JP2671022B2 - マイクロフィルム検索・読取装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、マイクロフィルムのカートリッジを多数収
納した収納棚から、目標画像を探し出してその画像をイ
メージセンサにより読出すようにしたマイクロフィルム
検索・読取装置に関するものである。

（発明の技術的背景） 収納棚に収納した多数のマイクロフィルムのカートリ
ッジから１つのカートリッジを選出してこれに含まれる
目標画像をイメージセンサで読出し、この画像信号をデ
ジタル信号として出力させるようにした装置が考えられ
ている。例えばこの画像信号を用いてCRTやプリンタあ
るいはファクシミリに画像を出力させたり、他のデータ
処理装置の出力と組合わせてプリントさせることにより
希望の帳票や書類を出力させたりすることが考えられて
いる。すなわちマイクロフィルムの画像をデジタル信号
化することにより、データ通信網を利用して他のデジタ
ル画像処理装置との協働化が可能になり、マイクロフィ
ルムの有用性を高めることができるのである。

このような装置として、従来より回転棚式のものが公
知である。これは回転ドラムにその外周面から着脱可能
に多数のカートリッジを多段に収納しておき、一定位置
で上下動のみする取出し装置によって希望のカートリッ
ジを取出し、これをイメージセンサを有する画像リーダ
に移送して画像を読取るものである（例えば特開昭62−
27208、同62−27206号等）。

しかしこの場合には重い回転ドラムが回転して目標の
カートリッジを取出すため、目標画像を探し出すまでに
要する時間（アクセス時間）が長くなると共に、設置面
積が大きくなるという問題があった。

また取出し装置は画像リーダで読取りが終ったカート
リッジを収納棚の所定位置に戻す必要がある。このため
取出し装置は画像リーダで画像の読取りが済むまで待機
する必要が生じ、次のカートリッジに対するアクセス時
間が長くなるという問題もあった。本棚状の固定棚に多
数のカートリッジを収納し、この棚の前面でＸ−Ｙ方向
に走行するキャリヤが任意の１つのカートリッジを探し
出して所定の位置に固定された画像リーダまで運び、こ
こで画像を読取るものも公知である。

しかしこの場合にも、キャリヤは画像リーダで画像の
読取りが済むまで待機して画像の読取りが済んだカート
リッジを元の位置あるいはバッファへ戻した後、次のカ
ートリッジを運ぶ必要がある。このためやはりアクセス
時間が長くなるという問題があった。またシステムの規
模が大きくなり、小規模なシステムが必要な場合に対応
できないという問題もあった。

（発明の目的） 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、
アクセス時間を短縮することができ、設置面積が小さ
く、システム規模の変化に対応し易いマイクロフィルム
検索・読取装置を提供することを目的とする。

（発明の構成） 本発明によればこの目的は、多数のマイクロフィルム
のカートリッジを収納した収納棚から目標画像を含むカ
ートリッジを選出し、目標画像をイメージセンサにより
読出すマイクロフィルム検索・読取装置において、カー
トリッジを上下方向に移動可能かつ側方へ抜き出し可能
に積み重ねて収納し任意のカートリッジを抜き出すとそ
の上方のカートリッジが抜き出したカートリッジの厚さ
相当分下降するようにした縦長の収納棚と、フィルム走
行駆動装置および画像リーダを内臓し前記収納棚の上方
に配設されたスキャナと、目標のカートリッジを抜き出
してスキャナに導くキャリヤと、スキャナで目標画像の
読取り後このカートリッジを収納棚最上部に戻す復帰手
段と、カートリッジ収納位置を記憶するメモリ手段と、
前記キャリヤとスキャナと復帰手段を制御する制御手段
とを備えることを特徴とするマイクロフィルム検索・読
取装置、により達成される。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例を用いたシステムの概念
図、第２図はスキャナのカートリッジ収納状態を示す平
面図である。

第１図において符号10は角柱状のケースであり、この
ケース10内にはカートリッジ収納棚12が一側寄りに組付
けられている。この収納棚には多数のカートリッジ14が
上下方向に移動可能かつ側方（水平方向、前後方向を含
む）へ抜き出し可能となるように積み重ねられている。
従って任意のカートリッジ14を側方へ抜き出すと、その
上方のカートリッジ14が抜き出したカートリッジ14の厚
さ相当分だけ下降する。それぞれのカートリッジ14に
は、マイクロフィルム16（第２図）が巻付けられたリー
ル18が１個づつ収納されている。

収納棚12の１つの面には各カートリッジ14に対向し
て、電磁プランジャ20が多数上下方向に並設されてい
る。すなわち電磁プランジャ20は励磁されることによっ
てそのプランジャが収納棚12内に向って突出し、いずれ
かのカートリッジ14を水平方向に押し出すものである。

30はキャリヤである。このキャリヤ30はケース10内に
おいて収納棚12を挟んで電磁プランジャ20と反対側にあ
って、上下方向に移動する。すなわちキャリヤ30はガイ
ドレールによって上下動可能に保持され、ワイヤ32によ
って上下に移動される。ワイヤ32は上下のプーリ34,36
間に巻掛けられ、その両端がキャリヤ30に固定されてい
る。一方のプーリ36はサーボマータ38により回転され、
この結果キャリヤ30は上下に移動される。なおこのワイ
ヤ32には、キャリヤ30と対称となる位置にカウンタウェ
イト40が固定され、モータ38の負担を軽減している。

42はスキャナである。このスキャナ42は収納棚12の上
方に位置する。すなわちこのスキャナ42はフィルム走行
用のモータ等を収容するフィルム走行駆動装置44と、キ
ャリヤ30により運ばれてきたカートリッジ14が入る進入
空間46と、巻取り用リール48と、これら両者の間に配設
された画像リーダ50とを備える。

フィルム走行駆動装置44の進入空間46は収納棚12の上
方に位置して下方に向って開き、この収納棚12の上部は
この進入空間46に開口している。走行駆動装置44の進入
空間46内に突出するリール駆動軸44aは、例えば上方に
向って退出可能であり、キャリヤ30で運ばれたカートリ
ッジ14がこの進入空間46に進入する時には上方へ退出し
てカートリッジ14との干渉を避けるように構成する。

画像リーダ50は密閉式のリーダユニット52と、光源と
してのEL板54とを備える。EL板54はフィルム16に押圧・
離隔可能であり、電磁プランジャ（図示せず）などによ
り制御される。リーダユニット52は、フィルム16を挟ん
でEL板54に対向するガラス56と、密閉ケース内に収納さ
れた投影レンズ58およびイメージセンサ60を備える。こ
こにレンズ58はモータや圧電素子などにより光軸方向に
移動され焦点合せ可能となっている。

62は復帰手段であり、このスキャナ42で目標画像を読
取った後に、進入空間46内のカートリッジ14を収納棚12
の最上部に戻すものである。この復帰手段62は、例えば
キャリヤ30から進入空間46に搬入されたカートリッジ14
を進入空間46内の所定の位置に保持するカートリッジ固
定用の爪部材64と、この爪部材64を回動させてカートリ
ッジ14を解放する電磁プランジャ66とで構成される。す
なわちこの電磁プランジャ66を励磁することによって爪
部材64を回動させ、カートリッジ14を爪部材64から解放
して、カートリッジ14を収納棚12の最上部に落下させる
ように構成する。

イメージセンサ60は画像を走査して時系列画像信号ａ
を出力する。この信号ａは画像処理回路70により二値化
されデジタル信号とされて子制御手段100Aに入力され、
さらに親制御手段100に移される。ここにイメージセン
サ60は二次元のエリヤセンサが好ましいが、一次元のラ
インセンサをその長さ方向に直交する方向（副走査方
向）に移動させて画像を読取ってもよい。

この実施例においては、制御手段は、各ケース10ごと
に設けた子制御手段100Aと、この子制御手段100Aに目標
カートリッジ14や目標画像などの情報を与える親制御手
段100とを別々に備える。

これらの制御手段100、100Aは小型コンピュータで形
成され、親制御手段100は、CPU102、入・出力インター
フェース104,106、制御プログラムなどを記憶するROM10
8、制御中におけるデータ例えばオートフォーカスを行
う際のデータなどを記憶するRAM110等を有する。112は
メモリ手段であって光ディスク、磁気ディスク、磁気テ
ープ、あるいは半導体メモリ等の記憶媒体で構成され、
複数の収納棚を備える場合に、各収納棚12に収納される
カートリッジ14などのデータを記憶する。子制御手段10
0Aは、収納棚12内の多数のカートリッジ14の内容と収納
位置等を記憶するメモリ手段114を有する。

各カートリッジ14の内容や収納番地等のデータはキー
ボード116からCPU102に入力され、メモリ手段112あるい
は114に記憶される。またカートリッジ14にバーコード
などのコードを付しておき、収納棚12に収納する際にこ
のコードを読むことによりその内容と収納位置とをメモ
リ手段112、114に入力してもよい。そしてカートリッジ
14の移動が行なわれる度に新しい収納位置がメモリ手段
112または114に記憶される。

目標の画像を検索する場合には、例えばキーボード11
6から目標画像のコード等を入力する。CPU102はメモリ
手段112または114からこの目標画像を含むカートリッジ
14を有する収納棚や目標画像などの情報を子制御手段10
0Aに出力す。子制御手段100Aは、この情報に基き対応す
るカートリッジ14を探し出し、モータ38を作動させてキ
ャリヤ30をこのカートリッジ14の前に移動させる。そし
て次に電磁プランジャ20が励磁されてこのカートリッジ
14がキャリヤ30に移される。この時、この押出したカー
トリッジ14より上のカートリッジ14が１段づつ降下す
る。そしてこのキャリヤ30が上方へ移動し、カートリッ
ジ14をスキャナ42の進入空間46に押し出す。この時リー
ル駆動軸44aが上方へ待避することは前記した通りであ
る。進入空間46に入るとカートリッジ14は爪部材64に保
持され、走行駆動装置44がリール18、48を回転させてフ
ィルム16を走行させる。目標とする画像が来るとEL板54
はフィルム16をガラス板56に押圧する。EL板54が面光源
となって、フィルム16の投影画像がガラス板56、レンズ
58を通してイメージセンサ60に導かれる。このように１
つのカートリッジ14から画像を読出している間に、キャ
リヤ30は次に読出すべきカートリッジ14を運んで、進入
空間46の前（第１図の30Aの位置）で待機する。そし
て、進入空間46内のカートリッジ14からの画像の読出し
が終了すると、復帰手段62の電磁プランジャ66が励磁さ
れて爪部材64からカートリッジ14が解放され、カートリ
ッジ14は収納棚12の最上段（第１図で14Aの位置）に落
下する。

なお目標画像の確認は、マイクロフィルム16に予め記
録してあるブリップマーク（図示せず）などをイメージ
センサ60や別の光センサ（図示せず）で読取ることによ
り可能である。

イメージセンサ60で読取った画像の画像信号ａは信号
処理回路70において各受光素子の特性のバラツキ補正、
シューディング補正、波形整形等種類の処理を受けた
後、子制御手段100Aに入力される。またオートフォーカ
ス動作をする場合には、この回路70は例えば画像信号ａ
の所定空間周波数成分をバンドパスフィルタで選択し、
この成分の絶対値を積分することによりコントラスト信
号を求める。子制御手段100Aはこのコントラスト信号が
最大となる位置にレンズ58を制御する。なおオートフォ
ーカス専用の他の素子、例えば位相差検出方式などの素
子を別途用意してオートフォーカスを行うようにしても
よいのは勿論である。

このようにして画像が読込まれると、この画像信号は
親制御手段100に読み込まれ、CPU102はこのデータを種
類の画像処理装置に出力する。例えばこの画像をCRT118
やプリンタ120に出力させたり、光ディスク装置122など
の他の外部メモリ手段に記憶させたりする。またLAN
（ローカル・エリヤ・ネットワーク）等のデータ通信網
124を利用して遠隔地のファクシミリ）やCRT等に出力さ
せることもできる。なおCPU102はこのデータ通信網124
を利用して外部の画像処理装置からのデータを読込み、
このシステム内で外部からの画像データを利用すること
も可能になる。

この実施例ではカートリッジ14には１つのリール18を
収容するが、フィルムの供給側と巻取側の２つのリール
をカートリッジに収容しておく場合には、スキャナは巻
取用のリール48をもつ必要がないことは勿論である。

このシステムの最小規模のものは、１つのケース10を
ワークステーションと組合わせることにより完成する。
すなわちキーボード116と、CRT118と、プリンタ120と、
制御手段100およびメモリ手段112とで構成できる。

なお、以上の実施例ではケース10の制御は親制御手段
100と子制御手段100Aとで行なうようにしたから、多数
のケース10を接続して大規模化する場合に制御が容易に
なる効果がある。しかし本発明は子制御手段100Aを親制
御手段100と一体化してもよいのは勿論であり、このよ
うなものも包含する。

このシステムを大規模化する場合には、複数のケース
10を多数のワークステーションと接続すればよい。

（発明の効果） 本発明は以上のように、上下方向に積み重ねた収納棚
から目標のカートリッジを抜き出してキャリヤによって
最上部に位置するスキャナに導き、ここで画像を読取っ
た後カートリッジを収納棚内の最上部に戻すようにした
ものであるから、スキャナで画像読出し中にキャリヤは
次のカートリッジを探してスキャナの前で待機すること
ができ、目標画像を読出すのに要するアクセス時間が短
縮できる。また１つのケースの単位が従来の装置に比べ
て小さくできるから設置面積が小さくなり、さらにケー
スを適宜増減することによりシステム規模の変化に容易
に対応できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を用いたシステムの概念図、
第２図はスキャナのカートリッジ収納状態を示す平面図
である。 10……ケース、12……収納棚、 14……カートリッジ、18……リール、 30……キャリヤ、42……スキャナ、 44……走行駆動装置 50……画像リーダ、62……復帰手段、 100A……制御手段、 112、114……メモリ手段。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多数のマイクロフィルムのカートリッジを
   収納した収納棚から目標画像を含むカートリッジを選出
   し、目標画像をイメージセンサにより読出すマイクロフ
   ィルム検索・読取装置において、 カートリッジを上下方向に移動可能かつ側方へ抜き出し
   可能に積み重ねて収納し任意のカートリッジを抜き出す
   とその上方のカートリッジを抜き出したカートリッジの
   厚さ相当分下降するようにした縦長の収納棚と、フィル
   ム走行駆動装置および画像リーダを内臓し前記収納棚の
   上方に配設されたスキャナと、目標のカートリッジを抜
   き出してスキャナに導くキャリヤと、スキャナで目標画
   像の読取り後このカートリッジを収納棚最上部に戻す復
   帰手順と、カートリッジ収納位置を記憶するメモリ手段
   と、前記キャリヤとスキャナと復帰手段を制御する制御
   手段とを備えることを特徴とするマイクロフィルム検索
   ・読取装置。