JP2673402B2 - 被熱転写シート - Google Patents
被熱転写シートInfo
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- JP2673402B2 JP2673402B2 JP4157570A JP15757092A JP2673402B2 JP 2673402 B2 JP2673402 B2 JP 2673402B2 JP 4157570 A JP4157570 A JP 4157570A JP 15757092 A JP15757092 A JP 15757092A JP 2673402 B2 JP2673402 B2 JP 2673402B2
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- Japan
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- layer
- paper
- transfer sheet
- thermal transfer
- heat
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被熱転写シートに関し、
更に詳しくは熱転写シートと組合わせて用いられ、サー
マルヘッド等により画像情報に応じた加熱印字を行なう
ための被熱転写シートに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、CRTディスプレイ上の画像より
直接写真のような画像を記録するために採用されている
熱転写記録方式において使用されている被熱転写シート
として従来から、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙
等の基材に受容層をもうけたものが用いられている。上
記熱転写記録方式は、ポリエステルフィルム等の基材に
昇華性染料とバインダーとからなる色材層を設けてなる
熱転写シート(必要に応じて色材層を設けた基材の反対
の面に耐熱保護層を設けたものもある)の該色材層を、
被熱転写シートの受容層と相対して重ね合わせ、電気信
号によって発熱が抑制されるサーマルヘッド等により熱
転写シートを加熱し、熱転写シートの色材層中の昇華性
染料を被熱転写シート上に転写せしめ加熱印字するもの
である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般に被熱転写シート
は紙基材上に受容層を設けて構成されるが、被転写シー
トの基材として合成紙を使用した場合、熱転写シートと
重ね合わせサーマルヘッド等で加熱印字した際、合成紙
が加熱により部分的に熱収縮しカールが発生し易いとい
う欠点がある一方で、合成紙以外の上質紙等を基材とし
て用いた被熱転写シートには、加熱印字した画像の濃度
が上がり難いという問題点があった。かかる問題を解決
すべく鋭意研究した結果、本発明者等は紙基材と受容層
との間にミクロポーラス層等の多孔層を設けることによ
り、被転写シートの基材として合成紙以外の上質紙等を
基材として使用した場合であっても、加熱印字による両
像濃度が上がり易い、即ち昇華転写の感度が高くなると
いう知見を得た。 【0004】しかしながら、上記多孔層は、例えばポリ
ウレタン等の熱可塑性樹脂の有機溶媒溶液と水等の非溶
媒との混合液を基材上に塗布する等して形成されるもの
であり、有機溶媒溶液は紙基材に浸透し易く、浸透が顕
著な場合には多孔層を所定の厚みに維持することが困難
になると共に、層表面に凹凸が生じる虞があり、その結
果、加熱印字により転写される画像が不鮮明になってし
まう場合があるため、紙基材と受容層との間に多孔層を
設けただけでは、上記の課題を充分に解決することがで
きないでいた。 【0005】そこで、本発明者等は更に鋭意研究した結
果、紙基材と受容層との間に多孔層を設けると共に、有
機溶媒溶液の紙基材への浸透を防止することによって、
加熱印字により転写される画像の濃度が上がり、且つ転
写された画像が鮮明なものとなることを見出し本発明を
完成するに至った。即ち本発明の被熱転写シートは、実
質的にセルロース繊維からなる紙基材と、加熱された際
に熱転写シートから移行してくる染料が受容される受容
層とを有する被熱転写シートにおいて、紙基材と受容層
との間に多孔層を設けると共に、多孔層形成のための有
機溶媒溶液が紙基材に浸透するのを防止するバリヤー層
を当該紙基材上に設けてなることを特徴とするものであ
る。 【0006】次に、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。本発明被熱転写シートは、図1に示すように紙
基材1上にバリヤー層2、多孔層3、受容層4を順次設
けてなるものであり、紙基材1と受容層4との間に多孔
層3が設けられている共に、紙基材1上にバリヤー層2
が設けられている。紙基材1は実質的にセルロース繊維
からなるが、この実質的にセルロース繊維からなる紙基
材とは、通常の紙のみならず、紙に特殊加工を施したも
のも包含される。従って紙基材1としては上質紙、アー
ト紙、コート紙、キャスコート紙等が挙げられる。 【0007】バリヤー層2は有機溶媒溶液の浸透を防止
できるものであればよく、該バリヤー層2としては、
1)アクリル酸エステル等の合成樹脂エマルジョン、メ
タクリレートーブタジエン系等の合成ゴムラテックスに
必要によりカゼイン、デンプン、ポリビニルアルコール
等の水溶液を混合しクレー、炭酸カルシウム等の体質顔
料を分散させた液を紙基材1に塗布し乾燥させてなる
層、2)ポリウレタン、ポリエステル等の合成樹脂溶液
に必要により炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー等の
顔料を分散させた液を紙基材1に塗布し乾燥させてなる
層等が挙げられる。該バリヤー層2の厚さは、使用する
紙基材によっても異なるが、通常2〜10μmが好まし
く、有機溶媒溶液に対してバリヤー性のない上質紙を紙
基材として使用した場合は他の紙基材に比べてバリヤー
層2の厚みを大きく設けることが好ましい。 【0008】また上記 1) の材質を使用して設けるバリ
ヤー層の如き水系のバリヤー層を用いた場合は、該バリ
ヤー層の表面をスーパーキャレンダー掛けによって平滑
化することが望ましい。 【0009】多孔層3として、熱可塑性樹脂又は合成ゴ
ムを有機溶媒に溶解した溶液と、該有機溶媒に比べ蒸発
しにくく該有機溶媒に対し相溶性を有し且つ熱可塑性樹
脂又は合成ゴムに対して溶解性を有さず溶媒として作用
しない非溶媒(水を主成分とするものも含む)との混合
液を、バリヤー層2上に塗布し乾燥させることによりミ
クロ状に凝集した膜を形成してなるミクロポーラス層等
が用いられ、このようなミクロポーラス層を多孔層3と
して用いると、該多孔層3上に形成した受容層4の表面
に凹凸が生じる虞が少なく均一性の高い画像を転写せし
めることが可能な受容層4の表面を得ることができる。
このミクロポーラス層形成に当たり用いられる熱可塑性
樹脂としては、飽和ポリエステル、ポリウレタン、塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体、セルロースアセトプロピオ
ネート等が挙げられ、また合成ゴムとしては、スチレン
−ブタジエン系、イソプレン系、ウレタン系等が挙げら
れる。更に有機溶媒としてメチルエチルケトン、アルコ
ール等の親水性溶媒が用いられ、また該有機溶媒に比べ
蒸発しにくく該有機溶媒に対し相溶性を有し且つ熱可塑
性樹脂又は合成ゴムに対して溶解性を有さず溶媒として
作用しない非溶媒として水が用いられる。多孔層3の厚
みは3μm以上が好ましく、特に5〜20μmが好まし
い。多孔層3を設けることにより該多孔層3による断熱
効果が生じ熱転写記録方式においてサーマルヘッド等の
加熱印字時の熱が受容層で充分に活用され、また多孔層
によるクッション弾性効果が生じサーマルヘッド等の加
熱印字が万遍なく行われ画像の白抜けがなくなり、転写
される画像濃度が向上するという効果が生じる。尚、多
孔層3の厚みが3μm未満のものは、クッション性、断
熱性の効果が発揮されない。 【0010】受容層4の材質としては、飽和ポリエステ
ル、アクリル酸エステル、ポリウレタン、ナイロン等の
熱可塑性樹脂が用いられ、必要により該樹脂に炭酸カル
シウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の顔料を含有させるこ
とができる。受容層4の形成方法としては、上記熱可塑
性樹脂の有機溶媒溶液に、必要により上記顔料を分散さ
せた液を多孔層3上に塗布し乾燥させることにより形成
することができる。受容層4の厚みは一般に5〜10μ
mのものが好ましい。 【0011】多孔層3によって受容層4の表面に凹凸が
生じ、そのため加熱印字により転写される画像が不均一
となる場合は、図2に示すように多孔層3と受容層4と
の間に平滑度調整層5を設けることが望ましい。平滑度
調整層5の材質としては飽和ポリエステル、ポリオレフ
ィン等の熱可塑性樹脂が用いられ、必要により該樹脂に
酸化チタン、炭酸カルシウム等の顔料を含有させること
ができる。平滑度調整層5を設けることにより受容層4
表面を平滑性良好なものに形成でき、転写画像を均一な
ものにさせる利点がある。 【0012】 【0013】上記の如き構成を有する本発明の被熱転写
シート6は、図3に示すように転写シート7の色材層8
と被熱転写シート6の受容層4とが接触するように熱転
写シート7と重ね合わせ、熱転写シート7の支持材9側
よりサーマルヘッド等により画像情報に応じた加熱を行
った後、熱転写シート7を剥離することにより色材層8
中の昇華染料が被熱転写シート6の受容層4に転写さ
れ、被熱転写シート6に画像が転写記録される。 【0014】以下に具体的実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例 市販キャストコート紙(米坪130g/m2 )の平滑面
上にポリウレタン樹脂(ダイセル化学製プラセルEA)
のメチルエチルケトン溶液をミヤバーコーティングによ
り塗布し乾燥させ4μm厚のバリヤー層(固型分付着量
約3g/m2 )を設けた。このバリヤー層上面にポリウ
レタン樹脂(武田薬品製タケラックT)をトルエン−イ
ソプロピレンアルコール(混合比2:1)により溶解さ
せた溶液(含有量15重量%)に更に水(水の混合量3
0重量%)を混合しやゝ白濁した液をミヤバーコーティ
ングにより塗布し乾燥させ約10μm厚のミクロポーラ
ス層を設けた。次いでミクロポーラス層上面に下記組成
の受容層組成物をミヤバーコーティングにより塗布し乾
燥させ6μm厚の受容層(固型分付着量6g/m2 )を
形成し被熱転写シートを製造した。 【0015】受容層組成物 ポリエステル樹脂: (東洋紡製バイロン200) 10重量部 アミノ変性シリコーン: (信越化学製KF−393) 0.5重量部 エポキシ変性シリコーン: (信越化学製X−22−343) 0.5重量部 メチレン/トルエン/シクロヘ キサン(重量比4:4:2) 89重量部 一方、片面に耐熱性層を設けた厚さ6μmのポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルム(東レ製)を支持材とし、該
支持材の耐熱性層を設けた面の反対面に下記の色材層組
成物をミヤバーコーティングにより塗布し乾燥させ、約
1μm厚の色材層(固型分付着量1g/m2 )を形成し
熱転写シートを製造した。 【0016】色材層組成物 分散染料: (日本化薬製KST−B−136) 4重量部 エチルヒドロキシエチルセルロース (ハーキュレス製) 6重量部 メチルエチルケトン/トルエン (重量比1:1) 90重量部 上記熱転写シートと被熱転写シートとを色材層と受容層
とが接触するように重ね合わせ、熱転写シートの耐熱性
層側よりサーマルヘッドにより加熱した後、両シートを
剥離し、被熱転写シートの受容層に熱転写シートの色材
層中の単色ベタの分散染料を転写せしめた。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は紙基材と
受容層との間に多孔層を設けると共に、多孔層形成のた
めの有機溶媒溶液が紙基材に浸透するのを防止するバリ
ヤー層を当該紙基材上に設けたので、多孔層による断熱
効果が生じ熱転写記録方式においてサーマルヘッド等の
加熱印字時の熱が受容層で充分に活用され、また多孔層
によるクッション弾性効果が生じサーマルヘッド等の加
熱印字が万遍なく行われ画像の白抜けがなくなり、転写
される画像濃度が向上することができ、更に紙基材上に
設けたバリヤー層により、紙基材上に多孔層を設けるに
当り、層形成のための有機溶媒溶液を紙基材上に塗布し
た際、バリヤー層の作用により有機溶媒溶液が紙基材に
浸透するのを防止することができ、多孔層の塗布厚みを
所定の厚みに維持できると共に受容層の表面凹凸を極力
抑制することができ、その結果、加熱印字により転写さ
れる画像が鮮明なものになるという効果を奏するもので
ある。
更に詳しくは熱転写シートと組合わせて用いられ、サー
マルヘッド等により画像情報に応じた加熱印字を行なう
ための被熱転写シートに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、CRTディスプレイ上の画像より
直接写真のような画像を記録するために採用されている
熱転写記録方式において使用されている被熱転写シート
として従来から、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙
等の基材に受容層をもうけたものが用いられている。上
記熱転写記録方式は、ポリエステルフィルム等の基材に
昇華性染料とバインダーとからなる色材層を設けてなる
熱転写シート(必要に応じて色材層を設けた基材の反対
の面に耐熱保護層を設けたものもある)の該色材層を、
被熱転写シートの受容層と相対して重ね合わせ、電気信
号によって発熱が抑制されるサーマルヘッド等により熱
転写シートを加熱し、熱転写シートの色材層中の昇華性
染料を被熱転写シート上に転写せしめ加熱印字するもの
である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般に被熱転写シート
は紙基材上に受容層を設けて構成されるが、被転写シー
トの基材として合成紙を使用した場合、熱転写シートと
重ね合わせサーマルヘッド等で加熱印字した際、合成紙
が加熱により部分的に熱収縮しカールが発生し易いとい
う欠点がある一方で、合成紙以外の上質紙等を基材とし
て用いた被熱転写シートには、加熱印字した画像の濃度
が上がり難いという問題点があった。かかる問題を解決
すべく鋭意研究した結果、本発明者等は紙基材と受容層
との間にミクロポーラス層等の多孔層を設けることによ
り、被転写シートの基材として合成紙以外の上質紙等を
基材として使用した場合であっても、加熱印字による両
像濃度が上がり易い、即ち昇華転写の感度が高くなると
いう知見を得た。 【0004】しかしながら、上記多孔層は、例えばポリ
ウレタン等の熱可塑性樹脂の有機溶媒溶液と水等の非溶
媒との混合液を基材上に塗布する等して形成されるもの
であり、有機溶媒溶液は紙基材に浸透し易く、浸透が顕
著な場合には多孔層を所定の厚みに維持することが困難
になると共に、層表面に凹凸が生じる虞があり、その結
果、加熱印字により転写される画像が不鮮明になってし
まう場合があるため、紙基材と受容層との間に多孔層を
設けただけでは、上記の課題を充分に解決することがで
きないでいた。 【0005】そこで、本発明者等は更に鋭意研究した結
果、紙基材と受容層との間に多孔層を設けると共に、有
機溶媒溶液の紙基材への浸透を防止することによって、
加熱印字により転写される画像の濃度が上がり、且つ転
写された画像が鮮明なものとなることを見出し本発明を
完成するに至った。即ち本発明の被熱転写シートは、実
質的にセルロース繊維からなる紙基材と、加熱された際
に熱転写シートから移行してくる染料が受容される受容
層とを有する被熱転写シートにおいて、紙基材と受容層
との間に多孔層を設けると共に、多孔層形成のための有
機溶媒溶液が紙基材に浸透するのを防止するバリヤー層
を当該紙基材上に設けてなることを特徴とするものであ
る。 【0006】次に、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。本発明被熱転写シートは、図1に示すように紙
基材1上にバリヤー層2、多孔層3、受容層4を順次設
けてなるものであり、紙基材1と受容層4との間に多孔
層3が設けられている共に、紙基材1上にバリヤー層2
が設けられている。紙基材1は実質的にセルロース繊維
からなるが、この実質的にセルロース繊維からなる紙基
材とは、通常の紙のみならず、紙に特殊加工を施したも
のも包含される。従って紙基材1としては上質紙、アー
ト紙、コート紙、キャスコート紙等が挙げられる。 【0007】バリヤー層2は有機溶媒溶液の浸透を防止
できるものであればよく、該バリヤー層2としては、
1)アクリル酸エステル等の合成樹脂エマルジョン、メ
タクリレートーブタジエン系等の合成ゴムラテックスに
必要によりカゼイン、デンプン、ポリビニルアルコール
等の水溶液を混合しクレー、炭酸カルシウム等の体質顔
料を分散させた液を紙基材1に塗布し乾燥させてなる
層、2)ポリウレタン、ポリエステル等の合成樹脂溶液
に必要により炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー等の
顔料を分散させた液を紙基材1に塗布し乾燥させてなる
層等が挙げられる。該バリヤー層2の厚さは、使用する
紙基材によっても異なるが、通常2〜10μmが好まし
く、有機溶媒溶液に対してバリヤー性のない上質紙を紙
基材として使用した場合は他の紙基材に比べてバリヤー
層2の厚みを大きく設けることが好ましい。 【0008】また上記 1) の材質を使用して設けるバリ
ヤー層の如き水系のバリヤー層を用いた場合は、該バリ
ヤー層の表面をスーパーキャレンダー掛けによって平滑
化することが望ましい。 【0009】多孔層3として、熱可塑性樹脂又は合成ゴ
ムを有機溶媒に溶解した溶液と、該有機溶媒に比べ蒸発
しにくく該有機溶媒に対し相溶性を有し且つ熱可塑性樹
脂又は合成ゴムに対して溶解性を有さず溶媒として作用
しない非溶媒(水を主成分とするものも含む)との混合
液を、バリヤー層2上に塗布し乾燥させることによりミ
クロ状に凝集した膜を形成してなるミクロポーラス層等
が用いられ、このようなミクロポーラス層を多孔層3と
して用いると、該多孔層3上に形成した受容層4の表面
に凹凸が生じる虞が少なく均一性の高い画像を転写せし
めることが可能な受容層4の表面を得ることができる。
このミクロポーラス層形成に当たり用いられる熱可塑性
樹脂としては、飽和ポリエステル、ポリウレタン、塩化
ビニル酢酸ビニル共重合体、セルロースアセトプロピオ
ネート等が挙げられ、また合成ゴムとしては、スチレン
−ブタジエン系、イソプレン系、ウレタン系等が挙げら
れる。更に有機溶媒としてメチルエチルケトン、アルコ
ール等の親水性溶媒が用いられ、また該有機溶媒に比べ
蒸発しにくく該有機溶媒に対し相溶性を有し且つ熱可塑
性樹脂又は合成ゴムに対して溶解性を有さず溶媒として
作用しない非溶媒として水が用いられる。多孔層3の厚
みは3μm以上が好ましく、特に5〜20μmが好まし
い。多孔層3を設けることにより該多孔層3による断熱
効果が生じ熱転写記録方式においてサーマルヘッド等の
加熱印字時の熱が受容層で充分に活用され、また多孔層
によるクッション弾性効果が生じサーマルヘッド等の加
熱印字が万遍なく行われ画像の白抜けがなくなり、転写
される画像濃度が向上するという効果が生じる。尚、多
孔層3の厚みが3μm未満のものは、クッション性、断
熱性の効果が発揮されない。 【0010】受容層4の材質としては、飽和ポリエステ
ル、アクリル酸エステル、ポリウレタン、ナイロン等の
熱可塑性樹脂が用いられ、必要により該樹脂に炭酸カル
シウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の顔料を含有させるこ
とができる。受容層4の形成方法としては、上記熱可塑
性樹脂の有機溶媒溶液に、必要により上記顔料を分散さ
せた液を多孔層3上に塗布し乾燥させることにより形成
することができる。受容層4の厚みは一般に5〜10μ
mのものが好ましい。 【0011】多孔層3によって受容層4の表面に凹凸が
生じ、そのため加熱印字により転写される画像が不均一
となる場合は、図2に示すように多孔層3と受容層4と
の間に平滑度調整層5を設けることが望ましい。平滑度
調整層5の材質としては飽和ポリエステル、ポリオレフ
ィン等の熱可塑性樹脂が用いられ、必要により該樹脂に
酸化チタン、炭酸カルシウム等の顔料を含有させること
ができる。平滑度調整層5を設けることにより受容層4
表面を平滑性良好なものに形成でき、転写画像を均一な
ものにさせる利点がある。 【0012】 【0013】上記の如き構成を有する本発明の被熱転写
シート6は、図3に示すように転写シート7の色材層8
と被熱転写シート6の受容層4とが接触するように熱転
写シート7と重ね合わせ、熱転写シート7の支持材9側
よりサーマルヘッド等により画像情報に応じた加熱を行
った後、熱転写シート7を剥離することにより色材層8
中の昇華染料が被熱転写シート6の受容層4に転写さ
れ、被熱転写シート6に画像が転写記録される。 【0014】以下に具体的実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例 市販キャストコート紙(米坪130g/m2 )の平滑面
上にポリウレタン樹脂(ダイセル化学製プラセルEA)
のメチルエチルケトン溶液をミヤバーコーティングによ
り塗布し乾燥させ4μm厚のバリヤー層(固型分付着量
約3g/m2 )を設けた。このバリヤー層上面にポリウ
レタン樹脂(武田薬品製タケラックT)をトルエン−イ
ソプロピレンアルコール(混合比2:1)により溶解さ
せた溶液(含有量15重量%)に更に水(水の混合量3
0重量%)を混合しやゝ白濁した液をミヤバーコーティ
ングにより塗布し乾燥させ約10μm厚のミクロポーラ
ス層を設けた。次いでミクロポーラス層上面に下記組成
の受容層組成物をミヤバーコーティングにより塗布し乾
燥させ6μm厚の受容層(固型分付着量6g/m2 )を
形成し被熱転写シートを製造した。 【0015】受容層組成物 ポリエステル樹脂: (東洋紡製バイロン200) 10重量部 アミノ変性シリコーン: (信越化学製KF−393) 0.5重量部 エポキシ変性シリコーン: (信越化学製X−22−343) 0.5重量部 メチレン/トルエン/シクロヘ キサン(重量比4:4:2) 89重量部 一方、片面に耐熱性層を設けた厚さ6μmのポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルム(東レ製)を支持材とし、該
支持材の耐熱性層を設けた面の反対面に下記の色材層組
成物をミヤバーコーティングにより塗布し乾燥させ、約
1μm厚の色材層(固型分付着量1g/m2 )を形成し
熱転写シートを製造した。 【0016】色材層組成物 分散染料: (日本化薬製KST−B−136) 4重量部 エチルヒドロキシエチルセルロース (ハーキュレス製) 6重量部 メチルエチルケトン/トルエン (重量比1:1) 90重量部 上記熱転写シートと被熱転写シートとを色材層と受容層
とが接触するように重ね合わせ、熱転写シートの耐熱性
層側よりサーマルヘッドにより加熱した後、両シートを
剥離し、被熱転写シートの受容層に熱転写シートの色材
層中の単色ベタの分散染料を転写せしめた。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は紙基材と
受容層との間に多孔層を設けると共に、多孔層形成のた
めの有機溶媒溶液が紙基材に浸透するのを防止するバリ
ヤー層を当該紙基材上に設けたので、多孔層による断熱
効果が生じ熱転写記録方式においてサーマルヘッド等の
加熱印字時の熱が受容層で充分に活用され、また多孔層
によるクッション弾性効果が生じサーマルヘッド等の加
熱印字が万遍なく行われ画像の白抜けがなくなり、転写
される画像濃度が向上することができ、更に紙基材上に
設けたバリヤー層により、紙基材上に多孔層を設けるに
当り、層形成のための有機溶媒溶液を紙基材上に塗布し
た際、バリヤー層の作用により有機溶媒溶液が紙基材に
浸透するのを防止することができ、多孔層の塗布厚みを
所定の厚みに維持できると共に受容層の表面凹凸を極力
抑制することができ、その結果、加熱印字により転写さ
れる画像が鮮明なものになるという効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明被熱転写シートの縦断面図である。
【図2】本発明被熱転写シートの他の実施例を示す縦断
面図である。 【図3】本発明被熱転写シートに転写が行われる状態を
示す縦断面図である。 【符号の説明】 1 紙基材 2 バリヤー層 4 受容層 6 被熱転写シート
面図である。 【図3】本発明被熱転写シートに転写が行われる状態を
示す縦断面図である。 【符号の説明】 1 紙基材 2 バリヤー層 4 受容層 6 被熱転写シート
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.実質的にセルロース繊維からなる紙基材と、加熱さ
れた際に熱転写シートから移行してくる染料が受容され
る受容層とを有する被熱転写シートにおいて、紙基材と
受容層との間に多孔層を設けると共に、多孔層形成のた
めの有機溶媒溶液が紙基材に浸透するのを防止するバリ
ヤー層を当該紙基材上に設けてなることを特徴とする被
熱転写シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4157570A JP2673402B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 被熱転写シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4157570A JP2673402B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 被熱転写シート |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60112766A Division JP2541796B2 (ja) | 1985-05-25 | 1985-05-25 | 被熱転写シ−ト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05169868A JPH05169868A (ja) | 1993-07-09 |
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1992
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