JP2680797B2 - 起振力の制御方法、および、起振力の制御装置 - Google Patents

起振力の制御方法、および、起振力の制御装置

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JP2680797B2 JP15948095A JP15948095A JP2680797B2 JP 2680797 B2 JP2680797 B2 JP 2680797B2 JP 15948095 A JP15948095 A JP 15948095A JP 15948095 A JP15948095 A JP 15948095A JP 2680797 B2 JP2680797 B2 JP 2680797B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、杭の打ち込みおよび引
き抜きに用いられる偏心重錘形の回転式起振機におい
て、起振力を増減制御する方法、および、上記の方法を
実施するに好適な起振力の制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】土木建設工事に用いられる振動装置は一
般に、偏心重錘を取りつけた複数対の回転軸を平行に配
設した構造である。このような構成によれば、反対方向
に回転する偏心重錘の遠心起振力を所望の方向について
は相加せしめるとともに、不要の方向については相殺せ
しめることができる。図6はこの種のロータリ式起振機
の模式的な説明図であって、ケース1に対して4本の回
転軸2A,2B,2C,2Dが配置され、それぞれ偏心
重錘3A,3B,3C,3Dが取り付けられるととも
に、それぞれ歯車4A,4B,4C,4Dが取り付けら
れて相互に噛合して同期回転するように拘束されてい
る。
【0003】上述した起振機を用いて杭打作業を行なう
場合、振動公害の防止と騒音公害の防止とが重要な問題
となる。次に、図4,図5について振動公害に関する技
術的問題を説明する。図7は杭打ち作業における振動公
害を説明するための模式図である。本図は、クレーンブ
ーム5で振動装置6を吊持するとともに、該振動装置6
のチャック6aで杭7のの上端を把持し、この杭7に振
動を与えて地中に打設している状態を描いてある。杭1
の下端を地表に接せしめて杭打作業を開始する際、最初
から振動装置6をフル稼働させると、杭打ち地点の地表
で発生する地表波aが殆ど減衰せずに付近の民家8に到
達するので振動公害の問題を生じる。ここで、振動装置
6の起振力を任意に調節できるならば、杭7の自重に加
えて僅かな振動を与えながら杭打ち作業を開始し、数メ
ートル打ち込んでから次第に振動を強くすれば良い。杭
7の下端に想到する音源位置が深くなれば、地中波bは
民家8に到達する途中で減衰するので振動公害は軽微で
ある。
【0004】図8は振動装置の運転開始時および運転停
止時における振動数の変化を示す図表で、横軸は時間で
ある。運転開始時点t0から、定格運転状態に到達する
時点t1までの間、振動数は矢印cの如く急激に上昇す
る。上記の振動数上昇中に、地盤の固有振動数n1、及
びクレーンブームの固有振動数n2を通過する。しか
し、運転開始時における回転数上昇期間T1は一般に短
時間(例えば約3秒間)であるから、振動装置の振動数
が固有振動数に一致したときの共振の問題は、通常無視
することができる。しかし、振動装置6のモータ(図示
せず)の通電を停止したと時点t2から回転軸が停止す
る時点t3までの間は、回転軸が慣性で回転を続けなが
ら矢印dの如く次第に減速する。上記の回転数低下期間
2は比較的長時間(例えば約50秒間)であるから、
その途中でクレーンブームの固有振動数n2を通過する
際、該クレーンブームが共振して損傷を被る虞れが有
る。また、地盤の固有振動数n1を通過する際、地盤の
共振により振動公害を生じる虞れが有る。前記の時刻t
2でモータの通電を停止するとともに、振動装置の回転
重錘の回転位相を変化させて起振力を零にすることがで
きれば、振動装置の運転停止操作の際の共振に関する問
題を防止することができる。
【0005】次に、振動装置に供給されるエネルギー量
について見ると、前記時刻t0からt1まで振動装置6の
回転数が上昇する間、該振動装置の偏心重錘(図示せ
ず)によって振動を発生させつつ増速すると、これを駆
動するために大容量のモータや大容量の電源設備が必要
になる。この場合、振動装置の偏心重錘の回転位相を変
化せさて起振力を零にした状態で運転を開始し、定格回
転数に達した後に起振力を発揮させることが出来れば、
モータ容量や電源容量を縮少できるので経済的である。
定格回転数に達した後は、回転部材にそれ以上回転エネ
ルギーを蓄積する必要が無く、振動の減衰を補うだけの
エネルギーを補充することによって運転を継続できるか
らである。
【0006】以上の事情に鑑みて、起振機の起振力を増
減させる調節技術が開発され、公知になっている。次
に、起振機の起振力を増減調節する原理について述べ
る。図9は前掲の図6に示した4軸4重錘式の起振機の
作用を説明するための模式図であって、(A)は図6に
おけると同様に偏心重錘が下降している状態を表し、
(B)は約90度回転した状態を表し、(C)はさらに
約90度回転して重錘が上昇した状態を表している。図
9(A)に比して(B)においては、4個の偏心重錘3
A〜3Dの重心位置が寸法hだけ上昇している。このた
め、該偏心重錘を持ち上げる力の反力によってケース1
は押し下げられる。このようにして4個の偏心重錘それ
ぞれの重心位置は上昇するが、偏心重錘3Aと同3Bを
対照し、偏心重錘3Cと同3Dとを対照して観察する
と、(A)図の状態に比して(B)の状態においては、 ○偏心重錘3Aと同3Bとは離間して、その距離がL2
に拡大し、 ○偏心重錘3Cと同3Dとは接近して、その距離がL1
に縮小しているが、偏心重錘3Aと同3Bとの総合重心
位置は左右方向に移動しておらず、偏心重錘3Cと同3
Dとの総合重心位置も左右方向に移動していない。従っ
て、左右方向には起振力を生じない。起振装置は以上の
ように、複数の偏心重錘を設けて、左右方向の起振力を
相殺せながら上下方向の起振力を取り出すように構成さ
れているが、先に述べたように振動公害防止のために起
振力を増減制御するため、1対の偏心重錘について上下
方向起振力を一部ないし全部相殺させることもできる。
図10は2個の偏心重錘の組み合わせによって起振力を
変化させる公知技術を説明するために示したものであっ
て、(A)は2個の偏心重錘が最大起振力を発揮する状
態を表す模式図、(B)は起振力中等度である状態を表
す模式図、(C)は起振力がやや小さい状態を表す模式
図、(D)は起振力がゼロの状態を表す模式図である。
図10(A)に示した2個の偏心重錘のうち、9は回転
軸2B′に固着された固定偏心重錘であり、10は回転
軸2C′に対して相対的に回動し得る可動偏心重錘であ
る。本発明において固定偏心重錘とは回転軸に対する相
対的回動を係止された偏心重錘の意であって、回転軸と
一緒に回転する部材であるから、固定とは静止の意では
ない。図10(A)における2個の偏心重錘9,10の
相対的位置は、先に説明した図6(A)における偏心重
錘3Bと同3Cとの相対的位置と同様である。従って、
この図7(A)の状態で、2個の偏心重錘9,10を歯
車4B′,4C′で同期させて回転させると、図6につ
いて説明したようにして起振力が発生する。図10
(D)の状態では、2個の偏心重錘9,10それぞれの
重心が、常に参考線M−M(2本の回転軸2B′,2
C′を結ぶ線分の垂直2等分線)に関して対称位置に在
るので上下方向の起振力はゼロである。図10(B),
(C)は、それぞれ前記(A),(D)の中間的状態で
あるから(A)図の場合よりも小さく(D)図の場合よ
りも大きい上下方向起振力を発生する。そして、(B)
図の方が(C)図よりも(A)図の状態に近いから、起
振力の大きい方から順番に挙げると(A),(B),
(C),(D)となる。前掲の図10においては起振力
増減制御の原理を示すため、2本の回転軸2B′,2
C′を同期伝動歯車4B′,4C′で同期回転させる形
に描かれているが、構造を簡単にするため、1本の回転
軸に2個の偏心重錘を配設することもできる。図11は
共通の回転軸に対して固定偏心重錘を固着するとともに
可動偏心重錘を上記共通の回転軸に対する相対的な回転
角位置を調節できるようにした機構の模式図である。固
定偏心重錘9は回転軸2に固着されて一緒に回転する。
可動偏心重錘10は回転軸2に対する取付角位置を円弧
矢印i−jのごとく変化させて調節することと、調節し
た状態を維持することが出来るようになっている。本図
11に描かれている状態は前掲の図10(B)に示した
状態に対応し、起振力が中等度である。この状態から、
可動偏心重錘を矢印i方向に回動させて固定すると図1
0(D)の状態に近づいて起振力が減小する。また矢印
j方向に回動させると図10(A)の状態に近づいて起
振力が増大する。以上のようにして起振力が調節され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図11について説明し
たように、1本の回転軸2に固定偏心重錘9を固着する
とともに、該回転軸2に対して可動偏心重錘10を設
け、これを上記固定偏心重錘9に対して相対的に円弧矢
印i−jのように回動させると、この図11に示されて
いる構成部分の偏心量が変化するので、これを利用して
起振機の起振力を増減制御することができる。ただし、
図9,図10について説明したように偶数本の回転軸を
同期回転させて水平方向の振動を相殺させながら上下方
向の振動を利用して杭打ち作業を遂行することについて
考えると、図11に示した構成部分を少なくとも1対構
成して同期回転させるとともに、可動偏心重錘10を円
弧矢印i−jのごとく回動させることが必要である。さ
らに、実際問題として、杭打作業の途中で起振機の運転
を中止して可動偏心重錘を矢印i−j方向に角位置を調
節することは著しく作業能率を低下させる上に、図7に
示したような作業条件下で振動装置6の調節を行なう作
業は高所作業となり、人身事故発生の危険性が有る。
【0008】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とを備えたロー
タリー式の起振機を適用の対象とし、該起振機の運転を
継続しつつ可動偏心重錘の固定偏心重錘に対して相対的
に回動させる技術を提供することを目的とする。なお、
(図11参照)同期回転用伝動歯車4および固定偏心重
錘9が定常状態で回転しているとき、該固定偏心重錘9
に対して可動偏心重錘10を相対的に矢印i−j方向に
回動させるということは、固定偏心重錘9の回転位相に
比して可動偏心重錘10の位相を進めたり遅らせたりす
ることを意味する。
【0009】
【課題を解決するための手段】図11に示した構成より
なる起振機を回転させながら、固定偏心重錘9に対して
可動偏心重錘10を矢印i−j方向に往復回動させて起
振力を増減調節するため、本発明者は上記可動偏心重錘
10に掛かる力の様相について研究した。図12は固定
偏心重錘に対する可動偏心重錘の相対的な角位置の変化
を示した模式図であって、(A)は起振力が最小(ゼ
ロ)の状態を、(B)は起振力が中等度の状態を、
(C)は起振力が最大の状態を、それぞれ描いてある。
本図12に示した固定偏心重錘9と可動偏心重錘10と
を総合した回転体の慣性モーメントは(A)図の状態が
最小であり、(C)図の状態が最大である。従って、
(B)図の状態で固定偏心重錘9および可動偏心重錘1
0を回転軸2の回りに回転させつつ、固定偏心重錘9に
対する可動偏心重錘10の相対的な角位置を拘束しなけ
れば、可動偏心重錘10は(C)図の状態になろうとす
る。すなわち、(B)図において可動偏心重錘10は、
固定偏心重錘9に対して矢印r方向に回動しようとす
る。
【0010】上記の傾向を位相という観点から見ると一
義的には決まらない。すなわち、 a.回転軸2及び固定偏心重錘9が(B)図の矢印R方
向に回転している場合には、拘束を解かれた可動偏心重
錘10は位相を進める方向に回動しようとし、 b.同じく、矢印L方向に回転している場合には、位相
を遅らせる方向に回動しようとする。従って、(B)図
の状態で回転しているとき、これを(A)図のようにす
るには可動偏心重錘に操作力を加えなければならない。
これと反対に、(C)図のようにするには軽い力で誘導
すれば足り、極端に言えば拘束を解いてやれば自然に
(C)図の状態に変化する。これを要するに、起振力を
減少させるには大きい操作力を必要とし、起振力を増加
させるに要する操作力は僅少である。上記の操作力は、
(B)図に示した角θ(すなわち、可動偏心重錘10が
回転軸2に関して対称な位置からずれている角度)が大
きいほど大きい力を必要とし、上記の角θが小さいほど
小さい力で足り、この所要操作力は正弦関数的に変化す
る。このため、過大な操作力を必要としないよう、可動
偏心重錘10の固定偏心重錘9に対する矢印r方向の回
動可能角度を制限するストッパ(図示せず)を設けてお
くことが望ましい。上記の回動可能角度の制限について
は、本発明者の実験結果によると直角以内でなければ実
用化困難なほど大きい操作力が必要になる。そして、3
0度内外が最も好適である。
【0011】図12について以上に説明した原理に基づ
き、図11について説明した起振機のエレメントを回転
させて杭打ち工事または杭の引き抜き工事を施工しつつ
起振力を制御するために創作した本発明方法についてそ
の実施例に対応する図2を参照して説明すると、対をな
す偏心重錘を同期回転させて起振力を発生させる起振機
であって、互いに噛合する、等しい大きさの2個の同期
伝動歯車(33A,33B)と、上記2個の同期伝動歯
車のそれぞれに固着された計2本の同期伝動歯車軸(3
4A,34B)と、上記2本の同期伝動歯車軸のそれぞ
れに固着された固定偏心重錘(9A,9B)と、上記2
本の同期伝動歯車軸のそれぞれに対して回動可能に支持
されて、前記固定偏心重錘に対して相対的に回動し得る
可動偏心重錘(10A,10B)とを具備している杭打
用起振機の起振力を制御する方法において、前記2個の
可動偏心重錘(10A,10B)のそれぞれに、前記同
期伝動歯車(33A,33B)と同じ大きさの可動偏心
重錘同期歯車(37A,37B)を固着するとともに相
互に噛合せしめて該2個の可動偏心重錘を同期回転さ
せ、前記2個の同期伝動歯車(33A,33B)の何れ
かと噛合する位相制御歯車・甲(35A)と、該位相制
御歯車・甲に固着された位相制御歯車軸(36)とを設
けるとともに、該位相制御歯車軸によって位相制御歯車
・乙(35B)を回転自在に支承し、前記2個の可動偏
心重錘(10A,10B)の何れかに固着した位相制御
歯車・丙(35C)を前記位相制御歯車・乙(35B)
と噛合せしめ、前記の位相制御歯車軸(36)と位相制
御歯車・乙(35B)とを、クラッチ手段(40)を介
して接続し、上記クラッチ手段を接〜断操作することに
よって、前記可動偏心重錘(10A,10B)の固定偏
心重錘(9A,9B)に対する角位置を変化させること
を特徴とする。前記の、等しい大きさの歯車とは、ピッ
チ円の径が等しいことを意味し、歯数が等しいというこ
とと同意である。また前記のクラッチ接〜断とは、接か
断かの二者択一の中間に、クラッチの滑りという状態が
有り得ることを表している。
【0012】
【作用】上述の手段によると、同期回転する1対の固定
偏心重錘の回転速度と等速で、もしくは一定の速度比で
回転する位相制御歯車軸の回転を、クラッチ手段を介し
て可動偏心重錘に伝動して、該可動偏心重錘の回転位相
を変化させ、起振力を変化させることができる。上述の
クラッチ手段を介した伝動は、伝動用歯車の歯数比を適
宜に設定することにより、増速伝動することもでき、等
速伝動することもでき、減速伝動することもできる。さ
らにクラッチ手段を断操作して伝動を遮断することもで
きる。その上、可動偏心重錘は操作力を受けなくても起
振力を増加する方向に変化する自律機能を有している。
本発明の基本的な構成の範囲内で各種の実施の態様が有
り、前記伝動用歯車の歯数比を任意に設定することもで
き、また、伝動用歯車やクラッチ手段の配設個数を複数
にすることもできる。さらに、可動偏心重錘が進相した
とき起振力が大きくなるように可動偏心重錘の回動可能
角度範囲を設定することもでき、進相したとき起振力が
小さくなるように設定することもできる。このため、本
発明を実施する場合、設計的自由度が非常に大きく、作
業条件に応じて最も適した態様で本発明を実施すること
により、経済性との両立の下において、杭打ち、杭引き
抜き工事における振動公害の発生を防止し、もしくは格
段に軽減することができ、公害防止という社会的要請に
応えつつ、建設産業の発展および建設機械産業の発展に
貢献することができる。
【0013】
【実施例】次に、図1ないし図5を順次に参照しつつ、
本発明の実施例を説明する。図2は本発明に係る起振力
の制御方法を実施するために構成した起振力の制御装置
の1実施例を示す模式的な断面図である。大きさ(歯
数)の等しい3個の歯車である同期伝動歯車33Aと、
同期伝動歯車33Bと、位相制御歯車・甲35Aとが歯
車列を構成しており、上記1対の同期伝動歯車33A,
33Bのそれぞれに対して同期伝動歯車軸34A,34
Bが固着されるとともに、それぞれの同期伝動歯車軸に
対して固定偏心重錘9A,9Bが固着されている。本発
明の添付図面において、回転軸と回転体とが相互に固着
されている個所にキーのマークkを付して示した。キー
のマークkが付されていない個所は相対的な回動が可能
なように支承されている。
【0014】1対の可動偏心重錘10A,10Bは、そ
れぞれ同期伝動歯車軸34A,34Bによって、角度3
0度の相対的な往復回動が可能なように支承されてい
る。そして、上記1対の可動偏心重錘は、1対の可動偏
心重錘同期歯車37A,37Bにより、相互に反対方向
に同一回転速度で回転するように連結されている。さら
に、大きさ(歯数)の等しい1対の歯車である位相制御
歯車・乙35Bと同・丙35Cとが構成されて相互に噛
合しており、これら1対の歯車の片方である位相制御歯
車・丙35Cは前記の可動偏心重錘10Bに固着される
とともに、前記の同期伝動歯車軸34Bによって相対的
回動可能に支承されている。前記1対の歯車の他方であ
る位相制御歯車・乙35Bは、前記の位相制御歯車・甲
35Aに固着された位相制御歯車軸36によって回転自
在に支承されている。そして、該位相制御歯車・乙35
Bと位相制御歯車軸36とは、クラッチ手段40を介し
て接〜断操作可能に連結されている。この起振機に回転
エネルギーを与えて振動を発生させるための駆動モータ
32に取り付けられた駆動歯車31が、前記の同期伝動
歯車33Aに噛み合わされている。
【0015】この図2に示した構成は、本発明の各種の
実施態様の総べてに共通する、欠くことのできない事項
を表している。次に、この実施例によって杭の打ち込み
作業を行なった1例について説明する。図7および図8
について先に説明したように、杭の打ち込み作業に際し
ては起振力を最小ならしめて打ち込みを開始し、打ち込
み途中で起振力を増加させることが望ましい。そこで、
図2の実施例においては、クラッチ手段40を断に操作
して可動偏心重錘10A,10Bの回動角位置の拘束を
解く。ただし、前述の構成から明らかなように二つの可
動偏心重錘10A,10B相互は可動偏心重錘同期歯車
37A,37Bによって反対方向に等速回転するように
調時されている。クラッチ手段40を断にした状態で、
固定偏心重錘9A,9Bに対する可動偏心重錘10A,
10Bの相対的な角位置を調節して起振力を最小ならし
めてクラッチ手段40を接にする。クラッチ手段40が
接になると固定偏心重錘9A,9Bに対する可動偏心重
錘10A,10Bの角位置が変化しなくなり、起振力最
小の状態が保持される。このようにして、起振力最小状
態で杭の打ち込みを開始する。そして、杭の打ち込み深
さが大きくなったら、打ち込み工事を中止せずに続行し
ながらクラッチ手段40を断にする。これにより、可動
偏心重錘10A,10Bの角位置拘束が解かれるので、
該可動偏心重錘は先に図12を参照して述べた自律機能
(安定な状態、すなわち起振力の大きい状態に落ち着こ
うとする傾向)によって起振力大の状態になるので、再
びクラッチ手段40を接にして、この起振力大の状態を
確保し、杭打ち作業を続行する。この際、起振力最小の
状態から一挙に起振力最大の状態に変換しても良く、ま
た、数回に区分して段階的に起振力を増加させてゆくこ
とも出来る。
【0016】前掲の図1に示した実施例においては、可
動偏心重錘の角位置変化を専らその自律機能に依存した
が、これを積極的にモータで変化させることもできる。
図1は本発明に係る起振力の制御方法を実施するために
構成した起振力の制御装置の1実施例を示し、可動偏心
重錘の角位置をモータによって調節できるように構成し
た例の断面図である。本図1の構成が前掲の図2に比し
て異なるところは、 イ.制御操作用モータ41に取り付けた制御操作用歯車
44を、可動偏心重錘同期歯車37Aに噛合させたこと
と、 ロ.クラッチ手段40の内部構造を図示したことと、で
ある。本例のクラッチ手段40は、複数枚のクラッチド
ライブプレート40aと複数枚のクラッチドリブンプレ
ート40bとを交互に重ね合わせるとともにクラッチス
プリング40dで加圧し、かつクラッチ操作リング40
cによって上記の加圧力を解放できるようにした多板ク
ラッチである。本図1の実施例のみでなく、後掲の図3
〜図5の各実施例が多板クラッチを用いているのは外形
寸法に比してクラッチ容量が大きく、場合によってクラ
ッチを滑らせても焼損しにくいからである。
【0017】本図1の実施例を使用して杭の打ち込みと
引き抜きとを行なった例を次に述べる。クラッチ手段4
0を断にして駆動モータ32を回転させながら、制御操
作用モータ41を回転させる。該制御操作用モータ41
の回転速度を変化させると、可動偏心重錘10A,10
Bの固定偏心重錘9A,9Bに対する回動角位置が変化
して、起振力が変化する。起振力が最小になったときク
ラッチ手段40を接にして起振力最小の状態を確保し、
この状態で杭打ち作業を開始する。杭の打ち込み深さが
大きくなると、打ち込み工事を中止せずにクラッチ手段
40を断にし、制御操作用モータ41を操作して可動偏
心重錘10A,10Bの固定偏心重錘9A,9Bに対す
る角位置を変化させて起振力を増加させ、再びクラッチ
を接にして起振力の大きい状態を確保して杭打ち工事を
続行し、完遂する。この場合の起振力増加操作を一挙に
行なっても良く、段階的に行なっても良い。杭を引き抜
く場合は、起振力を最大にし、クラッチ手段40を接に
して引き抜く。引き抜いた後にクラッチ手段40を断に
して制御操作用モータ41を作動させて起振力を最小な
らしめた後、クラッチ手段40を接にし、起振力最小の
状態を確保して駆動モータ32の通電を断つ。通電を断
たれた起振機の回転速度は次第に低下するが、起振力最
小状態になっているので、図8について説明したクレー
ンブームの固有振動数n2、および地盤の固有振動数n1
を無事に通過して停止する。
【0018】図1の実施例のように制御操作用モータ4
1を設けることなく、しかも可動偏心重錘の回動角位置
を意図的に変化させるようにした実施例を次に述べる。
図3は変速歯車を2組設けて可動偏心重錘の位相を進め
たり遅らせたりできるように構成した実施例の断面図で
ある。本図3を前掲の図2の実施例と比較し、相違点を
挙げて次に説明すると、イ.位相制御歯車軸36によっ
て回動自在に支承されている歯車と、この歯車に噛合し
て可動偏心重錘10Bに取り付けられた歯車とからなる
歯車対の数を、2組にしたこと。及び、ロ.上記の歯車
対の数を2組としたことに対応させて、クラッチ手段の
内部構造を、2組のクラッチ機構から成る複動形のクラ
ッチ42としたこと、である。
【0019】前記イ項に示した2組の歯車組の内の1組
は、位相制御歯車軸36の回転を増速して可動偏心重錘
10Bに伝動する、増速駆動歯車38Aと、これよりも
歯数の少ない増速被動歯車38Bとによって構成されて
いる。そして、もう1組は、位相制御歯車軸36の回転
を減速して可動偏心重錘10Bに伝動する、減速駆動歯
車39Aと、これよりも歯数の多い減速被動歯車39B
とによって構成されている。本実施例(図3)において
は、可動偏心重錘10A,10Bが進相したとき起振力
が増加するように構成しても良く、進相したとき起振力
が減少するように構成しても良いが、進相によって起振
力が増大するように構成した場合について、その使用例
を説明すると、杭打ち作業を開始する際、駆動モータ3
2を回転させながら増速クラッチ42bを断にし、減速
クラッチ42cを接にする。これにより、位相制御歯車
軸36の回転が、減速クラッチ42c,減速駆動歯車3
9A,減速被動歯車39Bを介して可動偏心重錘10B
に減速伝動されるので、可動偏心重錘10B,10Aは
遅相して起振力が最小になる。この状態で、可動偏心重
錘10B,10Aが固定偏心重錘9A,9Bに対する相
対的回動のストロークエンドに達すると、前記減速クラ
ッチ42cは滑り始める。この減速クラッチ42cが滑
っている間、起振力最小の状態に保持される。
【0020】一般論としては、クラッチを滑らせること
は発熱,摩耗などの面から好ましくないが、図8から明
らかなように時刻t0から時刻t1までの間にクレーンブ
ームの固有振動数n2や地盤の固有振動数n1を通過する
時間T1は、例えば3秒間というような短時間であるか
ら実用上のトラブルを生じる虞れが無い。固有振動数を
通過したら、減速クラッチ42cを断にするとともに増
速クラッチ42bを接にして可動偏心重錘10A,10
Bを進相させ、起振力を最大ならしめる。起振力を最大
ならしめた後は、増速クラッチ42bを断にしても、可
動偏心重錘10A,10Bは自律機能によって起振力最
大の状態を保つ。
【0021】本実施例(図3)の制御装置によって杭の
引き抜きを行なう場合は概ね上記操作の逆の手順で操作
し、起振力最大の状態で杭を引き抜いた後、起振力を最
小の状態にして駆動モータ32の通電を断ち、起振力最
小の状態で固有振動数n2,n1を通過させて停止させ
る。
【0022】図3に示した実施例の作動について考察す
ると、可動偏心重錘10A,10Bを遅相させる際は減
速伝動を用い、遅相状態の維持(ただし数秒間)は減速
伝動系のクラッチを滑らせ、進相状態の維持は可動偏心
重錘の自律機能を利用した。この作動原理を解析する
と、増速伝動系の省略が可能であることが分かる。図4
は前掲の図3に示した実施例の中から増速伝動系を構成
している部材を取り除いた形の実施例の断面図である。
本図4を基本的構成である図2に比較すると、位相制御
歯車・乙35Bの歯数よりも位相制御歯車・丙35Cの
歯数よりも少なくして、位相制御歯車軸36の回転を可
動偏心重錘10Bに減速伝動するように構成してある。
このような減速伝動方式をとる場合は、可動偏心重錘が
遅相したとき起振力が減少するように構成し、クラッチ
手段40を接にして減速伝動することによって起振力を
最小の状態として杭を打ち込み始め、クラッチ手段40
を滑らせながら固有振動数n1,n2を通過した後、クラ
ッチ手段40を断にし、可動偏心重錘の自律機能によっ
て起振力を最大ならしめて打ち込み作業を続行し、完遂
する。杭を引き抜くときは、可動偏心重錘の自律機能に
よって起振力最大の状態を保ちつつ、引き抜き作業を遂
行し、引き抜いた後にクラッチ手段40を接にして起振
力を最小ならしめて駆動モータ32の通電を断ち、クラ
ッチ手段を滑らせながら起振力を最小に保った状態で固
有振動数n1,n2を通過させ、停止させる。
【0023】上述の図4の実施例においては、可動偏心
重錘の遅相によって起振力が減少するように構成し、減
速伝動系を設けたが、これと逆の構成も可能である。図
5は前掲の図3に示した実施例の中から減速伝動系を取
り除いた形の実施例の断面図である。この図5を基本的
構成である図2に比較すると、位相制御歯車・乙35B
の歯数よりも位相制御歯車・丙35Cの歯数よりも多く
して、位相制御歯車軸36の回転を可動偏心重錘10B
に増速伝動するように構成してある。このような増速伝
動方式をとる場合は、可動偏心重錘が進相したとき起振
力が増加するように構成し、クラッチ手段40を接にし
て増速伝動することによって起振力を最小の状態として
杭を打ち込み始め、クラッチ手段40を滑らせながら固
有振動数n1,n2を通過した後、クラッチ手段40を断
にし、可動偏心重錘の自律機能によって起振力を最大な
らしめて打ち込み作業を続行し、完遂する。杭を引き抜
くときは、可動偏心重錘の自律機能によって起振力最大
の状態を保ちつつ引き抜き作業を遂行し、引き抜いた後
にクラッチ手段40を接にして起振力を最小ならしめて
駆動モータ32の通電を断ち、クラッチ手段を滑らせな
がら起振力を最小に保った状態で固有振動数n1,n2
通過させ、停止させる。
【0024】
【発明の効果】本発明を適用すると、同期回転する1対
の固定偏心重錘の回転速度と等速で、もしくは一定の速
度比で回転する位相制御歯車軸の回転を、クラッチ手段
を介して可動偏心重錘に伝動して、該可動偏心重錘の回
転位相を変化させ、起振力を変化させることができる。
上述のクラッチ手段を介した伝動は、伝動用歯車の歯数
比を適宜に設定することにより、増速伝動することもで
き、等速伝動することもでき、減速伝動することもでき
る。さらにクラッチ手段を断操作して伝動を遮断するこ
ともできる。その上、可動偏心重錘は操作力を受けなく
ても起振力を増加する方向に変化する自律機能を有して
いる。本発明の基本的な構成の範囲内で各種の実施の態
様が有り、前記伝動用歯車の歯数比を任意に設定するこ
ともでき、また、伝動用歯車やクラッチ手段の配設個数
を複数にすることもできる。さらに、可動偏心重錘が進
相したとき起振力が大きくなるように可動偏心重錘の回
動可能角度範囲を設定することもでき、進相したとき起
振力が小さくなるように設定することもできる。このた
め、本発明を実施する場合、設計的自由度が非常に大き
く、作業条件に応じて最も適した態様で本発明を実施す
ることにより、経済性との両立の下において、杭打ち、
杭引き抜き工事における振動公害の発生を防止し、もし
くは格段に軽減することができ、公害防止という社会的
要請に応えつつ、建設産業の発展および建設機械産業の
の発展に貢献することができるという優れた実用的効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る起振力の制御方法を実施するため
に構成した起振力の制御装置の1実施例を示し、可動偏
心重錘の角位置をモータによって調節できるように構成
した例の断面図である。
【図2】本発明に係る起振力の制御方法を実施するため
に構成した起振力の制御装置の1実施例を示す模式的な
断面図である。
【図3】変速歯車を2組設けて可動偏心重錘の位相を進
めたり遅らせたりできるように構成した実施例の断面図
である。
【図4】前掲の図3に示した実施例の中から増速伝動系
を構成している部材を取り除いた形の実施例の断面図で
ある。
【図5】前掲の図3に示した実施例の中から減速伝動系
を取り除いた形の実施例の断面図である。
【図6】4本の回転軸のそれぞれに偏心重錘を取り付け
たロータリ式起振機の説明図である。
【図7】振動装置を用いる杭打工事における地上波およ
び地中波の伝達を示す説明図である。
【図8】振動杭打工事における共振現象を説明するため
の、時間−回転速度を表した図表である。
【図9】前掲の図3に示した4軸4重錘式の起振機の作
用を説明するための模式図であって、(A)は図3にお
けると同様に偏心重錘が下降している状態を表し、
(B)は約90度回転した状態を表し、(C)はさらに
約90度回転して重錘が上昇した状態を表している。
【図10】2個の偏心重錘の組み合わせによって起振力
を変化させる公知技術を説明するために示したものであ
って、(A)は2個の偏心重錘が最大起振力を発揮する
状態を表す模式図、(B)は起振力中等度である状態を
表す模式図、(C)は起振力がやや小さい状態を表す模
式図、(D)は起振力がゼロの状態を表す模式図であ
る。
【図11】共通の回転軸に対して固定偏心重錘を固着す
るとともに可動偏心重錘を上記共通の回転軸に対する相
対的な回動角位置を調節できるようにした機構の模式図
である。
【図12】固定偏心重錘に対する可動偏心重錘の相対的
な角位置の変化を示した模式図であって、(A)は起振
力が最小(ゼロ)の状態を、(B)は起振力が中等度の
状態を、(C)は起振力が最大の状態を、それぞれ描い
てある。
【符号の説明】
1…起振機のケース、2,2A〜2D…回転軸、3,3
A〜3D…偏心重錘、4,4A〜4D…同期回転用の伝
動歯車、5…クレーンブーム、6…振動装置(起振
機)、7…杭、8…民家、9,9A,9B…固定偏心重
錘、10,1A,10B…可動偏心重錘、31…駆動歯
車、32…駆動モータ、33A,33B…同期伝動歯
車、34A,34B…同期伝動歯車軸、35A…位相制
御歯車・甲、35B…位相制御歯車・乙、35C…位相
制御歯車・丙、36…位相制御歯車軸、37A,37B
…可動偏心重錘同期歯車、38A…増速駆動歯車、38
B…増速被動歯車、39A…減速駆動歯車、39B…減
速被動歯車、40…クラッチ手段、40a…クラッチド
ライブプレート、40b…クラッチドリブンプレート、
40c…クラッチ操作リング、40d…クラッチスプリ
ング、42…複動クラッチ、42a…操作リング、42
b…増速クラッチ、42c…減速クラッチ。

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対をなす偏心重錘を同期回転させて起振
    力を発生される起振機であって、 互いに噛合する、等しい大きさの2個の同期伝動歯車
    (33A,33B)と、 上記2個の同期伝動歯車のそれぞれに固着された計2本
    の同期伝動歯車軸(34A,34B)と、 上記2本の同期伝動歯車軸のそれぞれに固着された固定
    偏心重錘(9A,9B)と、 上記2本の同期伝動歯車軸のそれぞれに対して回動可能
    に支持されて、前記固定偏心重錘に対して相対的に回動
    し得る可動偏心重錘(10A,10B)とを具備してい
    る杭打用起振機の起振力を制御する方法において、 前記2個の可動偏心重錘(10A,10B)のそれぞれ
    に、前記同期伝動歯車(33A,33B)と同じ大きさ
    の可動偏心重錘同期歯車(37A,37B)を固着する
    とともに相互に噛合せしめて該2個の可動偏心重錘を同
    期回転させ、 前記2個の同期伝動歯車(33A,33B)の何れかと
    噛合する位相制御歯車・甲(35A)と、該位相制御歯
    車・甲に固着された位相制御歯車軸(36)とを設ける
    とともに、該位相制御歯車軸によって位相制御歯車・乙
    (35B)を回転自在に支承し、 前記2個の可動偏心重錘(10A,10B)の何れかに
    固着した位相制御歯車・丙(35C)を前記位相制御歯
    車・乙(35B)と噛合せしめ、 前記の位相制御歯車軸(36)と位相制御歯車・乙(3
    5B)とを、クラッチ手段(40)を介して接続し、 上記クラッチ手段を接〜断操作することによって、前記
    可動偏心重錘(10A,10B)の固定偏心重錘(9
    A,9B)に対する角位置を変化させることを特徴とす
    る、起振力の制御方法。
  2. 【請求項2】 駆動モータ(32)に取り付けた駆動歯
    車(31)を、前記2個の同期伝動歯車(33A,33
    B)の何れかに噛合させて前記同期伝動歯車軸(34
    A,34B)、および、これらに固着されている固定偏
    心重錘(9A,9B)を回転駆動するとともに、制御操
    作用モータ(41)に取り付けた制御操作用歯車(4
    4)を、前記2個の可動偏心重錘同期歯車(37A,3
    7B)の何れかに噛合させ、 前記のクラッチ手段(40)を断にした状態で前記制御
    操作用モータ(41)を作動させて前記可動偏心重錘
    (10A,10B)の固定偏心重錘(9A,9B)に対
    する角位置を変化させて起振力を増減調節し、 前記クラッチ手段(40)を接にした状態で上記の角位
    置を一定に保持することを特徴とする、請求項1に記載
    した起振力の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記の固定偏心重錘と可動偏心重錘とを
    同期伝動歯車軸に関して対称に位置せしめて起振力を最
    小ならしめ、前記クラッチ手段(40)を接にした状態
    で杭の打ち込み作業を開始し、 打ち込み作業の進行に応じて、該打ち込み作業の途中で
    前記クラッチ手段(40)を断にするとともに前記制御
    操作用モータ(41)を作動させて起振力を増加させ、 起振力を増加させた状態で前記クラッチ手段を接にし
    て、打ち込み作業を続行することを特徴とする、請求項
    2に記載した起振力の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記クラッチ手段(40)を断にして前
    記制御操作用モータ(41)を作動させ、起振力が最大
    となるように前記可動偏心重錘の固定偏心重錘に対する
    角位置を調節してクラッチ手段を接にした状態で杭の引
    き抜き作業を開始し、 杭を引き抜き終った後、クラッチ手段(40)を断にし
    て、制御操作用モータ(41)を操作して起振力が最小
    となるように前記可動偏心重錘の固定偏心重錘に対する
    角位置を調節してクラッチ手段(40)を接にし、駆動
    モータ(32)の通電を断つことを特徴とする、請求項
    2に記載した起振力の制御方法。
  5. 【請求項5】 前記の位相制御歯車軸(36)によって
    回転自在に支承される位相制御歯車と、可動偏心重錘
    (10A,10B)の何れかに固着された位相制御歯車
    との歯車対を2対とし、 上記2対の歯車対の内の1対は、位相制御歯車軸(3
    6)によって回転自在に支承された増速駆動歯車(38
    A)と、上記増速駆動歯車と噛合し、該増速駆動歯車よ
    りも歯数が少なく、可動偏心重錘に固着された増速被動
    歯車(38B)との歯車対とするとともに、 前記2対の歯車対の内の他の1対は、位相制御歯車軸
    (36)によって回転自在に支承された減速駆動歯車
    (39A)と、上記減速駆動歯車と噛合し、該減速駆動
    歯車よりも歯数が多く、可動偏心重錘に固着された減速
    被動歯車(39B)との歯車対とし、 前記増速駆動歯車(38A)を、増速クラッチ(42
    b)を介して位相制御歯車軸(36)に接続して、該位
    相制御歯車軸の回転を可動偏心重錘に増速伝動して該可
    動偏心重錘の回転位相を進ませる工程、および、前記減
    速駆動歯車(39A)を、減速クラッチ(42c)を介
    して位相制御歯車軸(36)に接続して、該位相制御歯
    車軸の回転を可動偏心重錘に減速伝動して該可動偏心重
    錘の回転位相を遅らせる工程を有していることを特徴と
    する、請求項1に記載した起振力の制御方法。
  6. 【請求項6】 次の(a),(b)の二つの工程を有す
    ることを特徴とする、起振力の制御方法。 (a)前記の増速クラッチ(42b)を接とするととも
    に、減速クラッチ(42c)を断にして可動偏心重錘の
    回転位相を進めることにより、 もしくは前記の増速クラッチ(42b)を断にするとと
    もに、減速クラッチ(42c)を接にして可動偏心重錘
    の回転位相を遅らせることにより起振力を最小ならしめ
    て杭の打ち込み作業を開始する工程。 (b)杭の打ち込み作業の進行に応じて、前記aの工程
    と反対方向に可動偏心重錘の位相を変化させることによ
    り、起振力を最大ならしめて杭の打ち込み作業を続行す
    る工程。
  7. 【請求項7】 次の(a),(b)の二つの工程を有す
    ることを特徴とする、起振力の制御方法。 (a)前記の増速クラッチ(42b)を接とするととも
    に、減速クラッチ(42c)を断にして可動偏心重錘の
    回転位相を進めることにより、 もしくは前記の増速クラッチ(42b)を断にするとと
    もに、減速クラッチ(42c)を接にして可動偏心重錘
    の回転位相を遅らせることにより起振力を最大ならしめ
    て杭の引き抜き作業を開始する工程。 (b)杭の引き抜き作業を終了する直前、前記aの工程
    と反対方向に可動偏心重錘の位相を変化させることによ
    り、起振力を最小ならしめてから駆動モータ(32)の
    通電を断つ工程。
  8. 【請求項8】 前記位相制御歯車・乙(35B)の歯数
    を位相制御歯車・丙(35C)の歯数よりも多くして、
    前記クラッチ手段(40)を接にすることによって位相
    制御歯車軸(36)の回転を可動偏心重錘に増速伝動す
    ることを特徴とする、請求項1に記載した起振力の制御
    方法。
  9. 【請求項9】 前記可動偏心重錘が固定偏心重錘に対し
    て相対的に回動し得る角度を所定の鋭角、望ましくは約
    30度に規制するとともに、可動偏心重錘が固定偏心重
    錘に対してストロークエンドまで進相したとき起振力が
    最小となり、ストロークエンドまで遅相したとき起振力
    が最大となるように前記の回動角規制を設定し、次の
    (a),(b)二つの工程を有することを特徴とする、
    請求項8に記載した起振力の制御方法。 (a)前記のクラッチ手段(40)を接にして可動偏心
    重錘の固定偏心重錘に対する位相を進めて、起振力を最
    小ならしめた状態で杭の打ち込みを開始する工程。 (b)前記のクラッチ手段(40)を断にして可動偏心
    重錘の固定偏心重錘に対する位相を、回転剛体の自律作
    用によって遅らせ、起振力を最大ならしめた状態で杭の
    打ち込みを遂行する工程。
  10. 【請求項10】 前記可動偏心重錘が固定偏心重錘に対
    して相対的に回動し得る角度を所定の鋭角、望ましくは
    約30度に規制するとともに、可動偏心重錘が固定偏心
    重錘に対してストロークエンドまで進相したとき起振力
    が最小となり、ストロークエンドまで遅相したとき起振
    力が最大となるように前記の回動角規制を設定し、次の
    (a),(b)二つの工程を有することを特徴とする、
    請求項8に記載した起振力の制御方法。 (a)前記のクラッチ手段(40)を断にして可動偏心
    重錘の固定偏心重錘に対する位相を、回転剛体の自律作
    用によって遅らせ、起振力を最大ならしめた状態で杭の
    引き抜きを開始する工程。 (b)杭の引き抜きを終了する際、前記のクラッチ手段
    (40)を接にし、可動偏心重錘の位相を進めて起振力
    を最小ならしめた状態で駆動モータ(32)の通電を断
    つ工程。
  11. 【請求項11】 前記位相制御歯車・乙(35B)の歯
    数を位相制御歯車・丙(35C)の歯数よりも少なくし
    て、前記クラッチ手段(40)を接にすることによって
    位相制御歯車軸(36)の回転を可動偏心重錘に減速伝
    動することを特徴とする、請求項1に記載した起振力の
    制御方法。
  12. 【請求項12】 前記可動偏心重錘が固定偏心重錘に対
    して相対的に回動し得る角度を所定の鋭角、望ましくは
    約30度に規制するとともに、可動偏心重錘が固定偏心
    重錘に対してストロークエンドまで進相したとき起振力
    が最大となり、ストロークエンドまで遅相したとき起振
    力が最小となるように前記の回動角規制を設定し、次の
    (a),(b)二つの工程を有することを特徴とする、
    請求項8に記載した起振力の制御方法。 (a)前記のクラッチ手段(40)を接にして可動偏心
    重錘の固定偏心重錘に対する位相を遅らせて、起振力を
    最小ならしめた状態で杭の打ち込みを開始する工程。 (b)前記のクラッチ手段(40)を断にして可動偏心
    重錘の固定偏心重錘に対する位相を、回転剛体の自律作
    用によって進ませ、起振力を最大ならしめた状態で杭の
    打ち込みを遂行する工程。
  13. 【請求項13】 前記可動偏心重錘が固定偏心重錘に対
    して相対的に回動し得る角度を所定の鋭角、望ましくは
    約30度に規制するとともに、可動偏心重錘が固定偏心
    重錘に対してストロークエンドまで進相したとき起振力
    が最小となり、ストロークエンドまで遅相したとき起振
    力が最大となるように前記の回動角規制を設定し、次の
    (a),(b)二つの工程を有することを特徴とする、
    請求項8に記載した起振力の制御方法。 (a)前記のクラッチ手段(40)を断にして可動偏心
    重錘の固定偏心重錘に対する位相を、回転剛体の自律作
    用によって進ませ、起振力を最大ならしめた状態で杭の
    引き抜きを開始する工程。 (b)杭の引き抜きを終了する際、前記のクラッチ手段
    (40)を接にし、可動偏心重錘の位相を遅らせて起振
    力を最小ならしめた状態で駆動モータ(32)の通電を
    断つ工程。
  14. 【請求項14】 互いに噛合する、等しい大きさの2個
    の同期伝動歯車(33A,33B)と、上記2個の同期
    伝動歯車に1本ずつ固着された計2本の同期伝動歯車軸
    (34A,34B)と、上記2本の同期伝動歯車軸のそ
    れぞれに固着された固定偏心重錘(9A,9B)と、を
    具備するとともに、 前記2本の同期伝動歯車軸のそれぞれによって回動可能
    に支承され、前記固定偏心重錘に対して相対的に往復回
    動可能な計2個の可動偏心重錘(10A,10B)を具
    備している偏心重錘回転式の起振機の起振力を制御する
    装置において、 前記2個の可動偏心重錘のそれぞれに対して、前記同期
    伝動歯車(33A,33B)と同じ大きさの可動偏心重
    錘同期歯車(37A,37B)が固着されるとともに、
    該可動偏心重錘相互が噛合せしめられており、 前記同期伝動歯車(33A,33B)の何れかに対して
    位相制御歯車・甲(35A)が噛合せしめられるととも
    に、該位相制御歯車・甲に対して位相制御歯車軸(3
    6)が固着されており、 上記位相制御歯車軸によって位相制御歯車・乙(35
    B)が回転自在に支承されるとともに、前記2個の可動
    偏心重錘(10A,10B)の何れかに固着された位相
    制御歯車・丙(35C)が上記位相制御歯車・乙に噛合
    されており、 かつ、前記位相制御歯車軸(36)と位相制御歯車・乙
    (35B)とが、クラッチ手段(40)を介して接・断
    操作可能に接続されていることを特徴とする、起振力の
    制御装置。
  15. 【請求項15】 駆動モータ(32)に取り付けられた
    駆動歯車(31)が、前記2個の同期伝動歯車(33
    A,33B)の何れかに噛合せしめられており、 制御
    操作用モータ(41)に取り付けられた制御操作用歯車
    (44)が、前記2個の可動偏心重錘同期歯車(37
    A,37B)の何れかに噛合せしめられていることを特
    徴とする、請求項14に記載した起振力の制御装置。
  16. 【請求項16】 前記の位相制御歯車軸(36)によっ
    て回転自在に支承される位相制御歯車と、前記2個の可
    動偏心重錘(10A,10B)の何れかに固着された位
    相制御歯車との歯車対は、これを2対とし、 上記2対の位相制御歯車の内の1対は、位相制御歯車軸
    (36)の回転を増速して可動偏心重錘に伝動するよう
    に歯数を設定した増速駆動歯車(38A)と増速被動歯
    車(38B)との歯車対とし、 前記2対の位相制御歯車の内の他の1対は、位相制御歯
    車軸(36)の回転を減速して可動偏心重錘に伝動する
    ように歯数を設定した減速駆動歯車(39A)と減速被
    動歯車(39B)との歯車対とし、 かつ、位相制御歯車軸(36)の回転を位相制御歯車に
    対して接・断操作可能に接続するクラッチ手段は、これ
    を2組のクラッチ機構よりなる複動クラッチ(42)に
    構成して、前記の増速駆動歯車(38A)と減速駆動歯
    車(39A)とのそれぞれを選択的に位相制御歯車軸
    (36)に対して接続したり、双方の駆動歯車(38
    A,39B)を位相制御歯車軸(36)から遮断したり
    出来るように構成したことを特徴とする、請求項14に
    記載した起振力の制御装置。
  17. 【請求項17】 前記可動偏心重錘が固定偏心重錘に対
    して相対的に回動し得る角度を所定の鋭角、望ましくは
    約30度に規制するストッパ手段が設けられていて、上
    記可動偏心重錘が固定偏心重錘に対してストロークエン
    ドまで進相したとき起振力が最小となり、ストロークエ
    ンドまで遅相したとき起振力が最大となるように前記の
    回動し得る角度が規制されており、 かつ、前記の位相制御歯車・乙(35B)は位相制御歯
    車・丙(35C)よりも歯数が多いように構成されてい
    て、上記の位相制御歯車・乙は増速駆動歯車として作用
    し、位相制御歯車・丙は増速被動歯車として作用するこ
    とを特徴とする、請求項14に記載した起振力の制御装
    置。
  18. 【請求項18】 前記可動偏心重錘が固定偏心重錘に対
    して相対的に回動し得る角度を所定の鋭角、望ましくは
    約30度に規制するストッパ手段が設けられていて、上
    記可動偏心重錘が固定偏心重錘に対して回動ストローク
    エンドまで進相したとき起振力が最大となり、回動スト
    ロークエンドまで遅相したとき起振力が最小となるよう
    に前記の回動し得る角度が規制されており、 かつ、前記の位相制御歯車・乙(35B)は位相制御歯
    車・丙(35C)よりも歯数が少ないように構成されて
    いて、上記の位相制御歯車・乙は減速駆動歯車として作
    用し、位相制御歯車・丙は減速被動歯車として作用する
    ことを特徴とする、請求項14に記載した起振力の制御
    装置。
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