JP2679707B2 - 金属防食剤 - Google Patents

金属防食剤

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JP2679707B2 JP62173445A JP17344587A JP2679707B2 JP 2679707 B2 JP2679707 B2 JP 2679707B2 JP 62173445 A JP62173445 A JP 62173445A JP 17344587 A JP17344587 A JP 17344587A JP 2679707 B2 JP2679707 B2 JP 2679707B2
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忠彦 浅野
正恒 大熊
敬昌 中西
栄 片山
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株式会社 片山化学工業研究所
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は金属防食剤に関する。さらに詳しくは水と
金属が接触する腐食環境において、水に添加して用いる
金属防食剤に関する。 (ロ)従来の技術 いわゆる水誘導装置例えば蒸気製造装置、加熱系、化
学反応プラント、冷却水系等においては、その装置を構
成している金属(鉄、軟鋼、鋳鉄等)と水とが接触して
おり、腐食が発生しやすく、このような腐食に対しては
その防止のために従来から種々の防食剤が提案され使用
されている。この中で特に冷却水等の循環水に添加して
用いる水溶性防食剤としてクロム酸塩、リン酸塩、亜硝
酸塩等の無機塩、エタノールアミン等が知られている。 (ハ)発明が解決しようとする問題点 しかし上記防食剤は、特定の金属にしか有効ではなく
その使用範囲が限られているものが多い。またこれまで
優秀なものと認められていた重クロム酸カリウム等のク
ロム酸化合物は、現在毒性の問題からほとんど使用され
ていないし、またその他重合リン酸等も公害上の規制等
により徐々にその使用が制限されつつある。さらに亜硝
酸塩と低級アミンのように、併用すれば反応して発癌性
のニトロソアミンを生ずるものもあり、その使用に際し
て種々の規制を受けるものが少なくない。 この発明は公害等の問題となる重金属化合物、窒素化
合物およびリン化合物を含むことなく優れた防食効果を
発揮する防食剤の開発を目的としてなされたものであ
る。これらの点に関連しこの発明の発明者らは鋭意研究
を重ねた結果、従来、湯垢発生防止剤としては知られて
いるが(特開昭57−28122号公報)、その腐食抑制作用
は全く知られていない(メタ)アクリル酸とメタリルス
ルホン酸との共重合体が、優れた防食効果を発現する事
実を見出しこの発明に到達した。 (ニ)問題点を解決するための手段および作用 かくしてこの発明によれば、(メタ)アクリル酸およ
び/またはその塩(A)とメタリルスルホン酸および/
またはその塩(B)とから構成される共重合体を有効成
分として含有することからなる金属防食剤が提供され
る。 この発明に用いる(メタ)アクリル酸および/または
その塩(A)には、アクリル酸、メタクリル酸並びにこ
れらの酸のアルカリ金属塩等を挙げることができる。 また一方のメタリルスルホン酸の塩としては、アルカ
リ金属塩等を挙げることができる。 上記共重合体は、単量体(A)および(B)を主成分
として構成され、かつ該単量体(A)と(B)とが95:5
〜60:40となるモル比で構成されるものが防食効果の点
で好ましく、さらに90:10〜70:30なるモル比からなるも
のがより好ましい。 また上記共重合体の分子量は、重量平均分子量として
約500〜25,000に調製されるのが防食効果の点で好まし
く、さらには約1,000〜20,000がより好ましい。 前記共重合体の製造は、通常の重合開始剤を用いた種
々の重合法により行うことができるが、反応の制御の容
易さの点から溶媒中で重合することがより好ましい。 この場合用いられる溶媒としては各種の溶媒が選択可
能であるが、上記単量体(A)および(B)の溶解性の
点から、水や低級アルコールが適している。 また上記溶媒により重合開始剤が適宜選択される。例
えば水媒体中では過硫酸のアルカリ金属塩もしくはアン
モニウム塩または過酸化水素等が挙げられ、低級アルコ
ール等の媒体中では、ベンゾイルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、アゾ
ビスイソブチロニトリル等が挙げられる。 上記重合反応には、適当な促進剤が適宜選択併用され
てよい。 上記重合反応の温度は、用いる溶媒及び重合開始剤等
により適宜定められるが、通常30〜100℃の範囲内で行
われる。 以上のごとく得られた共重合体は、通常5〜60重量%
の水溶液剤として用いられる。 上記水溶液剤として得られたこの発明の金属防食剤
は、用途・目的に応じて適当量添加されて用いられる
が、通常防食対象水中に上記共重合体成分が5〜200mg/
含有されるよう添加されることが好ましい。該範囲の
下限以下では意図する防食効果が発揮されず、また上限
以上ではより以上の効果が期待できず浪費に終わり好ま
しくない。さらに上記範囲内において、より充分な防食
効果が発揮される好ましい添加量としては20〜100mg/
である。 この発明の金属防食剤は上述のごとく重金属化合物、
リン化合物及び窒素化合物を含有していないので低毒性
でありかつ安定性に富み、とくに例えば鉄、軟鋼、鋳鉄
等に対し同時に優れた防食効果を奏するものである。 以下実施例によりこの発明を詳細に説明するが、これ
によりこの発明は限定されるものではない。 (ホ)実施例 (共重合体の合成例) 温度計、攪拌機、滴下ロート、ガス導入管および還流
冷却器を備えたガラス製反応容器を窒素置換し、95℃に
保ちながら50%(重量%、以下同じ)アクリル酸水溶液
51.6部および50%メタリルスルホン酸ナトリウム水溶液
28.4部からなるモノマ混合溶液と、10%過硫酸アンモニ
ウム水溶液20部とをそれぞれ120分で添加した。モノマ
の添加完結後、120分間沸点に温度を保持して重合反応
を完了し、共重合体を得た。この共重合体の粘度は30cp
sであった。また分子量は高速液体クロマトグラフィに
より測定した結果、重量平均分子量として5000であっ
た。 (試験例1) 試験液として大阪市水道水を用いて、軟鋼テストピー
スに対する防食効果確認試験を行った。1の平底ビー
カーに所定量の薬剤を加えた試験液1を収容し、モー
ターと連動した攪拌棒の先端に軟鋼のテストピース〔市
販品名SPCC、形状は30×50×1mmの長方形板状である〕
を懸吊し、液中に浸漬する。サーモスタットを付設して
マントルヒータにて40℃に液温を保ち、上記テストピー
スを100rpmの速度で回転させつつ5日間テストする。テ
スト終了後テストピースを取り出し酸洗、水洗、乾燥後
重量を測定し、重量減少量からMDD(mg/dm2・day),即
ち1日当りの腐食減量を測定する。使用した大阪市水道
水の水質を〔表1〕に示す。 試験結果を[表2]、第1図及び第2図に示す。 まず[表2]は、薬剤としてアクリル酸および/また
はメタクリル酸[(A)成分]とメタリルスルホン酸ナ
トリウム[(B)成分]とのモル比を変化させて調製さ
れた分子量約5000の共重合体を用いたときのテストピー
スのMDDを測定した試験結果(試験No.1〜13)と、
(A)成分と(B)成分に換えて(B)成分と類似のア
リルスルホン酸ナトリウム等との分子量約5000の共重合
体を用いたときのテストピースのMDDを測定した試験結
果(試験No.14〜16)を示す。 第1図は、薬剤としてアクリル酸[A(成分)]とメ
タリルスルホン酸ナトリウム[(B)成分]との共重合
体の分子量がそれぞれ約1000、約2000、約5000、約1000
0および約20000でかつ該共重合体中の(A)成分と
(B)成分とのモル比が、(A):(B)=90:10(○
印)と(A):(B)=70:30(●印)で構成されたも
のを用いてテストピースのMDDを測定した試験結果を図
示したものである。 各薬剤の添加量はすべて40mg/である。 第2図は、薬剤としてアクリル酸[(A)成分]とメ
タリルスルホン酸ナトリウム[(B)成分]との共重合
体の分子量が約5000でかつ該共重合体中の(A)成分と
(B)成分とのモル比が、 (A):(B)=90:10(○印)と(A):(B)=70:
30で構成されたものを用いて、該共重合体の添加濃度を
変化させテストピースのMDDを測定した試験結果を図示
したものである。 以上の結果から、まず[表2]よりアクリル酸
[(A)成分]とメタリルスルホン酸ナトリウム
[(B)成分]とのモル比が95:5〜60:40の範囲で構成
される共重合体において、顕著な防食効果が発揮されて
いることがわかる。 また(A)成分としてメタクリル酸またはアクリル酸
とメタクリル酸を用いた該共重合体も同様に顕著な防食
効果が発揮されていることがわかる。([表2]中実施
例(試験No.1〜10)参照) また、ポリアクリル酸[(A)成分]と(B)成分と
からなる共重合体であってもそのモル比が95:5〜60:40
の範囲外で構成される共重合体および(A)成分と
(B)成分と類似のアリルスルホン酸ナトリウム、p−
スチレンスルホン酸カリウムあるいはアクリル酸2−ヒ
ドロキシエチルとから構成される共重合体は、防食効果
は不十分であることがわかる。 また第1図からこの発明の有効成分である共重合体の
分子量が1000〜20000において有効な防食効果が発揮さ
れていることが示されている。 さらに第2図により、該防食剤の使用に際して、共重
合体成分が20(mg/)以上液中に存在するように添加
すればその効果が充分に発揮され、さらに40(mg/)
以上存在するように添加すればその効果が最大限に発揮
されることを示している。 (試験例2) 試験液として大阪市水道水の軟化水、大阪市水道水の
濃縮水及びその軟化水を用いて試験例1と同様の試験を
行なった。 使用した試験液の水質を[表3]に、試験結果を[表
4]にそれぞれ示す。 試験結果よりこの発明の共重合体は、市水の濃縮水お
よび通常防食剤の添加時においても防食効果が充分発揮
されにくい軟化水においても良好な防食効果を発揮する
ことがわかる。(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジ
ホスホン酸は公知の防食剤である。) (ヘ)発明の効果 この発明の防食剤によれば、種々の水系において従来
の防食剤よりも少量でかつ優れた防食効果が発揮され
る。ことに防食効果が発揮されにくい軟水系中において
も優れた防食効果を得ることができる。また有効成分が
共重合体1成分なので、最大限の防食効果を発揮する共
重合比で調製しておくことにより長期間安定した防食効
果を得ることができる。 使用に際して、用途・目的に応じての濃度調製が簡便
に行えるので該防食剤の浪費を防ぐことができる。ま
た、公害上問題となる成分を含有していないので安全に
使用できる等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の防食剤の主成分である共重合体の分
子量の相違による防食効果の差異を示すグラフ図、第2
図はこの発明の防食剤の水溶液への添加量の相違による
防食効果の差異を示すグラフ図である。
フロントページの続き (72)発明者 中西 敬昌 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番 15号 株式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 片山 栄 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番 15号 株式会社片山化学工業研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−12895(JP,A) 特開 昭62−214186(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.(メタ)アクリル酸及び/又はその塩(A)とメタ
    リルスルホン酸及び/又はその塩(B)とから構成さ
    れ、かつ成分(A)と成分(B)とのモル比が95:5〜6
    0:40である共重合体を有効成分として含有することを特
    徴とする金属防食剤。 2.(メタ)アクリル酸の塩及びメタリルスルホン酸の
    塩が、アルカリ金属塩である特許請求の範囲第1項記載
    の金属防食剤。 3.共重合体の分子量が、約500〜25,000である特許請
    求の範囲第1項又は第2項記載の金属防食剤。
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