JP2672511B2 - 地下構造物用蓋の開閉構造 - Google Patents

地下構造物用蓋の開閉構造

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JP2672511B2
JP2672511B2 JP62184213A JP18421387A JP2672511B2 JP 2672511 B2 JP2672511 B2 JP 2672511B2 JP 62184213 A JP62184213 A JP 62184213A JP 18421387 A JP18421387 A JP 18421387A JP 2672511 B2 JP2672511 B2 JP 2672511B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、地下構造物に通じる開口部を閉塞する蓋本
体の開閉を容易に行うことができる地下構造物用蓋の開
閉構造に関する。 なお、本願明細書でいう「地下構造物用蓋」とは、下
水道における地下埋設物,地下構造施設等と地上とを通
じる開口部を閉塞する大型鉄蓋,マンホール蓋,汚水桝
蓋,電力・通信における地下施設機器や配線等を保護す
る開閉可能な共同溝用鉄蓋,送電用鉄蓋,配電用鉄蓋,
上水道やガス配管における路面下の埋設導管及びその付
属機器と地上とを結ぶ開閉扉としての機能を有する消化
栓蓋,制水弁蓋,仕切り弁蓋,空気弁蓋,ガス配管用蓋
及び量水器蓋等を総称する。 〔従来の技術〕 上下水道用,電力用,電気通信用,ガス用等の地下構
造物には、作業者が内部に出入りできるように、地上か
らその地下構造物に通じるマンホール等の開口部を設け
ている。この開口部には受枠が配置され、通常、鉄蓋等
の蓋本体によって閉塞しており、作業者が出入りすると
きに開放する。 この蓋本体の開閉を行う機構としては、たとえば実公
昭57−58296号公報で示されているような蝶番形式のも
のがある。この機構においては、受枠と蓋本体とを蝶番
金物で連結し、蓋本体を180度垂直反転させることによ
って、開閉を行っている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このように180度垂直反転させて蓋本体の開閉を行う
形式にあっては、蓋本体の寸法又は重量が大きくなるほ
ど、開閉作業が困難になる。すなわち、蓋本体の開閉作
業は、一般的にバールを使用して人力によって行われる
ため、蓋本体の大型化又は重量化に伴って作業者に加わ
る負担が大きくなり、また開口部が大きくなるに従って
蓋本体を反転させる際の作業の危険性が大きくなる。 更に、近年、街路のタイル舗装等に合わせて、蓋本体
の表面をカラータイル,カラーレジン等によって装飾化
した蓋本体が使用されるようになってきている。このよ
うな蓋本体の場合、蓋本体を180度垂直反転させると、
蓋本体の表面が周囲の舗装面に直接接触するため、蓋本
体の装飾面或いは周囲のタイル舗装面に傷,破損等が発
生しやすく、美観を著しく損なうことになる。 そこで、本発明は、蓋本体の開閉を容易にすると共
に、周囲の舗装面や蓋本体の装飾面に損傷等が生じるこ
とを防止した地下構造物用蓋の開閉構造を提供すること
を目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の開閉構造は、蓋本体と受枠とを、その一端が
受枠に対して起伏可能に軸支したリンクロッドで連結
し、そのリンクロッドを起立状態としたときに、リンク
ロッドの他端に連結された蓋本体が起立したリンクロッ
ドを中心として水平旋回可能とした地下構造物用蓋の開
閉構造であって、リンクロッドの一端と受枠との間に
は、リンクロッドの起立状態における水平回転と上下動
を不可能とした係止機構を設け、また、リンクロッドの
他端には、蓋本体を水平旋回させるときに蓋本体の重量
を受ける受座を設けたことを特徴とする。 〔作用〕 バール等によって蓋本体を持ち上げるとき、蓋本体の
上昇に伴って蓋本体と受枠とを連結するリンクロッドが
起立する。このリンクロッドが起立状態になったとき、
たとえば受枠側のリンクピンがリンクロッド側の長孔部
に嵌まり込み、リンクロッドの起立状態における水平回
転と上下動を不可能にする。この起立状態においては、
リンクロッドの他端に設けられている受座が蓋本体の重
量を受けており、蓋本体は、受枠から持ち上げられた状
態に支持される。したがって、僅かな力で蓋本体を水平
旋回させることができ、地下構造物に通じる開口部を容
易に開放することができる。 〔実施例〕 以下、図面を参照しながら、実施例により本発明の特
徴を具体的に説明する。 本実施例においては、リンクロッドの一端を軸支する
受枠側に設けた係止機構としてリンクピンを使用してい
る。第1図はリンクロッド及びその近傍を示す断面図で
あり、第2図はリンクロッドの回動軸心部分の取付け構
造の詳細を第1図の斜め下方から見上げた状態で示した
分解図である。 この開閉構造においては、受枠1内周の1箇所に、受
枠1と蓋本体2とを連結するリンクロッド3を起伏可能
に取り付けている。 リンクロッド3を軸支する受枠1側の内周面には、リ
ンクロッド3の一端に設けた筒状基部31を挿入する取付
け具11,12が設けられている。これら取付け具11,12は、
受枠1と一体的に設けたもの、或いは溶接等の手段によ
って受枠1に固着したもののいずれであっても良い。取
付け具11,12の間に筒状基部31を挿入した後で、一方の
取付け具11の側から、筒状基部31に設けた軸孔32に挿通
するリンクピン4を挿入する。そして、他方の取付け具
12の側から、リンクピン4の先端に設けたネジ孔45にワ
ッシャ44を介してボルト43を螺着する。 リンクピン4の頭部42は矩形状に形成されており、こ
の頭部42に対応した形状の角孔14が一方の取付け具11に
形成されている。他方の取付け具12には、平板部41の先
端部が嵌合する溝部13が刻設されている。そして、リン
クピン4にはリンクロッド3の軸孔32に挿通する平板部
41が形成され、該平板部41は、図示のように平板形状と
なっており、この平板部41の幅は、軸孔32の内径より僅
かに小さな値にしている。このため、リンクピン4が軸
孔32内にあるとき、リンクロッド3は平板部41を軸とし
て起伏可能になっており、リンクピン4はその両端が取
付け具11,12で嵌合支持された固定状態にある。 リンクロッド3の筒状基部31には、軸孔32からリンク
ロッド3の長手方向に延び、平板部41の厚みより若干大
きめの隙間をもつ長孔部36を備えている。この長孔部36
は、リンクロッド3が起立状態になったとき、蓋本体2
の重量によって降下し、リンクピン4を挟み込む。その
結果、リンクロッド3の水平回転と上下動が拘束され、
その起立状態が維持される。 なお、図示の例においては、リンクピン4の平板部41
先端を取付け具12に設けた溝部13で支持している。しか
し、平板部41先端の支持は、これに限るものではなく、
たとえば同様な溝部を形成した受具を取付け具12の内側
に設けた凹部に装着した形式で支持することも可能であ
る。このような受具を使用するとき、摩擦等によって軸
支機構が老朽化したときの部品交換が容易となる。 リンクロッド3の先端側は屈曲しており、この屈曲先
端部にネック部34を備えた半球又はそれに近い形状のヘ
ッド部35が形成されている。このヘッド部35は、第3図
に示したような蓋本体2の裏面に設けられている突出壁
21及び22の間に挿入される。 すなわち、第3図は、蓋本体2のリンクロッド3装着
部を下方から見上げた図である。蓋本体2の裏面には、
リンクロッド3のヘッド部35よりやや広い間隙で突出壁
21及び22を設けている。これら突出壁21,22の蓋本体2
中心側は壁23で接続されており、蓋本体2外方側はヘッ
ド部35の挿入が可能なように開放させるとともに、抜け
防止のためにボルト・ナット(図示せず)を突出壁21及
び22に挿通させている。そして、突出壁21,22及び壁23
の下端には、内方に向かうフランジ24が形成されてお
り、突出壁21,22間の距離をネック部34及びリンクロッ
ド3の屈曲先端部が通過し、ヘッド部35が離脱しない大
きさに狭めている。 また、突出壁21,22の途中には段差25を設けており、
下方まで延びた突出壁21,22及び壁23で、後述するよう
に、起立状態にあるリンクロッド3によって蓋本体2が
支持される。 前記段差25から壁23側の突出壁21,22に設けられたフ
ランジ24は、ネック部34の長さより僅かに短くした厚み
に成形している。そのため、ヘッド部35の下面がフラン
ジ24の上面に接触し、リンクロッド3の屈曲側先端部に
ある受座37がフランジ24の下面に接触する。したがっ
て、段差25〜壁23間に形成した厚肉のフランジ24にネッ
ク部34があるとき、ネック部34を中心として蓋本体2が
傾動することなく持ち上げた状態に支持される。他方、
段差25から外方の突出壁21,22に設けたフランジ24はネ
ック部34の長さより充分薄くしているため、蓋本体2を
水平旋回することにより、ネック部34が段差25〜壁23間
に形成した厚肉のフランジ24から外れて薄肉のフランジ
24にきたときには、蓋本体2が容易に傾動する。 このように、この段差25を形成する箇所は、受枠1か
ら持ち上げた状態に支持された蓋本体2を水平旋回させ
るときに、その水平旋回の途中で蓋本体2を傾動させな
いためには、ヘッド部35を充分に取り囲むように壁23か
ら大きく離れた距離する。また、水平旋回の途中で蓋体
体2を水平傾動させる場合には、ヘッド部35のほぼ半分
の長さだけ壁23の最内側から離れた距離としておけば水
平旋回の途中でネック部34の拘束が解除される。 次いで、本実施例の開閉構造の作動について説明す
る。第4図は、受枠1から蓋本体2を持ち上げて、地下
構造物に通じる開口部を開放する作業を工程順に説明す
る図である。 第4図(a)に示すように、一人で作業する場合には
蓋本体2の突出壁21,22を設けた側の外周に設けられた
バール挿通孔26に、二人で作業する場合には該バール挿
通孔26と対向するバール挿通孔27の両方にバールを差し
込み、蓋本体2を図面上において左斜め上方向に持ち上
げる。持ち上げ操作の途中過程においては、軸孔32の内
周にリンクピン4の平板部41が接しているため、リンク
ピン4を軸心としてリンクロッド3が立ち上がる。この
とき、蓋本体2は厚肉のフランジ24部分にリンクロッド
3のネック部34が位置するため、水平状態に支持されて
いる。 第4図(b)は、このようにして蓋本体2が持ち上げ
られた状態を示す。このとき、リンクピン4の平板部41
方向と軸孔32の長孔部36方向とが一致する。そのため、
矢印で示すように、リンクロッド3に蓋本体2の重量が
加わり、リンクロッド3を押し下げる。 したがって、第4図(c)に示すように、リンクピン
4の平板部41が長孔部36に差し込まれ、リンクロッド3
の水平回転と上下動が拘束され、起立状態に係止され
る。このとき、ヘッド部35と反対側のリンクロッド3の
屈曲先端部に突起33を設け、この突起33に対応する受枠
1の縁に凹部15を設けておくとき、下降したリンクロッ
ド3の突起33が凹部15に嵌まり込むので、リンクロッド
3の起立状態がより安定したものとなる。第4図(d)
は、同図(c)の状態を上からみた図である。 次いで、第4図(e)に示すように、バール5を蓋本
体2の周縁に設けた別のバール挿通孔27に差し込んで、
矢印で示す方向に蓋本体2を水平旋回させる。このと
き、蓋本体2の重心またはその近傍位置まで突出壁21,2
2を形成しておけば、リンクロッド3の受座37が蓋本体
2の中心部分に位置するため、さらに僅かな力で水平旋
回させることができる。このようにして蓋本体2を180
度水平旋回させることによって、受枠1内の開口部は、
より大きな面積が開放される。第3図で示した段差25が
壁23から充分な長さの位置に形成されているとき、第4
図(f)の位置近くまで蓋本体2を水平旋回しても、突
出壁21,22の下端がリンクロッド3の受座37に接触し、
蓋本体2は、依然として受枠1から上方に持ち上げられ
た状態のままで支持されている。 そして、バール5によって蓋本体2を、第4図(f)
において矢印で示すように手前に引くと、ネック部34
は、第3図に示した段差25の壁23から外方に移行する。
その結果、第4図(g)に示すように、受枠1の内部空
間が大きく開放される。また、段差25〜壁23間に形成し
た厚肉のフランジ24によるネック部34の拘束が解除され
て、蓋本体2が傾動し、一側が地面又は路面状に載置さ
れる。このようにして、開放された蓋本体2は、安定し
た状態に置かれる。なお、受枠1で囲まれた内部空間を
大きく開放する必要がないような場合には、たとえばヘ
ッド部35のほぼ半分の長さ程度に段差25〜壁23間の距離
を短くすることによって、第4図(f)の状態で蓋本体
2を傾動させることもできる。 このようにして開放された地下構造物に通じる開口部
は、第4図(a)から(f)までと逆の順序によって閉
塞される。すなわち、第4図(f)から第4図(e)ま
での工程を経て、蓋本体2が受枠1に嵌め込まれる。 なお、以上の例にあっては、長孔部36に嵌まり込む平
板部41をもつリンクピン4により、リンクロッド3の起
立状態を維持する係止機構を説明した。しかし、本発明
は、これに限定されるものではなく、たとえば、第5図
に示すように、リンクロッド3に設けた突起38を取付け
具11,12に設けた凹溝17に嵌め合わせることによって、
リンクロッド3の起立状態を維持する形式も採用するこ
とができる。この場合、リンクピン4は単なる丸棒とし
て、軸孔32は長円状の孔として形成される。 第5図の例においては、リンクロッド3の軸孔32にリ
ンクピン4を挿入する。したがって、第5図(a)の閉
蓋状態から蓋本体2を持ち上げるとき、同図(b)に示
すように、リンクピン4を中心にしてリンクロッド3が
起き上がる。リンクロッド3が完全に起立したとき、蓋
本体2の重量がリンクロッド3に加わって、リンクロッ
ド3が押し下げられる。ここで、突起38が凹溝17に挿入
されるため、同図(c)の起立状態が安定したものとな
る。 また、第3の実施例として、第5図(c)における突
起38及び凹溝17による係止機構,凹部15及び突起33の補
助的な係止機構を形成せずに軸孔32を長円状としただけ
の係止機構の構造であってもよい。このとき、外係止機
構は、受枠1の内面下端にリンクロッド3の筒状基部31
の下部が当接するとともに、受枠1の下端よりも上方に
位置するリンクピン4と軸孔32の上部が当接するため、
リンクロッド3は受枠1内方向に倒れるのを阻止され、
起立状態が安定したものとなる。 〔発明の効果〕 以上に説明したように、本発明においては、蓋本体を
反転させることなく、受枠から持ち上げた状態に支持さ
れた蓋本体を水平旋回させることにより、地下構造物に
通じる開口部を開放させている。また蓋本体の水平旋回
は係止機構によって水平回転及び上下動が不可能な起立
状態とされたリンクロッドを中心として行われ、且つリ
ンクロッドの他端に設けた受座で蓋本体の重量を受けな
がら行われるため、僅かな力で行うことができる。この
ようにして開放された蓋本体は、その表面が路面又は地
面と接触する側にない。したがって、装飾が表面に施さ
れた蓋本体にあって、その表面状態が擦り傷や摩擦等に
よって劣化することもない。このようにして、本発明に
よるとき、蓋本体の表面に損傷を与えない状態で、簡単
な操作によって地下構造物用蓋を開蓋できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明実施例において蓋本体と受枠とを連結す
るリンクロッド及びその周辺部を示す断面図であり、第
2図はリンクロッドの受枠側取付け部を示す分解図であ
り、第3図はリンクロッドの蓋本体側取付け部を示す分
解図であり、第4図は本実施例による開蓋動作を順を追
って説明する図、第5図は他の形式の係止機構を備えた
第2実施例の開閉構造を説明するための図である。 1:受枠 2:蓋本体 3:リンクロッド 4:リンクピン(係止機構) 17:凹溝(係止機構) 36:長孔部(係止機構) 37:受座 38:突起(係止機構)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.蓋本体と受枠とを、その一端が受枠に対して起伏可
    能に軸支したリンクロッドで連結し、そのリンクロッド
    を起立状態としたときに、リンクロッドの他端に連結さ
    れた蓋本体が起立したリンクロッドを中心として水平旋
    回可能とした地下構造物用蓋の開閉構造であって、リン
    クロッドの一端と受枠との間には、リンクロッドの起立
    状態における水平回転と上下動を不可能とした係止機構
    を設け、また、リンクロッドの他端には、蓋本体を水平
    旋回させるときに蓋本体の重量を受ける受座を設けたこ
    とを特徴とする地下構造物用蓋の開閉構造。
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