JP2672569B2 - 亀甲形コイルの成形方法及びその装置 - Google Patents

亀甲形コイルの成形方法及びその装置

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JP2672569B2 JP63108560A JP10856088A JP2672569B2 JP 2672569 B2 JP2672569 B2 JP 2672569B2 JP 63108560 A JP63108560 A JP 63108560A JP 10856088 A JP10856088 A JP 10856088A JP 2672569 B2 JP2672569 B2 JP 2672569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、コイルエンド部の成形を自動化し得る亀甲
形コイルの成形方法及びその装置に関する。
(従来の技術) 一般に、第18図に示すような形状の亀甲形コイル1
は、素線2a(第21図参照)を例えばなまこ形に巻回した
原形コイル2(第20図参照)を成形して得られ、また、
成形された亀甲形コイル1には、第19図に示すようにマ
イカテープ等の絶縁テープ3が螺旋状に巻回される(以
下、この絶縁テープ3が巻回された亀甲形コイル1を
「白コイル4」という)。そして、この白コイル4が第
22図及び第23図に示すように固定子鉄心5のスロット6
に挿入される。この際、白コイル4の形状(特にコイル
エンド部7の形状)が不揃いであると、隣接するコイル
エンド部7どうし相互に干渉して挿入不能になる虞れが
あり、それ故に、特にコイルエンド部7の成形について
は精度良く行う必要がある。
しかるに、従来の亀甲形コイル1の成形方法では、第
20図に示すように、略台形状をなす原形コイル2の両端
のループ部8をループクランプ9でクランプした状態
で、直線部10をクランプする直線部クランプ11を移動さ
せることにより、原形コイル2を亀甲形コイル1に成形
するようにしていた。尚、両端のループ部8はコイルエ
ンド部7に相当し、上側の直線部10は上底側直線部に相
当し、下側の直線部10は下底側直線部に相当する。この
ような成形方法では、第24図に二点鎖線で示すように、
コイルエンド部7が直線状に伸ばされた形状になってし
まうので、成形装置上でコイルエンド部7に木片、プラ
スチック片等の治具を宛がい、その上から木ハンマ等で
叩いて、該コイルエンド部7を第24図に実線で示すよう
な湾曲状に曲成していた。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来のような木ハンマ等によるコイルエンド部7
の曲成は手作業であるために、その作業に手間がかかっ
て成形作業の能率が非常に悪く、且つ熟練した作業者で
もコイルエンド部7の曲成形状にばらつきを生じ易い。
しかも、コイルエンド部7を正しく曲成するには、第25
図に示すように、木ハンマの叩き方向13をコイル断面の
中心線14に正しく合せる必要があるが、コイルエンド部
7は、その両端のコーナ部15から中央のループ部8にか
けて少しずつねじれているので、木ハンマで叩く時にコ
イル断面の中心線14がどの方向にあるかを正確につかむ
ことは、熟練した作業者にも非常に難しく、それ故に、
第26図に示すように叩き方向13が中心線14に一致せず
に、コイルエンド部7がねじれるように(コイル断面が
傾くように)曲成されてしまうこともあり、コイルエン
ド部7の曲成形状のばらつきをますます大きくする結果
となっていた。このため、成形後の亀甲形コイル1に絶
縁テープ3を巻回して得た白コイル4を固定子鉄心5の
スロット6に挿入する際に、コイルエンド部7間の隙間
16(第23図参照)のばらつきが大きく、極端な場合には
隣接するコイルエンド部7が相互に干渉して白コイル4
の挿入ができない場合があった。このような場合には、
コイルエンド部7の形状を、木ハンマ等により叩いて修
正しながら挿入していたため、コイル挿入作業も非常に
面倒であった。しかも、修正作業の際に、木ハンマ等の
叩き方によっては絶縁テープ3を損傷し、絶縁耐力を低
下させてしまう虞れがあった。特に、2極回転電機用の
亀甲形コイルのように、コイル開き角度θ(第24図参
照)が60゜位と大きな値になると、コイルエンド部7の
成形量(曲成量)が大きくなり、それ故に、木ハンマ等
で叩く回数も多くなって、上記不具合を一層助長させる
結果となっていた。
このような問題は、コイルエンド部7の成形を自動化
できれば解決できるが、上記従来の成形方法では、前工
程で原形コイル2をほぼ亀甲形に成形した後でコイルエ
ンド部7の成形を行うため、前工程で既にコイルエンド
部7は、その両端のコーナ部15から中央のループ部8に
かけて少しずつねじられた形状となってしまい、それ故
に、コイルエンド部7の成形方向(曲げ方向)も上記ね
じれ形状に合せて少しずつ微妙に変化させなければなら
ず、そのような微妙な成形方向の変化を、簡単には機械
化できないという事情があり、現状では手作業に頼らざ
るを得なかった。
本発明はこのような問題点を解決しようとするもの
で、従ってその目的は、コイルエンド部の成形作業を自
動化できて、亀甲形コイルの成形作業の能率を大幅に向
上できると共に、コイルエンド部の曲成形状のばらつき
を小さくできて、鉄心のスロットへのコイル挿入時のコ
イルエンド部修正作業を不要になし得、コイル挿入作業
の容易化及びコイル絶縁層の損傷防止(絶縁耐力向上)
を図り得る亀甲形コイルの成形方法及びその装置を提供
するにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 請求項1記載の発明は、上底側直線部の各端部と下底
側直線部の各端部との間をコイルエンド部により連結し
た形態をなす略台形状の原形コイルから亀甲形コイルを
成形する成形方法において、 前記両コイルエンド部をクランプするクランプ工程
と、 前記両直線部を相対的に直線移動,旋回させることに
伴い、前記原形コイルから前記亀甲形コイルを成形する
成形工程と、 前記両直線部の旋回前に、前記両コイルエンド部を両
直線部に対して交差する方向へ略同時に押圧することに
伴い、鉄心に装着した状態での軸方向視が湾曲状になる
ように曲成する曲成工程と、 前記両コイルエンド部の曲成時に両コイルエンド部を
相手側に押圧する押圧工程とを備え、 この押圧工程が、前記両直線部の旋回が終了するまで
行われるところに特徴を有している。
請求項2記載の発明は、上底側直線部の各端部と下底
側直線部の各端部との間をコイルエンド部により連結し
た形態をなす略台形状の原形コイルから亀甲形コイルを
成形する成形装置において、 前記両コイルエンド部をクランプする一対の端部クラ
ンプと、 前記両直線部を相対的に直線移動,旋回させることに
伴い、前記原形コイルから前記亀甲形コイルを成形する
成形機構と、 前記両直線部の旋回前に、前記両コイルエンド部を両
直線部に対して交差する方向へ略同時に押圧することに
伴い、鉄心に装着した状態での軸方向視が湾曲状になる
ように曲成する一対の押圧部材と、 前記両コイルエンド部の曲成時に前記両端部クランプ
を相手側に押圧する押圧機構とを備え、 この押圧機構が、前記両端部クランプを前記両直線部
の旋回が終了するまで押圧するところに特徴を有してい
る。
(作用) 上記手段によれば、原形コイルの両直線部を相対的に
直線移動,旋回させることに伴い、原形コイルから亀甲
形コイルが成形される。この場合、コイルエンド部を押
圧することに伴い、鉄心に装着した状態での軸方向視が
湾曲状になるように曲成している。このため、亀甲形コ
イルを鉄心に挿着するにあたって、コイルエンド部相互
間が干渉する等の不具合が防止されるので、コイルを鉄
心に挿着し易くなる。これと共に、コイルエンド部を叩
いて湾曲状に曲成する手作業が不要になり、亀甲形コイ
ルの成形が自動化される。
しかも、両直線部の旋回前に、各コイルエンド部を相
手側に押圧しながら曲成している。このため、コイルエ
ンド部にねじれが殆どなくなるので、コイルエンド部の
成形が容易になる。さらに、両コイルエンド部を略同時
に曲成している。このため、両コイルエンド部を別々に
曲成する場合とは異なり、一方のコイルエンド部の曲成
時に他方のコイルエンド部が突張って成形を行い難くす
ることが防止されるので、コイルエンド部の曲成が正確
に行われる。さらに、両直線部の旋回が終了するまで、
原形コイルを加圧している。このため、コイルエンド部
の曲げ戻しが防止されるので、均一な形状の亀甲形コイ
ルが得られる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を第1図乃至第17図に基いて
説明する。
まず、成形装置全体の構成を説明する。第1図は成形
装置全体の平面図を示したもので、同図中、21は成形装
置の基台で、その上面には左右及び中央の各本体フレー
ム21a,21b,21cが設けられている。そして、中央の本体
フレーム21cには、2対(合計4個)の直線部クランプ2
2,23が設けられ、これら各直線部クランプ22,23によっ
て原形コイル2の両直線部10(第12図参照)のうち亀甲
形コイル1のコイル辺部17(第18図参照)なる部分が4
箇所でクランプされる。ここで、第12図において下側の
直線部10をクランプする一対の直線部クランプ22の支持
構造等について、第2図の平面図と第3図の縦断側面図
を参照して説明する。即ち、両直線部クランプ22は、左
右に延びるクランプホルダー24に固定され、且つその固
定位置が、原形コイル2の直線部10の長さに合せて左右
方向(第2図中矢印X1,X2方向)に調節可能になってい
る。そして、クランプホルダー24は、旋回フレーム25に
固定され、この旋回フレーム25が、一対の円弧状の案内
板26(第3図参照)に例えば8個のガイドローラ27を介
して揺動自在に支持されている。この旋回フレーム25
は、油圧シリンダ28のロッド28aに連結され、その伸縮
動作によって旋回フレーム25ひいては直線部クランプ22
が案内板26の円弧の中心P1を回転中心として矢印G1,G2
方向に旋回される。この回転中心P1は、原形コイル2の
直線部10の稜角部に一致し(第14図参照)、旋回フレー
ム25の回転により直線部10(直線部クランプ22)が点P1
を回転中心として矢印G1,G2方向に回転される。また、
第2図及び第3図において、油圧シリンダ28を枢支する
ブラケット29と案内板26は、上下スライドフレーム30に
固定され、この上下スライドフレーム30は、本体フレー
ム21cの正面に固定された一対のガイドレール31に沿っ
て上下方向(第3図中矢印A1,A2方向)にスライド可能
に支持され、且つそのスライド動作が本体フレーム21c
の正面に固定された油圧シリンダ32によって実行され
る。これら油圧シリンダ28,32、上下スライドフレーム3
0、案内板26、ガイドローラ27等から成形機構に相当す
るクランプ移動手段33が構成されている。
一方、原形コイル2の上側の直線部10をクランプする
直線部クランプ23の支持構造と、成形機構に相当するク
ランプ移動手段34は、第4図の平面図と第5図の縦断側
面図に示すような構成になっており、上述の構成と略同
一である。即ち、両直線部クランプ23は、左右に延びる
クランプホルダー35に固定され、且つその固定位置が、
原形コイル2の直線部10の長さに合わせて左右方向(第
4図中矢印X1,X2方向)に調節可能になっている。そし
て、クランプホルダー35は、旋回フレーム36に固定さ
れ、この旋回フレーム36が、一対の円弧状の案内板37
(第5図参照)に例えば8個のガイドローラ38を介して
揺動自在に支持されている。この旋回フレーム36は、油
圧シリンダ39の動作によって案内板37の円弧の中心Q1
回転中心として矢印H1,H2方向に旋回される。この回転
中心Q1は、原形コイル2の直線部10の稜角部に一致し
(第14図参照)、旋回フレーム36の回転により直線部10
(直線部クランプ23)が点Q1を回転中心として矢印H1,H
2方向に回転される。また、第4図及び第5図におい
て、油圧シリンダ39を枢支するブラケット40と案内板37
は、上下スライドフレーム41に固定され、この上下スラ
イドフレーム41は、本体フレーム21cの上面の前後スラ
イドフレーム42に固定された一対のガイドレール43に沿
って上下方向(第5図中矢印B1,B2方向)にスライド可
能に支持され、且つそのスライド動作が油圧シリンダ44
によって実行される。更に、前後スライドフレーム42
は、本体フレーム21cの上面に固定された一対のガイド
レール19に沿って前後方向(第5図中矢印C1,C2方向)
にスライド可能に支持され、且つそのスライド動作が油
圧シリンダ20によって実行される。
一方、第1図に示すように、直線部クランプ22,23の
左右両側には、一対の端部クランプに相当する一対のル
ープクランプ45が設けられている。左右の両ループクラ
ンプ45は、原形コイル2の両端のループ部8をクランプ
するものであって、互いに対照な構成となっている。従
って、ここでは、第6図(平面図)、第7図(正面図)
及び第8図(側面図)を参照して左側のループクランプ
45の構成についてのみ説明する。即ち、ループクランプ
45の先端には、原形コイル2のループ部8を挿入するた
めの挿入溝46が形成され、この挿入溝46内に挿入したル
ープ部8をピン47によって抜止めしてクランプするもの
である。このループクランプ45は、クランプホルダー48
を介して前後スライドフレーム49に固定され、この前後
スライドフレーム49は、左右スライドフレーム50の上面
に固定された一対のガイドレール51に沿って前後方向
(第6図中矢印I1,I2方向)にスライド可能に支持さ
れ、且つそのスライド動作が左右スライドフレーム50の
上面に固定された油圧シリンダ52の動作によって実行さ
れる。また、左右スライドフレーム50は、本体フレーム
21aの上面に固定された一対のガイドレール53に沿って
左右方向(第6図中矢印D1,D2方向)にスライド可能に
支持されている。この左右スライドフレーム50の左側方
には、補助スライドフレーム54が上記ガイドレール53に
沿って左右方向にスライド可能に支持され、この補助ス
ライドフレーム54上には、加圧手段たるエアシリンダ55
(押圧機構に相当する)が右向きに固定されて、このエ
アシリンダ55のロッド55aの先端が左右スライドフレー
ム50に連結されている。そして、原形コイル2の成形を
開始する前に、このエアシリンダ55のロッド55aをスト
ロークエンドまで引っ込めた状態で、ループクランプ45
のピン47が原形コイル2のループ部8の内周に接触する
位置まで、左右スライドフレーム50と補助スライドフレ
ーム54をスライドさせ、その位置で補助スライドフレー
ム54をロック装置56により固定しておく。
一方、第1図に示すように、各ループクランプ45の近
傍には、夫々コイルエンド成形手段57が設けられてい
る。両コイルエンド成形手段57は互いに左右対称な構成
であるから、以下、左側のコイルエンド成形手段57の構
成についてのみ、第9図の平面図、第10図の正面図、第
11図の側面図及び第15図を参照して説明する。即ち、押
圧部材に相当するコイルエンド成形治具58は、第15図に
示すように、原形コイル2のうち亀甲形コイル1のコイ
ルエンド部7となる部分7a,7bを湾曲状に成形するため
のものであって、上側の部分7aと下側の部分7bを同時に
成形できるように、コイルエンド成形治具58の先端部は
二段の段付形状に形成され、各成形面58a,58bが円弧面
状に形成されている。斯かるコイルエンド成形治具58
は、第11図に示すように、前後スライドフレーム59に成
形面58a,58bを後向きにした状態で固定され、前後スラ
イドフレーム59は、左右スライドフレーム60の上面に固
定された一対のガイドレール61に沿って前後方向(第11
図中矢印F1,F2方向)にスライド可能に支持されてい
る。この前後スライドフレーム59のスライド動作は、左
右スライドフレーム60の下面に固定された油圧シリンダ
62によって実行される。また、左右スライドフレーム60
は、本体フレーム21aの正面に固定された一対のガイド
レール63に沿って左右方向(第9図中矢印J2,J2方向)
にスライド可能に支持され、且つそのスライド動作が、
本体フレーム21aの正面に固定された油圧シリンダ64に
よって実行される。
以上の構成において、油圧シリンダ20,28,32,39,44,6
2,64及びエアシリンダ55は、全て位置検出装置付で、各
シリンダの停止位置は制御装置(図示せず)に設定した
値により自動的に決まるようになっている。
次に、上記構成の成形装置によって原形コイル2を亀
甲形コイル1に成形する工程を順に説明する。
まず、なまこ形に巻回成形された原形コイル2の両直
線部10を、第12図に示す第1工程で、4個の直線部クラ
ンプ22,23によってクランプすると共に、両端のループ
部を8ループクランプ45によってクランプする。この場
合、第12図(b)は、原形コイル2のクランプ状態を上
方から見た図(平面図)であり、従って図示上側の直線
部クランプ23は図示下側の直線部クランプ22の後方に位
置するようにセットされる。
次いで、第13図に示す第2工程で、油圧シリンダ32の
ロッド32aをl/2(lは第13図(a),(c)に図示)だ
け縮めて一方の直線部クランプ22をl/2だけ下降させる
(矢印A2向に移動させる)と同時に、油圧シリンダ44の
ロッド44aをl/2だけ伸ばして、他方の直線部クランプ23
をl/2だけ上昇させる(矢印B1方向に移動させる)。こ
れによって、原形コイル2の両直線部10は、コイル平面
2a(第12図(a)及び第17図参照)に対し直角で互いに
逆方向即ち上下方向(矢印A2,B1方向)にlだけ引き拡
げられられる。このときの拡げ幅lは、次の第3工程で
両直線部クランプ22,23の一部を上下に重なり合せるた
めの必要最小量で良い。尚、直線部クランプ22,23によ
る両直線部10の拡げ動作に伴って、両ループクランプ45
が夫々矢印D2,E1方向に引寄せられる。
次いで、第14図に示す第3工程で、油圧シリンダ20の
ロッド20aを突出させて、直線部クランプ23を前方(矢
印C1方向)に移動させ、両直線部クランプ22,23の一部
を上下に重なり合せる。これによって、後述する両直線
部クランプ22,23の回転開始時の回転中心P1,Q1の前後方
向間隔mが、コイル成形完了時の回転中心P2,Q2(第17
図参照)の前後方向間隔とほぼ同一寸法になるように成
形する。この第3工程では、両ループクランプ45はほと
んど移動しない。
次いで、第15図に示す第4工程で、油圧シリンダ64を
動作させてコイルエンド成形治具58を左右方向に移動さ
せ、このコイルエンド成形治具58を、原形コイル2のう
ち亀甲形コイル1のコイルエンド部7となる部分7a,7b
に対応する位置に位置決めする。そして、エアシリンダ
55を動作させて、ループクランプ45を直線部10側に押圧
し、それによって原形コイル2をその両端側から矢印
D2,E1方向に加圧する。この加圧状態のもとで、油圧シ
リンダ62を動作させてコイルエンド成形治具58を後方
(矢印F2方向)に移動させ、それによって各成形面58a,
58bを両曲成部分7a,7bに同時に押し付けて両曲成部分7
a,7bを同時に湾曲状に成形する。この工程では、原形コ
イル2は未だ亀甲形に成形されていないため、両曲成部
7a,7bにはねじれがほとんど無く、それ故に、両曲成部
分7a,7bの成形方向(曲げ方向)を一定方向(矢印F2
向)としても、その成形方向をコイル断面の中心線14に
正しく合せることができる。このため、コイルエンド成
形治具58による矢印F2方向への押圧力によって、両曲成
部分7a,7bの成形をコイル断面の傾きなく正しく行うこ
とができる。しかも、原形コイル2をその両側からルー
プクランプ45によって加圧した状態で成形するので、た
とえコイル開き角度θ(成形量)が大きくとも、ループ
クランプ45による加圧力とコイルエンド成形治具58によ
る押圧力との協働作用によってコイルエンド部7の成形
が円滑且つ確実に行われる。尚、コイルエンド成形後
に、コイルエンド成形治具58を元の位置に戻す。
この後、第16図に示す第5工程で、引続きエアシリン
ダ55の動作を継続させて、上記ループクランプ45による
加圧を続けながら、油圧シリンダ32,44の動作によって
直線部クランプ22,23を上下方向(矢印A2,B1方向)に移
動させる動作と、油圧シリンダ28,39の動作によって旋
回フレーム25,36を矢印G1,H1方向に移動させて直線部ク
ランプ22,23を点P1,Q1を中心として矢印G1,H1方向に回
転させる動作と、油圧シリンダ52の動作によってループ
クランプ45を後方(矢印I2方向)に移動させてループ部
8を後方に引張る動作をほぼ同時に行い、これによって
原形コイル2を亀甲形コイル1に成形する(第17図参
照)。この成形時には、原形コイル2をその両側からル
ープクランプ45によって加圧するので、その加圧力によ
って上記両曲成部分7a,7bの曲げ戻しを防止することが
できて、均一な形状のコイルエンド部7を得ることがで
きる。
この後、4箇所のコーナ部15とループ部8の両端屈曲
部8a(第18図参照)に、木片、プラスチック片等の成形
治具(図示せず)を宛がった状態で、木ハンマ等で叩い
て、それら各部分を成形する。この叩き成形は、手作業
であるが、局部的なものであるから、この叩き成形時に
コイルエンド部7の形状が異常変形するようなことはな
い。
このようにして成形した亀甲形コイル1を、直線部ク
ランプ22,23、ループクランプ45から取外した後、亀甲
形コイル1に絶縁テープ3を巻回して、白コイル4を製
造する。この白コイル4は固定子鉄心5のスロット6に
挿入される。
この場合、白コイル4(亀甲形コイル1)のコイルエ
ンド部7の成形を自動化しているので、手作業で成形し
ていた従来に比し、コイルエンド部7の曲成形状のばら
つきを著しく小さくできる。このため、固定子鉄心5の
スロット6へのコイル挿入時に、コイルエンド部7間の
隙間16(第23図参照)を十分に確保でき、それ故に、従
来の如き木ハンマ等によるコイルハンド部7の修正作業
を行う必要がなく、コイル絶縁層(絶縁テープ3)の損
傷を防止できて、絶縁性を良好に維持できる。しかも、
コイルエンド部7の成形作業の自動化によって、原形コ
イル2の成形作業の能率を大幅に向上できると共に、コ
イル挿入作業も著しく簡単化できる。
ところで、従来は、原形コイル2の両曲成部分7a,7b
の成形を、手作業により別々に行っていたので、一方の
曲成部分7aの成形時に他方の曲成部分7bが突っ張って成
形をやり難くし、その突っ張りによってコイルエンド部
7に複雑な変形を生じさせることがあった。特に、2極
回転電機用の亀甲形コイルのように、コイル開き角度θ
(成形量)が大きいものでは、上述の不具合が顕著にな
る傾向があった。
この点、上記実施例では、原形コイル2の両曲成部分
7a,7bをコイルエンド成形治具58によって同時に成形す
るようにしたので、両曲成部分7a,7bが互いに突っ張り
合うことなく成形され、たとえコイル開き角度θ(成形
量)が大きくなっても、両曲成部分7a,7bが正しく成形
される。
尚、上記実施例では、原形コイル2の形状をなまこ形
(等脚台形状)としたが、例えば長円形、六角形、その
他の平面形状に巻回成形した原形コイルを用いても良
い。
また、上記実施例では、ループクランプ45を原形コイ
ル2のループ部8に押し付ける加圧手段として、エアシ
リンダ55を用いたが、油圧シリンダ等であっても良い。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明の亀甲形コイ
ルの成形方法及び成形装置によれば、コイルエンド部を
成形する工程では、原形コイルは未だ亀甲形に成形され
ていないため、原形コイルのうちコイルエンド部となる
部分にねじれがほとんど無く、それ故に、従来とは異な
りコイルエンド部の成形方向(曲げ方向)を一定方向と
することができて、コイルエンド部の成形を自動化で
き、亀甲形コイルの成形作業の能率を大幅に向上でき
る。そして、コイルエンド部の成形時から両直線部の旋
回が終了するまで、加圧を続けながら原形コイルを亀甲
形コイルに成形するものであるから、コイルエンド部の
曲げ戻しを防止できて、均一な形状の亀甲形コイルを成
形できる。このため、コイルエンド部の曲成形状のばら
つきを小さくできて、鉄心のスロットへのコイル挿入時
のコイルエンド部修正作業を不要になし得、コイル挿入
作業の容易化及びコイル絶縁層の損傷防止(絶縁耐力向
上)を図り得る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第17図は本発明の一実施例を示したもので、
第1図は全体の平面図、第2図は前側(下側)の直線部
クランプの移動手段の平面図、第3図は同第2図のIII
−III線に沿って示す縦断側面図、第4図は後側(上
側)の直線部クランプの移動手段の平面図、第5図は同
第4図のV−V線に沿って示す縦断側面図、第6図はル
ークランプの移動手段の平面図、第7図は同正面図、第
8図は同側面図、第9図はコイルエンド成形手段の平面
図、第10図は同正面図、第11図は同側面図、第12図乃至
第16図は成形工程を示したもので、第12図(a)及び
(b)は夫々第1工程を示す断面図と平面図、第13図
(a),(b)及び(c)は夫々第2工程を示す断面
図,平面図及び正面図、第14図(a)及び(b)は夫々
第3工程を示す断面図と平面図、第15図(a)及び
(b)は夫々第4工程を示す断面図と平面図、第16図
(a)及び(b)は夫々第5工程を示す断面図と平面
図、第17図は成形時の原形コイルの直線部の移動経路を
示す図である。 そして、第18図は亀甲形コイルの斜視図、第19図は絶
縁テープ巻回後の亀甲形コイル(白コイル)の斜視図、
第20図は原形コイルの正面図、第21図はコイル断面の拡
大図、第22図は固定子の部分平面図、第23図は白コイル
の挿入状態を示す展開図である。 そして、第24図乃至第26図は従来の成形方法を示したも
ので、第24図はコイルエンド部の成形量を説明するため
の図、第25図及び第26図は木ハンマの叩き方向と原形コ
イルの曲り方向との関係を示すコイル断面の拡大図であ
る。 図面中、1は亀甲形コイル、2は原形コイル、3は絶縁
テープ、4は白コイル、5は固定子鉄心、7はコイルエ
ンド部、8はループ部、10は直線部(上底側直線部,下
底側直線部)、15はコーナ部、17はコイル辺部、20は油
圧シリンダ、22及び23は直線部クランプ、25は旋回フレ
ーム、28及び32は油圧シリンダ、33及び34はクランプ移
動手段(成形機構)、36は旋回フレーム、39及び44は油
圧シリンダ、45はループクランプ(端部クランプ)、52
は油圧シリンダ、55はエアシリンダ(加圧手段,押圧機
構)、57はコイルエンド成形手段、58はコイルエンド成
形治具(押圧部材)、62及び64は油圧シリンダである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊良波 克己 三重県三重郡朝日町大字縄生2121番地 株式会社東芝三重工場内 (72)発明者 井上 三郎 三重県三重郡朝日町大字縄生2121番地 株式会社東芝三重工場内 (56)参考文献 特開 昭54−65304(JP,A) 特開 昭59−169352(JP,A) 特開 昭57−83144(JP,A) 特開 昭56−41754(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上底側直線部の各端部と下底側直線部の各
    端部との間をコイルエンド部により連結した形態をなす
    略台形状の原形コイルから亀甲形コイルを成形する成形
    方法において、 前記両コイルエンド部をクランプするクランプ工程と、 前記両直線部を相対的に直線移動,旋回させることに伴
    い、前記原形コイルから前記亀甲形コイルを成形する成
    形工程と、 前記両直線部の旋回前に、前記両コイルエンド部を両直
    線部に対して交差する方向へ略同時に押圧することに伴
    い、鉄心に装着した状態での軸方向視が湾曲状になるよ
    うに曲成する曲成工程と、 前記両コイルエンド部の曲成時に両コイルエンド部を相
    手側に押圧する押圧工程とを備え、 この押圧工程は、前記両直線部の旋回が終了するまで行
    われることを特徴とする亀甲形コイルの成形方法。
  2. 【請求項2】上底側直線部の各端部と下底側直線部の各
    端部との間をコイルエンド部により連結した形態をなす
    略台形状の原形コイルから亀甲形コイルを成形する成形
    装置において、 前記両コイルエンド部をクランプする一対の端部クラン
    プと、 前記両直線部を相対的に直線移動,旋回させることに伴
    い、前記原形コイルから前記亀甲形コイルを成形する成
    形機構と、 前記両直線部の旋回前に、前記両コイルエンド部を両直
    線部に対して交差する方向へ略同時に押圧することに伴
    い、鉄心に装着した状態での軸方向視が湾曲状になるよ
    うに曲成する一対の押圧部材と、 前記両コイルエンド部の曲成時に前記両端部クランプを
    相手側に押圧する押圧機構とを備え、 この押圧機構は、前記両端部クランプを前記両直線部の
    旋回が終了するまで押圧することを特徴とする亀甲形コ
    イルの成形装置。
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