JP2676338B2 - 電磁式クラツチのクラツチトルク制御装置 - Google Patents
電磁式クラツチのクラツチトルク制御装置Info
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- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジンからの伝動系に装備される車両用
電磁式クラッチのクラッチトルク制御装置に関し、詳し
くは、クラッチ電流とクラッチトルクとの関係のバラツ
キを補正し、円滑なクラッチの係合制御および円滑な車
両の発進を得ることに関する。 【従来の技術】 この種の電磁式クラッチのクラッチトルク制御に関し
ては、例えば特開昭56−131430号公報に示されるよう
に、エンジン回転数に対してクラッチ電流と共にクラッ
チトルクを指数関数的に制御することが知られている。
そしてこの場合、第2図(b)に示すエンジンのスロッ
トル全開特性の曲線Tの最大トルクより低い位置にスト
ール点Pが定められ、このストール点Pをクラッチトル
クの特性曲線Tcが通るように、第2図(a)のようなク
ラッチ電流特性が設定されている。 【発明が解決しようとする問題点】 しかしながら、実際の電磁クラッチでは、クラッチ電
流〜トルクの関係は、第2図(c)にみられるように固
体間でバラツキがあるので、これをすべて見込んだクラ
ッチ係合制御をしようとする場合、特性上のバラツキ幅
を認めざるを得なかった。このため滑らかな発進が得ら
れず、クラッチの係合制御に違和感があった。 本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、車両
停車時に電磁式クラッチに与える所定のクラッチ電流に
より生じるエンジン回転数の低下を検出して、これによ
ってクラッチ電流とクラッチトルクの関係の初期設定を
行い、次の運転状態においては、初期設定の関係から求
められるクラッチ電流を更に補正することによって、ク
ラッチ電流対して定められるクラッチトルクのバラツキ
を解消して要求されるクラッチトルクに精度良く制御す
ることを可能にした電磁式クラッチのクラッチトルク制
御装置を提供することを目的とするものである。 【問題点を解決するための手段】 上記目的を達成するため、本発明の電磁式クラッチの
クラッチトルク制御装置は、エンジンからの伝動系に装
備される車両用の電磁式クラッチであって、クラッチ電
流を制御することによってトルク制御を行う電磁式クラ
ッチのクラッチトルク制御装置において、車両停車時に
クラッチ電流とクラッチトルクの関係の初期設定を行う
と共に、補正されたクラッチ電流とクラッチトルクの関
係を随時記憶するクラッチ電流補正検索部と、クラッチ
電流に対して定められるクラッチトルクのバラツキから
補正電流値を求めると共に、上記クラッチ電流補正検索
部から与えられたクラッチ電流に上記補正電流値を加減
して補正されたクラッチ電流を電磁式クラッチに与える
クラッチ電流補正部とを備えることを特徴とする。 また、上述したクラッチ電流に対して定められるクラ
ッチトルクのバラツキを、変速機の変速位置がニュート
ラル位置にある時のエンジン回転数とニュートラルおよ
びパーキング位置以外で所定のクラッチ電流を流した時
のエンジン回転数との差を予め定められた値と比較する
ことによって求めることを特徴とする。 【作用】 上記構成に基づき、本発明は、まず車両停車時にクラ
ッチ電流とクラッチトルクの関係の初期設定を行いクラ
ッチトルク補正検索部に記憶させる。そして所定の運転
状態で要求されるクラッチトルクに対するクラッチ電流
を初期設定に基づいて求めて基本となるクラッチ電流と
し、この基本となるクラッチ電流を、クラッチ電流補正
部において、エンジン回転数と所定のクラッチ電流を流
した時のエンジン回転との差を予め定められた値と比較
することによって求められる補正電流値によって補正
し、この補正されたクラッチ電流によって電磁式クラッ
チのクラッチトルクを制御したので、所定の微小電流を
強制的に流して回転部分のバックラッシュ,ガタ詰めが
行われ、電磁式クラッチの固体毎の特性のバラツキを補
正電流によって除去することができる。またこの補正さ
れたクラッチ電流とクラッチトルクとの関係を随時クラ
ッチトルク補正検索部に記憶させるようにしたので、ク
ラッチトルク補正検索部の学習効果をさらに高めること
ができる。 従って、滑らかなクラッチの係合制御,滑らかな発進
が得られる。 【実 施 例】 以下、本発明の実施例を図面を参照して具体的に説明
する。まず、第1図において本発明が適用される電磁式
クラッチを含む伝動系について説明すると、符号1は電
磁粉式クラッチ、2はエンジン、3は手動変速機または
ベルト式で無段変速する変速機である。 電磁粉式クラッチ1は、エンジン2からのクランク軸
4に、ドライブプレート5を介してコイル6を内蔵する
ドライブメンバ7が一体的に結合し、これに対して変速
機3への入力軸8に、ドリブンメンバ9が回転方向に一
体的にスプライン結合し、これらのドライブおよびドリ
ブンメンバ7,9がギャップ10を介して近接嵌合してお
り、このギャップ10に、パウダ室11から電磁粉を集積す
るようになっている。またドライブメンバ7には、ホル
ダ12を介してスリップリング13が入力軸8と同軸に設置
され、給電用のブラシ14がスリップリング13に摺接して
いる。 こうしてエンジン駆動時、クランク軸4と共にドライ
ブプレート5およびドライブメンバ7が回転しており、
後述する制御系からブラシ14およびスリップリング13を
経てコイル6に給電すると、このときドライブおよびド
リブンメンバ7,9に生じた磁力線により、両者のギャッ
プ10に鎖状に連結した電磁粉が集積して結合力を発生す
る。そしてこの結合力により、ドライブメンバ7に対し
ドリブンメンバ9が一体化して係合作用し、クランク軸
4のエンジン動力を入力軸8に伝達する。 そこで、上記電磁粉式クラッチ1の制御系として、イ
グニッションパルス15,アクセルスイッチ16,車速スイッ
チ17,ドライブ・リバース(D・R)スイッチ18,パーキ
ング・ニュートラル(P・N)スイッチ19,水温センサ2
0などの信号が、制御ユニット21のクラッチ電流制御部2
2に入力される。そしてここで制御された電流が、クラ
ッチコイル6に供給されてトルク制御するように構成さ
れている。また上記制御ユニット21では、車両の停車時
におけるクラッチについて、クラッチ電流とクラッチト
ルクの関係の初期設定を行うと共に、補正されたクラッ
チ電流とクラッチトルクの関係を随時記憶して学習する
クラッチ電流補正研削部23と、クラッチ電流に対して定
められるクラッチトルクのバラツキから補正電流値を求
めると共に、上記クラッチ電流補正検索部23から与えら
れたクラッチ電流に上記補正電流値を加減して補正され
たクラッチ電流をクラッチに与えるクラッチ電流補正部
24が設けられ、初期設定スイッチ25の動作でクラッチ電
流補正検索部23とクラッチ電流補正部24との動作状態に
し、このときイグニッションパルス15の信号が、波形成
形回路26,F−V変換回路27,A−D変換回路28で処理され
て入力するようになっている。 次いで、上記構成の装置のストール点調整動作につい
て説明する。上述したように、或るクラッチ電流に対し
てクラッチの伝えることができるトルクは、第2図
(b)の実線Tcで示す正規のものに対し、破線A,Bのよ
うにクラッチによってバラツキ、実線Tcと同じトルクに
するにはクラッチ電流Icを変える必要がある。換言すれ
ば、或るクラッチ電流に対してクラッチの伝達トルクが
大きければ、ストール点Pのストール回転数は低下する
のである。 そこで、予め当該車両については、初期設定スイッチ
25をオンして制御ユニット21のクラッチ電流補正検索部
23,クラッチ電流補正部24を動作状態にし、車両の停止
時において予めアイドリング時のエンジン回転数(アイ
ドリング回転数)Nnを検出し、ついで電磁粉式クラッチ
1に加えるクラッチ電流によって生じるエンジン回転数
の低下の状況を検出し、この時のクラッチトルクTcを学
習してマップとし、クラッチ電流補正検索部23に記憶さ
せる。しかして実際に運転状態に入った際に、水温セン
サ20によりエンジン2の暖機を確認すると共に、変速機
の変速位置がニュートラル時のアイドリング回転数Nnと
ニュートラル,パーキング時以外で所定のクラッチ電流
を流した時のエンジン回転数Ndとの差から回転数の低下
量をクラッチ電流補正部24で算出すると共に、クラッチ
トルクのバラツキをクラッチ4電流に換算する。すなわ
ち補正電流△Iは、クラッチ電流補正部24において、算
出されたエンジン回転数の低下量(Nn−Nd)を予め定め
られたエンジン回転数Ncと比較することによって求めら
れ、 △I=K{Nc−(Nn−Nd)}(Kは係合制御定数) として算出される。そして上記クラッチ電流補正検索部
23より、予め学習して記憶されたクラッチ電流とクラッ
チトルクとの関係(Ic−Tcマップ)から要求されるクラ
ッチトルクTcに対応するクラッチ電流Icを求め、クラッ
チ電流補正部24に与えることによって、クラッチ電流Ic
は補正電流△Iが加減されて補正され、この補正された
クラッチ電流I1=Ic±△Iが電磁粉式クラッチ1に与え
られる。そしてエンジン回転数Neに対するトルクのバラ
ツキを補正するのである。 なお求められたクラッチ電流I1は、基本電流としてク
ラッチ電流補正検索部23へ記憶させ、学習させる。 このような制御をマイコンにおけるフローで示したの
が第3図である。ここでは、ステップS1で水温センサ20
によりその暖機状態を確かめ、ステップS2で変速機の変
速段がニュートラル状態であるかを確かめる。しかし
て、ステップS3に移行したとき、アクセルスイッチ16で
アクセルを踏込んでいないことを確認し、ステップS4で
その時のアイドル回転数Nnを求める。そしてステップS5
で変速機で変速段がニュートラルかパーキング以外にな
った時、所定のクラッチ電流Icが電磁粉式クラッチ1に
流されたか否かをステップS6で判定し、流されていれ
ば、この時のエンジン回転数NdをステップS7で求めて、
次のステップS8でクラッチトルクのバラツキを(Nn−N
d)の演算で求める。しかして、次のステップS9でクラ
ッチトルクのバラツキを補正するための補正電流ΔI1を
△I1=K{Nc−(Nn−Nd)}で求め、ステップS10で電
流I1を学習された前回の基本電流I0に補正電流ΔI1を加
減補正して求めるのである。そして、今回のクラッチ電
流I1=I0+ΔI1の値を、次の運転の基本電流とする。 換言すれば、暖機後でかつアイドリング状態を検出し
て、ニュートラル時のアイドリング回転数Nnおよび既知
のクラッチ電流を流した時のエンジン回転数Ndから回転
数の低下量(Nn−Nd)を算出し、これが予め定められた
回転数Ncより大きい時にはクラッチ電流I0の補正電流Δ
I1を下げ方向に(−ΔI1)、小さい時には上げ方向に
(+ΔI1)修正するのである。このようにして得られた
クラッチ電流I1=I0±ΔI1は、エンジン回転数Neに対す
る基本電流として学習する。 なおクラッチ電流の加減方法としては、クラッチ係合
時の制御定数Kを変化させることで代用することもでき
る。 【発明の効果】 本発明は、以上詳述したようになるので、ニュートラ
ル時およびニュートラル,パーキング以外で既知のクラ
ッチ電流を流した時のエンジン回転数差から求めた電流
補正分でクラッチ電流を補正するので、クラッチトルク
のバラツキに関係なく、同質の係合制御が可能となる。 従って、クラッチトルクのバラツキを補正することに
よって、滑らかな車両の発進が得られる。
電磁式クラッチのクラッチトルク制御装置に関し、詳し
くは、クラッチ電流とクラッチトルクとの関係のバラツ
キを補正し、円滑なクラッチの係合制御および円滑な車
両の発進を得ることに関する。 【従来の技術】 この種の電磁式クラッチのクラッチトルク制御に関し
ては、例えば特開昭56−131430号公報に示されるよう
に、エンジン回転数に対してクラッチ電流と共にクラッ
チトルクを指数関数的に制御することが知られている。
そしてこの場合、第2図(b)に示すエンジンのスロッ
トル全開特性の曲線Tの最大トルクより低い位置にスト
ール点Pが定められ、このストール点Pをクラッチトル
クの特性曲線Tcが通るように、第2図(a)のようなク
ラッチ電流特性が設定されている。 【発明が解決しようとする問題点】 しかしながら、実際の電磁クラッチでは、クラッチ電
流〜トルクの関係は、第2図(c)にみられるように固
体間でバラツキがあるので、これをすべて見込んだクラ
ッチ係合制御をしようとする場合、特性上のバラツキ幅
を認めざるを得なかった。このため滑らかな発進が得ら
れず、クラッチの係合制御に違和感があった。 本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、車両
停車時に電磁式クラッチに与える所定のクラッチ電流に
より生じるエンジン回転数の低下を検出して、これによ
ってクラッチ電流とクラッチトルクの関係の初期設定を
行い、次の運転状態においては、初期設定の関係から求
められるクラッチ電流を更に補正することによって、ク
ラッチ電流対して定められるクラッチトルクのバラツキ
を解消して要求されるクラッチトルクに精度良く制御す
ることを可能にした電磁式クラッチのクラッチトルク制
御装置を提供することを目的とするものである。 【問題点を解決するための手段】 上記目的を達成するため、本発明の電磁式クラッチの
クラッチトルク制御装置は、エンジンからの伝動系に装
備される車両用の電磁式クラッチであって、クラッチ電
流を制御することによってトルク制御を行う電磁式クラ
ッチのクラッチトルク制御装置において、車両停車時に
クラッチ電流とクラッチトルクの関係の初期設定を行う
と共に、補正されたクラッチ電流とクラッチトルクの関
係を随時記憶するクラッチ電流補正検索部と、クラッチ
電流に対して定められるクラッチトルクのバラツキから
補正電流値を求めると共に、上記クラッチ電流補正検索
部から与えられたクラッチ電流に上記補正電流値を加減
して補正されたクラッチ電流を電磁式クラッチに与える
クラッチ電流補正部とを備えることを特徴とする。 また、上述したクラッチ電流に対して定められるクラ
ッチトルクのバラツキを、変速機の変速位置がニュート
ラル位置にある時のエンジン回転数とニュートラルおよ
びパーキング位置以外で所定のクラッチ電流を流した時
のエンジン回転数との差を予め定められた値と比較する
ことによって求めることを特徴とする。 【作用】 上記構成に基づき、本発明は、まず車両停車時にクラ
ッチ電流とクラッチトルクの関係の初期設定を行いクラ
ッチトルク補正検索部に記憶させる。そして所定の運転
状態で要求されるクラッチトルクに対するクラッチ電流
を初期設定に基づいて求めて基本となるクラッチ電流と
し、この基本となるクラッチ電流を、クラッチ電流補正
部において、エンジン回転数と所定のクラッチ電流を流
した時のエンジン回転との差を予め定められた値と比較
することによって求められる補正電流値によって補正
し、この補正されたクラッチ電流によって電磁式クラッ
チのクラッチトルクを制御したので、所定の微小電流を
強制的に流して回転部分のバックラッシュ,ガタ詰めが
行われ、電磁式クラッチの固体毎の特性のバラツキを補
正電流によって除去することができる。またこの補正さ
れたクラッチ電流とクラッチトルクとの関係を随時クラ
ッチトルク補正検索部に記憶させるようにしたので、ク
ラッチトルク補正検索部の学習効果をさらに高めること
ができる。 従って、滑らかなクラッチの係合制御,滑らかな発進
が得られる。 【実 施 例】 以下、本発明の実施例を図面を参照して具体的に説明
する。まず、第1図において本発明が適用される電磁式
クラッチを含む伝動系について説明すると、符号1は電
磁粉式クラッチ、2はエンジン、3は手動変速機または
ベルト式で無段変速する変速機である。 電磁粉式クラッチ1は、エンジン2からのクランク軸
4に、ドライブプレート5を介してコイル6を内蔵する
ドライブメンバ7が一体的に結合し、これに対して変速
機3への入力軸8に、ドリブンメンバ9が回転方向に一
体的にスプライン結合し、これらのドライブおよびドリ
ブンメンバ7,9がギャップ10を介して近接嵌合してお
り、このギャップ10に、パウダ室11から電磁粉を集積す
るようになっている。またドライブメンバ7には、ホル
ダ12を介してスリップリング13が入力軸8と同軸に設置
され、給電用のブラシ14がスリップリング13に摺接して
いる。 こうしてエンジン駆動時、クランク軸4と共にドライ
ブプレート5およびドライブメンバ7が回転しており、
後述する制御系からブラシ14およびスリップリング13を
経てコイル6に給電すると、このときドライブおよびド
リブンメンバ7,9に生じた磁力線により、両者のギャッ
プ10に鎖状に連結した電磁粉が集積して結合力を発生す
る。そしてこの結合力により、ドライブメンバ7に対し
ドリブンメンバ9が一体化して係合作用し、クランク軸
4のエンジン動力を入力軸8に伝達する。 そこで、上記電磁粉式クラッチ1の制御系として、イ
グニッションパルス15,アクセルスイッチ16,車速スイッ
チ17,ドライブ・リバース(D・R)スイッチ18,パーキ
ング・ニュートラル(P・N)スイッチ19,水温センサ2
0などの信号が、制御ユニット21のクラッチ電流制御部2
2に入力される。そしてここで制御された電流が、クラ
ッチコイル6に供給されてトルク制御するように構成さ
れている。また上記制御ユニット21では、車両の停車時
におけるクラッチについて、クラッチ電流とクラッチト
ルクの関係の初期設定を行うと共に、補正されたクラッ
チ電流とクラッチトルクの関係を随時記憶して学習する
クラッチ電流補正研削部23と、クラッチ電流に対して定
められるクラッチトルクのバラツキから補正電流値を求
めると共に、上記クラッチ電流補正検索部23から与えら
れたクラッチ電流に上記補正電流値を加減して補正され
たクラッチ電流をクラッチに与えるクラッチ電流補正部
24が設けられ、初期設定スイッチ25の動作でクラッチ電
流補正検索部23とクラッチ電流補正部24との動作状態に
し、このときイグニッションパルス15の信号が、波形成
形回路26,F−V変換回路27,A−D変換回路28で処理され
て入力するようになっている。 次いで、上記構成の装置のストール点調整動作につい
て説明する。上述したように、或るクラッチ電流に対し
てクラッチの伝えることができるトルクは、第2図
(b)の実線Tcで示す正規のものに対し、破線A,Bのよ
うにクラッチによってバラツキ、実線Tcと同じトルクに
するにはクラッチ電流Icを変える必要がある。換言すれ
ば、或るクラッチ電流に対してクラッチの伝達トルクが
大きければ、ストール点Pのストール回転数は低下する
のである。 そこで、予め当該車両については、初期設定スイッチ
25をオンして制御ユニット21のクラッチ電流補正検索部
23,クラッチ電流補正部24を動作状態にし、車両の停止
時において予めアイドリング時のエンジン回転数(アイ
ドリング回転数)Nnを検出し、ついで電磁粉式クラッチ
1に加えるクラッチ電流によって生じるエンジン回転数
の低下の状況を検出し、この時のクラッチトルクTcを学
習してマップとし、クラッチ電流補正検索部23に記憶さ
せる。しかして実際に運転状態に入った際に、水温セン
サ20によりエンジン2の暖機を確認すると共に、変速機
の変速位置がニュートラル時のアイドリング回転数Nnと
ニュートラル,パーキング時以外で所定のクラッチ電流
を流した時のエンジン回転数Ndとの差から回転数の低下
量をクラッチ電流補正部24で算出すると共に、クラッチ
トルクのバラツキをクラッチ4電流に換算する。すなわ
ち補正電流△Iは、クラッチ電流補正部24において、算
出されたエンジン回転数の低下量(Nn−Nd)を予め定め
られたエンジン回転数Ncと比較することによって求めら
れ、 △I=K{Nc−(Nn−Nd)}(Kは係合制御定数) として算出される。そして上記クラッチ電流補正検索部
23より、予め学習して記憶されたクラッチ電流とクラッ
チトルクとの関係(Ic−Tcマップ)から要求されるクラ
ッチトルクTcに対応するクラッチ電流Icを求め、クラッ
チ電流補正部24に与えることによって、クラッチ電流Ic
は補正電流△Iが加減されて補正され、この補正された
クラッチ電流I1=Ic±△Iが電磁粉式クラッチ1に与え
られる。そしてエンジン回転数Neに対するトルクのバラ
ツキを補正するのである。 なお求められたクラッチ電流I1は、基本電流としてク
ラッチ電流補正検索部23へ記憶させ、学習させる。 このような制御をマイコンにおけるフローで示したの
が第3図である。ここでは、ステップS1で水温センサ20
によりその暖機状態を確かめ、ステップS2で変速機の変
速段がニュートラル状態であるかを確かめる。しかし
て、ステップS3に移行したとき、アクセルスイッチ16で
アクセルを踏込んでいないことを確認し、ステップS4で
その時のアイドル回転数Nnを求める。そしてステップS5
で変速機で変速段がニュートラルかパーキング以外にな
った時、所定のクラッチ電流Icが電磁粉式クラッチ1に
流されたか否かをステップS6で判定し、流されていれ
ば、この時のエンジン回転数NdをステップS7で求めて、
次のステップS8でクラッチトルクのバラツキを(Nn−N
d)の演算で求める。しかして、次のステップS9でクラ
ッチトルクのバラツキを補正するための補正電流ΔI1を
△I1=K{Nc−(Nn−Nd)}で求め、ステップS10で電
流I1を学習された前回の基本電流I0に補正電流ΔI1を加
減補正して求めるのである。そして、今回のクラッチ電
流I1=I0+ΔI1の値を、次の運転の基本電流とする。 換言すれば、暖機後でかつアイドリング状態を検出し
て、ニュートラル時のアイドリング回転数Nnおよび既知
のクラッチ電流を流した時のエンジン回転数Ndから回転
数の低下量(Nn−Nd)を算出し、これが予め定められた
回転数Ncより大きい時にはクラッチ電流I0の補正電流Δ
I1を下げ方向に(−ΔI1)、小さい時には上げ方向に
(+ΔI1)修正するのである。このようにして得られた
クラッチ電流I1=I0±ΔI1は、エンジン回転数Neに対す
る基本電流として学習する。 なおクラッチ電流の加減方法としては、クラッチ係合
時の制御定数Kを変化させることで代用することもでき
る。 【発明の効果】 本発明は、以上詳述したようになるので、ニュートラ
ル時およびニュートラル,パーキング以外で既知のクラ
ッチ電流を流した時のエンジン回転数差から求めた電流
補正分でクラッチ電流を補正するので、クラッチトルク
のバラツキに関係なく、同質の係合制御が可能となる。 従って、クラッチトルクのバラツキを補正することに
よって、滑らかな車両の発進が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、第2図
(a),(b)はエンジン回転数とクラッチ電流および
トルクの関係を示す図,第2図(c)はクラッチトルク
とクラッチ電流との関係を示す図、第3図は本発明の一
例を示すフローチャート図である。 1……電磁粉式クラッチ、23……クラッチ電流補正検索
部、24……クラッチ電流補正部、25……初期設定スイッ
チ。
(a),(b)はエンジン回転数とクラッチ電流および
トルクの関係を示す図,第2図(c)はクラッチトルク
とクラッチ電流との関係を示す図、第3図は本発明の一
例を示すフローチャート図である。 1……電磁粉式クラッチ、23……クラッチ電流補正検索
部、24……クラッチ電流補正部、25……初期設定スイッ
チ。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.エンジンからの伝動系に装備される車両用の電磁式
クラッチであって、クラッチ電流を制御することによっ
てトルク制御を行う電磁式クラッチのクラッチトルク制
御装置において、 車両停車時にクラッチ電流とクラッチトルクの関係の初
期設定を行うと共に、補正されたクラッチ電流とクラッ
チトルクの関係を随時記憶するクラッチ電流補正検索部
と、 クラッチ電流に対して定められるクラッチトルクのバラ
ツキから補正電流値を求めると共に、上記クラッチ電流
補正検索部から与えられたクラッチ電流に上記補正電流
値を加減して補正されたクラッチ電流を電磁式クラッチ
に与えるクラッチ電流補正部とを備えることを特徴とす
る電磁式クラッチのクラッチトルク制御装置。 2.クラッチ電流に対して定められるクラッチトルクの
バラツキを、変速機の変速位置がニュートラル位置にあ
る時のエンジン回転数とニュートラルおよびパーキング
位置以外で所定のクラッチ電流を流した時のエンジン回
転数との差を予め定められた値と比較することによって
求めることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電
磁式クラッチのクラッチトルク制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61202366A JP2676338B2 (ja) | 1986-08-28 | 1986-08-28 | 電磁式クラツチのクラツチトルク制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61202366A JP2676338B2 (ja) | 1986-08-28 | 1986-08-28 | 電磁式クラツチのクラツチトルク制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6357339A JPS6357339A (ja) | 1988-03-12 |
JP2676338B2 true JP2676338B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=16456311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61202366A Expired - Lifetime JP2676338B2 (ja) | 1986-08-28 | 1986-08-28 | 電磁式クラツチのクラツチトルク制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2676338B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2633135B2 (ja) * | 1992-03-19 | 1997-07-23 | 日本碍子株式会社 | 天井走行車における物品把持装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57138429A (en) * | 1981-02-20 | 1982-08-26 | Fuji Heavy Ind Ltd | Controller of electromagnetic clutch for vehicle |
-
1986
- 1986-08-28 JP JP61202366A patent/JP2676338B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6357339A (ja) | 1988-03-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |