JP4815718B2 - 中空糸膜モジュールの製造方法及び装置 - Google Patents

中空糸膜モジュールの製造方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は中空糸膜モジュールの製造方法及び装置に関し、さらに詳しくは、中空糸膜束をU字状に二つ折りにして筒状ケースに挿入した中空糸膜モジュールの自動製作を可能にする中空糸膜モジュールの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水道の蛇口等に取り付けられる浄水器には、中空糸膜束をU字状に二つ折りにして筒状ケースに挿入した中空糸膜モジュールが使用されている。このようにU字状に折り曲げて中空糸膜束を高充填率で筒状ケースに挿入することにより、小型でありながら高い濾過性能を実現するようにしている。
【0003】
従来、上記のように中空糸膜束をU字状に折り曲げて筒状ケースに挿入する作業は、専ら手作業で行われている。その手作業においては、中空糸膜束を出来るだけコンパクトにすることが必要なため、中空糸膜束の外周に樹脂フィルムを固く巻き付け、外径を細く絞り込んでから筒状ケースに挿入している。しかし、強度の弱い中空糸膜を扱うため絞り込み作業には熟練が必要になり、習熟度の浅い作業者は絞り込みするとき中空糸膜を折損しやすく、さらに筒状ケースに挿入する際にも糸束に損傷を与えることがあった。
【0004】
そのため、習熟度に応じて中空糸膜モジュールの製作時間が異なり、品質にもバラツキが生ずる等の問題があり、なかなか生産性を上げられないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、自動化により作業時間を短縮すると共に品質バラツキをなくし、生産性を一層向上する中空糸膜モジュールの製造方法及び装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、間隔をおいて配置した一対のガイドの上方に、該一対のガイドを跨がるように中空糸膜束を配置すると共に、該一対のガイドの下方に筒状ケースを配置し、前記中空糸膜束の下側に易滑性シートを敷いた状態で前記易滑性シートと共に該中空糸膜束を上方から押込み部材によって前記筒状ケースに向けて押すと共に、前記一対のガイドで案内しながらU字状に屈曲させて、該U字状に屈曲された易滑性シートおよび中空糸膜束を前記筒状ケースの上端部側から挿入させ、該U字状に屈曲された状態の易滑性シートおよび中空糸膜束の両者をその先端部が前記筒状ケースの下端部側に到達するまで、前記押込み部材を前進させることによって前記筒状ケースに挿入し、しかる後、該押込み部材の後退と該易滑性シートの除去を行うことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の中空糸膜モジュールの製造装置は、間隔をおいて配置した一対のガイドと、該一対のガイドの上方と下方との間を往復動する先端が二股状に形成された押込み部材を有し、該押込み部材を前進させることにより、前記二股状先端部によって前記一対のガイドを跨がるように配置された中空糸膜束と該中空糸膜束の下に配された易滑性シートとを前記一対のガイドの下方に配置された筒状ケースに向けて押し、さらに該中空糸膜束と易滑性シートをU字状に屈曲させて該筒状ケース内に挿入させ、しかる後、該押込み部材の後退をさせて、かつ該易滑性シートを吸引除去を行う機構を有することを特徴とするものである。
【0008】
このように間隔をおいて配置した一対のガイドの上方側に、中空糸膜束を両ガイドに跨がるように配置する一方、下方側に筒状ケースを上方に開口を向けるように配置し、この状態で上記中空糸膜束の中央部を上方から筒状ケースに向けて押し込む1操作だけで、中空糸膜束をU字状に折り曲げ、かつ両側部を両ガイド間で規制案内しながら筒状ケース内に挿入することにより中空糸膜モジュールを形成する。
【0009】
したがって、中空糸膜モジュールの製造の自動化が可能になり、品質にバラツキを生ずることなく短時間に効率よく生産することができる。
【0010】
上記自動生産を一層円滑に行うためには、一対のガイドとして自由回転又は積極駆動する一対の鼓型ロールを使用するとよい。鼓型ロールは外周に凹状湾曲面を有するため、凹状湾曲面が中空糸膜束をコンパクトに集束して筒状ケースに対する挿入を容易にする。また、押込みのため先端に二股部を有する押込み部材を使用し、二股部で中空糸膜束を挟みながら押し込むことにより、中空糸膜束のバラケを防止し、筒状ケースに対するコンパクトな挿入を円滑化する。
【0011】
さらに、中空糸膜束は下側に易滑性シートを敷いた状態で、その中央部を押込み部材で押すようにすることが重要である。このときの易滑性シートは、中空糸膜束を一対のガイドや筒状ケースの開口部に案内させるときの移動を円滑にし、筒状ケースに対し単糸の損傷を発生させずに挿入する作用をする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、中空糸膜モジュールは所謂U字型中空糸膜モジュールといわれるもので、中空糸膜束をU字状に二つ折りにして筒状ケースに充填した組立体をいう。U字状に折り曲げられた中空糸膜束の両端部は、筒状ケースの開口部に樹脂等によりポッティングされる。中空糸膜は濾過性能を有する微多孔膜からなり、例えばポリスルホン系樹脂などから成形される。筒状ケースは特に材料は限定されないが、樹脂又は金属から構成される。
【0013】
中空糸膜束は筒状ケースに挿入する充填率を大きくするほど濾過性能を向上するが、その充填率としては40%以上60%以下が好ましい。40%未満では十分な浄水性能が得られない。しかし、60%を超えると筒状ケースに中空糸膜束を押し込む時に単糸間に相互ずれを生じ、中空糸膜を損傷する原因になる。
【0014】
間隔をおいて配置する一対のガイドは、この両ガイド間を跨ぐように掛け渡した中空糸膜束の長手方向中間部を押し下げるとき、押込み部材を当接させた位置の左右両側部を両ガイド間の幅内に規制して、U字状の屈曲化を助勢するための手段である。ガイドの形態としては、中空糸膜束の両側部を一定の幅内に規制する作用をもつものであれば特に限定されない。例えば、棒状の固定ガイドとか、自由回転または積極回転されるロールなどを使用することができる。
【0015】
しかし、ガイドは、より好ましくは摩擦抵抗を少なくするロールを使用するとよい。ロールは自由回転または中空糸膜束の移動に同期して積極駆動回転させることにより、中空糸膜束に過度の摩擦抵抗を与えないため中空糸膜束を損傷しない。ロールの形態は、特に好ましくは外周が凹状に湾曲した鼓型ロールがよい。鼓型ロールは、自由回転または積極回転することで摩擦抵抗を与えないだけでなく、凹状の湾曲面により中空糸膜束に集束性を与えるため、中空糸膜束を筒状ケースにコンパクトに押し込み作用を円滑にする。
【0016】
押込み部材は、一対のガイドの上方と下方との間を往復動するように配置される。この押込み部材は、両ガイドに跨がるように配置した中空糸膜束の中間部を筒状ケースに向けて押して前進し、その押し込みにより中空糸膜束をU字状に折り曲げて筒状ケースに押し込んでいく作用をする。
【0017】
押込み部材は平板状に形成され、かつ先端部が二つの角を有する二股部に形成されているものがよい。この押込み部材で中空糸膜束の中間部を押すと、二股部が中空糸膜束を外側から挟んで単糸がバラケないようにし、筒状ケースへの挿入操作を円滑化する。押込み部材の材料には、靱性に優れたステンレススチール等の金属或いはナイロン、ABS等の樹脂が使用される。
【0018】
また、押込み部材で中空糸膜束を押すとき、中空糸膜束の下側に易滑性シートを敷いておくことが重要である。易滑性シートを敷くことにより、押込み部材を前進させて中空糸膜束をU字状に屈曲させたとき、さらに、その両側部が一対のガイドを通過するときや、筒状ケースの開口部を通過するとき、易滑性シートが滑りを助長して移動を円滑にする。そのため中空糸膜束に損傷を与えずに移動させることができる
【0019】
易滑性シートの材料は、滑り性が良好なものであれば特に限定されない。好ましくは、樹脂フィルム、布帛(不織布,織編物)などがよい。特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の樹脂フィルムが好ましく、厚さは5〜30μmの範囲のものがよい。
【0020】
押し込み操作前の中空糸膜束をセットする位置は、一対のガイドに跨がるようになっていれば、直接配置であっても、間接配置であってもよい。しかし、好ましくは、底面に貫通穴を設けたカセット(トレー)内にセットするようにし、このカセットに保持した状態にして上記一対のガイドの上方側に横設することが好ましい。このようなカセットに中空糸膜束をセットする際には、上述した易滑性シートを下側に敷くことが更に好ましい。
【0021】
図1(A),(B)は、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法を、浄水器用の中空糸膜モジュールについて実施する装置を例示する。
【0022】
一対のガイドとして一対の鼓型ロール1,1が設けられ、この一対の鼓型ロール1,1の上方側と下方側にそれぞれ水平方向に移動するキャリア10,20が設置されている。
【0023】
上方側のキャリア10には複数個のカセット3が一定ピッチでセットされ、各カセット3にそれぞれ樹脂フィルム4(易滑性シート)を下側に敷いて中空糸膜束2が保持されている。各カセット3は底面に穴3aを有し、その穴3aを跨ぐように樹脂フィルム4と中空糸膜束2とを収納している。また、その収納位置において、樹脂フィルム4と中空糸膜束2とは、上記一対の鼓型ロール1,1の両方に跨がるように配置されている。
【0024】
複数個のカセット3を搭載したキャリア10は、白抜きの矢印方向に一定ピッチずつ移動することにより、それらのカセット3を1個ずつ上記鼓型ロール1,1に対応する位置に移送して、連続処理を行えるようにしている(図1(B)参照)。
【0025】
下方側のキャリア20には、筒状ケース4と注型キャップ5がそれぞれ開口を上方に向け垂直にセットされている。注型キャップ5は、ポッティン時にポッティング剤が筒状ケース4の外側に付着しないようにするための部品であるため、この時点で必ずしもセットする必要はないが、中空糸膜束挿入後に装着すると中空糸膜束2が邪魔になり装着しにくくなるため、この時点から装着しておくことが好ましい。
【0026】
キャリア20には、上記キャリア10の場合と同様に、組をなす筒状ケース4と注型キャップ5の複数組が同一ピッチでセットされ、白抜き矢印方向に一定ピッチずつ移動し、1組ずつを一対の鼓型ロール1,1に対応させることにより、連続処理が行えるようにしている(図1(B)参照)。
【0027】
さらに一対の鼓型ロール1,1の上方には、中空糸膜束2よりも上方側に板状の押込み部材7が設けられている。この押込み部材7は先端を二股部8に形成し、上下方向に往復移動するようになっている。二股部8は左右に2本の角8a,8aを平行に延長するように設けている。2本の角8a,8aは、両間隔がカセット3の内幅(内壁間の幅)よりもやや小さくなるように形成されている。二股の切込み部分の形状は、中空糸膜束の直径よりも深い切込み深さを有して、該二股部で前記中空糸膜束の全体を挟みながら中空糸膜束の全体を押すことができるようにされていることが好ましい。
【0028】
上述した装置を使用することにより、中空糸膜束2をU字状に折り曲げて筒状ケース4に挿入した中空糸膜モジュールを次のように製造する。
【0029】
まず、図1(A),(B)に示すように、キャリア10,20の移動により、カセット3に載せられた中空糸膜束2と、注型キャップ5が組み付けられた筒状ケース4とが、それぞれ鼓型ロール1,1の上方と下方とにセットされる。
【0030】
次いで、押込み部材7を降下させ前進させると、図2に示すように、先端の二股部8が中空糸膜束2の中央部を挟むように当接する。さらに押し下げると、それぞれ中空糸膜束2の両側部を樹脂フィルム4を介して一対の鼓型ロール1,1の表面に当接させる。すなわち、押込み部材7で中空糸膜束2を押し込むと、その中空糸膜束2と樹脂フィルム4とが、一対の鼓型ロール1,1に規制されながらU字状に折り曲げられる。押込み部材7を更に前進させてその先端部が筒状ケース5の下端部に到達すると、図3に示すように中空糸膜束2と樹脂フィルム4とが完全にU字状になって筒状ケース5に挿入される。
【0031】
次いで、図4のように、押込み部材7を後退させて上方へ引き上げると、中空糸膜束2と樹脂フィルム4がU字状に折り曲げられた状態になって筒状ケース5に収納され、両端部だけが外側に残された状態になる。この状態の筒状ケース5の下端側に吸引具の吸引口(図示せず)を当てて吸引を行うと、樹脂フィルム4だけが取り除かれて、最後に図5に示すような中空糸膜モジュール30が得られる。
【0032】
図5の中空糸膜モジュール30は、筒状ケース5から突出した中空糸膜束2の端部2eをニップヒータ等で加熱処理して各中空糸膜の中空部を封止し、端部2eの一部を切断除去した後、上下逆に反転させて端部2e側を液状のポッティング剤の中に浸漬する。この浸漬は筒状ケース5の開口端部の一部がポッティング剤中に浸漬するように行う。ポッティング剤が固化した後、注型キャップ5を取り外すと共に、筒状ケース5の開口端面まで面一になるように端部2eを切除することにより、中空糸膜モジュール30を完成品にする。
【0033】
上述したように本発明の製造方法によれば、一対のガイドに跨がるように中空糸膜束を配置し、その中空糸膜束の中間部を筒状ケースに向けて押し込むだけで中空糸膜モジュールを簡単に自動製作することができる。しかも、同じ操作を繰り返して製作するため製品毎に品質バラツキを生ずることがない。
【0034】
また、上記実施形態においては、図2から図3へ移行する中空糸膜束2の押込み工程において、押込み部材7の二股部8は2本の角8a,8aの間に中空糸膜束2を挟んで押し込むため糸束をバラケないようにできる。そのため中空糸膜束2をコンパクトな状態に筒状ケース5に押し込むことができる。また、鼓型ロール1は、その凹状湾曲面で中空糸膜束2に集束性を与えるようにガイドするため、筒状ケース5への挿入操作を容易にする。さらに中空糸膜束2の下面に敷いた樹脂フィルム4は、中空糸膜束2が鼓型ロール1の表面や筒状ケース5の開口部で扱かれるとき、中空糸膜束2を保護すると共に滑りを与えて移動を容易にするため単糸切れを防止する。
【0035】
中空糸膜束2の筒状ケース5に対する充填率を大きくした場合は、U字状に折り曲げた中空糸膜束2の挿入を円滑に行いにくくなる。この対策としては、筒状ケース5又は中空糸膜束2の少なくとも一方にバイブレーションを与えながら挿入するとよい。また、筒状ケース5の内面を梨地加工などにより粗面にしておくと、一層挿入操作を容易にする。
【0036】
また、中空糸膜束2は静電気を帯電すると単糸間が離反してバラケを生ずるため、押込み部材7の押込み操作に支障を来す場合がある。この対策としては、予め中空糸膜束2の周囲にカバリング糸を螺旋状に巻き付けて、バラケを抑制するようにするとよい。
【0037】
本発明において、押込み部材により中空糸膜束を筒状ケースに向けて押し込むときの速度(押し込み速度)としては特に限定されるものではないが、好ましくは2〜100mm/秒にするとよい。2mm/秒未満では生産性を上げることが難しい。しかし、100mm/秒よりも速くすると、中空糸膜束に与える張力が過大になり単糸に損傷を与えやすくなる。
【0038】
また、一対の鼓型ロール1,1間の最大間隔Lm(図1参照)は、筒状ケースの内径に近い値にすることが好ましい。好ましくは、筒状ケースk 内径の95〜110%の範囲にするのがよい。鼓型ロール間の最大間隔Lmを、このような範囲にすることにより、中空糸膜束を筒状ケースに挿入するときの屈曲抵抗を低減し、円滑な挿入を可能にする。同様の理由から、鼓型ロールの最小径は、中空糸膜束の外径の50〜100%の範囲にすることが好ましい。
【0039】
押込み部材には、図6に示すように、先端部に二股部8を形成することが重要であり、さらに二股部8については、中空糸膜束2に対して直接接する角8aや上縁8bの部分を、断面形状が円弧などの湾曲状になるように面取りをするとよい。この面取りにより、中空糸膜束2に対する局部的負荷を小さくすることができる。また、角8aと上縁8bが会合するコーナー8cについては円弧などの湾曲状にすることが好ましい。また、同図に示しているように、該二股の形状は、中空糸膜束の直径よりも深い切込み深さを有してなることが好ましい。
【0040】
上述したように、易滑性シート(樹脂フィルムなど)は、これを中空糸膜束の下に敷くことにより一対のガイドや筒状ケースの開口部に対する摩擦抵抗を低減することができる。このような作用を行う易滑性シートの長手方向に沿う長さとしては、筒状ケースの長さの少なくとも2倍以上にすることが好ましい。また、易滑性シートの幅としては、筒状ケースの内周長の二分の一以上にすることが好ましい。
【0041】
易滑性シートの長手方向中央部は、筒状ケースに挿入するとき中空糸膜束に沿って折り曲げられる箇所になるため、一部に皺が発生することが避けられない。しかし、このような皺は、図7に示すように、易滑性シート(樹脂フィルム4)の長手方向における両縁部に、それぞれ切欠部4aを設けることにより解消することができる。この切欠部4aは、図示のようなV字カットであってもよく、或いは円弧状のカットであってもよい。
【0042】
樹脂フィルムは中空糸膜束と共に筒状ケースに挿入した後は、抜き取る。この樹脂フィルムの抜取り操作は、樹脂フィルムが非通気性であることを利用して、真空吸着法により簡単に行うことができる。特に、柔らかいシリコーンパッドを用いて真空で抜き取るようにすると、中空糸膜束に対する損傷を低減することができる。また、真空吸着法以外の方法として、樹脂フィルムの一部に切欠を入れ、これを摘んで引き出すようにしても抜き取ることができる。
【0044】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、間隔をおいて配置した一対のガイドの上方側に、中空糸膜束を両ガイドに跨がるように配置する一方、下方側に筒状ケースを上方に開口を向けるように配置し、この状態で上記中空糸膜束の中央部を上方から筒状ケースに向けて押し込む1操作だけで、中空糸膜束をU字状に折り曲げ、かつ両側部を両ガイド間で規制案内しながら筒状ケース内に挿入することにより中空糸膜モジュールを形成することができる。したがって、中空糸膜モジュールの製造を自動化することができ、品質にバラツキを生ずることなく短時間に効率よく生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空糸膜モジュールの製造方法を実施する装置の一例を示し、(A)は(B)図におけるB−B矢視図、(B)は(A)図におけるA−A矢視図である。
【図2】図1の次のステップを示す概略説明図である。
【図3】図2の次のステップを示す概略説明図である。
【図4】図3の次のステップを示す概略説明図である。
【図5】図4のステップを終了した中空糸膜モジュールを例示する概略説明図である。
【図6】図1の装置に使用される押込み部材の先端部を示し、(A)は正面図、(B)は(A)図におけるC−C矢視図である。
【図7】図1の装置に使用される易滑性シートを例示する平面図である。
【符号の説明】
1 ガイド(鼓型ロール)
2 中空糸膜束
3 カセット
3a 穴
4 易滑性シート(樹脂フィルム)
4a 切欠部
5 筒状ケース
6 注型キャップ
7 押込み部材
8 二股部
8a 角

Claims (9)

  1. 間隔をおいて配置した一対のガイドの上方に、該一対のガイドを跨がるように中空糸膜束を配置すると共に、該一対のガイドの下方に筒状ケースを配置し、前記中空糸膜束の下側に易滑性シートを敷いた状態で前記易滑性シートと共に該中空糸膜束を上方から押込み部材によって前記筒状ケースに向けて押すと共に、前記一対のガイドで案内しながらU字状に屈曲させて、該U字状に屈曲された易滑性シートおよび中空糸膜束を前記筒状ケースの上端部側から挿入させ、該U字状に屈曲された状態の易滑性シートおよび中空糸膜束の両者をその先端部が前記筒状ケースの下端部側に到達するまで、前記押込み部材を前進させることによって前記筒状ケースに挿入し、しかる後、該押込み部材の後退と該易滑性シートの除去を行うことを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
  2. 前記押込み部材として、先端が二股部を有するものを用い、該二股部で前記中空糸膜束を挟みながら該中空糸膜束を押すことを特徴とする請求項1に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  3. 前記易滑性シートとして、長手方向の両縁部に切欠部を有するシートを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  4. 間隔をおいて配置した一対のガイドと、該一対のガイドの上方と下方との間を往復動する先端が二股状に形成された押込み部材を有し、該押込み部材を前進させることにより、前記二股状先端部によって前記一対のガイドを跨がるように配置された中空糸膜束と該中空糸膜束の下に配された易滑性シートとを前記一対のガイドの下方に配置された筒状ケースに向けて押し、さらに該中空糸膜束と易滑性シートをU字状に屈曲させて該筒状ケース内に挿入させ、しかる後、該押込み部材の後退をさせて、かつ該易滑性シートを吸引除去を行う機構を有することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造装置。
  5. 前記先端が二股状に形成された押込み部材の該二股の形状が、前記中空糸膜束の直径よりも深い切込み深さを有してなる二股部であることを特徴とする請求項4に記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  6. 前記一対のガイドが一対の鼓型ロールからなることを特徴とする請求項4または5に記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  7. 前記鼓型ロールの最小径が前記中空糸膜束の外径の50〜100%の範囲にあることを特徴とする請求項に記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  8. 前記一対の鼓型ロール間の最大間隔が前記筒状ケースの内径の95〜110%の範囲にあることを特徴とする請求項6または7に記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
  9. 前記一対のガイドの上方に、前記中空糸膜束を収納するための底面に穴を有するカセットを設けたことを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の中空糸膜モジュールの製造装置。
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