JP2669804B2

JP2669804B2 - 長尺物立体倉庫

Info

Publication number: JP2669804B2
Application number: JP19685195A
Authority: JP
Inventors: 治彦中田; 慎二藤ノ原; 泰造筒井; 匡渡辺
Original assignee: Kawasaki Jukogyo KK
Current assignee: Kawasaki Motors Ltd
Priority date: 1995-08-01
Filing date: 1995-08-01
Publication date: 1997-10-29
Anticipated expiration: 2015-08-01
Also published as: JPH0940117A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄所などで発生
する鋼片材料などの長尺物を、予め定める複数個単位で
仕分けして一時的な保管を行うことができる長尺物立体
倉庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】製鉄所等では、中間工程や最終工程で種
々の長尺物を取扱う必要がある。それらの長尺物は、単
品あるいは複数単位で結束されて搬送される。長尺物を
仕分けたり、一時保管したりする場合には、長尺である
ため収納効率が悪く、その取扱いも困難である。

【０００３】長尺物を自動的に取扱うための長尺物立体
自動倉庫に関する典型的な先行技術は、たとえば特開平
５−２９４４１８号公報に開示されている。この先行技
術では、多段の受梁を突出させた支柱を並べて形成する
収納棚に、各段１本ずつの長尺物を収納可能である。

【０００４】一般に複数本の長尺物を保管する場合は、
複数本毎にＵ字形のパレットに入れて保管されている。
複数本の長尺物のうちから１本の長尺物を選ぶ場合は、
リフティングマグネット機構などによって取出す。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】長尺物は、個別に取扱
われる場合も多いけれども、複数本をまとめて１単位と
して取扱われる場合もある。収納棚に１本ずつの長尺物
を保管する場合は、複数本の長尺物を取扱う必要がある
場合に時間がかかる。

【０００６】特開平５−２９４４１８号公報のような先
行技術では、各収納棚に１本ずつの長尺物しか保管する
ことができないので、長尺物の保管から搬送の作業に時
間がかかり効率が悪い。複数本毎に長尺物を保管し、リ
フティングマグネットによって取出す先行技術の場合
は、長尺物がステンレス鋼などで非磁性の場合は、磁力
による吸着を行うことができないので、取扱いが不可能
である。置き場不足などのために、１パレットに３０〜
４０本に達する多数の長尺物を収納している場合には、
パレットの下方にある長尺物を取出す必要がある場合
に、上方にある長尺物を一旦撤去しなければならないの
で作業効率が悪い。

【０００７】本発明の目的は、複数本の長尺物をまとめ
て取扱うこともでき、個別的に取扱うこともでき、しか
もその材質に制限がない長尺物立体倉庫を提供すること
である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、長尺物を保管
するための複数の収納棚が鉛直方向に間隔をあけて多段
に配設されるラックと、ラックの側面に沿って移動可能
で、各収納棚との間で長尺物の移載を行うスタッカーク
レーンとを備える長尺物立体倉庫において、各収納棚に
は、複数の長尺物が載置可能であり、スタッカークレー
ンに備えられ、収納棚の下方に挿入可能な昇降用フォー
クと、昇降用フォークに設置され、昇降用フォークを
収納棚の下方に挿入した状態で、長尺物を個別的に昇降
変位可能なリフタと、スタッカークレーンに備えられ、
収納棚の上方に挿入可能で、上昇状態のリフタとの間で
長尺物の移載が可能な搬送用フォークとを含むことを特
徴とする長尺物立体倉庫である。本発明に従えば、各段
の収納棚には、複数の長尺物が載置可能である。各長尺
物は、フォークの挿入方向と交差する方向で相互に平行
となるように載置される。長尺物を載置した収納棚の下
方には、リフタを備える昇降用フォークが挿入され、リ
フタによって長尺物の昇降変位が可能である。長尺物を
上昇させた状態で搬送用フォークを挿入すると、上昇さ
せた長尺物の下方に挿入する状態となる。リフタを下降
させれば、上昇させられていた長尺物は搬送用フォーク
上に移載され、搬送用フォークを後退させることによっ
て、長尺物を収納棚から取出すことができる。また、搬
送用フォーク上に長尺物を載置して空の収納棚の上方に
挿入し、収納棚の下方に昇降用フォークを挿入して、リ
フタを上昇させれば、長尺物をリフタ上に移載させるこ
とができる。搬送用フォークを後退させて、リフタを下
降させれば、長尺物を収納棚に載置することができる。
収納棚には、複数の長尺物を載置可能であるので、効率
良く保管することができる。また長尺物を下方から支持
するので、磁力を利用するときのような材質上の制限が
ない。さらにリフタを選択して、長尺物の個別取扱いも
可能である。

【０００９】また本発明の前記各収納棚には、予め定め
る複数個までの長尺物が載置可能であり、前記リフタ
は、載置可能な長尺物の数に対応して、前記複数基設け
られることを特徴とする。本発明に従えば、収納棚に載
置される長尺物は、予め定める複数を単位として一括し
て取扱われるので、迅速な入出庫が可能である。

【００１０】また本発明の前記リフタは一基だけ設けら
れ、昇降用フォークの伸縮移動によって、昇降変位する
長尺物を選択可能であることを特徴とする。本発明に従
えば、昇降用フォークを収納棚の下方に挿入する位置に
よって、昇降させる長尺物を選択するので、リフタが一
基でも収納棚内の任意の長尺物を容易に選択して入出庫
させることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１および図２は、本発明の実施
の一形態による収納棚と２本のフォークとに関連する構
成を示す。図１は部分的な側面図、図２は部分的な正面
図をそれぞれ示す。ラック１は、鉛直方向に延びる支柱
２の途中から、水平方向に複数段の収納棚３が延びるよ
うにして形成される。各収納棚３は、「Ｈ」形鋼からな
り、その上面にはストッパ４が間隔をあけて設けられ、
予め定める複数、たとえば４本の長尺物である鋼片５を
載置可能である。各段の収納棚３に鋼片５が載置されて
いる状態であっても、各段の鋼片５の上下の間隙の下方
に、収納棚３の先端側からスタッカクレーンの昇降用フ
ォーク６を挿入可能である。昇降用フォーク６には、上
方に向けてリフタ７を昇降変位させるシリンダ８が設け
られる。シリンダ８は、たとえば油圧によって駆動さ
れ、その配列ピッチは載置可能な長尺物５の間隔に合わ
せられ、その個数も載置可能な長尺物の最大数に合わせ
られる。

【００１２】リフタ７を上昇させた状態では、その下方
に搬送用フォーク９を挿入可能である。昇降用フォーク
６および搬送用フォーク９は、共にラック１の側面に沿
って移動可能なスタッカークレーンに備えられ、鋼片５
の入出庫を行う。

【００１３】収納棚３の相互の段差である層間高さＬ１
は、たとえば９００ｍｍである。収納棚３の上下方向の
厚みＬ２は、たとえば２５０ｍｍである。搬送用フォー
ク９の上下方向の厚みＬ３は、たとえば２００ｍｍであ
る。鋼片５として想定される高さＬ４は、たとえば１５
０ｍｍである。収納棚３上に載置される鋼片５の上面と
搬送用フォーク９の下面とのクリアランスＬ５は、たと
えば５０ｍｍである。鋼片５をリフタ７によって上昇さ
せたリフトアップ状態と搬送用フォーク９上に載置した
状態との差Ｌ６は、たとえば５０ｍｍである。リフトア
ップ状態で鋼片５の上面と上層の収納棚３とのクリアラ
ンスＬ７は、たとえば５０ｍｍである。シリンダ８のス
トロークＬ８は、たとえば５００ｍｍである。

【００１４】図３は、昇降用フォーク６および搬送用フ
ォーク９を備えるスタッカークレーン１０の部分的な構
成を示す。スタッカークレーン１０は、昇降用フォーク
６および搬送用フォーク９をフレーム１１に沿って上下
方向に移動させることができる。

【００１５】図４は、本実施形態によるスタッカークレ
ーンの昇降用フォーク６および搬送用フォーク９の動作
を示す。図４（１）では、昇降用フォーク６が収納棚３
の挿入される状態を示す。図４（２）は、シリンダ８を
選択的に駆動してリフタ７を上昇させ、鋼片５を持ち上
げた状態を示す。図４（３）では、搬送用フォーク９を
挿入した状態を示す。図４（４）ではリフタ７を下降さ
せ、鋼片５のみを搬送用フォーク９上に移行させた状態
を示す。以上説明した（１）〜（４）の動作を逆に行え
ば、スタッカクレーンによって外部から搬入する鋼片５
を収納棚３の特定の場所へ収納することができる。
（２）の状態で全部のリフタ７を上昇させれば、収納棚
３に載置されている４本の鋼片５を１単位として全部取
出すことができる。

【００１６】図５、図６および図７は、本実施形態によ
る長尺物立体倉庫の全体の構成を示す。図５は正面図、
図６は平面図、図７は右側面図をそれぞれ示す。スタッ
カークレーン１０は、フレーム１１の上下方向に対して
昇降用フォーク６および搬送用フォーク９を同時に昇降
変位可能であり、フレーム１１の底面に設けられる車輪
１２によって、床面に形成されるレール１３に沿って走
行移動可能である。スタッカークレーン１０が走行する
レール１３は、合計１０列のラック１の間の通路に、合
計５本設けられ、５基のスタッカークレーン１０が独立
に移動可能である。ラック１はレール１３の両側に設け
られ、レール１３の長手方向に沿って１番地、２番地、
３番地までのアドレスが付されている。各ラック１は、
１２段の収納棚３を有し、５本のレール１３に対応して
第１レーン、第２レーン、第３レーン、第４レーンおよ
び第５レーンとして区別される。各ラック１の支柱２の
上方は、横梁１４によって連結され、支柱２が傾斜しな
いように補強されている。

【００１７】各レーンの１番地に配置されるラック１の
一方の最下段には、ローラテーブル１５が設けられる。
ローラテーブル１５は、レール１３の長手方向の外方に
鋼片５を搬出し、レール１３と垂直な方向に走行する搬
送台車１６に鋼片５を移載したり、搬送台車１６上から
鋼片５を受け入れたりすることができる。搬送台車１６
を走行させるためのレール１７は、スタッカークレーン
１０を走行させるためのレール１３とは垂直な方向に延
びるように敷設されている。フレーム１１には、昇降用
フォーク６のシリンダ８に作動油を供給するための油圧
ユニット１８も装備されている。

【００１８】本実施形態による長尺物立体倉庫の各収納
棚３には、前述のように４本の鋼片５を載置することが
でき、各ラック１には上下に１２段の収納棚３を有し、
そのようなラック１がレール１３の長手方向に３列配列
され、レール１３と垂直な方向に１０列配列されるの
で、全体では４×１２×３×１０＝１４４０本の鋼片５
を収納可能である。ただしローラテーブル１５が５つの
ラック１に設けられているので、５×４＝２０本分はあ
けておいた方がよい。

【００１９】図８は、本発明の実施の他の形態による昇
降用フォークの構成を示す。本実施形態で図１および図
２に示す実施形態に対応する部分には同一の参照府を付
し、説明を省略する。本実施形態の昇降用フォーク２６
には、１基のみのリフタ７およびシリンダ８が装着され
る。昇降用フォーク２６を挿入する位置を調整すること
によって、昇降変位の対象となる鋼片５の位置を選択す
ることができる。本実施形態によれば、リフタ７を１基
だけ装着するので、収納棚３上に載置する鋼片５の間隔
を狭めることができ、収納効率を向上させることができ
る。

【００２０】図９、図１０および図１１は、各実施形態
に用いる搬送用フォーク９の構成を示す。図９は正面
図、図１０は平面図、図１１は図９の切断面線ＸＩ−Ｘ
Ｉから見た断面図をそれぞれ示す。搬送用フォーク９
は、トップフォーク３１、センタフォーク３２およびベ
ース３３に３分割され、相互間の摺動変位によって伸縮
可能に構成される。フォーク６の伸縮変位はモータ３４
から減速機３５を介して発生される駆動力を、スプロケ
ット３６，３７およびチェーン４０を介して摺動変位に
変換させることによって行われる。トップフォーク３
１、センタフォーク３２およびベース３３の相互間の摺
動変位を円滑に行うためにローラフォロア４１，４２が
設けられている。昇降用フォーク６，２６では、トップ
フォーク３１にリフタ７およびシリンダ８が装着され
る。

【００２１】図１２は、各実施形態による長尺物立体倉
庫を全自動で稼働させるための電気的構成を示す。な
お、各実施形態の長尺物立体倉庫は、手動でも操作可能
である。コンピュータを含んで実現される制御装置５０
は、キーボードなどの入力装置５１からの指令に従っ
て、メモリ５２を参照しながら鋼片５の保管管理を行
う。メモリ５２には、各収納棚３上の各載置位置に対応
して、鋼片５の収納状態などの情報が記憶されている。
入力内容に従って、新たな鋼片５を空いている載置位置
に収納したり、現在保管されている鋼片５を一括して取
出したり、あるいは個別的に取出したりする制御を、ス
タッカークレーン１０の走行装置５３や昇降装置５４、
昇降用フォーク６の伸縮のためのモータ、シリンダ８、
さらには搬送用フォーク９の伸縮のためのモータ３４を
それぞれ制御して行う。図５〜図７に示すように、複数
のスタッカークレーン１０が配置されているときには、
各スタッカークレーン１０を同時に稼働させることもで
きる。

【００２２】以上の各実施形態では、長尺物として鋼片
５について説明しているけれども、他の金属や非金属材
料、あるいは木材など、種々の材料であってもリフタ７
によって持ち上げ可能であれば、同様に本発明を適用す
ることができる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、各段の収
納棚には、複数の長尺物が載置可能である。長尺物を載
置した収納棚の下方には、リフタを備える昇降用フォー
クが挿入され、リフタによって材質を問わずに長尺物の
昇降変位が可能である。長尺物を上昇させた状態で搬送
用フォークを挿入すると、リフタと搬送用フォークとの
間で長尺物の移載を行うことができる。収納棚には、複
数の長尺物を載置可能であるので、収納効率良く保管す
ることができる。各収納棚内では、長尺物の選択的な入
出庫も可能である。

【００２４】また本発明によれば、収納棚に載置される
長尺物は、予め定める複数を単位として一括して搬出
し、搬入することができるので、迅速な入出庫が可能で
ある。

【００２５】また本発明によれば、１基のみのリフタを
備える昇降用フォークを収納棚の下方に挿入する位置に
よって、昇降させる長尺物の載置位置を選択するので、
複数の長尺物を効率良く保管し、容易に選択して入出庫
させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態の部分的な側面図であ
る。

【図２】図１の実施形態の部分的な正面図である。

【図３】図１の実施形態のスタッカークレーン１０の部
分的な構成を示す正面図である。

【図４】図１の実施形態の動作を示す簡略化した側面図
である。

【図５】図１の実施形態を含む長尺物立体倉庫の正面図
である。

【図６】図５の長尺物立体倉庫の平面図である。

【図７】図５の長尺物立体倉庫の右側面図である。

【図８】本発明の実施の他の形態の昇降用フォーク２６
の構成を示す部分的な側面図である。

【図９】図１および図８の実施形態の搬送用フォーク９
の正面図である。

【図１０】図９の搬送用フォーク９の平面図である。

【図１１】図９の切断面線ＸＩ−ＸＩから見た断面図で
ある。

【図１２】図５の長尺物立体倉庫を自動的に制御するた
めの電気的構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ラック２支柱３収納棚５鋼片６，２６昇降用フォーク７リフタ８シリンダ９搬送用フォーク１０スタッカークレーン１３，１７レール１５ローラテーブル１６搬送台車３１トップフォーク３２センタフォーク３３ベース５０制御装置５１入力装置５２メモリ５３走行装置５４昇降装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者渡辺匡東京都江東区南砂２丁目６番５号川崎重工業株式会社東京設計事務所内

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】長尺物を保管するための複数の収納棚が
鉛直方向に間隔をあけて多段に配設されるラックと、ラ
ックの側面に沿って移動可能で、各収納棚との間で長尺
物の移載を行うスタッカークレーンとを備える長尺物立
体倉庫において、各収納棚には、複数の長尺物が載置
可能であり、スタッカークレーンに備えられ、収納棚の下方に挿入可
能な昇降用フォークと、昇降用フォークに設置され、
昇降用フォークを収納棚の下方に挿入した状態で、長尺
物を個別的に昇降変位可能なリフタと、スタッカークレーンに備えられ、収納棚の上方に挿入可
能で、上昇状態のリフタとの間で長尺物の移載が可能な
搬送用フォークとを含むことを特徴とする長尺物立体倉
庫。
【請求項２】前記各収納棚には、予め定める複数個ま
での長尺物が載置可能であり、前記リフタは、載置可能な長尺物の数に対応して、前記
複数基設けられることを特徴とする請求項１記載の長尺
物立体倉庫。
【請求項３】前記リフタは一基だけ設けられ、昇降用
フォークの伸縮移動によって、昇降変位する長尺物を選
択可能であることを特徴とする請求項１記載の長尺物立
体倉庫。