JP3212250B2 - 起振機用偏心重錘の支持方法、および起振機用偏心重錘の支持構造 - Google Patents

起振機用偏心重錘の支持方法、および起振機用偏心重錘の支持構造

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JP3212250B2 JP10954596A JP10954596A JP3212250B2 JP 3212250 B2 JP3212250 B2 JP 3212250B2 JP 10954596 A JP10954596 A JP 10954596A JP 10954596 A JP10954596 A JP 10954596A JP 3212250 B2 JP3212250 B2 JP 3212250B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杭打ち用のロータ
リ式起振機を回転駆動するとともに、起振機能を制御す
る方法、および同機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】土木建設工事に用いられる振動装置(起
振機)は一般に、偏心重錘を取りつけた複数対の回転軸
を平行に配設した構造である。このような構成によれ
ば、反対方向に回転する偏心重錘の遠心起振力を所望の
方向については相加せしめるとともに、不要の方向につ
いては相殺せしめることができる。上述した起振機を用
いて杭打作業を行う場合、振動公害の防止と騒音公害の
防止とが重要な問題となる。次に、図4,図5について
振動公害に関する技術的問題を説明する。
【0003】図4は杭打ち作業における振動公害を説明
するための模式図である。本図は、クレーンブーム5で
振動装置6を吊持するとともに、該振動装置6のチャッ
ク6aで杭7の上端を把持し、この杭7に振動を与えて
地中に打設している状態を描いてある。杭7の下端を地
表に接せしめて杭打作業を開始する際、最初から振動装
置6をフル稼働させると、杭打ち地点の地表で発生する
地表波aが殆ど減衰せずに付近の民家8に到達するので
振動公害の問題を生じる。ここで、振動装置6の起振力
を任意に調節できるならば、杭7の自重に加えて僅かな
振動を与えながら杭打ち作業を開始し、数メートル打ち
込んでから次第に振動を強くすれば良い。杭7の下端に
相当する震源位置が深くなれば、地中波bは民家8に到
達する途中で減衰するので振動公害は軽微である。
【0004】図5は振動装置の運転開始時および運転停
止時における振動数の変化を示す図表で、横軸は時間で
ある。運転開始時点t0から、定格運転状態に到達する
時点t1までの間、振動数は矢印cの如く急激に上昇す
る。上記の振動数上昇中に、地盤の固有振動数n1、及
びクレーンブームの固有振動数n2を通過する。しか
し、運転開始時における回転数上昇期間T1は一般に短
時間(例えば約3秒間)であるから、振動装置の振動数
が固有振動数に一致したときの共振の問題は、通常無視
することができる。しかし、振動装置6のモータ(図示
せず)の通電を停止した時点t2から回転軸が停止する
時点t3までの間は、回転軸が慣性で回転を続けながら
矢印dの如く次第に減速する。上記の回転数低下期間T
2は比較的長時間(例えば約50秒間)であるから、そ
の途中でクレーンブームの固有振動数n2を通過する
際、該クレーンブームが共振して損傷を被る虞れが有
る。また、地盤の固有振動数n1を通過する際、地盤の
共振により振動公害を生じる虞れが有る。前記の時刻t
2でモータの通電を停止するとともに、振動装置の回転
重錘の回転位相を変化させて起振力を零にすることがで
きれば、振動装置の運転停止操作の際の共振に関する問
題を防止することができる。
【0005】次に、振動装置に供給されるエネルギー量
について見ると、前記の時刻t0からt1まで振動装置6
の回転数が上昇する間、該振動装置の偏心重錘(図示せ
ず)によって振動を発生させつつ増速すると、これを駆
動するために大容量のモータや大容量の電源設備が必要
になる。この場合、振動装置の偏心重錘の回転位相を変
化させて起振力を零にした状態で運転を開始し、定格回
転数に達した後に起振力を発揮させることが出来れば、
モータ容量や電源容量を縮少できるので経済的である。
定格回転数に達した後は、回転部材にそれ以上回転エネ
ルギーを蓄積する必要が無く、振動の減衰を補うだけの
エネルギーを補充することによって運転を継続できるか
らである。
【0006】以上の事情に鑑みて、起振機の起振力を増
減させる調節技術が開発され、公知になっている。次
に、起振機の起振力を増減調節する原理について述べ
る。図6は2個の偏心重錘の組み合わせによって起振力
を変化させる公知技術を説明するために示したものであ
って、(A)は2個の偏心重錘が最大起振力を発揮する
状態を表す模式図、(B)は起振力中程度である状態を
表す模式図、(C)は起振力がやや小さい状態を表す模
式図、(D)は起振力がゼロの状態を表す模式図であ
る。図6(A)に示した2個の偏心重錘のうち、9は回
転軸2B′に固着された固定偏心重錘であり、10は回
転軸2C′に対して相対的に回動し得る可動偏心重錘で
ある。本発明において固定偏心重錘とは回転軸に対する
相対的回動を係止された偏心重錘の意であって、回転軸
と一緒に回転する部材であるから、固定とは静止の意で
はない。図6(A)における2個の偏心重錘9,10の
相対的位置は、位相差ゼロの状態である。
【0007】従って、この図6(A)の状態で、2個の
偏心重錘9,10を歯車4B′,4C′で同期させて回
転させると起振力が発生する。図6(D)の状態では、
2個の偏心重錘9,10それぞれの重心が、常に参考線
M−M(2本の回転軸2B′,2C′を結ぶ線分の垂直
2等分線)に関して対称位置に在るので上下方向の起振
力はゼロである。説明の便宜上、本図6(D)のように
2個の偏心重錘の位相差が180度になって該2個の偏
心重錘の総合偏心モーメントがゼロの状態を基準状態と
名付ける。図6(B),(C)は、それぞれ前記
(A),(D)の中間的状態であるから(A)図の場合
よりも小さく(D)図の場合よりも大きい上下方向起振
力を発生する。そして、(B)図の方が(C)図よりも
(A)図の状態に近いから、起振力の大きい方から順番
に挙げると(A),(B),(C),(D)となる。前
掲の図6において起振力増減制御の原理を示すため、2
本の回転軸2B′,2C′を同期回転歯車4B′,4
C′で同期回転させる形に描かれているが、構造を簡単
にするため1本の回転軸に2個の偏心重錘を配設するこ
ともできる。図7は共通の回転軸に対して固定偏心重錘
を固着するとともに可動偏心重錘を上記共通の回転軸に
対する相対的な回動角位置を調節できるようにした機構
の模式図である。
【0008】固定偏心重錘9は回転軸2に固着されて一
緒に回転する。可動偏心重錘10は回転軸2に対する取
付角位置を円弧矢印α−βのごとく変化させて調節する
ことと、調節した状態を維持することとが出来るように
なっている。本図7に描かれている状態は前掲の図6
(B)に示した状態に対応し、起振力が中等度である。
この状態から、可動偏心重錘を矢印α方向に回動させて
固定すると図6(D)の状態に近づいて起振力が減少す
る。また矢印β方向に回動させると図6(A)の状態に
近づいて起振力が増大する。以上のようにして起振力が
調節される。図8は上掲の図7に原理を示したように、
共通の1軸に対して固定偏心重錘と可動偏心重錘とを配
設して起振力を増減調節できるようにした起振機の従来
例を示す斜視図である。2本の回転軸2A,2Bを水平
方向に並べて駆動用プーリ11および同期回転用伝動歯
車4A,4Bによって反対方向に(時計周りと反時計回
りに)同期回転させているのは、水平方向の起振力を相
殺させるためである。固定偏心重錘9Aは回転軸2Aに
固着されている。そして可動偏心重錘10Aは上記回転
軸2Aに対して回動自在に支承されるとともに、固定偏
心重錘9Aに対する回動を調節・固定できるようになっ
ている。すなわち、可動偏心重錘10Aには複数個の調
節用メネジ穴(本図において1個のみ現れている)12
が穿たれている。セットボルト14を上記メネジ穴12
に螺合して六角レンチ15で締めつけ、ノックピン13
で回り止めを施すと可動偏心重錘10Aの角位置が固定
される。図9は前掲の図8に示した従来例の調節機構を
備えた起振機における回転軸と固定偏心重錘と可動偏心
重錘との関係を説明するために示したもので、(A)は
部分的に切断して描いた外観斜視図であり、(B)は回
転軸と平行な方向に見たところを描いた模式図である。
図9(A)に示した23a,23b,23cは目盛であ
って、単位はkg・cmである。目盛を合わせてセットボル
トを螺合することにより、図9(B)に示したように、
可動偏心重錘が3つの角位置をとり、10a,10b,
10cのように相対的に回動して起振力を変化させる。
図7ないし図9に示した従来技術に係る起振機は、以上
に説明したようにして起振力の増減調節を行なうことが
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7ないし図9を参照
して説明した従来技術に係る起振機において起振力を増
減調節しようとすると、図8に表されている構造から容
易に理解されるように、運転を止め、ノックピン13を
抜き取ってセットボルト14を抜き出し、可動偏心重錘
10を手動で回して目盛(図9において符号23a〜2
3c)を合わせた後、再びセットボルト14を螺合し緊
定してノックピン13で回り止めを施さねばならない。
従来技術において起振力の増減調節を行なうには、以上
のような操作を必要とする。図4について既に述べたよ
うに、起振装置6は杭7の上端に取り付けられているの
で、これをクレーンブーム5で吊り降して調節した後、
再びクレーンブーム5で吊り上げて杭7の上端に取りつ
ける作業は多大の時間と労力とを費さねばならない。1
本の回転中心軸に対して固定偏心重錘と可動偏心重錘と
を取り付け、しかも運転を中止することなく継続しつつ
起振力の増減調節を行なうには、図10に示したような
構成が有効である。この技術は本発明者が創作して別途
出願中の、未公知の発明(特願平7−236695号)
であって、以下、先願の発明という。
【0010】図10は、先願の発明の起振力制御方法を
実施するために構成した先願の発明に係る偏心重錘の起
振力制御機構の1実施形態を備えた起振機を示し、模式
的に描いた水平断面図である。ケース1によって2本の
水平な軸、すなわちA系統回転軸21とB系統回転軸2
2とが回転自在に支承されている。そしてA系統駆動歯
車23がキー24を介して前記A系統回転軸21に固着
されている。本図1には7個のキーが描かれていて、符
号は1個のみ付されているが、キーの図形が描かれてい
ることは回転軸に対して相対的に回動不能に嵌合されて
いることを表わしている。そして、キーの図形が描かれ
ていない個所は相対的な回動可能に嵌合されていること
を表している。
【0011】A系統の被動歯車25は前記A系統駆動歯
車23と歯数が等しく、B系統の回転軸22に対して回
動自在に嵌合されて支承されている。同様に、歯数の等
しいB系統の1対の歯車のうち、B系統駆動歯車34は
B系統回転軸22に対して回動不可能に固着され、B系
統被動歯車31はA系統回転軸21に対して回動可能に
嵌合され、支承されている。前記A系統回転軸21に対
して、A系統固定偏心重錘26が相対的回動不可能に、
B系統可動偏心重錘27が相対的回動可能に、それぞれ
嵌合されて支持されるとともに、上記B系統可動偏心重
錘27は前記B系統被動歯車31に対して同期連結杆3
3を介して一体的に連結されて一緒に回転する。これに
より該B系統可動偏心重錘27はB系統回転軸22と反
対方向に、同じ回転速度で回転せしめられる。前記B系
統回転軸22に対して、B系統固定偏心重錘28が相対
的回動不可能に、A系統可動偏心重錘29が相対的回動
可能に、それぞれ嵌合されて支持されるとともに、上記
A系統可動偏心重錘29は前記A系統被動歯車25に対
して同期連結杆30を介して一体的に連結されて一緒に
回転する。これにより該A系統可動偏心重錘29はA系
統回転軸21と反対方向に、同じ回転速度で回転せしめ
られる。前記A系統回転軸21にA系統被動プーリ35
が固着されるとともに、A系統駆動モータMaにA系統
駆動プーリ38が固着されており、上記A系統被動プー
リ35とA系統駆動プーリ38とに巻掛伝動手段37が
巻き掛けられて伝動している。前記B系統回転軸22に
B系統被動プーリ36が固着されるとともに、B系統駆
動モータMbにB系統駆動プーリ39が固着されてお
り、上記B系統被動プーリ36とB系統駆動プーリ39
とに巻掛伝動手段37が巻き掛けられて伝動している。
【0012】この図10の装置を用いて杭打ち作業を行
なうためには、(図5を併せて参照)作業開始点oで、
B系統駆動モータMbを作動させて、偏心モーメント最
小(起振力最小,振動加速度約g)で回転を始め、矢印
cのように回転数を上昇させつつ、地盤固有地動数
1、およびクレーンブーム固有振動数n2を偏心モーメ
ント最小の状態で通過する。通過し終えると、B系統駆
動モータMbの通電を断ち、もしくは通電を弱めて、A
系統駆動モータMaを作動させる。この場合、偏心重錘
の回転数(回転速度)と発生する振動の振動数とは等し
い。回転数が定格回転数に達すると(点i)、定常運転
に移行する。この状態では、A系統が基準状態よりも一
定角度進相して最大偏心モーメントとなり、最大起振力
を発揮しつつ杭打作業を遂行する。この定常運転は、A
系統がB系統を引っ張る形で、B系統は一定角度遅れて
追随する。この定状状態の運転期間中、B系統駆動モー
タMbは通電を断っておいても良い。また、B系統がA
系統に追いつかない程度に、B系統駆動モータMbに電
気エネルギーを供給しても良い。杭打ち作業を遂行し終
えたとき(点j)A,B両系統の駆動モータMa,Mb
の給電を停止するとともに、A系統駆動モータMaに電
気制動を掛ける。これにより、偏心モーメント最小の状
態となり、クレーンブーム固有振動数n2,地盤固有振
動数n1を順次に通過して矢印dのごとく減速し、停止
(点m)するに至る。
【0013】本発明者は、前掲の図10に示した先願の
発明を出願した後、その工業的生産を遂行するとともに
一層の改良研究、特に実用化試験を繰り返し続行した結
果、該先願の発明が実用条件下において所期の効果を奏
し、振動公害の防止に貢献するところ多大であることを
確認するとともに、なお改善の余地が有ることを確認す
るに至った。すなわち、(イ)固定偏心重錘と、これを
同期回転させる歯車と、可動偏心重錘と、これを同期回
転させる歯車とが別体に構成されているため構成部品点
数が多く、(ロ)同様の理由によって装置の幅寸法W1
の縮小に限界が有り、(ハ)同様の理由により装置の組
立作業性か悪く、組立作業に高度の熟練と多大の労力と
を要する。
【0014】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、前記先願の発明における固定偏心重錘および
可動偏心重錘、並びに、これらを同期回転させる歯車お
よび回転中心軸を改良し、前記先願の発明の効果を損ね
ることなく、構成部品点数を減少せしめるとともに組立
作業性を向上させ、かつ、いっそうのコンパクト化を可
能ならしめることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した請求項1の発明の構成は、回転中心軸によ
って固定偏心重錘および可動偏心重錘のそれぞれを回転
自在に、かつ、上記固定偏心重錘および可動偏心重錘と
の位相差の調節可能に支持する方法において、 長さ寸法
L、半径寸法rの、2個の歯車ボスを隣接せしめて、前
記回転中心軸と同心に並べて配置するとともに、 上記
の、並べて配置された2個の歯車ボスの両側に、それぞ
れ隣接せしめて計2個の歯車を配置し、 かつ、前記2個
の歯車ボスの内の片方の歯車ボスの外周側に縦割り円筒
形の固定偏心重錘を配置するとともに、前記2個の歯車
ボスの内の他方の歯車ボスの外周側に縦割り円筒形の可
動偏心重錘を配置し、 前記固定偏心重錘および可動偏心
重錘は、長さ寸法を約2L、内径寸法を2r以上とし、
かつ、中心線に垂直な面による断面形状に現れる扇形に
相当する形状の頂角θを、 θ≒180度−30度………(1) に設定し、 前記2個の歯車ボスの内の片方と、これに隣
接する固定偏心重錘と、該歯車ボスに隣接する歯車とを
一体的に連設して固定偏心重錘ブロックを形成するとと
もに、 前記2個の歯車ボスの内の他方と、これに隣接す
る可動偏心重錘と、該歯車ボスに隣接する歯車とを一体
的に連設して可動偏心重錘ブロックを形成し、 前記固定
偏心重錘と可動偏心重錘とが回転中心軸に関して対称に
位置した標準状態に比して、相対的に30度ずつ進相、
遅相し得るようにすることを特徴とする。 以上に説明し
た請求項1の発明によれば、1組の起振ユニットが主と
して2個のブロックと1本の軸とによって構成されるの
で構成部品点数が少なく、組立作業性が良い。しかも各
ブロックはそれぞれ歯車を備えていて、この歯車を介し
て回転駆動することもでき、この歯車を介して、運転を
中断することなく継続しつ つ回転位相を制御することも
できる。さらに、構成部品が1本の軸と2個のブロック
とに集約されているので全体をコンパクトに構成するこ
とができ、装置の幅寸法(回転中心軸と平行な方向の寸
法)を短縮することができ、 かつ、固定偏心重錘に対す
る可動偏心重錘の位相差変化範囲が、標準状態を基準と
して±30度に制限される。これら2つの偏心重錘は、
起振力は零ならしめるために標準状態(もしくはこれに
近い状態)になることが必要条件であり、この標準状態
を基準として(標準状態における位相差を零として)位
相差が大きくなるほど偏振モーメントが大きくなり、こ
れに伴って起振力が増加する。 本請求項1の数値限定は
本発明者の実務経験および試験研究の蓄積から導き出さ
れたものであって、実用上充分な起振力を発揮すること
ができ、しかも、位相差調節に要する時間が短くて優れ
た応答性が得られ、かつ、位相差調節に必要な操作力が
少なくて済む。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】請求項の発明の構成は前記請求項1の発
明の構成に加えて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘と
の相対的な回動を制限するストッパを設けて、これら双
方の偏心重錘が、前記の標準状態を回動ストロークの一
方のエンドとして、相対的に約30度だけ回動可能なら
しめることを特徴とする。以上に説明した請求項の発
明によると、前記請求項の発明において±30度に制
限されていた位相差変化範囲を、さらに0〜30度、も
しくは、−30度〜0に制限する。位相差が+30度で
あっても−30度であっても偏心モーメント量は同じで
あるから、上記のように位相差変化範囲の制限を強化し
ても偏心モーメント量の変化範囲(すなわち起振力の変
化範囲)は同じであり、しかも、回動ストロークの一方
のエンドが標準状態(位相差ゼロ・偏心モーメント量ゼ
ロ・起振力ゼロ)であるから起振力制御が容易である。
【0020】
【0021】
【0022】請求項3の発明の構成は前記請求項1,2
の発明の構成に加えて、前記の回転中心軸と、固定偏心
重錘ブロックと、可動偏心重錘ブロックとによって起振
ユニットを形成するとともに、上記の起振ユニットの偶
数組を配列し、上記偶数組の起振ユニット中の各2組の
起振ユニットについて、固定偏心重錘同志と可動偏心重
錘同志とを、それぞれの偏心重錘に一体的に連設されて
いる歯車を介して同期回転させることを特徴とする。以
上に説明した請求項の発明によると、偶数組の偏心重
錘ブロックを配置して所望の方向(例えば垂直方向)の
振動を相加せしめるとともに、不要の方向(例えば水平
方向)の振動を相殺せしめることができる。このように
振動を干渉させて起振性能を調整するという基礎的な技
術は公知であって前記の先願発明においても適用されて
いるが、さらに本請求項3の構成を実施することによ
り、極限的に集約されて単純化されたブロック構成より
なるコンパクトな機械的機構によって前記の機能を実現
可能ならしめたところに技術的意義が有る。
【0023】請求項の発明の構成は、ほぼ同一形状、
同一寸法の2個の偏心重錘ブロックよりなり、かつ、そ
れぞれの偏心重錘ブロックは、 (a)長さ寸法L,半径寸法rの歯車ボスを有する歯車
と、 (b)長さ寸法2L、半径寸法2rの円筒を縦割りにし
た形状の偏心重錘とより成り、前記偏心重錘は、内径寸
法2rの凹円柱面を、歯車ボスの半径寸法rの凸円柱面
に密着せしめて一体に連設され、もしくは、当接せしめ
て一体的に固着されていて、前記2個の偏心重錘ブロッ
クが、それぞれの歯車ボスの端面同志を近接、対向せし
めて共通の回転中心軸に外嵌された1組の起振ユニット
を構成しており、 かつ、前記の、円筒を縦割りにした形
状の偏心重錘は、その横断面に現れる扇形に相当する形
状の頂角θが、 θ≒180度−30度………(1) に設定されていて、2個の偏心重錘が回転中心軸に関し
て対称に位置する状態を標準状態として、この標準状態
に比して上記2個の偏心重錘が相対的に、位相差を±3
0度変化できるようになっていること を特徴とする。以
上に説明した請求項4の発明によると「2個の偏心重錘
から成り、起振力の調節可能な起振ユニット」が、1本
の軸と2個のブロックとによって構成され、しかも上記
の2個のブロックがほぼ同形同寸であるから生産性が良
い。その上、上記2個のブロックのそれぞれは偏心重錘
と歯車と歯車ボスとが一体的に連設されて極限的に集
約、単純化されているので、装置全体がコンパクトに構
成され、かつ、組立作業を迅速、容易に行い得る。しか
も、1組の起振ユニットを構成している2個の偏心重錘
相互の回動可能角度(すなわち回転位相差の許容範囲)
が、自動的に、標準状態を中心とした±30度に制限さ
れる。この角度が大きいほど最大偏心モーメントを大き
くすることができる代わりに、起振力制御の応答性が悪
くなり制御操作所要力が大きくなる。これを30度に規
制することにより、実用上の不具合を感じない最大起振
力と 応答性とのバランスが得られ、しかも、制御操作の
所要力は比較的小さくて足りる。
【0024】
【0025】
【0026】請求項の発明の構成は前記請求項の発
明の構成に加えて、前記2個の偏心重錘の相対的な回動
を制限するストッパ手段が設けられていて、該2個の偏
心重錘相互の回転位相差が、前記の標準状態からプラ
ス、マイナス何れか一方向に対してのみ、約30度以内
で変化し得るように規制されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項の発明によると、前記請求項
の発明によって「標準状態を中心としてプラス、マイナ
ス両方に各30度ずつ」に制限されていた回動可能角度
(回転位相差調節可能範囲)を、さらに制限して「標準
状態を回動ストロークの一方の端としてプラス、マイナ
スの何れか一方に30度」としたので、2個の偏心重錘
を標準状態ならしめる操作が容易になる。その上、該2
個の偏心重錘の回転位相差を制御するための駆動機構の
所要ストロークが短くて足りる(約1/2)ようにな
る。
【0027】
【0028】
【0029】請求項6の発明の構成は前記請求項4,5
の発明の構成に加えて、前記回転中心軸と前記2個の偏
心重錘ブロックとによって1組の起振ユニットは構成さ
れるとともに、偶数組の起振ユニットが、それぞれの回
転中心軸を平行ならしめて配置されていて、上記偶数組
の起振ユニット中の各2組の起振ユニットが相互に歯車
を噛合せしめて、2個の偏心重錘のそれぞれ同志が同期
回転するようになっおり、歯車を介して強制的に同期回
転せしめられる2組の起振ユニットそれぞれの偏心重錘
同志の間で回転位相差を制御することによって偏心モー
メントが調節されるようになっていることを特徴とす
る。以上に説明した請求項の発明によると、極限的に
集約、単純化された、応答性、組立作業性の良い起振ユ
ニット相互の振動を干渉させて所望の方向の振動を相加
せしめるとともに不要な方向の振動を相殺せしめること
ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る起振機用偏心
重錘の支持方法を実施するために構成した偏心重錘の支
持構造を示し、第1の実施形態における分解斜視図であ
って、偏心重錘歯車軸の中心軸X−XをZ軸まわりに角
φだけ折り曲げるとともにその一部を破断して描いてあ
る。図2は、上掲の図1に示した第1の実施形態に係る
起振機用偏心重錘の支持構造の縦断面図である。以下、
図1および図2を参照しつつ該第1の実施形態について
詳細に説明する。固定偏心重錘歯車16と、その歯車ボ
ス19と、固定偏心重錘9とが一体に連設されて固定偏
心重錘ブロックを形成している。一方、可動偏心重錘歯
車17と、その歯車ボス19′と、可動偏心重錘17と
が一体に連設されて可動偏心重錘ブロックを形成してい
る。
【0031】後に詳述するように、図2に表されている
キー24や図1に表されているストッパ41といった付
属部材の有無を除いて、前記の固定偏心重錘ブロックと
可動偏心重錘ブロックとは同形,同寸に構成されてい
る。その寸法関係について更に詳細に説明すると、図1
に表されているように、歯車ボス19,19′は、長さ
寸法L,半径寸法rに構成されている。そして、前記の
固定偏心重錘9と可動偏心重錘10とは同形,同寸であ
って、共に、「長さ寸法2L,内径寸法2rの厚肉円筒
を縦割りにした形状」をなしている。ここに縦割りと
は、中心線を通る面によって切断された形状を言うが、
2等分ではなく、該円筒の1/2よりも少ない部分であ
る。すなわち、その横断面に表れる、扇形に類似する形
状の頂角θを、180度−30度=150度に設定され
ている。そして、前記の歯車ボス19は、その長さ寸法
をL,半径寸法をrに設定されている。すなわち、歯車
ボス19の外周をなす円柱面と、固定偏心重錘9の内周
をなす円柱面とは同一円柱面である。本実施形態におい
ては図2に表されているように、固定偏心重錘歯車16
と、歯車ボス19と、固定偏心重錘9とは相互に密着せ
しめられて一体に連設されている。図示を省略するが、
これらの部材を別体に構成した後に相互に密着せしめて
固着しても良い。以上に説明した固定偏心重錘ブロック
と同様に、可動偏心重錘10と可動偏心重錘歯車17と
歯車ボス19′とが一体に連設されて可動偏心重錘ブロ
ックを形成している。
【0032】図2に示すごとく、歯車ボス19と同1
9′とを近接,対向せしめて、回転中心軸である偏心重
錘歯車軸18に外嵌してある。本図2においては読図を
容易ならしめるため、歯車ボス19,19′相互のクリ
アランスを拡大して描いてあるが、実際には、摺動可能
に油膜を形成し得るクリアランスを与えて、ほとんど密
着させてある。この面に軸受合金の薄層を形成すること
もできる。前記の偏心重錘歯車軸はケース(図示せず)
に体してベアリング20を介して回転自在に支承されて
おり、固定偏心重錘ブロックの歯車ボス19は該偏心重
錘軸40に対してキー24により相対的回動不能に嵌着
されている。一方、可動偏心重錘ブロックの歯車ボス1
9′は上記偏心重錘歯車軸40に対して相対的回動自在
に嵌合され、嵌合面には軸受合金層(薄いので図には表
されていない)が形成されている。
【0033】軸受ボス19′が上述のごとく偏心重錘歯
車軸18に対して回動自在に嵌合されていても、図1か
ら理解されるように頂角θの固定偏心重錘9と頂角θの
可動偏心重錘10とは、相対的に、360度−2θだけ
しか回動できない。前記の頂角θは150度であるか
ら、360度−(150度×2)=60度だけ回動する
ことができる。これを詳しく考察すると、回転中心軸で
ある偏心重錘歯車軸18に関して双方の偏心重錘が対称
に位置した標準状態においては、当該回転系の偏心モー
メントがゼロになって、回転しても起振力を生じない。
そして前記可動偏心重錘10は固定偏心重錘9に対し
て、前記の標準状態を中心として進相方向(プラス方
向)もしくは遅相方向(マイナス方向)の何れか任意の
方向に30度ずつ回動することができる。説明の便宜
上、標準状態における双方の偏心重錘の位相関係を「位
相差ゼロ」とすると、位相差がゼロのとき偏心モーメン
トがゼロで起振力もゼロである。そして、プラス,マイ
ナス何れかに位相差が大きくなると偏心モーメントが増
加して起振力が増大し、位相差30度で最大起振力を発
揮する。
【0034】(図2参照)以上に説明した第1の実施形
態においては、偏心重錘とその支持部材である歯車ボ
ス、および該偏心重錘の回転駆動・位相制御部材である
歯車とが一体的に連設されて偏心重錘ブロックを形成し
ているので、主要構成部材が極限的に単純化され、1本
の回転中心軸と2個の偏心重錘ブロックとによって起振
ユニットが形成される。本図2に示した起振ユニット4
2を2組、平行に配設して歯車同志を噛合せしめると、
未公知の先願発明における図10においてケース1内に
配置された構成部分に対応し、運転を継続しつつ偏心モ
ーメントを増減調節して起振力を制御することができる
ことに関しては同様の機能を発揮する。ただし本発明の
実施形態(図2)においては偏心重錘とその支持,駆動
部材が一体的に連設されたブロック構造になっているの
で、(イ)未公知の先願発明(図10)に比して構成部
品点数が少なくて組立作業性が良く、(ロ)未公知の先
願発明(図10)における起振ユニットの幅寸法W1
比して本実施形態(図2)における起振ユニットの幅寸
法W2は格段に短縮されている。
【0035】図1について先に説明したように、図示の
角θを150度に設定することによって固定偏心重錘9
と可動偏心重錘との位相差が±30度に制限されている
が、本実施形態においてはさらにストッパ41を設けて
位相差を制限している。すなわち、図示の角ψを30度
に設定して、双方の偏心重錘が相対的に回動して標準状
態になったとき回動を係止するようになっている。これ
により、±30度であった位相差許容範囲が、0度〜+
30度、もしくは0度〜−30度となり、標準状態が回
動ストロークのエンドの片方となる。位相差が+30度
のときと−30度のときとを比較して偏心モーメントは
等しいから、位相差範囲をプラス方向もしくはマイナス
方向の何れか一方に制限しても起振力の制御機能は低下
しない。のみならず、双方の偏心重錘の位相差を減小さ
せる方向に操作したとき標準状態で係止され、標準状態
を通り越す虞れ無く起振力ゼロの状態を現出することが
できるので操作が容易である。しかも、位相差制御のた
めの操作角度ストロークが半減し、操作機構が小形軽量
のもので足りるようになる。
【0036】図3は本発明に係る起振機用偏心重錘の支
持構造における第2の実施形態を示し、前掲の第1の実
施形態における図2に対応する縦断面図であるが、偏心
重錘軸の組立工程図を兼ねるように描いてある。この第
2の実施形態(図3)が前記第1の実施形態(図2)に
比して異なるところは次の通りである。すなわち、固定
偏心重錘歯車16と固定偏心重錘歯車ボス19Aとは距
離Lだけ離間していて、その間に可動偏心重錘歯車ボス
19Bが嵌め合わされている。同様に、可動偏心重錘歯
車17と可動偏心重錘歯車ボス19Bとは距離Lだけ離
間していて、その間に固定偏心重錘歯車ボス19Aが嵌
め合わされている。この第2の実施形態(図3)の基本
的な作用は前記第1の実施形態(図2)とほぼ同様であ
るが、図3から容易に理解されるように、偏心重錘に作
用する遠心荷重が、歯車と歯車ボスとによって両持ち形
に支承されるので応力分布が比較的一様であり、著しい
応力集中を生じない。ただし、第2の実施形態(図3)
は第1の実施形態(図2)に比して組立性は若干劣り
(未公知の先願発明(図10)よりは優れている)、2
個の偏心重錘ブロックを図3のように組み合わせてから
偏心重錘軸40を矢印nのように挿通するという手順に
よらねばならない。
【0037】図11は本発明に係る起振機用偏心重錘の
支持構造における第3の実施形態を示し、前掲の第1の
実施形態を描いた図2に対応する断面図に、偏心重錘軸
の支持構造を付記した図である。この第3の実施形態
(図11)が前記第1の実施形態(図2)に比して異な
るところは次のとおりである。すなわち、偏心重錘軸4
0は起振機のケース1に対して、キー24を介して回転
不能に固定的に支持されており、偏心重錘ブロックは上
記偏心重錘軸に対してベアリング20を介して回転自在
に支承されている。本図11のように構成した場合も
「双方の偏心重錘ブロック同志の位相差の制御可能に、
双方の偏心重錘ブロックが一緒に回転する」という機能
は図2の場合と同様であり、「運転を継続しつつ起振力
を調節できる」という効果も同様であり、「ブロック構
造となっているためコンパクトに構成できる」という効
果も同様であるが、本図11(第3の実施形態)におい
ては偏心重錘軸40をケース1に対して回転自在に支承
する必要が無く、単に該偏心重錘軸40を所定の位置に
固定すれば足りるので、起振機ケースの外で組み立てた
起振ユニット43を該起振機ケース内に収納して設置す
るという工程に拠る場合、収納設置作業を容易に遂行す
ることができる。
【0038】以上に説明した第1の実施形態の起振ユニ
ット42(図2)であっても、第2の実施形態の起振ユ
ニット44(図3)であっても、第3の実施形態の起振
ユニット43(図11)であっても、同種の起振ユニッ
トの偶数組を設けて、その2組ずつを未公知の先願発明
(図10)におけると同様に配置して歯車相互を噛合さ
せることにより、該2組の起振ユニットの固定偏心重錘
同志を同期回転駆動するとともに可動偏心重錘同志を同
期回転駆動し、かつ、固定偏心重錘に対する可動偏心重
錘の位相差を制御することにより、運転を継続しつつ起
振力を増減調節することができる。しかも、図10に示
した未公知の先願発明に係る装置よりもコンパクトに構
成することができ、かつ、組立作業性が良い。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、1組の起振ユ
ニットが主として2個のブロックと1本の軸とによって
構成されるので構成部品点数が少なく、組立作業性が良
い。しかも各ブロックはそれぞれ歯車を備えていて、こ
の歯車を介して回転駆動することもでき、この歯車を介
して、運転を中断することなく継続しつつ回転位相を制
御することもできる。さらに、構成部品が1本の軸と2
個のブロックとに集約されているので全体をコンパクト
に構成することができ、装置の幅寸法(回転中心軸と平
行な方向の寸法)を短縮することができる。その上、固
定偏心重錘に対する可動偏心重錘の位相差変化範囲が、
標準状態を基準として±30度に制限される。これら2
つの偏心重錘は、起振力は零ならしめるために標準状態
(もしくはこれに近い状態)になることが必要条件であ
り、この標準状態を基準として(標準状態における位相
差を零として)位相差が大きくなるほど偏心モーメント
が大きくなり、これに伴って起振力が増加する。
【0040】
【0041】
【0042】請求項の発明によると、前記請求項
発明において±30度に制限されていた位相差変化範囲
を、さらに0〜30度、もしくは、−30度〜0に制限
する。位相差が+30度であっても−30度であっても
偏心モーメント量は同じであるから、上記のように位相
差変化範囲の制限を強化しても偏心モーメント量の変化
範囲(すなわち起振力の変化範囲)は同じであり、しか
も、回動ストロークの一方のエンドが標準状態(位相差
ゼロ・偏心モーメント量ゼロ・起振力ゼロ)であるから
起振力制御が容易である。
【0043】
【0044】
【0045】請求項の発明によると、偶数組の偏心重
錘ブロックを配置して所望の方向(例えば垂直方向)の
振動を相加せしめるとともに、不要の方向(例えば水平
方向)の振動を相殺せしめることができる。このように
振動を干渉させて起振性能を調整するという基礎的な技
術は公知であって前記の先願発明においても適用されて
いるが、さらに本請求項の構成を実施することによ
り、極限的に集約されて単純化されたブロック構成より
なるコンパクトな機械的機構によって前記の機能を実現
可能ならしめたところに技術的意義が有る。
【0046】請求項の発明によると「2個の偏心重錘
から成り、起振力に調節可能な起振ユニット」が、1本
の軸と2個のブロックとによって構成され、しかも上記
2個のブロックがほぼ同形同寸であるから生産性が良
い。その上、上記2個のブロックのそれぞれは偏心重錘
と歯車と歯車ボスとが一体的に連設されて極限的に集
約、単純化されているので、装置全体がコンパクトに構
成され、かつ、組立作業を迅速、容易に行い得る。その
上、1組の起振ユニットを構成している2個の偏心重錘
相互の回動可能角(すなわち回転位相差の許容範囲)
が、自動的に、標準状態を中心とした±30度に制限さ
れる。この角度が大きいほど最大偏心モーメントを大き
くすることができる代わりに、起振力制御の応答性が悪
くなり制御操作所要力が大きくなる。これを30度に規
制することにより、実用上の不具合を感じない最大起振
力と応答性とのバランスが得られ、しかも、制御操作の
所要力は比較的小さくて足りる。
【0047】
【0048】
【0049】請求項の発明によると、前記請求項
発明によって「標準状態を中心としてプラス、マイナス
両方に各30度ずつ」に制限されていた回動可能角度
(回転位相差調節可能範囲)を、さらに制限して「標準
状態を回動ストロークの一方の端としてプラス、マイナ
スの何れか一方に30度」としたので、2個の偏心状態
を標準状態ならしめる操作が容易になる。その上、該2
個の偏心重錘の回転位相差を制御するための駆動機構の
所要ストロークが短くて足りる(約1/2)ようにな
る。
【0050】
【0051】
【0052】請求項の発明によると、極限的に集約、
単純化された、応答性、組立作業性の良い起振ユニット
相互の振動を干渉させて所望の方向の振動を相加せしめ
るとともに不要な方向の振動を相殺せしめることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る起振機用偏心重錘の支持方法を実
施するために構成した偏心重錘の支持構造を示し、第1
の実施形態における分解斜視図であって、偏心重錘歯車
軸の中心軸X−XをZ軸まわりに角φだけ折り曲げると
ともにその一部を破断して描いてある。
【図2】上掲の図1に示した第1の実施形態に係る起振
機用偏心重錘の支持構造の縦断面図である。
【図3】本発明に係る起振機用偏心重錘の支持構造にお
ける第2の実施形態を示し、前掲の第1の実施形態にお
ける図2に対応する縦断面図であるが、偏心重錘軸の組
立工程図を兼ねるように描いてある。
【図4】振動装置を用いる杭打工事における地上波およ
び地中波の伝達を示す説明図である。
【図5】振動杭打工事における共振現象を説明するため
の、時間−回転速度を表わした図表である。
【図6】2個の偏心重錘の組み合わせによって起振力を
変化させる公知技術を説明するために示したものであっ
て、(A)は2個の偏心重錘が最大起振力を発生する状
態を示す模式図、(B)は起振力中程度である状態を表
す模式図、(C)は起振力がやや小さい状態を表す模式
図、(D)は起振力がゼロの状態を表す模式図である。
【図7】共通の回転軸に対して固定偏心重錘を固着する
とともに可動偏心重錘を上記共通の回転軸に対する相対
的な回動角位置を調節できるようにした機構の模式図で
ある。
【図8】上掲の図7に原理を示したように、共通の1軸
に対して固定偏心重錘と可動偏心重錘とを配設して起振
力を増減調節できるようにした起振機の従来例を示す斜
視図である。
【図9】前掲の図8に示した従来例の調節機構を備えた
起振機における回転軸と固定偏心重錘と可動偏心重錘と
の関係を説明するために示したもので、(A)は部分的
に切断して描いた外観斜視図であり、(B)は回転軸と
平行な方向に見たところを描いた模式図である。
【図10】先願の発明の起振力制御方法を実施するため
に構成した先願の発明に係る偏心重錘の起振力制御機構
の1実施形態を備えた起振機を示し、模式的に描いた水
平断面図である。
【図11】本発明に係る起振機用偏心重錘の支持構造に
おける第3の実施形態を示し、前掲の第1の実施形態を
描いた図2に対応する断面図に、偏心重錘軸の支持構造
を付記した図である。
【符号の説明】
1…起振機のケース、2,2A〜2D…回転軸、4,4
A〜4D…同期伝動用の伝動歯車、5…クレーンブー
ム、6…振動装置(起振機)、7…杭、8…民家、9,
9A,9B…固定偏心重錘、10,10A,10B…可
動偏心重錘、10a〜10c…可動偏心重錘の調整位
置、11…駆動用プーリ、12…メネジ穴、13…ノッ
クピン、14…セットボルト、15…六角レンチ、16
…固定偏心重錘歯車、17…可動偏心重錘歯車、18…
偏心重錘歯車軸、19…歯車ボス、19A…固定偏心重
錘歯車ボス、19B…可動偏心重錘歯車軸、20…ベア
リング、21…A系統回転軸、22…B系統回転軸、2
6…A系統固定偏心重錘、27…B系統可動偏心重錘、
28…B系統固定偏心重錘、29…A系統可動偏心重
錘、Ma…A系統駆動モータ、Mb…B系統駆動モー
タ、30…同期連結杆、31…B系統被動歯車、33…
同期連動杆、34…B系統駆動歯車、35…A系統駆動
プーリ、36…B系統被動プーリ、37…巻掛伝動手
段、38…A系統駆動プーリ、39…B系統駆動プー
リ、40…偏心重錘軸、41…ストッパ、42,43,
44…起振ユニット。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中心軸によって固定偏心重錘および
    可動偏心重錘のそれぞれを回転自在に、かつ、上記固定
    偏心重錘と可動偏心重錘との位相差の調節可能に支持す
    る方法において、 長さ寸法L、半径寸法rの、2個の歯車ボスを隣接せし
    めて、前記回転中心軸と同心に並べて配置するととも
    に、 上記の、並べて配置された2個の歯車ボスの両側に、そ
    れぞれ隣接せしめて計2個の歯車を配置し、 かつ、前記2個の歯車ボスの内の片方の歯車ボスの外周
    側に縦割り円筒形の固定偏心重錘を配置するとともに、
    前記2個の歯車ボスの内の他方の歯車ボスの外周側に縦
    割り円筒形の可動偏心重錘を配置し、 前記固定偏心重錘および可動偏心重錘は、長さ寸法を約
    2L、内径寸法を2r以上とし、かつ、中心線に垂直な
    面による断面形状に現れる扇形に相当する形状の頂角θ
    を、θ≒180度−30度………(1) に設定し、 前記2個の歯車ボスの内の片方と、これに隣接する固定
    偏心重錘と、該歯車ボスに隣接する歯車とを一体的に連
    設して固定偏心重錘ブロックを形成するとともに、 前記2個の歯車ボスの内の他方と、これに隣接する可動
    偏心重錘と、該歯車ボスに隣接する歯車とを一体的に連
    設して可動偏心重錘ブロックを形成し、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転中心軸に関し
    て対称に位置した標準状態に比して、相対的に約30度
    ずつ進相、遅相し得るようにすること を特徴とする、起
    振機用偏心重錘の支持方法。
  2. 【請求項2】 前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との相
    対的な回転を制限するストッパを設けて、これら双方の
    偏心重錘が、前記の標準状態を回転ストロークの一方の
    エンドとして、相対的に約30度だけ回動可能ならしめ
    ることを特徴とする、請求項1に記載した起振機用偏心
    重錘の支持方法。
  3. 【請求項3】 前記の回転中心軸と、固定偏心重錘ブロ
    ックと、可動偏心 ブロックとによって起振ユニットを形
    成するとともに、 上記の起振ユニットの偶数組を配列し、 上記偶数組の起振ユニット中の各2組の起振ユニットに
    ついて、固定偏心重錘同志と可動偏心重錘同志とを、そ
    れぞれの偏心重錘に一体的に連設されている歯車を介し
    て同期回転させること を特徴とする、請求項1、または
    請求項2に記載した起振機用偏心重錘の支持方法。
  4. 【請求項4】 ほぼ同一形状、同一寸法の2個の偏心重
    錘ブロックより成り、かつ、それぞれの偏心重錘ブロッ
    クは、 (a)長さ寸法L,半径寸法rの歯車ボスを有する歯車
    と、 (b)長さ寸法2L,内径寸法2rの円筒を縦割りにし
    た形状の偏心重錘とより成り、前記偏心重錘は、内径寸法2rの凹円柱面を、歯車ボス
    の半径寸法rの凸円柱面に密着せしめて一体に連設さ
    れ、もしくは、当接せしめて一体的に固着されていて、 前記2個の偏心重錘ブロックが、それぞれの歯車ボスの
    端面同志を近接、対向せしめて共通の回転中心軸に外嵌
    された1組の起振ユニットを構成しており、 かつ、前記の、円筒を縦割りにした形状の偏心重錘は、
    その横断面に現れる扇形に相当する形状の頂角がθが、 θ≒180度−30度………(1) に設定されていて、2個の偏心重錘が回転中心軸に関し
    て対称に位置する状態を標準状態として、この標準状態
    に比して上記2個の偏心重錘が相対的に、位相差を±3
    0度変化できるようになっていること を特徴とする、起
    振機用偏心重錘の支持構造。
  5. 【請求項5】 前記2個の偏心重錘の相対的な回動を制
    限するストッパ手段が設けられていて、該2個の偏心重
    錘相互の回転位相差が、前記の標準状態からプラス、マ
    イナス何れか一方向に対してのみ、約30度以内で変化
    し得るように規制されていることを特徴とする、請求項
    4に記載した起振機用偏心重錘の支持構造。
  6. 【請求項6】 前記回転中心軸と前記2個の偏心重錘ブ
    ロックとによって 1組の起振ユニットが構成されるとと
    もに、 偶数組の起振ユニットが、それぞれの回転中心軸を並行
    ならしめて配置されていて、 上記偶数組の起振ユニット中の各2組の起振ユニットが
    相互に歯車を噛合せしめて、2個の偏心重錘のそれぞれ
    同志が同期回転するようになっており、 歯車を介して強制的に同期回転せしめられる2組の起振
    ユニットそれぞれの偏心重錘同志の間で回転位相差を制
    御することによって偏心モーメントが調節されるように
    なっていることを特徴とする、請求項4または請求項5
    に記載した起振機用偏心重錘の支持構造。
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