JP2672260B2 - Tft−lcdの検査方法 - Google Patents

Tft−lcdの検査方法

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JP2672260B2
JP2672260B2 JP6159073A JP15907394A JP2672260B2 JP 2672260 B2 JP2672260 B2 JP 2672260B2 JP 6159073 A JP6159073 A JP 6159073A JP 15907394 A JP15907394 A JP 15907394A JP 2672260 B2 JP2672260 B2 JP 2672260B2
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  • Testing Of Individual Semiconductor Devices (AREA)
  • Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TFTを使用したアレ
イ及びカラー−LCDとして使用されているTFT−L
CDの検査を行う為の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年液晶によるカラー表示としては、ア
クティブマトリックス型LCDが大勢を占めているが、
これは、一定の短い期間だけ液晶に必要な信号を書き込
み、それ以外の期間は、液晶に対する入力回路のゲート
を開いた状態として信号を保持し、液晶はいわばダイナ
ミックメモリーとしての機能を果たす点に特徴がある。
【0003】そして、上記のような信号を書き込むため
の必要な期間だけゲートを閉じ、その余の時間はゲート
を開いた作動を行うために、TFT(Thin Fil
mTransistor)即ち電界効果型トランジスタ
(FET)が通常使用されている。
【0004】そして、最近の液晶を使用したカラーディ
スプレイ装置において、アクティブマトリックス方式の
中では、TFT−LCDを使用している方式が増大して
いる。
【0005】TFT−LCDの概略は、図1に示す通り
であり、かつ個別のTFT−LCDの配線関係は、図2
の回路図に示す通りであるが、1枚の液晶ディスプレイ
装置における画素が多数である為、各画素に対応して配
置されたTFT4、及びそのゲート線3、データ線5も
また極めて多数となる。
【0006】これらのTFTの機能、TFT4とデータ
線5又はゲート線3との接続関係、更には、ゲート線
間、データ線間の接続関係が常に正常であるとは限らな
い。
【0007】従って、これらの状態が正常であるか否か
を、事前に検査することが液晶ディスプレイ装置におい
ては不可欠である。
【0008】にも拘らず、従来TFT−LCDにおける
前記の点に関する効率的な検査方法は確立されておら
ず、このため前記の点について事前の検査を行わずにT
FT−LCDの装置を組立てるか、又はせいぜい1個1
個のTFTについて、その周囲の接続線との関係をチェ
ックすることがこれまで行われてきたが、このような方
法は、極めて煩雑である。
【0009】この点を解決する為、出願人は平成5年特
許願133796号出願において、TFT−LCDの検
査方法及びその装置に関する技術を提唱している。
【0010】これは、TFTのドレイン側をアースを接
続しているセルコンデンサーCSと接続したアクティブ
カラーLCDにおいて、図3(a)に示すように、TF
Tを所定時間ONとして、LCDのセルコンデンサーに
データラインを通じて充電を行い、次に、TFTを所定
時間OFFの状態として当該充電状態を保持した後、再
度TFTをONとして、TFTのソース及びドレインを
通じて、アース側に接続している抵抗を通して放電を行
い、且つ放電における電流波形又は電圧波形によって、
配線の接続状態が正常であるか否か等の点を判断するT
FT−LCDの検査方法を基本としている。
【0011】しかしながら、このような方法による測定
では、TFTとデータ線との浮遊キャパシタンス及びデ
ータ線とゲート線との浮遊キャパシタンス等の影響の
為、放電出力自体が、純然たるセルコンデンサーCs
出力に由来するものではない。
【0012】このような場合、浮遊キャパシタンスの介
在によって、配線の接続状態が異常であるにも拘らず、
これが正常であるが如き誤った判断が行われる可能性が
ある。
【0013】特に、近年液晶の開口率を増大させる為
に、容量の小さいセルコンデンサーCsを用いた場合に
は、このような誤った判断が行われ易い。
【0014】
【発明が解決を必要とする課題】本願発明は、前記の如
き浮遊キャパシタンスの存在にも拘らず、正確にTFT
−LCDの接続状態もしくはTFTの動作状態が正常で
あるか否かを判断することができるTFT−LCDの検
査方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決する為の手段】上記の如き課題を解決する
為、本願発明の構成は、TFTを使用したアレイ及びカ
ラー−LCDにおいて、第1工程として、TFTを所定
時間ONとして、LCDのセルコンデンサーにデータラ
インを通じて充電を行い、次に、TFTをOFFの状態
として当該充電状態を保持した後、再度TFTを所定時
間ONとして、TFTのソース及びドレインを通じて、
アース側に接続している抵抗を通して放電を行い、該放
電における放電電流(I1)又は放電電圧(V1)の推移
を順次コンピュータに記憶させ、第2工程として、TF
Tを当該所定時間ONとし、LCDのセルコンデンサー
にデータラインを通じた充電をせずに、次にTFTをO
FFの状態として、前記充電を保持した時間と同一時間
を経過した後、再度TFT当該所定時間ONとするこ
とによって、TFTのソース及びドレインを通じてアー
ス側に接続している抵抗を通して放電を行い、該放電に
おける放電電流(I2)又は放電電圧(V2)を順次コン
ピューターに記憶し、該コンピューターによって、第1
工程によるセルコンデンサーに充電を行った場合の放電
電流(I 1 )又は放電電圧(V 1 )と、第2工程によるセ
ルコンデンサーに充電を行っていない場合の放電電流
(I 2 )又は放電電圧(V 2 )との差をそれぞれに対応す
る時間ごとに求め、当該差を所定時間内において時間積
分して出力差の積分値を求めるか、又は第1工程による
セルコンデンサーに充電を行った場合の放電電流
(I 1 )又は放電電圧(V 1 )について所定時間内におい
て時間積分を行うと共に、第2工程によるセルコンデン
サーに充電を行っていない場合の放電電流(I 2 )又は
放電電圧(V 2 )について所定時間内において時間積分
を行い、積分値の差を求め、前記出力差の積分値又は前
記積分値の差が所定の基準値以上であるか否かによっ
て、TFT−LCDの配線の接続状態もしくはTFTの
動作状態が正常であるか否かを判断するTFT−LCD
の検査方法からなる。
【0016】
【発明の作用】ここで改めて図2に示す単位回路によっ
て、本願発明の作用原理について説明する。
【0017】図2に示す回路において、図3(a)に示
すようなゲート電圧VG、及びデータ電圧VDを印加し、
当初スイッチSdをONの状態とした場合には、セルコ
ンデンサーCsは、データ電圧VDによってゲート電圧V
Gのパルス電圧が存在する期間中充電される。
【0018】尚、第1スイッチSdをONとしている期
間では、第2スイッチSrはOFFとしている。これ
は、データ電圧VDを検査装置11によって測定する必
要がないからである。
【0019】次に、ゲート電圧VGのパルスの導通期間
を過ぎて、TFTがOFFとなった段階では、TFTの
ソース及びドレイン間の抵抗は、TFTがゲート電圧V
GによってONの場合に比し105ないし106倍の大き
さとなるので、セルコンデンサーCsに充電された電荷
はせいぜい漏洩によって順次減少する程度であって、充
電された状態は維持される。
【0020】次に、再びゲート電圧VGのパルスの導通
によってTFTのソースとドレインとの間がONとなっ
たときに、第1スイッチSdをOFFとし、該ドレイン
と波形検査器との間に介在するスイッチSrをONとし
た場合には、セルコンデンサCsに蓄電された電荷は、
ドレイン及びソースに接続された抵抗Rgを通じて放電
されることになる。
【0021】尚、第1スイッチSdをOFFとするの
は、放電電流によって、データ電源側に、不要なアクシ
デントを生じさせない為であるが、第1スイッチS
dは、本発明の製造の不可欠な構成要素ではない。
【0022】但し、抵抗Rgは、TFT−LCDが製造
途中の段階で、各端子にガードリングが接続されている
場合には、各TFTのドレインと、ガードリングを含め
たアース間の抵抗であり、またガードリングを外した場
合には、検出器11側における測定の便宜の為に、人為
的に接続された抵抗であって、通常TFTがONとなっ
ている場合のソースとドレインとの間の抵抗(Ron)の
100分の1以下の程度に設計されている抵抗である。
【0023】第2スイッチSrをONとすることによっ
て、放電に基づく電流又は電圧は波形検査装置によって
キャッチされるが、第2スイッチSrも又本発明の不可
欠な構成要素ではない。
【0024】放電による電圧又は電流の波形の一部は、
図3の上から3番目に示すような鋸歯状波を呈するが、
その時定数は、概ねT=Cs(Ron+Rg)である。
【0025】セルコンデンサーCsの大きさも事前に判
明している以上、Rgを導通する電流波時定数が予めの
予測と一致している場合にはTFTのセルコンデンサ
ー、ゲート線及びデータ線との接続関係は、正常である
ことが判明する。
【0026】これに対し、放電による電圧又は電流の時
定数Tが変化し、波形が予めの予測と一致していない場
合には、通常Ron又はCsの値が規格から変動している
ことを意味しており、これはTFTの動作状態又はその
周辺の接続関係が異常であることを表すことになる。
【0027】他方、抵抗Rgに何らの電流が導通しない
場合には、セルコンデンサーCs電荷が蓄電されなか
ったことになり、TFTとゲート線、データ線との何れ
かの接続関係に異常が存在したことになる。
【0028】しかし、TFTとドレイン側又はドレイン
側の導線とゲート側の導線との間の浮遊キャパシタンス
等によって、セルコンデンサーCsの接続関係が異
来しているにも拘らず、これらの浮遊キャパシタンスに
よって図3(a)における検出電圧又は検出電流に、一
定の鋸歯状波が発生する場合もある。
【0029】本願発明では、このような浮遊キャパシタ
ンスによる出力をキャンセルする為に、第1工程による
図3(a)に示すようなゲート電圧VG及びデータ電圧
Dの入力に対する、放電電圧( 1)又は放電電流(
1)を検出すると共に、第2工程による図3(b)に示
すように、データ電圧VDを0とすることによって、セ
ルコンデンサーCsを充電させないで、図3(a)の場
合と同様のゲート電圧VGを印加するが、これによって
放電電圧( 2)又は放電電流( 2)を検出した場合、
第1工程による出力は図4のに示すが如き出力が得ら
れ、第2工程による放電出力は、図4のに示すが如き
出力が得られる。
【0030】そして、図4のに示す出力と図4のに
示す出力との差(図4におけるととの差)は、浮遊
キャパシタンスによる影響を除去したことによる純然た
るセルコンデンサーの放電出力電圧又は放電出力電流を
示すことになる。
【0031】従って、図4においてととの差として
示される出力差を時間積分し、当該積分値が所定の基準
値以上である場合には、一定の容量を有しているセルコ
ンデンサーとTFTとが正常な接続関係にあるか否かも
しくはTFTが正常に動作しているか否かが判明する。
ここで、前記所定の基準値は、例えば、TFT−LCD
を構成する多数のセルの中から任意のセルを選択し、当
該選択したセルについてそれぞれ出力差の積分値を求
め、これらの積分値の中の最低値によって設定される。
【0032】逆に、前記積分値が所定の基準値に満たな
い場合には、前記接続関係が正常でなく、かつTFTが
正常に機能していないことが判明する。
【0033】また、図4においてととの差で示され
る出力差電圧又は出力差電流を求めた上で、これを積分
することに代えて、図3(a)に示す検出電圧又は検出
電流(セルコンデンサーC s に充電を行っている場合の
検出電圧又は検出電流)及び図3(b)に示す検出電圧
又は検出電流(セルコンデンサーC s に充電を行ってい
ない場合の検出電圧又は検出電流)をそれぞれ所定時間
内で時間積分し、当該時間積分値の差を求めた場合で
も、ととの差で示される出力差電圧又は出力差電流
の積分値と同一の値を得ることができる。
【0034】このように、前記積分値の差が、所定の基
準値以上であるか否かによっても、セルコンデンサーと
TFTとが正常な接続関係であるか否かもしくはTFT
が正常に動作しているか否かを判断することができ、最
初に充電を行った場合と充電を行わなかった場合の出力
差を求めてからその出力差の積分を行うか、充電を行っ
た場合と充電を行わなかった場合についてそれぞれ積分
を行ってから2つの積分値の差を求めるかは、単なる数
学的処理の方法の相違に過ぎない。このような求め方を
一つの数式で表すと、下記のようになる。
【0035】
【数1】
【0036】以下、放電出力と各素子又は接続関係の異
常に関する具体例に即して説明する。
【0037】実施例1において後述するように、実際の
TFT−LCDの検査では、各画素に対応して配列され
たTFTの各行に対する複数のゲート線及び各TFTの
列に対する複数のデータ線を設け、これらの複数のゲー
ト線及び複数のデータ線を、スイッチを順次切り換え
て、リレーを使用して全画素に対応したTFT−LCD
の機能、配線の接続状態もしくはTFTの動作状態が正
常か否かを判断している。
【0038】このような場合、図5(a)に示すよう
に、データ線が、TFT2とTFT3との間において断線
している場合には、Cs1及びCs2には充電が行われない
ので、それぞれについて図4に対応する出力差を求めた
場合には、図5(b)に示すように、図4に対応する出
力差もまた0である。
【0039】これに対し、図5(b)に示すように、C
s3には充電が行われ、かつ図4に対応する正常な出力差
が得られ、ひいては正常な積分値を得ることができる。
【0040】即ち、前記検出電圧又は検出電流の積分値
の差によってデータ線の断線を察知できる。
【0041】図6(a)に示すように、ゲート線が、T
FT1とTFT2との間で断線している場合には、Cs1
s2においては充電が行われないので、図6(b)の出
力差波形に示すように、図4に対応する出力差もまた0
である。
【0042】これに対し、図6(b)に示すように、C
s1は充電が行なわれ、かつ図4に対応する正常な出力差
が得られ、ひいては正常な積分値を得ることができる。
【0043】即ち、出力差の積分値又はこれと同一の値
を示す前記検出電圧又は検出電流の積分値の差によって
ゲート線の断線の箇所を知ることができる。
【0044】また、TFTのゲートによるON−OFF
機能が作動せず、ゲート電圧を加えても、TFTがON
とならない場合には、図3(a)において、ゲート電圧
Gを印加しても、図3(a)に示すような検出電圧又
は検出電流が得られず、図3(b)に示すが如き検出電
圧又は検出電流とならざるを得ない。
【0045】従って、第2工程による図3(b)による
検出電圧又は検出電流の差は、略0であり、その積分値
も0とならざるを得ない。
【0046】このように、本願発明によって、TFTの
動作が正常であるか否かの点をも判定することができ
る。
【0047】
【実施例1】以上の如き作動原理を前提として、本願発
明の実施例について説明する。図7は、本発明におい
て、実際に使用される装置の実施例を示す。
【0048】即ち、請求項記載のように各画素に対応
して配列されたTFTの各行のゲート線G1、G2、・・・
mに対し、スイッチSg1、Sg2、・・・Sgmを設け、同様
に各TFTの列に対するデータ線D1、D2、D3、・・・D
nに対し、スイッチSd1、Sd2、・・・Sdnを設け、かつ波
形検査装置に対しても、各データ線に対応して、スイッ
チSr1、Sr2、・・・Srnを設けている。
【0049】図7において、リレーを使用して、スイッ
チSg1、Sg2、・・・Sgnを順次切替え、且つスイッチS
d1、Sd2、・・・Sdm、Sr1、Sr2、・・・Srnを順次切り替
えた場合には、当該切替によって、本願発明に基づい
て、第1工程及び第2工程における放電電圧または放電
電流の差の積分値を求めることによって、全画素に対応
したTFT−LCDの接続関係が正常か異常かを順次効
率的に検査することが可能となる。
【0050】尚、図7においては、各データ線におい
て、リレーと接続した部位と、アースに接続した部位と
の間に設けられている抵抗Rgは、放電出力測定の便宜
のための抵抗であるが、測定誤差を少なくするため、T
FTがONとなっている場合の抵抗値Ronに対し、約1
00分の1以下の大きさに設計されている。
【0051】他方、測定を行うための増幅器の入力イン
ピーダンスは、極めて大きく設計されている。
【0052】このような場合、データ線とゲート線との
間がショートしたとしても、大抵の電流は、抵抗Rg1
g2、・・・を通過し、増幅器の入力機側に、ゲート電源
がそのまま入力されることを防止し、増幅器及び測定計
を保護することができる。
【0053】
【実施例2】図7に示すような全TFTに対する検査を
可能とする装置において、特に、図8(イ)に示すよう
に、全TFT−LCDに対し、第1工程及び第2工程に
おける放電電流又は放電電圧の差の積分値を求めた場合
(点線の存在部分が、このような検出及び計算を行った
領域を示す。)、図8(ロ)に示すように各セルコンデ
ンサーにおいて、基準値よりも大きい第1工程及び第2
工程における放電電圧又は放電電流の差の積分値が得ら
れた場合(点線が存在する領域を、正常な値が得られた
領域であることを示す。尚、この点は図8(ハ)、図8
(ニ)、図8(ホ)の場合も同様である。)には、全体
が正常に作動できることになる。
【0054】これに対し、図8(ハ)に示すように所々
離れた場所において、第1工程及び第2工程の放電電圧
又は放電電流の差の積分値が基準値に達していない場合
には、当該場所におけるTFTと、ゲート線又はデータ
線の何れかとの接続が断線していることを意味してい
る。
【0055】図8(ニ)に示すように、特定列の全部又
は一部(図8(ニ)においては一部を示している)にお
いて、基準値よりも大きい第1工程及び第2工程におけ
る放電電圧又は放電電流の差の積分値が得られない場合
には、当該列を接続しているデータ線自体の接続に異常
があることを示している。
【0056】同様に、図8(ホ)に示すように、特定の
行のゲート線において、基準値よりも大きい第1工程及
び第2工程における放電電圧又は放電電流の差の積分値
が得られない場合には、当該行のゲート線の接続に異常
があることを示している。
【0057】
【実施例3】図7に示す全TFTに対する検査が可能で
ある装置において、特に、図9(イ)のように、ゲート
線について1行置きに全TFT−LCDに対し、第1工
程及び第2工程における放電電圧又は放電電流の差の積
分値を求めた場合(点線の存在部分が、このような検出
及び計算を行った領域を示す。)、図9(ロ)のよう
に、当該1行置きに従って、基準値よりも大きい第1工
程及び第2工程における放電電圧又は放電電流の差の積
分値が得られた場合(点線が存在する領域を、基準値よ
りも大きい第1工程及び第2工程における放電電圧又は
放電電流の差の積分値が得られた領域であることを示
す。この点は図9(ハ)の場合も同様である。)には、
接続が正常であることを裏付けている。
【0058】これに対し、図9(ハ)のように、本来O
Nとしていないゲート線について、基準値よりも大きい
第1工程及び第2工程における放電電圧又は放電電流の
差の積分値が得られた場合には、当該部位におけるゲー
ト線に隣接する部位との間にショートが存在することを
裏付けている。
【0059】
【実施例4】図7に示すように全TFTの検査が可能で
ある装置において、特に、図10(イ)に示すように、
データ線の列について1列置きに全TFT−LCDに対
し、第1工程及び第2工程における放電電圧又は放電電
流の差の積分値を求めた場合(点線の部分が、このよう
な検出及び計算を行った領域を示す。)、図10(ロ)
に示すように、当該1列置きに各セルコンデンサーから
の放電波形が得られた場合(点線が存在する領域を、基
準値よりも大きい第1工程及び第2工程における放電電
圧又は放電電流の差の積分値が得られた領域であること
を示す。この点は図10(ハ)の場合も同様である。)
には、少なくとも当該充電が行われたTFTの接続は正
常であることが判明する。
【0060】これに対し、図10(ハ)に示すように、
充電を行っていない列のデータ線に、基準値よりも大き
い第1工程及び第2工程における放電電圧又は放電電流
の差の積分値が得られた場合には、データ線に隣接する
部位との間にショートが存在することを裏付けているこ
とになる。
【0061】尚、上記の各実施例の如きTFT−LCD
の全体の状況の検査を行うには、個々のTFTの配列に
対応した表示板を用い、これに従って異常な部位を表示
した場合には、異常部位の検索に極めて好都合である。
【0062】
【発明の効果】以上のとおり、本願発明の方法によっ
て、極めて簡単な構成でありながら、迅速にTFT−L
CDの接続関係が正常であるか否かもしくはTFTの動
作状態の点をTFTにおける浮遊キャパシタンス及びゲ
ート線とデータ線との浮遊キャパシタンスの影響を受け
ずに、正確に判断することができる。
【0063】しかも、本願発明の方法において求める基
準値よりも大きい第1工程及び第2工程における放電電
圧又は放電電流の積分値は、各セルコンデンサーCs
おける真正に充電された電荷量を示すので、セルコンデ
ンサーCsのばらつきの存否をもチェックすることがで
きる。
【0064】このように、本願発明は、TFT−LCD
の製造工程において、現実にその機能をチェックできる
ことを可能ならしめるので、本願発明の価値は絶大であ
る。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】:見取図 液晶を構成する各セルの構成の概略を示す。
【図2】:基本回路図 本発明の前提事項であるTFT−LCD回路の基本構成
を示す。
【図3】(a),(b):出力波形グラフ 本発明の第1工程及び第2工程による各入力及び各放電
出力を示す。
【図4】:出力差グラフ 図3(a)、図3(b)の各検出された出力の差を示
す。
【図5】(a)、(b):回路図及び検出側の出力グラ
フ データ線が断線した場合の状況及びこれに基づく各TF
T−LCDの図4に対応する検出された出力差を示す。
【図6】(a)、(b):回路図及び検出側の出力グラ
フ ゲート線が断線した場合の状況及びこれに基づく各TF
T−LCDの図4に対応する検出された出力差を示す。
【図7】:全体回路図 本発明を具体的に実現する実施例1の回路の構成を示
す。
【図8】:TFT−LCDの配列を模擬した表示板の平
面図 本発明を具体的に実現する実施例2における各液晶表示
領域の状況を示す。
【図9】:TFTーLCDの配列を模擬した表示板の平
面図 本発明を具体的に実現する実施例3における各液晶表示
領域の状況を示す。
【図10】:TFTーLCDの配列を模擬した表示板の
平面図 本発明を具体的に実現する実施例4における各液晶表示
領域の状況を示す。
【符号の説明】
1:液晶(LCD) 2:画素電極 3:ゲート線 4:TFT 5:データ線 6:共通電極 7:カラーフィルター 8:偏光板 9:ガラス基板 11:検査器

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TFTを使用したアレイ及びカラー−L
    CDにおいて、第1工程として、TFTを所定時間ON
    として、LCDのセルコンデンサーにデータラインを通
    じて充電を行い、次に、TFTをOFFの状態として当
    該充電状態を保持した後、再度TFTを所定時間ONと
    して、TFTのソース及びドレインを通じて、アース側
    に接続している抵抗を通して放電を行い、該放電におけ
    る放電電流(I1)又は放電電圧(V1)の推移を順次コ
    ンピュータに記憶させ、第2工程として、TFTを当該
    所定時間ONとし、LCDのセルコンデンサーにデータ
    ラインを通じた充電をせずに、次にTFTをOFFの状
    態として、前記充電を保持した時間と同一時間を経過し
    た後、再度TFT当該所定時間ONとすることによっ
    て、TFTのソース及びドレインを通じてアース側に接
    続している抵抗を通して放電を行い、該放電における放
    電電流(I2)又は放電電圧(V2)を順次コンピュータ
    ーに記憶し、該コンピューターによって、第1工程によ
    るセルコンデンサーに充電を行った場合の放電電流(I
    1 )又は放電電圧(V 1 )と、第2工程によるセルコンデ
    ンサーに充電を行っていない場合の放電電流(I 2 )又
    は放電電圧(V 2 )との差をそれぞれに対応する時間ご
    とに求め、当該差を所定時間内において時間積分して出
    力差の積分値を求めるか、又は第1工程によるセルコン
    デンサーに充電を行った場合の放電電流(I 1 )又は放
    電電圧(V 1 )について所定時間内において時間積分を
    行うと共に、第2工程によるセルコンデンサーに充電を
    行っていない場合の放電電流(I 2 )又は放電電圧
    (V 2 )について所定時間内において時間積分を行い、
    積分値の差を求め、前記出力差の積分値又は前記積分値
    の差が所定の基準値以上であるか否かによって、TFT
    −LCDの配線の接続状態もしくはTFTの動作状態が
    正常であるか否かを判断するTFT−LCDの検査方
    法。
  2. 【請求項2】TFTの接続状態及びTFT−LCDの状
    態が正常である場合に、前記出力差の積分値又は前記積
    分値の差が最低どのような値となるかを実験によって求
    め、当該最低値を基準値とすることを特徴とする請求項
    1記載の検査方法。
  3. 【請求項3】複数のTFTに接続されたゲート線、デー
    タ線の配列に従って各データ線毎及び各ゲート線毎に順
    次検査を行い、TFT−LCDの配線の接続状態もしく
    はTFTの動作状態が異常であることを察知することを
    特徴とする請求項1記載の検査方法
  4. 【請求項4】全TFT−LCDについて、出力差の積分
    値又は積分値の差が基準値以上であるか否かを判別し、
    これによってゲート線及びデータ線中に断線の存在を察
    知することを特徴とする請求項1記載の検査方法
  5. 【請求項5】全TFT−LCDの内、ゲート線について
    1行おきに配列されたTFT−LCDについて、出力差
    の積分値又は積分値の差が基準値以上であるか否かを判
    別し、これによってゲート線間のショートの有無を検査
    することを特徴とする請求項1記載の検査方法
  6. 【請求項6】全TFT−LCDの内、データ線について
    1列おきに配列されたTFT−LCDについて、出力差
    の積分値又は積分値の差が基準値以上であるか否かを判
    別し、これによってデータ線間のショートの有無を検査
    することを特徴とする請求項1記載の検査方法。
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