JP2671422B2 - 非還元性誘電体磁器組成物 - Google Patents
非還元性誘電体磁器組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は非還元性誘電体磁器組成物に関し、特に鉛
複合ペロブスカイト構造を有する誘電体成分を含む非還
元性誘電体磁器組成物に関する。
複合ペロブスカイト構造を有する誘電体成分を含む非還
元性誘電体磁器組成物に関する。
(従来技術) 従来、積層コンデンサを製造するために、誘電体材料
として鉛複合ペロブスカイトを含む誘電体セラミクスが
用いられている。このような鉛複合ペロブスカイトを含
む誘電体セラミクスは、比較的高い誘電率を得ることが
でき、かつ低温で焼成することができる。鉛複合ペロブ
スカイトを含む誘電体セラミクスは、還元されるとその
絶縁特性が悪化するため、酸化性雰囲気中で焼成され
る。そのため、積層コンデンサの内部電極用材料として
は、酸化性雰囲気中で焼成しても安定なAg−Pb系の貴金
属が用いられる。
として鉛複合ペロブスカイトを含む誘電体セラミクスが
用いられている。このような鉛複合ペロブスカイトを含
む誘電体セラミクスは、比較的高い誘電率を得ることが
でき、かつ低温で焼成することができる。鉛複合ペロブ
スカイトを含む誘電体セラミクスは、還元されるとその
絶縁特性が悪化するため、酸化性雰囲気中で焼成され
る。そのため、積層コンデンサの内部電極用材料として
は、酸化性雰囲気中で焼成しても安定なAg−Pb系の貴金
属が用いられる。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、電極材料として用いられるAg−Pd系の
貴金属は高価であるため、積層コンデンサのコストが高
くなってしまう。また、このような電極材料を用いる
と、Agのマイグレーションのため、内部電極の特性が劣
化したり、Ag−Pd系の貴金属の導電率が小さいため、等
価直列抵抗が大きくなったりする。そのため、内部電極
用材料として、このような問題点の少ないCuまたはCu系
合金を用いることが考えられる。しかしながら、CuやCu
系合金は酸化して電気的特性が劣化しやすいため、酸化
性雰囲気中で焼成することができない。
貴金属は高価であるため、積層コンデンサのコストが高
くなってしまう。また、このような電極材料を用いる
と、Agのマイグレーションのため、内部電極の特性が劣
化したり、Ag−Pd系の貴金属の導電率が小さいため、等
価直列抵抗が大きくなったりする。そのため、内部電極
用材料として、このような問題点の少ないCuまたはCu系
合金を用いることが考えられる。しかしながら、CuやCu
系合金は酸化して電気的特性が劣化しやすいため、酸化
性雰囲気中で焼成することができない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、還元性雰囲気
中で焼成しても電気的特性の劣化を防ぐことができる、
非還元性誘電体磁器組成物を提供することである。
中で焼成しても電気的特性の劣化を防ぐことができる、
非還元性誘電体磁器組成物を提供することである。
(問題点を解決するための手段) この発明は、一般式がPb(Mg1/2,W1/2)O3−PbTiO3で
表され、これを構成する化合物の組成比率が、Pb(Mg
1/2,W1/2)O3:40.0〜80.0(モル%)PbTiO3:20.0〜60.0
(モル%)の範囲にある主成分100重量%に対して、副
成分として0.1重量%〜3.0重量%のZnOを添加し、さら
に必要に応じてMnをMnO2に換算して1.5重量%以下添加
した誘電体成分に、一般式がaLi2O+bRO+cB2O3+(100
−a−b−c)SiO2(ただし、RはMg,Ca,Sr,Baの中か
ら選ばれる少なくとも1種類、a,bおよびcはモル%)
で表され、a,bおよびcが、それぞれ、0≦a<20、10
≦b<55、0≦c<40の範囲にある還元防止剤を0.05重
量%〜30.0重量%添加した、非還元性誘電体磁器組成物
である。
表され、これを構成する化合物の組成比率が、Pb(Mg
1/2,W1/2)O3:40.0〜80.0(モル%)PbTiO3:20.0〜60.0
(モル%)の範囲にある主成分100重量%に対して、副
成分として0.1重量%〜3.0重量%のZnOを添加し、さら
に必要に応じてMnをMnO2に換算して1.5重量%以下添加
した誘電体成分に、一般式がaLi2O+bRO+cB2O3+(100
−a−b−c)SiO2(ただし、RはMg,Ca,Sr,Baの中か
ら選ばれる少なくとも1種類、a,bおよびcはモル%)
で表され、a,bおよびcが、それぞれ、0≦a<20、10
≦b<55、0≦c<40の範囲にある還元防止剤を0.05重
量%〜30.0重量%添加した、非還元性誘電体磁器組成物
である。
(発明の効果) この発明によれば、この非還元性誘電体磁器組成物を
還元性雰囲気中で焼成しても、誘電体セラミクスが還元
されにくい。そのため、誘電損失や絶縁抵抗などの誘電
体セラミクスの特性が劣化しにくく、特にその絶縁抵抗
は1010Ωcm以上であり、その誘電損失は5%以下であ
る。また、この非還元性誘電体磁器組成物では、その焼
成温度を1050℃以下という低い温度にすることができ
る。
還元性雰囲気中で焼成しても、誘電体セラミクスが還元
されにくい。そのため、誘電損失や絶縁抵抗などの誘電
体セラミクスの特性が劣化しにくく、特にその絶縁抵抗
は1010Ωcm以上であり、その誘電損失は5%以下であ
る。また、この非還元性誘電体磁器組成物では、その焼
成温度を1050℃以下という低い温度にすることができ
る。
したがって、このような非還元性誘電体磁器組成物を
積層コンデンサの材料として用いれば、内部電極用材料
としてCuまたはCu系合金を使用することができる。その
ため、積層コンデンサのコストを下げることができる。
また、内部電極用材料としてCuやCu系合金を用いれば、
Agを用いた場合のようなマイグレーションによる特性の
劣化を防止することができ、導電率が大きいため等価直
列抵抗を小さくすることができる。
積層コンデンサの材料として用いれば、内部電極用材料
としてCuまたはCu系合金を使用することができる。その
ため、積層コンデンサのコストを下げることができる。
また、内部電極用材料としてCuやCu系合金を用いれば、
Agを用いた場合のようなマイグレーションによる特性の
劣化を防止することができ、導電率が大きいため等価直
列抵抗を小さくすることができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利
点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明か
ら一層明らかとなろう。
点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明か
ら一層明らかとなろう。
(実施例) まず、鉛複合ペロブスカイト誘電体の原料として、Pb
304,MgO,WO3,TiO2,ZnOおよびMnO2を準備した。これらの
原料を表1および表3に示す組成となるように秤量し、
ボールミルで16時間湿式混合した後、蒸発乾燥して混合
粉末を得た。得られた混合粉末をジルコニア質の匣にい
れて680℃で2時間焼成した後、200メッシュの篩を通過
するように粗粉砕して鉛複合ペロブスカイト誘電体材料
粉末を準備した。
304,MgO,WO3,TiO2,ZnOおよびMnO2を準備した。これらの
原料を表1および表3に示す組成となるように秤量し、
ボールミルで16時間湿式混合した後、蒸発乾燥して混合
粉末を得た。得られた混合粉末をジルコニア質の匣にい
れて680℃で2時間焼成した後、200メッシュの篩を通過
するように粗粉砕して鉛複合ペロブスカイト誘電体材料
粉末を準備した。
また、表1および表3に示す組成の還元防止剤を得る
ために、各成分の酸化物,炭酸塩あるいは水酸化物を調
合し、これらをボールミルで16時間湿式混合,粉砕した
のち、蒸発乾燥して粉末を得た。得られた粉末をアルミ
ナ製のるつぼに入て1300℃の温度で1時間放置し、その
のち急冷してガラス化した。これを200メッシュの篩を
通過するように粗粉砕して、還元防止剤を準備した。
ために、各成分の酸化物,炭酸塩あるいは水酸化物を調
合し、これらをボールミルで16時間湿式混合,粉砕した
のち、蒸発乾燥して粉末を得た。得られた粉末をアルミ
ナ製のるつぼに入て1300℃の温度で1時間放置し、その
のち急冷してガラス化した。これを200メッシュの篩を
通過するように粗粉砕して、還元防止剤を準備した。
次に、鉛複合ペロブスカイト誘電体材料粉末に表1お
よび表3に示す割合で還元防止剤を添加した。これにポ
リビニルブチラール系のバインダおよび有機溶媒を加え
て、ボールミルで16時間湿式混合し混合物を得た。この
混合物をドクターブレード法によってシート状に成形
し、グリーンシートを得た。このグリーンシートを乾燥
した後、適当な大きさに切断した。切断したグリーンシ
ートにスクリーン印刷法でCu電極ペーストを印刷した後
熱圧着し積層化した。熱圧着したグリーンシートを所定
の規格に切断した後、外部電極としてCu電極ペーストを
塗布して生ユニットを得た。得られた生ユニットをN2,H
2およびH2Oの混合ガスを用いてCu電極の酸化しない還元
性雰囲気に調節した電気炉に入れ、780〜1050℃で2時
間焼成して積層コンデンサを得た。
よび表3に示す割合で還元防止剤を添加した。これにポ
リビニルブチラール系のバインダおよび有機溶媒を加え
て、ボールミルで16時間湿式混合し混合物を得た。この
混合物をドクターブレード法によってシート状に成形
し、グリーンシートを得た。このグリーンシートを乾燥
した後、適当な大きさに切断した。切断したグリーンシ
ートにスクリーン印刷法でCu電極ペーストを印刷した後
熱圧着し積層化した。熱圧着したグリーンシートを所定
の規格に切断した後、外部電極としてCu電極ペーストを
塗布して生ユニットを得た。得られた生ユニットをN2,H
2およびH2Oの混合ガスを用いてCu電極の酸化しない還元
性雰囲気に調節した電気炉に入れ、780〜1050℃で2時
間焼成して積層コンデンサを得た。
得られた積層コンデンサをふくしん液に漬けて焼結度
の試験を行い、最適焼成温度を決定した。
の試験を行い、最適焼成温度を決定した。
また、25℃の温度における1kHz,1Vrmsでの誘電率
(ε),誘電損失(tanδ)および−25〜85℃の温度範
囲で20℃を基準にした誘電率の温度特性を測定した。
(ε),誘電損失(tanδ)および−25〜85℃の温度範
囲で20℃を基準にした誘電率の温度特性を測定した。
この実施例では、表1に示すように、5Li2O+20BaO+
15CaO+5SrO+5MgO+25B2O3+25SiO2(モル%)の組成
を有する還元防止剤を用いて、鉛複合ペロブスカイド誘
電体材料粉末の組成比率を変えて電気的特性を測定し、
表2に示した。さらに、表3に示すように、100重量%
の51Pb(Mg1/2,W1/2)O3−49PbTiO3(モル%)と0.8重
量%のZnOとの組成を有する鉛複合ペロブスカイト誘電
体材料粉末を用いて、還元防止剤の組成比率を変えて電
気的特性を測定し、表4に示した。
15CaO+5SrO+5MgO+25B2O3+25SiO2(モル%)の組成
を有する還元防止剤を用いて、鉛複合ペロブスカイド誘
電体材料粉末の組成比率を変えて電気的特性を測定し、
表2に示した。さらに、表3に示すように、100重量%
の51Pb(Mg1/2,W1/2)O3−49PbTiO3(モル%)と0.8重
量%のZnOとの組成を有する鉛複合ペロブスカイト誘電
体材料粉末を用いて、還元防止剤の組成比率を変えて電
気的特性を測定し、表4に示した。
なお、表2および表4において、温度特性について、
B,C,D,EおよびFの各特性はJIS規格による温度特性を意
味し、各特性について詳細に説明すれば次の通りであ
る。
B,C,D,EおよびFの各特性はJIS規格による温度特性を意
味し、各特性について詳細に説明すれば次の通りであ
る。
B特性:20℃における静電容量を基準として、−25℃〜
+85℃における容量変化率が−10〜+10%を超えない。
+85℃における容量変化率が−10〜+10%を超えない。
C特性:20℃における静電容量を基準として、−25℃〜
+85℃における容量変化率が−20〜+20%を超えない。
+85℃における容量変化率が−20〜+20%を超えない。
D特性:20℃における静電容量を基準として、−25℃〜
+85℃における容量変化率が−30〜+20%を超えない。
+85℃における容量変化率が−30〜+20%を超えない。
E特性:20℃における静電容量を基準として、−25℃〜
+85℃における容量変化率が−55〜+20%を超えない。
+85℃における容量変化率が−55〜+20%を超えない。
F特性:20℃における静電容量を基準として、−25℃〜
+85℃における容量変化率が−80〜+30%を超えない。
+85℃における容量変化率が−80〜+30%を超えない。
次に、誘電体主成分の数値を限定した理由について説
明する。
明する。
表1,表2の試料番号1,2,3および4のようにPb(M
g1/2,W1/2)O3が40モル%未満になるか、表1,表2の試
料番号9,10,11および12のように80モル%を超えると、
還元防止剤を混合したとき、絶縁抵抗が1010Ωcmより小
さくなって好ましくない。
g1/2,W1/2)O3が40モル%未満になるか、表1,表2の試
料番号9,10,11および12のように80モル%を超えると、
還元防止剤を混合したとき、絶縁抵抗が1010Ωcmより小
さくなって好ましくない。
表1,表2の試料番号24のように、Pb(Mg1/2,W1/2)O3
−PbTiO3100重量%に対してZnOの添加量が0.1重量%未
満になると、還元防止剤を混合したとき、絶縁抵抗が10
10Ωcmより小さくなって好ましくない。また、表1,表2
の試料番号29のように、Pb(Mg1/2,W1/2)O3−PbTiO310
0重量%に対してZnOの添加量が3.0重量%を超えると、
還元防止剤を混合したとき、誘電損失が5%を超えて好
ましくない。
−PbTiO3100重量%に対してZnOの添加量が0.1重量%未
満になると、還元防止剤を混合したとき、絶縁抵抗が10
10Ωcmより小さくなって好ましくない。また、表1,表2
の試料番号29のように、Pb(Mg1/2,W1/2)O3−PbTiO310
0重量%に対してZnOの添加量が3.0重量%を超えると、
還元防止剤を混合したとき、誘電損失が5%を超えて好
ましくない。
表1,表2の試料番号32のように、Pb(Mg1/2,W1/2)O3
−PbTiO3100重量%に対してMnO2の添加量が1.5重量%を
超えると、誘電損失が5%を超え、絶縁抵抗が1010Ωcm
より小さくなって好ましくない。
−PbTiO3100重量%に対してMnO2の添加量が1.5重量%を
超えると、誘電損失が5%を超え、絶縁抵抗が1010Ωcm
より小さくなって好ましくない。
また、還元防止剤の数値を限定したのは、次のような
理由による。
理由による。
表3,表4の試料番号15,16,17および18のように、bが
10モル%未満になると、絶縁抵抗が1010Ωcmより小さく
なって好ましくない。また、表3,表4の試料番号7,8,9
および10のように、bが55モル%以上になると、焼成温
度が1050℃を超えて、Cu電極が融解して流れ出してしま
い、コンデンサとして使用できない。
10モル%未満になると、絶縁抵抗が1010Ωcmより小さく
なって好ましくない。また、表3,表4の試料番号7,8,9
および10のように、bが55モル%以上になると、焼成温
度が1050℃を超えて、Cu電極が融解して流れ出してしま
い、コンデンサとして使用できない。
表3,表4の試料番号23のようにaが20モル%以上にな
るか、表3,表4の試料番号25のようにcが40モル%以上
になると、誘電体特性が著しく損なわれたり、焼成が完
了する前に軟化変形したりする。
るか、表3,表4の試料番号25のようにcが40モル%以上
になると、誘電体特性が著しく損なわれたり、焼成が完
了する前に軟化変形したりする。
さらに、表3,表4の試料番号1および2のように、還
元防止剤の添加量が0.05重量%未満になると、誘電体が
還元され絶縁抵抗が劣化する。また、表3,表4の試料番
号34のように還元防止剤の添加量が30.0重量%を超える
と、誘電体磁器が軟化変形して好ましくない。
元防止剤の添加量が0.05重量%未満になると、誘電体が
還元され絶縁抵抗が劣化する。また、表3,表4の試料番
号34のように還元防止剤の添加量が30.0重量%を超える
と、誘電体磁器が軟化変形して好ましくない。
なお、上述のように、還元防止剤は、主体となる誘電
体材料に焼結するにあたって、あらかじめ所定の割合で
主成分に添加され、混合された後、成形体とされ、この
後焼成プロセスにもたらされる。この場合、還元防止剤
は主成分に対して、個々に添加してもよいが、このほか
あらかじめ還元防止剤を配合しておき、これを熱処理し
た粉末か、さらに高温に熱処理して溶融し、その後粉砕
してガラス化したものを主成分に添加混合してもよい。
体材料に焼結するにあたって、あらかじめ所定の割合で
主成分に添加され、混合された後、成形体とされ、この
後焼成プロセスにもたらされる。この場合、還元防止剤
は主成分に対して、個々に添加してもよいが、このほか
あらかじめ還元防止剤を配合しておき、これを熱処理し
た粉末か、さらに高温に熱処理して溶融し、その後粉砕
してガラス化したものを主成分に添加混合してもよい。
なお、鉛複合ペロブスカイト誘電体および銅系の内部
電極からなる積層体を焼成する場合、該誘電体が還元さ
れずかつ該内部電極が酸化されない酸素分圧雰囲気下に
保持する必要がある。すなわち、誘電体が還元されると
絶縁抵抗が低下し、内部電極が酸化されると等価直列抵
抗が増大するため、いずれの場合もコンデンサとしての
機能を失う。
電極からなる積層体を焼成する場合、該誘電体が還元さ
れずかつ該内部電極が酸化されない酸素分圧雰囲気下に
保持する必要がある。すなわち、誘電体が還元されると
絶縁抵抗が低下し、内部電極が酸化されると等価直列抵
抗が増大するため、いずれの場合もコンデンサとしての
機能を失う。
鉛および銅の酸素分圧と温度の関係については、エル
・エス・ダーケー(L.S.Darkeh)、アール・ダブリュ・
ガリー(R.W.Gurry)らが、フィジカル・ケミストリー
・オブ・メタルズ(Physical Chmistry of Metals)(1
953)で発表しており、第1図に示すように、4Cu+O2=
2Cu2Oの反応式で示される線より下方の領域では銅は酸
化されず、2Pb+O2=2PbOの反応式で示される線より上
方の領域では酸化鉛は還元されない。したがって、理論
的には、この2つの線間ではさまれた領域で鉛複合ペロ
ブスカイト誘電体および銅系の内部電極からなる積層体
を焼成すれば最良であるが、該領域は非常に狭い範囲
(たとえば、1000℃では酸素分圧が約5×10-7〜約8×
10-8atm)であり、実際には該範囲に酸素分圧をコント
ロールすることは生産技術的に困難である。しかしなが
ら、本発明によれば、誘電体に還元防止剤を添加したこ
とにより、焼成可能な雰囲気の酸素分圧が特に低酸素分
圧側に広がるため、酸素分圧を厳密にコントロールしな
くても適当な還元雰囲気下で良品率の高い製品を得るこ
とができる。
・エス・ダーケー(L.S.Darkeh)、アール・ダブリュ・
ガリー(R.W.Gurry)らが、フィジカル・ケミストリー
・オブ・メタルズ(Physical Chmistry of Metals)(1
953)で発表しており、第1図に示すように、4Cu+O2=
2Cu2Oの反応式で示される線より下方の領域では銅は酸
化されず、2Pb+O2=2PbOの反応式で示される線より上
方の領域では酸化鉛は還元されない。したがって、理論
的には、この2つの線間ではさまれた領域で鉛複合ペロ
ブスカイト誘電体および銅系の内部電極からなる積層体
を焼成すれば最良であるが、該領域は非常に狭い範囲
(たとえば、1000℃では酸素分圧が約5×10-7〜約8×
10-8atm)であり、実際には該範囲に酸素分圧をコント
ロールすることは生産技術的に困難である。しかしなが
ら、本発明によれば、誘電体に還元防止剤を添加したこ
とにより、焼成可能な雰囲気の酸素分圧が特に低酸素分
圧側に広がるため、酸素分圧を厳密にコントロールしな
くても適当な還元雰囲気下で良品率の高い製品を得るこ
とができる。
第1図は鉛および銅の酸素分圧と温度の関係を示す図で
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−287510(JP,A) 特公 平8−21257(JP,B2) 特公 平8−31284(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】一般式がPb(Mg1/2,W1/2)O3−PbTiO3で表
され、これを構成する化合物の組成比率が Pb(Mg1/2,W1/2)O3:40.0〜80.0(モル%) PbTiO3:20.0〜60.0(モル%) の範囲にある主成分100重量%に対して、副成分として
0.1重量%〜3.0重量%のZnOを添加した誘電体成分に、 一般式がaLi2O+bRO+cB2O3+(100−a−b−c)SiO2
(ただし、RはMg,Ca,Sr,Baの中から選ばれる少なくと
も1種類、a,bおよびcはモル%)で表され、a,bおよび
cが、それぞれ、 0≦a<20 10≦b<55 0≦c<40 の範囲にある還元防止剤を0.05重量%〜30.0重量%添加
した、非還元性誘電体磁器組成物。 - 【請求項2】前記主成分Pb(Mg1/2,W1/2)O3−PbTiO310
0重量%に対して、さらに副成分としてMnをMnO2に換算
して1.5重量%以下添加した、特許請求の範囲第1項記
載の非還元性誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63207176A JP2671422B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63207176A JP2671422B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0254802A JPH0254802A (ja) | 1990-02-23 |
JP2671422B2 true JP2671422B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=16535496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63207176A Expired - Fee Related JP2671422B2 (ja) | 1988-08-19 | 1988-08-19 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2671422B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4909717B2 (ja) * | 2006-11-20 | 2012-04-04 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 微少変位定圧機構及び転てつ減摩器 |
-
1988
- 1988-08-19 JP JP63207176A patent/JP2671422B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0254802A (ja) | 1990-02-23 |
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