JP2679888B2 - 商品販売データ処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、単体の電子式キャッシ
ュレジスタやＰＯＳ（販売時点情報管理）システム等の
商品販売データ処理装置に係わり、特に小切手による商
品の代金支払いを処理できるものの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、小切手による取引を許可する店舗
向けとして、キーボードに締めキーの１種として小切手
キーを設け、商品販売データの売上登録後に上記小切手
キーがキー入力されると、その取引で買い上げられた商
品の代金支払いが小切手で行われたものとしてレシート
発行等を行うようにしたＰＯＳ端末機がある。このＰＯ
Ｓ端末機を用いれば、小切手による代金支払いも現金の
場合と同様に処理され、売上げ管理されるので大変好都
合である。

【０００３】ところで、小切手による取引を許可する店
舗では、客が小切手で代金を支払うことを要求した場
合、すでに無効扱いになっている小切手は後で換金でき
ないので、客から預かった小切手の有効性を確認するこ
とが重要な作業となる。

【０００４】従来、この種の確認作業は、予め無効扱い
する小切手の小切手番号一覧表を作成し、ＰＯＳ端末機
の操作者、いわゆるキャッシャが客から小切手による支
払い要求を受ける毎にその客から預かった小切手に印刷
されている小切手番号を上記小切手番号一覧表に照し合
わせて確認するものであった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来は小
切手の有効性判定を人的手段に頼っていた。このため、
無効扱いする小切手の情報が提供されてもそれを即時に
キャッシャに通知するのは困難であり、無効小切手を受
取ってしまうことがあった。また、判定に要する手間が
煩雑であるうえ時間を要し、能率が悪かった。

【０００６】そこで本発明は、商品の代金支払いに用い
られる小切手の有効性判定を自動的に行うことができ、
支払い業務の能率向上をはかり得るとともに、無効扱い
する小切手の情報の即応性に優れ無効小切手を受取って
しまうおそれを低減できる商品販売データ処理装置を提
供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、小切手キーを
有し、商品販売データの売上登録後に小切手キーがキー
入力されると、代金支払いが小切手で行われたものとし
て締め処理する商品販売データ処理装置において、小切
手に予め印刷されている小切手番号を読取る番号読取り
部と、無効扱いする小切手の小切手番号を蓄積保持する
小切手番号ファイルと、商品販売データの売上登録後に
小切手キーがキー入力されると、番号読取り部により読
取った小切手番号で小切手番号ファイルを検索する小切
手番号検索手段と、この検索手段により小切手ファイル
から同一の小切手番号を検出したならば小切手が無効で
あることを報知する小切手無効報知手段とを備えたもの
である。

【０００８】そして、小切手番号検索手段により小切手
ファイルから同一の小切手番号を検出した場合に、小切
手に無効の情報を印刷する小切手無効印刷手段を設ける
ことが望ましい。

【０００９】

【作用】このような構成の本発明においては、無効扱い
する小切手の小切手番号が小切手番号ファイルに蓄積保
持されている。そして、商品の代金支払いに用いられる
小切手の小切手番号が番号読取り部によって読み取られ
ると、その小切手の小切手番号で上記小切手番号ファイ
ルが検索され、同一の小切手番号が検出されると、その
小切手が無効であることが報知される。従って、キャッ
シャは客から預かった小切手の小切手番号を番号読取り
部で読取らせるだけで、その小切手の有効性を確認でき
る。また、無効判定された小切手には無効の情報が印刷
される。これにより、その小切手が他の店等で使用され
る不正を防止できる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明をＰＯＳシステムに適用した一
実施例について、図面を参照しながら説明する。

【００１１】なお、この実施例では小切手１として図１
０に示すフォーマットのものを使用する場合について述
べる。すなわち、小切手１の表面には予め取引銀行名等
とともに、小切手発行番号２ａ、銀行番号２ｂ、口座番
号２ｃからなる小切手番号２が磁気インクによって印刷
されている。また、磁気インクによる取引金額印字エリ
ア３、通常のインクによる取引金額印字エリア４、金
額，受取人名，店名，日付等の取引情報印字エリア４、
及び小切手利用者の署名エリア５等が確保されている。

【００１２】図１は本実施例であるＰＯＳシステムの全
体図であって、ホストコンピュータ等からなる１台のス
トアプロセッサ１と、電子式キャッシュレジスタからな
る複数台のＰＯＳ端末機１２とが、ＨＤＬＣ（ハイレベ
ル・データ・リンク・コントロール）回線等の伝送路１
３を介してインラインで接続されている。

【００１３】上記ストアプロセッサ１１には、大容量記
憶装置としてのハードディスク装置１４、このハードデ
ィスク装置１４に対するデータの登録や削除等を行うた
めのキーボード１５、このキーボード１５からの入力デ
ータ等を表示するＣＲＴディスプレイ１６等が接続され
ている。

【００１４】ここで、上記ハードディスク装置１４に
は、図２に示すように前記小切手発行番号２ａ、銀行番
号２ｂ及び口座番号２ｃからなる小切手番号２を蓄積保
持するための小切手番号ファイル２０が形成されてい
る。

【００１５】また前記各ＰＯＳ端末機１２には、前記小
切手１に磁気インクで印刷されている小切手番号を読取
る機能と、該小切手１の各取引金額印字エリア３，４に
磁気インク及び通常のインクで取引金額を印刷する機能
とを備えた小切手リーダライタ１７がそれぞれ接続され
ている。

【００１６】図３は前記ＰＯＳ端末機１２の制御ブロッ
ク図である。図中３１は制御部本体を構成するＣＰＵ
（中央処理装置）であって、このＣＰＵ３１に、バスラ
イン３２を介して、上記ＣＰＵ３１が各部を制御するた
めのプログラムデータ等が予め格納されたＲＯＭ（リー
ド・オンリ・メモリ）３３、商品販売データを売上登録
するための各種メモリエリア等が形成されるＲＡＭ（ラ
ンダム・アクセス・メモリ）３４、現在の日時を計時す
る時計回路３５、「登録」「点検」「精算」「設定」等
の各種業務モードを選択するためのモードスイッチ３６
の信号が入力されるとともに、現金等を収納するための
ドロワ３７に開放駆動信号を出力するＩ／Ｏポート３
８、前記伝送路１３を介して前記ストアプロセッサ１１
との間で行われるデータの送受信を制御する通信インタ
フェース３９、商品販売データ等を入力するためのキー
ボード４０からキー信号を入力するキーボードコントロ
ーラ４１、販売金額，合計金額等を表示するための表示
器４２を駆動制御する表示器コントローラ４３、レシー
ト等に印字を行うプリンタ４４を駆動制御するプリンタ
コントローラ４５、前記小切手リーダライタ１７とデー
タを授受する伝送コントローラ４６等が接続されてい
る。

【００１７】ここで、上記キーボード４０には、図４に
示すように、商品の販売金額等を置数するための置数キ
ーＫ１のほか、各商品を分類する部門コードを入力する
ための部門キーＫ２、小計額の出力を指示するための小
計キーＫ３、現金による商品の代金支払いを指示する現
計キーＫ４、小切手による商品の代金支払いを指示する
小切手キーＫ５、置数クリアやエラー解除を指示するた
めのクリアキーＫ６等の各種ファンクションキーが配設
されている。

【００１８】図５は前記小切手リーダライタ１７の制御
ブロック図で、制御部本体を構成するＣＰＵ５１に、バ
スライン５２を介して、上記ＣＰＵ５１が各部を制御す
るためのプログラムデータ等が予め格納されたＲＯＭ５
３、読み取った小切手番号や小切手に印刷する金額情報
等を一時記憶するためのメモリエリアが形成されるＲＡ
Ｍ５４、前記ＰＯＳ端末機１２とデータを授受する伝送
コントローラ５５及びＩ／Ｏポート５６が接続されてい
る。

【００１９】上記Ｉ／Ｏポート５６には、前記小切手１
に磁気インクで印刷されている小切手番号を読取るため
の番号読取り部としての磁気情報読取ヘッド５７、上記
小切手１の金額印字エリア３に磁気インクで金額情報を
印刷するための磁気インクプリンタ５８、上記小切手１
の金額印字エリア４に通常のインクで金額情報を印刷す
るためのドットプリンタ５８がそれぞれ接続されてい
る。

【００２０】しかして、各ＰＯＳ端末機１２のＣＰＵ３
１はモードスイッチ３６により「登録」モードが選択さ
れている状態で前記キーボード４０の小切手キーＫ５が
キー入力されると、図６に示す処理を実行するようにプ
ログラム設定されている。

【００２１】すなわち、当該小切手キーＫ５が入力され
る前に１取引の商品販売データの売上登録が行われてい
ることを確認すると、小切手リーダライタ１７の磁気情
報読取ヘッド５７により読取られている小切手番号を伝
送コントローラ４６を介して読込む。そして、図８の
（ａ）に示す伝文フォーマット、つまり所定のヘッダ情
報８１に当該ＰＯＳ端末機１２のアドレスとなるＰＯＳ
端末機番号８２と、読取った小切手番号８３と、ＲＡＭ
３４に売上登録された当該取引の買上金額８４とを付し
て小切手番号問合せ伝文を編集し、通信インタフェース
３９を介して前記ストアプロセッサ１１に送信して、該
当する小切手の有効性を問い合せる。

【００２２】応じて、上記ストアプロセッサ１１から小
切手の有効を示す応答を受信すると、買上金額８４の小
切手取引によるメモリ処理やレシート発行等の通常の小
切手締め処理を実行して、この処理を終了する。

【００２３】これに対し、上記ストアプロセッサ１１か
ら小切手の無効を示す応答を受信すると、表示器４２に
小切手が無効であることを示す情報（例えばＬＥＤの点
滅等であってもよい）を表示させる（小切手無効報知手
段）。その後クリアキーＫ５が入力されるのを待ち、ク
リアキーＫ５が入力されると前記小切手リーダライタ１
７に対して小切手無効印刷を制御して、この処理を終了
する。

【００２４】前記ストアプロセッサ１１は、いずれかの
ＰＯＳ端末機１２から小切手番号問合せ伝文を受信する
と、図７に示すように、伝文中の小切手番号８３でハー
ドディスク１４に形成されている小切手番号ファイル２
０を検索し、一致する小切手番号が設定されている場合
には問合せのあった小切手が無効であると判定する。そ
して、図８の（ｂ）に示すフォーマット、すなわち前記
小切手問合せ伝文に応答コード８５を付加した応答伝文
の応答コード８５に無効コード（例えば００）をセット
して、問合せのあったＰＯＳ端末機１２に返送するもの
となっている。これに対し、小切手番号ファイル２０の
検索の結果、一致する小切手番号が設定されていない場
合には問合せのあった小切手が無効であると判定する。
この場合は、上記応答伝文の応答コード８５に有効コー
ド（例えば１１）をセットして、問合せのあったＰＯＳ
端末機１２に返送するものとなっている。（小切手番号
検索手段）

【００２５】また、ＰＯＳ端末機１２により小切手無効
印刷が制御される小切手リーダライタ１７のＣＰＵ５１
は、磁気インクプリンタ５８及びドットプリンタ５９を
動作させて、図９に示すように無効となった小切手１の
取引金額印字エリア３に磁気インクによって無効情報
（￥０００）を印刷するとともに、取引金額印刷エリア
４と取引情報印刷エリア５とにそれぞれ通常のインクに
よって無効情報（￥０００、￥０００ ムコウ）を印刷
するように構成されている。（小切手無効印刷手段）

【００２６】このように構成された本実施例のＰＯＳシ
ステムを採用する店においては、銀行等から無効扱いす
る小切手１の情報が提供される毎に、店の担当者がスト
アプロセッサ１１のキーボード１５をキー操作して、そ
の無効小切手１の小切手番号２を入力して、ハードディ
スク１４の小切手番号ファイル２０に登録する。こうす
ることにより、上記小切手番号ファイル２０には常に最
新の無効小切手の小切手番号が蓄積保持されることにな
る。

【００２７】一方、ＰＯＳ端末機１２を操作するキャッ
シャは、客が買い上げる商品の代金支払いについて小切
手１による支払いを申し出ると、その客から預かった小
切手１を小切手リーダライタ１７に挿入して当該小切手
１の小切手番号２を磁気情報読取りヘッド５７で読取ら
せるとともに、その客が買い上げる商品の売上げ登録後
に小切手キーＫ５をキー入力する。そうすると、当該Ｐ
ＯＳ端末機１２において上記小切手リーダライタ１７で
読取った小切手番号で小切手問合せ伝文が編集され、伝
送路１３を介してストアプロセッサ１１に送信される。

【００２８】この問い合わせ伝文を受信したストアプロ
セッサ１１においては、伝文中の小切手番号８３で前記
小切手番号ファイル２０が検索される。そして、伝文中
の小切手番号８３に一致する小切手番号が検出されなか
った場合には、当該ＰＯＳ端末機１２に対して有効応答
が返送される。この場合、当該ＰＯＳ端末機１２におい
ては通常の小切手による締め処理が実行されてレシート
が発行されるので、キャッシャは客から預かった小切手
１が有効であると確信して小切手１を受取ることにな
る。

【００２９】これに対し、前記小切手番号ファイル２０
の検索において伝文中の小切手番号８３に一致する小切
手番号が検出された場合には、当該ＰＯＳ端末機１２に
対して無効応答が返送される。この場合、当該ＰＯＳ端
末機１２においては表示器４２に小切手１が無効である
ことを示す表示がなされる。従って、キャッシャは客か
ら預かった小切手１が無効であると確信して当該小切手
１を客に戻し、小切手以外の支払いを要求することにな
る。

【００３０】なおこの場合、無効となった小切手１には
小切手リーダライタ１７の作用によって図９に示す如く
磁気インクと通常インクとで無効情報が自動印字された
後に客に戻されることになる。

【００３１】このように本実施例によれば、客から預か
った小切手１を小切手リーダライタ１７に挿入し、キー
ボード４０の小切手キーＫ５を入力操作するだけで、自
動的に当該小切手１の有効性を判定できる。従って、キ
ャッシャが無効小切手一覧表等と照らし合わせて小切手
１の有効性を判定するような手間がなくなるので、キャ
ッシヤの負担が軽減される上、客を無駄に待たせること
もなくなる。

【００３２】また、銀行等から無効小切手の情報提供を
受けたならば即座に小切手番号ファイル２０に登録する
ことにより、該当する小切手を無効扱いできるので即応
性に優れ、無効になった小切手をキャッシャが受け取っ
てしまうおそれを低減できる。この場合において上記小
切手番号ファイル２０はストアプロセッサ１１のハード
ディスク１４上に設けているので、各ＰＯＳ端末機１２
に影響を及ぼすことなく新しい無効小切手番号を登録で
きる。しかも、新たに取得した無効小切手情報を各キャ
ッシャに通知する必要もないので、通知漏れ等によって
無効小切手を受け取ってしまうこともなくなる。

【００３３】また、無効扱いされた小切手１には磁気イ
ンクと通常のインクとで当該小切手１の所定箇所に無効
であることを示す情報が印刷されるので、客が無効扱い
された小切手を他店等で再度使用するような不正を確実
に防止できる利点もある。

【００３４】なお、前記実施例では小切手番号２を磁気
インクで印刷した小切手１について示したが、通常のイ
ンクで小切手番号が印刷された小切手であっても、例え
ばＯＣＲ（光学式文字読取装置）でその小切手番号を読
み取ることによって本発明を実施できるものである。ま
た小切手番号をバーコードに変換して小切手に印刷し、
そのバーコードをバーコードリーダで読み取ることによ
って本発明を実施するようにしてもよい。

【００３５】また、ストアプロセッサ１１の上位機種と
してホストシステムをオンライン接続したＰＯＳシステ
ムにあっては、小切手番号の比較処理を上記ホストシス
テムで行うことも可能である。また、単体の電子式キャ
ッシュレジスタであってもハードディスク等の大容量記
憶装置を設けて小切手番号ファイルを作成することによ
り対処できる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々変形実施可能であるのは勿論である。

【００３６】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、商
品の代金支払いに用いられる小切手の有効性判定を自動
的に行うことができ、支払い業務の能率向上をはかり得
るとともに、無効扱いする小切手の情報の即応性に優れ
無効小切手を受取ってしまうおそれを低減できる商品販
売データ処理装置を提供できる。また請求項２対応の発
明によれば、無効扱いされた小切手を再度使用する不正
を確実に防止できる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例であるＰＯＳシステムの全
体図。

【図２】 同実施例における小切手番号ファイルの構成
図。

【図３】 同実施例におけるＰＯＳ端末機の制御ブロッ
ク図。

【図４】 同実施例におけるＰＯＳ端末機のキーボード
を示す図。

【図５】 同実施例における小切手リーダライタの制御
ブロック図。

【図６】 同実施例におけるＰＯＳ端末機の小切手キー
処理を示す流れ図。

【図７】 同実施例におけるストアプロセッサの小切手
問合せ伝文受信処理を示す流れ図。

【図８】 同実施例における小切手問合せ伝文とその応
答伝文の伝文フォーマットを示す図。

【図９】 同実施例にて使用する小切手の無効印字例を
示す図。

【図１０】 同実施例にて使用する小切手を示す図。

【符号の説明】

１…小切手、２…小切手番号、１１…ストアプロセッ
サ、１２…ＰＯＳ端末機、１７…小切手リーダライタ、
２０…小切手番号ファイル、Ｋ５…小切手キー。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 小切手キーを有し、商品販売データの売
   上登録後に上記小切手キーがキー入力されると、代金支
   払いが小切手で行われたものとして締め処理する商品販
   売データ処理装置において、小切手に予め印刷されてい
   る小切手番号を読取る番号読取り部と、無効扱いする小
   切手の小切手番号を蓄積保持する小切手番号ファイル
   と、商品販売データの売上登録後に前記小切手キーがキ
   ー入力されると、前記番号読取り部により読取った小切
   手番号で前記小切手番号ファイルを検索する小切手番号
   検索手段と、この検索手段により前記小切手ファイルか
   ら同一の小切手番号を検出したならば小切手が無効であ
   ることを報知する小切手無効報知手段と、を具備したこ
   とを特徴とする商品販売データ処理装置。
2. 【請求項２】 前記小切手番号検索手段により前記小切
   手ファイルから同一の小切手番号を検出したならば小切
   手に無効の情報を印刷する小切手無効印刷手段を設けた
   ことを特徴とする請求項１記載の商品販売データ処理装
   置。