JP2675486B2 - ディスクプレーヤーのディスク装着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクの着脱動作を
行う着脱位置とディスクの再生動作を行う再生位置との
間を変位可能に設けられているトレイ及び該トレイが再
生位置にあるとき非クランプ位置よりクランプ位置に変
位するターンテーブルを備えたディスクプレーヤーに関
し、特にディスクの装着装置に係る。

【０００２】

【従来の技術】最近、光学式ビデオディスクとＣＤと呼
ばれるオーディオディスクの両方が再生できるディスク
プレーヤーが普及している。斯かるディスクプレーヤー
は、ディスクの着脱動作を行う着脱位置とディスクの再
生動作を行う再生位置との間を変位可能に設けられてい
るとともにビデオディスク及びオーディオディスクが載
置されるディスク載置部が同心円状に形成されているト
レイを備えている。

【０００３】そして、斯かるビデオディスクの中には、
大径ディスクと小径ディスクとがあり、オーディオディ
スクの中にも大径ディスクと小径ディスクとがある。そ
れ故、前記トレイに形成されている同心円状のディスク
載置部には、４つの径が異なるディスク載置部が設けら
れることになる。

【０００４】また、斯かるディスクプレーヤーでは、ト
レイの着脱位置と再生位置との間の変位動作を電動機の
回転力を利用して行うように構成されているとともにト
レイが再生位置に変位したときターンテーブルを非クラ
ンプ位置よりクランプ位置に変位せしめてディスクを保
持するように構成されており、斯かる技術としては、例
えば特開平２−９４１６０号公報に開示されたものがあ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】斯かるディスクプレー
ヤーにおいて、トレイの変位動作を行う電動機の回転力
を利用してターンテーブルのクランプ位置への変位動作
を行う場合、トレイの再生位置への変位動作を検出し、
その検出動作に基いてターンテーブルのクランプ位置へ
の変位動作を開始させる必要があり、その構成が複雑に
なるという問題がある。本発明は、斯かる点を改良した
ディスク装着装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のディスク装着装
置は、ディスクの装着動作時及び排出動作時回転駆動せ
しめられる駆動歯車と、着脱位置と再生位置との間を変
位するトレイに形成されているとともに前記駆動歯車と
噛合うラック歯車と、前記駆動歯車と常時噛合った状態
にある伝達用歯車と、該伝達用歯車に形成されている切
換用歯車に噛合う歯が形成されているとともにその一部
に欠歯部が設けられ、且つその所定の回転動作によりタ
ーンテーブルを非クランプ位置からクランプ位置へ、ま
たクランプ位置から非クランプ位置へ変位せしめるカム
が形成されているクランプ用歯車と、前記トレイが再生
位置へ変位したとき該トレイに形成されている押圧部に
よって回動変位せしめられるとともに前記クランプ用歯
車と前記切換用歯車との噛合動作を行わせる制御部材と
より構成されている。

【０００７】

【作用】本発明は、ディスクの着脱動作を行う着脱位置
とディスクの再生動作を行う再生位置との間を変位可能
に設けられているトレイが再生位置に変位したとき、該
トレイに形成されている押圧部により回動変位せしめら
れる制御部材を設け、該制御部材の変位動作によってタ
ーンテーブルを非クランプ位置よりクランプ位置に変位
せしめるクランプ用歯車を切換用歯車に噛合わせるよう
にしたものである。

【０００８】

【実施例】図１は、トレイがディスクの着脱動作を行う
着脱位置より再生動作を行う再生位置方向へ変位した状
態を示す要部の平面図、図２は、トレイが再生位置の直
前まで変位した状態を示す要部の平面図、図３はトレイ
が再生位置に変位した状態を示す要部の平面図である。

【０００９】図において、１はディスクの装着動作時及
び排出動作時電動機（図示せず）によって回転駆動せし
められる駆動歯車であり、装着動作時反時計方向に回転
駆動されるとともに排出動作時時計方向に回転駆動され
るように構成されている。

【００１０】２は前記駆動歯車１に常時噛合った状態に
ある伝達用歯車であり、切換用歯車３が一体的に回転す
るべく設けられている。４は前記切換用歯車３に噛合う
歯が形成されているとともにその一部に欠歯部５が設け
られているクランプ用歯車であり、ディスクを回転駆動
せしめるターンテーブル（図示せず）をディスクより離
間した非クランプ位置からディスクを圧着保持するクラ
ンプ位置へ、反対にクランプ位置より非クランプ位置へ
変位せしめるカム（図示せず）が裏面等に形成されてい
る。また、前記クランプ用歯車４は、図１に示した位置
より反時計方向に回転した所定の位置までの変位動作に
よってターンテーブルをクランプ位置へ変位せしめると
ともに該所定の位置から時計方向に回転した図１に示し
た位置への変位動作によってターンテーブルを非クラン
プ位置へ変位せしめるように構成されている。

【００１１】６はディスクが載置されるトレイ（図示せ
ず）に形成されているラック歯車であり、前記駆動歯車
１による噛合駆動動作によってトレイを着脱位置と再生
位置との間を摺動変位せしめる作用を有している。ま
た、トレイが再生位置まで変位すると図３に示すように
ラック歯車６と駆動歯車１との噛合状態が解除されるよ
うに構成されている。

【００１２】７は前記トレイに形成されている押圧部、
８は軸９によって回動可能に設けられている制御部材で
あり、前記トレイが図２に示す位置まで変位すると前記
押圧部７が当接する当接部１０が形成されている。１１
は前記制御部材８に形成されている係合歯であり、クラ
ンプ用歯車４の欠歯部５が切換用歯車３と対向する位置
にあるとき該クランプ用歯車４に形成されている係合歯
１２と噛合った状態になるように構成されている。また
１３は前記制御部材８に形成されている制御凸部であ
り、前記クランプ用歯車４に形成されている制御凹部１
４との当接係合動作によって該制御部材８の回動変位力
を前記クランプ用歯車４に伝達するとともに該クランプ
用歯車４の回転力を前記制御部材８に伝達するように構
成されている。

【００１３】前述したように本発明は、構成されている
がトレイが着脱位置まで変位すると該トレイの位置検出
を行うスイッチの働きによって電動機の回転が停止せし
められるように、またターンテーブルがクランプ用歯車
４の回転力によってクランプ位置に変位すると該クラン
プ用歯車４の回転位置を検出するスイッチの働きによっ
て電動機の回転が停止せしめられるように構成されてい
る。

【００１４】以上の如く本発明のディスク装着装置は構
成されており、次に動作について説明する。トレイが着
脱位置にあるとき駆動歯車１を回転駆動せしめる電動機
は、回転を停止した状態にあるが、斯かる状態にあると
き前記駆動歯車１とラック歯車６とは噛合った状態にあ
る。また、斯かる状態にあるとき、クランプ用歯車４の
欠歯部５が切換用歯車３に対向する位置にあるため、該
クランプ用歯車４が切換用歯車３に噛合うことはない。
そして、斯かる状態にあるとき制御部材８に形成されて
いる係合歯１１は、クランプ用歯車４に形成されている
係合歯１２と噛合った状態にある。

【００１５】斯かる状態において、ディスクを装着する
操作釦を操作すると、電動機が回転駆動され、その回転
力によって駆動歯車１が反時計方向に回転せしめられ
る。前記駆動歯車１が反時計方向に回転すると該駆動歯
車１の回転がラック歯車６に伝達されるため、トレイは
矢印Ａ方向即ち再生位置方向へ摺動変位せしめられる。
そして、斯かる動作が行われるとき前記駆動歯車１に常
時噛合った状態にある伝達歯車２が回転駆動せしめられ
て、切換用歯車３が時計方向に回転駆動されるが、クラ
ンプ用歯車４は非噛合状態にあるため、該クランプ用歯
車４が回転駆動されることはない。

【００１６】前記駆動歯車１の回転力によってトレイ
は、再生位置方向へ摺動変位せしめられるが、該トレイ
が図２に示す再生位置の直前まで変位すると、該トレイ
に形成されている押圧部７が制御部材８に形成されてい
る当接部１０に当接する。

【００１７】前記押圧部７が前記制御部材８の当接部１
０に当接したとき、駆動歯車１とラック歯車６とは、ま
だ噛合った状態にある。従って、トレイは、図２に示し
た状態より矢印Ａ方向へ更に変位せしめられ、その変位
力によって制御部材８は、軸９を中心として時計方向に
回動変位せしめられる。

【００１８】前記制御部材８が時計方向に回動変位する
と、該制御部材８に形成されている係合歯１１と噛合っ
た状態にある係合歯１２が形成されているクランプ用歯
車４が回動変位力を受け、該クランプ用歯車４は反時計
方向に回動変位せしめられる。

【００１９】前記クランプ用歯車４が反時計方向に回動
変位すると図３に示したように該クランプ用歯車４が時
計方向へ回転駆動された状態にある切換用歯車３に噛合
う。また、斯かる位置即ち再生位置までトレイが摺動変
位せしめられると図３に示したように駆動歯車１とラッ
ク歯車６との噛合いが解除された状態になる。従って、
トレイは再生位置まで摺動変位するとそれ以上の変位力
を受けることはなく、再生位置に保持されることにな
る。

【００２０】一方前記クランプ用歯車４が切換用歯車３
と噛合うと、該クランプ用歯車４は、該切換用歯車３の
回転力によって反時計方向に回転駆動せしめられる。前
記クランプ用歯車４が反時計方向に回転すると該クラン
プ用歯車４に形成されているカムによる制御動作によっ
てターンテーブルが非クランプ位置よりクランプ位置に
変位せしめられる。

【００２１】前記ターンテーブルのクランプ位置への変
位動作は、前記クランプ用歯車４の図１に示した位置よ
り反時計方向へ回動変位した所定の位置への変位動作に
よって行われるが、該クランプ用歯車４が所定の位置ま
で変位すると該クランプ用歯車４の回転位置を検出する
スイッチの働きによって電動機の回転が停止せしめられ
る。従って、前記クランプ用歯車４の回転も停止する
が、斯かる所定の位置にあるとき該クランプ用歯車４
は、切換用歯車３に噛合った状態にある。

【００２２】前述した動作によってトレイの再生位置へ
の摺動変位動作及びターンテーブルのクランプ位置への
変位動作は行われるが、次にディスクの排出動作につい
て説明する。

【００２３】ディスクが再生位置に装着された状態にあ
るときにディスクを排出する操作釦を操作すると、電動
機が回転駆動され、その回転力によって駆動歯車１が時
計方向に回転せしめられるが、ラック歯車６は駆動歯車
１より離間した位置にあるため、トレイの矢印Ｂ方向即
ち着脱位置方向への変位動作は行われることはない。

【００２４】前記駆動歯車１が時計方向に回転すると該
駆動歯車１に噛合った状態にある伝達歯車２が回転駆動
せしめられるので、切換用歯車３が反時計方向に回転せ
しめられる。前記切換用歯車３が反時計方向に回転する
と該切換用歯車３に噛合った状態にあるクランプ用歯車
４が時計方向に回転駆動せしめられる。

【００２５】前記クランプ用歯車４が時計方向に回転す
ると該クランプ用歯車４に形成されているカムによる制
御動作によってターンテーブルがクランプ位置より非ク
ランプ位置へ変位せしめられる。斯かるターンテーブル
の非クランプ位置への変位動作が行われたとき、クラン
プ用歯車４は、図３に示す位置にある。

【００２６】斯かる状態よりクランプ用歯車４は、切換
用歯車３の回転駆動力によって更に時計方向に回動変位
せしめられるが、斯かる変位動作が行われると、クラン
プ用歯車４に形成されている制御凹部１４と制御部材８
に形成されている制御凸部１３との当接係合動作が行わ
れる。その結果、制御部材８が反時計方向に回動変位せ
しめられるとともに該制御部材８に形成されている係合
歯１１とクランプ用歯車４に形成されている係合歯１２
との噛合が行われて該制御部材８は更に反時計方向へ回
動変位せしめられる。そして、斯かる制御部材８の回動
変位動作は、クランプ用歯車４と切換用歯車３との噛合
が解除されるまで、即ち欠歯部５が切換用歯車３に対向
する位置まで変位するまで行われる。

【００２７】斯かる動作が行われる結果、前記制御部材
８は図３に示す位置より図２に示す位置まで回動変位せ
しめられる。該制御部材８が回動変位すると該制御部材
８に形成されている当接部１０がトレイに形成されてい
る押圧部７に押圧当接し、該押圧部７即ちトレイを矢印
Ｂ方向へ押圧変位せしめる。

【００２８】前記トレイが図２に示す位置まで変位する
と時計方向に回転駆動された状態にある駆動歯車１にラ
ック歯車６が噛合った状態になる。その結果、駆動歯車
１の回転力によってラック歯車６即ちトレイが矢印Ｂ方
向である着脱位置方向へ摺動変位せしめられる。斯かる
変位動作が行われてトレイが着脱位置まで変位すると該
トレイの位置検出を行うスイッチの働きによって電動機
の回転が停止せしめられる。このようにしてトレイが着
脱位置に変位せしめられるため、使用者は該トレイに載
置されているディスクを取り出すことができる。

【００２９】

【発明の効果】本発明のディスク装着装置は、ディスク
の着脱動作を行う着脱位置とディスクの再生動作を行う
再生位置との間を変位可能に設けられているトレイが再
生位置方向の所定の位置まで変位したとき、該トレイに
形成されている押圧部により回動変位せしめられるとと
もにディスクの排出動作時ターンテーブルを非クランプ
位置よりクランプ位置に変位させるクランプ用歯車が非
クランプ位置へ変位したとき該クランプ用歯車に形成さ
れている係合手段によって回動変位せしめられる制御部
材を設け、該制御部材によってディスクの再生位置にお
けるクランプ動作とディスクの着脱位置への変位動作と
を切換制御するようにしたので、即ち同一の制御部材に
よって２つの切換動作を制御するように構成したので構
成が非常に簡単になり、その結果ディスクの装着及び排
出動作を正確に行うことが出来る。

【００３０】また、本発明のディスク装着装置は、クラ
ンプ動作を行うクランプ用歯車と切換用歯車との噛合い
制御動作及びトレイに形成されているラック歯車と駆動
歯車との噛合い制御動作を制御部材の回動変位動作によ
って行うようにしたので、各部材の変位力を有効に利用
することが出来る。その結果、本発明によれば、小さな
力によって各切換動作を行うことが可能となり、ディス
クの装着動作を円滑に行うことが出来るとともに小型の
電動機を使用することが出来るという利点を本発明は有
している。

【図面の簡単な説明】

【図１】トレイがディスクの着脱動作を行う着脱位置よ
り再生動作を行う再生位置方向へ変位した状態を示す要
部の平面図である。

【図２】トレイが再生位置の直前まで変位した状態を示
す要部の平面図である。

【図３】トレイが再生位置に変位した状態を示す要部の
平面図である。

【符号の説明】

１ 駆動歯車 ２ 伝達用歯車 ３ 切換用歯車 ４ クランプ用歯車 ５ 欠歯部 ６ ラック歯車 ７ 押圧部 ８ 制御部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクの着脱動作を行う着脱位置とデ
   ィスクの再生動作を行う再生位置との間を変位可能に設
   けられているトレイ及び該トレイが再生位置にあるとき
   非クランプ位置よりクランプ位置に変位するターンテー
   ブルを備えたディスクプレーヤーにおいて、ディスクの
   装着動作時及び排出動作時回転駆動せしめられる駆動歯
   車と、前記トレイに形成されているとともに前記駆動歯
   車と噛合い、且つ該トレイが再生位置にあるとき該駆動
   歯車との噛合いが解除されるラック歯車と、前記駆動歯
   車と常時噛合った状態にある伝達用歯車と、該伝達用歯
   車に形成されている切換用歯車に噛合う歯が形成されて
   いるとともにその一部に欠歯部が設けられ、且つその所
   定の回転動作により前記ターンテーブルを非クランプ位
   置からクランプ位置へ、またクランプ位置から非クラン
   プ位置へ変位せしめるカムが形成されているクランプ用
   歯車と、前記トレイが着脱位置より再生位置方向の所定
   の位置まで変位したとき該トレイに形成されている押圧
   部によって回動変位せしめられるとともに前記クランプ
   用歯車を前記切換用歯車に噛合わせるべく回動せしめ、
   且つ前記クランプ用歯車が前記ターンテーブルをクラン
   プ位置より非クランプ位置へ変位せしめるべく回転した
   とき該クランプ用歯車に形成されている係合手段によっ
   て回動変位せしめられ前記トレイを該トレイに形成され
   ているラック歯車が前記駆動歯車に噛合う位置まで変位
   させる制御部材とより成るディスクプレーヤーのディス
   ク装着装置。