JP2790990B2 - 回転式起振機、および回転式起振機の制御方法 - Google Patents

回転式起振機、および回転式起振機の制御方法

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JP2790990B2
JP2790990B2 JP19484195A JP19484195A JP2790990B2 JP 2790990 B2 JP2790990 B2 JP 2790990B2 JP 19484195 A JP19484195 A JP 19484195A JP 19484195 A JP19484195 A JP 19484195A JP 2790990 B2 JP2790990 B2 JP 2790990B2
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eccentric
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杭打ち用のロータ
リ式起振機を回転駆動するとともに、起振機能を制御す
る方法、および同装置に関するものである。ただし、杭
打ち用途以外のロータリ式起振機に適用することも可能
であり、かつ、杭打ち用途以外でも実用的な効果を奏す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】土木建設工事に用いられる振動装置は一
般に、偏心重錘を取り付けた複数対の回転軸を平行に配
設した構造である。このような構成によれば、反対方向
に回転する偏心重錘の遠心起振力を所望の方向について
は相加せしめるとともに、不要の方向については相殺せ
しめることができる。図5はこの種のロータリ式起振機
の模式的な説明図であって、ケース1に対して4本の回
軸2A,2B,2C,2Dが配置され、それぞれ偏心重
錘3A,3B,3C,3Dが取り付けられるとともに、
それぞれ歯車4A,4B,4C,4Dが取り付けられて
相互に噛合して同期回転するように拘束されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した起振機を用い
て杭打作業を行う場合、振動公害の防止と騒音公害の防
止とが重要な問題となる。次に、図6,図7について振
動公害に関する技術的問題について説明する。図6は杭
打ち作業における振動公害を説明するための模式図であ
る。本図は、クレーンブーム5で振動装置6を吊持する
とともに、該振動装置6のチャック6aで杭7の上端を
把持し、この杭7に振動を与えて地中に打設している状
態を描いてある。
【0004】杭7の下端を地表に接せしめて杭打作業を
開始する際、最初から振動装置6をフル稼動させると、
杭打ち地点の地表で発生する地表波aがほとんど減衰せ
ずに付近の民家8に到達するので振動公害の問題を生じ
る。ここで、振動装置6の起振力を任意に調節できるな
らば、杭7の自重に加えて僅かな振動を与えながら杭打
ち作業を開始し、数メートル打ち込んでから次第に振動
を強くすれば良い。杭7の下端に相当する音源位置が深
くなれば、地中波bは民家8に到達する途中で減衰する
ので振動公害は軽微である。
【0005】図7は振動装置の運転開始時および運転停
止時における振動数の変化を示す図表で、横軸は時間で
ある。運転開始時点t0から、定格回転状態に到達する
時点t1までの間、振動数は矢印cのごとく急激に上昇
する。上記の振動数上昇中に、地盤の固有振動数n1
及びクレーンブームの固有振動数n2を通過する。しか
し、運転開始時における回転数上昇期間T1は一般に短
時間(例えば約3秒間)であるから、振動装置の振動数
が固有振動数に一致したときの共振の問題は実用上無視
することができる程度に軽微な場合も有る。しかし、振
動装置のモータ(図示せず)の通電を停止した時点t2
から、回転軸が停止する時点t3までの間は、回転軸が
慣性で回転を続けながら矢印dの如く次第に減速する。
上記の回転数低下期間T2は、別段のブレーキ操作を加
えない限り比較的長時間(例えば約50秒間)であるか
ら、その途中でクレーンブームの固有振動数n2を通過
する際、該クレーンブームが共振して損傷を被る虞れが
有る。また、地盤の固有振動数n1を通過する際、地盤
の共振により振動公害を支持る虞れが有る。前記の時刻
2でモータの通電を停止するとともに、振動装置の偏
心重錘の回転位相を変化させて起振力を零にすることが
できれば、振動装置の運転開始操作や停止操作の際の共
振に関する問題を防止することができる。
【0006】次に、振動装置に供給されるエネルギー量
について見ると、前記の時刻t0からt1まで振動装置6
の回転数が上昇する間、該振動装置の偏心重錘(図示せ
ず)によって振動を発生させつつ増速すると、これを駆
動するために大容量のモータや大容量の電源設備(上記
のモータを油圧駆動する場合は大規模の油圧源装置)が
必要になる。この場合、振動装置の偏心重錘の回転位相
を変化させて起振力を零にした状態で運転を開始し、定
格回転数に達した後に起振力を発揮させることが出来れ
ば、モータ容量や電源容量(もしくは油圧源容量)を縮
少できるので経済的である。定格回転数に達した後は、
回転部材にそれ以上回転エネルギーを蓄積する必要が無
く、振動の減衰を補うだけのエネルギーを補充すること
によって運転を継続できる。
【0007】運転を継続しつつ起振力を増減調節するた
め、2系統の偏心重錘回転駆動系列を設けて、該2系統
に偏心重錘回転駆動系列を相互に連繋せしめつつ制御す
る技術が提案されている(例えば特願平5−79797
号)。しかし乍ら、偏心重錘を固着されて回転駆動され
る偏心重錘軸の配置および力学的な支持バランスについ
て次に述べるような技術的困難が有る。図8は偏心重錘
を固着された偏心重錘軸と、該偏心重錘軸に固着された
同期伝動歯車と、該同期伝動歯車に噛合した駆動歯車
と、該駆動歯車を回転駆動するモータとの配置を模式的
に描いた正面図であって、(a)は偏心重錘の配置個数
が1個の場合を、(b)は偏心重錘の配置個数が1対の
場合を、(c)は偏心重錘の配置個数が2対の場合を、
(d),(e)および(f)は偏心重錘の配置個数が2
対であり、かつ駆動歯車が同期伝動歯車の上方もしくは
下方に配置されている場合を、それぞれ表わしている。
【0008】単に振動を発生させるだけであれば、本図
8(a)のように1個の偏心重錘9を設け、モータMで
回転駆動される駆動歯車10を被動歯車11′に噛合さ
せて回転させれば良いのであるが、これでは上下,左右
に振動するので実用に供し難い。そこで本図(b)のよ
うに配置すると2個の偏心重錘9,9′が反対方向に同
回転数で同期回転するので、左右方向の起振力が相殺さ
れて上下方向の振動が発生する。この場合、図示の歯車
11は前記の被動歯車11′と同様の部材であるが単な
る伝動歯車ではなく同期歯車としての作用を兼ねる同期
伝動歯車として機能する。
【0009】上述した(b)図の構成では、モータMの
回転数を変えることなく起振力を増減調節することがで
きない。そこで、本図8(c)のように1対の偏心重錘
軸S1,S2のそれぞれに偏心重錘W1,W2を固着して、
同期伝動歯車11を介してモータM1で回転駆動すると
ともに、(c)図について以上に述べたのと同様の構成
部分をその下方に配置して上下2段構造とし、1対の偏
心重錘軸S3,S4のそれぞれに偏心重錘W3,W4を固着
して、同期伝動歯車11を介してモータM2で回転駆動
すると、前記2個のモータM1,M2の回転数を調節して
上段の系統の偏心重錘W1,W2と下段の系統の偏心重錘
3,W4との回転位相差を制御することができる。例え
ば本図(c)に実線で描かれている状態から180度の
位相差を与えて、下段の偏心重錘W3,W4を破線で示し
た位置W3′,W4′にすると起振力はほぼ零になる。以
上に述べたようにして本図(c)の構成によれば起振機
の運転を中断することなく継続しながら起振力の増減操
作が可能になる。
【0010】ところが、(c)図の構成では装置の横幅
寸法Lxが大きくなるので、起振機を使用する工事の施
工条件によっては、高さ寸法を増加しても横幅寸法Lx
を短縮しなければならない場合も有るるこのような場合
には本図(d)の構造が考えられる。この(d)図に描
かれている構成部材は前掲の(c)図と同じであって、
その配置を異にするのみである。このような上下3段構
造(図8(c))を用いれば横幅寸法を短縮できること
は容易に理解することができる。
【0011】しかし、この(c)図の構造によれば、偏
心重錘を固着されて大きい遠心荷重を受ける偏心重錘軸
1と同S2とが上段に配置されるとともに、同様に大き
い遠心荷重を受ける偏心重錘軸S3と同S4とが下段に配
置されているので、これら4本の偏心重錘軸S1,S2
3,S4の軸受(図示せず)を支持する構造体の強度バ
ランスをとることが難しく、該構造体の剛性を上げるた
めに起振機全体が大型,大重量となる。
【0012】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、2系統の伝動系よりなり、各系統はそれぞれ
偏心重錘を固着された1対の偏心重錘軸と駆動用のモー
タを備えた起振機を改良して、軸受支持の強度バランス
が良く、しかも横幅寸法を縮少した回転式起振機を提供
するとともに、該回転式起振機を用いて振動公害を防止
するための制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明に係る回転式起振機の基本的原理に
ついて、その1実施例に対応する図8(e)と図8
(f)とを参照しつつ略述すると次のとおりである。1
基の起振機を構成している二つの伝動系統について、説
明の便宜上、A系統,B系統と名付けることにする。本
図8(f)はA系統を描き、(e)はB系統を描いてあ
る。これら(e),(f)両図の構成を総合すると、4
個の偏心重錘よりなる1基の起振機としての機能を発揮
し、かつ、A,B両系統相互の回転位相差を変えること
によって、運転を中断することなく継続しつつ起振力を
増減させることができる。
【0014】A系統を描いた図8(f)には、B系統の
主要構成部材の位置を破線で示し、B系統を描いた図8
(e)には、A系統の主要構成部材の位置を破線で示し
た。図8(e)に実線で描いたB系統の構成部分は、先
に試案として述べた図8(d)の中で、鎖線で囲んだ構
成部分と同様であって、それぞれ偏心重錘W3,W4を固
着された1対の偏心重錘軸S3,S4のそれぞれに同期伝
動歯車G3,G4が取り付けられ、これら1対の同期伝動
歯車G3,G4が相互に噛合して反対方向に同一回転数で
同期回転するように拘束されるとともに、駆動歯車10
bを介してモータM2で回転駆動されるようになってい
る。このようにして、B系統の振動発生機構部分は中段
に、その駆動モータは上段に、それぞれ配置されてい
る。
【0015】図8(f)に実線で描いたA系統は、1対
の偏心重錘W1,W2と、1対の偏心重錘軸S1,S2と、
1対の同期伝動歯車G1,G2とからなる振動発生機構部
分が下段に配置されている。そして、駆動モータM1
駆動歯車10aとは上段に配置されている。そして、上
段に配置された駆動歯車10aと下段に配置された同期
伝動歯車G1とが中間歯車12を介して伝動される。こ
の図8(f)は作動原理を模式的に例示したものであっ
て、上段のモータM1の回転出力を下段の偏心重錘軸S1
に伝動する手段は必ずしも中間歯車12に限られるもの
ではなく、例えばチェーンや歯付きベルト(別称タイミ
ングベルト)などの伝動部材を用いることも可能であ
る。
【0016】図8(e),(f)について以上に述べた
原理に基づいて創作した本発明に係る回転式起振機の具
体的な構成を、その1実施例に対応する図1〜図3を参
照して述べると、それぞれ偏心重錘(W1,W2)を固定
されて互いに反対方向に同期回転する1対のA系統の偏
心重錘軸(S1,S2)がそれぞれ水平に相互に平行に配
置されるとともに、それぞれ上記と異なる偏心重錘(W
3,W4)を固定されて互いに反対方向に同期回転する1
対のB系統の偏心重錘軸(S3,S4)がそれぞれ水平に
相互に平行に配置され、かつ、前記A系統を回転駆動す
るモータ(M1)を備えた駆動軸(13a)およびB系
統を回転駆動するモータ(M2)を備えた駆動軸(13
b)が設けられている回転式起振機において、起振機ケ
ーシング(13)内の軸配置が上下3段構成になってい
て、下段に前記A系統の1対の偏心重錘軸(S1,S2
が配設されており、中段に前記B系統の1対の偏心重錘
軸(S3,S4)が配設されており、上段に前記2本の駆
動軸(13a,13b)が、それぞれ水平に相互に平行
に配設されていて、かつ、上段に配設されたA系統の駆
動軸(13a)と、下段に配設されたA系統の1対の偏
心重錘軸(S1,S2)の内の何れか一方の偏心重錘軸と
が、中段に配置された伝動部材(12)を介して連結さ
れていることを特徴とする。
【0017】また、上述した本発明に係る回転式起振機
の構成を前提として、この回転式起振機を使用するため
に創作した本発明に係る回転式起振機の制御方法は、定
常的に最大起振力を発生させるための準備操作として、
予め前記A系統の偏心重錘(W1,W2)の回転位相とB
系統の偏心重錘(W3,W4)の回転位相との位相差を調
節可能な範囲内で最大角度にして、起振力最小の状態な
らしめるとともに、この状態でA系統とB系統とを同期
させつつ回転させてその回転数を上昇させ、上記A,B
両系統の回転数が上昇した後、前記A系統の偏心重錘と
B系統の偏心重錘との回転位相差を零ならしめて最大起
振力を発生させる状態で定常運転を遂行することを特徴
とする。
【0018】前記の「位相差を調節可能な範囲内で最大
角度にして」という操作における「調節可能な範囲」と
は次のような意味である。すなわち、本発明方法は本発
明に係る回転式起振機の使用を必須の要件としている。
そして本発明に係る回転式起振機は請求項3に記載した
ストッパ手段によってA,B両系統間の回転位相差が制
約されている場合が有るなどして、回転位相差の調節は
必ずしも無制限ではない。また、位相差調節が制限され
ていない場合も、位相差を零以下のマイナスには出来な
い。また、180度を越えると実質的に偏心モーメント
が却って増加するので、180度以上の有意義な位相差
を与え得ない。本発明方法における調節可能範囲とは、
技術的に可能でありかつ有意義な調節が可能な範囲を意
味するものである。
【0019】前述した本発明に係る回転式起振機の構成
によると、A系統の偏心重錘を固着された1対の偏心重
錘軸が下段に配置されるとともにB系統の偏心重錘を固
着された1対の偏心重錘軸が中段に配置されているの
で、大きい遠心加速度を受ける偏心重錘軸が中,下段
に、ほぼ正方形の頂点に相当するように位置する。この
ため、上記偏心重錘軸の軸受、並びに該軸受を支持する
構造物の強度バランスが良い。その上、上記A,B,両
系統の振動発生機構部分を回転駆動する2個のモータが
上段に配置されて上下3段構造をなしているので、起振
機の横幅寸法が短縮される。このように、A系統の回転
駆動用モータを上段に配置しても、本発明の構成によれ
ば伝動部材を介して、下段に位置しているA系統の振動
発生機構を駆動することができる。
【0020】上記の伝動部材として各種の機械要素を適
用することができるが、中間歯車を用いると伝動系の構
成が簡単で、該中間歯車の支持構造の構成が容易である
から好都合である。この場合中間歯車は必然的に中段に
位置するので、中段に配置されているB系統の偏心重錘
軸によって回転自在に支持することができる。このよう
に中段の偏心重錘軸を中間歯車軸に兼用すると構成部品
点数を節減することができる。上記の中間歯車と、中段
に配置されている2個の同期伝動歯車の内で中間歯車と
同じ方向に回転する同期伝動歯車とを対向させて、対向
する双方の歯車相互の回転位相差を規制する手段を設け
れば、A系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回転位
相差を制限的にコントロールできるので、振動公害防止
のための運転制御を容易に行うことができる。以上に述
べた本発明装置に係る回転式起振機を運転する際、本発
明に係る制御方法によれば、運転開始の準備操作として
A系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回転位相差を
調節可能な範囲内で最大ならしめて起振力を最小の状態
にしておいてから回転数を上昇させるので、回転数上昇
の途中で地盤と共振したりクレーンブームと共振したり
してトラブルを生じる虞れが無く、回転数を上昇させた
後にA系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回転位相
差を零にして最大起振力を発揮しながら定格回転数で定
常運転を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、図1ないし図3を併せて参
照しつつ、本発明に係る回転式起振機およびその制御方
法について、最良と思われる実施の形態を説明する。図
1は、上下3段構成よりなる本発明の回転式起振機の1
実施例における上段部分の平面図である。この上段部分
には当該起振機の動力源機構が配置されており、14は
起振機のケーシングである。上記の起振機ケーシング1
4は、防振ゴム15を介してハンガーボックス16に取
り付けられている。このハンガーボックスは前記の起振
機ケーシング14を収納して支持するとともに、クレー
ンによって吊持される部材である。上記の起振機ケーシ
ング14がハンガーボックス16に対して垂直軸(紙面
に直角)まわりの捩れ変位量を制限するとともに緩衝す
るようにストッパゴム17が設けられている。
【0022】A系統の振動発生機構(図3を参照して後
に詳述)を駆動するための駆動歯車10aを固着された
駆動軸13aと、B系統の振動発生機構(図2を参照し
て後に詳述)を駆動するための駆動歯車10bを固着さ
れた駆動軸13bとが、それぞれ水平に、かつ相互に平
行に、起振機ケーシング14に対して回転自在に支承さ
れている。図面参照符号「k」を付した部材はキーであ
る。図1〜図3において、図面参照符号「k」の有無に
かかわらず、キーが図示されていることは、軸部材と回
転部材とが相互に固定されていることを表す。前記A系
統の駆動軸13aの片方の端に油圧モータM1が取り付
けられ(詳しくは油圧モータの回転出力が連結され)る
とともに、他方の端にロータリーエンコーダ18aが装
着されており、これと同様に、B系統の駆動軸13bの
片方の端に油圧モータM2が取り付けられるとともに、
他方の端にロータリーエンコーダ18bが装着されてい
る。本実施例においては駆動源として油圧モータM1
2を用いたが、この駆動源は必ずしも油圧モータに限
られるものではなく、例えば水圧モータなどの液圧モー
タを用いることができる。水圧モータは油圧モータに比
して潤滑保持が難しく、防錆に格別の考慮を必要とする
などの短所は有るが、水は油よりも冷却効率が良く、安
価である等の長所も有り、特に水中杭打工事用起振機に
おいて実用価値が有る。さらに、油圧モータに限らず電
気モータを用いることも可能かつ有用である。液圧モー
タを用いる場合は、1対の油圧モータを同期回転させる
ことができ、かつ該1対の油圧モータ相互の位相差の増
減調節を行い得る制御機構を備えた油圧モータを用い
る。また電気モータを用いる場合は上記制御機構と同様
の機能(同期回転,位相差調節)を有する制御回路を備
えた電気モータを用いる。
【0023】図1に表されているように、1対の駆動軸
13a,13bに直交する2枚の垂直な仮想の面h1
2を想定し、これら2枚の垂直面に挟まれた空間を伝
動空間と名付ける。この伝動空間を厚さ方向に2分し
て、その片方をA系統の伝動空間と呼び、他方をB系統
の伝動空間と呼ぶ。これらの伝動空間は本図1に表され
ている上段部分のみでなく、中段を描いた図2や下段を
描いた図3においても図示のごとく想定される。先に、
原理図として示した図8(e),図8(f)において示
した図面参照記号および構成部材の名称、すなわちモー
タM1,M2、偏心重錘W1,W2,W3,W4、偏心重錘軸
1,S2,S3,S4、および同期伝動歯車G1,G2,G
3,G4、並びに中間歯車12は、本実施例を描いた図1
〜図3に記入した図面参照符号および構成部材名称と対
応し、それぞれ整合させてある。
【0024】以上のようにして本実施例の上段部分に
は、大きい偏心荷重を受ける偏心重錘軸は配設されてお
らず、比較的軽量の構成部材である油圧モータとロータ
リーエンコーダとが配設されている。
【0025】図2は、上下3段構成よりなる本発明の回
転式起振機の1実施例における中段部分の平面図であ
る。中段には、B系統の1対の偏心重錘W3,W4をそれ
ぞれ固着された1対の偏心重錘軸S3,S4が、それぞれ
水平に、相互に平行に配列されている。図に表されてい
るように、1対の偏心重錘W3,W4は、それぞれが軸心
方向について2分割されていて、分割された2個の偏心
重錘W3,同W3と、分割された2個の偏心重錘W4,W4
と、計4個の偏心重錘が設けられている。分割されたそ
れぞれの偏心重錘は、伝動空間を避けて偏心重錘軸の両
端付近に、軸受に接近させて固着される。そして、B系
統の同期伝動歯車G3,G4は相互に噛合せしめられてB
系統の伝動空間に配設されている。19は歯車及び偏心
重錘の位置を決めるためのスペーサである。上段を描い
た図1と中段を描いた図2とを対照して容易に理解され
るように、B系統の伝動空間に配設された駆動歯車10
bと同期伝動歯車G3とが噛合し、同期伝動歯車G3と同
4とは反対方向に等速で回転せしめられる。これらの
歯車の噛合関係は、前掲の原理図である図8(e)に示
したところと全く同様である。これらの歯車により伝動
されて、偏心重錘軸S3に固着された2個の偏心重錘
3,同W3と、偏心重錘軸S4に固着された2個の偏心
重錘W4,同W4とは反対方向に同一回転数で回転せしめ
られる。
【0026】本実施例に示したように偏心重錘を分割し
て偏心重錘軸の両端付近に配置するとともに、分割され
た2個の偏心重錘の間に配置するという構成は、回転式
起振機に特有の技術的条件に基づいて本発明が創作した
ものである。従来技術においては一般に、歯車の噛合状
態を高精度に保つため、歯車の近くを軸受で支持するこ
とが常識であった。しかし、偏心重錘の大きい遠心加速
度の反力を支持しなければならない回転式起振機におい
ては、偏心重錘軸を撓ませる主因が偏心重錘であるか
ら、歯車を軸受から離間させても偏心重錘の近くを軸受
で支持することによって軸の撓みを軽減し、ひいては歯
車の噛合精度を保持することができる。さらに、回転式
起振機においては歯車が伝動すべき回転エネルギーは、
主として、振動の減衰を補うためのエネルギー量であ
り、歯車の荷重は比較的軽いので、こうした構成部材配
置が合理的である。その上、本図2を全体的に眺めて理
解し得るように、4個の軸受の荷重が均等かつ対称に分
布されていて、軸受寿命についても、また軸受を支持す
る構造体である起振機ケーシング14の強度バランスに
ついても好都合である。
【0027】中段を描いた本図2に現れている中間歯車
12は、前掲の原理図である図8(f)について説明し
た中間歯車12であって、A系統の伝動部材である。こ
の中間歯車12はA系統伝動空間に配置され、中間歯車
軸受20を介して、偏心重錘軸S4により回転自在に支
承されている。上記中間歯車12と同期伝動歯車G4
は同じ方向に回転するように構成され、かつ、定常運転
状態においては同一回転数で回転せしめられ、後に述べ
るようにほぼ角度180度以内で位相差を与えられるよ
うに制御される。そこで、中間歯車12にストッパ突起
12aを突設するとともに、該ストッパ突起12aと係
合する円弧状のストッパ溝Waを設けて、B系統の同期
伝動歯車G4とA系統の中間歯車12との位相差がほぼ
180度以内に制約され、その結果、A系統の偏心重錘
とB系統の偏心重錘との位相差がほぼ108度以内に制
約される。
【0028】図3は、上下3段構成よりなる本発明の回
転式起振機の1実施例における下段部分の平面図であ
る。下段には、A系統の1対の偏心重錘W1,W2をそれ
ぞれ固着された1対の偏心重錘軸S1,S2がそれぞれ水
平に、相互に平行に配置されている。それぞれの偏心重
錘が2分割されて偏心重錘軸の両端付近に固着されてい
ることは、前掲の図2に示した中段の構成と類似であ
る。A系統の同期伝動歯車G1,G2はそれぞれ偏心重錘
軸S1,S2に固着されるとともに、相互に噛合せしめら
れて、A系統伝動空間内に配置されている。上記1対の
同期伝動歯車の内の1個の同期伝動歯車G1は、図2に
示した中段に配置されているA系統の中間歯車12と噛
合し、図1に示した上段に配置されているA系統の駆動
歯車10aを介してA系統の油圧モータM1によって回
転駆動される。これらの歯車の噛合関係は、原理図であ
る前掲の図8(f)に示した通りである。
【0029】図1〜図3に示した実施例における伝動空
間の幅寸法は、同期伝動歯車G1〜G4の歯幅の2〜3倍
に設定される。その理由は次の通りである。A系統とB
系統とは伝動エネルギーも消費エネルギーもほぼ等しい
ので、A,B両系統の伝動歯車は歯幅もモジュールも等
しく構成することが合理的である。
【0030】そして、図1〜図3に表されているよう
に、前記伝動空間は幅寸法を2分する形に区画してA系
統伝動空間とB系統伝動空間とを想定し、それぞれの伝
動空間内に同期伝動歯車G1〜G4を配設する。従って、
前記伝動空間の幅寸法は少なくとも同期伝動歯車の歯幅
寸法の2倍を必要とする。2倍以上、何倍であっても同
期伝動歯車を配置することは出来るが、この伝動空間の
幅寸法を必要以上に大きくすると起振機の横幅寸法を無
益に増大させることになる。こうした事情を勘案する
と、分割された2個の偏心重錘(例えばW1とW1,W2
とW2)の間隔寸法は、同期伝動歯車の歯幅寸法の2倍
以上、3倍以下に設定するすることが適正である。
【0031】図1〜図3について説明した実施例の回転
式起振機よりもさらに横幅寸法を縮小させるために、偏
心重錘の外周に、同期伝動歯車の一部分として機能し得
る歯を設けて、同期伝動歯車と偏心重錘とを板に構成す
ると有効である。図4は、前記と異なる実施例における
同期伝動歯車と偏心重錘とを抽出して描いた斜視図であ
る。本例の偏心重錘W1′の外周の一部には、同期伝動
歯車G1′と同じ形状,寸法の、モジュールを等しくす
る歯が設けられていて、該偏心重錘W1′と同期伝動歯
車G1′とが一体に連設されている。
【0032】本図は、同期伝動歯車G1′と、偏心重錘
1′と偏心重錘軸S1′とを結合した部材を例示してい
る。この部材(図4)を前記実施例(図1〜図3)にお
ける「偏心重錘W1,同期伝動歯車G1および偏心重錘軸
1の組立品」と置換することにより、前記実施例の横
幅寸法を短縮することができる。ただし、前記実施例に
おける4個の偏心重錘W1〜W4と、4個の同期伝動歯車
1〜G4と、4本の偏心重錘軸S1〜S4との全部につい
て本図4に示した1体連設形の部材と置換する必要が有
る。その理由は、4組の振動発生部材の内の3組以内の
横幅寸法を短縮しても実際の効果は発現されず、4組の
振動発生部材前部の横幅寸法を短縮して初めて起振機ケ
ーシングの形状,寸法を短縮することができるからであ
る。
【0033】次に、図1〜図3に示した実施例の回転式
起振機を構成して本発明に係る制御方法を実施した1例
について、上記実施例に対応する図8(e),図8
(f)を参照しつつ説明すると、作業を開始する直前に
おいて、偏心重錘W1,W2、および偏心重錘W3,W4
何のような位置に在るかは不定であるが、重力を受けて
いる関係から本図8(e),(f)に実線で描いたよう
に下向きの姿勢になっているのが通常である。上記の状
態から、モータM1を比較的緩徐に回転させて、本図8
(e)に点線で示したようにA系統の偏心重錘を
1″,W2″の位置にする。すなわち、B系統の偏心重
錘W3,W4に対して半回転(180度)の位相差を与え
る。このような状態で、上記の位相差を保たせつつA系
統とB系統とをそれぞれモータM1,同M2で回転駆動し
て増速する。この操作を、前掲の図7に当てはめてみる
と、始動直前における回転数零(振動数零)の点oにお
いて、A,B両系統の位相差が180度であるから、
A,B両系統の起振力が打ち消し合って振動を発生しな
い。この状態で矢印Cのように回転数を増加させて定格
回転数に到達する(点i)。この点iに達したとき、
A,B両系統のモータM1,M2の回転に差を与えて、A
系統の偏心重錘W1,W2とB系統の偏心重錘W3,W4
の位相差を零にする(図8(e),(f)に実線で描い
た状態)にすると、総合偏心モーメントが最大となり、
定常的に最大起振力を発揮しつつ定格運転に移行する。
【0034】図7を参照して以上に説明した操作によれ
ば、位相差180度(起振力零)の状態で点oから点i
まで加速され(矢印c)起振力零の状態で共振点n1
2を通過するから振動公害を生じたりクレーンブーム
を共振破損させたりする虞れが無い。
【0035】上述のごとく、A,B両系統の位相差を1
80度にしたり零にしたりする操作は、前掲の図1に示
したロータリーエンコーダ18a,18bによってA,
B両系統の回転位相を検出しつつモータM1,同M2の回
転を制御することによって実施することができる。この
場合、前掲の図2に示したストッパ突起12aとストッ
パ溝WaとによってA,B、両系統の回転位相差が0度
以上108度以下に制約されていると容易に、かつ確実
に実施することができる。
【0036】図7を参照して以上に説明した制御方法の
実施例においては、点oから起振力零で運転を開始し、
共振周波数n1,n2を通過した後、点iで起振力を最大
にして定常的に最大起振力で運転した。これは基本的な
操作であって、次に述べるような各種の応用例が有り、
それぞれの応用例が特有の効果を発揮する。 (イ)点oにおける運転開始時の起振力は必ずしも零で
あることを要せず、むしろ若干の起振力を発揮させなけ
ればならない場合が有る。その理由は、例えば図6に実
線で示した杭7のように地上に立てた形に吊持して打設
を開始する際、通常の作業条件では該杭7が重力荷重だ
けで地中に沈下してゆくことは出来ず、地表波aによる
振動が民家8に被害を与えない範囲の僅かな振動を与え
て点oから(若しくは点oの付近から)運転を開始し
て、地中波bが公害を及ぼさない程度の深さまで杭7を
打ち込まねばならないからである。このような場合、起
振機から杭に与える振動の強さを設定する目安として本
発明は重力加速度gを考える。起振機および負荷部材
(杭,チャックなど)を含めた振動系に与えられる振動
加速度が重力加速度g以下であれば、杭は顕在的な振動
を生じない。従って、起振力をほぼgとし、若しくはg
以下にして運転を開始することによって運転初期の公害
を防止することができる。上記の「ほぼg」という場合
の、「ほぼ」の範囲は、杭の下端が地表付近に位置して
いるとき公害を発生しない範囲である。 (ロ)図7において矢印cのように振動数(回転数)を
上昇させてゆく場合、図の点iに達しなくても、共振周
波数に相当するn1,n2を通過したならば、点iに達す
る以前に起振力を増加させても不具合を生じない。この
ようにして起振力の増加時期を早めると、杭打ち工事の
能力が上昇する。この場合、起振力を増加させる時期の
具体的な設定方法としては、タイマ装置(図示せず)を
用いて点oで運転を開始してから所定の時間を経過した
時に起振力を増加させても良く、または、図1に示した
ロータリーエンコーダ18a,18bによって回転数を
検出し、定格回転数未満の所定回転数に達した時に起振
力を増加させても良い。
【0037】(ハ)図7において点iから点jまで起振
力最大の状態で杭打工事を遂行した後、点jでモータの
駆動を停止して慣性回転状態に入り、若しくはモータを
制動して回転数を減少させ(矢印d)、点mで停止させ
る際も、起動・増速時の操作(矢印c)と反対の手順で
行なう。すなわち、点jで定格回転数で回っているA系
統とB系統との位相に差を生じさせて、ほぼ180度の
回転位相差を与え、起振力をほぼ零ならしめるとともに
減速運転に入る。これにより、起振力を最小ならしめた
状態で共振周波数に相当する点n2,n1を通過し、振動
公害を防止するとともにクレーンブーム破損を防止する
ことができる。
【0038】(ニ)地盤の構造は一般に不規則であり、
施工条件が変化する。従って、振動が実害を生じない範
囲内でなるべく大きい振動を発生させることが杭打設工
事の能率向上のために望ましい。こうした観点から、図
7における矢印cの増速運転の途中、または矢印dの減
速運転の途中でA系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘と
の回転位相差θを、 0≪θ≪180° ………(1) の範囲内の一定値に保って、起振力を最大,最小の間の
中等度にして杭打工事を行なうことも、公害防止と能率
向上とを両立させるために有効である。起振力を最大と
最小との何れかに制御すること、すなわち、A,B両系
統の偏心重錘の回転位相差を最大と最小との何れかなら
しめることは、前掲の図2に示したストッパ突起12a
とストッパ溝Waとのような機械的拘束によって行ない
得るが、前記の式1のように回転位相差を任意角度に保
つためには、前掲の図1に示したロータリーエンコーダ
18a,同18b(もしくはこれに相当する部材)を設
けて回転角位置を検出することと、油圧モータM1と同
2とがそれぞれ回転数を増減せしめ得る油圧制御機
構、および該油圧モータM1,M2を同一回転数で回転せ
しめ得る油圧制御機構を具備していることが必要であ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明の回転式起振機を適用すると、A
系統の偏心重錘を固着された1対の偏心重錘軸が下段に
配置されるとともにB系統の偏心重錘を固着された1対
の偏心重錘軸が中段に配置されているので、大きい遠心
加速度を受ける偏心重錘軸が中,下段に、ほぼ正方形の
頂点に相当するように位置する。このため、上記偏心重
錘軸の軸受、並びに該軸受を支持する構造物の強度バラ
ンスが良い。その上、上記A,B,両系統の振動発生機
構部分を回転駆動する2個のモータが上段に配置されて
上下3段構造をなしているので、起振機の横幅寸法が短
縮される。このように、A系統の回転駆動用モータを上
段に配置しても、本発明の構成によれば伝動部材を介し
て、下段に位置しているA系統の振動発生機構を駆動す
ることができる。
【0040】上記の伝動部材として各種の機械要素を適
用することができるが、中間歯車を用いると伝動系の構
成が簡単で、該中間歯車の支持構造の構成が容易である
から好都合である。この場合の中間歯車は必然的に中段
に位置するので、中段に配置されているB系統の偏心重
錘軸によって回転自在に支持することができる。このよ
うに中段の偏心重錘軸を中間歯車軸に兼用すると構成部
品点数を節減することができる。上記の中間歯車と、中
段に配置されている2個の同期伝動歯車の内で中間歯車
と同じ方向に回転する同期伝動歯車とを対向させて、対
向する双方の歯車相互の回転位相差を規制する手段を設
ければ、A系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回転
位相差を制限的にコントロールできるので、振動公害防
止のための運転制御を容易に行なうことができる。以上
に述べた本発明装置に係る回転式起振機を運転する際、
本発明に係る制御方法によれば、運転開始の準備操作と
してA系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回転位相
差を調節可能な範囲内で最大ならしめて起振力を最小の
状態にしておいてから回転数を上昇せしめるので、回転
数上昇の途中で地盤と共振したりクレーンブームと共振
したりしてトラブルを生じる虞れが無く、回転数を上昇
させた後にA系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回
転位相差を零にして最大起振力を発揮しながら定格回転
数で定常運転を行うことができるという、優れた実用的
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】上下3段構成よりなる本発明の回転式起振機の
1実施例における上段部分の平面図である。
【図2】上下3段構成よりなる本発明の回転式起振機の
1実施例における中段部分の平面図である。
【図3】上下3段構成よりなる本発明の回転式起振機の
1実施例における下段部分の平面図である。
【図4】前記と異なる実施例における同期伝動歯車と偏
心重錘とを抽出して描いた斜視図である。
【図5】4本の回転軸のそれぞれに偏心重錘を取り付け
たロータリ式起振機の説明図である。
【図6】振動装置を用いる杭打工事における地上波およ
び地中波の伝達を示す説明図である。
【図7】振動杭打工事における共振現象を説明するため
の、時間−回転速度を表わした図表である。
【図8】偏心重錘を固着された偏心重錘軸と、該偏心重
錘軸に固着された同期伝動歯車と、該同期伝動歯車に噛
合した駆動歯車と、該駆動歯車を回転駆動するモータと
の配置を模式的に描いた正面図であって、(a)は偏心
重錘の配置個数が1個の場合を、(b)は偏心重錘の配
置個数が1対の場合を、(c)は偏心重錘の配置個数が
2対の場合を、(d),(e)および(f)は偏心重錘
の配置個数が2対であり、かつ駆動歯車が同期伝動歯車
の上方もしくは下方に配置されている場合を、それぞれ
表している。
【符号の説明】
1…起振機のケース、2A〜2D…回転軸、3A〜3D
…偏心重錘、4A〜4D…同期回転用の伝動歯車、5…
クレーンブーム、6…振動装置(起振機)、7…杭、8
…民家、9,9′…偏心重錘、10a,10b…駆動歯
車、11…同期伝動歯車、12…中間歯車、12a…ス
トッパ突起、13a,13b…駆動軸、14…起振機ケ
ーシング、15…防振ゴム、16…ハンガーボックス、
17…ストッパゴム、18a,18b…ロータリーエン
コーダ、19…スペーサ、W1〜W4,W1′〜W4′…偏
心重錘、W1″,W2″…180度の位相差を与えられた
A系統の偏心重錘、Wa…ストッパ溝、G1〜G4
1′〜G4′…同期伝動歯車、k…キー、M1,M2…油
圧モータ、h1,h2…仮想の垂直面、Lx…横幅寸法、
1〜S4,S1′〜S4…偏心重錘軸。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ偏心重錘(W1,W2)を固定さ
    れて互いに反対方向に同期回転する1対のA系統の偏心
    重錘軸(S1,S2)がそれぞれ水平に相互に平行に配置
    されるとともに、それぞれ上記と異なる偏心重錘
    (W3,W4)を固定されて互いに反対方向に同期回転す
    る1対のB系統の偏心重錘軸(S3,S4)がそれぞれ水
    平に相互に平行に配置され、かつ、前記A系統を回転駆
    動するモータ(M1)を備えた駆動軸(13a)および
    B系統を回転駆動するモータ(M2)を備えた駆動軸
    (13b)が設けられている回転式起振機において、 起振機ケーシング(13)内の軸配置が上下3段構成に
    なっていて、 下段に前記A系統の1対の偏心重錘軸(S1,S2)が配
    設されており、 中段に前記B系統の1対の偏心重錘軸(S3,S4)が配
    設されており、 上段に前記2本の駆動軸(13a,13b)が、それぞ
    れ水平に相互に平行に配設されていて、 かつ、上段に配設されたA系統の駆動軸(13a)と、
    下段に配設されたA系統の1対の偏心重錘軸(S1
    2)の内の何れか一方の偏心重錘軸とが、中段に配置
    された伝動部材(12)を介して連結されていることを
    特徴とする回転式起振機。
  2. 【請求項2】 前記の伝動部材(12)は中間歯車であ
    り、かつ該中間歯車が、B系統の1対の偏心重錘軸(S
    3,S4)の何れか片方に外嵌され、該何れか片方の偏心
    重錘軸との相対的回動自在に支承されていることを特徴
    とする、請求項1に記載の回転式起振機。
  3. 【請求項3】 前記中間歯車(12)と、該中間歯車を
    支承しているB系統の偏心重錘軸との相対的な回動角を
    制限するストッパ手段が設けられていることを特徴とす
    る、請求項2に記載の回転式起振機。
  4. 【請求項4】 前記A系統の偏心重錘軸(S1,S2)お
    よびB系統の偏心重錘軸(S3,S4)のそれぞれは、そ
    の両端部付近を軸受によって支承されており、 かつ、
    上記4本の偏心重錘軸のそれぞれに固着される偏心重錘
    (W1,W2,W3,W4)のそれぞれは軸心方向に関して
    分割されており、 各偏心重錘軸ごとに、両端の軸受に近接せしめて分割さ
    れた偏心重錘の1個ずつが配置されていて、上記の分割
    された偏心重錘相互の間に間隔が設けられていて、 上記の間隔の中に前記A系統およびB系統の部材の回転
    を伝動する歯車が配置されていることを特徴とする、請
    求項1に記載の回転式起振機。
  5. 【請求項5】 前記の分割された偏心重錘相互の間隔寸
    法は、前記偏心重錘軸(S1,S2,S3,S4)のそれぞ
    れに固着されている同期伝動歯車(G1,G2,G3
    4)それぞれの歯幅寸法の2倍以上3倍以下であり、
    かつ、 上記の間隔は設計的に軸心方向に2分されていて、2分
    された間隔空間の片方の空間に前記A系統の同期伝動歯
    車(G1,G2)、および該同期伝動歯車と噛合する中間
    歯車(12)、並びに、該中間歯車と噛合する駆動歯車
    (10a)が配置されるとともに、 前記の2分された間隔空間の他方の空間に前記B系統の
    同期伝動歯車(G3,G4)および該同期伝動歯車と噛合
    する駆動歯車(10b)が配置されていることを特徴と
    する、請求項4に記載の回転式起振機。
  6. 【請求項6】 前記4個の偏心重錘(W1,W2,W3
    4)の内の少なくとも1個の偏心重錘の周囲に、前記
    4個の同期伝動歯車(G1,G2,G3,G4)の何れかと
    モジュールを等しくする歯が設けられていて、 歯を設けられた偏心重錘と、該偏心重錘に隣接する同期
    伝動歯車とが一体的に連設されていることを特徴とす
    る、請求項5に記載の回転式起振機。
  7. 【請求項7】 前記駆動軸(13a,13b)のそれぞ
    れは、両端付近を軸受で支承されるとともに、中央部に
    駆動歯車(10a,10b)を固着され、 かつ、それぞれの駆動軸の片方の端部に駆動用のモータ
    (M1,M2)が取り付けられるとともに、他方の端部に
    ロータリーエンコーダ(18a,18b)が取り付けら
    れていることを特徴とする、請求項1に記載の回転式起
    振機。
  8. 【請求項8】 前記2個のモータ(M1,M2)は、それ
    ぞれ回転数を制御することができ、かつ、相互に同期回
    転せしめ得る制御機構を備えた液圧モータであることを
    特徴とする、請求項1ないし請求項7の何れか一つに記
    載の回転式起振機。
  9. 【請求項9】 前記2個のモータ(M1,M2)は、それ
    ぞれ回転数を制御することができ、かつ、相互に同期回
    転せしめ得る制御回路を備えた電気モータであることを
    特徴とする、請求項1ないし請求項7の何れか一つに記
    載の回転式起振機。
  10. 【請求項10】 それぞれ偏心重錘(W1,W2)を固定
    されて互いに反対方向に同期回転する1対のA系統の偏
    心重錘軸(S1,S2)がそれぞれ水平に相互に平行に配
    置されるとともに、それぞれ上記と異なる偏心重錘(W
    3,W4)を固定されて互いに反対方向に同期回転する1
    対のB系統の偏心重錘軸(S3,S4)がそれぞれ水平に
    相互に平行に配置され、かつ、前記A系統を回転駆動す
    るモータ(M1)を備えた駆動軸(13a)およびB系
    統を回転駆動するモータ(M2)を備えた駆動軸(13
    b)が設けられている回転式起振機を制御する方法にお
    いて、起振機ケーシング(13)内の軸配置が上下3段
    に構成し、 下段に前記A系統の1対の偏心重錘軸(S1,S2)を配
    設し、 中段に前記B系統の1対の偏心重錘軸(S3,S4)が配
    設し、 上段に前記2本の駆動軸(13a,13b)を、それぞ
    れ水平に相互に平行に配設して、 定常的に最大起振力を発生させるための準備操作とし
    て、予め前記A系統の偏心重錘(W1,W2)の回転位相
    とB系統の偏心重錘(W3,W4)の回転位相との位相差
    を調節可能な範囲内で最大角度にして、起振力最小の状
    態ならしめるとともに、この状態でA系統とB系統とを
    同期させつつ回転させてその回転数を上昇させ、 上記A,B両系統の同期回転の回転数が上昇した後、 前記A系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回転位相
    差を零ならしめて最大起振力を発生させる状態で定常運
    転を遂行することを特徴とする、回転式起振機の制御方
    法。
  11. 【請求項11】 前記A系統とB系統とを同期させつつ
    回転数を上昇させた際、該同期回転の回転数が所定の値
    となった時、もしくは、上記A系統とB系統とを同期さ
    せつつ回転数を加速し始めてから所定の時間を経過した
    時、 上記A系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回転位相
    差を零ならしめることを特徴とする、請求項10に記載
    した回転式起振機の制御方法。
  12. 【請求項12】 前記定常的最大起振力発生の準備とし
    て起振力を最小の状態ならしめる際、該起振力の最小値
    が「当該回転式起振機が負荷部材と結合されている状態
    で、振動加速度の最大値が、ほぼ重力加速度と等しい
    か、又はそれ以下」となるように、偏心重錘の位相差を
    制御することを特徴とする、請求項10に記載した回転
    式起振機の制御方法。
  13. 【請求項13】 A系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘
    との回転位相差を零ならしめて最大起振力を発生させつ
    つ定常運転に移行する途中において、又は、定常運転に
    移行した後において、 A系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘との回転位相差θ
    を、 0≪θ≪180° ………(1) 上記の式(1)の範囲内の一定値に保持して部分負荷運
    転することを特徴とする、請求項10に記載した回転式
    起振機の制御方法。
  14. 【請求項14】 A系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘
    との回転位相差を零ならしめて最大起振力を発生させつ
    つ定常運転を行った後、回転数を減速させて停止する
    際、 予めA系統の偏心重錘とB系統の偏心重錘と回転位相差
    を与えて起振力を最小の状態とした後、上記の起振力最
    小の状態を保持しつつA系統の偏心重錘とB系統の偏心
    重錘との回転数を減速させて停止させることを特徴とす
    る、請求項10に記載した回転式起振機の制御方法。
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