JP2682340B2 - 吹出口グリル - Google Patents

吹出口グリル

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JP2682340B2
JP2682340B2 JP21182292A JP21182292A JP2682340B2 JP 2682340 B2 JP2682340 B2 JP 2682340B2 JP 21182292 A JP21182292 A JP 21182292A JP 21182292 A JP21182292 A JP 21182292A JP 2682340 B2 JP2682340 B2 JP 2682340B2
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敬博 古森
修司 乾
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のインストルメン
トパネル等に組み込まれる吹出口グリルに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の吹出口グリルとしては、
例えば本出願人が先に提案したものがある(実願平3−
78496号参照)。図12及び図13で示すように、
この吹出口グリルは、後方からの風Wが通過可能な本体
ケース52を備えている。本体ケース52内には、弾性
的に湾曲可能な複数枚の風向偏向板53が支持されてい
る。これらの風向偏向板53は連結部材54によって相
互に連結されている。
【0003】本体ケース52には金属製の軸55が設け
られている。軸55は、本体ケース52に挿通された軸
部55bと、該軸部55bの下端に形成された頭部55
aとから構成され、全体が本体ケース52に対し回動可
能となっている。本体ケース52から突出する軸部55
bには、操作レバー56が一体回動可能に取付けられて
いる。操作レバー56の後端部は連結部材54に連結さ
れている。
【0004】操作レバー56から突出する軸部55bの
上端部には板ばね57が取付けられている。詳しくは、
軸55の上端部外周に係止溝58が形成されている。ま
た、板ばね57には軸部55bの挿通可能な透孔59が
設けられ、この透孔59には、所定角度毎に透孔59の
中心へ向けて延びる複数の弾性片60が一体形成されて
いる。弾性片60は若干上方へ撓んだ状態で軸55の係
止溝58に係入されている。板ばね57は操作レバー5
6を下方へ付勢し、軸55の頭部55a及び操作レバー
56を本体ケース52に圧接させている。この圧接によ
り、操作レバー56の回動を規制するための摩擦力が生
じている。
【0005】軸55への板ばね57の取付けに際して
は、同板ばね57が軸55の上端部から下方へ押し込ま
れる。このときには、弾性片60が上方へ撓むことで、
板ばね57の押し込みが許容される。そして、板ばね5
7の押し込みの途中で、弾性片60の内端が係止溝58
に係合すると、同板ばね57が軸55及び操作レバー5
6に対し抜け落ち不能に装着される。このように、前記
技術では弾性片60の撓みを利用して板ばね57が軸5
5に取付けられる。
【0006】上記構成の吹出口グリルによると、操作レ
バー56の回動操作により風向偏向板53が湾曲され
て、本体ケース52から前方へ吹き出される風Wの向き
が調節される。また、前記圧接に基づく摩擦力により、
風向偏向板53の湾曲状態が保持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術では、板ばね57の取付け時に次の問題が起こる
おそれがある。第1に、板ばね57を軸55の上端部か
ら下方へ押し込む際に、弾性片60によって軸55に過
大な応力が加わり、軸部55bの上端部が傷付けられた
り、削り取られたりする。この場合、係止溝58への弾
性片60の係合量がばらつき、軸55に対する板ばね5
7の取付け位置がばらつく。これにともない、板ばね5
7による操作レバー56及び軸55の頭部55a間での
圧接力がばらつき、風向偏向板53の湾曲状態を安定し
て保持することが困難となる。
【0008】第2に、軸55への板ばね57の取付時に
弾性片60に過大な応力が加わり、同弾性片60が塑性
変形するおそれがある。この場合には、弾性片60の内
端を係止溝58に確実に係合させることが困難であり、
取付け後に、板ばね57が軸55から脱落するおそれが
ある。この場合にも、風向偏向板53の湾曲状態を保持
することが困難となる。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、軸への板ばねの取付け
に際し、軸に傷が付けられたり、同軸が削り取られた
り、板ばねが塑性変形されたりするのを確実に防止し、
風向偏向板の湾曲状態を安定して保持できる吹出口グリ
ルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、送風ダクト内に配設され、後方からの風が
通過可能な本体ケースと、前記本体ケース内に一端が支
持され、かつ弾性的に湾曲可能な複数枚の風向偏向板
と、前記各風向偏向板の他端部を相互に連結する連結部
材と、前記本体ケースに挿通された軸部、及び該軸部の
一端に形成された頭部から構成され、同本体ケースに対
し回動可能な軸と、前記本体ケースから突出する軸部に
一体回転可能に取付けられ、その軸部よりも後方におい
て前記連結部材に連結された操作レバーと、前記操作レ
バーから突出する軸部の先端部に取付けられ、同操作レ
バーを本体ケース側へ付勢し、前記軸の頭部及び操作レ
バーを本体ケースに圧接させて、操作レバーの回動を規
制する摩擦力を生じさせるための板ばねとを備え、前記
操作レバーの回動操作により風向偏向板を湾曲させて、
本体ケースから前方へ吹き出される風の向きを調節可能
とするとともに、前記圧接に基づく摩擦力により、風向
偏向板の湾曲状態を保持するようにした吹出口グリルで
あって、前記軸部の先端部外周に係止溝を形成し、前記
板ばねに前記軸の挿通可能な挿通孔を形成するととも
に、その挿通孔に軸部が挿通された状態で、板ばねを軸
部挿通方向と交差する方向へスライドさせたときに前記
係止溝に係合する係合孔を設けている。
【0011】
【作用】操作レバーが軸を中心として回動操作される
と、その操作レバーに連結された連結部材が移動する。
これにともない、連結部材によって相互に連結された複
数の風向偏向板が弾性的に湾曲する。その結果、送風ダ
クトに導入された風は、風向偏向板に沿って風向きを変
えながら本体ケースから前方へ吹き出る。
【0012】風向偏向板が湾曲すると、風向偏向板には
平らな状態に戻ろうとする力が作用し、操作レバーを回
動させようとする。しかし、軸の先端部に設けられた板
ばねにより、操作レバーが本体ケース側へ付勢されてい
る。この付勢により、軸の頭部及び操作レバーが本体ケ
ースに圧接される。この圧接により、操作レバーの回動
を規制する摩擦力が生じ、操作レバーの位置が保持され
る。その結果、前記風向偏向板が湾曲状態に保持され
る。
【0013】ところで、軸への板ばねの取付けに際して
は、まず、板ばねの挿通孔に軸が挿通される。この状態
で、板ばねが軸挿通方向と交差する方向へスライドされ
る。このスライドにより、軸先端部の係止溝に板ばねの
係合孔が係合する。この板ばねの取付け時には、板ばね
の撓みを利用しておらず、板ばねをスライドさせて係止
溝に係合孔を係合させているだけである。このため、板
ばねの撓みに起因する各種問題点が解消される。すなわ
ち、軸や板ばねに過大な応力が加わらず、軸に傷が付け
られたり、同軸が削り取られたり、板ばねが塑性変形さ
れたりするのが防止される。
【0014】
【実施例】以下、本発明を自動車のインストルメントパ
ネルに組付けられる吹出口グリルに具体化した一実施例
を図1〜図9に従って説明する。
【0015】図2に示すように、本実施例の吹出口グリ
ル1は、後方(図の上方)からの風Wが通過可能な送風
ダクト2を備えている。この送風ダクト2の前端は風W
の吹出口3となっている。送風ダクト2の前端内部に
は、支軸4により本体ケース5が上下方向への回動可能
に取付けられている。本体ケース5内の前部には、左右
に細長い複数枚の前部風向偏向板6が、互いに上下に離
間した状態で一体形成されている。このため、支軸4を
中心として本体ケース5を上下方向へ回動させることに
より、前部風向偏向板6を傾かせ、風向きを調節するこ
とができる。
【0016】前記本体ケース5内における前部風向偏向
板6の後方近傍には、上下方向へ延びる複数枚の後部風
向偏向板7が左右に離間配置されている。各後部風向偏
向板7は湾曲が比較的容易な軟質材、例えばクロロプレ
ンゴム等のゴム、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の合成樹脂、ステンレス等の金属によって
薄板状に形成されている。
【0017】図1及び図2に示すように、各後部風向偏
向板7の前端部には、金属、硬質樹脂等からなる軸8が
上下に挿通されている。各軸8の上下両端部は、各後部
風向偏向板7から突出している。そして、これらの突出
部分は本体ケース5の上壁5a及び底壁5bに回動可能
に支持されている。一方、各後部風向偏向板7の後端部
は、硬質樹脂よりなる連結部材9によって相互に連結さ
れている。この連結部材9は、各後部風向偏向板7の後
端部から後方へ延びる複数枚の延長板10と、左右方向
へ延びて全延長板10を相互に連結する連結板11とか
らなる。
【0018】図3及び図4で示すように、左右両側に位
置する2枚の延長板10の各前端部には、上下一対の軸
12が形成されている。これら延長板10の軸12と、
同延長板10に対応する後部風向偏向板7前端の軸8と
は4本の平行リンク13によって連結されている。平行
リンク13は、後部風向偏向板7が湾曲されるときの延
長板10前端の移動軌跡を規制するためのものである。
【0019】中段に位置する前部風向偏向板6には、図
5及び図6で示すような平面略三角形状の膨出部14が
後方(図の右方)へ向けて延設されている。膨出部14
の後半部は、他の箇所よりも肉厚に形成されている。こ
の肉厚部分には、円形状の孔15が透設され、ここに軸
としてのピン16が挿通されている。ピン16は、円板
状をなす頭部16aと、その頭部16aから上方へ延出
し、かつ前記孔15に挿通可能な略円柱状の軸部16b
とからなり、全体が膨出部14に対し回動可能となって
いる。ピン16は、焼き入れにより、硬度(ビッカース
かたさ数)が500Hv以上となっている。ピン16の
軸部16b外周の上半部には切欠き17が形成されてい
る。また、軸部16bの上端外周には係止溝18が形成
されている。そして、軸部16bが膨出部14の下側か
ら孔15に挿通され、同膨出部14の下面に前記頭部1
6a上面が当接している(図7参照)。
【0020】膨出部14から上方へ突出する軸部16b
には、平面略T字状をなす操作レバー19が取付けられ
ている。すなわち、操作レバー19のほぼ中央には、孔
20が開けられている。この孔20の内面は平面円形状
でなく、同内面の前部に平面21が形成されている。そ
して、この平面21にピン16の切欠き17が一致する
ように、孔20にピン16の軸部16bが挿通されてい
る(図7参照)。この平面21と切欠き17との係合に
より、ピン16が操作レバー19に一体回動可能に連結
されている。
【0021】図1及び図2で示すように、前記操作レバ
ー19の後端部は前記連結板11に連結されている。詳
しくは、前記連結板11には作用軸22が上方へ向けて
突設されている。これに対応して、操作レバー19の後
端部には長孔23が開けられており、ここに作用軸22
が挿入されている。そのため、前記ピン16と一体で操
作レバー19が回動操作されると、その回動力は作用軸
22を介して連結部材9に伝達される。
【0022】ところで、膨出部14及び操作レバー19
にピン16が挿通された状態では、軸部16bの上端部
が操作レバー19から上方へ突出し、係止溝18が露出
している。この係止溝18には板ばね24が取付けられ
ている。板ばね24は、硬度が430〜480Hvのば
ね鋼によって形成されている。板ばね24は、操作レバ
ー19を膨出部14側へ付勢し、前記ピン16の頭部1
6a及び操作レバー19を膨出部14に圧接させて、操
作レバー19の回動を規制する摩擦力を生じさせるため
のものである。
【0023】さらに、本実施例ではピン16への板ばね
24の取付けのために、次の構成が採られている。図6
及び図9で示すように、板ばね24のほぼ中央部には、
前記軸部16bの挿通可能な挿通孔25が開けられてい
る。また、挿通孔25には後方へ向けて係合孔26が延
設されている。この係合孔26は、前記ピン16の係止
溝18に係合されている。
【0024】操作レバー19の前部には、前側ほど高く
なる前部傾斜部27が一体形成されている。また、操作
レバー19の後部には、後側ほど高くなる後部傾斜部2
8が一体形成されている。そして、ピン16に取付けら
れた板ばね24の前半部が上方へ撓まされて前部傾斜部
27上に圧接している。また、板ばね24の後半部が上
方へ撓まされて後部傾斜部28上に圧接している。
【0025】前記後部傾斜部28の後端にはストッパ2
9が上方へ向けて突設されている。このストッパ29
は、板ばね24が係合孔26の延設方向である後方へ移
動して係止溝18から外れるのを阻止している。また、
操作レバー19の上面において、前部傾斜部27の両側
及び後部傾斜部28の両側にはそれぞれ規制片30が形
成されている。これらの規制片30は、ピン16に取付
けられた板ばね24が回転するのを規制している。
【0026】なお、板ばね24における挿通孔25、係
合孔26の近傍部分での湾曲を防止するために、同板ば
ね24の中間部分の両側縁は上方へ折曲され、同部分の
剛性を高めている。
【0027】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果について説明する。図2は操作レバー19
が左右方向の中央位置にあり、後部風向偏向板7が平ら
になった状態を示している。この状態において、後方か
らの風Wは、延長板10及び後部風向偏向板7に沿って
真っ直ぐに前方に吹き出る。
【0028】前記状態から、操作レバー19を例えば矢
印Aで示すように右方へ回動させると、同操作レバー1
9後端部の作用軸22により連結された連結板11は、
左前方へ移動する。
【0029】前記のように連結板11が移動すると、延
長板10に結合された後部風向偏向板7の後端部が、4
本の平行リンク13によって移動軌跡を規制されながら
軸8とのスパンを短くしつつ左前方へ移動する。する
と、図3で示すように、後部風向偏向板7はどの部位に
おいてもほぼ同一の曲率で左側へ膨らむような湾曲状態
となる。そのため、後方からの風Wは、これらの後部風
向偏向板7に沿ってスムーズに向きを右方に変えながら
右前方へ吹き出る。
【0030】後部風向偏向板7が湾曲すると、その後部
風向偏向板7には平らな状態(図2参照)に戻ろうとす
る力が作用し、操作レバー19を回動させようとする。
しかし、図9で示すように、ピン16の上端部には板ば
ね24が取付けられ、この板ばね24の前半部が上方へ
撓まされて前部傾斜部27に圧接するとともに、同板ば
ね24の後半部が上方へ撓まされて後部傾斜部28に圧
接している。これらの圧接力により、操作レバー19が
膨出部14側へ付勢される。この付勢により、前記ピン
16の頭部16aと操作レバー19とが本体ケース5に
圧接される。そして、頭部16aの上面と膨出部14の
下面との間、及び同膨出部14の上面と操作レバー19
の下面との間に、操作レバー19の回動を規制する摩擦
力が生ずる。このため、操作レバー19が図3の位置に
保持される。これにともない、後部風向偏向板7が湾曲
状態に保持される。
【0031】ここで、板ばね24の付勢力を利用して前
記摩擦力を発生させる構成としては、上記以外にも、膨
出部14側にピン16を回動不能に取付け、このピン1
6に操作レバー19を回動可能に支持することが考えら
れる。この場合には、膨出部14の上面と操作レバー1
9の下面との間や、ピン16の軸部16bと板ばね24
との係合部分で摩擦力を発生させることになる。しか
し、金属同志(ピン16と板ばね24)の接触や樹脂同
志(膨出部14と操作レバー19)の接触によっては小
さな摩擦力しか得られない。
【0032】これに対し本実施例では、ピン16を膨出
部14に回動可能に取付け、このピン16に操作レバー
19を一体回動不能に取付けた。すなわち、金属同志
(ピン16と板ばね24)の接触に代え、金属(ピン1
6の頭部16a)と樹脂(膨出部14)とを接触させて
いる。このため、上記のように金属同志を接触させた場
合よりも十分に大きな摩擦力を得ることができる。
【0033】ところで、本実施例では、前記板ばね24
の取付け作業が次のようにして行われる。まず、図7で
示すように、本体ケース5の膨出部14上に操作レバー
19が重ねられ、同膨出部14の孔15と操作レバー1
9の孔20とが合わされる。続いて、膨出部14の下側
からピン16の軸部16bが孔20に挿通される。この
際には、操作レバー19の孔20の平面21にピン16
の切欠き17が係合される。ピン16の頭部16aが膨
出部14の下面に当接されると、同ピン16の軸部16
b上端が操作レバー19の上面から突出し、係止溝18
が露出する。
【0034】この状態で、操作レバー19上に板ばね2
4が載置される。詳しくは、板ばね24の前端が、前側
の両規制片30間の前部傾斜部27上に載置され、同板
ばね24の後端が、後側の両規制片30間のストッパ2
9上に載置される。このときには、板ばね24はほぼ平
らとなっており、同板ばね24の挿通孔25がピン16
の軸部16bの上方に位置している。
【0035】前記状態から、図8で示すように、板ばね
24の中間部分がばね力に抗して下方へ押圧される。す
ると、板ばね24の前半部及び後半部が撓み、板ばね2
4の挿通孔25に前記ピン16の上端部が挿通される。
このときには、板ばね24とピン16の軸部16bとは
係合しておらず、板ばね24には平らな状態に戻ろうと
する力が作用している。また、この状態では、板ばね2
4の後端部がストッパ29上に圧接している。
【0036】次に、前記挿通孔25に軸部16bが挿通
された状態で、図示しない治具によって板ばね24が、
ピン16の挿通方向と交差する方向である前方へスライ
ドされる。このスライドにともなって係合孔26が前方
へ移動し、図9で示すように、軸部16b上端の係止溝
18に板ばね24の係合孔26が係合する。この係合
は、板ばね24の平らな状態に戻ろうとする力を受け止
める。そのため、前記係合により板ばね24の撓んだ状
態が保持される。
【0037】また、前記スライドにより、板ばね24の
後端部がストッパ29を乗り越えて後部傾斜部28上に
当接する。このため、板ばね24の直後にストッパ29
が位置し、このストッパ29が、板ばね24が係合孔2
6の延設方向である後方へ移動するのを阻止する。
【0038】加えて、板ばね24の前後両端の両側には
規制片30が位置しており、この規制片30によって板
ばね24の回動が阻止される。従って、これらのストッ
パ29、規制片30の作用によって、ピン16の係止溝
18から係合孔26が外れることが阻止される。つま
り、ピン16から板ばね24が脱落する不具合が防止さ
れる。
【0039】このように、本実施例での板ばね24の取
付時には、従来技術とは異なり、板ばね24の撓みを利
用しておらず、板ばね24をスライドさせて係止溝18
に係合孔26を係合させているだけである。このため、
板ばね24の撓みに起因する各種問題点を解消できる。
すなわち、ピン16や板ばね24に過大な応力が加わる
のを抑え、ピン16に傷が付けられたり、同ピン16が
削り取られたり、板ばね24が塑性変形されたりするの
を防止できる。その結果、操作レバー19の回動を規制
する摩擦力を常にほぼ一定にして、後部風向偏向板7の
湾曲状態を安定して保持することが可能となる。
【0040】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例ではピン16に操作レバー19を一体
回転可能に取付けるために、ピン16の軸部16bに切
欠き17を形成し、操作レバー19の孔20に平面21
を形成したが、これに代えて、図10及び図11で示す
構成を採ってもよい。この別例では、ピン16の軸部1
6b外周の2箇所が平行に切欠かれ、これらの切欠き部
分が係止溝31とされている。これに対応するように、
係合孔33に一対の直線部32が形成されている。そし
て、前記直線部32が係止溝31に係合されることによ
って、ピン16への操作レバー19の取付けと、同操作
レバー19への板ばね24の取付けとが同時に行われて
いる。このようにしても、前記実施例と同様な作用及び
効果を奏する。
【0041】(2)前記実施例ではピン16の頭部16
aの形状を円板状にしたが、多角形状、楕円形状等、任
意の形状に変更してもよい。 (3)挿通孔25と係合孔26との前後関係を前記実施
例と逆にしてもよい。すなわち、挿通孔25に前方へ向
かう係合孔26を延設してもよい。この場合には、板ば
ね24を後方へスライドさせて、係合孔26を係止溝1
8に係合させることになる。これにともない、ストッパ
29を操作レバー19の前部に形成することになる。
【0042】(4)前記実施例においては、前部風向偏
向板6を左右方向に延びるように、後部風向偏向板7を
上下方向に延びるようにそれぞれ配設したが、これらの
配設方向を逆にしてもよい。すなわち、前部風向偏向板
6を上下方向に延びるように、後部風向偏向板7を左右
方向に延びるように配設してもよい。
【0043】(5)本発明の吹出口グリルは、前記実施
例以外にも例えば家庭用の暖房機器やエアコンの吹出口
等に具体化することができる。 (6)前記実施例では、操作レバー19を中段の前部風
向偏向板6のほぼ中央部に設けたが、その位置は特に限
定されるものではなく、本体ケース5の上壁5aや底壁
5b、あるいは他の前部風向偏向板6に設けてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の吹出口グリ
ルによれば、軸への板ばねの取付けに際し、軸に傷が付
けられたり、同軸が削り取られたり、板ばねが塑性変形
されたりするのを確実に防止し、風向偏向板の湾曲状態
を安定して保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例の吹出口グリルを
示す図であり、図2のB−B線方向の断面図である。
【図2】一実施例において、後部風向偏向板を平らにさ
せた状態を示す部分平断面図である。
【図3】一実施例において、操作レバーを回動させて後
部風向偏向板を湾曲させた状態を示す部分平断面図であ
る。
【図4】図2のC−C線方向の断面図である。
【図5】一実施例において、膨出部に対する操作レバー
の支持部分を示す部分斜視図である。
【図6】一実施例における膨出部、ピン、操作レバー及
び板ばねの部分分解斜視図である。
【図7】一実施例における板ばねの取付け作業を示す図
であり、操作レバー上に板ばねを載置した状態の側断面
図である。
【図8】図7の状態から、板ばねを下方へ押圧して挿通
孔にピンを挿通させた状態を示す側断面図である。
【図9】図8の状態から、板ばねを前方へスライドさせ
て、ピンの係止溝に板ばねの係合孔を係合させた状態を
示す側断面図である。
【図10】ピンの係止溝及び板ばねの係合孔の別例を示
す図であり、膨出部、ピン、操作レバー及び板ばねの部
分分解斜視図である。
【図11】ピンの係止溝及び板ばねの係合孔の別例を示
す図であり、係止溝に係合孔を係合させた状態を示す部
分平断面図である。
【図12】従来の吹出口グリルの側断面図である。
【図13】従来の吹出口グリルにおける本体ケース、ピ
ン、操作レバー及び板ばねの部分分解斜視図である。
【符号の説明】
2…送風ダクト、5…本体ケース、7…後部風向偏向
板、9…連結部材、16…軸としてのピン、16a…頭
部、16b…軸部、18…係止溝、19…操作レバー、
24…板ばね、25…挿通孔、26…係合孔、W…風

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風ダクト(2)内に配設され、後方か
    らの風(W)が通過可能な本体ケース(5)と、 前記本体ケース(5)内に一端が支持され、かつ弾性的
    に湾曲可能な複数枚の風向偏向板(7)と、 前記各風向偏向板(7)の他端部を相互に連結する連結
    部材(9)と、 前記本体ケース(5)に挿通された軸部(16b)、及
    び該軸部(16b)の一端に形成された頭部(16a)
    から構成され、同本体ケース(5)に対し回動可能な軸
    (16)と、 前記本体ケース(5)から突出する軸部(16b)に一
    体回転可能に取付けられ、その軸部(16b)よりも後
    方において前記連結部材(9)に連結された操作レバー
    (19)と、 前記操作レバー(19)から突出する軸部(16b)の
    先端部に取付けられ、同操作レバー(19)を本体ケー
    ス(5)側へ付勢し、前記軸(16)の頭部(16a)
    及び操作レバー(19)を本体ケース(5)に圧接させ
    て、操作レバー(19)の回動を規制する摩擦力を生じ
    させるための板ばね(24)とを備え、前記操作レバー
    (19)の回動操作により風向偏向板(7)を湾曲させ
    て、本体ケース(5)から前方へ吹き出される風(W)
    の向きを調節可能とするとともに、前記圧接に基づく摩
    擦力により、風向偏向板(7)の湾曲状態を保持するよ
    うにした吹出口グリルであって、 前記軸部(16b)の先端部外周に係止溝(18)を形
    成し、前記板ばね(24)に前記軸(16)の挿通可能
    な挿通孔(25)を形成するとともに、その挿通孔(2
    5)に軸部(16b)が挿通された状態で、板ばね(2
    4)を軸部挿通方向と交差する方向へスライドさせたと
    きに前記係止溝(18)に係合する係合孔(26)を設
    けたことを特徴とする吹出口グリル。
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