JP2670794B2 - 電解的経皮投与のための組成物及びそのための経皮パッチ - Google Patents

電解的経皮投与のための組成物及びそのための経皮パッチ

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、タンパク質の電解経皮投与に関し、より詳
細には負のセチェノフ定数を有する解離剤の存在の下で
インシュリンの水溶液または懸濁液を患者の血流に投与
するための電解的経皮投与のための組成物及びそのため
の経皮パッチパッチに関する。
[従来技術および解決しようとする課題] 従来、この種の技術に関する文献としては、以下のも
のがあった。
米国特許第4,557,723号および第4,622,031号;国際特
許出願PCT/US85/00080,PCT/US85/01074およびPCT/US85/
01075;ならびに米国特許出願第702,486号,第778,183
号,第807,234号,第839,523号,第888,151号,第922,2
96号,第554号,および第555号である。
これらの特許および特許出願は、患者の皮膚上の電力
パッチによって薬剤を経皮的に投与する基本的な思想を
開示している。以下のような他の米国特許や他国特許
が、やはり経皮投与およびその医学的効果を開示してい
る。
米国特許 385,556 2,267,162 3,163,166 486,902 2,493,155 3,289,671 588,479 2,784,715 3,547,107 3,677,268 4,239,052 4,367,745 4,008,721 4,243,052 4,367,745 4,141,358 4,273,135 4,406,658 4,164,226 4,290,878 4,419,019 4,166,457 4,325,367 4,474,570 4,239,046 4,362,645 他国特許 欧州第58,920号 ドイツ第2,902,021.83号 英国第2,104,388号 欧州第60,452号 ドイツ第3,225,748号 しかしながら、上掲文献のいずれも、タンパク質薬剤
の効果的な投与についての技術を開示してない。特に、
約20ポリペプチドユニット以上の構造を有して40,000ダ
ルトンもの分子量であるインシュリン,レニン,コルチ
コロピン,カルシトニンおよびグルカゴンなどの高分子
量タンパク質の投与に関する技術は知られていない。
『プリベンション オブ インシュリン セルフ−ア
ソシエーション アン サーフェス アド ソープショ
ン』(Prevention of Insulin Self−Association and
Surface Adsorption)と題する論文〔サトー、エバー
ト、キム、ジャーナル オブ ファーマソーティカル
サイエンス(Sato,Ebert,Kim,Journal of Pharmaceutic
al Sciences)72,No.3,228−232,1983年3月〕が、水内
のインシュリンをダイマー,テトラマー,ヘキサマーお
よびそれ以上の重合体へと結合することについて記述し
ている。この論文はさらに、それらのポリマーをリシ
ン,エチレンジアミンテトラ酢酸塩および尿素などの添
加剤の存在下かつ大きなせん断力の下で、ポリウレタ
ン,シリコン,ラバーおよびセルロースなどのプラスチ
ック表面上にひき続き吸収させることを述べている。
従来、商用インシュリンのイオン泳動は無意味であ
り、血液中のグルコースレベルに著しい変化を示さなか
ったと、ステファン(Stephan)、ペタレンツ(Peterle
nz)、及びヤコブセン(Jacobsen)によるボイオメヂカ
ル バイオケミカル アクタ(Biomedeical Biochemica
l Acta),553−558(1984年)(8人の志願患者につ
いての実験)に記載されている。1匹のブタについて、
非特定、修正かつ高イオン化した、支配的にモノマーで
ある、インシュリンの誘導体を用いて20分間処置した
ら、血糖値が降下した。この論文によれば、イオン泳動
を可能にするためにインシュリンの新しいイオン化形を
合成すべきであり、ヒトの皮膚の高分子量ポリマーに対
する透過性には問題があると、されている。この論文で
述べられている他の問題点は、非透過性を示す商用イン
シュリンのヒト皮膚インシュリン(ほとんど確かな)へ
の結合と、薬剤の首尾良い経皮的電子(sic)移動に対
する緩和としてのインシュリンの弱イオン化の問題であ
る。
本発明は、正常な未変性タンパク質薬剤を、局所印加
電場の手段を用いてヒトおよび他の動物患者に経皮的に
投与するための組成物およびパッチを提供することを目
的としている。
本発明の他の目的は、タンパク質のイオン化の程度や
電荷の量にかかわらず、電場内でタンパク質薬剤を経皮
的に投与するための組成物およびパッチを提供すること
である。
さらに他の目的は、水性媒体中でのタンパク質の解離
を最小化または排除することによってタンパク質薬剤の
経皮投与量を最大化するような組成物およびパッチを提
供することである。
さらに他の目的は、占有面積が最小で、患者の苦痛が
最小であり、最小の寸法・重量ながら十分な電流密度を
もらたし、広範な皮膚条件の下で効率的に動作しうる電
気的アプリケータを用いて、タンパク質薬剤を経皮的に
投与することである。
さらに他の目的は、皮膚の刺激や発赤を起こさず、ま
た蟻走感その他の感覚を伴わない電解装置を用いて、タ
ンパク質薬剤を経皮的に投与することである。
本発明の他の目的は、以下の説明により当業者にとっ
て明白となろう。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、電解手段による患者の血流
への経皮的(皮膚を通した)投与のための本発明の化学
的組成物は、a)タンパク質、b)負のセチェノフ定数
を有する共溶媒、およびc)水、から構成される。
ここで、タンパク質とは、種々の可溶度を有する天然
および合成の変性体;種々の機能形態を有するアルブミ
ン類、グロブリン類、プロラミン類;酸素、ヘモグロビ
ン、ホルモン、ビールス、遺伝子、抗対および核酸;並
びに約20アミノユニット以上のポリペプチドを含む。
タンパク質の分子量は、約2000ダルトン(dalton)の
ポリペプチドから、約5800ダルトンの単一ストライドの
インシュリン、タバコモザイクビールスなどの約40ミリ
オンダルトンの巨大分子まで、広く変化する。
タンパク質集合体を解離するための好適な解離剤は、
平均ペプチドおよび平均メチレン基に対する負の相互作
用パラメター(セチェノフ定数)、それらの和、水から
解離剤溶液への移動の負の標準自由エネルギーを有す
る。
ここで、水とは、通常の状態にある液体の水のことを
意味しており、周囲の温度や圧力その他あり得る条件
(例えば重力)が、混乱原因(例えば放射能や電場、磁
場その他あり得る場)を有していない状態の水を意味し
ている。
緩衝剤、殺生物剤、防腐剤または安定剤などの他の有
用な添加剤が存在しても良い。
本発明に係る新規な化学組成物は、以下の手段および
特徴から成る経皮的電解アプリケータ内で使用すること
を意図している。
すなわち、そのアプリケータは、該アプリケータを形
成し、バッテリー手段により分離される少なくとも2つ
の電極要素;本発明の化学的組成物を収容する容器;前
記電極および容器に電力を供給するための電源を含む、
電子/電解回路;少なくとも容器手段を部分的に包囲す
るカバー手段;並びに該アプリケータを患者の皮膚に保
持するための接着手段から成り、タンパク質が容器から
皮膚を通して患者の血流中へと移動することができるこ
とを特徴としている。
単純タンパク質は、一方のアミノ酸のアミノ基および
他のアミノ酸のカルボン酸からのアミノ結合の形成によ
って連結された、アミノ酸のホモまたはヘテロ濃縮ポリ
マーである。複合タンパク質は、アミノ酸と、核酸、炭
水化物、脂質その他の化学種とを含む。タンパク質は、
繊維状、球状、金属による捺染化、架橋化、集合化され
ていて良い。哺乳動物に必須の20のαアミノ酸が、タン
パク質巨大分子のビルディングブロック(building blo
ck)を構成する。
タンパク質の分子量は、グルカゴン(29ペプチドユニ
ット)などの数千ダルトンから、6ストランドインシュ
リンなどの数万ダルトン、ビールスなどの数百分ダルト
ンまで広く変化し得る。大きなタンパク質の皮膚通過を
可能にするためには、タンパク質が解離することが望ま
しい。もしタンパク質が単一ストランドであるならば、
たとえ完全に折れ重なったり、巻かれたりあるいはラン
ダムポリマーの螺旋径が大きいとしても、その線形巨大
分子の断面はわずか数平方オングストロームにすぎな
い。
インシュリンは、解離の重要性を示す、良く研究され
たタンパク質である。1つの多重ループストランドのイ
ンシュリンが、約5800ダルトンの分子量のアミノ酸を有
するポリペプチドをなす。通常市販されているインシュ
リン(ヒト、ウシ、ブタ)は、約3500ダルトンの分子量
を有するそのような多重ループストランドが6つ連合し
たものである。インシュリンを制御した意味のある量で
経皮的に投与するためには、それを電解経皮装置で完全
に解離することが好ましい。本発明前においては、この
問題を解決する組成物および装置は知られていなかっ
た。患者へと経皮的に投与し得る他のタンパク質は、グ
ルカゴン、カルシトニン、プロタミン、副腎皮質ホルモ
ンおよび種々のグルブリン類などである。
水中でタンパク質の解離をもたらす本発明の重要性を
認識するために、タンパク質および液状水の構造を理解
することが役に立つ。水は、たとえば液状アルゴンなど
のような単純な液体ではない。HOH分子は、中央角104.5
2゜;およびH−O距離約1.41オングストロームを有す
る二等辺三角形である。液状の水は、O−O距離2.76オ
ングストローム、角度109.46゜、および高度に混成され
た2s,2p軌道の四面体構造を有する。事実、氷構造には
9種の異なる形態があり、液状水に多種の構造が可能で
あることを示している。氷は0〜4℃の間で融解する際
に収縮するので、水は開いた構造を有する(ゲルマニウ
ムもまた融解時に収縮する)。水は強く、方向性のある
力を有し、それが水の非理想構造のための強い誘電定数
をもたらす。水と同じような分子量を有するアンモニア
およびメタンは周囲温度において気体状であり、高沸
点、高融点、蒸発の高エントロピーおよび高エンタルピ
ーを有する液状水の強いダイポール−ダイポール相互作
用と通常の液体との差を示す。
2オングストローム未満の相互貫入距離にある水分子
間には、強い斥力が働く。2〜5オングストロームの中
間距離では、水分子間に強い水素結合があり、4の配位
数を有する。氷の昇華のエンタルピーは11.65Kcal/mole
であり、この値は単純なダイポール相互作用より大き
く、化学結合より小さい。
液体の構造の記述的モデルとしては、以下のものを挙
げることができる。
a)空隙に水を充填させた氷の固溶体モデル; b)水晶状凝結体; c)それ自体水和物としての水; d)共働H−結合のちらつきクラスター(flickering c
lusters);および e)2つの構造の混合モデル 水はキセノン,塩素,メタンその他の分子とともに格
子(clathrates)形成して空隙を有することを、化学者
は数十年前から知っていた。液体のこの構造は、H−結
合の距離および角度に依存する。2次元的な意味で、水
は芳香族構造の6角形配列である。
構造的な水の中のアルゴンの可溶度は、アルコール内
のアルゴンの可溶度の約10分の1である。温度が0〜30
℃に上昇するにつれて、水内のアルゴンの可溶度が減少
し、一方アルコール内の可溶度は増大する。水内のメタ
ンのエントロピーのチャージ量は、約−15〜−20e.u.で
あり、アルコール,ジオキサン,およびシクロヘキサン
の中では約−1e.u.である。水の中のメタンのエンタル
ピーの変化量は、約−3000cal/moleであり、上記の有機
物の中では200〜500cal/moleである。溶解プロセスは、
空隙を形成してその中に溶液を導入するというモデルと
して考えることができる。通常の流体においては、空隙
を形成するエネルギーは正であり、空隙を充填すること
は負(引力)である。水はすでに空隙を有しているの
で、空隙形成には約零エネルギーであり、容質を解離
(空隙充填)するためには負のエネルギーである。
エーテル,メチル酢酸塩,ジメチルスルホキシド構造
水などの、ある種の無極性非電解質を加えることによっ
て、水の構造を補強しその圧縮性を減少する。リチウム
やフッ化物などのある種の小さなイオンもまた、水の構
造を補強する。
逆に、たいていのイオン,ヨウ素,メチルハライド,
小さなアミノ酸類,尿素,および他の極性非電解質は、
水の構造破壊物である。
水の構造の正確な解析は複雑な事項ではあるが、ただ
1つの物質についての記述にすぎない。すでに水中で溶
解したタンパク質の解離を正確に記述するには、より多
くの現象を考えなければならない。何故ならば、無数の
タンパク質および無数の共溶媒(cosolvent)または水
と協働する解離剤があるからである。
以下のような種々の現像の用語を並べることによっ
て、タンパク質/解離剤/水の相互作用を正確に記述す
ることの問題点に示唆を与える。
結合/解離、自己結合、重合/解重合ゲル化、細胞内
凝集、固着(binding)、マルチドメインフォールディ
ング(multidomain folding)、親水安定、螺旋促進、
ランダムコイル促進、変性、凍結乾燥、摂動、脱金属、
親水相互作用、サブユニットコンタクト、アッセンブ
リ、および分子量遷移などである。
溶液中でのタンパク質の配座または構造は、少なくと
もタンパク質の濃度,pH,溶媒組成,イオン強度,タンパ
ク質のイオン電荷,溶媒誘電特性,非容質の存在,せん
断応力,ならびに容器,粒体などの不均質第3物体の存
在などに依存する。
水性媒体中でのタンパク質の形状は、中心核を形成す
る疎水領域と水性周囲に向う親水領域とを有する折り重
なった巨大分子であると、一般的に認められている。解
離のプロセスを詳細に記述することは困難であるが、溶
解のプロセスのエネルギーは直接に決定することができ
る。溶液,解離,変性,螺旋化,ゲル化,展開,ならび
にいわゆる3次および4次構造の変化などに関する多く
の情報が、水内および他の含水共溶媒や試薬内における
タンパク質の溶媒および/またはゲル化の詳細な研究か
ら得ることができる。
タンパク質の1次構造とは、その巨大分子鎖に沿っ
て、現われるアミノ酸の順序で示される構造のことであ
る。分子鎖の局部的構成、たとえば螺旋形式,ランダム
コイル,折り重なりなどは、2次構造と呼ばれる。X線
結晶学で示される原子レベルでのタンパク質の全体的空
間配列は、3次構造である。インシュリンの場合の3次
構造が、ホッジキン(Hodgkin)等の文献(ネイチュア
(Nature)、vol.224,1969年11月1日(百周年記念
号)、491〜495ページ)に示されている。4次構造と
は、柔軟な中央ロッド部と2つの硬い端部とを有する亜
鈴状構造など、異なった特性をもつ異なった領域を形成
するいくつかの鎖の構造を意味する。このような領域の
機能は変化し得る。ヘモグロビンにおいては、4つのミ
オグロビン(myoglobin)群が亜鈴形状を形成し、分子
量が約17,000ダルトンであり、中央の柔軟部でなく端部
の2つの硬球に酸素運搬機能がある。
解離剤は、タンパク質の4次構造に非常に影響を与
え、3次構造には関係無く、2次構造に影響することが
でき、1次構造には何の効果ももたらさない。
タンパク質がたとえばヘキサマーからダイマーまたは
水中のインシュリンなどの単一ストランドサブユニット
へ解離する際において、水などの溶媒がタンパク質に与
える効果は、平衡定数KDおよび解離の標準自由エネルギ
ーΔF゜を使って表わすことができる。ヘキサマー,ダ
イマーなど、これうらの異なるフラグメント(fragmen
t)は、一連の平衡中に共存可能である。たとえば、中
位の濃度の純粋溶媒またはプロピルウレア(propylure
a)や過塩素酸ナトリウムなどの解離剤を伴う溶媒と同
時に、ミミズのヘモグロビンは、デュオデカマー(duod
ecamer、20量体),ヘキサマー,テトラマー,ダイマ
ー,および単一フラグメントを有することが可能であ
る。追加的な解離共溶媒が存在する場合には、2つの解
離定数KDWおよびKDAWがある。ここに、DWは純粋を意味
し、DAWは添加剤プラス水を意味する。添加剤とタンパ
ク質との相互作用には、結合定数KBが含まれる。
タンパク質の場合には、結合定数Kは以下の2つの成
分の和である。
極性成分KP:ペプチド結合−NHCOO−に関係する。
親水成分KH:平均親水部分−CHR−(各アミノ酸ごとに異
なるが平均化可能である)に関係する。結合定数は、ネ
ルンスト(Nernst)方程式によってエネルギーに関係づ
けられる。従って、 F゜DW=F゜DAW−mNRT(KP+KH)[da] ここで、mはフラグメントの数、Nは結合部位の数、
かつ[da]は解離共溶媒の濃度である。
固状タンパク質を水などの良く撹拌した溶媒に長時間
(たとえば、1週間)接触させると、平衡飽和溶液が得
られる。
Keq=−RT ln Csat 電解質や非電解質の他の化合物を水に加えると、異な
るCsatが平衡において得られる。この他の値は、純水の
場合のCsatとは通常異なる。添加剤の濃度が上昇するほ
ど、タンパク質の飽和濃度が上昇(または加工)する。
添加された試薬のモル濃度に対するlog Csatのグラフを
作ると、直線になる。この直線の傾斜は、試薬のセチェ
ノフ(Setshenow)定数として知られている。上記の方
程式は負の符号を含んでいるので、可溶度および解離を
助けるような試薬(たとえば、尿素または過塩素酸ナト
リウム)は負のセチェノフ定数を有し、可溶度および解
離を減少する試薬(たとえば、硫酸ナトリウムや硫酸ア
ンモニウム)は正のセチェノフ定数を有する。
KS−KB/2.303 セチェノフ定数KSは、ペプチドおよび親水成分を有す
る。セチェノフ定数KSは、KBを対数変換定数2.303で割
って符号をつけたもので近似できる。移動の標準自由エ
ネルギーが負であるということは自然反応を意味するの
で、水から水の混合物への移動のための負の値F゜は解
離を意味する。負が大きくなればなるほど、解離も大き
くなる。種々の共溶媒の場合の平均的ペプチドおよび親
水基のセチェノフ定数と、それらの和と、移動の自由エ
ネルギー値とをテーブルIに示した。これらは、ハーコ
ビッツ(Herkovits)等の論文〔ジャーナル オブ コ
ロイド アンドインターフェイス サイエンス(Journa
l of Colloid and Interface Science)〕、vol.63,No.
2,p.232,1978年2月号からとったものである。テーブル
Iの下の方に行くほど、良い解離剤となっている。
熱力学が最終的な現実を描写するので、移動の自由エ
ネルギーを掲げた最後のコラムが、本発明の実施に好適
な試薬を示す。すなわち、負の標準自由エネルギーを有
する試薬である。しかしながら、セチェノフ定数は、試
薬が如何に有用であるかを評価するのに役に立つ。ポリ
ペプチド内のペプチド結合との相互作用プラス親水部分
との相互作用の和を表わす“和”のコラムは、ネルンス
ト方程式による自由エネルギーコラムに直接に関連す
る。解離剤がどのように働くかを示すのが、ペプチド相
互作用数および親水性またはメチレン数である。
これまで本発明の課題解決手段を説明したが、以下念
のため、該課題解決手段を再掲する。
本発明は、電解手段による患者の血流への経皮的投与
のための化学的組成物であって、20ペプチドユニットを
超えるタンパク質と、水、及び負のセチェノフ定数を有
する水構造破壊剤とからなると共に、上記タンパク質
は、電流密度が約0.5マイクロアンペア/cm2〜約10ミリ
アンペア/cm2の間で経皮的に移動する特徴を有する、患
者の皮膚を刺激したり、紅斑させたりしない組成物であ
る。
好ましくは、前記水構造破壊剤が、尿素、尿素のアル
キル誘導体、グアニジン塩、ブタノール、2−ブタノー
ル、炭素数3以上の水溶性アミド、ナトリウム沃化物、
カリウム沃化物、ナトリウム過塩素酸塩、ナトリウム酪
酸塩、負のセチェノフ定数を有する水溶性塩、及びこれ
らの混合物からなる群から選択される。
また好ましくは、前記タンパク質が、グルカゴン、プ
ロタミン類、副腎皮質タンパク質ホルモン類、カルシト
ニン、アルブミン類、グロブリン類、インシュリン類、
及びこれらの混合物からなる群から選択される。
また好ましくは、前記タンパク質がインシュリンであ
り、あるいは前記タンパク質がカルシトニンであり、あ
るいはキレート化剤をさらに有し、あるいは緩衝剤をさ
らに有し、あるいは当該組成物を保存するための殺生物
剤をさらに有する。
また好ましくは、患者の血流に少なくとも1つのタン
パク質薬剤を投与するための経皮パッチであって、a)
バッテリー、陽極、陰極、及びタンパク質薬剤容器から
なる経皮移動用電解手段と、b)上記タンパク質薬剤容
器内に配されたものであって、20ペプリトユニットを超
えるタンパク質と、水、及び負のセチェノフ定数を有す
る水構造破壊剤とからなる経皮移動のための化学的組成
物とからなり、約0.5マイクロアンペア/cm2〜約10ミリ
アンペア/cm2の間の電流密度で動作する。
また好ましくは、電流密度が約5マイクロアンペア/c
m2〜約1ミリアンペア/cm2の間で作動し、あるいは前記
容器が、約0.01ml〜約15mlの上記組成物を保持し、ある
いは前記容器の一方側上に、該容器を患者の皮膚上に載
せるために適用される半透膜をさらに有する。
また好ましくは前記タンパク質が、グルカゴン、プロ
タミン類、副腎皮質タンパク質ホルモン類、カルシトニ
ン、アルブミン類、グロブリン類、インシュリン類、及
びこれらの混合物からなる群から選択される。
また好ましくは、前記タンパク質がインシェリンであ
り、あるいは前記タンパク質がカルシトニンであり、あ
るいは前記水構造破壊剤が、尿素、尿素のアルキル誘導
体、グアニジン塩、ブタノール、2−ブタノール、炭素
数3以上の水溶性アミド、ナトリウム沃化物、カリウム
沃化物、ナトリウム過塩素酸塩、ナトリウム酪酸塩、負
のセチェノフ定数を有する水溶性塩、及びこれらの混合
物からなる群から選択される。
また好ましくは、20ペプチドユニットを超えるタンパ
ク質と、水、及び負のセチェノフ定数を有する水構造破
壊剤とからなる電解手段により患者の血流への経皮的投
与のための化学的組成物である。
また好ましくは、前記水構造破壊剤が、尿素、尿素の
アルキル誘導体、グアニジン塩、ブタノール、2−ブタ
ノール、炭素数3以上の水溶性アミド、ナトリウム沃化
物、ナトリウム過塩素酸塩、ナトリウム酪酸塩、負のセ
チェノフ定数を有する水溶性塩、及びこれらの混合物か
らなる群から選択される。
また好ましくは、前記タンパク質がインシュリンであ
り、あるいはキレート化剤をさらに有し、あるいは緩衝
剤をさらに有し、あるいは当該組成物を保存するための
殺生物剤をさらに有する。
負のパラメターを2つ持つ尿素および塩酸グアニジン
は、全巨大分子と相互作用し、4次構造を離解し、そし
てたぶん2次構造を展開し、本発明にとって特に好適で
ある過塩素酸ナトリウム,ヨウ化カリウムなどは、ペプ
チド結合と強く相互作用する。それにより、タンパク質
の親水結合との相互作用がなく、タンパク質の解離をさ
ほど妨げない。これらの試薬は本発明の実施に有用であ
る。エタノール,ジオキサン,および他の有機物は、親
水部分(通常、タンパク質の核部分)と強く反応する
が、有機溶媒の非極性を克服するほど十分ではない。し
かしながら、エタノールに関するデータは分離してい
る。このような試薬は、本発明の実施における使用に限
界がある。セチェノフ定数として2つとも正の成分をも
ち、ゆえに移動の標準自由エネルギーが正である試薬
は、テーブルIには示されていない。
炭素原子数3以上の可溶性アミド類が解離剤として従
来から良く知られているが、これらのセチェノフ定数は
容易に得られずテーブルIに示していない。これらもま
た本発明の範囲内に含まれる。
電気泳動とは、容質および溶媒がともに電場内で移動
することである。イオン泳動(ionophoresis)とは、荷
電イオンが電場内でクーロン引力または斥力によって移
動することである。電気浸透(electroosmosis)とは、
電場内における溶媒の移動である。
電解手段による薬剤の経皮投与に伴う問題点および最
良モードを研究する場合において、当業者はイオン泳動
を過大評価し電気浸透を過少評価している。事実、薬剤
の経皮的電力投与の本質は、薬剤の移動がクーロン引力
/斥力によるのかあるいは電気浸透溶媒流によるのかと
いうことにかかわらず、制御および最大化が中心的事項
であった。本発明においては、従来技術と異なり、ファ
ラデイの法則とは無関係である。多くの状況、特にイン
シュリンなどのタンパク質の経皮投与の場合において、
イオン泳動よりも電気浸透によって多量の薬剤が運ば
れ、それによりタンパク質のイオン化の程度または電荷
の量は重要ではない。本発明の開示前においては、この
事実は全く評価されなかった。従来の技術者たちは、酸
化または加水分解によりタンパク質の荷電密度を増大さ
せることによって、イオン泳動を改良しようとした。本
発明の場合には、薬剤の荷電密度の値はドーズ量を制御
しない。
電子伝導とは、電場内の電子の移動である。電解伝導
またはイオン伝導(electrolytic conduction)とは、
電場内のイオン移動である。従来の技術者たちは、電子
の流れおよびイオンの流れに関して混同をしていたの
で、彼等の結果を良く伝達したり彼等の考えを良く説明
したりすることができなかった。本発明のアプリケータ
の場合には、電極における電流は電子によるものであ
り、容器内および皮膚を通じた電流はイオンによるもの
であるが、水または水性媒体内で電場内のタンパク質の
鎖に沿って電子流をつくることが可能である。
本発明の生体について実施する際の電気的変数の値
は、電気浸透に関係するものであってイオン泳動に関す
るものではない。電流密度は約0.5マイクロアンペア/cm
2から約1ミリアンペア/cm2まで変化し、イオン泳動に
関する値1ミリアンペア/cm2〜5ミリアンペア/cm2より
も約0.5マイクロアンペア/cm2〜約1ミリアンペア/cm2
の範囲が好適である。本発明のアプリケータを動作する
ために印加する電圧は、イオン泳動にとって好ましい50
〜100ボルトまたはそれ以上ではなく、約1〜約40ボル
トである。同様に、電解場内における水の泳動流は、イ
オンを推進するファラデイの法則に従ったイオン泳動の
ための典型的な値ではなく、約0.001ml/cm2/時間〜約0.
005ml/cm2/(電気浸透の定数)という高い値である。
本発明で用いる電流密度は患者の皮膚の刺激,発赤ま
たは紅斑を防ぐように十分に低いことが特に好ましい。
本発明に従った化学的組成物は、タンパク質薬剤、負
のセチェノフ定数を有する共溶媒、および水の3種の成
分を有する。この共溶媒を共溶質と考えることもでき
る。加えて、本組成物は、生理的平衡のための塩、緩衝
剤、消毒剤、抗生物質、防腐剤その他の添加剤を含んで
も良い。
タンパク質を脱金属化するために、本発明の化学的組
成物にキレート化剤を加えることがしばしば有用であ
る。金属化はポリペプチド鎖に結合する金属カチオンを
除去することによってタンパク質の4次構造を変化させ
る。タンパク質構造の一体部分となる金属イオンとして
は、マグネシウム,亜鉛,銅,クロム,コバルト,ニッ
ケル,鉄,およびマンガンがある。エチレンジアミンテ
トラ酢酸(EDTA)の塩などのような従来のキレート化剤
の多くを用いることができる。他の従来のキレート化剤
を用いることもできる。
なお本説明中、ブタノール、2−ブタノールを水構造
破壊剤として用いることができる。すなわち水構造破壊
剤は、ブタノール、2−ブタノールであってもよい。
[実施例] 図面第1図に、本発明の実施例である薬剤アプリケー
タ10の断面図を示す。アプリケータ10は、隆起部分14を
有する外側カバー12と、患者の皮膚18に接触する外端リ
ップ16とから成る。薬剤アプリケータ10の層状構造は、
長方形,楕円形,真円形,または身体部分表面の裂け目
に嵌合する傾斜形状など、効果的な在来のどんな形状・
寸法であっても良い。アプリケータの寸法は、患者の種
類,年令および大きさならびに使用法に応じて、約10cm
2〜薬200cm2の範囲で変化させることができる。
アプリケータ10は、水平層構造をとっても良い、第1
図において皮膚18に最も近接している層は、任意的な半
透膜22であり、そこを通って薬剤が拡散し皮膚18に付着
する。任意的な膜22は、半透性セルロース酢酸塩,ポリ
(ビニルクロライド),または再生セルロースで作るこ
とができる。
任意的な半透膜22の上方には、電解的に投与すべき薬
剤の供給を保つため、容器,領域またはパウチ(pouc
h)24と、他の電極のための容器とがある。好適には容
器24は、閉鎖空間を画成し、可撓性である。パウチ24を
形成するのに用いる代表的な材料は、レーヨンフロック
(rayonfloc),ポリウレタンスポンジ,およびラテッ
クス形態の疎水性接着剤である。この容器はまた、疎水
性ゲルから成ることもある。本発明のタンパク質溶液ま
たは懸濁液を含むために、容器24の容積は約0.01ml〜約
15mlの範囲である。患者の大きさ,種類,および年令に
応じて、1日あたり約500ナノグラム〜1mgの量のタンパ
ク質薬剤の投与を1週間続けるために、容器24の容積は
約0.15ml〜約0.9mlが好ましい。容器24のゲル,パウチ
または壁は、タンパク質の溶媒,溶液または懸濁液を電
場により移動させるのに充分にミクロ細孔を有すべきで
ある。しかし、タンパク質薬剤の溶液または懸濁液の漏
出を許すほど多孔性であってはならない。任意的半透膜
22を用いるか否かの選択は、容器24のデザインおよび材
料の選択と相互関係にある。何故ならば、両者の機能は
重複的だからである。
第1図における容器24のすぐ上にある層は、好適には
バッテリー28の下面である拡張接触部26である。接触部
26は好適には、皮膚の表面に一致するよう充分に可撓性
であり、また電子伝導的である。接触部26の好適な材料
は、導電ポリマー,炭素化プラスチックフィルム,また
は高導電性の粒状もしくは固状炭素もしくはグラファイ
トを塗布したプラスチック表面である。
次に上の層はバッテリー28であり、内部で直列に接続
した1群のセルから成り、所定のタンパク質の電気泳動
作用をもたらすのに必要な所望の電圧を発生させる。バ
ッテリー28の方向は、通常アノードからの内方浸透の方
向に依存する。バッテリー28に関しては、一般的に入手
可能な在来のどんな小型バッテリーセルも用いることが
でき、所望の動作電圧を得るために直列に接続して配列
することができる。加えて、導電ポリマーを用いて薄い
可撓性シートでバッテリーを作る技術が存在する。これ
は、薄さの割に大面積であって、適切な電流密度をもた
らす。そのようないわゆるプラスチックバッテリーが、
文献バッテリーズ トゥディ(Batteries today)(198
1年秋第10,11,24ページ)に記載されている。そのよう
なバッテリーを用いることには、セルを直列に位置し多
数のシート間に効果的な中間体を位置させるようにシー
トを層状に配列することができる。第1図に略示するよ
うに、シートを斜めに配列することによって、シートの
表面積を大きくすることができる。もちろんバッテリー
の選択は、望まれる柔軟性の程度、特定用途に要求され
る電圧および電流密度、ならびに放電時間などの要因に
依存する。
第1図においてバッテリー28の上に電気的接触部32が
あり、そのデザイン・材料とも電気的接触部26に類似し
ており、バッテリーの逆極側を形成する。
薬剤アプリケータ10の上記の各層をすべて包囲するカ
バー12は、炭素を含浸させたプラスチックポリマー、そ
れ自体導電性のポリマーまたは表面を金属化したポリマ
ーなどの可撓性導電材料でできている。絶縁材料34が、
隆起部分14の壁と電解質を含む種々の水性層との間の空
間を充填する。好適な絶縁材料は、ポリエステル,シリ
コン,その他の薬剤共存可能プラスチックである。変形
的には、完全に絶縁性のカバーで前述のすべての作用成
分を包囲しても良い。
薬剤アプリケータ10を患者の皮膚18に良好に接触して
固着させるために、導電性接着性36をリップ16の下に塗
布する。適切な導電性接着材料は、カーボンまたはグラ
ファイトなどの粒状導電体を満たした接着材料である。
上述のような配列は、バッテリー28の一方の極から、
カバー12,接着材料36,皮膚18,ミクロ細孔膜22,液体容器
24,そしてバッテリー28へもどる完全な電気回路を構成
する。容器を分割して別個のアノード・カソード区画を
構成し、間に絶縁体を介在させ、個別的区画内にバッテ
リーを配することも可能である。
上記薬剤アプリケータは、たとえば一様直流電流など
種々のモードで電気的動作を実行することができる。種
々のパルス幅および周波数のパルス電圧を電源から印加
することができる。のこぎり波電圧もしくは反転タイ
プ,正弦波,または交番電圧源もまた、本発明の範囲内
である。
バッテリーのタイプおよび方向が、とりわけ米国特許
第4,557,723号および第4,640,689号に開示されている。
使用し得る回路のタイプが前掲文献に開示されている。
本発明の組成物により投与する好適なタンパク質は、
インシュリン(insulin)、プロタミン(protamin)、
グルカゴン(glucagon)、カルシトニン(calcitoni
n)、タンパク質副腎ホルモン(proteinaceous adrenal
hormones)その他の化合物である。アルブミン(album
in)などの他のタンパク質も、電解装置によって経皮的
に投与することができる。グロブリン類(globulin
s)、破傷風(tetanus)、狂犬病(rabies)などの血液
分に関係するタンパク質およびその他のタンパク質また
は抗体を用いることもでき、酵素または他のタンパク質
要素を用いても良い。
本明細書においては、約20以上のαアミノ酸を有する
ポリペプチドを「タンパク質」と呼ぶ。従って、グルカ
ゴン(29ユニット)、カルシトニン(32ユニット)、お
よびコルチコトロピン(corticortropin)(39ユニッ
ト)と同様に、「タンパク質」である。約3〜約20のα
アミノ酸ユニットを有するポリペプチドは「ポリペプチ
ド」と呼び、本発明の実施に好ましくはない。
これまで負のセチェノフ定数を有するタンパク質解離
剤,および水性電解質から成る本発明の組成物について
述べ、タンパク質の経皮投与のための電解的薬剤アプリ
ケータの好適実施例を説明してきた。次に本発明の実施
した実例を説明する。以下の実例は本発明の範囲を制限
するものではなく、本発明の教示に含まれる他の手段に
よっても実行可能である。
実例1 本実例では、並列容器および電極を有する小さな電解
的経皮装置の製造について述べる。他の可能なデザイン
としては、第1図に示すように、絶縁フレーム形カソー
ドによって薬剤容器アノードが包囲された縁どり写真の
ようなデザインがある。
並列容器および電極は、皮膚の隣りにレーヨンガーゼ
を有する〔ジョンソン アンド ジョンソン カンパニ
ー、米国ニュージャジー州 ニューブランズウィック
(Johnson & Jonson Co.,New Brunswich,New Jerse
y)〕。2枚の縁どりレーヨンパッド(5cm×8cm×0.5c
m)の上に、0.2mmマイラー(Mylar)ポリエステルフィ
ルム〔デュポン カンパニー、米国デラウェア州ウィル
ミントン(duPont Co.,Wilmingston,Delaware)の中央
絶縁体を包囲するU字形ポリエステルフィルム(0.1mm
厚、導電グラファイト塗料〔ベルテック コーポレイシ
ョン、米国バーモント州セントアルバンス(Bertek Cor
p.,St.Albans,Vermont)で被覆〕を載せる。U字形グラ
ファイト化ポリエステルフィルムの上部表面を9Vのバッ
テリー〔イーワン パワー コーポレーション、米国カ
リフォルニア州サンタアンナ(E1 Power Corp.,Santa
Anna,California)〕に接続する。フェルトで覆った容
器パッドと電極それにそれらの間のガーゼベース内の絶
縁バンドの周辺は、RTVシリコン樹脂〔ダウ コーニン
グ カンパニー、米国ミシガン州ミッドランド(Dow Co
rning Co.,Midland,Michigan)である。装置の上部およ
び側部には外科用接着テープ(Hy−Tape)〔サージカル
ホステリー コーポレーション、米国ニューヨーク州
ニューヨーク(Surgical Hosiery Corp.,New York,New
York)を巻いている。各容器がそれぞれ6mlの水性液体
を保持することができる。
実例2 本実例では、本発明の組成物によって、尿素を用いラ
ビットにインシュリンを経皮的に投与する例を示す。
8匹の健康なアルビノラビット(albino rabbit)に
ついて標準的な臨床条件の下で、24日間の平均をとっ
た。前日にラビットの背中の毛を刈り取り、テストの日
にカスティル石鹸で洗浄し、実例1で得た6ml容器2つ
を含む7.5cm×10cm電解パッチを付けた。負の容器は、
正常なヒトのインシュリン(Lilly,Humilin R)を500IU
および1%(0.16M)の尿素を含んでいた。正の容器
は、0.9%生理的食塩水を5ml含んでいた。パッチを刈り
取った皮膚の隣りに弾性テープを用いて保持した。ラビ
ットを10時間のテストの間拘束した。
テストの0,4,5,6,7,8,9および10時間のときに、各ラ
ビットの耳の中間血管から血液を採取した。アキューチ
ェックII血液グルコースモニター(商標:Accu−check I
I blood glucose monitor)〔ボーリンガー マンハイ
ム カンパニー、米国コネチカット州リッジフィールド
(Boehringer Manheim Co.,Ridgefield,Conn.)〕を用
いて、血液グルコースを決定した。ファーマシア コー
ポレーション、米国ニュージャジー州ピストキャットウ
ェイ(Pharmacia Corp.、Pistcataway,New Jersuy)社
のインシュリン 100アール アイ エー(商標:Insuli
n100 RIA)キットを用いて、放射線免疫分析(Radioimm
uno assays,RIA)を行なった。
放射能値を標準化して、トレイコール コーポレイシ
ョン(米国テキサス州オースチン)〔Tracor Corp.、Au
stin Texas)のガンマカウンター上でカウントした。
パッチモデルYは、パッチモデルXの2倍の電流密度
をもたらした。
本実例についての8匹のラビットすべてのインシュリ
ンデータをテーブル2Aに示した。パッチモデルYを付け
た1匹のラビットが、インシュリン過剰ドーズにより8
時間のときに死亡した。テーブル2Aを検討すると、経皮
投与は8匹中5匹のラビットにおいて有効であり、この
時間間隔で1匹において限界的であることが分かる。
テーブル2Bは、種々のテストポイントにおける8匹す
べてのラビットの血液グルコース値を示す。テーブル2B
を検討すると、8匹中7匹のラビットにおいてグルコー
スレベルが種々の程度に下降したことが分かる。糖尿病
ラビットについてのグラフを第2図、第3図に示すので
参照されたい。
比較例1 本比較例においては、インシュリンなどのタンパク質
を患者の血流中に十分投与するために、薬剤容器の組成
物中に負のセチェノフ定数を有する化合物を含むことの
必要性を示す。解離剤無しでは、非常にわずかな量のイ
ンシュリンしか電気浸透によって投与されない。
実例1の手順で準備したパッチと実例2のインシュリ
ンテストを用いて、4匹のアルビノラビットについてパ
ッチで処置をした。このパッチは、500IUのハムリンR
(Humilin R)〔リリーカンパニー、米国インディアナ
州インディアナポリス(Lilly Co.,Indianapolis,In
d.)〕を含む5mlを保ち、しかし解離剤は含まず、陰極
部分に0.9%生理的食塩水を含んだ。
テーブルCEは、指示の時点におけるラビット血液サン
プル中のインシュリン値を示す。本発明の解離剤無しで
はインシュリン移動量が小さいので、血液グルコースデ
ータは得られなかった。
2つの異常値を無視すれば、テーブルCEを検討するこ
とにより、2匹のラビット(No.367,547)のみが測定可
能なインシュリンドーズ量を受けたことが分かる。
実験例1 本実験例は、本発明のタンパク質組成物を電解的経皮
アプリケータに用いることによって、注射の必要性を除
去してそれによる外傷無しにタンパク質薬剤を患者の血
流中に徐々に導入することを示す。
6mlの正の薬剤容器を有する、実例1の電解パッチ12
個について実験をした。このパッチは、mlあたり2mgの
活性プロタミン硫酸塩(〔リリー、インジェクション
USP(Lilly,Injection USP)、1.5%のヨウ化ナトリウ
ム、および商用USPプロタミン中に見出される0.9%の塩
化ナトリウムを含む。負の容器は0.9%の生理的食塩水
を含む。
実例2のように準備した12匹のアルビノラビットの各
々について標準血液凝固時間を決定した。時刻零におい
て、実例2の電解経皮パッチを12匹のラビットに取付け
た。6匹のコントロール用パッチにはバッテリーを付け
なかった。3時に、すべての12匹のラビットに、500ユ
ニットのヘパリン ソディウム USP(Heparin Sodium
Injection USP)〔アップ ジョン カンパニー、米国
ミシガン州カラマズー(Upjohn Co.,Kalamazoo,Mic
h.)〕を皮下注射した。3時20分に、すべての12匹のラ
ビットから採取した血液の1mlサンプルについて、凝血
時間を測定した。
本発明の動作するプロタミンタンパク質電解経皮パッ
チを付けたラビットは、動作しないプロタミン硫酸塩経
皮パッチを付けたコントロールラビットよりも、凝血時
間がかなり短いことが分かった。ヒトにプロタミンを急
速に注射すると呼吸困難、潮紅、心拍緩徐、および血圧
低下をきたすことに注意すべきである。
実験例2 本実験例は、大寸法の電解パッチを用いて32ユニット
ポリペプチドのカルシトニンを成人に投与して、その血
液中のカルシウムレベルを低下させ、骨吸収(ページェ
ット病)を阻止することを示す。有益な副作用として、
カルシトニンの遅い投与によって、聴覚神経障害が改善
され、高心拍出量が低下し、閉経期後の骨孔症の治療が
できる。
実例1におけると同様に、12cm×8cm×0.6cmのフェル
ト化レーヨンパッドに基づいて、電解パッチを作る。3
ボルトのニッケル−カドミウムウェファバッテリーを3
個用いて、頂部で直列に接続する。側部周辺部およびカ
バーを0.15mmのPVC膜で作る。2つの並列容器の底部と
皮膚との間に、半透性限界濾過膜を用いない。
薬剤容器区画は、mlあたり200IUのカルシトニン−サ
ーモンと、5mgのフェノール殺生物剤と少量の塩化ナト
リウムとを含む12mlカルシマー(Calcimar)合成サーモ
ン−カルシトニン〔USV,米国ニューヨーク州テリータウ
ン(Tarrytown,New York)〕;酢酸ナトリウム;酢酸;
および0.2Mの過塩素酸ナトリウム(負のセチェノフ定数
を有する)内での強化および緩衝のための塩酸ナトリウ
ムから成る。電流密度は5マイクロアンペア/cm2であ
り、1時間あたり50IUを投与できる。
成人男子患者を20日間にわたって観察した結果、患者
のカルシウムが平均12%も低下した。これは、血液カル
シウムレベルを大体9%しか低下させない注射の反復よ
りも著しく利益がある。
実験例3 本実施例は、注射の反復を必要とせず本発明の組成物
を用いて患者内にグルカゴンを電解的経皮的に投与し、
キャッチオールアミン類(catceholamines)の解放の可
能性を低くし、高血糖を制御し島細胞腫(insulinoma)
および/または褐色細胞腫を防止することを示す。グル
カゴンは、29のペプチドユニットを有するタンパク質で
あり、アミノ酸33〜61のグリセンティン(glicentin)
から成る。生体内において、グルカゴンが合成され、分
子量約18,000をもってマルチストランド化される。ビー
フまたはポークの臓からの商用抽出物は、3483の分子量
を有する単一ストランドである。
実例1におけるように、6匹のラビットを用意して、
実例2の電解経皮パッチを取付けた。戻り容器は0.9%
の生理的食塩水溶液を含んでいた。薬剤容器は、負のセ
チェノフ定数を有する0.2Mプロピルウレア(propylure
a)内に100ユニットのグルカゴン(既出リリー カンパ
ニーのインジェクション USPのためのNo.668グルカゴン
(Glucagon))を含んだ。3マイクロアンペア/cm2の電
流密度は、血糖値の上昇を制御するのに十分低い。零時
間の血糖値を8,16,24...時間の値と4日間比較した結
果、血糖値が平均約12%上昇していることが分かった。
実験例4 本実験例は、本発明の組成物によって、コルチコトロ
ピンを連続的に低いレベルで経皮的に投与することを示
す。ヒト、羊、豚、およびウシの副腎皮質刺激ホルモン
(ACTH)はすべて25,31および33の位置のアミノ酸の組
成がわずかに異なる、39ユニットのポリペプチドであ
る。
実験例3と同一の手順によって、ACTHAR−40(商標:
アーマー カンパニー(Armour Co.,)、米国ニューヨ
ーク州テリータウン(Tarrytown,New York)を8匹のラ
ビットに導入した。ラビットの血液中のコルチゾール、
コルチコステロン、およびアルドステロンを8日間、6
時間毎に観察した。5マイクロアンペア/cm2の電流密度
によって、薬剤が経皮的に1.5USPユニット/時の速度で
投与された。薬剤容器は、負のセチェノフ定数を有する
0.25Mヨウ化カリウム内に400ユニットを含んでいた。
電解経皮装置のこの8日間テストの前の値に比較し
て、ACTHARを投与したラビットのコルチゾール、コルチ
コステロン、およびアルドステロンのレベルが平均約15
%増加した。
他に多くの実施例が当業者にとって明白であろうが、
それらはみな特許請求の範囲で示される本発明の範囲に
属す。
[発明の効果] 以上のように、本発明に従った組成物および経皮投与
パッチによれば、約20以上ペプチドユニットを有するタ
ンパク質薬剤をヒトや動物に対し電解的に経皮投与する
ことができるという効果を奏する。しかもパッチの占有
面積が小さく、患者の皮膚に刺激を与えないで、充分な
量のポリペプチドの投与が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、タンパク質を経皮的に投与するための本発明
に従った薬剤アプリケータ(経皮パッチ)の一実施例の
断面図である。 第2図は、アロキサンで誘導した糖尿病ラビットに、パ
ワー無しのインシュリン充填パッチを用いてインシュリ
ンを経皮的に投与した際の血液グルコース濃度及び血清
インシュリン濃度を、時間に対してプロットしたグラフ
である。 第3図は、アロキサンで誘導した糖尿病ラビットに、パ
ワー付きのインシュリン充填パッチを用いて経皮的に投
与した際の血液グリコース濃度および血清インシュリン
濃度を、時間に対してプロットしたグラフである。 10:薬剤アプリケータ、12:外側カバー 14:隆起部分、16:外端リップ 18:皮膚、22:半透膜 24:容器、26:接触部 28:バッテリー、32:接触部 34:絶縁材料、36:導電性接着性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61M 37/00 A61K 37/04 (72)発明者 サンフォード ローゼン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10028 ニューヨーク イースト 86ス ストリート 64 (56)参考文献 特開 昭59−118167(JP,A) 特開 昭61−259679(JP,A)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解手段による患者の血流への経皮的投与
    のための化学的組成物であって、 20ペプチドユニットを超えるタンパク質と、水、及び負
    のセチェノフ定数を有する水構造破壊剤とからなると共
    に、上記タンパク質は、電流密度が約0.5マイクロアン
    ペア/cm2〜約10ミリアンペア/cm2の間で経皮的に移動す
    る特徴を有する、患者の皮膚を刺激したり、紅斑させた
    りしない組成物。
  2. 【請求項2】前記水構造破壊剤が、尿素、尿素のアルキ
    ル誘導体、グアニジン塩、ブタノール、2−ブタノー
    ル、炭素数3以上の水溶性アミド、ナトリウム沃化物、
    カリウム沃化物、ナトリウム過塩素酸塩、ナトリウム酪
    酸塩、負のセチェノフ定数を有する水溶性塩、及びこれ
    らの混合物からなる群から選択されることを特徴とする
    請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記タンパク質が、グルカゴン、プロタミ
    ン類、副腎皮質タンパク質ホルモン類、カルシトニン、
    アルブミン類、グロブリン類、インシュリン類、及びこ
    れらの混合物からなる群から選択されることを特徴とす
    る請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記タンパク質がインシュリンであること
    を特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記タンパク質がカルシトニンであること
    を特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】キレート化剤をさらに有することを特徴と
    する請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】緩衝剤をさらに有することを特徴とする請
    求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】当該組成物を保存するための殺生物剤をさ
    らに有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 【請求項9】患者の血流に少なくとも1つのタンパク質
    薬剤を投与するための経皮パッチであって、 a)バッテリー、陽極、陰極、及びタンパク質薬剤容器
    からなる経皮移動用電解手段と、 b)上記タンパク質薬剤容器内に配されたものであっ
    て、20ペプチドユニットを超えるタンパク質と、水、及
    び負のセチェノフ定数を有する水構造破壊剤とからなる
    経皮移動のための化学的組成物 とからなり、 約0.5マイクロアンペア/cm2〜約10ミリアンペア/cm2
    間の電流密度で動作することを特徴とする経皮パッチ。
  10. 【請求項10】電流密度が約5マイクロアンペア/cm2
    約1ミリアンペア/cm2の間で作動することを特徴とする
    請求項9に記載の経皮パッチ。
  11. 【請求項11】前記容器が、約0.01ml〜約15mlの上記組
    成物を保持することを特徴とする請求項9に記載の経皮
    パッチ。
  12. 【請求項12】前記容器の一方側上に、該容器を患者の
    皮膚上に載せるために適用される半透膜をさらに有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の経皮パッチ。
  13. 【請求項13】前記タンパク質が、グルカゴン、プロタ
    ミン類、副腎皮質タンパク質ホルモン類、カルシトニ
    ン、アルブミン類、グロブリン類、インシュリン類、及
    びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴
    とする請求項9に記載の経皮パッチ。
  14. 【請求項14】前記タンパク質がインシュリンであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の経皮パッチ。
  15. 【請求項15】前記タンパク質がカルシトニンであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の経皮パッチ。
  16. 【請求項16】前記水構造破壊剤が、尿素、尿素のアル
    キル誘導体、グアニジン塩、ブタノール、2−ブタノー
    ル、炭素数3以上の水溶性アミド、ナトリウム沃化物、
    カリウム沃化物、ナトリウム過塩素酸塩、ナトリウム酪
    酸塩、負のセチェノフ定数を有する水溶性塩、及びこれ
    らの混合物からなる群から選択されることを特徴とする
    請求項9に記載の経皮パッチ。
  17. 【請求項17】20ペプチドユニットを超えるタンパク質
    と、水、及び負のセチェノフ定数を有する水構造破壊剤
    とからなる電解手段により患者の血流への経皮的投与の
    ための化学的組成物。
  18. 【請求項18】前記水構造破壊剤が、尿素、尿素のアル
    キル誘導体、グアニジン塩、ブタノール、2−ブタノー
    ル、炭素数3以上の水溶性アミド、ナトリウム沃化物、
    ナトリウム過塩素酸塩、ナトリウム酪酸塩、負のセチェ
    ノフ定数を有する水溶性塩、及びこれらの混合物からな
    る群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の
    組成物。
  19. 【請求項19】前記タンパク質がインシュリンであるこ
    とを特徴とする請求項17に記載の組成物。
  20. 【請求項20】キレート化剤をさらに有することを特徴
    とする請求項18に記載の組成物。
  21. 【請求項21】緩衝剤をさらに有することを特徴とする
    請求項19に記載の組成物。
  22. 【請求項22】当該組成物を保存するための殺生物剤を
    さらに有することを特徴とする請求項20に記載の組成
    物。
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