JP2680728B2 - スクロール型流体機械及びその組立方法 - Google Patents

スクロール型流体機械及びその組立方法

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JP2680728B2 JP23404790A JP23404790A JP2680728B2 JP 2680728 B2 JP2680728 B2 JP 2680728B2 JP 23404790 A JP23404790 A JP 23404790A JP 23404790 A JP23404790 A JP 23404790A JP 2680728 B2 JP2680728 B2 JP 2680728B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は圧縮機又は膨張機等として使用されるスクロ
ール型流体機械及びその組立方法に関する。
(従来の技術) この種スクロール型流体機械の組立方法が特開昭59−
224490号公報によって開示された。
この組立方法は (1)カップ状ケーシングとこの一端開口を閉塞するフ
ロントケースとをこれらに穿設された複数のボルト穴に
各々ボルトを螺入することによって仮止めし、 (2)固定スクロールと旋回スクロールとを互いに噛歯
合せることによってこれらのうず巻状ラップが接触する
複数の接触点を結ぶ線から回転軸の回転方向と反対方向
に略90゜ずれた位置に対向するように固定スクロール及
び旋回スクロールにそれぞれ穿設された位置決め孔を一
致させてカップ状ケーシングの底より位置決め棒をこれ
ら位置決め孔に挿入し、 (3)フロントケースを回転軸の回転方向と反対方向に
移動が停止するまで回転させ、 (4)カップ状ケーシングとフロントケースをボルトに
よって完全に締結し、 (5)位置決め棒を抜き取る。
の手順によって固定スクロールと旋回スクロールとの噛
み合い角度を設定している。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の組立方法においては、カップ状ケーシング
の底に位置決め棒を貫通させるための貫通穴を穿設する
必要があるとともにカップ状ケーシングとフロントケー
スとによって構成されるハウジングの内部のガスがその
外部に漏洩するのを阻止するために上記貫通穴を貫通さ
せたボルトを固定スクロールに穿設された位置決め孔の
1部に螺合するとともにこのボルトと貫通穴の隙間をシ
ールリング等でシールする必要があるため、部品点数及
び加工工数、組立工数が多く、コストが嵩むと言う問題
があった。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記課題を解決するために発明されたもので
あって、第1の発明の要旨とするところは、カップ状ケ
ーシングの一端開口をフロントケースで閉塞してなるハ
ウジング内にそれぞれ端板の内面にうず巻状ラップを立
設してなる固定スクロールと旋回スクロールとを所定の
角度ずれをもって互いに噛み合せて収納し、上記固定ス
クロールを上記カップ状ケーシングに固定するとともに
上記旋回スクロールを自転阻止機構によって自転を阻止
しながら旋回駆動機構によって公転旋回駆動するスクロ
ール型流体機械において、上記固定スクロール及び上記
カップ状ケーシングにそれぞれ位置決め治具に係合する
位置決め部を設けたことを特徴とするスクロール型流体
機械にある。
第2の発明の要旨とするところは、固定スクロールの
位置決め部及びカップ状ケーシングの位置決め部を位置
決め治具に係合することによりカップ状ケーシングに対
する固定スクロールの位置決めを行った後、固定スクロ
ールとカップ状ケーシングとを固定することを特徴とす
る請求項(1)記載のスクロール型流体機械の組立方法
にある。
(作用) 本発明においては、上記構成を具えているため、固定
スクロールの位置決め部及びカープ状ケーシングの位置
決め部を位置決め治具に係合することによりカップ状ケ
ーシングに対する固定スクロールの位置決めを行った
後、固定スクロールとカップ状ケーシングとを固定す
る。
(実施例) 本発明の1実施例が第1図及び第5図に示されてい
る。
第5図にはスクロール型流体機械の縦断面が示され、
第5図において、1はハウジングで、カップ状ケーシン
グ2と、この一端開口を閉塞しボルト3によってこれに
締結されたフロントケース4と、これにボルト5によっ
て締結されたフロントカバー6とからなる。フロントカ
バー6の貫通する回転軸7はベアリング8及び9を介し
てハウジング1に回転自在に支持されている。
ハウジング1の内部には固定スクロール10及び旋回ス
クロール14が配設されている。
固定スクロール10は端板11とその内面に立設されたう
ず巻状ラップ12とを備えている。この端板11の外周面を
カップ状ケーシング2の内周面にシールリング35を介し
て密着させてハウジング1の内部を仕切ることによって
端板11の外側に吐出キャビティ31が限界され、内側に吸
入室32が限界されている。そして、カップ状ケーシング
の2の底2aに穿設された複数のボルト穴33をそれぞれ貫
通するボルト13の先端を基板11に穿設されたねじ孔34に
螺入して締結することによって固定スクロール10はカッ
プ状ケーシング2に固定されている。
旋回スクロール14は端板15とその内面に立設されたう
ず巻ラップ16を備え、このうず巻状ラップ16は上記うず
巻状ラップ12と実質的に同一の形状を有している。
旋回スクロール14と固定スクロール10とは相互に所定
の距離だけ偏心させ、且つ、180゜だけ角度をずらせて
図示のように噛み合わされ、うず巻状ラップ12の先端面
に埋設されたチップシール17は端板15の内面に密接し、
うず巻状ラップ16の先端面に埋設されたチップシール18
は端板11の内面に密接し、うず巻状ラップ12と16の側面
は互いに複数個所で線接触する。このようにして、うず
巻の中心に対してほぼ点対称をなす複数の密閉小室19
a、19bが限界されている。
端板15の外面中央部に突設された円筒状のボス20の内
部にはブッシュ21が旋回軸受23を介して回転自在に嵌装
され、このブッシュ21に穿設された偏心孔24内には回転
軸7の内端に突設された偏心ピン25が回転自在に嵌合さ
れている。そして、このブッシュ21にはバランスウェイ
ト27が固定されている。
端板15の外面の外周縁とフロントケース4の端面との
間にはスラスト受け部材36及びオルダムリンク等の自転
阻止機構26が介装されている。
しかして、回転軸7を回転させると、偏心ピン25、ブ
ッシュ21、旋回軸受23、ボス20等からなる旋回駆動機構
を介して旋回スクロール14が駆動され、旋回スクロール
14は自転阻止機構26によってその自転を阻止されながら
公転旋回運動する。
旋回スクロール14の公転旋回運動によってうず巻状ラ
ップ12と16との線接触部が次第にうず巻の中心に向かっ
て移動し、この結果、密閉小室19a、19bがその容積を減
じながらうず巻の中心に向かって移動する。
すると、ガスが図示しない吸入口を通って吸入室32に
吸入され、うず巻状ラップ12と16との外終端開口部から
密閉小室19a、19b内に取り込まれて圧縮されながら中心
室22に至り、ここから固定スクロール10の端板11に穿設
された吐出ポート29を通り吐出弁30を押し開いて吐出キ
ャビティ31へ吐出され、更に、図示しない吐出口を経て
ハウジング1の外部に吐出される。
固定スクロール10の端板11の内面の外周縁には少なく
とも1ケの軸方向に伸びる位置決め孔52が穿設され、ま
た、カップ状ケーシング2の開口端側のフランジ2bには
少なくとも1ケの軸方向に伸びる位置決め穴53が穿設さ
れている。
次いで、この流体機械の組み立て方法について第1図
を参照しながら説明する。
カップ状ケーシング2の内部に固定スクロール10を嵌
合し、次いで、位置決め治具51の先端をカップ状ケーシ
ング2の内部に嵌挿することによって治具51に設けたピ
ン60を位置決め孔52内に挿入するとともにピン61を位置
決め穴53内に挿入する。かくして、カップ状ケーシング
2と固定スクロール10は治具51を介して正規の相対角度
に位置決めされる。
次いで、複数のボルト13をボルト穴33を貫通させてそ
の先端をねじ孔34に螺入することによってカップ状ケー
シング2と固定スクロール10とは互いに固定される。
他方、フロントケースにフロントカバー6、旋回スク
ロール14、旋回駆動機構7、8、9、21、23、24や自転
阻止機構26、スラスト受け部材36等を組み込むことによ
って旋回スクロール14とフロントケース4は正規の相対
角度に組み立てられる。
このフロントケース4のフランジ4aの端面に設けた位
置決め穴65をカップ状ケーシング2の位置決め穴53と整
合させることによりこれらを正規の相対角度に調整した
後、ボルト3によってフロントケース4とカップ状ケー
シング2とを固定する。
かくして、固定スクロール10はカップ状ケーシング2
に正規の相対角度に固定され、旋回スクロール14はフロ
ントケース4に正規の相対角度に組み込まれているの
で、カップ状ケーシング2とフロントケース4とを正規
の相対角度に固定することによって固定スクロール10と
旋回スクロール14は所定の180゜の角度ずれをもって噛
合せしめられている。
上記第1の実施例においては、位置決め孔52にピン60
を挿入することによって位置決めしているが、第2図及
び第3図に示すように、固定スクロール10の端板11の内
面の外周縁に径方向に伸びる位置決めスリット54を穿設
し、この位置決めスリット54にピン60を嵌合することに
よって固定スクロール10と位置決め治具51とを正規の相
対角度に位置決めすることもできる。
また、第4図に示すように、位置決め治具51に位置決
め孔63、64を穿設し、固定スクロール10の端板11に設け
た位置決め孔52と治具の位置決め孔63に跨るように位置
決めピン55を挿入し、かつ、カップ状ケーシング2のフ
ランジ2bに設けた位置決め穴53と治具51の位置決め孔64
に跨るように位置決めピン56を挿入することによって固
定スクロール10とカップ状ケーシング2との相対角度を
位置決めすることができる。
なお、図示しないが位置決め孔52は固定スクロール10
のうず巻状ラップ12の先端面に設けることができ、ま
た、位置決め穴53に代えて、カップ状ケーシング2の内
周面にスリットや突条等を設けることもできる。
また、上記実施例においては、オルダムリンクからな
る自転阻止機構26を備えているが、他の形式、構造の自
動阻止機構を用いることもできる。
(発明の効果) 本発明においては、固定スクロール及び上記カップ状
ケーシングにそれぞれ位置決め部を設け、これらの位置
決め部を位置決め治具に係合することによりカップ状ケ
ーシングに対する固定スクロールの位置決めを行った
後、固定スクロールとカップ状ケーシングとを固定する
ため、固定スクロールと旋回スクロールとを所定の相対
角度で噛合させた状態でスクロール型流体機械を容易、
かつ、迅速に組み立てることができる。
また、従来のものと異なり、位置決め棒挿入用の貫通
穴をカップ状ケーシングに穿設する必要がなく、また、
この穴を閉塞するボルトやシールリングを要しないの
で、部品点数、加工工数、組立工数が少なくなりコスト
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の組立方法の1実施例を示す部分的縦面
図、第2図及び第3図は本発明の組立方法の第2の実施
例を示し、第2図は部分的縦断面図、第3図は部分的下
面図である。第4図は本発明の組立方法の第3の実施例
を示す部分的縦断面図である。第5図は本発明によるス
クロール型流体機械の縦断面図である。 カップ状ケーシング……2、フロントケース……4、ハ
ウジング……1、固定スクロール……10、端板……11、
ラップ……12、旋回スクロール……14、端板……15、ラ
ップ……16、自転阻止機構……26、旋回駆動機構……
7、25、21、23、位置決め部……52、53、位置決め治具
……51
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−186001(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カップ状ケーシングの一端開口をフロント
    ケースで閉塞してなるハウジング内にそれぞれ端板の内
    面にうず巻状ラップを立設してなる固定スクロールと旋
    回スクロールとを所定の角度ずれをもって互いに噛み合
    せて収納し、上記固定スクロールを上記カップ状ケーシ
    ングに固定するとともに上記旋回スクロールを自転阻止
    機構によって自転を阻止しながら旋回駆動機構によって
    公転旋回駆動するスクロール型流体機械において、上記
    固定スクロール及び上記カップ状ケーシングにそれぞれ
    位置決め治具に係合する位置決め部を設けたことを特徴
    とするスクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】固定スクロールの位置決め部及びカップ状
    ケーシングの位置決め部を位置決め治具に係合すること
    によりカップ状ケーシングに対する固定スクロールの位
    置決めを行った後、固定スクロールとカップ状ケーシン
    グとを固定することを特徴とする請求項(1)記載のス
    クロール型流体機械の組立方法。
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