JP2623074B2 - 比較的曲率の大きいu形ベンド管の製法 - Google Patents

比較的曲率の大きいu形ベンド管の製法

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JP2623074B2
JP2623074B2 JP6340997A JP34099794A JP2623074B2 JP 2623074 B2 JP2623074 B2 JP 2623074B2 JP 6340997 A JP6340997 A JP 6340997A JP 34099794 A JP34099794 A JP 34099794A JP 2623074 B2 JP2623074 B2 JP 2623074B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管材を屈曲して実施す
る比較的曲率の大きいU形ベンド管の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】管材を屈曲してU形ベンド管を製造する
ことは従来より行われているが、その曲率が管材径に対
し過度に大きい場合は通常のパイプベンダーでは品質の
良好な状態に製造できないのであって、このため従来で
は例えば、管材の中に砂などを入れて全体を加熱し、こ
れを適当な曲げ具により任意な曲率で曲げるようにする
などしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来
の、管材の曲げによる比較的曲率の大きいU形ベンド管
の製法では曲げ処理された後の屈曲部が偏平化したり、
屈曲部の曲げ半径内側部に皺が生じたり、若しくは管壁
の厚さに偏りが生じるなどの問題が未だ十分に解消され
ず、その修正処理に多くの手間が必要となったり、或い
はそのような問題は解消されるにはされても製造に多く
の手間が必要となるなどして不経済なものとなっている
のである。
【0004】本発明は斯かる事情の下、管材の曲げ処理
によることを前提として、品質のよい比較的曲率の大き
いU形ベンド管を経済的かつ能率的に得ることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため本発明に係る比較的曲率の大きいU形ベンド管
の製法においては、管材の内方に金属細棒を密状に差込
み、続いてこの状態の管材をプレス機及び曲げ型の使用
によりU形に屈曲し、その後、管材を加熱してこの管材
から金属細棒を抜き取るように実施することを特徴とす
る。
【0006】本発明によれば、管材は従来同様に屈曲時
に偏平化しようとするが、管材内の金属細棒群がこれに
効果的に抵抗し、管材は殆ど偏平化するものとならな
い。また金属細棒の抜き取りのさい管材の外面側を加熱
することは管材からの金属細棒の抜け出しを円滑とな
す。さらに金属細棒は管材から抜き取られる過程で管材
の不規則な変形を修正するように作用する。
【0007】上記した本発明において、鋼線に銅メッキ
した金属細棒を使用すると、その銅成分が管材と金属細
棒の摩擦、或いは金属細棒同志のそれを小さくなし、そ
の抜き取りを容易となす。
【0008】また管材を支持するための一対のローラ
と、これらローラに関連した位置の縦線上をプレス機で
上下動される押し型とを形成し、各ローラの周面の周方
向部位及び、押し型の円弧状先端面の円弧方向部位に前
記管材の直径に適合した円弧状断面となされた案内溝を
設けたものとした曲げ型を使用すれば、管材は曲げ型の
案内作用により偏平化を抑制されつつ迅速にU形に屈曲
される。
【0009】さらに、特定直径の透孔を具備したリング
部材に引張部材を固着したものとした引抜き具を使用す
ると、管材の内方に差し込まれた金属細棒群が前記透孔
及び別途に用意された楔形打込み棒を介してリング部材
に強固に固定されると共に、引張部材を介して強力な引
張力を付与されて管材から簡易に抜き取られるものとな
る。
【0010】
【実施例】以下、図1〜図6を参照しつつ本発明の一実
施例を説明する。先ず長尺の鋼管を切断するなどして図
1に示すような適当長さの管材1を形成し、一方では銅
メッキされた番線をこの管材1の寸法よりも僅かに長い
程度に切断するなどして適当長さの金属細棒2を形成す
る。
【0011】そして、この金属細棒2を同図に示すよう
に管材1の内方へ手作業により密状に差し込む。このさ
い金属細棒群2・・・の一端部分は管材1の一端から適
当長さ(例えば10cm程度)張り出した状態となす。
【0012】続いて、金属細棒2の挿入された管材1を
図2に示すようなプレス機3及び曲げ型4の使用により
U形に屈曲するのであり、具体的には次のようにする。
【0013】即ち、曲げ型4は固定部分aに軸着された
一対のローラ5、5と、これらローラ5、5に関連した
位置の縦線上をプレス機3で上下動される押し型6とか
らなり、各ローラ5の周面の周方向部位及び、押し型6
の円弧状先端面の円弧方向部位に管材1の直径に適合し
た円弧状断面となされた案内溝5a、6a(図3参照)
を設けたものとなす。
【0014】そして一対のローラ5、5の案内溝5a、
5a上に、金属細棒2の挿入された管材1を載せ、一方
ではプレス機3の出力端3aに固定された押し型6を降
下作動させてこれの案内溝6aを管材1の上部に嵌合さ
せ、さらに降下作動させて管材1を押し曲げるようにす
る。このさい押し型6は一挙に降下させず管材1の水平
位置を適当に変化させつつ徐々に降下させるなどしてそ
の曲がりをゆっくりと大きくなし、最終的に図2に仮想
線kで示すようにU形に曲げた状態となす。
【0015】この曲げ加工中、管材1の曲がり部分は偏
平化しようとするが、この部分に密状に詰まった金属細
棒群2・・・がこれに強力に抵抗するほか、ローラ5、
5及び押し型6の案内溝5a、6aも管材1表面と密状
に接してその偏平化の阻止作用を補助するものとなり、
管材1は殆ど偏平化するものとならない。
【0016】かくしてU形に曲げられた管材1及び金属
細棒2は図4に示すような形態のものとなる。
【0017】上記した管材1の曲げ加工中、管材1の曲
がり半径の内外位置の差によってその曲がり方向の長さ
が異ったものとなることから、金属細棒2は管材1の曲
がり変形中に他の金属細棒2との間に滑りを生じ、これ
が原因で金属細棒2の端部で形成された端面2aは図4
に示すような斜状となる。このさいの金属細棒2相互間
の滑りは管材1の曲がり変形を容易となす上で寄与する
ものとなる。
【0018】この後、管材1から、適宜な用具を使用し
て金属細棒2を抜き取るのであるが、具体的には次のよ
うになす。
【0019】即ち、図5に示すように板部材7に特定幅
の切欠溝7aを設けたものを適宜な作業面上に固定部材
8などを介して起立状に固定する。
【0020】そして、一方では特定直径となされた透孔
9aを具備したリング部材9を形成し、これにU形棒と
なされた引張部材10を固着したものとした引抜き具を
形成する。
【0021】斯かる準備の後、図4に示した状態の管材
1の金属細棒群2・・・を前記切欠溝7a内へ上方から
嵌挿して管材1の一端面1aを板部材7の一方の面に当
接させた状態となす。
【0022】続いて、この状態の金属細棒群2・・・に
リング部材9を外嵌し、この状態を保持して楔形打込み
矢wを金属細棒群2・・・の端面2aに金属細棒2と沿
った方向へ打ち込む。これにより金属細棒群2・・・は
矢wの楔作用でその外径が拡大されてリング部材9の透
孔9a周面に強力に押しつけられ、抜出し不可能に固定
された状態となる。
【0023】続いて、管材1の曲がり部分の外表面をガ
スバーナなどで加熱しながら引張部材10にチェーンブ
ロックbなどで適当な引張力を付与する。これにより金
属細線2が管材1を通じて加熱され、その表面が銅成分
の作用により滑り易くなり、金属細線2は管材1から円
滑に抜け出るものとなる。この抜け出る過程で、金属細
線群2・・・は加熱により軟らかくなっている管材1の
不規則な変形を修正するという重要な作用を奏するもの
となる。
【0024】かくして得られたU形の管材1は不要長さ
部分を切除され、続いて各端面を適宜に面取り処理され
て図6に示すようなU形ベンド管となされる。
【0025】なお、抜き取られた金属細棒2は管材1の
曲がり部分の内方に位置していた末端部分を切り除かれ
た後に再び使用に供される。このさい金属細棒2の余分
長さが大きい程、再使用し得る回数が増すものとなる。
【0026】
【発明の効果】上記した本発明によれば、管材を偏平部
分や皺などを生じさせないで簡便に曲げることができ、
これにより外観が奇麗で壁厚に偏りのない比較的曲率の
大きいU形ベンド管を安価かつ能率的に生産し得るので
ある。
【0027】請求項2に記載したようにすれば、銅メッ
キが金属細線の外表面の滑りを良くするため管材からの
金属細線の抜き取りが容易に行える。
【0028】請求項3に記載したようにすれば、ローラ
や押し型の案内作用により、管材の偏平化を抑制しつつ
その曲げ処理を迅速に行うことができる。
【0029】請求項4に記載したようにすれば、複雑な
機械を必要とすることなく金属細線を管材から簡便に抜
き取ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属細線の挿入された管材を示す
図である。
【図2】本発明に係り、プレス機及び曲げ型を使用して
管材を曲げる様子を示す説明図である。
【図3】本発明に係り、曲げ型と管材の関係を示す図で
ある。
【図4】本発明に係り、曲げ処理された後の管材を示す
図である。
【図5】本発明に係り、管材から金属細棒を抜き取る様
子を示す説明図である。
【図6】本発明により製造されたU形ベンド管を示す図
である。
【符号の説明】
1 管材 2 金属細棒 3 プレス機 4 曲げ型 5 ローラ 5a 案内溝 6 押し型 6a 案内溝 9 リング部材 9a 透孔 10 引張部材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管材の内方に金属細棒を密状に差込み、
    続いてこの管材をプレス機及び曲げ型の使用によりU形
    に屈曲し、その後、管材を加熱して同管材から金属細棒
    を抜き取るように実施することを特徴とする比較的曲率
    の大きいU形ベンド管の製法。
  2. 【請求項2】 金属細棒を鋼線に銅メッキしたものとな
    して実施することを特徴とする請求項1記載の比較的曲
    率の大きいU形ベンド管の製法。
  3. 【請求項3】 管材を支持するための一対のローラと、
    これらローラと関連した位置の縦線上をプレス機で上下
    動される押し型とからなり、各ローラの周面の周方向部
    位及び、押し型の円弧状先端面の円弧方向部位に前記管
    材の直径に適合した円弧状断面となされた案内溝を設け
    たものとした曲げ型を使用して実施することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の比較的曲率の大きいU形ベンド
    管の製法。
  4. 【請求項4】 特定直径となされた透孔を具備したリン
    グ部材に引張部材を固着したものとした引抜き具を使用
    して実施することを特徴とする請求項1、2又は3記載
    の比較的曲率の大きいU形ベンド管の製法。
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