JP2681233B2 - 乗用型作業機のリヤアクスルケース構造 - Google Patents

乗用型作業機のリヤアクスルケース構造

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JP2681233B2
JP2681233B2 JP3111002A JP11100291A JP2681233B2 JP 2681233 B2 JP2681233 B2 JP 2681233B2 JP 3111002 A JP3111002 A JP 3111002A JP 11100291 A JP11100291 A JP 11100291A JP 2681233 B2 JP2681233 B2 JP 2681233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乗用型田植機、乗用型
施肥機等の乗用型作業機のリヤアクスルケース構造に関
するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
この種乗用型作業機の走行機体後部には、リヤアクスル
ケースが配設され、そして該リヤアクスルケースは、エ
ンジンから入力した動力を左右両端部に軸支される左右
後輪に伝動することにより機体を走行せしめるようにな
つている。しかるに、従来のリヤアクスルケースは、筒
状に形成されるメインケースの左右両端部に、割ケース
で形成されるフアイナルケースをそれぞれ組付けて構成
されるため多種の構成部品が必要であり、この結果、部
品成形において多種の金型を用意する必要がある許り
か、部品点数の増加に伴う組立作業の複雑化によつてコ
ストアツプを招来しているのが実状であつた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる乗用型作
業機のリヤアクスルケース構造を提供することを目的と
して創案されたものであつて、左右両端部に後輪が軸支
されるフアイナルケースを備えたリヤアクスルケースで
あつて、該リヤアクスルケースを、ケース前半部を形成
する前ケースと、ケース後半部を形成する後ケースとの
前後割ケースで構成するにあたり、前後割ケースはフア
イナルケースまでを含めて同一形状で、中央部に貫通孔
が形成されされたものとして一体形成されたものとし、
前割ケースの貫通孔には入力軸を貫通支持し、後割ケー
スの貫通孔は覆蓋したことを特徴とするものである。そ
して本発明は、この構成によつて、フアイナルケースま
でも含めたリヤアクスルケースを単一の金型で成形可能
にしてコストダウンを計ることができるようにしたもの
である。
【0004】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、1は乗用型田植機の走行機体で
あつて、該走行機体1の機体フレーム2は、中空角パイ
プからなる前後および左右のフレーム2a、2b、2
c、2dによつて平面視略長方形の枠状フレームに形成
されているが、機体フレーム2の前後方向中間部には、
ミツシヨンケース用の取付けフレーム3が左右方向に亘
つて架設され、該取付けフレーム3の前側中間部にミツ
シヨンケース取付けブラケツト4が垂下状に固設されて
いる。一方、左右フレーム2c、2dの後端および後フ
レーム2bの中間部には、リヤアクスルケース取付けブ
ラケツト5、6がそれぞれ固設されており、後フレーム
2bのブラケツト6固設部と前記ミツシヨンケース取付
けブラケツト4との間には左右一対の補強フレーム7が
前後方向に架設されている。さらに、左右フレーム2
c、2dの後部には、後方上方に傾斜状に延びるリヤフ
エンダ取付けステー8がそれぞれ固設されると共に、中
間部に昇降リンク取付けマスト9が固設されるマスト支
持フレーム10が架設され、さらに左右フレーム2c、
2dの後部は、上方に向けて湾曲状に膨出する膨出部2
eが一体成形されている。即ち、枠状に形成される機体
フレーム2に高さ方向の強度的成分を付加することによ
つて機体フレーム2の縦剛性を高めるようになつてい
る。
【0005】11は前記機体フレーム2の前端部に固設
されるエンジン支持プレートであつて、該エンジン支持
プレート11は、前フレーム2aの中間部から後方に延
びるよう固設されるが、エンジン支持プレート11の中
間部は、前フレーム2aに近接して並設される補助フレ
ーム12に固着され、さらに後半部は、補助フレーム1
2の中間部から後方に向けて延設される支持ステー13
に支持されている。さらに、14はエンジン15が搭載
されるエンジンベースであつて、該エンジンベース14
は、エンジン支持プレート11の上面部に重合状に配設
されるが、その前端部は、左右一対の防振ゴム16を介
してエンジン支持プレート11前端部に支持される一
方、後端部は後述する伝動ベルト29の出力方向に対抗
するようエンジン支持プレート11後端部に一体的に支
持されている。つまり、エンジン15から機体フレーム
2の中間部に至る振動経路中に、前フレーム2aおよび
左右フレーム2c、2dの前端部を介在させることによ
つて、前フレーム2aおよび左右フレーム2c、2dの
前端部を振動吸収部に構成して機体フレーム2の中間部
側振動を低減せしめるようになつている。
【0006】17は前記機体フレーム2の中間部に組付
けられるトランスミツシヨンケースであつて、機体の中
心線C−Cより右側よりにずれた線上に合わせ面17b
を持ち、左右方向に分割可能に構成されている。該トラ
ンスミツシヨンケース17の左側ケース前端側は補助ス
テーS1を介して前フレーム2aに支持され、右側ケー
ス前端側は補助ステーS2を介して後述する支持プレー
ト49に支持される一方、後端側は前記ミツシヨンケー
ス取付けブラケツト4に支持されるが、その左右両側面
には、外周径約550mmφの左右各前輪18を軸支す
るフロントアクスルケース19が組付けられ、該左右の
ケースは取付板を介してフレーム2c、2dに支持さ
れ、機体フレーム2を用いてトランスミツシヨンケース
17を安定的に支承する一方、後端面中央部には、ドラ
イブ軸20を介して後述するリヤアクスルケース21に
動力伝動を行う出力軸22と、第一および第二の連結軸
23、24を介して後述する植付作業部25に動力伝動
を行うPTO軸26とが突設されている。つまり、トラ
ンスミツシヨンケース17は、エンジン15の左側面に
配設される出力プーリ27、トランスミツシヨンケース
17の一側面に配設される入力プーリ28、両プーリ2
7、28間に巻回される伝動ベルト29等で構成される
動力伝動機構を介してエンジン動力を入力し、そして変
速した動力を、前記前輪18、出力軸22およびPTO
軸26に出力するようになつている。また、本実施例に
おいては、トランスミツシヨンケース17全体を機体フ
レーム2から降ろすことなくトランスミツシヨンケース
17内のメンテナンスを行い得るよう配慮されている。
即ち、トランスミツシヨンケース17は、左右方向に分
割可能に構成されるため、左前輪18を除く三輪で機体
を支持した状態で、まず左側フロントアクスルケース1
9を取り外し、しかる後トランスミツシヨンケース17
の左側ケースを取り外せば、トランスミツシヨンケース
17全体を取り外すことなく内部のメンテナンスを行う
ことができるようになつている。
【0007】さらに、30はピツトマンアームであつ
て、該ピツトマンアーム30は、ステアリングホイール
31の操向操作に基づいてステアリングシヤフト31a
を介して回動するべく構成され、リンク32を介して連
結される左右前輪18を操舵するものであるが、このも
のは、船底状に形成されるトランスミツシヨンケース1
7の底面前端部に配設されている。即ち、トランスミツ
シヨンケース17の底面前端部には凹部17aが形成さ
れており、そして該凹部17a内にピツトマンアーム3
0を収容することによつて、前輪側の地上高を可及的に
大きく確保するようになつている。
【0008】一方、前記リヤアクスルケース21の左右
両端部には、外周径約700mmφの左右後輪33の車
軸33aがそれぞれ外側方に向けて突設されるフアイナ
ルケース部21aが正面視略直角に屈曲形成されてお
り、そして、前記ドライブ軸20から入力軸34が入力
した動力を、サイドクラツチ機構35、ブレーキ機構3
6、最終減速機構37等を経由して車軸33aに伝動す
るべく構成されるが、このものは、前記フアイナルケー
ス部21aが側面視略垂直方向を向くよう縦置き状に配
置されている。つまり、リヤアクスルケース21の底面
と、車軸33aとの垂直距離を可及的に大きくすること
によつて後輪33の外周径を小に構成しても充分な後輪
側地上高を確保するようになつている。
【0009】ところで、上記リヤアクスルケース21
は、ケース前半部を形成する前ケース38と、ケース後
半部を形成する後ケース39との前後割ケースで構成さ
れるものであるが、両ケース38、39は同一形状に形
成されている。つまり、単一の金型で成形された両ケー
ス38、39を反転状に組付けることでリヤアクスルケ
ース21が形成されるようになつている。このため、両
ケース38、39の中央部には入力軸34が貫通するた
めの貫通孔38a、39aがそれぞれ形成されることに
なるが、前ケース38の貫通孔38aには、入力軸34
を軸受する軸受ホルダ40が組付けられる一方、後ケー
ス39の貫通孔39aには、後述する油圧シリンダ41
を取付けるためのシリンダブラケツト42によつて覆蓋
するようになつている。また、53は入力軸34基端に
固設の駆動ベベルギヤ54に噛合する従動ベベルギヤで
あつて、該従動ベベルギヤ53は、軸受55に回動自在
に支持されるが、軸芯部に穿設される内孔53aには左
右後輪33の駆動軸56、57基端部が自由回動自在に
内嵌し、この構成によつて前記軸受55が従動ベベルギ
ヤ53および左右駆動軸56、57の軸受部材に兼用さ
れるようになつている。さらに、従動ベベルギヤ53の
左右両側面にはそれぞれクラツチ爪が形成され、各クラ
ツチ爪に、左右駆動軸56、57にスプライン嵌合する
スリーブ58の基端面に形成されたクラツチ爪が噛合し
て前記サイドクラツチ機構35を構成している。そして
サイドクラツチ機構35においては、弾機59に常時付
勢されるスリーブ58を、シフタ60の作動に基づいて
強制的に外側方に摺動せしめることによつてクラツチの
断操作を行うようになつているが、このときスリーブ5
8に一体固定のシフタ受け61が前記ブレーキ機構36
を押圧してクラツチ断作動と共にブレーキ機構36も制
動作動せしめるようになつている。
【0010】さらに、43は前記昇降リンク取付けマス
ト9に基端が連結される昇降リンク機構であつて、該昇
降リンク機構43は、アツパリンク44およびロアリン
ク45で構成され、そして、前記シリンダブラケツト4
2とアツパリンク44との間に介設される油圧シリンダ
41の伸縮作動に基づいて昇降リンク機構43の先端に
連結される植付作業部25を昇降せしめるが、上記油圧
シリンダ41は、その伸縮作動方向が前方上方を向くよ
う前傾姿勢に配置されている。即ち、油圧シリンダ41
は、植付作業部25に前傾状に設けられる苗載台46の
傾斜方向に沿うべく配置されると共に、植付作業部25
の牽引力を前方に押し戻す如く伸長作動することによ
り、昇降リンク取付けマスト9に作用する牽引荷重を軽
減するよう配慮している。
【0011】またさらに、47は各種電装品に電流供給
を行うためのバツテリであつて、該バツテリ47を機体
前部に配設するに当り、その配設スペースは、エンジン
15の右側面に組付けられるリコイルスタータ48の下
方近接位置に形成されている。つまり、エンジン15の
後部をトランスミツシヨンケース17の前部上方に重合
配設することでエンジン15下方に形成されたスペース
のうち、前記伝動ベルト29等で構成される動力伝動機
構が位置するエンジン15の左側面の配設スペースを除
くデツドスペースを有効に利用してバツテリ47を配設
するようになつている。
【0012】ところで、本実施例では、バツテリ47の
配設スペースを形成すべく、右フレーム2dの前端部を
凹部状に形成しているが、該部にはガイド孔49aを有
する前後一対の支持プレート49が固設されると共に、
支持プレート49間には前記ガイド孔49aに嵌合する
嵌合ピン50aを介してバツテリケース50が機体左右
方向に移動自在に支持されている。即ち、上記ガイド孔
49aに、バツテリケース50をリコイルスタータ48
下方のバツテリ配設スペースに係止するための山越え部
49bと、バツテリケース50を下方外側方に移動ガイ
ドする傾斜部49cとを形成することによつて、バツテ
リケース50に収容されるバツテリ47を容易に着脱で
きるように構成している。さらに、51はバツテリケー
ス50に設けられるコ字状のレバーであつて、該レバー
51は、その両端部がバツテリケース50の両側面にス
ライド自在に支持されて外側方に向けて出没自在である
が、バツテリケース50が前記バツテリ配設スペースに
係止された状態では、レバー51を没入させることによ
り、レバー51中間部がバツテリ47に接当して脱落規
制すると共に、レバー51の左右両端が前記支持プレー
ト49に穿設される係止孔49dに嵌合してバツテリケ
ース50のガタつきを防止する一方、バツテリ47を取
外す際には、レバー51を突出操作すことによりバツテ
リケース50の引出し操作が許容されるようになつてい
る。またさらに、52はゴムバンドであつて、該ゴムバ
ンド52は、前記レバー51と機体フレーム2との間に
弾性的に掛止められることでバツテリ47を保持すると
共に、レバー51の外止めをするようになつている。
【0013】叙述の如く構成された本発明の実施例にお
いて、リヤアクスルケース21のケース前半部を形成す
る前ケース38と、ケース後半部を形成する後ケース3
9とを、フアイナルケース部21aを含めて同一形状に
形成しているため、単一の金型で成形された両ケース3
8、39を反転状に組付けることでリヤアクスルケース
21を形成できることになる。従つて、多種の構成部品
が必要な従来のように、部品成形において多種の金型を
用意する必要がない許りか、部品点数を減らして組立作
業の簡略化も計ることができ、この結果、コストダウン
を可能にすることができる。
【0014】しかも、上記前後ケース38、39をアル
ミダイキヤストにより成形するようにした場合には、成
形後の仕上げ加工を不要にできるので、成形工程数の減
少に基づくコストダウンも計ることができる。
【0015】また、前記後ケース39の中央部には、前
ケース38と同様に入力軸34の軸受ホルダ40を組付
けるための貫通孔39aが形成されることになるが、該
貫通孔39aは、油圧シリンダ41を取付けるためのシ
リンダブラケツト42によつて覆蓋されるため、殊更覆
蓋部材を用意して部品点数の増加を招くような不都合も
ない。
【0016】さらに、実施例においては、後輪33の駆
動軸56、57を二本で構成すると共に、両駆動軸5
6、57の基端部を、単一の軸受55で軸支するべく構
成しているので、部品点数並びに組立て工数を著しく減
少させて大幅なコストダウンを計ることができる許り
か、軽量化にも大いに寄与することができる。
【0017】
【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、左右両端部に後輪が軸支されるも
のでありながら、該リヤアクスルケースは、フアイナル
ケースまでもが同一形状で形成された前ケースと後ケー
スとからなる割ケースで構成される。この結果、単一の
金型で前後両ケースを成形し、しかる後に両ケースを反
転状に組合せるだけでリヤアクスルケースが形成できる
ことになつて、多種の部品で構成される従来のリヤアク
スルの如く、フアイナルケースを含めたリヤアクスルケ
ースの金型が一種類でよいことになる。 しかも、後ケー
スにも、前ケースにおいて必要な入力軸貫通用の貫通孔
が形成されるが、該後ケース側の貫通軸は覆蓋するだけ
でよいことになつて部品の兼用化を損なうことがなく部
品点数の増加を伴うことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の側面図である。
【図2】主要部品を組付けた状態を示す機体フレームの
平面図である。
【図3】同上側面図である。
【図4】同上後面図である。
【図5】同上AーA矢視図である。
【図6】機体フレームの平面図である。
【図7】同上側面図である。
【図8】同上正面図である。
【図9】同上後面図である。
【図10】同上BーB矢視図である。
【図11】エンジン取付け部の平面図である。
【図12】同上側面図である。
【図13】リヤアクスルケースの展開図である。
【図14】同上要部断面図である。
【符号の説明】
1 走行機体 2 機体フレーム 15 エンジン 17 トランスミツシヨンケース 21 リヤアクスルケース 21a フアイナルケース部 38 前ケース 39 後ケース
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−49322(JP,A) 実開 昭58−129204(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右両端部に後輪が軸支されるフアイナ
    ルケースを備えたリヤアクスルケースであつて、該リヤ
    アクスルケースを、ケース前半部を形成する前ケース
    と、ケース後半部を形成する後ケースとの前後割ケース
    で構成するにあたり、前後割ケースはフアイナルケース
    までを含めて同一形状で、中央部に貫通孔が形成されさ
    れたものとして一体形成されたものとし、前割ケースの
    貫通孔には入力軸を貫通支持し、後割ケースの貫通孔は
    覆蓋したことを特徴とする乗用型作業機のリヤアクスル
    ケース構造。
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