JP2674243B2 - 耐摩耗性に優れた切削工具用高靭性サーメット - Google Patents
耐摩耗性に優れた切削工具用高靭性サーメットInfo
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Description
摩耗性を有し、高速断続切削に用いても長期にわたって
優れた性能を発揮するサーメットに関するものである。
るものの靭性が十分でなく、その実用領域は比較的軽切
削のごく限られた範囲であったが、その後、靭性を向上
させるべく種々の研究がなされ、 NiとAl、またはNiとCoとAlからなる結合相、並びに、
TiN、およびTiとTiを除く周期律表4a,5a,6a族遷移金属
のうち1種または2種以上の固溶体炭窒化物の2相組織
を硬質分散相としたサーメットが提供されている(特公
昭63−39649号公報)。
せるために、TiN添加量を比較的多くし、かつ焼結雰囲
気を減圧N2中で行なうことでTiN相を残留させたもので
ある。
たTiNが比較的多く残留するために、サーメットの靭性
は大幅に改良されたが、耐摩耗性が十分でなく、そのた
め高速切削において満足する寿命が得られないという問
題点があった。
を損うことなく耐摩耗性を一層向上させるべく研究を行
なった結果、 上記公知の方法で製造されたサーメットは、N2中で焼
結するために、焼結中に窒化され、TiおよびTiを除く周
期律表4a,5a,6a族遷移金属のうち1種または2種以上の
固溶体炭窒化物〔以下、TiXMY(CxNy)と記す。但し、
Mは、Tiを除く周期律表4a,5a,6a族遷移金属のうち1種
または2種以上を示し、XおよびYはそれぞれTiおよび
Mの原子比、xおよびYはそれぞれCおよびNの原子比
であって、X+Y=1,x+y=1である〕のN量が多く
なり、TiXMY(CxNy)のy/x+yの値が0.3を超えるよう
になるため、上記TiXMY(CxNy)の硬さが低下し、耐摩
耗性が低下する。したがって上記サーメットの素地中に
存在するTiXMY(CxNy)におけるCおよびNを、原子比
で、 とすることにより靭性を損なうことなく耐摩耗性を向上
させることができる。
あって、 Fe族金属のうち1種または2種以上からなる結合相
(以下、結合相という) TiNからなる硬質分散相(以下、第1硬質分散相とい
う)、および、 TiXMY(CxNy)からなる硬質分散相(以下、第2硬質
分散相という)からなるサーメットにおいて、 上記第2硬質分散相のTiXMY(CxNy)のCとNが原子
比で、 である耐摩耗性に優れた切削工具用サーメットに特徴を
有するものである。
ットは、原料粉末としてN量の少ないTiXMY(CxNy)(y
/x+y≦0.3)成分組成からなる粉末およびTiC粉末を主
原料とし、これにTiN粉末および鉄族金属粉末を添加
し、これらを通常の方法で混合、乾燥、成形したのち、
常温から少なくとも液相出現温度以上まで真空にて昇温
し、その後、続いてArなどの不活性ガスの加圧下で焼結
を行なうことによって製造することができる。
うち1種または2種以上の成分組成の原料粉末から形成
されるが、その含有量が4容量%未満となると、焼結が
十分に進まず、サーメットの強度が著しく低下し、一
方、20容量%を越えると耐摩耗性および耐塑性変形相が
低下することから、結合相の含有量は4〜20容量%とす
るのが好ましい。
向上に著しい効果をもたらすが、その量が0.5容量%未
満となると十分な靭性が得られなくなり、一方、30容量
%を超えるとサーメットの耐摩耗性が損なわれるように
なることから0.5〜30容量%と定めた。
合を示すy/x+yの値は、TiXMY(CxNy)の硬さに関係が
あり、その値が大きくなるほどTiXMY(CxNy)の硬さが
低下するようになり、サーメットの耐摩耗性も低下して
行き、y/x+yの値が0.3を超えると結局所望のサーメッ
トの耐摩耗性が得られなくなることから、y/x+yの値
は0.3以下とした。
よる窒化は避けられないところからy/x+yの値は0.01
未満とすることは不可能である。
は0.01〜0.3と定めた。
中に含まれる割合は、耐摩耗性および焼結性を考慮する
と40〜94容量%の範囲内であることが好ましい。
する。
を第1表に示される割合に配合して、配合粉末A〜Oを
作製し、これら配合粉末A〜Oを湿式にて混合したの
ち、乾燥し、成形して成形体とし、この成形体を、真空
度:0.05〜0.1Torrの真空中にて室温から第2表に示す焼
結温度まで昇温加熱し、上記焼結温度に達しそれ以降の
焼結保持終了(保持時間は同じく第2表に示す)までを
第2表に示すArガス圧力下で焼結するシンターHIPを行
ない、本発明サーメット1〜15を製造した。
相、TiNからなる第1硬質分散相、およびTiXMY(CxNy)
からなる第2硬質分散相の割合、並びに上記第2硬質分
散相におけるy/x+yの値を測定し、さらに上記本発明
サーメット1〜15の硬さ(HRA)および抗折力を測定
し、それらの測定結果を第2表に示した。
べる目的で、上記本発明サーメット1〜15よりSNP432の
スローアウェイチップを作製し、 被削材:JIS規格SNCM439(HB290)、 切削速度:230m/min、 切込み:2mm、 送り:0.3mm/rev、 切削時間:20min、 なる条件で高速連続切削試験を行ない、逃げ面摩耗幅を
測定し、その結果を第2表に示し、 さらに同じく上記SNP432のスローアウェイチップに
て、 被削材:JIS規格SNCM439(HB290)、 切削速度:140m/min、 切込み:2mm、 送り:0.3mm/rev、 切削時間:3min、 なる条件下で断続切削試験を行ない、試験切刃:10切刃
のうち欠損を生じた切刃の数を測定してそれらの結果も
第2表に示した。
配合粉末A〜Mを、上記実施例で示した方法と同じ方法
で成形したのち、真空度:0.05〜0.1Torrの真空中にて温
度:1200℃まで昇温し、その後の昇温および第3表に示
す焼結温度での保持(保持時間は同じく第3表に示す)
を同じく第3表に示すN2雰囲気中で焼結する雰囲気焼結
を行なって、従来サーメット1〜15を製造した。
およびTiXMY(CxNy)の比率を測定し、さらに上記TiXMY
(CxNy)におけるy/x+yの値、硬さ(HRA)および抗折
力を測定し、これら測定結果を第3表に示した。
る目的で、従来サーメット1〜15よりSNP432のスローア
ウェイチップを作製し、上記実施例と全く同一条件で高
速連続切削試験および断続切削試験を行ない、それらの
結果も第3表に示した。
を用いて作製しても、TiXMY(CxNy)におけるCとNがy
/x+y:0.01〜0.3の範囲内にある本発明サーメット1〜1
5は、y/x+y>0.3の従来サーメット1〜15とほぼ同等
の靭性を有するが、耐摩耗性が大幅に優れていることが
わかり、本発明サーメットを特に高速連続切削に用いた
場合に長期にわたって優れた性能を発揮することができ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】Fe族金属のうち1種または2種以上からな
る結合相、 窒化チタンからなる第1硬質分散相、および TiとTiを除く周期律表4a,5a,6a族遷移金属のうち1種ま
たは2種以上の固溶体炭窒化物からなる第2硬質分散
相、 からなるサーメットにおいて、 上記第2硬質分散相における炭素と窒素は、原子比で となるように含有されていることを特徴とする耐摩耗性
に優れた切削工具用高靭性サーメット。 - 【請求項2】上記サーメットは、 Fe族金属のうち1種または2種以上からなる結合相:4〜
20容量%、 窒化チタンからなる第1硬質分散相:0.5〜40容量%、 TiとTiを除く周期律表4a,5a,6a族遷移金属のうち1種ま
たは2種以上の固溶体炭窒化物からなる第2硬質分散
相:40〜94容量%、からなるサーメットであることを特
徴とする請求項1記載の耐摩耗性に優れた切削工具用高
靭性サーメット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1306885A JP2674243B2 (ja) | 1989-11-27 | 1989-11-27 | 耐摩耗性に優れた切削工具用高靭性サーメット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1306885A JP2674243B2 (ja) | 1989-11-27 | 1989-11-27 | 耐摩耗性に優れた切削工具用高靭性サーメット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03166334A JPH03166334A (ja) | 1991-07-18 |
JP2674243B2 true JP2674243B2 (ja) | 1997-11-12 |
Family
ID=17962425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1306885A Expired - Lifetime JP2674243B2 (ja) | 1989-11-27 | 1989-11-27 | 耐摩耗性に優れた切削工具用高靭性サーメット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2674243B2 (ja) |
-
1989
- 1989-11-27 JP JP1306885A patent/JP2674243B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03166334A (ja) | 1991-07-18 |
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