JP2681111B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2681111B2 JP62315191A JP31519187A JP2681111B2 JP 2681111 B2 JP2681111 B2 JP 2681111B2 JP 62315191 A JP62315191 A JP 62315191A JP 31519187 A JP31519187 A JP 31519187A JP 2681111 B2 JP2681111 B2 JP 2681111B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 径成長の増加を伴うことなくベルト端におけるセパレ
ーションを効果的に防止した空気入りラジアルタイヤを
提案しようとするものである。 (従来の技術) タイヤは荷重時、ベルトが引っ張られそのコードがわ
ずかに傾いて変形するが、ベルト端での円周変位量はベ
ルトの幅方向両側端に近づくほど、またベルトの幅が広
くなるほど大きくなる。 その結果、ベルト端においてはコード端と周囲のゴム
との間に大きな円周せん断ひずみが生じ、これによりセ
パレーションを発生することがある。 このため従来、ベルト角度、ベルト形状、プライ形
状、ベルト層の形状等を種々に変化させ荷重時の前記コ
ードの変位を小さく抑え、これによりベルト端における
セパレーションを防止しようとしていた。 一方、タイヤの内圧充てんによる径成長は、トレッド
部での引っ張りひずみを増大させて耐摩耗性、耐CUT性
を劣化させる他、ベルトに張力がかかり、ベルト端のせ
ん断ひずみを増加させることでベルト端の耐久性に悪影
響を及ぼすが、径成長を抑える方法としては、ベルトの
タイヤ赤道面に対する傾斜角度を小さくする、コードの
モデュラスを大きくする等の方法がとられていたにすぎ
ない。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら前述のような方法は割合小型のタイヤ、
例えば乗用車用タイヤのセパレーションを防止できる
が、大型のタイヤ、例えばトラック、バスとか大型建設
車両用タイヤのセパレーションを確実に防止することは
できなかった。 さらに径成長を小さく抑えようとした場合、例えばベ
ルトのタイヤ赤道面に対する傾斜角を小さくすると、荷
重時のベルト端の変位量が大きくなり、コード端と周囲
のゴムとの間の周方向剪断歪が増大するため、径成長の
抑制とベルト端のセパレーション防止とを両立させるこ
とはできなかった。 (問題点を解決するための手段) この発明は、多数のコードの平行配列ゴム被覆になる
複数のコード層を補強ベルトに用い、これをラジアル構
造カーカスのクラウン領域のまわりに、コード層の層間
コードがクラウン円周を挟んで交差するように積層配置
し、この補強ベルトの外方に、補強ベルトのコードに比
し破断伸びがより大きい物性をもつ第2のコードの多数
を平行配列ゴム被覆したコード層からなる緩和ベルトを
具える空気入りラジアルタイヤであって、緩和ベルトを
構成するコード層のうち最大幅を有するものが、補強ベ
ルトを構成するコード層のうちの最大幅になるものより
も幅広であり、これら両コード層のコード傾斜の向きが
クラウン円周に関し同じ側にあり、緩和ベルトを構成し
て最大幅をなすコード層の第2のコードのクラウン円周
に対する傾斜角度を鋭角側で測定したときの値が、補強
ベルト層を構成するいずれのコード層のコードのクラウ
ン円周に対する傾斜角度を鋭角側で測定したときの値よ
りも小さく、かつ、緩和ベルトを構成するコード層のう
ち最大幅を有するものの第2のコードの前記傾斜角度を
鋭角側で測定したときの値が10°以上であることを特徴
とする空気入りラジアルタイヤである。 尚、ここでいうクラウン領域とは、具体的には両トレ
ッド端に挟まれた領域をいう。 加えて、補強ベルトを構成するコード層のうち最大幅
を有するもののコードのクラウン円周に対する角度が15
°以上であること、及び/又は緩和ベルトを構成するコ
ード層のうち最大幅を有するものの幅は、補強ベルト構
成するコード層のうち最大幅を有するものの幅の1.3倍
以下であることがより好適である。 第1図にこの発明を適用した大型タイヤのトレッド部
断面を示し、図中1は補強ベルト、2は緩和ベルト、3
はラジアル構造カーカス、そして4はトレッド部であ
る。 (作用) 荷重時のベルト変形において、最大幅緩和ベルトは内
層の最大幅補強ベルトに対して幅がより広く、かつ同方
向のせん断変形をうけることにより内層の最大幅補強ベ
ルト端のゴムをベルト端の変位方向と同方向へ追従変形
させる。 また緩和ベルトに用いたコードのクラウン円周に対す
る角度は内層補強ベルトのコード傾斜角度に比べてより
小さいため、ベルトの変形が大きく、前記内層の最大幅
補強ベルト端ゴムの追従変形は大きくなる。この結果内
層の最大幅補強ベルト端とその周囲のゴムとの相対変位
が減少して円周せん断ひずみは激減する。 なお最大幅緩和ベルトの変形は大きくなるが、そのコ
ードの伸びが大きいためにコード端とその周囲のゴムと
の間にはセパレーションは発生しにくい。ただし第2図
のように緩和ベルトの角度が10°より小さくなるとその
側端のせん断ひずみがセパレーションを発生させる限界
値Lを超えることになる。 このため、この発明では、緩和ベルトを構成するコー
ド層のうち最大幅を有するものの第2のコードの前記傾
斜角度を鋭角側で測定したときの値を10°以上とした。 また、緩和ベルトに用いたコードのクラウン円周に対
する角度を、補強ベルトを構成するコードの傾斜角度よ
りも小さくしているため内圧充てんによるタイヤの径成
長を抑える効果は大きい。ただし径成長を抑えるために
内側補強ベルトのコード角度を小さくすると内層最大幅
補強ベルト側端のせん断ひずみがセパレーションを発生
させる限界値L′を超えるので、その角度は15°以上と
することがのぞましい。 第1図に示した大型建設車両等に用いられる重荷重用
の空気入りラジアルタイヤについては、最大幅緩和ベル
トK1のベルト幅は第4図のように内層補強ベルトの最大
幅ベルトB2のベルト幅の1.3倍以下であることが好まし
く、1.3倍を越えると最大幅緩和ベルト端の剪断歪がセ
パレーションを発生させる限界値Lを越えるからであ
る。 (実施例) 4枚のベルトをもつ大型タイヤ(TBR10.00R20)の例
(タイヤNo.1〜6)を第5図に示し、また5枚のベルト
をもつ超大型タイヤ(ORR 36.00R51)の例(タイヤNo.7
〜12)を第6図に示す。ここでどちらも(a)は一般的
なベルト構造、(b)〜(e)はこの発明を適用したタ
イヤそして(f)に比較のために緩和ベルトの角度を内
側ベルト層と同じ角度にしたタイヤを示す。 第5図の(a)(f)(e)、そして第6図の(a)
(f)(e)に示した各タイヤに次のドラム耐久試験を
行った。 まず、各タイヤのベルト側端における円周せん断ひず
みを有限要素法によるシミュレーション計算により求め
た。 各タイヤには試験荷重を平押しつまり平たんなアンビ
ル上にかけた状態とした。計算結果は以下に示す。なお
大型タイヤにあってはタイヤNo.1の第1ベルトB1(なお
最内層のベルトH1は補強ベルトで無関係)のベルト端に
おけるひずみ39%を指数100とし、一方超大型タイヤに
あってはタイヤNo.7の第2ベルトB2のベルト端における
ひずみ45%を指数100としこれに対する指数表示で示し
た。 ドラム耐久試験では、大型、超大型タイヤとも一般ベ
ルト構造を有するタイヤNo.1とNo.7が最初に故障し、故
障発生までの走行距離はNo.1が21000km,No.7が6160kmで
あったのでそれぞれの値を指数100とした。 内圧充てん時の径成長(クラウンセンター部)はNo.1
が1.8mm,No.7が10.1mmであったのでそれぞれの値を指数
100とした。 (発明の効果) この発明によれば径成長の有効な抑制の下にベルト端
でのセパレーションの発生を有効に防止し、空気入りラ
ジアルタイヤの耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はベルト配列の要旨を示す断面図、 第2図〜第4図は効果グラフ、 第5図、第6図は実施例の説明図である。 1……補強ベルト 2……緩和ベルト 3……カーカス 4……トレッド部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.多数のコードの平行配列ゴム被覆になる複数のコー
    ド層を補強ベルトに用い、これをラジアル構造カーカス
    のクラウン領域のまわりに、コード層の層間コードがク
    ラウン円周を挟んで交差するように積層配置し、この補
    強ベルトの外方に、補強ベルトのコードに比し破断伸び
    がより大きい物性をもつ第2のコードの多数を平行配列
    ゴム被覆したコード層からなる緩和ベルトを具える空気
    入りラジアルタイヤであって、 緩和ベルトを構成するコード層のうち最大幅を有するも
    のが、補強ベルトを構成するコード層のうちの最大幅に
    なるものよりも幅広であり、 これら両コード層のコード傾斜の向きがクラウン円周に
    関し同じ側にあり、 緩和ベルトを構成して最大幅をなすコード層の第2のコ
    ードのクラウン円周に対する傾斜角度を鋭角側で測定し
    たときの値が、補強ベルト層を構成するいずれのコード
    層のコードのクラウン円周に対する傾斜角度を鋭角側で
    測定したときの値よりも小さく、かつ、 緩和ベルトを構成するコード層のうち最大幅を有するも
    のの第2のコードの前記傾斜角度を鋭角側で測定したと
    きの値が10°以上であることを特徴とする空気入りラジ
    アルタイヤ。 2.補強ベルトを構成するコード層のうち最大幅を有す
    るもののコードの前記傾斜角度が15°以上である請求項
    1記載の空気入りラジアルタイヤ。 3.緩和ベルトを構成するコード層のうち最大幅を有す
    るものの幅は、補強ベルト構成するコード層のうち最大
    幅を有するものの幅の1.3倍以下である請求項1又は2
    記載の空気入りラジアルタイヤ。
JP62315191A 1987-12-15 1987-12-15 空気入りラジアルタイヤ Expired - Lifetime JP2681111B2 (ja)

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