JP2527940B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents
無段変速機の制御装置Info
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- JP2527940B2 JP2527940B2 JP20312486A JP20312486A JP2527940B2 JP 2527940 B2 JP2527940 B2 JP 2527940B2 JP 20312486 A JP20312486 A JP 20312486A JP 20312486 A JP20312486 A JP 20312486A JP 2527940 B2 JP2527940 B2 JP 2527940B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、無段変速機の制御装置に関し、詳しくは、
高地等におけるエンジン出力の低下を検出して、出力の
低下に応じて通常よりもダウンシフト側の変速比を使用
し駆動力の低下を補うことに関するものである。
高地等におけるエンジン出力の低下を検出して、出力の
低下に応じて通常よりもダウンシフト側の変速比を使用
し駆動力の低下を補うことに関するものである。
従来、無段変速機の変速比制御では、最小の燃費特性
が得られるような目標変速比を設定して制御を行ってい
る。この場合、変速比の小さいオーバードライブ側に変
速制御されることが多く、その結果、所定のスロットル
開度に対応する駆動力は比較的小さくなる。 一方、高地等においては、エンジンの吸気充填効率が
低下することにより、エンジン出力が低下するので、例
えば特開昭60−84462号公報に示すようにライン圧制御
装置のライン圧を、気圧に関係して制御する先行技術が
ある。
が得られるような目標変速比を設定して制御を行ってい
る。この場合、変速比の小さいオーバードライブ側に変
速制御されることが多く、その結果、所定のスロットル
開度に対応する駆動力は比較的小さくなる。 一方、高地等においては、エンジンの吸気充填効率が
低下することにより、エンジン出力が低下するので、例
えば特開昭60−84462号公報に示すようにライン圧制御
装置のライン圧を、気圧に関係して制御する先行技術が
ある。
ところで、前記先行技術にあっては、高地走行を検出
するために気圧センサなどの特別なセンサが必要とな
る。また、高地における吸気充填効率の低下によるエン
ジン出力の低下には対処できても、エアコン使用時など
のその他の事由によるエンジン出力の低下には対処でき
ず、この場合には車両の駆動力が更に低下してしまうと
いう問題がある。 本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、エ
ンジントルクの低下を検出して、低下時には、目標変速
比が大きくなる方向に補正を行い、その結果、通常より
もダウンシフト側に変速制御して駆動力の低下を補うよ
うにした無段変速機の制御装置を提供することを目的と
している。
するために気圧センサなどの特別なセンサが必要とな
る。また、高地における吸気充填効率の低下によるエン
ジン出力の低下には対処できても、エアコン使用時など
のその他の事由によるエンジン出力の低下には対処でき
ず、この場合には車両の駆動力が更に低下してしまうと
いう問題がある。 本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、エ
ンジントルクの低下を検出して、低下時には、目標変速
比が大きくなる方向に補正を行い、その結果、通常より
もダウンシフト側に変速制御して駆動力の低下を補うよ
うにした無段変速機の制御装置を提供することを目的と
している。
この目的を達成する手段として本発明は、クラッチの
入出力回転数、無段変速機の入出力回転数、およびスロ
ットル開度などのエンジン負荷を検出してクラッチおよ
び無段変速機を総合的に制御するものにおいて、車両の
発進時、クラッチトルクの発生によりエンジン回転数の
上昇が停止した時点でのクラッチトルクと、エンジン回
転数およびスロットル開度に基づき算出されるエンジン
トルクとを比較してエンジン出力の低下を検出する出力
低下検出手段と、上記出力低下検出手段の検出信号に応
じてエンジン出力の低下時には、無段変速機の変速比を
通常よりダウンシフト側に補正制御する変速比補正手段
とを備えることを特徴とする。
入出力回転数、無段変速機の入出力回転数、およびスロ
ットル開度などのエンジン負荷を検出してクラッチおよ
び無段変速機を総合的に制御するものにおいて、車両の
発進時、クラッチトルクの発生によりエンジン回転数の
上昇が停止した時点でのクラッチトルクと、エンジン回
転数およびスロットル開度に基づき算出されるエンジン
トルクとを比較してエンジン出力の低下を検出する出力
低下検出手段と、上記出力低下検出手段の検出信号に応
じてエンジン出力の低下時には、無段変速機の変速比を
通常よりダウンシフト側に補正制御する変速比補正手段
とを備えることを特徴とする。
このような手段を採用した本発明では、出力低下検出
手段はいかなる事由によるエンジン出力の低下も検出
し、その検出信号に応じて変速比補正手段が無段変速機
の変速比を通常よりダウンシフト側に補正制御する。
手段はいかなる事由によるエンジン出力の低下も検出
し、その検出信号に応じて変速比補正手段が無段変速機
の変速比を通常よりダウンシフト側に補正制御する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 第1図において、電磁クラッチにベルト式無段変速機
を組合わせた駆動系の全体構成について説明する。エン
ジン1は、電磁粉式クラッチ2,前後進切換装置3を介し
て無段変速機4に連結し、無段変速機4から1組のリダ
クションギヤ5,出力軸6,ディファレンシャルギヤ7およ
び車軸8を介して駆動輪に伝動構成される。 電磁粉式クラッチ2は、エンジンクランク軸10にドラ
イブメンバ2aを、入力軸11にクラッチコイル2cを具備し
たドリブンメンバ2bを有する。そしてクラッチコイル2c
に流れるクラッチ電流により両メンバ2a,2bの間のギャ
ップに電磁粉を鎖状に結合して集積し、これによる結合
力でクラッチ接断およびクラッチトルクを可変制御す
る。 前後進切換装置3は、入力軸11と変速機主軸12との間
にギヤとハブやスリーブにより同期噛合式に構成されて
おり、少なくとも入力軸11を主軸12に直結する前進位置
と、入力軸11の回転を逆転して主軸12に伝達する後退位
置とを有する。 無段変速機4は、主軸12とそれに平行配置された副軸
13とを有し、主軸12には油圧シリンダ14aを備えプーリ
間隔可変のプライマリプーリ14が、副軸13には同様に油
圧シリンダ15aを備えたセカンダリプーリ15が設けられ
る。また、両プーリ14,15には駆動ベルト16が巻付けら
れ、両シリンダ14a,15aは油圧制御回路17に回路構成さ
れる。そして両シリンダ14a,15aには伝達トルクに応じ
たライン圧を供給してプーリ押付力を付与し、プライマ
リ圧により駆動ベルト16のプーリ14,15に対する巻付け
径の比率を変えて無段階に変速制御するように構成され
ている。 次いで、電磁粉式クラッチ2と無段変速機4の電子制
御系について説明する。エンジン1のエンジン回転数セ
ンサ19,無段変速機4のプライマリプーリとセカンダリ
プーリの回転数センサ21,22,クラッチドリブン側回転セ
ンサ23を有する。また、操作系のシフトレバー25は、前
後進切換装置3に機械的に結合しており、リバース
(R),ドライブ(D),スポーティドライブ(Ds)の
各レンジを検出するシフト位置センサ26を有する。更
に、アクセルペダル27には、アクセル踏込み状態を検出
するアクセルスイッチ28を有し、スロットル弁側にスロ
ットル開度センサ29を有する。 そして上記スイッチおよびセンサの種々の信号は、電
子制御ユニット20に入力し、マイコン等を使用してソフ
ト的に処理される。そして電子制御ユニット20から出力
するクラッチ制御信号が電磁粉式クラッチ2に、変速制
御信号およびライン圧制御信号が無段変速機4の油圧制
御回路17に入力して、各制御動作を行うようになってい
る。 次いで、第2図により無段変速機4の油圧制御系につ
いて説明すると、エンジン1により駆動されるオイルポ
ンプ60を有し、オイルポンプ60の吐出側のライン圧油路
61が、セカンダリシリンダ15a,ライン圧制御弁62,変速
速度制御弁63に連通し、変速速度制御弁63からライン圧
油路64を介してプライマリシリンダ14aに連通する。ラ
イン圧油路61は更にオリフィス70を介してレギュレータ
弁65に連通し、レギュレータ弁65からの一定なレギュレ
ータ圧の油路66が、ソレノイド弁42,57および変速速度
制御弁63の一方に連通する。各ソレノイド弁42,57は制
御ユニット20からのデューティ信号により例えばオンし
て排圧し、オフしてレギュレータ圧PRを出力するもので
あり、このようなパルス状の制御圧を生成する。そして
ソレノイド弁42からのパルス状の制御圧は、アキュムレ
ータ68で平均化されてライン圧制御弁62に作用する。こ
れに対しソレノイド弁57からのパルス状の制御圧は、そ
のまま変速速度制御弁63の他方に作用する。なお、図中
符号67はドレン油路、69はオイルパンである。 ライン圧制御弁62は、ソレノイド弁42からの平均化し
た制御圧により、変速比i,エンジントルクTに基づいて
ライン圧PLの制御を行う。 変速速度制御弁63は、レギュレータ圧とソレノイド弁
57からのパルス状の制御圧の関係により、ライン圧油路
61,64を接続する給油位置と、ライン圧油路64をドレン
する排油位置とに動作する。 そして、デューティ比により2位置の動作状態を変え
てプライマリシリンダ14aへの給油または排油の流量Q
を制御し、変速比iを変えると共に、その変化速度di/d
tも変えるようになっている。 即ち、プライマリシリンダ14aの必要油量Vは、変速
比iとの関係で機械的に構成上決まるもので、 V=f1(i) となり、流量Qは油量Vを時間で微分したものであるか
ら、 Q=dv/dt={df1(i)/di}・(di/dt) となり、流量Qと変速速度di/dtは変速比iをパラメー
タとして対応している。従って、次式になる。 di/dt=f2(Q,i) また、プライマリシリンダ内圧PP,ライン圧PL,流量係
数c,動力加速度g,油比重量γ,弁の給油ポード開口面積
Si,排油ポート開口面積SDとすると、給油流量Qi,排油流
量QDは、 QD=c・SD[(2gPP)/γ]1/2 =a・SD(PP)1/2 Qi=a・Si(PL−PP)1/2 [a=c(2g/γ)1/2] で表わせる。 そこで、デューティ比(オン/オフ比)をDとする
と、1サイクルの平均流量Q(給油を正とする)は、 Q=a{D・Si(PL−PP)1/2−(1−D) ×SD(PP)1/2} となり、a,Si,SDを定数とすると、次式になる。 Q=f3(D,PL,PP) ここでライン圧PLは、変速比i,エンジントルクTによ
り制御され、そしてプライマリシリンダ内圧PP、変速比
iとライン圧PLで決まるものである。いま、Tを一定と
仮定すると、 Q=f4(D,i) となり、次式が成立する。 di/dt=f5(D,i) このため、式展開すると、 D=f6(di/dt,i) となり、以上により変速速度di/dtはデューティ比Dと
対応することがわかる。そしてデューティ比Dは、変速
速度di/dtと変速比iの関係で決まることになる。 一方、変速速度di/dtは、定常の目標変速比isと実際
の変速比iとの偏差に基づくものであるから、次式が成
立する。 di/dt=k(is−i)(kは定数) このことから、各変速比iにおいて上式から変速速度
di/dtを決めれやれば、それに基づいてデューティ比D
が求まり、このデューティ比Dで変速速度制御弁63を動
作すれば、低速段と高速段の変速全域で変速比変化速度
制御を行うことが可能となる。 ところで、上記変速速度制御は外乱の要素を全く含ま
ない基本的な変速比を対象とするフィードバック制御系
であり、これにより実際に無段変速機をデューティ比D
の操作量で制御する場合は、無段変速機の制御系の要因
による遅れ要素により収束性が悪い。ここで、無段変速
機の遅れに対処するには、目標とする変速比isの実際の
変化状態を検出し、これを予め変速速度di/dtまたは操
作量のデューティ比Dに加味してフィードフォワード制
御すれば良い。このことから、変速速度di/dtは次式の
ように定めことができる。 di/dt=k1(is−i)+k2 dis/dt (k1,k2は係数) そして、操作量のデューティ比Dを上述と同様にdi/d
tとiな関数で決定する。 こうして、目標変速比変化速度dis/dtを加味すること
で、移送進み要素が付加されて収束性が改善する。ここ
で、目標変速比変化速度dis/dtは車両の或る走行状態に
おける目標変速比の変化状態であるから、一定時間Δt
毎に目標変速比変化量Δisを求め、Δis/Δtにより算
出する。 係数k1は変速速度に直接関係するもので、ドライバの
加速意志に対応して所定の固定値、またはアクセル開度
変化との関係で可変にすることができる。係数k2例えば
無段変速機の遅れ成分に関係するもので、油圧制御系の
オイルの粘性等を考慮して固定値または可変にすること
ができる。 そこで第3図の電子制御系では、上述の原理に基づい
て構成されており、以下に説明する。 先ず、変速速度制御系について説明すると、プライマ
リプーリ14,セカンダリプーリ15,エンジン1の各回転数
センサ21,22,19およびスロットル開度センサ29を有す
る。そして制御ユニット20において両プーリ回転数セン
サ21,22からの回転信号Np,Nsは、実変速比算出部31に入
力して、i=Np/Nsにより実変速比iを求める。また、
セカンダリプーリ回転数センサ22からの信号Nsとスロッ
トル開度センサ29の信号θは、目標変速比検索部32に入
力する。ここで目標変速比isの変速パターンは、例えば
θ−Nsのテーブルとして設定されており、このテーブル
を用いてNs,θの値からisが検索される。この目標変速
比isは目標変速速度算出部34に入力し、一定時間Δt毎
のis変化量Δisにより目標変速比変化速度dis/dtを算出
する。そして上記実変速比算出部31の実変速比i,目標変
速比検索部32の目標変速比is,目標変速速度算出部34の
目標変速比変化速度dis/dt,係数設定部26の係数k1,k2お
よび後述する目標変速比補正部35の補正係数k′isは変
速速度算出部33に入力し、 di/dt=k1(is−i)+k2・dis/dt により変速速度di/dtが算出される。この変速速度算出
部33と実変速比算出部31の信号は、更にデューティ比検
索部55に入力する。 ここで、既に述べたように、デューティ比D=f6(di
/dt,i)の関係によりdi/dt,iに基づくデューティ比Dの
テーブルが設定されており、このテーブルからデューテ
ィ比Dを検索する。このテーブルでは、変速比iが小さ
くなって高速段に移行し、かつ変速速度di/dtが小さく
なるに従ってデューティ比Dの値が小さく設定されてい
る。そして上記デューティ比検索部55からのデューティ
比Dの信号が、駆動部56を介してソレノイド弁57に入力
するようになっている。 続いて、ライン圧制御系について説明すると、スロッ
トル開度センサ29の信号θ,エンジン回転数センサ19の
信号Neがエンジントルク算出部37に入力して、θ−Neの
トルク特性のテーブルからエンジントルクTeを求める。
一方、実変速比算出部31からの実変速比iに基づき必要
ライン圧設定部38において、単位トルク当りの必要ライ
ン圧PLuを求め、これが目標ライン圧算出部39に入力し
て、PL=PLu・Tにより目標ライン圧PLを算出する。 目標ライン圧設定部39の出力PLは、デューティ比設定
部40に入力して目標ライン圧PLに相当するデューティ比
Dを設定する。そしてこのデューティ比Dの信号が、駆
動部41を介してソレノイド弁42に入力するようになって
いる。 クラッチ制御系においては、エンジン回転数センサ19
からのエンジン回転数Neと、クラッチドリブン側回転数
センサ23からのクラッチドリブン側回転数Ncとが入力す
るクラッチ係合率算出部53およびエンジン回転数Neとシ
フト位置センサ26のR,D,Dsの走行レンジの信号が入力す
る逆励磁モード判定部44を有し、例えばNe<300rpmの場
合、またはパーキング(P),ニュートラル(N)レン
ジの場合に逆励磁モードと判定し、出力判定部50により
通常とは逆向きの微少電流を流す。そして電磁粉式クラ
ッチ2のクラッチコイル2cの残留磁気を除いて完全に解
放する。また、この逆励磁モード判定部44の判定出力信
号,クラッチ係合率算出部53のクラッチ係合率信号,ア
クセル開度センサ28の踏込み信号およびセカンダリプー
リ回転数センサ22の車速V信号が入力する通電モード判
定部45を有しており、発進等の走行状態を判別し、この
判別信号が、発進モード,スリップモード,ドラッグモ
ードおよび直結モードの各電流設定部46,47,48,49に入
力する。 発進モード電流設定部46およびスリップモード電流設
定部47は、クラッチ係合率算出部53にて、エンジン回転
数Neとクラッチドリブン側回転数Ncとで算出されクラッ
チ係合率Eとの関係で発進特性を各別に設定する。そし
てスロットル開度θ,車速V,R,D,Dsの各走行レンジによ
り発進特性を補正して、クラッチ電流を設定する。ドラ
ッグモード電流設定部48は、R,D,Dsの各レンジにおいて
低車速でアクセル開放の場合に微少のドラッグ電流を定
め、電磁粉式クラッチ2にドラッグトルクを生じてベル
ト,駆動系のガタ詰めを行い、発進をスムーズに行う。
またこのモードでは、Dレンジのクラッチ解放後の車両
停止直前までは零電流に定め、惰行性を確保する。直結
モード電流設定部49は、R,D,Dsの各レンジにおいて車速
Vとスロットル開度θの関係により直結電流を定め、電
磁粉式クラッチ2を完全係合し、かつ係合状態での節電
を行う。これらの電流設定部46,47,48,49の出力信号
は、出力判定部50に入力し、その指示に従ってクラッチ
電流を定めるのであり、各モードのマップは第4図のよ
うになる。 とくに本発明においては、発進モード電流設定部46に
より出力されるクラッチ電流Icは、クラッチ電流トルク
換算部51においてクラッチ電流Icに対応するクラッチト
ルクTcが換算される。 一方、発進時、エンジントルク検出部52では、クラッ
チ電流トルク換算部51からのクラッチトルクTc,エンジ
ン回転数センサ19からのエンジン回転数Neの変化状況と
クラッチ係合率算出部53からのクラッチ係合率Eとによ
りクラッチトルクの発生によりエンジン回転数の上昇が
停止した時点を検出し、その時のクラッチトルクをエン
ジントルクTsとしてエンジントルク低下検出部54へ出力
する。次にエンジントルク低下検出部54において、上記
エンジントルクTsとエンジントルク算出部37の出力Teと
を比較してエンジントルク低下係数k(k=Te/Ts)が
k>1の時にトルク低下と判定し、トルク低下係数kを
出力する。次に、目標変速比補正部35では、目標変素比
検索部32から目標変速比isに、例えば第5図で示すよう
な低下係数kに比例した補正係数k′を乗じて補正目標
変素比k′isを変速速度算出部33へ出力する。 変速速度算出部33では、実変速比算出部31からの実変
速比i,目標変速比検索部32からの目標変速比is,係数設
定部26からの係数k1,k2および目標変速速度算出部34か
らの目標変速速度dis/dtと、上述の目標変速比補正部35
からのエンジントルク低下に基づく補正目標変速比k′
isとによって変速速度di/dtを求める。 そこで、デューティ比検索部55で実変速比iと変速速
度di/dtに基づいてデューティ比Dが検索される。 上記デューティ信号は、ソレノイド弁57に入力してパ
ルス状の制御圧を生成し、これにより変速速度制御弁63
を給油と排油の2位置で繰返し動作する。ここでデュー
ティ比が小さくなると、オフ時間により変速速度制御弁
63は、給油位置での動作時間が長くなってプライマリシ
リンダ14aに給油するようになり、こうしてシフトアッ
プする。一方、デューティ比が大きくなると、逆にオン
時間により排油位置での動作時間が長くなってプライマ
リシリンダ14aは排油され、これによりシフトダウンす
る。そして、この場合の変速速度di/dtは、デューティ
比の変化に対応していることから、目標変速比isと実変
速比iの偏差が小さい場合は、デューティ比の変化が小
さくプライマリシリンダ14aの流量変化が少ないことで
変速スピードが遅くなる。一方、目標変速比isと実変速
比iの偏差が大きくなるに従ってデューティ比の変化に
よりプライマリシリンダ14aへの流量が増して、変速ス
ピードが速くなる。 こうして、低速段と高速段の変速全域において、変速
速度を変えながらシフトアップまたはシフトダウンして
無段階に変速することになる。 次に、第6図を参照して本発明の作用について説明す
る。 例えば全開発進時、エンジン回転数に応じて上昇する
クラッチトルクとエンジン出力トルクとはA点で一致す
る。このA点でのエンジン回転数をストール回転数Nsと
いい、それ以降クラッチが直結するまでエンジン回転数
の上昇は停止してストール状態となる。同様にスロット
ル開度θ=80%のときは、B点でストール状態となる。
従って、A点ストール状態にある時は、エンジン回転数
Ns rpm,スロットル開度θ=100%のときのエンジンの出
力トルクがストール時エンジントルクTs(kg f・m)で
あると判定することができる。このストール時エンジン
トラブルTsは、クラッチの出力トルクTcと等しく、クラ
ッチの出力トルクTcは、クラッチ電流トルク換算部51に
てクラッチ電流Icから算出できる(第7図参照)。この
ストール時エンジントルクTsとスロットル開度θおよび
エンジン回転数Neから算出するエンジントルクTeとの比
較をエンジントルク低下検出部54で行い、エンジントル
ク低下係数k(k=Te/Ts)を求める。これによりトル
ク低下係数k>1の場合は、トルク低下と判定し、目標
変速比補正部35にてトルク低下係数kに応じて目標変速
比isを補正し、その結果、通常よりもダウンシフト側の
変速比で走行することになり、駆動力は増大する。スロ
ットル開度θ=100%以下の領域でも、同様な制御によ
りエンジン出力の低下を検出して変速比をダウンシフト
側に補正できる。
を組合わせた駆動系の全体構成について説明する。エン
ジン1は、電磁粉式クラッチ2,前後進切換装置3を介し
て無段変速機4に連結し、無段変速機4から1組のリダ
クションギヤ5,出力軸6,ディファレンシャルギヤ7およ
び車軸8を介して駆動輪に伝動構成される。 電磁粉式クラッチ2は、エンジンクランク軸10にドラ
イブメンバ2aを、入力軸11にクラッチコイル2cを具備し
たドリブンメンバ2bを有する。そしてクラッチコイル2c
に流れるクラッチ電流により両メンバ2a,2bの間のギャ
ップに電磁粉を鎖状に結合して集積し、これによる結合
力でクラッチ接断およびクラッチトルクを可変制御す
る。 前後進切換装置3は、入力軸11と変速機主軸12との間
にギヤとハブやスリーブにより同期噛合式に構成されて
おり、少なくとも入力軸11を主軸12に直結する前進位置
と、入力軸11の回転を逆転して主軸12に伝達する後退位
置とを有する。 無段変速機4は、主軸12とそれに平行配置された副軸
13とを有し、主軸12には油圧シリンダ14aを備えプーリ
間隔可変のプライマリプーリ14が、副軸13には同様に油
圧シリンダ15aを備えたセカンダリプーリ15が設けられ
る。また、両プーリ14,15には駆動ベルト16が巻付けら
れ、両シリンダ14a,15aは油圧制御回路17に回路構成さ
れる。そして両シリンダ14a,15aには伝達トルクに応じ
たライン圧を供給してプーリ押付力を付与し、プライマ
リ圧により駆動ベルト16のプーリ14,15に対する巻付け
径の比率を変えて無段階に変速制御するように構成され
ている。 次いで、電磁粉式クラッチ2と無段変速機4の電子制
御系について説明する。エンジン1のエンジン回転数セ
ンサ19,無段変速機4のプライマリプーリとセカンダリ
プーリの回転数センサ21,22,クラッチドリブン側回転セ
ンサ23を有する。また、操作系のシフトレバー25は、前
後進切換装置3に機械的に結合しており、リバース
(R),ドライブ(D),スポーティドライブ(Ds)の
各レンジを検出するシフト位置センサ26を有する。更
に、アクセルペダル27には、アクセル踏込み状態を検出
するアクセルスイッチ28を有し、スロットル弁側にスロ
ットル開度センサ29を有する。 そして上記スイッチおよびセンサの種々の信号は、電
子制御ユニット20に入力し、マイコン等を使用してソフ
ト的に処理される。そして電子制御ユニット20から出力
するクラッチ制御信号が電磁粉式クラッチ2に、変速制
御信号およびライン圧制御信号が無段変速機4の油圧制
御回路17に入力して、各制御動作を行うようになってい
る。 次いで、第2図により無段変速機4の油圧制御系につ
いて説明すると、エンジン1により駆動されるオイルポ
ンプ60を有し、オイルポンプ60の吐出側のライン圧油路
61が、セカンダリシリンダ15a,ライン圧制御弁62,変速
速度制御弁63に連通し、変速速度制御弁63からライン圧
油路64を介してプライマリシリンダ14aに連通する。ラ
イン圧油路61は更にオリフィス70を介してレギュレータ
弁65に連通し、レギュレータ弁65からの一定なレギュレ
ータ圧の油路66が、ソレノイド弁42,57および変速速度
制御弁63の一方に連通する。各ソレノイド弁42,57は制
御ユニット20からのデューティ信号により例えばオンし
て排圧し、オフしてレギュレータ圧PRを出力するもので
あり、このようなパルス状の制御圧を生成する。そして
ソレノイド弁42からのパルス状の制御圧は、アキュムレ
ータ68で平均化されてライン圧制御弁62に作用する。こ
れに対しソレノイド弁57からのパルス状の制御圧は、そ
のまま変速速度制御弁63の他方に作用する。なお、図中
符号67はドレン油路、69はオイルパンである。 ライン圧制御弁62は、ソレノイド弁42からの平均化し
た制御圧により、変速比i,エンジントルクTに基づいて
ライン圧PLの制御を行う。 変速速度制御弁63は、レギュレータ圧とソレノイド弁
57からのパルス状の制御圧の関係により、ライン圧油路
61,64を接続する給油位置と、ライン圧油路64をドレン
する排油位置とに動作する。 そして、デューティ比により2位置の動作状態を変え
てプライマリシリンダ14aへの給油または排油の流量Q
を制御し、変速比iを変えると共に、その変化速度di/d
tも変えるようになっている。 即ち、プライマリシリンダ14aの必要油量Vは、変速
比iとの関係で機械的に構成上決まるもので、 V=f1(i) となり、流量Qは油量Vを時間で微分したものであるか
ら、 Q=dv/dt={df1(i)/di}・(di/dt) となり、流量Qと変速速度di/dtは変速比iをパラメー
タとして対応している。従って、次式になる。 di/dt=f2(Q,i) また、プライマリシリンダ内圧PP,ライン圧PL,流量係
数c,動力加速度g,油比重量γ,弁の給油ポード開口面積
Si,排油ポート開口面積SDとすると、給油流量Qi,排油流
量QDは、 QD=c・SD[(2gPP)/γ]1/2 =a・SD(PP)1/2 Qi=a・Si(PL−PP)1/2 [a=c(2g/γ)1/2] で表わせる。 そこで、デューティ比(オン/オフ比)をDとする
と、1サイクルの平均流量Q(給油を正とする)は、 Q=a{D・Si(PL−PP)1/2−(1−D) ×SD(PP)1/2} となり、a,Si,SDを定数とすると、次式になる。 Q=f3(D,PL,PP) ここでライン圧PLは、変速比i,エンジントルクTによ
り制御され、そしてプライマリシリンダ内圧PP、変速比
iとライン圧PLで決まるものである。いま、Tを一定と
仮定すると、 Q=f4(D,i) となり、次式が成立する。 di/dt=f5(D,i) このため、式展開すると、 D=f6(di/dt,i) となり、以上により変速速度di/dtはデューティ比Dと
対応することがわかる。そしてデューティ比Dは、変速
速度di/dtと変速比iの関係で決まることになる。 一方、変速速度di/dtは、定常の目標変速比isと実際
の変速比iとの偏差に基づくものであるから、次式が成
立する。 di/dt=k(is−i)(kは定数) このことから、各変速比iにおいて上式から変速速度
di/dtを決めれやれば、それに基づいてデューティ比D
が求まり、このデューティ比Dで変速速度制御弁63を動
作すれば、低速段と高速段の変速全域で変速比変化速度
制御を行うことが可能となる。 ところで、上記変速速度制御は外乱の要素を全く含ま
ない基本的な変速比を対象とするフィードバック制御系
であり、これにより実際に無段変速機をデューティ比D
の操作量で制御する場合は、無段変速機の制御系の要因
による遅れ要素により収束性が悪い。ここで、無段変速
機の遅れに対処するには、目標とする変速比isの実際の
変化状態を検出し、これを予め変速速度di/dtまたは操
作量のデューティ比Dに加味してフィードフォワード制
御すれば良い。このことから、変速速度di/dtは次式の
ように定めことができる。 di/dt=k1(is−i)+k2 dis/dt (k1,k2は係数) そして、操作量のデューティ比Dを上述と同様にdi/d
tとiな関数で決定する。 こうして、目標変速比変化速度dis/dtを加味すること
で、移送進み要素が付加されて収束性が改善する。ここ
で、目標変速比変化速度dis/dtは車両の或る走行状態に
おける目標変速比の変化状態であるから、一定時間Δt
毎に目標変速比変化量Δisを求め、Δis/Δtにより算
出する。 係数k1は変速速度に直接関係するもので、ドライバの
加速意志に対応して所定の固定値、またはアクセル開度
変化との関係で可変にすることができる。係数k2例えば
無段変速機の遅れ成分に関係するもので、油圧制御系の
オイルの粘性等を考慮して固定値または可変にすること
ができる。 そこで第3図の電子制御系では、上述の原理に基づい
て構成されており、以下に説明する。 先ず、変速速度制御系について説明すると、プライマ
リプーリ14,セカンダリプーリ15,エンジン1の各回転数
センサ21,22,19およびスロットル開度センサ29を有す
る。そして制御ユニット20において両プーリ回転数セン
サ21,22からの回転信号Np,Nsは、実変速比算出部31に入
力して、i=Np/Nsにより実変速比iを求める。また、
セカンダリプーリ回転数センサ22からの信号Nsとスロッ
トル開度センサ29の信号θは、目標変速比検索部32に入
力する。ここで目標変速比isの変速パターンは、例えば
θ−Nsのテーブルとして設定されており、このテーブル
を用いてNs,θの値からisが検索される。この目標変速
比isは目標変速速度算出部34に入力し、一定時間Δt毎
のis変化量Δisにより目標変速比変化速度dis/dtを算出
する。そして上記実変速比算出部31の実変速比i,目標変
速比検索部32の目標変速比is,目標変速速度算出部34の
目標変速比変化速度dis/dt,係数設定部26の係数k1,k2お
よび後述する目標変速比補正部35の補正係数k′isは変
速速度算出部33に入力し、 di/dt=k1(is−i)+k2・dis/dt により変速速度di/dtが算出される。この変速速度算出
部33と実変速比算出部31の信号は、更にデューティ比検
索部55に入力する。 ここで、既に述べたように、デューティ比D=f6(di
/dt,i)の関係によりdi/dt,iに基づくデューティ比Dの
テーブルが設定されており、このテーブルからデューテ
ィ比Dを検索する。このテーブルでは、変速比iが小さ
くなって高速段に移行し、かつ変速速度di/dtが小さく
なるに従ってデューティ比Dの値が小さく設定されてい
る。そして上記デューティ比検索部55からのデューティ
比Dの信号が、駆動部56を介してソレノイド弁57に入力
するようになっている。 続いて、ライン圧制御系について説明すると、スロッ
トル開度センサ29の信号θ,エンジン回転数センサ19の
信号Neがエンジントルク算出部37に入力して、θ−Neの
トルク特性のテーブルからエンジントルクTeを求める。
一方、実変速比算出部31からの実変速比iに基づき必要
ライン圧設定部38において、単位トルク当りの必要ライ
ン圧PLuを求め、これが目標ライン圧算出部39に入力し
て、PL=PLu・Tにより目標ライン圧PLを算出する。 目標ライン圧設定部39の出力PLは、デューティ比設定
部40に入力して目標ライン圧PLに相当するデューティ比
Dを設定する。そしてこのデューティ比Dの信号が、駆
動部41を介してソレノイド弁42に入力するようになって
いる。 クラッチ制御系においては、エンジン回転数センサ19
からのエンジン回転数Neと、クラッチドリブン側回転数
センサ23からのクラッチドリブン側回転数Ncとが入力す
るクラッチ係合率算出部53およびエンジン回転数Neとシ
フト位置センサ26のR,D,Dsの走行レンジの信号が入力す
る逆励磁モード判定部44を有し、例えばNe<300rpmの場
合、またはパーキング(P),ニュートラル(N)レン
ジの場合に逆励磁モードと判定し、出力判定部50により
通常とは逆向きの微少電流を流す。そして電磁粉式クラ
ッチ2のクラッチコイル2cの残留磁気を除いて完全に解
放する。また、この逆励磁モード判定部44の判定出力信
号,クラッチ係合率算出部53のクラッチ係合率信号,ア
クセル開度センサ28の踏込み信号およびセカンダリプー
リ回転数センサ22の車速V信号が入力する通電モード判
定部45を有しており、発進等の走行状態を判別し、この
判別信号が、発進モード,スリップモード,ドラッグモ
ードおよび直結モードの各電流設定部46,47,48,49に入
力する。 発進モード電流設定部46およびスリップモード電流設
定部47は、クラッチ係合率算出部53にて、エンジン回転
数Neとクラッチドリブン側回転数Ncとで算出されクラッ
チ係合率Eとの関係で発進特性を各別に設定する。そし
てスロットル開度θ,車速V,R,D,Dsの各走行レンジによ
り発進特性を補正して、クラッチ電流を設定する。ドラ
ッグモード電流設定部48は、R,D,Dsの各レンジにおいて
低車速でアクセル開放の場合に微少のドラッグ電流を定
め、電磁粉式クラッチ2にドラッグトルクを生じてベル
ト,駆動系のガタ詰めを行い、発進をスムーズに行う。
またこのモードでは、Dレンジのクラッチ解放後の車両
停止直前までは零電流に定め、惰行性を確保する。直結
モード電流設定部49は、R,D,Dsの各レンジにおいて車速
Vとスロットル開度θの関係により直結電流を定め、電
磁粉式クラッチ2を完全係合し、かつ係合状態での節電
を行う。これらの電流設定部46,47,48,49の出力信号
は、出力判定部50に入力し、その指示に従ってクラッチ
電流を定めるのであり、各モードのマップは第4図のよ
うになる。 とくに本発明においては、発進モード電流設定部46に
より出力されるクラッチ電流Icは、クラッチ電流トルク
換算部51においてクラッチ電流Icに対応するクラッチト
ルクTcが換算される。 一方、発進時、エンジントルク検出部52では、クラッ
チ電流トルク換算部51からのクラッチトルクTc,エンジ
ン回転数センサ19からのエンジン回転数Neの変化状況と
クラッチ係合率算出部53からのクラッチ係合率Eとによ
りクラッチトルクの発生によりエンジン回転数の上昇が
停止した時点を検出し、その時のクラッチトルクをエン
ジントルクTsとしてエンジントルク低下検出部54へ出力
する。次にエンジントルク低下検出部54において、上記
エンジントルクTsとエンジントルク算出部37の出力Teと
を比較してエンジントルク低下係数k(k=Te/Ts)が
k>1の時にトルク低下と判定し、トルク低下係数kを
出力する。次に、目標変速比補正部35では、目標変素比
検索部32から目標変速比isに、例えば第5図で示すよう
な低下係数kに比例した補正係数k′を乗じて補正目標
変素比k′isを変速速度算出部33へ出力する。 変速速度算出部33では、実変速比算出部31からの実変
速比i,目標変速比検索部32からの目標変速比is,係数設
定部26からの係数k1,k2および目標変速速度算出部34か
らの目標変速速度dis/dtと、上述の目標変速比補正部35
からのエンジントルク低下に基づく補正目標変速比k′
isとによって変速速度di/dtを求める。 そこで、デューティ比検索部55で実変速比iと変速速
度di/dtに基づいてデューティ比Dが検索される。 上記デューティ信号は、ソレノイド弁57に入力してパ
ルス状の制御圧を生成し、これにより変速速度制御弁63
を給油と排油の2位置で繰返し動作する。ここでデュー
ティ比が小さくなると、オフ時間により変速速度制御弁
63は、給油位置での動作時間が長くなってプライマリシ
リンダ14aに給油するようになり、こうしてシフトアッ
プする。一方、デューティ比が大きくなると、逆にオン
時間により排油位置での動作時間が長くなってプライマ
リシリンダ14aは排油され、これによりシフトダウンす
る。そして、この場合の変速速度di/dtは、デューティ
比の変化に対応していることから、目標変速比isと実変
速比iの偏差が小さい場合は、デューティ比の変化が小
さくプライマリシリンダ14aの流量変化が少ないことで
変速スピードが遅くなる。一方、目標変速比isと実変速
比iの偏差が大きくなるに従ってデューティ比の変化に
よりプライマリシリンダ14aへの流量が増して、変速ス
ピードが速くなる。 こうして、低速段と高速段の変速全域において、変速
速度を変えながらシフトアップまたはシフトダウンして
無段階に変速することになる。 次に、第6図を参照して本発明の作用について説明す
る。 例えば全開発進時、エンジン回転数に応じて上昇する
クラッチトルクとエンジン出力トルクとはA点で一致す
る。このA点でのエンジン回転数をストール回転数Nsと
いい、それ以降クラッチが直結するまでエンジン回転数
の上昇は停止してストール状態となる。同様にスロット
ル開度θ=80%のときは、B点でストール状態となる。
従って、A点ストール状態にある時は、エンジン回転数
Ns rpm,スロットル開度θ=100%のときのエンジンの出
力トルクがストール時エンジントルクTs(kg f・m)で
あると判定することができる。このストール時エンジン
トラブルTsは、クラッチの出力トルクTcと等しく、クラ
ッチの出力トルクTcは、クラッチ電流トルク換算部51に
てクラッチ電流Icから算出できる(第7図参照)。この
ストール時エンジントルクTsとスロットル開度θおよび
エンジン回転数Neから算出するエンジントルクTeとの比
較をエンジントルク低下検出部54で行い、エンジントル
ク低下係数k(k=Te/Ts)を求める。これによりトル
ク低下係数k>1の場合は、トルク低下と判定し、目標
変速比補正部35にてトルク低下係数kに応じて目標変速
比isを補正し、その結果、通常よりもダウンシフト側の
変速比で走行することになり、駆動力は増大する。スロ
ットル開度θ=100%以下の領域でも、同様な制御によ
りエンジン出力の低下を検出して変速比をダウンシフト
側に補正できる。
以上説明したとり本発明によれば、いかなる事由によ
りエンジン出力が低下する場合にも、出力低下検出手段
が確実にエンジン出力の低下を検出し、その検出信号に
応じて変速比補正手段が無段変速機の変速比を通常より
ダウンシフト側に補正制御するものであり、高地走行時
やエアコン使用時などあらゆる走行状況においてもエン
ジン出力の低下に伴う車両の駆動力低下を抑制すること
ができる。
りエンジン出力が低下する場合にも、出力低下検出手段
が確実にエンジン出力の低下を検出し、その検出信号に
応じて変速比補正手段が無段変速機の変速比を通常より
ダウンシフト側に補正制御するものであり、高地走行時
やエアコン使用時などあらゆる走行状況においてもエン
ジン出力の低下に伴う車両の駆動力低下を抑制すること
ができる。
第1図は本発明の制御装置の実施例を示す全体の構成
図、第2図は制御ユニットのブロック図、第3図は電子
制御系の全体のブロック図、第4図は各モードのマップ
図、第5図は補正係数の関係を示す図、第6図はエンジ
ン回転数に対するエンジン出力トルクとクラッチトルク
の関係を示す図、第7図は電磁粉式クラッチのクラッチ
電流とクラッチトルクとの関係を示す図、第8図は発進
時のエンジン回転数とクラッチトルクの一例を示す図で
ある。 20……制御ユニット、21……プライマリプーリ回転数セ
ンサ、22……セカンダリプーリ回転数センサ、23……ク
ラッチドリブン側回転数センサ、25……シフトレバー、
26……シフト位置センサ、27……アクセルペダル、28…
…アクセル開度センサ、29……スロットル開度センサ、
31……実変速比算出部、32……目標変速比検索部、33…
…変速速度算出部、34……目標変速速度算出部、35……
目標変速比補正部、37……エンジントルク算出部、46…
…発進モード電流設定部、51……クラッチ電流トルク換
算部、52……ストール時エンジントルク検出部、53……
クラッチ係合率算出部、54……エンジントルク低下検出
部。
図、第2図は制御ユニットのブロック図、第3図は電子
制御系の全体のブロック図、第4図は各モードのマップ
図、第5図は補正係数の関係を示す図、第6図はエンジ
ン回転数に対するエンジン出力トルクとクラッチトルク
の関係を示す図、第7図は電磁粉式クラッチのクラッチ
電流とクラッチトルクとの関係を示す図、第8図は発進
時のエンジン回転数とクラッチトルクの一例を示す図で
ある。 20……制御ユニット、21……プライマリプーリ回転数セ
ンサ、22……セカンダリプーリ回転数センサ、23……ク
ラッチドリブン側回転数センサ、25……シフトレバー、
26……シフト位置センサ、27……アクセルペダル、28…
…アクセル開度センサ、29……スロットル開度センサ、
31……実変速比算出部、32……目標変速比検索部、33…
…変速速度算出部、34……目標変速速度算出部、35……
目標変速比補正部、37……エンジントルク算出部、46…
…発進モード電流設定部、51……クラッチ電流トルク換
算部、52……ストール時エンジントルク検出部、53……
クラッチ係合率算出部、54……エンジントルク低下検出
部。
Claims (1)
- 【請求項1】クラッチの入出力回転数、無段変速機の入
出力回転数、およびスロットル開度などのエンジン負荷
を検出してクラッチおよび無段変速機を総合的に制御す
るものにおいて、 車両の発進時、クラッチトルクの発生によりエンジン回
転数の上昇が停止した時点でのクラッチトルクと、エン
ジン回転数およびスロットル開度に基づき算出されるエ
ンジントルクとを比較してエンジン出力の低下を検出す
る出力低下検出手段と、 上記出力低下検出手段の検出信号に応じてエンジン出力
の低下時には、無段変速機の変速比を通常よりダウンシ
フト側に補正制御する変速比補正手段とを備えることを
特徴とする無段変速機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20312486A JP2527940B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 無段変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20312486A JP2527940B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 無段変速機の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6361649A JPS6361649A (ja) | 1988-03-17 |
JP2527940B2 true JP2527940B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=16468800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20312486A Expired - Lifetime JP2527940B2 (ja) | 1986-08-29 | 1986-08-29 | 無段変速機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2527940B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19952351A1 (de) * | 1999-10-30 | 2001-05-23 | Zahnradfabrik Friedrichshafen | Verfahren und Vorrichtung zum Steuern und Regeln einer Kupplung in einem stufenlosen Automatikgetriebe für ein Kraftfahrzeug |
JP2009062846A (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-26 | Toyota Motor Corp | 運転者の発進準備を感知して駆動制御を行う車輌 |
JP2009062845A (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-26 | Toyota Motor Corp | 右折待機に対し改善された駆動制御を行う車輌 |
-
1986
- 1986-08-29 JP JP20312486A patent/JP2527940B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6361649A (ja) | 1988-03-17 |
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