JP2680014B2 - 磁性メモリ装置 - Google Patents

磁性メモリ装置

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JP2680014B2 JP63015942A JP1594288A JP2680014B2 JP 2680014 B2 JP2680014 B2 JP 2680014B2 JP 63015942 A JP63015942 A JP 63015942A JP 1594288 A JP1594288 A JP 1594288A JP 2680014 B2 JP2680014 B2 JP 2680014B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁性メモリ装置に係り、特に微小磁区を情
報単位とする高密度メモリの読み出しに好適な磁性メモ
リ装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の磁区情報読取り装置としては、磁気ディスク用
の磁気ヘッドや光磁気記録用の光ヘッドが知られてい
る。磁気ヘッドは媒体からの漏洩磁界の空間的、時間的
変化を利用して、これを鎖交するコイルに生ずる起電力
によって情報の有無を読み取るものである。(アイ・イ
ー・イー・イー,トランザクション オン マグネチッ
クス,エム エー ジー20(1984)第657頁〜第662頁;I
EEE,Trans.Magnetics,MAG 20(1984)pp657〜662)。ま
た光ヘッドはレーザ光を媒体に照射し、磁区の有無によ
って反射レーザ光の偏波面が変わることを利用して情報
の有無を識別するものである(アイ・イー・イー・イ
ー,トランザクション オンマグネチックス,エム エ
ー ジー20(1984)第1033頁〜第1035頁;IEEE,Trans.Ma
gnetics,MAG 20(1984)pp1033〜1035)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のうち、磁気ヘッドは現在線密度〜0.5μ
m、トラック密度〜20μmの磁区情報(記録密度〜10Mb
/cm2)の記録再生に供されているが、さらに高密度化を
実現するためにはヘッドと媒体との空隙(スペーシン
グ)を低減する必要がある。今後スペーシングを〜0.1
μmとする技術が確立しても読み出し、書き込み感度か
ら、記録密度〜100Mb/cm2が限界であろうといわれてい
る。
一方、光磁気記録においては現在ビット径0.8μm、
ビット周期1.6μm、記録密度〜40Mb/cm2の技術水準で
開発が進められている。さらに高密度化を実現するた
め、短波長(〜0.6μm)半導体レーザの研究も進めら
れている。但し書き込みに関しては現在でも0.2〜0.3μ
m径の磁区をレーザで記録できる。すなわちレーザ光の
エネルギー分布がガウス状であることを利用し、光スポ
ットの中心部のみが書き込みに必要なエネルギーとなる
よう出力調整する方法を用いる。この他直径0.5μm以
下の微小磁区を書き込む手段としては、収束電子線、イ
オン線などの照射による熱磁気書き込みがある。しか
し、これらの手法で書き込まれた微小磁区(特に0.5μ
m以下の磁区)は磁気ヘッドや光ヘッドではとうてい読
み出すことができないという問題があった。
本発明の目的は、磁性メモリにおける微小磁区を効率
よく検知することのできる超高密度な磁性メモリ装置を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の磁性メモリ装置
は、所望の情報が記録された磁気記録媒体を載置する手
段と、磁気記録媒体に対向し、微小間隙を置いて配置さ
れ、磁性体で構成された探針と、この探針を磁気記録媒
体上の所望の位置に相対的に移動せしめる手段と、磁気
記録媒体に書き込まれた情報による探針の位置の変化又
は探針が受ける力の変化を検出する手段とからなるよう
にしたものである。
上記探針の位置の変化又は上記探針が受ける力の変化
を検出するために好ましい一例は、上記探針を片持ちレ
バーの自由端に取り付けた構造である。また検出手段と
しては、探針の上下動を光ヘテロダイン方式又は可変容
量方式の検知器で読み取るものである。例えば、片持ち
レバーに照射したレーザプローブによって又は上下動部
を部品として組み込んだ可変容量器によって、片持ちレ
バーの上下動を検出することができる。なお、レーザプ
ローブによる読み取りの原理は、アプライド フィジカ
ル レター 第50巻(20号)(1987)第1455頁〜第1457
頁(Appl.Phys.Lett.50(20)(1987)pp1455〜1457)
に記載されている。
本発明の磁性メモリ装置に用いる磁性メモリ媒体は、
例えば従来から光磁気記録に用いられている記録媒体
(磁性ディスク)をそのまま用いることができる。記録
媒体としては、高密度化に適した垂直磁化膜が好適であ
るが、面内磁化膜であってもよい。磁性ディスクへの情
報の書き込みは、前述の通りレーザ光でも可能である
が、電子線、イオン線等の粒子線も用いられる。電子ビ
ームによる書き込みは、例えば0.1μm厚のTbFeCo膜
(キュリー温度約200℃)に、加速電圧30kV、電流密度3
00A/cm2、ビームサイズ0.12μmで行なったとき、1μs
ec後には膜の温度は約100℃程度上昇し、十分熱磁気書
き込みが可能である。
〔作用〕
本発明による微小磁区情報の読み出しは、磁性メモリ
媒体のメモリ領域の任意の部分上に磁性体で構成された
探針が移動し、この探針の振動モードによって情報の判
明を行なう。すなわち、媒体中の磁区からは漏洩磁界が
発生しているが、その極性は磁区情報の有る場所と無い
場所とで逆転している。従って磁性体で構成された探針
の媒体側の極性と漏洩磁界の極性が同極ならば磁性体は
反発され、異極ならば吸引される。媒体を回転すると磁
区情報の有無に応じた漏洩磁界の極性が時間変化するた
め、探針が吸引・反発をくり返し、上下動する。この上
下動をヘテロダイン方式のレーザプローブ、もしくは可
変容量方式等によって検出することにより磁区情報の有
無を読み出すことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
実施例1 第1図(a)は、本発明の一実施例の読み出し機構の
概略を図示したものである。磁性メモリディスク1は、
光磁気記録用材料として知られているTbFeCo(膜厚1200
Å)を記録膜として有し、電流密度300A/cm2の電界放射
モードの収束電子線照射によって熱磁気書き込みされた
直径0.1μの微小磁区2が記録膜に存在する。探針4に
はCoPt棒を曲率半径〜0.1μmに電界研摩したものを用
いた。移動機構7により探針4を5 1/4インチの磁性メ
モリディスク1上の所定の位置に移動すると同様にビー
ム偏光器9を駆動して片持ちレバー5におけるレーザ光
11の照射位置を定める。探針4は磁性メモリディスク1
上に0.2μmまで接近している。磁性メモリディスク1
は、回転機構3により2400rpmの回転に達する。探針4
は、磁性コイル6によって磁化されるため、情報の列に
応じた上下動を行なう。この上下動は集光レンズ8を通
してスーパーヘテロダイン方式に組まれたレーザプロー
ブ10によって検出される。この検出信号は、回転機構
3、移動機構7へフィードバックされ、次の読み出し位
置への移動速度等を自動制御する。
第1図(b)は磁区情報として情報“1"が書き込まれ
ている場合の探針周辺の拡大図である。探針の先端が負
極に着磁されているため、斜線部の反転磁化からの漏洩
磁界により反撥し、探針4は上に押し上げられるような
力を受ける。逆に第1図(c)は情報“0"の場合であ
る。媒体からの漏洩磁界は正の方向であるため負極の探
針4を吸引する。第1図(b),(c)の状態がディス
クの回転に伴って交互にくり返されるため、片持レバー
は振動し、その振動はレーザプローブによって検出さ
れ、読み出しが実現する。本実施例により、磁区幅0.1
μm、周期0.2μm、記憶密度2.5Gb/cm2の超高密度磁性
メモリの情報読み出しを行なうことができた。
実施例2 第2図(a)は、実施例1と同じ磁性メモリディスク
1上に、レーザ光線のスポット中央部(出力5mW)で光
磁気書き込みをされた直径0.2μmの微小磁区2を可変
容量方式で検出する機構の概略を示したものである。実
施例1と同様に探針4は、情報の“1",“0"に対応する
漏洩磁界の極性の変化によって上下振動を生じる。この
探針4に対する吸引もしくは反発力によって可変容量器
12の容量がΔCだけ変化する。ここでは12として電気機
械結合係数の大きい圧電素子であるLi2B4O7(リチウム
ボレイト;ほう酸リチウム)を用いている。この可変容
量器12の容量差ΔCは共振回路136の一部として組み込
まれているため、探針4の吸引時と反発時とで共振ずれ
を生じる。その結果、検出器13cの電圧に差が生じて情
報の有無の識別を電気信号として捕えることができる。
本検出方式により磁区径0.2μm、ビット周期0.5μ
m、記憶密度400Mb/cm2の情報読出しを実現した。
なお、記録膜として、収束イオン線で熱磁気書き込み
を行なったTbGdFeCo膜(膜厚1500Å)を有する磁性メモ
リディスクを用いた実験においても磁区径0.4μm、ビ
ット周期0.8μm、記録密度156Mb/cm2の高密度磁気記録
情報の読み出しを実現した。
〔発明の効果〕
本発明によれば、探針を十分に小さくできるので、cm
2あたりギガビット級の高密度磁性メモリの読み出しが
できる。本発明のさらに別の特徴は、原理的に磁性体か
らの漏洩磁界を測定するため、媒体が金属であろうと酸
化物であろうと問題はないことである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の概略図とその部分拡大
図、第2図は、本発明の他の実施例の概略図とその検出
機構の説明図である。 1…磁性メモリディスク 2…微小磁区、3…回転機構 4…探針、5…片持ちレバー 6…励磁コイル、7…移動機構 8…集光レンズ、9…ビーム偏光器 10…レーザプローブ、10a…レーザ光源 10b…ブラッグセル、10c…光検出器 10d,10g…ハーフミラー 10e,10f…ミラー、11…レーザ光 12…可変容量器、13…検出回路 13a…発振器、13b…共振器 13c…検出器、14…制御回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望の情報が記録された磁気記録媒体を載
    置する手段と、該磁気記録媒体に対向し、微小間隙を置
    いて配置され、磁性体で構成された探針と、該探針を上
    記磁気記録媒体上の所望の位置に相対的に移動せしめる
    手段と、上記磁気記録媒体に書き込まれた情報に基づく
    上記探針の位置の変化又は上記探針が受ける力の変化を
    検出する手段とを有することを特徴とする磁性メモリ装
    置。
  2. 【請求項2】上記探針は、片持ちレバーの自由端に取り
    付けられ、上記検出手段は、上記片持ちレバーの移動を
    光によって検出する手段である特許請求の範囲第1項記
    載の磁性メモリ装置。
  3. 【請求項3】上記探針は、片持ちレバーの自由端に取り
    付けられ、上記検出手段は、上記片持ちレバーの移動を
    可変容量器により検出する手段である特許請求の範囲第
    1項記載の磁性メモリ装置。
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