JP2681924B2 - 防水カメラ及び防水カメラ用交換レンズ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は防水カメラとその交換レンズのマウント機構
に関するものである。 〔従来の技術〕 従来、この種のレンズマウント機構としては、特公昭
39-5519号公報のものが公知であり、第７図に示す様な
構造であった。第７図において本体機構部（71）は外箱
（72）が圧力により変形してもその影響が及ばないよう
に外箱（72）に収納支持されており、外箱（72）とこれ
に軸支された裏蓋（73）との間は、Ｏリング（74）によ
り防水シールされる。本体機構部（71）にはマウント部
（75）が固着されている。さらに外箱（72）の前面には
開口部（72a）が設けられている。 一方レンズ機構部は外筒部（76）と内筒部（77）とに
より構成され、内筒部（77）は撮影レンズ（78）及び不
図示の距離調節機構、絞り調節機構等により構成されて
いる。外筒部（76）は耐圧防水機構からなり、前面開口
部には防水ガラス（79）がＯリング（710）を介して装
着され、防水シールされる。さらに後部開口部周囲に設
けられた周溝（76a）には、Ｏリング（711）が嵌装され
る。これによりレンズをカメラに装着したとき、レンズ
外筒部（76）と外箱（72）との間が防水シールされる。
内筒部（77）にはレンズマウント部（712）が固着され
ている。レンズマウント部（712）は、外筒部（76）を
複数の軸（713）を介して光軸方向移動可能に軸支して
いる。各軸（713）の周囲に嵌装されたバネ（714）は、
外筒部（76）をマウント部（712）方向に引きつける働
きをする。 レンズ装着時には本体マウント部（75）の複数のバヨ
ネット爪部（75a）に、レンズマウント部（712）のバヨ
ネット部（712a）が噛合い、バネ（714）の付勢力によ
ってレンズ内筒部（77）を本体機構部に締結する。以上
の構成により本体機構部（71）及び内筒部（77）は、外
箱部（72）、レンズ外筒部（76）が、水圧により変形し
ても、その影響を受けず、機能を維持することが出来
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記構成では下記のような問題点が生
ずる。 （１）レンズ外筒部（76）と外箱開口部（72a）との嵌
合部は単にＯリング（711）による防水シール構造の
為、レンズ外筒部（76）に対して、例えば光軸に直角方
向の力が加わり、その力がバネ（714）の力量以上だと
すると、外筒部（76）は外箱（72）に対して傾いてしま
う。またカメラ内部の圧力が外部圧力より高く、その大
きさがバネ（714）の力量を上回る時には、レンズ外筒
部（76）が外箱部（72）から浮上ってしまう。いずれの
場合もＯリング（711）による防水シール効果が不完全
となり、漏水する虞が生ずる。 （２）レンズマウント部（712）の本体マウント部（7
5）への装着は、複数のバネ（714）の付勢力により維持
されており、外筒部（76）が傾いたりするとバネ（71
4）の押圧力が場所により不均一となり、レンズマウン
ト部（712）の装着が不安定になる恐れがある。その為
には外筒部（76）が傾きにくいようにバネ（714）の力
を大きくしてやれば良いが、バネ力をいたずらに大きく
すると本体マウント（75）に変形が生じ、ピント精度を
悪くしかねない。 〔問題点を解決する為の手段〕 上記問題点を解決する本発明の構成を、第１図乃至第
６図に示した実施例の符号を付して説明すると下記の如
くである。すなわち、本発明では、レンズの外筒部
（７）に外筒マウント（70）を、内筒部（11）に内筒マ
ウント（13）をそれぞれ設け、カメラに外筒マウント
（70）と係合可能な外マウント（2a）、内筒マウント
（13）と係合可能な内マウント（５）をそれぞれ設ける
ときに、外筒マウント部（70）に対して、内筒マウント
部（13）が光軸方向（第１図左右方向）に移動可能に設
けたものである。ことを特徴とするものである。 〔作用〕 このような構成により、カメラにレンズを装着したと
きに、カメラの機構部（１）とレンズの内筒部（11）と
が従来同様一体化されると共に、カメラの外箱（２）と
レンズの外筒部（７）も一体化されることになるので、
外筒部（７）に加わる外力がカメラとレンズとの結合状
態に悪影響を与えるようなことがなくなる。 すなわち、外筒部（７）に加わったによってカメラ本
体の外箱に対し変位したとしても、内筒マウント部（1
3）は、外筒マウント部（70）に対して光軸方向に移動
可能なので、カメラ機構の光軸に影響することなく、カ
メラ本体とのマウント結合を維持でき、外力による影響
で、カメラ機能が損なわれることを低減することができ
る。 〔実施例〕 第１図は本発明における実施例であって、防水カメラ
部に防水レンズ部がバヨネットにより防水的に装着され
た状態を示す、レンズ光軸を含む面での断面図であり、
第２図はその拡大断面図である。 第１図において防水カメラの本体機構部（１）は、外
箱部（２）と、裏蓋部（３）と、両者の間に防水的にシ
ールするＯリング（４）とにより構成される防水、耐圧
構造体の内部に収納支持され、外箱（２）や裏蓋（３）
が外圧を受けて変形してもその影響を受けないよう支持
される。本体機構部（１）は、フィルムをレンズ後方の
所定位置で保持する保持機構、フィルム巻上機構、シャ
ッター機構等を含む。 本体機構部（１）前面には撮影レンズ装着用の内マウ
ント部（５）が固着されている。第２図において内マウ
ント部（５）には複数の内バヨネット爪部（5a）、（5
b）が設けられると共に、後述するレンズ側の内筒マウ
ントを本体部マウント（５）に圧着係合するための複数
のバヨネットバネ（６）が設けられている。 外箱部前面には防水レンズ装着用の外マウント部（2
a）が設けられ、Ｏリングによる防水シール部（2b）と
複数の外バヨネット爪部（2c）、（2d）とが設けられて
いる。 次に防水レンズ部の構成について説明する。第１図に
おいて、レンズ外筒部（７）の前面開口部には防水ガラ
ス（８）が配設され、Ｏリング（９）により外筒部
（７）と防水ガラス（８）との間を防水シールする。外
筒部（７）の後部には、Ｏリング（10）を装着する周溝
部（7a）と、外バヨネット爪部（2c）、（2d）に嵌合す
る複数の外筒バヨネット爪部（7b）、（7c）を有する外
筒マウント部（70）とが設けられる。 内筒部（11）には撮影レンズ（12）、絞り制御機構、
距離制御機構等が配設され、内筒マウント部（13）に支
持されている。内筒マウント部（13）には複数の内筒バ
ヨネット爪（13a）、（13b）が設けられている。外筒部
（７）の外筒部端面（7f）と内筒マウント部（13）のマ
ウント部端面（13c）との間にはバネ（14）が挾持さ
れ、外筒部（７）と内筒マウント部（13）とを光軸方向
で互いに離隔する方向に付勢する。 外筒マウント（70）には凹部（7a）が、内筒マウント
部（13）には凸部（13d）が設けられ、互いに嵌合して
内マウント（13）と外筒部（７）との相対回転を規制し
ているが、外筒部（７）に対し内筒部（11）は光軸方向
に若干量だけ可動に支持される。この可動量は、バヨネ
ット爪部の係合に必要な量に設定される。 第３図は係合前のそれぞれのバヨネット爪部の相互関
係位置の平面図で、本実施例ではバヨネット爪部の数は
２カ所である。 第５図、第６図に示すように、ロックピン（15）は、
内筒マウント部（５）に設けられ、光軸方向に可動であ
り、凹部（13f）は内筒マウント部（13）の端面（13e）
にロックピン（15）に対応して設けられている。第６図
に示す防水レンズの装着完了状態にあってはロックピン
（15）の一端（15a）は凹部（12f）に落込み防水レンズ
の回転をロックする。 第５図、第６図において、ロックピン（15）は、内筒
マウント部（５）、支持部材（18）に穿たれた光軸方向
の孔を貫通し、バネ（16）によって一端（15a）を内マ
ウント（５）から突出させる方向（図中左方向）に付勢
される。支持部材（18）は、ロックピン（15）に固着さ
れており、軸（20）の一端に固設されたカム面（20a）
に当接している。軸（20）が外箱部（２）に軸支されて
おり、軸（20）の中間部の周溝にはＯリング（21）が装
着されて、軸（20）と外箱部（２）との間を防水シール
している。軸（20）の他端には、外筒マウント部（70）
の近傍の外部に配設されたレンズ着脱レバー（22）が固
着されている。ロックピン（15）の他端（15b）側の支
持部材（17）上にはスイッチ部材（19）が配設され、本
体部（１）の制御回路に接続される。 以上の構成による防水レンズの防水カメラへの装着作
動について説明する。 第５図は防水レンズマウント部を防水カメラマウント
部に挿入した直後の状態であり、この時各々のバヨネッ
ト爪部の相対関係は第３図の如き位置にあり、ロックピ
ン（15）、凹部（13f）は非係合の位置にある。この状
態では、第５図において、外筒部（７）をバネ（14）の
押圧力に抗して図中右方向に押圧することにより外筒部
（７）の外筒マウント部（70）が、外箱（２）の外マウ
ント部（2a）に挿入され、Ｏリング（10）が両者の間で
弾性変形する。 内筒マウント部の端面（13e）はバネ（14）の付勢力
により本体部マウント面（5c）に押圧され、ロックピン
（15）を図中右方向に押すのでスイッチ（19）はONにな
る。第５図の状態においては、外バヨネット爪部（2
c）、（2d）と、外筒バヨネット爪部（7b）、（7c）と
は回転方向で干渉し合うので、第４図の位置に防水レン
ズを回すことは出来ないが、外筒部（７）をバネ（14）
に抗して図中右方向へ更に押し込むと、端面（7e）、
（2e）が当接する位置にて干渉は完全に解消され、防水
レンズは回動可能となる。 尚、本実施例では防水レンズの装着に要する回転角は
90°であり、第３図の状態から防水レンズを90°回転す
ると、第４図に示す装着完了状態となる。各々のバヨネ
ット爪部は（13a）と（5a）、（13b）と（5b）、（7b）
と（2c）、（7c）と（2d）が、それぞれ係合し、第６図
にも示すように内筒マウント（13）の端面（13e）の凹
部（13f）には内マウント（５）に設けられたロックピ
ン（15）の一端（15a）がバネ（16）の付勢力により落
込み、レンズの回転をロックする。同時にバヨネットバ
ネ（６）は、第２図の如く内バヨネット爪部（13a）、
（13b）を図中右方に押圧して、内マウント（５）のマ
ウント面（5c）に内筒マウント部（13）の端面（13e）
を密着させるので、内筒部（11）と本体機構部（１）と
は回転、光軸両方向で一体化される。また外筒部バヨネ
ット（7b）、（7c）と外バヨネット（2c）、（2d）もそ
れぞれ係合され、外筒部（７）は外箱（２）に係合保持
される。 尚、ロックピン（15）は、レンズがカメラに装着され
ない状態では、第６図の破線位置までバネ（16）の付勢
力で突出しているのでスイッチ部材（19）はOFFの状態
にあるが、第５図のようにレンズを外マウント部（2a）
に挿入した状態にするとスイッチ部材（19）は第１のON
状態になり、第６図のように完全に装着された状態にす
ると第２のON状態になり、それぞれ別個の信号を本体カ
メラ機構部（１）に伝達する。 レンズを外す場合には着脱レバー（22）を回動させ、
軸（20）のカム面（20b）によりレバー（18）を第５図
において図中右方向に押動させロックピン（15）と内筒
マウント（13）の凹部（13f）との係止を解除して、装
着時と逆方向にレンズを回動させればよい。 〔発明の効果〕 以上のように本発明の防水カメラ及びレンズのマウン
ト装置によれば、 （１）内マウント（５）に内筒マウント（13）がバネ
（６）により密着押圧されるので、内筒部（11）を保持
するのに充分なバネ力をバネ（６）に付加出来るととも
に、バネ（６）のバネ力は内マウント（５）と内筒マウ
ント（13）の内部力となり、公知技術のようなバネ力増
加によるピント精度への影響を受けることがなく、確実
に内筒部（11）をカメラ側マウントに締結できる。 （２）外筒部（７）に外筒マウント（70）を設けて、レ
ンズの装着完了時に、この外筒マウント（70）を外箱
（２）の外マウント部（2a）と係合させることにより、
外筒部（７）と外箱（２）とを一体化するようにしたの
で、外力が外筒部（７）に加わったり、内部圧力が高ま
ったりしても、外筒部（７）は、傾いたり、浮上ったり
することがなくなり、防水シールが確実に行なえる。 また、上述した本発明の実施例によれば、 （３）しかも外筒マウント（70）と外マウント部（2a）
との係合と、内筒マウント（13）と内マウント（５）と
の係合とが同一操作によって同時になされるので、レン
ズの脱着操作が簡便である。 （４）バネ部材（14）は、光軸方向に内筒部（11）と外
筒部（７）を弾発支持しているので、レンズ装着完了時
には内筒部マウント面（13e）が内マウント（５）の面
（5c）に押し当てられる。従って、加工、組立による各
部の寸法バラツキの影響を受けずに、正確にレンズをカ
メラに装着することが出来る。 また、上記弾性力（バネ14）により、内筒マウント
は、外筒マウントに対して光軸方向に移動可能であり、
外筒（７）に階力（例えば、光軸と直交する方向の外
力）が加わったときに、内筒マウント部がカメラ本体の
マウント部（５）とのマウント結合を保ったまま外筒マ
ウント部（70）に対して移動するので、内筒マウント
（13）と内マウント（５）のマウント結合が保証され、
カメラの光学性能を損なうことがない。 （５）外筒マウント（70）をＯリング（10）の内側に配
置することにより、使用中にゴミや砂がマウント面に付
着し、レンズ着脱時にザラついたり、砂を噛み込む等の
事態が生じない。 （６）レンズ機構部を含む内筒部（11）の内筒マウント
（13）と、内マウント（５）との間にレンズをカメラに
装着した際の回転方向の位置規制用のロックピン機構
（13f、15）を設けたので、レンズとカメラの信号の伝
達が確実になると共に、外筒部（７）と内筒部（11）と
の相対取付位置関係をあまり厳密にする必要がなく、加
工、組立が容易になる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例の断面図、第２図は第１図の
部分拡大断面図、第３図・第４図は同実施例のマウント
部を示す平面図、第５図・第６図は第２図とは別の断面
による部分拡大断面図、第７図は従来技術の断面図であ
る。 〔主要部分の符号の説明〕 13……内筒マウント 70……外筒マウント ５……内マウント 2a……外マウント

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．光学系を含む内筒と、該内筒部を内部に保持する防
   水構造の外筒部とを有する防水交換レンズと、該レンズ
   が装着される、本体機構部と該機構部を内側に収納する
   外箱とを備えた防水カメラ本体とを有する防水カメラに
   おいて、 前記防水交換レンズは、 前記外筒部のカメラ本体側端部に設けられ、前記カメラ
   本体の外箱の外マウント部と防水結合する外筒マウント
   部と、 前記内筒部のカメラ側端部に、前記外筒マウント部に対
   して光軸方向に相対的に移動可能に設けられ、前記内筒
   部の光軸と前記本体の光軸とが実質的に一致するように
   前記本体機構部の内マウント部と結合する内筒マウント
   部と を備えたことを特徴とする防水カメラ。 ２．前記内レンズマウント部は、前記外筒マウント部に
   対して、前記光軸上に沿って、前記カメラ本体側に弾性
   的に付勢され、前記弾性力に抗して前記カメラ本体と反
   対側に移動可能に形成されていることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の防水カメラ。 ３．光学系を含む内筒部と、該内筒部を内部に保持する
   防水構造の外筒部とを有する防水カメラ用防水交換レン
   ズにおいて、 前記外筒部のカメラ側端部に設けられ、前記カメラ本体
   の外箱の外マウント部と防水結合する外筒マウント部
   と、 前記内筒部の端部に、前記外レンズマウント部に対して
   光軸方向に相対的に移動可能に設けられ、前記内筒部の
   光軸と前記本体の光軸とが実質的に一致するように前記
   本体機構部の内マウント部と結合する内筒マウント部と を備えたことを特徴とする防水カメラ用交換レンズ。