JP2667894B2 - 熱転写フィルム - Google Patents

熱転写フィルム

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JP2667894B2 JP1001589A JP158989A JP2667894B2 JP 2667894 B2 JP2667894 B2 JP 2667894B2 JP 1001589 A JP1001589 A JP 1001589A JP 158989 A JP158989 A JP 158989A JP 2667894 B2 JP2667894 B2 JP 2667894B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、サーマルプリンター等の熱記録装置に使用
される熱転写フィルムに関する。
更に詳しくは、熱転写記録時の帯電現象を防止し、改
良した熱転写フィルムに関する。
(従来の技術) 近時、サーマルプリンタ、サーマルファクシミリ等の
熱記録装置用として、ベースフィルム上に熱溶融性イン
クを塗設してなる熱転写フィルムが急速に用いられるよ
うになり、熱記録により普通紙上に鮮明な転写画像が得
られている。即ち、熱転写フィルムは、普通紙と熱転写
フィルムの熱溶融性インク層とを接触させ、熱溶融性イ
ンク層と反対側の面に位置するサーマルヘッドからのパ
ルス信号により、選択的に加熱される。
加熱された熱溶融性インク層は溶融し、普通紙上に転
写され、画像が得られるのである。
(発明が解決しようとする課題) かかる熱転写フィルムのベースフィルムとして、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
ポリイミド、ポリアミド等の各種フィルム類が知られて
いる。
サーマルヘッドと接触する面はスティッキング防止の
為、シリコーン樹脂等の耐熱層が設けられることが多
い。
しかるに、例示したベースフィルムを用いた熱転写フ
ィルムは、サーマルヘッドと接触する面の表面固有抵抗
値が1014Ω以上と高いため、熱転写印字時に静電気が発
生しやすいという欠点がある。
熱転写印字時には、サーマルヘッドにより熱転写フィ
ルムがこすられること、又、普通紙とはがされることに
より静電気が発生する。
静電気が発生したときの障害としては、使用済の熱転
写フィルムのロールが10kv以上に帯電した場合、ロール
交換の際、人体に電気ショックを与えることがある。ま
た、サーマルヘッドに、ほこりがたまり、印字を不鮮明
にすることがある。また、普通紙も帯電し、普通紙の走
行性が悪くなることがある。
従来、この帯電現象を改善するために、種々の試みが
提案されている。例えば、特開昭57−129789号公報で
は、ベースフィルムのインク層と反対面に界面活性剤ま
たは有機塩類を含有する樹脂層を設ける方法が提案され
ているが、樹脂層に含有させるため界面活性剤または有
機塩類の帯電防止効果に、なお不十分さを残すものであ
る。即ち、界面活性剤が帯電防止剤として効果を出す為
には、界面活性剤が樹脂表面に移行する必要があり、界
面活性剤分子の親油性の部分を樹脂内部に向け、親水性
部分を空気側に向けた形で表面に存在し、空気中の水分
が親水性の部分に吸着し、帯電防止効果が現われる。樹
脂と界面活性剤との相溶性が良いと樹脂表面への移行性
が少なくなり、効果が発現しにくい。
一方、相溶性が少ないと樹脂表面に移行し、帯電防止
効果はあるものの、界面活性剤がサーマルヘッドを汚す
という欠点がある。
また、特開昭60−151095号公報では、導電性材料を含
有する熱転写フィルムが提案され、帯電防止効果がある
ことが示されている。具体的には、導電性材料が基材の
熱溶融性インク層と反対側に層状に設けるもの、導電性
材料が基材と熱溶融性インク層との間に層状に設けるも
の、導電性材料が熱溶融性インク層に含有するもの、導
電性材料が耐熱層中に含有するものが提案されている。
導電性材料としては、NaCl、KCl、MgCl2、アニオン性界
面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン界面活性
剤、両性界面活性剤、Al、Cu、Zn、カーボンブラック、
高分子電解質、有機半導体等が例示されている。これら
の導電性材料を層状に設ける為には、樹脂中に含有させ
ねばならず、NaCl、KCl、MgCl2、界面活性剤を含有させ
たものは、帯電防止効果に、なお不十分さを残すもので
ある。
また、Al、Cu、Zn、カーボンブラック等を樹脂中に含
有させたものは、帯電防止効果はあるものの熱転写フィ
ルムのベースフィルムが不透明になり、熱溶融性インク
の塗目方を透過濃度で管理できなくなり実用上問題を残
す。
ところで、本発明者らは先に特願昭63−211937号及び
昭和63年11月29日付特許出願(1)を出願しているが、
ここでは帯電防止剤としてシラノール基を有するポリシ
ロキサンの無機高分子を用いている。しかし、この帯電
防止剤では表面固有抵抗値が109Ωのオーダーであり、
低抵抗値を維持させるにはもう一段の改善を必要とする
ものであった。
本発明は、上述した問題点を改善し、熱転写記録時の
帯電現象の防止を目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、鋭意研究を行なった結果、 ベースフィルムの両面に帯電防止層を塗設し、その
片面に熱溶融性インク層を、反対面に耐熱層をそれぞれ
積層してなる熱転写フィルム。
ベースフィルムの片面に帯電防止層及び熱溶融性イ
ンク層を順次積層し、その反対面に耐熱層を塗設してな
る熱転写フィルム。
ベースフィルムの片面に帯電防止層及び耐熱層を順
次積層し、その反対面に熱溶融性インク層を塗設してな
る熱転写フィルム。
の如き〜の熱転写フィルムにおいて、該帯電防止層
として第4級アンモニウム型高分子電解質を用いること
により本発明の熱転写フィルムを得ることができた。
ここで、第4級アンモニウム型高分子電解質は、アク
リル系カチオン性高分子であり、その単量体が2個の第
4級アンモニウムイオン及び1個の水酸基を持つもので
ある。
第4級アンモニウム型高分子電解質は、次の一般式
(1)の単量体及び所望により他の共重合しうる単量体
を重合又は共重合させ、これに一般式(2)の第4級ア
ンモニウム塩を反応させてなる重合体(共重合)であ
り、一般式(3)で示すものである。
上記式中、Rは、水素原子又はメチル基、R1及びR
2は、メチル基又はエチル基、Aは置換しうるアルキレ
ン基を示す。
上記式中、R3、R4は、メチル基、エチル基、CH2CH2
O)mH(mは1〜4の整数)又はベンジル基、R5は炭素
数1〜18のアルキル基、アルケニル基又はCH2CH2O)n
H(は1〜4の整数)、Xはハロゲン原子、Yはヒド
ロキシ基を示す。
(XとYは一体となって酸素原子と置換してもよい。) 式中のR、R1、R2、R3、R4、R5、X、Aは、上記の定
義の通りであり、pは、101〜104の整数である。
さらに具体的には、上記一般式(1)で示される単量
体としては、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノブチルメタク
リレートなどが挙げられる。
又、一般式(1)と所望により他の共重合しうる単量
体としては、メチル、エチル、2−エチルヘキシル、ラ
ウリル、ミリスチル、ステアリル等の(メタ)アクリレ
ート、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、β−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド、エチレン、プロピレン、ジビニ
ルベンゼンなどが挙げられる。
上記一般式(2)で示される第4級アンモニウム塩と
しては、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピルトリエタノールアンモニウムクロライド、グリシ
ジルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド、グリシジルジ
メチルブチルアンモニウムクロライドなどが挙げられ
る。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の熱転写フィルムについて、その構成例を断面
図でもって第1図〜第3図に示す。又、従来の熱転写フ
ィルムについて、第4図に示す。
第1図の例は、ベースフィルム1の両面に帯電防止層
2を設け、その片面には耐熱層3を積層し、反対面には
熱溶融性インク層4を積層したものである。第2図の例
は、ベースフィルム1の片面に耐熱層3を塗設し、反対
面には帯電防止層2、熱溶融性インク層4を順次塗設し
たものである。第3図の例は、ベースフィルムの片面に
帯電防止層2、耐熱層3を順次積層し、反対面に熱溶融
性インク層4を塗設したものである。第4図の例は従来
の熱転写フィルムを例示したものであり、ベースフィル
ム1の片面に熱溶融性インク層4を塗設し、その反対面
に耐熱層3を塗設したものである。
上記の構成例で示すように、本発明の熱転写フィルム
は、ベースフィルムの片面又は両面に帯電防止層として
第4級アンモニウム型高分子電解質を用いることによ
り、優れた帯電防止効果を得ることができる。この帯電
防止の必要性については、熱転写フィルムと受像紙は、
記録直後に引き剥がされるが、この時に大容量の静電気
が発生する。サーマルヘッドに接する熱転写フィルムが
帯電防止処理を施されている場合、発生した静電気は、
その接触部より除去されてサーマルヘッドの破壊を防止
することができる。
本発明の熱転写フィルムは、第4級アンモニウム型高
分子電解質を帯電防止剤として用いることを特徴とする
ものである。この第4級アンモニウム型高分子電解質自
体は、帯電防止性が高く、表面固有抵抗値が塗工厚さ1
μmのとき、106Ω以下にすることができ、極めて優れ
ている。
又、高分子量であり、皮膜形成性に優れているため、
薄膜化ができ、帯電防止性能も十分に確保し得る。
ベースフィルムに対する接着性は、該高分子電解質
が、アクリル系カチオン性樹脂であることから優れた特
性をもつものである。
本発明の熱転写フィルムは、このような優れた特徴の
ある第4級アンモニウム型高分子電解質を用いたもの
で、極めて薄い皮膜として塗工することができる。塗工
層は、帯電防止性能も高く、皮膜形成性に優れ、ブロッ
キングを起こさない。
又、帯電防止層の上に耐熱層を塗工、或いは、熱溶融
性インク層を塗工して得た熱転写フィルムは、ベースフ
ィルムとの密着性に優れており、容易に剥離しない。特
に、熱転写フィルムから熱溶融性インクの剥離を生じな
いという利点を特徴とする。
本発明の熱転写フィルムにおいて、使用される耐熱層
の耐熱性材料は、公知の材料を用いることが出来、例示
するならば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ニ
トロセルロース等の如きものである。
本発明に用いられる第4級アンモニウム型高分子電解
質からなる帯電防止層は、約0.1μmの厚さで表面固有
抵抗値がおおよそ108Ωのオーダーとなる。
帯電防止効果を出すために、表面固有抵抗の値は、9.
9×1010Ω以下になる様に、適宜厚さをかえて皮膜を設
ければ良い。
本発明に用いる帯電防止層の厚さは、0.1〜0.5μmが
好ましい。更に好ましくは0.1〜0.3μmである。皮膜の
厚さの下限としては、表面固有抵抗値で、9.9×1010Ω
より大にならないように管理する。
厚さの下限は0.1μmであり、マイクロメーターでは
測定不能の為、表面固有抵抗値で管理する。又、厚さの
上限は0.5μmであり、これ以上にすることは積層する
耐熱層や熱溶融性インク層がベースフィルムから剥離し
やすくなるため好ましくない。
耐熱層の厚さは、好ましくは1.0μm未満である。更
に好ましくは、0.3μm〜0.6μmである。厚さが0.2μ
m未満では耐スティッキング性に劣り、1.0μm以上で
はベースフィルム側の帯電防止層の帯電防止効果が不十
分となる。
本発明で使用されるベースフィルムは従来使用されて
いるものが使用でき、特に制限はなく、例えば、ポリエ
ステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリイミドフィルム、アセテートフィ
ルムなどである。ベースフィルムの厚さは、3〜16μ
m、好ましくは4〜7μmのものが使用できる。
本発明の熱転写フィルムの熱溶融性インク層は着色
剤、ワックス類、樹脂類から構成される。
着色剤としては、例えば、イエローはベンジジンイエ
ローG、マゼンタはローダミンレーキY、シアンはフタ
ロシアニンブルー、ブラックはカーボンブラック等が用
いられる。
ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、
カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、低
分子量ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワック
ス、合成ワックス等が用いられる。
樹脂類としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレンエチルアクリレート共重合体、脂肪酸系炭
化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂が用いられる。
その他、添加剤として、必要に応じて、顔料分散剤、
オイル等を含ませることもある。
本発明において熱転写フィルムの帯電防止層及び耐熱
層を塗工する方法としてはロールコーター、バーコータ
ー等の公知のコーター及びフレキソ法、グラビア法等の
公知の印刷機を用いる方法等あり、目的に応じて適宜利
用できる。
(作用) 本発明の熱転写フィルムは、帯電防止剤として第4級
アンモニウム型高分子電解質を用いて、耐熱層、或いは
熱溶融性インク層を積層してなるものであり、表面固有
抵抗値が1010Ω以下のオーダーとすることで熱転写印字
時に静電気の発生を防止することができる。更に、帯電
防止層は、耐ブロッキング性があり、熱溶融性インクの
剥離を生じさせない。
〔実施例〕
実施例1 ◎帯電防止剤の製造 ジメチルアミノエチルメタクリレート50部、およびメ
チルメタクリレート50部をイソプロピレンアルコール15
0部と共に4つ口フラスコに装入し、系内を窒素置換し
たのち、触媒としてアゾビスブチロニトリル0.6部を添
加し、80℃まで昇温し、昇温後3時間保持して共重合さ
せた。
冷却後、これに12N塩酸12.6部を加え、更に3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロリド60部及び水50部の混合液を加え、再度80℃に昇温
してのち、4時間保持し、反応を終えた。得られた共重
合体は次の様なものである。
◎ 熱転写フィルムの作成 6μmのポリエステルフィルムの両面に、上記で製造
した帯電防止剤をイソプロピルアルコールで5%濃度に
希釈したものをグラビアコーターを用いてそれぞれ塗抹
乾燥して、厚さ0.1μmの帯電防止層を得た。
続いて、シリコン樹脂の50%キシレン溶液が10重量
部、有機酸金属塩(硬化剤)が1重量部からなる耐熱材
料の塗液をグラビアコーターにより一方の帯電防止層の
上に塗抹し、厚さ0.5μmの耐熱層の塗膜を得た。
反対側の帯電防止層の上に、下記組成を有する熱溶融
性インクをホットメルトコーターで3g/m2塗抹し、本発
明の熱転写フィルムを作成した。
(熱溶融性インクの組成) カーボンブラック 15重量部 黒染料 5重量部 パラフィンワックス 40重量部 カルナバワックス 30重量部 エチレン酢ビ樹脂 10重量部 得られた熱転写フィルムについて、松下電子部品
(株)製サーマル印字装置で印字して、その性能を評価
した。又、インクの剥離、帯電防止層の耐ブロッキング
性についても評価し、その結果を表1に示した。
評価方法については次の通りである。
印字条件:松下電子部品(株)製サーマル印字装置で印 字。受像紙は三菱製紙普通紙(TTR−T)を使用。
電圧:16V パルス幅:1.4m sec 帯電性:上記印字条件で印字し、熱転写フィルムと受像 紙とを引きはがした時の静電気をシムコ静電気測定 器FM200で測定。
表面固有抵抗値:横河ヒューレットパッカード製表面固 有抵抗計にて測定。(20℃、65%RH) インクの剥離:熱転写フィルムを手で揉んだ時のインク の剥離を観察し、○印をなし、△印をわずかにあり、 ×印をあり、として評価した。
耐ブロッキング性:帯電防止層を塗抹した巻き取りを55 ℃の条件下で24時間放置し、ブロッキング性を試験 し、○印をなし、△印をわずかにあり、×印をあり、 として評価した。
実施例2〜4及び比較例1〜2 実施例1と同様にして、ベースフィルムの両面に帯電
防止層を塗設し、その片面に耐熱層を、反対面に熱溶融
性インク層を積層した。
なお、比較例1では帯電防止層を塗設していないベー
スフィルムに、耐熱層、熱溶融性インク層をそれぞれ片
面に塗設したものである。
評価結果を、表1に示した。なお、いずれも表面固有
抵抗値は、熱溶融性インク層側を測定したものである。
表1の結果とおり、実施例1〜4の熱転写フィルム
は、受像紙と接するインク層の面の表面固有抵抗値が、
9.4×107〜6.6×108Ω、熱転写記録時の帯電性が0.00〜
0.03kvと低く、帯電現象は完全に防止されていた。ここ
で、帯電性が0.00という値は、測定機の下限以下で測定
不能域であることを示す。
一方、比較例1では、耐熱層のみ塗設した熱転写フィ
ルムであるが、表面固有抵抗値が1014Ω以上となり、帯
電性も10kv以上であり、取り扱い時に不快感を与え好ま
しくなかった。
比較例2では、表面固有抵抗値が6.4×107Ω、帯電性
が0.00で測定機の下限以下と低いが、帯電防止層が本発
明の範囲外であり、インクの剥離があり、耐ブロッキン
グ性もわずかに有った。
実施例5 6μmのポリエステルフィルムの片面に、実施例1で
使用した帯電防止剤をイソプロピルアルコールで5%濃
度に希釈したものをグラビアコーターを用いて塗抹乾燥
して、厚さ0.1μmの帯電防止層を得た。
続いて、帯電防止層を塗抹した面とは反対の面に、シ
リコン樹脂の50%キシレン溶液が10重量部、有機酸金属
塩(硬化剤)が1重量部からなる耐熱性材料の塗液をグ
ラビアコーターにより、厚さ0.6μmの耐熱層の塗膜を
得た。
さらに、帯電防止層の上には、下記配合からなる熱溶
融性インクをホットメルトコーターで3g/m2塗抹し、本
発明の熱転写フィルムを作成した。
(熱溶融性インクの組成) カーボンブラック 15重量部 黒染料 5重量部 パラフィンワックス 40重量部 カルナバワックス 30重量部 エチレン酢ビ樹脂 10重量部 得られた熱転写フィルムについて、実施例1と同様に
して評価し、その結果を表2に示した。
実施例6〜8及び比較例3 実施例5と同様にして、ベースフィルムの片面に帯電
防止層、熱溶融性インク層を順次積層し、その反対面に
は耐熱層を塗抹して熱転写フィルムを作成した。同様に
して、評価を行ない、結果を表2に示した。
表2の結果のとおり、実施例5〜7の熱転写フィルム
は、受像紙と接するインク層の面の表面固有抵抗値が、
2.1×108〜9.3×108Ω、熱転写記録時の帯電性が、0.00
〜0.04kvと低く、帯電現象は完全に防止されていた。
又、インクの剥離、耐ブロッキング性においても良好で
あった。
比較例3では、帯電防止層を1.0μmと厚くした場合
であり、本発明の範囲外であるが、インクの剥離、耐ブ
ロッキング性がいずれも悪かった。
実施例9 6μmのポリエステルフィルムの片面に、実施例1で
使用した帯電防止剤をイソプロピルアルコールで5%濃
度に希釈したものをグラビアコーターを用いて塗抹乾燥
して、厚さ0.1μmの帯電防止層を得た。
続いて、帯電防止層を塗抹した面に実施例1の耐熱性
材料を用いて耐熱層を積層した。耐熱層の厚さは0.5μ
mであった。
一方、上記の積層された面とは反対の面に、実施例1
で用いた熱溶融性インクをホットメルトコーターで3g/m
2塗抹し、本発明の熱転写フィルムを作成した。実施例
1と同様にして評価し、結果を表3に示した。
実施例10〜12及び比較例4 実施例9と同様にして、ベースフィルムの片面に帯電
防止層、耐熱層を順次積層し、その反対面には熱溶融性
インク層を塗抹して熱転写フィルムを作成した。同様に
して、評価を行ない、結果を表3に示した。
表3の結果のとおり、実施例9〜11の熱転写フィルム
は、受像紙と接するインク層の面の表面固有抵抗値が、
8.3×107〜7.4×108Ω、熱転写記録時の帯電性が0.00〜
0.02kvと低く、帯電現象が防止されていた。又、インク
の剥離、耐ブロッキング性においても良好であった。
一方、比較例4では、帯電防止層を本発明の範囲外の
0.05μmと薄くした場合であるが、帯電性1〜2kv、表
面固有抵抗値1.5×1011Ωと高く帯電防止はなされてい
なかった。
〔発明の効果〕
本発明の熱転写フィルムは、熱転写記録時の帯電現象
が防止され、また、インクの剥離及び耐ブロッキング性
の特性が優れているなどの長所を有するものであり、本
発明の実用的効果は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
本発明の熱転写フィルムについて、その構成例を断面図
でもって第1図〜第3図に示す。又、従来の熱転写フィ
ルムについて、第4図に示す。 第1図の例は、ベースフィルム1の両面に帯電防止層2
を設け、その片面には耐熱層3を積層し、反対面には熱
溶融性インク層4を積層したものである。第2図の例
は、ベースフィルム1の片面に耐熱層3を塗設し、反対
面には帯電防止層2、熱溶融性インク層4を順次塗設し
たものである。第3図の例は、ベースフィルムの片面に
帯電防止層2、耐熱層3を順次積層し、反対面に熱溶融
性インク層4を塗設したものである。第4図の例は従来
の熱転写フィルムを例示したものであり、ベースフィル
ム1の片面に熱溶融性インク層4を塗設し、その反対面
に耐熱層3を塗設したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−131990(JP,A) 特開 平2−147293(JP,A) 特開 昭62−282975(JP,A) 特開 昭62−259889(JP,A) 特開 昭62−82084(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースフィルムの両面に帯電防止層を塗設
    し、その片面に熱溶融性インク層を、反対面に耐熱層を
    それぞれ積層してなる熱転写フィルムにおいて、該帯電
    防止層が第4級アンモニウム型高分子電解質からなるこ
    とを特徴とする熱転写フィルム。
  2. 【請求項2】ベースフィルムの片面に帯電防止層及び熱
    溶融性インク層を順次積層し、その反対面に耐熱層を塗
    設してなる熱転写フィルムにおいて、該帯電防止層が第
    4級アンモニウム型高分子電解質からなることを特徴と
    する熱転写フィルム。
  3. 【請求項3】ベースフィルムの片面に帯電防止層及び耐
    熱層を順次積層し、その反対面に熱溶融性インク層を塗
    設してなる熱転写フィルムにおいて、該帯電防止層が第
    4級アンモニウム型高分子電解質からなることを特徴と
    する熱転写フィルム。
  4. 【請求項4】該第4級アンモニウム型高分子電解質がア
    クリル系カチオン性高分子であり、その単量体が2個の
    第4級アンモニウムイオン及び1個の水酸基を持つこと
    を特徴とするそれぞれ請求項1、2、3記載の熱転写フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】該帯電防止層の表面固有抵抗が、9.9×10
    10Ω以下であることを特徴とするそれぞれ請求項1、
    2、3記載の熱転写フィルム。
  6. 【請求項6】該帯電防止層の厚さが、0.1〜0.5μmであ
    ることを特徴とするそれぞれ請求項1、2、3記載の熱
    転写フィルム。
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