JP2674070B2 - デイジタルオーデイオ編集装置 - Google Patents

デイジタルオーデイオ編集装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、デイジタルオーデイオレコーダや固定磁
気デイスク、光磁気デイスク、半導体メモリなどを使用
してデイジタルオーデイオ信号を編集する装置で、編集
位置の自動検索をおこなうためのデイジタルオーデイオ
編集装置に関するものである。
[従来の技術] 第6図は、たとえば固定ヘツド方式のデイジタルオー
デイオテープレコーダを用いて手切り編集した場合のテ
ープから得られる再生出力の波形を示し、同図から明ら
かなように、手切り編集におけるテープの切断方向はテ
ープの長手方向に対して直角であり、そのため再生出力
信号において、前部信号(51)と後部信号(52)との位
相が接続点(53)で合わず、この接続点(53)でクリツ
ク音が発生することが多い。
第7図は、特開昭54−143110号公報に開示されたPCM
信号テープ編集方式による編集位置の自動検索によつて
得られた再生出力の波形を示し、この編集方式は、同図
の点線で示す後部信号(52)の時間的位置を矢印(55)
のように移動させて、接続点(53)において前部信号
(51)に対して、信号レベルと傾きとが一致するような
後部信号(54)となして、この信号(54)を前部信号
(51)に接続するものであり、このような編集によりク
リツク音の発生を抑圧したものである。
第8図は、上記第7図で示す編集を実行するための信
号処理部の構成を示すブロツク図であり、同図におい
て、(107)は入力端子、(108)はメモリ、(109)は
書込みクロツク、(110)は読出しクロツク、(111)は
出力端子、(112)は編集点検出器、(113)は書込みク
ロツクゲート、(114)はレベル位相判定器である。
つぎに、上記第8図で示す構成の動作について説明す
る。
入力端子(107)から入つた再生信号は書込みクロツ
ク(109)によりメモリ(108)に書き込まれ、かつ読出
しクロツク(110)により読み出されて、一定の時間遅
延された状態で出力端子(111)から送出される。
上記再生信号中に編集点が含まれていると、その編集
点が編集点検出器(112)で検出され、書込みクロツク
ゲート(113)にストツプ信号を送出し、ゲートを閉じ
メモリ(108)への再生信号の書き込みを停止する。そ
して、上記編集点の周辺で発生するデータ誤りの除去を
おこない、そのデータ誤り区間が過ぎたのち、上記編集
点検出器(112)が書込みクロツクゲート(113)にスタ
ート信号を出力する。
一方、レベル位相判定器(114)において、接続点前
部の信号と接続点後部の信号のレベルと傾きが一致した
点を選択し、上記書込みクロツクゲート(113)に編集
点検出器(112)と同様にスタート信号を出力する。
ついで、書込みクロツクゲート(113)では上記2つ
のスタート信号のアンド条件でメモリ(108)への書き
込みを再開する。このようにして、第7図に示すように
信号(51)、(54)を接続する。
また、上記メモリ(108)内の信号の量は、このメモ
リ(108)への信号の書き込みを停止していた期間の分
だけ減少した状態が保たれ、もし編集点が複数回発生し
た場合、メモリ(108)が空になつてしまう恐れがある
ため、書込みクロツク(109)の停止をやめた直後にテ
ープスピードをメモリ(108)内の信号の量が所定量に
なるまで若干速くして、メモリ(108)への入力信号を
出力信号より多くしメモリ(108)の内容を補充する。
以上述べたような従来のデイジタルオーデイオ編集装
置では、たとえば第9図に示すような前後2種類の信号
(51)、(52)の接続に際して、図中のA点とB点との
接続により信号レベルと傾きとが一致し、クリツク音の
発生を抑圧できたとしても楽音の周期性を無視した接続
であるため音質の劣化は免れ得ない。もし、第9図にお
いて、A点とC点との接続がなされれば、周波数成分も
考慮した接続であるため、クリツク音の発生を抑圧でき
ると同時に音質の劣化も最小にとどめることが可能とな
る。
[発明が解決しようとする課題] 従来のデイジタルオーデイオ編集装置は、以上のよう
に構成されていたので、編集位置の自動検索がレベルと
2点間の勾配のみを比較しておこなわれるために、編集
点でのクリツク音の発生は抑圧できるものの、楽音の周
期性が考慮されていないので、音質の劣化を免れ得ない
という問題があつた。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、編集点での音質の劣化が少なく、信頼性の
高い編集をおこなうことができるデイジタルオーデイオ
編集装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明にかかるデイジタルオーデイオ編集装置は、
編集点の前後の信号サンプル列の相関誤差を算出して、
その誤差が最小となる最適編集点情報を検索するように
したことを特徴とする。
[作用] この発明によれば、デイジタルオーデイオ信号の編集
点前の数サンプルの信号と編集点後の数サンプルの信号
の差の2乗和を算出することで、前後両サンプル信号列
の相関誤差を求め、かつその相関誤差が最小となる最適
編集点情報を求めることによつて、周波数成分、レベル
をともに含んだ最適編集点を自動検索することができ
る。
[発明の実施例] 以下、この発明の一実施例を図面にもとづいて説明す
る。
第1図はこの発明の一実施例によるデイジタルオーデ
イオ編集装置における手切り編集の概念を示す信号波形
図であり、まず、この第1図について説明する。
第1のデイジタルオーデイオ信号(20)の接続点を中
心とした編集区間(A)の信号サンプル列(…,An−2,A
n−1,An,An+1,An+2,……)と手切り編集で発生する誤
りの多いデータ区間(C)をとばした第2のデイジタル
オーデイオ信号(21)の接続点を中心とした編集区間
(B)の信号サンプル列(…,Bn−2+k,Bn−1+k,Bn
+k,Bn+1+k,Bn+2+k,…)とにより各サンプルの差
の2乗和(Ek)を求める。すなわち、 ここで、kは横軸、つまり時間軸を示す。
そして、(k)を順次可変して、毎回の誤差(Ek)を
算出し、その誤差が最小となる位置を最適接続位置とす
る。なお、上記編集区間(A),(B)の範囲は聴感
上、時間ずれのほとんどわからない値に設定している。
第2図は横軸に時間(k)を、縦軸に上記誤差(Ek)
をとつた場合の編集位置と各サンプルの相関関係を示す
図で、同図(a)のような場合は、誤差(Ek)が最小値
を示す矢印で示す点(k)をとればよく、また同図
(b)で示すように、最小値が2つ以上ある場合は時間
ずれの少ない方をとればよい。ここで、計算するサンプ
ル数(i)が多ければ多いほど精度は向上するものであ
る。オーデイオ帯域の信号ではDSP(Degital Signal Pr
ocessor)を用いることにより、リアルタイムでかなり
多いサンプルの相関を求めることが可能である。
第3図はこの発明の一実施例によるデイジタルオーデ
イオ編集装置の構成を示すブロツク図であり、同図にお
いて、(1)はデイジタルオーデイオ信号が記録され、
かつ手切り編集の施された磁気テープ、(2)は再生磁
気ヘツド、(3)はキヤプスタンモータ、(4)は第1
クロツク(16)で動作する再生信号処理部、(5)はデ
ータをメモリ(8)に書き込み/読み出しするためのデ
ータポート(以下、データI/Oと称す)、(6)は別々
の信号を切り換えるためのクロスフエーダ、(7)は上
記メモリ(8)のデータバス、(9)は相関誤差を演算
するDSP、(10)はアドレスセレクタ、(11)はデータ
書き込みアドレス発生器、(12)はDSP(9)の書き込
み/読み出しアドレス発生器、(13)はデータ読み出し
アドレス発生器、(14)はデータ書き込みアドレスとデ
ータ読み出しアドレスの偏差によりメモリアドレスを検
出するメモリ容量コントローラ、(15)はメモリ(8)
の読み出し系にクロツクを供給する第1クロツク、(1
6)はメモリ(8)の書き込み系およびレコーダの再生
系にクロツクを供給する第2クロツク、(17)は再生系
のサーボコントロール、(18)はデイジタル出力端子で
ある。
つぎに、上記構成の動作について説明する。
磁気テープ(1)に記録されたデイジタルオーデイオ
信号は再生磁気ヘツド(2)にて検出されたのち、再生
信号処理部(4)でデイジタルオーデイオ信号に復元さ
れ、さらにデータI/O(5)、データバス(7)を介し
てメモリ(8)に書込まれる。この場合の書き込みアド
レスはデータ書込みアドレス発生器(11)で発生し、ア
ドレスセレクタ(10)を介して与えられるとともに、デ
ータの書き込み系のクロツクは第2クロツク(16)で与
えられる。
一方、メモリ(8)に蓄えられたデイジタルオーデイ
オデータ信号は一定の時間遅延されて、データバス
(7)、データI/O(5)、クロスフエーダ(6)を介
して出力端子(8)から出力される。この場合の読み出
しアドレスはデータ読み出しアドレス発生器(13)で発
生し、アドレスセレクタ(10)を介してメモリ(8)に
与えられるとともに、読み出し系のクロツクは第1クロ
ツク(15)で与えられる。
また、DSP(9)はデータバス(7)に接続されてお
り、メモリ(8)に記録されたデイジタルオーデイオ信
号を任意に取り出すことができる構成となつている。そ
のときの取り出しアドレスはDSP書き込み/読み出しア
ドレス発生器(12)で発生し、アドレスセレクタ(10)
を介してメモリ(8)に与えられる。
ここで、編集箇所を含むデータが再生された場合、編
集検出信号がデイジタルオーデイオデータにミツクスさ
れて、データI/O(5)、データバス(7)を介してDSP
(9)に入力される。このDSP(9)では編集検出信号
が入力されると、第1のデイジタルオーデイオ信号(2
0)の編集区間(A)の信号サンプル列と第2のデイジ
タルオーデイオ信号(21)の編集区間(B)の信号サン
プル列とを順番に入力し、逐次、上記の(1)式により
2乗平均誤差の和を求め、最適接続点の算出をおこな
う。
第4図は上記DSP(9)の内部での信号処理のフロー
を示し、まずステツプ1ではデータサンプル列An,BnをD
SP(9)内部に取り込む。ステツプ2では最適編集点を
選択するためのパラメータ(K)の範囲、最小値(kmi
n)、最大値(kmax)を設定し、変数(k)に(kmin)
をセツトする。ステツプ3では設定した変数(k)の値
の場合の差の2乗和(Ek)を算出する。ステツプ4では
(k)を1つインクリメントする。ステツプ5では
(k)が最大値(kmax)まで達したかどうかを判断し、
達してない時はステツプ3にもどる。達した場合にはス
テツプ6に進み、ステツプ3で繰り返し求めた(Ek)列
より最小値を与える(k)を求める。最後に、ステツプ
7においてステツプ6で求めた最適編集点情報(k)を
出力する。
以上のようにして、求まった最適接点の位置情報をデ
ータ読み出しアドレス発生器(13)は転送する。このデ
ータ読み出しアドレス発生器(13)では読み出しデータ
が編集点にきた時にDSP(9)より得られた最適接点を
示すアドレスにメモリ読み出しアドレスをジヤンプさせ
る。
すると、編集区間(A)と編集区間(B)が最適位置
で接続され、接続点前後でデータはなめらかにつなが
る。また、より一層なめらかに接続するために、接続点
前後の一定の区間で第1のデイジタルオーデイオ信号
(20)と第2のデイジタルオーデイオ信号(21)の2種
類の信号を取り出し、クロスフエーダ(6)でなめらか
に切り換える方法も併用すればよい。
メモリ(8)内のデイジタルオーデイオ信号の量は、
読み出しアドレスをジヤンプさせた期間の分だけ減少し
た状態が保たれ、さらに編集点が多数回発生した場合に
は、メモリ(8)が空になつてしまう。そこで、従来例
と同様にメモリ容量コントローラ(14)でメモリ容量を
監視し、メモリ(8)内の信号の量が所定量にもどるま
で、第2クロツク(16)の周波数を第1クロツク(15)
の周波数より若干高くし、再生信号の情報量を増加さ
せ、メモリ(8)への入力信号を出力信号より多くして
メモリ(8)の内容を補充する。
なお、以上までの説明は、デイジタルオーデイオテー
プレコーダを用いた手切り編集についての説明である
が、電子編集の場合にも適用することができる。
第5図は電子編集にこの発明を適用した例の構成図で
あり、デイジタルオーデイオレコーダ(37)が第1のデ
イジタルオーデイオデータを出力し、デイジタルオーデ
イオレコーダ(36)が第2のデイジタルオーデイオデー
タを出力する。上記デイジタルオーデイオレコーダ(3
7)は、各楽音サンプルに対応してアドレス信号をもつ
ており、編集点を再生する時点で、そのアドレス信号よ
り作成した編集点信号(38)を出力する。デイジタルオ
ーデイオレコーダ(40)は編集された信号を記録するレ
コーダである。(39)は電子編集用アダプタで、その内
部に切換えスイツチ(41)を有し、このスイツチ(41)
は上記編集点信号(38)により駆動する。
電子編集をおこなう場合、デイジタルオーデイオレコ
ーダ(37)、(36)は同じ時点の音楽信号を同時に、し
かもサンプルの周期も一致するように並列運転される。
最初は、第1のデイジタルオーデイオ信号がアダプタ
(39)内にある信号接続回路の入力端子、すなわち既述
のデータI/o(5)の入力端子に印加されており、編集
点にくると、編集点信号(38)が出力され、スイツチ
(41)が切換えられると同時に、編集点信号(38)はデ
ータバス(7)を介してDSP(9)に転送される。その
後は上述の実施例の場合と同様の動作により最適な接続
がおこなわれる。
なお、上記実施例では、既述の(1)式の演算をDSP
を用いておこなつているが、同じ演算フローを有する専
用のハードウエアを用いた場合でも同様の効果を奏す
る。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、デイジタルオーデ
イオ信号の編集に際して、編集点の前後の数サンプルの
信号列の相関誤差を算出して、周波数成分、位相なども
含めて最適編集点を自動検索することができるから、編
集点でのクリツク音の発生を抑圧できるばかりでなく、
編集点での音質の劣化も非常に少なくすることができ、
デイジタルオーデイオ編集の信頼性を高め得る効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるデイジタルオーデイ
オ編集装置における手切り編集の概念を示す信号波形
図、第2図(a),(b)は編集位置と各サンプルの相
関関係を示す図、、第3図はデイジタルオーデイオ編集
装置の構成を示すブロツク図、第4図はDSPの演算フロ
ー、第5図はこの発明の他の実施例によるデイジタルオ
ーデイオ編集装置の構成を示すブロツク図、第6図は手
切り編集されたテープから得られる再生出力を示す波形
図、第7図は従来の編集位置の自動検索によつて得られ
た再生出力を示す波形図、第8図は従来の編集装置の信
号処理部の構成を示すブロツク図、第9図は従来の問題
点を説明するための波形図である。 (5)……データI/O、(6)……クロスフエーダ、
(7)……データバス、(8)……メモリ、(10)……
アドレスセレクタ、(11)……データ書き込みアドレス
発生器、(12)……DSP書込み/読出しアドレス発生
器、(13)……データ読出しアドレス発生器。 なお、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デイジタルオーデイオ信号の編集点を通報
    する手段と、上記編集点が通報されたときその編集点の
    直前の第1の信号サンプル列(…,An−1,An,An+1,An+
    2,…)と上記編集点の直後の第2の信号サンプル列
    (…,Bn+k−1,Bn+k,Bn+k+1,Bn+k+2,…)とに
    より各サンプルの差の2乗和、すなわち、 ここで、i,k,nは整数 を算出しかつその2乗和が最小となる最適編集点情報の
    パラメータkを求める手段と、上記第1および第2の信
    号を所定の時間それぞれ遅延させる手段と、上記編集点
    が通報されたとき上記第2の信号の遅延手段の遅延量が
    上記第1の信号の遅延手段の遅延量に対して上記のパラ
    メータk分だけ短くなるように制御する手段と、上記第
    1の遅延手段の出力と第2の遅延手段の出力を編集点の
    近辺で切り換える手段とを具備したことを特徴とするデ
    イジタルオーデイオ編集装置。
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