JP2678615B2 - 繊維強化ポリマー組成物 - Google Patents

繊維強化ポリマー組成物

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JP2678615B2 JP63106864A JP10686488A JP2678615B2 JP 2678615 B2 JP2678615 B2 JP 2678615B2 JP 63106864 A JP63106864 A JP 63106864A JP 10686488 A JP10686488 A JP 10686488A JP 2678615 B2 JP2678615 B2 JP 2678615B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリアミド樹脂とポリオレフィンを主成分と
する繊維強化ポリマー組成物に関し、特に耐熱性、耐薬
品性、耐衝撃性とともに耐不凍液性、成形性等に優れた
ポリアミド樹脂とポリオレフィンを主体とする繊維強化
ポリマー組成物に関する。
〔従来の技術〕
ポリアミド樹脂は軽量であり、かつ耐衝撃性、耐熱
性、耐薬品性等に優れているので、各種容器に適してい
る。また一方で軽量化を目的として自動車のラジエータ
ータンク等の容器がプラスチックで形成さるようになっ
てきた。特に強度や耐熱性に優れたナイロン6やナイロ
ン66にガラス繊維を添加したものが多く使用されてい
る。
しかしながら、ガラス繊維等で強化されたポリアミド
樹脂は耐熱性、機械的強度及び長期耐久性等に優れてい
るものの、耐水性、成形性、耐薬品性及び耐不凍液性に
劣るという問題がある。特に自動車用ラジエタータンク
に使用する場合、耐不凍液性は重要である。
以上のような不足する特性は一般にポリオレフィンが
保有するものである。
特公昭61−26939号はホリアミド樹脂(a)とポリプ
ロピレン樹脂にエチレン性不飽和カルボン酸またはその
無水をグラフト共重合して得られる変性重合体(b)お
よび繊維状強化剤(c)を含み、(a)成分と(b)成
分が重量比で(a):(b)=70:30〜95:5、かつ
(c)成分が(a)成分と(b)成分の合計100重量部
に対して40〜200重量部の割合で含有する組成物から形
成されたことを特徴とするラジエタータンクを開示して
いる。
また、特開昭62−241940号は、〔A〕オレフィン重合
体:30〜95重量%、〔B〕ポリアミド:5〜70重量%、
〔C〕〔A〕+〔B〕=100重量部に対して集束剤とし
てアクリル系樹脂が用いられたガラス繊維:5〜200重量
部からなることを特徴とする自動車ラジエータタンク形
成用プラスチック組成物を開示している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、従来の組成物は、ポリアミド樹脂とポリオレ
フィンとの相溶性や、ガラス繊維とマトリックス樹脂と
の接着剤等が向上されてはいるが、なおラジエタータン
ク等に要求される厳しい条件に関しては必ずしも満足で
はなかった。本発明の目的は、ポリアミド樹脂の特性を
生かしつつポリオレフィンが有する耐水性、成形性及び
耐不凍液性を得るために、ポリアミド樹脂とポリオレフ
ィンとの相溶性が改良され、さらにはガラス繊維とマト
リックス樹脂との接着性が改良された繊維強化ポリマー
組成物を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を鑑み鋭意研究の結果、本発明者はポリア
ミド樹脂とポリオレフィンとガラス繊維からなる組成物
に所定量の不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンを添加
するとともに、ガラス繊維を特定の結束剤及びカップリ
ング剤で処理しておくことにより、ガラス繊維とマトリ
ックス樹脂との接着が強固となり、前記特性が一段と向
上することを発見し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の繊維強化ポリマー組成物は、樹脂
成分を基準として(a)ポリアミド樹脂30〜90重量%
と、(b)ポリオレフィン及び不飽和カルボン酸変性ポ
リオレフィンの合計10〜70重量%と、全体を100重量部
として(c)表面処理されたガラス繊維5〜50重量部と
を含有し、前記ポリアミド樹脂の末端アミンのモル数と
前記不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン中のカルボキ
シル基のモル数との比が10〜1000であり、かつ前記ガラ
ス繊維の表面処理が前記ガラス繊維に対して0.1〜1重
量%のシラン系カップリング剤と、1.5〜10重量%のカ
ルボキシル基または酸無水物基を有するポリマー(アク
リル酸系ポリマーを除く)からなる結束剤により行われ
ていることを特徴とする。
本発明を以下詳細に説明する。
本発明において使用するポリアミド樹脂としては、ヘ
キサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカ
メチレンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘ
キサメチレンジアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノ
メチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキ
シルメタン)、m−またはp−キシリレンジアミンのよ
うな脂肪族、脂環族又は芳香族のジアミンと、アジピン
酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸のような脂肪族、脂
環族又は芳香族のジカルボン酸とから製造されるポリア
ミド樹脂、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカ
ン酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノカルボン酸
から製造されるポリアミド樹脂、ε−カプロラクタム、
ω−ドデカラクタムのようなラクタムから製造されるポ
リアミド樹脂およびこれの成分からなる共重合ポリアミ
ド樹脂、またはこれらのポリアミド樹脂の混合物が挙げ
られる。具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、ナイロン9、、ナイロン6/66、ナイロン66/610、
ナイロン6/11等が挙げられる。これらの中では、剛性、
耐熱性の良好な点でナイロン6及びナイロン66が好まし
い。
分子量はとくに限定されないが、通常相対粘度η
(JISK6810、98%硫酸中で測定)が1.0以上のポリア
ミド樹脂が用いられ、中でも2.0以上のものが機械的強
度が優れている点で好ましい。
また、本発明において使用するポリオレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オ
レフィンの単独重合体、エチレンとプロピレン又は他の
α−オレフィンとの共重合体、もしくはこれらのα−オ
レフィンの2種以上の共重合体等が挙げられる。これら
の中では、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリ
エチレン及びポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレ
ンはホモポリマーに限られず、プロピレン成分を50モル
%以上、好ましくは80モル%以上含む他のα−オレフィ
ンとのランダムまたはブロック共重合体も使用すること
ができる。プロピレンに共重合するコモノマーとしては
エチレンその他のα−オレフィンがあり、エチレンが特
に好ましい。従って、本明細書において使用する用語
「ポリプロピレン」はプロピレンのホモポリマーに限定
されず共重合体をも含むものと解すべきである。
本発明において使用する変性ポリオレフィンとは、不
飽和カルボン酸又はその無水物により変性したポリオレ
フィンである。不飽和カルボン酸またはその無水物とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、
無水マレイン酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸無水
物等が挙げられ、特にジカルボン酸及びその無水物が好
ましい。
また不飽和カルボン酸又はその無水物により変性する
ポリオレフィンとしては、上記ポリオレフィンと同様に
α−オレフィンの単独重合体に限らず、他のα−オレフ
ィンとの共重合体も含む。
変性ポリオレフィン中の不飽和カルボン酸又はその無
水物の含有量はアミン/カルボン酸のモル比が10〜1000
の範囲内となるようなものであり、具体的には0.01〜15
重量%であるのが好ましい。変性量が0.01重量%未満で
あると、変性ポリオレフィン添加によるポリアミド樹脂
とポリオレフィンとの相溶性向上に十分な効果がなく、
また15重量%を超えるとポリオレフィンとの相溶性が低
下する。
変性ポリオレフィンの製造は溶液法又は溶融混練法の
いずれでも行うことができる。溶融混練法の場合、ポリ
オレフィン、変性用不飽和カルボン酸(又は酸無水物)
及び触媒を押出機や二軸混練機等に投入し、150〜250℃
の温度に加熱して溶融しながら混練する。また溶液法の
場合、キシレン等の有機溶剤に上記出発物資を溶解し、
80〜140℃の温度で攪拌しながら行う。いずれの場合に
も、触媒として通常のラジカル重合用触媒を用いること
ができ、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、
過酸化ジターシャリーブチル、過酸化アセチル、ターシ
ャリーブチルペルオキシ安息香酸、過酸化ジクミル、ペ
ルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチ
ルペルオキシピバレート等の過酸化物類や、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のジアゾ化合物類等が好ましい。触
媒の添加量は変性用不飽和カルボン酸又はその無水物10
0重量部に対して1〜100重量部程度である。
本発明の繊維強化ポリマー組成物において、樹脂成分
を基準にしてポリアミド樹脂の含有量は30〜90重量%
で、ポリオレフィン+変性ポリオレフィンの含有量は10
〜70重量%である。ポリアミド樹脂が30重量%未満だと
耐熱性及び機械的強度が不十分であり、また90重量%を
超えると成形性及び耐不凍液性が不十分となり、かつコ
スト高となる。好ましい範囲はポリアミド樹脂が50〜70
重量%で、ポリオレフィン+変性ポリオレフィンが30〜
50重量%である。
変性ポリオレフィンの量及びそのカルボン酸基の量は
ポリアミド樹脂中の末端アミンの量と相関させるのが好
ましい。何故なら、変性ポリオレフィン中のカルボン酸
が溶融ブレンドの際、ポリアミド末端アミンと反応して
生成する変性ポリオレフィン−ポリアミドグラフト共重
合体がポリオレフィンとポリアミドの相溶化剤となって
いると考えられ、このグラフト共重合体の生成量がカル
ボン酸基/ポリアミド末端アミンのモル比に関係してい
ると推察されるためである。従って、末端アミンのモル
数と変性ポリオレフィン中のカルボン酸基のモル数との
比が10〜1000となるように、変性ポリオレフィンの含有
量を調節する。アミン/カルボン酸のモル比か10未満で
あると相溶化が進みすぎ、ポリアミド樹脂とポリオレフ
ィンとの特性の平均化が起こり、耐熱性が低下する。ま
たアミン/カルボン酸のモル比が1000を超えると変性ポ
リオレフィンによる相溶化効果が不十分であり、得られ
る組成物の機械的強度が低くなる。好ましいモル比は20
〜200である。
本発明において使用するガラス繊維は、(1)シラン
系カップリング剤と、(2)カルボキシル基または酸無
水物基を有するポリマーからなる結束剤とであらかじめ
表面処理されていることが必要である。かかる表面処理
によって、ガラス繊維とマトリックス樹脂、特にポリア
ミド樹脂との接着性が改善され、耐熱性、耐不凍液性、
機械的物性が大幅に向上する。
本発明に使用するシラン系カップリング剤としては、
アミノシラン、エポキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、メキサメチルシラン、ビニルトリメトキシシランな
どが挙げられる。
また、結束剤として使用し得るカルボキシル基または
酸無水物基を有するポリマーとしては、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸無水物等の重合体
もしくはこれらとスチレン、エチレン等のビニル化合物
等との共重合体などが挙げられる。中でもジカルボン酸
の共重合体が好ましい。
シラン系カップリング剤及び結束剤は、一般にシラン
系カップリング剤及び結束剤を水溶液または水性エマル
ジョンにしガラス繊維を浸漬するか、または上記水溶液
またはエマルジョンをガラス繊維にスプレーすることに
より塗布する。この際シラン系カップリング剤と結束剤
を1つの水溶液または水性エマルジョンとして同時に塗
布しても良いし、あるいは別々の水溶液又は水性エマル
ジョンとして逐次塗布しても良い。逐次塗布する場合
は、シラン系カップリング剤を先に塗布する方が好まし
い。
シラン系カップリング剤及び結束剤を上記の方法で塗
布した後、乾燥及びシラン系カップリング剤の硬化反応
を促進するため、ガラス繊維を100〜200℃で1〜30分間
加熱するのが好ましい。
シラン系カップリング剤の塗布量はガラス繊維の重量
に対し0.1〜1%とする。シラン系カップリング剤の塗
布量が0.1重量%未満であるとガラス表面を完全に覆う
ことができず、また1重量%を超えるとシラン系カップ
リング剤層が厚くなりすぎ脆くなる傾向にある。シラン
系カップリング剤の好ましい塗布量は0.3〜0.5重量%で
ある。
結束剤の塗布量はガラス繊維の重量に対し1.5%〜10
%とする。結束剤の量が1.5重量%未満であるとガラス
繊維を束ねる能力に欠け、またマトリックス樹脂との接
着に劣る。結束剤の量が10重量%を超えると押出ブレン
ドにおけるガラス繊維の分散が悪くなる。
ガラス繊維の含有量は組成物全体を100重量部として
5〜50重量部である。ガラス繊維が5重量部未満である
と組成物の耐熱性及び機械的強度が不十分であり、また
50重量部を超えると成形性が低下して成形物の製造が困
難となり、また機械的強度もかえって低下する。好まし
いガラス繊維の含有量は15〜40重量部である。なおガラ
ス繊維はチョップドストラインド、ロービング等で、繊
維径5〜15μmが好ましい。
本発明の繊維強化ポリマー組成物においては、ポリア
ミド樹脂が連続マトリックス相を形成し、ポリオレフィ
ンが平均径0.5〜5μmのドメイン相を形成するモルフ
ォロジーを有することが好ましい。このようなモルフォ
ロジーを有することにより、組成物の引張り強度、曲げ
弾性率、衝撃強度等の機械的物性が大幅に向上する。
本発明の繊維強化ポリマー組成物は、その他にその改
質を目的として、他の添加剤、例えば無機充填材、熱安
定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防
止剤、離型剤、発泡剤、核剤等を添加することができ
る。
本発明の組成物は一軸押出機、二軸押出機等の押出機
を用いて、加熱溶融状態で混練することによって得るこ
とができるが、下記の構造の二軸押出機により製造する
のが好ましい。
第1図に概略的に示すように、本発明の繊維強化ポリ
マー組成物を製造するための二軸押出機は (a) 長さ/直径(L/D)比が25以上であり、 (b)(i) 樹脂成分を投入する第一のホッパー1
と、 (ii) 得られた繊維強化ポリマー組成物を押出すため
のダイス2と、 (iii) 前記第一のホッパー1から下流側に向かってL
/D15〜20の位置に設けられたガラス繊維を投入する第二
のホッパー3と、 (iv) 前記第二のホッパー3と前記ダイス2の間に設
けられた真空ベント部4と、 (v) 前記第一のホッパー1と前記第二のホッパー3
との間に設けられた少なくとも2組の第一のニーディン
グゾーン5,5′…と、 (vi) 前記第二のホッパー3と前記真空ベント部4と
の間に設けられた少なくとも1組の第二のニーディング
ゾーン6とを有し、 (C) 前記第二のホッパー3から上流側にL/D3.5〜7.
5の温度を290〜320℃とし、 (d) その他の部分を260〜290℃とし、 (e) ダイス出口での樹脂の温度を260〜290℃とす
る。
二軸押出機のL/D比については25未満であると十分な
混練ができない。好ましいL/D比は25〜35である。
第一のホッパー(メインホッパー)1、第二のホッパ
ー3、真空ベント部4及びダイス2はそれぞれ公知の構
造のものでよい。
第二のホッパー3とダイス2との距離はL/D5〜20であ
るが、L/Dが5未満であると樹脂成分とガラス繊維との
混練が不十分となり、またL/Dが20を超えると樹脂成分
の劣化が起こるおそれが大きくなる。
第二のホッパー3と真空ベント部4との距離はL/D3〜
10に設定するのが好ましい。両者の距離L/Dが3未満で
あるとガラス繊維の結束剤が未溶融でベントの効果が少
なく、また10を超えるとベントアップしやすくなる。
第一のニーディングゾーン5,5′…及び第2のニーデ
ィングゾーン6はいずれも少なくとも1組以上設ける。
各ニーディングゾーンはL/Dが1/4〜1/8程度のニーディ
ングディスクを4枚以上連続して組合せたもの(L/D1〜
4)とするのが好ましい。ニーディングゾーン5,5′…
がないか又は十分な長さを有さないと樹脂成分の混練が
不十分であり、可塑化が十分でない。
ニーディングディスクが不足してニーディングゾーン
6の長さがL/D1より短い場合、ガラス繊維の投入による
樹脂の冷却が進み、ガラス繊維の混入が阻害されたり、
サージング(脈流)が起る等、生産に支障をきたす。
なお一般的に第一のニーディングゾーン5,5′の先端
部は第一のホッパー1の下流側L/D5〜20の位置にあり、
合計長さはL/D2〜8程度である。また第二のニーディン
グゾーン6の先端部は第二のホッパー3の下流側L/D2〜
6の位置にあり、合計長さはL/D1〜4程度である。
また第二のホッパー3の上流側L/D3.5〜7.5の部分の
温度が290〜320℃ないと、同様にガラス繊維の混入が阻
害されたり、サージングが起こるおそれがある。しか
し、温度が高すぎると樹脂の劣化が起こり、所望の性能
が得られない。その他の部分については、260〜290℃の
温度とする。またダイス出口の樹脂温度は260〜290℃と
するのが好ましい。
上記の二軸押出機の第一のホッパー(メインホッパ
ー)1から樹脂成分を投入するとともに第二のホッパー
3から表面処理したガラス繊維を投入し、100〜300rpm
の速度で二本のスクリューを回転しながら樹脂成分及び
ガラス繊維の混練を行う。混練により得られた組成物は
既知の方法で容易にペレタイズできる。
上記の二軸押出機により製造した本発明のガラス繊維
強化ポリマー組成物は、通常の射出成形法により所望の
形状に成形することができる。
〔作 用〕
ポリアミド樹脂とポリオレフィンとの相溶性は悪い
が、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンを介在させる
ことにより両者は相溶化する。この理由はポリアミド樹
脂の末端アミンと変性ポリオレフィン中のカルボン酸基
とが反応し、ポリアミド−変性ポリオレフィン共重合体
が生成するためであると考えられる。
さらに、シラン系カップリング剤とカルボキシル基ま
たは酸無水物基を有するポリマー(アクリル酸系ポリマ
ーを除く)からなる結束剤とで表面処理したガラス繊維
を用いることにより、ガラス繊維とマトリックス樹脂と
の接着力が著しく向上する。これは結束剤中のカルボン
酸基又は酸無水物基とポリアミド樹脂の末端アミンとの
反応によるためであると考えられる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜4、比較例1〜3 第2表に示す配合割合でナイロン、ポリプロピレン及
び変性ポリプロピレンを高速ミキサーでドライブレンド
し、第1図に示す45φmmの二軸押出機のメインホッパー
より投入した。また第2表に示す配合割合でガラス繊維
のチップドストランド(平均径13μm、平均長さ3mm)
を二軸押出機の途中より投入して280℃で混練し、組成
物ペレットを得た。なお、ガラス繊維は、下記第1表に
示すシラン系カップリング剤とカルホキシル基又は酸無
水物基含有ポリマー結束剤とを下記重量比で含有する処
理剤で表面処理した。処理剤による表面処理は、処理剤
の水性エマルジョン液に浸漬し、120℃で5分間乾燥す
ることにより行った。各実施例における処理剤の塗布量
をあわせて第1表に示す。
得られた組成物ペレットを乾燥炉で乾燥した後、射出
成形により試験片を作成し、下記の試験を行った。
(1)MFR=JIS K7210により275℃、2160gの荷重下で測
定。
(2)熱変形温度=一定速度(2℃/分)で昇温したと
きに、110mm×4mm×12.7mmの試験片(単純ばり)が一定
荷重(18.6kg)を受けて所定量(0.25mm)だけ撓むとき
の温度をJIS K7207により測定。
(3)引張り強度=23℃及び140℃においてそれぞれJIS
K7113により測定。
(4)曲げ弾性率=23℃及び140℃においてそれぞれJIS
K7203により測定。
(5)アイゾット衝撃強度=23℃及び−40℃においてJI
S K7110により測定。
(6)耐不凍液性=市販自動車用ロングライフクーラン
トの50%水溶液に140℃で200時間浸漬後、吸水状態の引
張り強度を測定し、元の引張り強度を100としたときの
引張り強度保持率(%)により表す。
なお(3)〜(5)においてはそれぞれ乾燥条件及び
吸水条件において測定を行った。乾燥条件とは射出成形
直後のものをデジケータに入れ、75時間、23℃に保った
ものであり、吸水条件とは射出成形品を100℃の水に24
時間浸漬したものである。
結果を第2表に示す。
注):(1)ナイロン、ポリプロピレン及び変性ポリプ
ロピレンの含有量は樹脂分を基準とした重量%であり、
ガラス繊維の含有量は組成物全体を基準とした重量%で
ある。
(2)東レ(株)製アミランCM3001N Korshak−Zamyati
onaの方法(逆適定法)(Chem.Abs.40,4665,‘46,同上4
2,6152,‘48)で測定した末端アミノ基は0.034m当量/g
であった。
(3)東燃石油化学(株)製 J−215 (4)無水マレイン酸 (5)上記第1表に示す処理剤で表面処理をしたガラス
繊維 実施例5 実施例1において、ポリプロピレンの代りに、高密度
ポリエチレン(東燃石油化学(株)製J−6311)を用
い、かつ変性ポリエチレンとして上記ポリエチレンを第
3表に表すカルボン酸で変性したものを用いた以外同様
にして、繊維強化ポリマー組成物を製造した。これに実
施例1〜2と同じテストを行った。結果を第3表に示
す。
注):(1)、(2)、(4)、(5)第2表と同じ
(3)東燃石油化学(株)製J−6311高密度ポリエチレ
ン 以上から明らかなように、本発明の繊維強化ポリマー
組成物はポリアミド樹脂とポリオレフィンとの相溶化を
助ける不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンを含有する
のみならず、ガラス繊維をシラン系カップリング剤とカ
ルボキシル基又は酸無水物基を有するポリマー(アクリ
ル酸系ポリマーを除く)からなる結束剤とで表面処理し
ているために、機械的強度、耐熱性、成形性、耐不凍液
性等に優れている。
〔発明の効果〕
以上に詳述したように、本発明の繊維強化ポリマー組
成物は引張り強度や耐衝撃性等の機械的強度に優れてい
るのみならず、耐熱性、成形性及び耐不凍液性にもすぐ
れている。また吸水率が低下しているために吸水条件下
での諸特性の低下が少ない。その上比較的多量のポリオ
レフィンを含有しているためにコストが低減されている
という利点を有する。
このような本発明の組成物は自動車のラジエータータ
ンク等のエンジン周辺部品やボビン等の電気機器部品等
に使用するのに特に好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の繊維強化ポリマー組成物を製造するの
に使用することができる装置の一例を示す概略図であ
る。 1……第一のホッパー 2……ダイス 3……第二のホッパー 4……ベント 5,5′……第一のニーディングゾーン 6……第二のニーディングゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/06 LLD C08L 51/06 LLD LLE LLE 77/00 LQS 77/00 LQS (72)発明者 見上 隆志 東京都狛江市和泉本町3丁目23番48号 (72)発明者 若林 宏之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 江崎 正美 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 加藤 文夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−241940(JP,A) 特開 昭61−276840(JP,A) 特開 昭60−44535(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂成分を基準として(a)ポリアミド樹
    脂30〜90重量%と、(b)ポリオレフィン及び不飽和カ
    ルボン酸変性ポリオレフィンの合計10〜70重量%と、全
    体を100重量部として(c)表面処理されたガラス繊維
    5〜50重量部とを含有し、前記ポリアミド樹脂の末端ア
    ミンのモル数と前記不飽和カルボン酸変性ポリオレフィ
    ン中のカルボキシル基のモル数との比が10〜1000であ
    り、かつ前記ガラス繊維の表面処理が前記ガラス繊維に
    対して0.1〜1重量%のシラン系カップリング剤と、1.5
    〜10重量%のカルボキシル基または酸無水物基を有する
    ポリマー(アクリル酸系ポリマーを除く)からなる結束
    剤により行われていることを特徴とする繊維強化ポリマ
    ー組成物。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の繊維強化ポ
    リマー組成物において、樹脂成分を基準として(a)前
    記ポリアミド樹脂が50〜70重量%、及び(b)前記ポリ
    オレフィンと前記不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン
    との合計が30〜50重量%であり、(c)全体を100重量
    部として前記表面処理されたガラス繊維が15〜40重量部
    であることを特徴とする繊維強化ポリマー組成物。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は2項に記載の繊
    維強化ポリマー組成物において、前記ポリアミド樹脂の
    末端アミンのモル数と前記不飽和カルボン酸変性ポリオ
    レフィン中のカルボキシル基のモル数との比が20〜200
    であることを特徴とする繊維強化ポリマー組成物。
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