JPH09236172A - 油圧制御装置及びこれを用いた自動変速機 - Google Patents

油圧制御装置及びこれを用いた自動変速機

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JPH09236172A
JPH09236172A JP4383696A JP4383696A JPH09236172A JP H09236172 A JPH09236172 A JP H09236172A JP 4383696 A JP4383696 A JP 4383696A JP 4383696 A JP4383696 A JP 4383696A JP H09236172 A JPH09236172 A JP H09236172A
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JP
Japan
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reference value
control device
drive duty
temperature
hydraulic
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JP4383696A
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English (en)
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Tetsuji Ozaki
哲司 小崎
Masaru Suzuki
勝 鈴木
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧回路に設けられるライン圧制御ソレノイ
ドのコイル電流の変動による油圧制御特性の変動を低減
する。 【解決手段】 変速時には、ライン圧をまず初期圧力P
iを算出し(S240)、これを維持するための駆動デ
ューティDを算出する(S250)。次に、電源電圧V
と油温Tとに基づいて、電源電圧が基準値よりも高い場
合に駆動デューティを減少補正し、逆に基準値よりも低
い場合に増加補正すると共に、温度が基準値よりも高い
場合に駆動デューティを増加補正し、逆に基準値よりも
低い場合に減少補正する(S260)。変速時以外にお
いても同様の処理を行ってライン圧制御用の駆動デュー
ティDを電源電圧Vと油温Tとに基づいて補正する(S
310〜S330)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動変速機
の摩擦締結要素への締結油圧制御などに適用されるよう
な油圧装置に係り、特に、電磁弁のデューティ駆動によ
って油圧回路内の作動油の油圧を目標油圧と一致させる
油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機の摩擦締結要素への締
結圧制御に適用される高速ON/OFF電磁弁の弁作動
制御装置では、一定のデューティ駆動周波数を用い、高
速ON/OFF電磁弁をPWM(パルス幅変調)により
デューティ制御して、所望の油圧を得る方法が採られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この電磁弁
の駆動特性は駆動電流に左右されるため、車両の使用状
態によって変化する。このため、自動変速機における変
速ショックの現れ方や、その大きさがばらつき、所望の
制御特性を得にくい場合がある。
【0004】そこで、本発明は、電磁弁の駆動電流の変
動による油圧制御特性の変動を低減することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の油圧制御装置
は、電磁弁のデューティ駆動によって油圧回路内の作動
油の油圧を目標油圧と一致させるようにした油圧制御装
置において、電磁弁のコイル電流の変動を直接又は間接
に検出し、この変動を相殺するように、駆動デューティ
を補正することとした。
【0006】例えば、電源電圧を検出し、電源電圧が基
準値よりも高い場合に駆動デューティを減少補正し、逆
に基準値よりも低い場合に増加補正する。電流は、オー
ムの法則に明かな通り、電圧に比例する。従って、電源
電圧が高い場合には、同じ駆動デューティだとコイルに
流れる平均電流が増大することとなる。よって、これを
相殺するため、駆動デューティを減少補正するのであ
る。電源電圧が低い場合はこの逆となるので、駆動デュ
ーティを増加補正するのである。
【0007】また、他の構成として、電磁弁の置かれて
いる環境の温度を検出し、温度が基準値よりも高い場合
に駆動デューティを増加補正し、逆に基準値よりも低い
場合に減少補正する。これは、まず電磁弁のコイル抵抗
が、そのコイル素材の特性により定まり、これが温度が
高いほど抵抗が高くなる関係にあることを利用したもの
である。後は、電圧の場合と同様、オームの法則より、
コイル電流はコイル抵抗の逆数に比例することを利用
し、上述の様に補正するのである。即ち、コイル抵抗の
逆数は即ち温度の逆数に対応するので、温度が高いほど
駆動デューティを増加してやるのである。こうすること
で、抵抗増加によって小さくなった平均電流を、ON期
間を長くすることで増加させてやるのである。
【0008】これら電源電圧による補正と環境温度によ
る補正は、両方とも行う様にしておくのがよい。また、
環境温度としては、作動油の油温を検出するようにする
ことができる。これは、油圧回路では、オイルパン内の
作動油中に電磁弁も浸漬されていることが多いので、油
温=環境温度となるからである。
【0009】さらに、自動変速機の油圧制御に上記構成
の油圧制御装置を用いることによって、温度や電源電圧
が変化するような状況になっても、常に所望の油圧を発
生させることができ、変速ショックにばらつきが発生せ
ず、常に良好な変速制御が達成できるようになる。
【0010】なお、作動油の温度による油圧制御特性の
変動に対する技術としては、特開平5一312260号
公報が存在する。しかし、この公報に開示される技術
は、作動油の温度が低いときにデューティ駆動の周波数
を低下させるというものであり、本発明における補正と
はそのやり方が異なっている。これは、当該公報では、
作動油の粘性が油温によって変動する点に着目がなされ
たのであり、本発明のようなコイル電流の変動に対して
着目したものではないからである。また、かかる先行技
術では、結果的には油温の影響をある程度吸収できるけ
れども、コイル電流の変化に着目したものではないた
め、電源電圧の変動には全く対処できない。さらに、作
動油の油温によってデューティ駆動の周波数を変える制
御であるため、毎回現在の駆動周波数に合わせてPWM
のON時間を計算する必要があり、制御プログラムの負
担が大きいといった問題もある。
【0011】本発明は、コイル電流の変動に着目するこ
とで、油温以外の影響に対して油圧制御特性の安定化を
図ることもできるし、油温の影響を除去する場合におい
ても複雑なプログラムを必要としないなど制御装置の簡
単化の点で、上記先行技術に対して有利かつ特有の効果
を有するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、一実施例を説明する。図1は、本発明のライン圧制
御装置を内蔵した自動変速機制御系の全体構成を示して
いる。
【0013】電子制御エンジン1は、自動変速機2とデ
ファレンシャルギア3を介して駆動車輪4に接続され
る。エンジン1はエンジン制御コンピュータ5を備え、
このコンピュータにはエンジン回転数を検出するエンジ
ン回転センサ6、車速(自動変速機の出力軸回転数)を
検出する車速センサ7、エンジンのスロットル開度を検
出するスロットルセンサ8、及び吸入空気量を検出する
吸入空気量センサ9の各信号が入力される。
【0014】コンピュータ5は、これら入力情報を基に
燃料噴射量を決定してエンジン1に指令を出し、また図
示しないが点火信号をエンジン1に供給する。この指令
に応じて、図示しない燃料供給装置、点火装置が作動
し、エンジン1の回転に合わせて燃料の供給と燃焼が行
われ、エンジンを運転する。
【0015】また自動変速機2は、トルクコンバータ1
0、変速歯車機構11を備え、エンジン1から供給され
る動力は、トルクコンバータ10を経て変速歯車機構1
1の入力軸12に伝達される。入力軸12への変速機入
力回転は変速歯車機構11の選択変速段に応じ増減速さ
れて出力軸13に至り、この出力軸13からデファレン
シャルギア3を経て駆動車輪4に達して、自動車を走行
させる事が出来る。
【0016】この自動変速機2の詳細な構成は図2に示
す如く公知の物であるため、その詳細な説明は省略する
が、変速歯車機構11は、入力軸12から出力軸13へ
の動力伝達経路(変速段)を決定するクラッチやブレー
キなどの各種摩擦要素を内蔵している。
【0017】変速歯車機構11には、変速制御コンピュ
ータ14からの指令に基づき駆動されるコントロールバ
ルブ15から適宜油圧が供給され、その油圧を各種摩擦
要素に作動させることで変速を実現している。コントロ
ールバルブ15には、コンピュータ14の指令で変速段
毎に油圧を供給する経路を切り換える変速制御ソレノイ
ド15a,b、油圧の大きさを制御するライン圧制御ソ
レノイド16がある。
【0018】また変速制御コンピュータ14は、図示し
ないがCPU,ROM,RAM,I/O装置からなるマ
イクロコンピュータで構成され、入力軸12の回転数を
計測する入力軸回転センサ17、車速センサ7、スロッ
トルセンサ8の各信号に加えて、作動油温センサ21か
らの信号も入力される。作動油温センサ21は、コント
ロールバルブ15が浸漬されている作動油の温度を検出
するものである。また、コンピュータ14内において、
車載バッテリからの電源電圧に相当する信号が生成され
るようになっている。
【0019】さらにエンジン制御コンピュータ5と変速
制御コンピュータ14は、通信ライン18で結ばれ、制
御情報や指令を双方向に通信できるようになっている。
この通信ライン18は、LAN(Local Area
Network)の様な多重通信機構を用いても良い
し、必要な通信毎に制御コンピュータの入出力ポートを
接続する配線でも良い。
【0020】実施例のコントロールバルブ15には、図
3に示す様な構成のライン圧制御のための油圧装置15
0が含まれている。油圧装置150は、オイルポンプ1
51で発生した油圧を所望の圧力に調整するために、ラ
イン圧制御用ソレノイド16、プレッシャモディファイ
ヤバルブ153、プレッシヤレギュレータバルブ15
2、プレツシヤモディファイヤアキュームレータ15
5、パイロットバルブ154により構成されている。な
お、図中×印はドレーンへつながっている。
【0021】図4は、ライン圧制御用ソレノイド16の
断面構造を模式的に示したものである。変速制御用コン
ピュータ14により、コイル161への通電のON/O
FFが制御される。コイル161への通電がOFFのと
き、プランジャ162はバネ163の作用により左方に
押しつけられ、配管164の圧力はドレーンされず、パ
イロット圧となる。このときプレッシャモディファイヤ
バルブ153は、上方に移動し(図3の1点鎖線の右側
の状態)、プレツシャモディファイヤ圧は上昇する。そ
してプレツシャレギュレータバルブ152は、下方に移
動し(図3の1点鎖線の左側の状態)、ライン圧も上昇
する。一方、コイル161への通電がONになると、プ
ランジャ162は右側に引つ張られ、配管164はドレ
ーンされ、低圧になる。このときプレツシヤモディファ
イヤバルブ153は、下方に移動し(図3の1点鎖線の
左側の状態)、プレツシャモディファイヤ圧は低下す
る。そしてプレツシャレギュレータバルブ152は、上
方に移動し(図3の1点鎖線の右側の状態)、ライン圧
も下降する。以上の動作によって、デューティ周期中の
OFF時間の割合を多くすれば、ドレーン回路が閉じる
時間が長くなることから、ライン圧は高くなる。
【0022】そして、デューティ値(ON時間の割合)
によつてライン圧が決定され、その関係が図10に一例
を示すようなデューテイvsライン圧特性となる。とこ
ろでコイル161は銅線で構成されており、固有の電気
抵抗を有している。またコイルであるためのインダクタ
ンスを有しており、ステップ的な電圧の印加に対して
は、電流は、過渡応答を示す。さらに、磁気回路の影響
によりプランジャ162の応答は、電圧のON/OFF
によって、ある遅れをもってON/OFFする。この様
子を図5に示す。
【0023】すなわち図5(a)の電圧のON/OFF
に対して、(b)の電流が流れ、その電流によって吸引
力が発生し、(c)に示すプランジヤ162のON/O
FFが得られる。ここでONは、プランジャ162が右
側へ動いた状態を示す(ここでは、機械的な応答遅れは
無視した)。ここで図5(b)の電流の応答は、コイル
161のインダクタンス分が一定とすると、電源の電圧
または、コイル161の抵抗分に依存する。つまり、電
源電圧が高いかまたはコイル抵抗が低い場合には、電流
の増加がより大きくなり、結果として、プランジャ16
2がONする期間が長くなる。この関係をデューテイv
sライン圧特性で示すと図6のようになり、標準的な条
件でのデューティvsライン圧特性が実線のようであっ
たとすると、電流がより多く流れる高電圧または低抵抗
の場合には、破線のような特性になる。すなわち、電流
がより多く流れる状態では、電圧を同じデューティでO
N/OFFしても、図5で説明したようにライン圧を下
降させる期間が長くなるために、デューテイvsライン圧
特性がよリライン圧が低くなる側へ移動するのである。
【0024】そこで例えば、電源電圧が12ボルトで、
作動油の温度が80℃のときを標準条件として、図5に
示したようなデューテイvsライン圧特性が得られてい
たとする。今ライン圧としてPoを設定するためにデュ
ーティDoを出力したとすると、上記理由によってデュ
ーティvsライン圧特性がずれた場合には、ライン圧は
Po'となり、これを補正するためにデューテイ値を△
dだけ変更する必要がある。
【0025】次に、実施例においてエンジン制御コンピ
ュータ5と変速制御コンピュータ14が実行する制御内
容について説明する。まず、変速制御コンピュータ14
による変速機制御について説明する。変速制御コンピュ
ータ14は、まず、図7に示す様に、変速判断に必要な
スロットル開度θacc 、車速SPD、入力軸回転数Nt
と、電源電圧V及び作動油温Tを読み込む(S21
0)。そして、変速線図に基づいて変速の有無を判定す
る(S220)。
【0026】変速線図としては、車速とスロットル開度
をパラメータとしたマップを変速制御コンピュータ14
が予め記憶している。このマップは、図8に示す様に、
変速段決定の際のチャタリング防止のため、第n速(n
=1,2,3)から第n+1速への変速(アップシフ
ト)と第m速(m=2,3,4)から第m−1速への変
速(ダウンシフト)で、アップシフトの場合は実線で、
ダウンシフトの場合は破線で示すように異なる判定線を
用いるように構成されている。
【0027】変速制御コンピュータ14は、この変速線
図を用いて、前回の演算における車速一スロットル開度
の関係位置と今回の演算におけるその関係位置とを結ん
だ線が、実線または破線の変速線を横切った場合に変速
有りと判定する。変速有りと判定された場合には、変速
線図から求められる新たな変速段に対応するように、変
速制御ソレノイド15a,bのON/OFF状態を切り
換える(S230)。
【0028】変速制御ソレノイド15a,bのON/O
FF状態は、例えば下記表1の様に制御される。この関
係も、予め変速制御コンピュータ14に記憶してある。
【0029】
【表1】
【0030】こうしてソレノイド15a,bのON/O
FF状態を新たな変速段に対応するように切り換える
と、コントロールバルブ15を介して変速歯車機構11
内部の各種摩擦要素に加えられる油圧が変化し、必要な
クラッチやブレーキが作動して、変速段が切り換えられ
る。
【0031】次に、ライン圧を変速時用の初期圧力Pi
を算出し、このライン圧Piを維持するのに必要な、ラ
イン圧制御ソレノイド16に対する駆動デューティDを
演算する(S240,250)。この初期圧力Piは、
例えば、図9に示した様に、スロットル開度に対するマ
ップとして予め関係を求めておき、これを変速制御コン
ピュータ14に記憶させておく。本実施例では、この関
係は、点線で示される変速時用と、実線で示される変速
時以外用の2つが記憶されている。そして、さらに、図
10に示す様に、ライン圧とソレノイド16への駆動デ
ューティとの関係を表すマップもコンピュータ14に記
憶しておく。これら二つのマップを用いることにより、
変速時のスロットル開度から初期圧力Piを求め、さら
に、このPiを維持するための駆動デューティDを求め
るのである。なお、本実施例では図9,図10の二つの
マップを用いたが、これらを一体化して、スロットル開
度からデューティ値を直接求める構成としても良いこと
は言うまでもない。
【0032】次に、電源電圧V及び作動油温Tに基づい
て、駆動デューティDを補正する(S260)。この補
正は、次の様にしてなされる。まず電源電圧の検出値が
標準条件から△Vだけ高い場合には、ソレノイド16の
コイル抵抗をRL とすると、コイル電流IL は△IL =
△V/RL だけ余分に流れることになる。ここで、コイ
ル電流IL はデューティ値Dと比例関係にあるものと近
似できるから、IL =K1・D(ただし、K1は比例係
数)と表すことができる。よって、△IL をデューティ
値の変化分として表すと、電源電圧の変動分△Vを相殺
するための補正値△dvは、
【0033】
【数1】
【0034】となる。この関係より、見かけ上は、電源
電圧が△Vだけ高い場合には駆動デューティが△dvだ
け増加したのと同じになるので、標準状態の駆動デュー
ティDから△dvだけ減ずるようにしてやれば、コイル
電流IL を目標値に保つことができることとなる。逆
に、電源電圧が△Vだけ低い場合には、上記式にて得ら
れる△dvをデューティ値Dに加えてやればよいのであ
る。
【0035】次に、作動油温の影響を相殺する方法につ
いて説明する。作動油温は、コイル抵抗RL と比例関係
にある。即ち、コイル抵抗RL は、コイルを構成する銅
線の特性によって温度が高いほど大きな値となるのであ
る。いま、コイル抵抗が△Rだけ増加したとすると、こ
れにより、コイル電流IL は、
【0036】
【数2】
【0037】だけ減少することになる。これをデューテ
ィ値の見かけの減少量△dtに換算すると、
【0038】
【数3】
【0039】となる。また、△R=K2・△T(ただ
し、K2は比例係数)を代入すると、
【0040】
【数4】
【0041】となる。よって、作動油温が標準状態より
も△Tだけ高い場合には、数4の結果を駆動デューティ
に加え、逆に△Tだけ低い場合には数4の結果を減じて
やればよいこととなる。
【0042】こうして駆動デューティDの補正ができた
ら、補正後の条件でソレノイド16をデューティ駆動す
る(S270)。これにより、ライン圧を図9の関係に
より定まる初期圧力Piに正しく設定できることとな
る。こうして初期圧力Piを設定できたら、次に、ライ
ン圧に対するフィードバック制御の開始条件となったか
否かを判定する(S280)。この開始条件の判定は、
新たな変速段に対応する摩擦係合要素がトルクの伝達を
始めると、入力軸回転数Ntが低下を始めるので、この
Ntの低下を検出することによって行っている。フィー
ドバック開始条件になるまでは、S270へ戻ってライ
ン圧をPiに維持し続ける。
【0043】一方、入力軸回転数Ntの低下により、フ
ィードバック開始点と判定したときには、上述のループ
を抜け、S290に進んで、入力軸回転数Ntが所定の
変化をするようにフィードバック制御を行う。具体的に
は、まず現在の入力軸回転数Ntと変速の前後における
ギア比の関係から、変速にともなう入力軸回転数の変化
幅△Ntrを算出し、これを摩擦係合要素の熱容量やエ
ンジン特性などから定まる目標時間Ttで除して、目標
とする軌跡の勾配値を求める。そして、この勾配値から
1演算周期間の入力軸回転数の変化量△ntrを計算
し、数5によって、目標値Ntr(n)を求める。
【0044】
【数5】
【0045】ここで、nは演算周期を表し、Ntr(n
−1)は、1演算周期前の目標値を表す。こうして目標
入力軸回転数Ntr(n)が求められたら、次に、入力
軸回転数Ntのフィードバック制御を行う。この制御対
象は、ライン圧制御ソレノイド16である。即ち、Nt
<Ntr(n)の場合にはライン圧を低下させることに
よって変速の進行を抑制してNtをNtr(n)に近づ
け、逆に、Nt>Ntr(n)場合にはライン圧を高め
ることによって変速の進行を推進してNtをNtr
(n)に近づけるのである。
【0046】具体的には、目標入力軸回転数Ntrと実
際の入力軸回転数Ntとを用いて得られる偏差△Nt=
Ntr(n)−Nt(n)に基づく、周知のフィードバ
ック演算により制御を行う様に構成される。例えばPI
D制御では、フィードバック補償油圧DFB(n)は、
次式で計算される。
【0047】
【数6】
【0048】ただし、nは現在の入力、出力の状態を示
し、n−1は1演算周期前の状態を示す。また、Kp,
Ki,Kdは、PID制御におけるP項(比例項)、I
項(積分項)、D項(微分項)のゲインを示す。
【0049】このフィードバック制御は、変速終了と判
定されるまで繰り返し実行される(S300)。変速終
了判定は、アップシフトの場合には入力軸回転数Ntの
変化の向きが反対になる点、つまり変速の進行によって
回転数が低下していたものが再び増加に転じる点を検出
すればよい。あるいは、入力軸回転数から、車速に変速
歯車機構11の変速が進行している段のギア比を掛けた
値を差し引いたものが所定値(例えば50rpm)以下
になったときを検出するといった方法で判定しても良
い。
【0050】前に戻って、S220の判定で変速開始と
判断されなかった場合には、図9のマップの実線の関係
からライン圧を求め(S310)、図10のマップにて
駆動デューティに換算し(S320)、上述の数1,数
4に基づく補正を実行し(S330)、その結果に基づ
いてライン圧制御ソレノイド16を制御する(S34
0)。これにより、スロットル開度に見合った一定のラ
イン圧を正しく維持することができる。なお、この場合
は、変速制御ソレノイド15a,bのON/OFFは現
在の状態を維持することになる。
【0051】本実施例によれば、電源電圧、油温の影響
を相殺し、常に目的とするライン圧を正しく維持するこ
とができる。よって、変速時においては、その初期圧力
Piが目標通りになることから、以後のフィードバック
制御がスムーズに進行し、変速ショック抑制効果がばら
つかないようにすることができる。
【0052】以上、一実施例を説明したが、本発明はさ
らに種々なる形態で実施できることはもちろんである。
例えば、これら実施例は油温や電源電圧によりコイル電
流を間接的に検出するものであるが、コイル電流自体を
直接検出するようにしても構わない。ただし、コイル電
流を検出するにはそれ専用の回路などが必要となるが、
電源電圧や油温は、このデューティ補正以外の制御にも
使用できるので、専用回路の追加が不要となる利点を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のシステムを示す概略構成図である。
【図2】 実施例における自動変速機の概略構成図であ
る。
【図3】 実施例における油圧制御装置の概略構成図で
ある。
【図4】 実施例におけるライン圧制御ソレノイドの取
付状態を示す概略構成図である。
【図5】 実施例におけるライン圧制御ソレノイドの動
作を示すタイミングチャートである。
【図6】 実施例におけるライン圧とデューティの関係
が電圧等によって変化する様子を例示するグラフであ
る。
【図7】 実施例における変速制御コンピュータによる
制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】 実施例において使用する変速線マップに相当
するグラフである。
【図9】 実施例において使用するライン圧算出用マッ
プに相当するグラフである。
【図10】 実施例において使用するライン圧制御デュ
ーティ算出用マップに相当するグラフである。
【符号の説明】
1・・・電子制御エンジン、2・・・自動変速機、3・
・・デファレンシャルギア、5・・・エンジン制御コン
ピュータ、6・・・エンジン回転センサ、7・・・車速
センサ、8・・・スロットルセンサ、9・・・吸入空気
量センサ、10・・・トルクコンバータ、11・・・変
速歯車機構、12・・・変速機入力軸、13・・・出力
軸、14・・・変速制御コンピュータ、15・・・コン
トロールバルブ、15a,15b・・・変速制御ソレノ
イド、16・・・ライン圧制御ソレノイド、17・・・
入力軸回転センサ、18・・・通信ライン、21・・・
油温センサ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧回路に設けられ、デューティ駆動に
    よって開閉される電磁弁と、 前記油圧回路内の作動油の油圧を目標油圧と一致させる
    ように、前記電磁弁への駆動デューティを制御する制御
    手段とを備える油圧制御装置において、 前記電磁弁のコイル電流の変動を直接又は間接に検出す
    る検出手段と、 該検出されるコイル電流の変動を相殺するように、前記
    駆動デューティを補正する補正手段とを備えることを特
    徴とする油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段が電源電圧を検出する手段
    であり、前記補正手段は、電源電圧が基準値よりも高い
    場合に駆動デューティを減少補正し、逆に基準値よりも
    低い場合に増加補正する手段であることを特徴とする請
    求項1記載の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段が前記電磁弁の置かれてい
    る環境の温度を検出する手段であり、前記補正手段は、
    温度が基準値よりも高い場合に駆動デューティを増加補
    正し、逆に基準値よりも低い場合に減少補正する手段で
    あることを特徴とする請求項1記載の油圧制御装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段が、電源電圧を検出する手
    段と、前記電磁弁の置かれている環境の温度を検出する
    手段とからなり、 前記補正手段は、電源電圧が基準値よりも高い場合に駆
    動デューティを減少補正し、逆に基準値よりも低い場合
    に増加補正すると共に、温度が基準値よりも高い場合に
    駆動デューティを増加補正し、逆に基準値よりも低い場
    合に減少補正する手段であることを特徴とする請求項1
    記載の油圧制御装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段が作動油の温度を検出する
    手段であることを特徴とする請求項3又は4記載の油圧
    制御装置。
  6. 【請求項6】 変速歯車機構の各摩擦要素をライン圧に
    より選択的に油圧作動させて所定の変速段を選択し、作
    動する摩擦要素の変更により他の変速段への変速を行う
    ようにした自動変速機において、変速が実際に行われる
    期間に、上記ライン圧を適正に制御して変速ショックを
    低減するようにした変速過渡時のライン圧制御装置とし
    て、請求項1〜5のいずれか記載の油圧制御装置を用い
    ることを特徴とする自動変速機。
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