防汚加工剤組成物
JP2683626B2 (ja) ポリエステル表面のフッ素機能化法
CA1097834A (en) Resin finishing compositions
JP2010510395A (ja) 水性製剤およびその用途
NL8302508A (nl) Polyurethaan-polymeren bevattende impregneringssamenstellingen.
CA2501069C (en) Anionic phthalic acid ester compounds and stain resistant compositions
JP2005524786A (ja) 繊維基材に対する親水性仕上げ
JP2001032173A (ja) 繊維表面の改質方法
JP4045876B2 (ja) 防汚加工方法、及び該加工方法を施した基材
JP3064388B2 (ja) 撥水撥油剤
Miranda et al. Polyester-Polyvinylalcohol Hydrophilization Strategies

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees