JP2780548B2 - 金属腐食防止剤 - Google Patents

金属腐食防止剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却水系、温水系、集
塵水系等の水系における熱交換器、配管等の金属材料の
腐食を防止する処理剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷却水系など水系における金属材料の腐
食、及びスケールを抑制する目的で各種の水処理剤が使
われている。これらの水処理剤のうち腐食防止の目的
で、クロム酸塩、亜鉛塩などの重金属塩やリン酸化合物
が使用されているが、クロム酸塩は公害問題発生により
近年その使用が制限されている。またリン酸化合物のう
ち重合リン酸類は、水系内で加水分解し生じたリン酸が
水中のカルシウム塩と結合してリン酸カルシウムを生成
し、これがスケールになりやすいという欠点を有してい
る。またこの水をそのまま放流した場合、湖沼や海洋の
富栄養化となり生態系を乱す原因となる。そこで最近で
は、水系で加水分解が少なくスケールの発生とならない
こと、並びに排水中のリン濃度を減らすことが可能であ
るといった理由から、重合リン酸類に代えて、ホスホン
酸類がよく使用されている。ホスホン酸類は水中のカル
シウムと反応してホスホン酸カルシウムの金属保護被膜
を形成して防食効果を示すと考えているが、ホスホン酸
類のみでは防食力が不十分であるため亜鉛塩などを加え
ることにより防食力を強化している。しかしホスホン酸
も水のpH、及び硬度成分の上昇により水中のカルシウ
ムイオンや亜鉛イオンと反応してホスホン酸カルシウム
やホスホン酸亜鉛として沈殿する傾向があり、その結果
水中の有効ホスホン酸、亜鉛濃度が低下して防食効果お
よびスケール防止効果が悪くなることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、低い
リン濃度で、高pHや硬度成分の高い水中でも沈殿が生
成せず、なおかつ防食効果の優れた金属の腐食防止剤を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる低
いリン濃度で、優れた金属と腐食防止剤を開発するため
に鋭意研究を重ねた結果、マレイン酸又はその塩とアク
リル酸又はその塩からなる不飽和カルボン酸(塩)単量
体と、次亜リン酸又はその塩とを重合させて得られる重
合体を用いることによりその目的を達成しうることを見
い出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。す
なわち本発明は、マレイン酸又はその塩とアクリル酸又
はその塩からなる不飽和カルボン酸(塩)単量体と次亜
リン酸又はその塩とを、マレイン酸(塩)対アクリル酸
(塩)のモル比が1:1.20〜1:4.00の範囲
で、かつ次亜リン酸(塩)対不飽和カルボン酸(塩)単
量体のモル比が1:1.50〜1:3.30の範囲で、
反応前のpHを7以上に調整して、重合開始剤の存在下
で重合させて得られる重量平均分子量が300〜1,0
00の重合体を主成分とする金属の腐食防止剤に関する
ものである。
【0005】本発明の重合体において、マレイン酸
(塩)及びアクリル酸(塩)単量体の他にこれらと共重
合可能な非イオン性不飽和単量体を混合して反応させる
ことができる。このような非イオン性不飽和単量体の例
としてはアクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換
アクリルアミド類、N−置換メタクリルアミド類、アク
リル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アリルア
ルコール、メタリルアルコール、アリルアルコールエー
テル類、メタリルアルコールエーテル類、スチレン、酢
酸ビニル等が挙げられる。本発明の重合体の製造方法は
例えば、マレイン酸(塩)の水溶液にアルカリ金属水酸
化物を加えて水溶液のpHを調整する。この水溶液のp
Hは通常2以上であるが、好ましくはpH7以上であ
る。該水溶液に次亜リン酸塩を添加した後、80〜11
0℃に加熱する。これにアクリル酸(塩)及び必要によ
り共重合可能な非イオン性不飽和単量体、及び重合開始
剤を滴下することにより重合体を得ることができる。本
発明の重合体の製造において、マレイン酸(塩)対アク
リル酸(塩)のモル比は1:1.20〜1:4.00の
範囲であり、より好ましくは1:1.40〜1:3.0
0の範囲である。又、次亜リン酸(塩)対不飽和カルボ
ン酸(塩)単量体のモル比は1:1.50〜1:3.3
0の範囲であり、より好ましくは1:1.80〜1:
3.00の範囲である。
【0006】次亜リン酸(塩)と不飽和カルボン酸
(塩)単量体との重合について、特公平1−41706
号公報、特開平3−163191号公報では、不飽和カ
ルボン酸(塩)単量体1モルに対し次亜リン酸(塩)を
0.01〜0.3モル(次亜リン酸(塩):不飽和カル
ボン酸(塩)単量体=1:3.33〜1:100)の割
合で重合せしめている。本発明者らは、本発明の組成に
すると次亜リン酸(塩)に対して不飽和カルボン酸
(塩)単量体の比をもっと小さくした組成が水処理剤と
しての効果が高いことを見いだしたのである。また、特
開昭63−114986号公報では、マレイン酸(塩)
とこれと等モル以下の共重合可能な単量体を用いて次亜
リン酸(塩)とを重合せしめているが、マレイン酸
(塩)1モルに対しアクリル酸(塩)を1.20〜4.
00モルとアクリル酸(塩)の多い組成が水処理剤とし
ての効果が高いことを見いだしたのである。本発明の重
合に用いられる開始剤は、反応条件下で分解して遊離基
を生成する物質であり、過酸化水素、過酸化塩素、ブチ
ルヒドロパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物である。好ましい重合開始
剤は過酸化水素と過硫酸塩である。重合開始剤の使用量
は、用いる重合開始剤の種類により異なるが、例えば過
酸化水素では不飽和単量体に対して2〜20モル%、好
ましくは5〜10モル%である。重合体の反応溶媒とし
ては水が最も好ましいが、アルコール類、ジオキサン等
の有機溶媒を用いることもできる。重合させる時の加熱
温度は、80〜110℃が好ましい。80℃以下で重合
させると、未反応の次亜リン酸および未反応の単量体が
多量に残ってしまうことになる。得られる重合体の重量
平均分子量は、約300〜1,000の範囲にあり、ゲ
ルパーミエーションクロマトブラム法により測定した。
【0007】本発明の重合体を水系の腐食防止剤として
適用するにあたって、亜鉛化合物、モリブデン酸塩、水
溶性アニオン系ビニルポリマーなどを併用することによ
り腐食防止効果をさらに向上させることができる。この
場合の亜鉛化合物としては、亜鉛の水系における使用濃
度で溶解して亜鉛イオンを放出するものであれば何でも
よいが、一般的には塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢
酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛などが挙げられ
る。モリブデン酸塩は、モリブデン酸塩の水系における
使用濃度で溶解してモリブデン酸イオン放出するもので
あればよく、一般的にはアルカリ金属、アルカリ土類金
属、亜鉛、アンモニア及び/又はアミン類の塩である。
水溶性アニオン系ビニルポリマーとしては、カルボキシ
ル基及び/又はスルホン酸基を有しかつエチレン性不飽
和結合を有する単量体から誘導された構造単位を含む重
合体及び/又はそれらの水溶性塩であって、ホモ重合体
あるいは共重合体である。ここでいう水溶性塩とはスル
ホン酸基及び/またはカルボキシル基のプロトンの一部
あるいは全部がアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜
鉛、アンモニア及び/またはアミン類等で置換されたも
ので使用濃度において溶解可能なものをいう。好ましい
水溶性アニオン系ビニルポリマーの例をあげると、アク
リル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸(AMPS)とのコポリマー、アクリル酸と3−
アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸とのコ
ポリマー、共役ジエンのスルホン化物を含む重合体(特
開平2−9496号公報参照)、脂肪族ジエンを含む重
合体のスルホン化物(特開平2−52032号公報参
照)、無水マレイン酸重合体加水分解物等が挙げられ
る。この他必要に応じ、さらに別の腐食防止剤、スケー
ル防止剤あるいは分散剤を加えることもできる。このよ
うな薬品の例として、有機リン酸類、無機リン酸類、ア
ゾール類、亜硝酸塩、リグニンスルホン酸塩等が挙げら
れる。本発明の水系の腐食防止剤として好ましい配合比
は、a)本発明の重合体の10〜95重量%、b)亜鉛
塩及び/又はモリブデン酸塩の(各々Zn及びMoとし
て)5〜90重量%である。これら成分は、予め混合し
て一液性の製剤として添加することが出来るが、それぞ
れ単独に添加してもよく、いずれにしても本発明の趣旨
から逸脱するものではない。これらの化合物および製剤
は、腐食、スケールの抑制を達成できる十分な濃度を系
内に維持するために、連続的にまたは間欠的に投入され
る。
【実施例】以下に、本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0008】(1)重合体の製造 本発明による重合体A〜Fを次の手順により製造した。
重合体A:500mlの5つ口フラスコに無水マレイン
酸19.6g、水73.6gを加え、これに50%水酸
化ナトリウム水溶液36.8gを徐々に添加して無水マ
レイン酸を溶解し、これにさらに次亜リン酸ナトリウム
1水塩21.2gを加えた。この溶液のpHは14以上
であった。フラスコに冷却管、撹拌機、温度計、窒素導
入管、及びY字管を介して滴下ロート2ケを取り付け
た。窒素を流しつつ溶液を80℃に加熱した後、31%
濃度の過酸化水素水3gを水20gで溶解した液を1つ
の滴下ロートより、アクリル酸28.8gをもう一つの
滴下ロートよそれぞれ1.5時間かけて滴下した。滴下
後さらに80℃で2.5時間加熱を続けた。この反応液
のpHは4.6であった。イオンクロマト法により残存
モノマー濃度を測定したところ、モノマーは存在せず、
モノマーの反応率はほぼ100%であることを確認し
た。この反応液を一部取り出し1%水溶液を作り、この
溶液1mlに、トリエチルアミン10μl、3000p
pm塩化第2水銀水溶液200μl、エタノール1ml
を加えて110℃で20分間加熱し、未反応の次亜リン
酸をリン酸ジメチルエステルに変化させ、モリブデンブ
ルー法の無機リン酸定量方法により700nmの吸光度
を測定した。検量線より反応液1%水溶液1ml中の未
反応の次亜リン酸の量を求めた。また別途反応液の10
0ppm水溶液を作り、モリブデンブルー法の全リン酸
定量方法により700nmの吸光度を測定し、1ml中
の次亜リン酸の量を求めた。次式に示す計算より次亜リ
ン酸の反応率をもとめたところ97%であった。モリブ
デンブルー法によるリン酸の定量は日本工業規格JIS
K0101(工業用水試験方法)に依った。 J: 次亜リン酸の反応率(%) Jn: 1%水溶液1ml中の未反応の次亜リン酸の量 Jt: 100ppm水溶液1ml中の次亜リン酸の量
【0009】重合体B:無水マレイン酸を23.5g、
アクリル酸を25.9gとする以外は重合体Aの製造手
順と同様に行った。反応前の水溶液のpHは7.3、反
応終了後のpHは5.0であった。吸光光度法による次
亜リン酸の反応率は94%であった。 重合体C:無水マレイン酸を14.7g、アクリル酸を
32.4g、50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を3
4.5gとする以外は重合体Aの製造手順と同様の方法
で行った。反応前の溶液のpHは14以上で、反応終了
後のpHは5.1であった。同様の吸光光度法による次
亜リン酸の反応率は92%であった。 重合体D:無水マレイン酸を16.4g、アクリル酸を
24.0g、50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を3
0.7gとする以外は重合体Aの製造手順と同様に行っ
た。反応前のpHは14以上で、反応終了後の液のpH
は4.9であった。吸光光度法による次亜リン酸の反応
率は95%であった。
【0010】重合体E:無水マレイン酸を13.3g、
アクリル酸を19.3g、50%濃度の水酸化ナトリウ
ム水溶液を24.5gとする以外は重合体Aの製造手順
と同様に行った。反応前のpHは14以上で、反応終了
後の液のpHは4.9であった。吸光光度法による次亜
リン酸の反応率は95%であった。 重合体F:500mlの5つの口フラスコに無水マレイ
ン酸19.6g、水50gを加え、これに50%水酸化
ナトリウム水溶液36.8gを徐々に添加して無水マレ
イン酸を溶解し、さらにこれに次亜リン酸ナトリウム2
1.2gを加えた。この溶液のpHは14以上であっ
た。フラスコに冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管お
よびY字管を介して滴下ロートを2ケ取り付けた。フラ
スコ内に窒素を流しつつ溶液を100℃に加熱した後、
過硫酸ナトリウム3gを水17gに溶解した液を1つの
滴下ロートより、アクリル酸29.8gと50%アクリ
ルアミド28.4gを混合した液をもう1つの滴下ロー
トよりそれぞれ1.5時間かけて滴下した。滴下後、8
0℃で2.5時間加熱した。この反応液のpHは4.7
で、吸光光度法による次亜リン酸の反応率は99%であ
った。
【0011】比較のため次の重合体G〜Lを製造した。 重合体G:次亜リン酸ナトリウム1水塩を18.2gと
する以外は重合体Aの製造手順と同様の方法で行った。
反応前の溶液のpHは13.8で、反応終了後の液のp
Hは5.1であった。吸光光度法による次亜リン酸の反
応率は96%であった。 重合体H:無水マレイン酸を29.4g、アクリル酸を
21.6gとする以外は重合体Aの製造手順と同様の方
法で行った。反応前のpHは7.8で、反応液のpHは
4.9であった。同様の吸光光度法による次亜リン酸の
反応率は89%であった。 重合体I:無水マレイン酸を6.6g、アクリル酸を
9.6gとする以外は重合体Aの製造手順と同様の方法
で行った。反応前のpHは14以上で、反応液のpHは
4.9であった。同様の吸光光度法による次亜リン酸ナ
トリウムの反応率は85%であった。
【0012】重合体J:アクリル酸を43.2g、50
%の水酸化ナトリウムを46.0gとする以外は重合体
Aの製造手順と同様の方法で行った。 重合体K:アクリル酸を14.4g、50%水酸化ナト
リウムを27.6gとする以外は重合体Aの製造手順と
同様の方法で行った。 重合体L:無水マレイン酸を0g、アクリル酸を43.
2g、50%水酸化ナトリウムを27.6gとする以外
は重合体Aの製造手順と同様の方法で行った。 重合体M:アクリル酸を72.0g、50%水酸化ナト
リウムを69.0gとする以外は重合体Aの製造手順と
同様の方法で行った。
【0013】製造した重合体A〜Mの反応比を表1にま
とめて示す。重合体A〜Fは本発明の実施例となるもの
であり、重合体G〜Mは比較例として製造したものであ
る。
【表1】
【0014】(2)組成物の調整 重合体Aを用いた組成物、及び比較のための組成物を次
のように調整した。 組成物W:表2に示す組成をもつ。
【表2】
【0015】組成物X:表3に示す組成をもつ。
【表3】
【0016】組成物Y:表4に示す組成をもつ。
【表4】
【0017】組成物Z:表5に示す組成をもつ。
【表5】
【0018】(3)腐食率の測定 厚さ1mmの一般構造用圧延鋼材(JIS SPCC)
から外径50mmの円板に切り出し、中心に直径8mm
の固定取り付け用穴をあけた試験片とした。試験片表面
の汚れを除き、全表面を400番研磨紙で研磨し、アセ
トンで洗浄脱脂して乾燥後0.1mgまで正確に秤量し
た。試験片を500ml試験水に浸漬し100rpmで
回転させた。試験水の水質はpH8.0〜9.0、カル
シウム硬度80ppm、マグネシウム硬度30ppm、
M−アルカリ度60ppmである。本発明、及び比較の
重合体をそれぞれ試験水に添加し、40℃に18時間維
持した。試験終了後、0.1mgまで正確に秤量した。
試験片の試験前後の重量比較から、腐食減量を求めた。
けっかを表6に示した。
【0019】
【表6】 表6から、重合体単独で用いるより重合体に亜鉛塩を組
み合わせると、相乗効果による腐食防止効果が顕著であ
る。
【0020】(4)テスト循環水系試験装置を用いての
テスト 本発明の重合体及び比較の重合体のそれぞれを、循環冷
却水系試験装置を用いて評価した。60lの保有水量を
有するテスト冷却塔に全長50cmのテスト熱交換器を
直列に連結し、ポンプにより0.5m/Sの水流速で循
環した。試験用伝熱管の材質は、圧力配管用炭素鋼鋼管
(JIS STPG38、外径12.7mm)及び熱交
換器用炭素鋼鋼管(JIS STB35、外径19.0
mm)とし、伝熱管を電気ヒーターにより加熱して4
0,000Kcal/m・hの熱流束を加え、循環水
を加熱すると共に冷却水の出口を45℃に調節した。冷
却塔の蒸発水量は3.3l/hであり循環水の濃縮度一
定になるように定量ポンプによりブローダウンを行うと
共に、本発明の重合体或いは比較の重合体それぞれをケ
ミカルフィーダにより補給して、循環水の薬品濃度が一
定になるように維持した。循環水の水質はpH8.6、
電気伝導度460μs/cm、M−アルカリ度80pp
m、全硬度145ppm、カルシウム硬度110pp
m、シリカ65ppm、塩素イオン35ppmであっ
た。また循環水の濃縮度は5で行った。テスト期間は8
日間である。テスト終了後、試験用伝熱管を乾燥して秤
量し、次いで付着物を取り除いた後再秤量し堆積物付着
量を、またマイクロメーターにより最大孔食深さを測定
した。結果を表7に示す。 :試験用伝熱管の試験前重量(mg) L:試験用伝熱管の試験後重量(mg) L:試験用伝熱管の堆積物を除いた後の重量(mg) S:試験用伝熱管の表面積(dm) S:試験用伝熱管の表面積(cm) D:試験期間(日)
【0021】
【表7】 表7から、本発明の重合体A、Fでは、本発明の構成要
件のうちのいずれかを欠いた重合体J、K、Lに比較し
て防食効果が優れていることがわかる。
【0022】同様にして組成物W〜Xのそれぞれを評価
した。上記の循環冷却水系試験装置を用いてテストを行
った。テスト期間は18日間である。循環水として水質
はpH8.7、電気伝導度653μs/cm、M−アル
カリ度117ppm、全硬度200ppm、カルシウム
硬度147ppm、シリカ65ppm、塩素イオン72
ppmであった。又循環水の濃縮度は5倍とした。防止
剤の添加量は組成物Wが40ppm、組成物Xは40p
pmと60ppmとした。その結果、循環水中の全リン
濃度(PO換算)は、組成物Wの場合は1.5ppm
に、組成物Xではそれぞれ1.9ppmと2.9ppm
となった。結果を表8に示す。黄銅に対する腐食速度
は、組成物Wの実験No.1では0.3mddであるの
に対して、腐食防止剤組成物を加えていない実験No.
4では5.3mddであった。
【表8】
【0023】(5)亜鉛溶解度テスト 本発明の重合体と比較の重合体について高pH域におけ
る亜鉛溶解度特性を調べた。脱イオン水に塩化カルシウ
ム、炭酸水素ナトリウム及び硫酸マグネシウムを溶解し
て、カルシウム硬度150ppm、HCO100pp
m(CaCOとして)、マグネシウム硬度75ppm
の試験水を調整した。試験水に下記に示す組成物をそれ
ぞれ添加し、試験水のpHを水酸化ナトリウムにより7
〜10の範囲で調整した。試験液を密閉容器に入れ、5
0℃の恒温槽中に18時間静置した後、試験水を定量用
ろ紙No.6でろ過し、亜鉛濃度を原子吸光分析により
測定した。結果を表9に示す。
【0024】
【表9】 表8、表9より、本発明の腐食防止剤は従来のホスホン
酸と亜鉛とを含む腐食防止剤と比較して、腐食防止剤効
果が優れているだけでなく、高pHにおける亜鉛の沈殿
防止効果が優れている。
【0025】
【発明の効果】本発明の腐食防止剤は、冷却水系等を含
む水系における熱交換器、配管等の金属材料の腐食防止
が、従来の防止剤と比較して、低いリン濃度で効果を発
揮するのみならず、高pHや硬度成分の高い条件下でも
沈殿が発生せず、なおかつ防食効果が優れている等、装
置材料の長寿命化、操業上の安定化に奏する効果が大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤後 直子 三重県四日市市別名6−6−9 伯東株 式会社四日市研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−114986(JP,A) 特開 昭52−27033(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23F

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイン酸又はその塩とアクリル酸又は
    その塩からなる不飽和カルボン酸(塩)単量体と次亜リ
    ン酸又はその塩とを、マレイン酸(塩)対アクリル酸
    (塩)のモル比が1:1.20〜1:4.00の範囲
    で、かつ次亜リン酸(塩)対不飽和カルボン酸(塩)単
    量体のモル比が1:1.50〜1:3.30の範囲で、
    反応前のpHを7以上に調整して、重合開始剤の存在下
    で重合させて得られる重量平均分子量が300〜100
    0の重合体を主成分とする金属の腐食防止剤。
  2. 【請求項2】 マレイン酸(塩)対アクリル酸(塩)の
    モル比が1:1.40〜1:3.00の範囲で、かつ次
    亜リン酸(塩)対不飽和カルボン酸(塩)単量体のモル
    比が1:1.80〜1:3.00の範囲である請求項1
    記載の金属の腐食防止剤。
  3. 【請求項3】 さらに、亜鉛塩及び/又はモリブテン酸
    塩を含有させる請求項1又は2記載の金属の腐食防止
    剤。
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