JP2667784B2 - ガット及びその製造方法ならびに該ガットを張設したラケット - Google Patents

ガット及びその製造方法ならびに該ガットを張設したラケット

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JP2667784B2
JP2667784B2 JP5316443A JP31644393A JP2667784B2 JP 2667784 B2 JP2667784 B2 JP 2667784B2 JP 5316443 A JP5316443 A JP 5316443A JP 31644393 A JP31644393 A JP 31644393A JP 2667784 B2 JP2667784 B2 JP 2667784B2
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由美 金光
丈人 松木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラケットに張設するガ
ット及びその製造方法に関するものであり、特に、合成
繊維からなるガットに天然ガットに近い反発性、打球感
を備え、かつ、耐水性、耐摩耗性にもすぐれたガットに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ラケット用ガットとして牛や
羊の腸、鯨筋等の動物筋に適度の撚りをかけて樹脂によ
りコーティングを施した天然ガットが提供されている。
この天然ガットは、反発性に優れ、伸びが大きいためボ
ールのホールド感が良く打球感も優れている。しかし、
天然ガットには、耐水性、耐摩耗性の点で劣り、非常に
高価であるという問題がある。
【0003】これに対して、合成繊維からなるガットが
提供されている。一般に、合成繊維のガットには、一本
の芯線の表面に複数本の巻線を螺旋状に巻き付けて接着
した構造(シングルレイヤー構造)のものと、10数本
から2000本程度の繊維を撚り合わせて接着した構造
(マルチフィラメント構造)のものとがあり、いずれの
構造の場合も合成繊維どうしを樹脂製の接着剤により接
着する。
【0004】上記合成繊維のうち、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリフェニレンサルファイト、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリデニルアルコール、
ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル
等は、耐水性、耐摩耗性及び価格の点では、上記天然ガ
ットよりも優れているが、反発性、打球感等の点では、
天然ガットには及ばない。
【0005】一方、上記合成繊維のうちポリフッ化ビニ
リデン繊維は、501b(16.6kg/mm2)の初期
荷重と0.5〜2.0%の歪を与えた時の弾性率が400
00〜60000kg/cm2であり、エネルギーロス
が小さい。よって、伸びと反発性が良く、天然ガットに
近い特性を有し、かつ、耐水性、耐摩耗性等の点も優れ
ている。しかし、ポリフッ化ビニリデン繊維は、フッ素
系樹脂であるため、接着性に問題があり、上記シングル
レイヤー構造、マルチフィラメント構造のいずれの場合
にも、接着不良のために反発性、打球感、打球音の点で
劣る問題があった。
【0006】これに対して、特開昭55−19107号
では、ポリフッ化ビニリデン繊維を熱融着により結束し
たマルチフィラメント構造のガットが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにポリフッ化ビニリデン繊維を熱融着した場合、ガ
ットを構成する各繊維が完全に固定されるため、打球時
のガットの変形の自由度が損なわれ、マルチフィラメン
トとしたことによるマイルドな打球感を得ることができ
ず、天然ガットの打球感には及ばなくなってしまう問題
がある。このように従来は、反発性、打球感と耐水性、
耐摩耗性の両方について十分な特性を備えたガットは提
供されていなかった。
【0008】本発明は、上記のような従来のガットにお
ける問題を解決するためになされたものであり、反発
性、打球感が天然ガットと同等であって、かつ、耐水
性、耐摩耗性にすぐれたガットを提供することを目的と
してなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】従って、請求項1は、複
数本の合成繊維を樹脂製接着剤により接着してなるラケ
ット用ガットであって、上記合成繊維のうち少なくとも
一部がポリフッ化ビニリデン繊維であり、該ポリフッ化
ビニリデン繊維は、上記接着前にその表面をプラズマ照
射による前処理を行ったものであることを特徴とするラ
ケット用のガットを提供するものである。
【0010】また、請求項2は、ポリフッ化ビニリデン
繊維に対してプラズマ照射による前処理を行った後、上
記接着用前処理を行ったポリフッ化ビニリデン繊維を含
む複数本の合成繊維を撚り合わせて樹脂製接着で接着す
るラケット用のガットの製造方法を提供するものであ
る。
【0011】請求項3では、上記プラズマ照射による前
処理を、酸素、窒素、アルゴン、空気、ヘリウム、トリ
メチルホウ素又はアンモニアガスのいずれかのガス雰囲
気中で行う。
【0012】また、上記のように複数の合成繊維を接着
した後に樹脂材料によりコーティングを施すことが好ま
しい。
【0013】さらに、請求項4は、表面をプラズマ照射
による前処理を行ったポリフッ化ビニリデン繊維を含む
複数の合成繊維を撚り合わせて樹脂製接着剤により接着
してなるガットを張設したことを特徴とするラケットを
提供するものである。
【0014】
【作用】上記のように本発明では、ポリフッ化ビニリデ
ン繊維の表面にプラズマ照射により接着前処理を行って
いるため、ポリフッ化ビニリデン繊維のフッ素基が除去
されて親水基に置換され、その結果接着力が向上する。
よって、この前処理を施したポリフッ化ビニリデン繊維
を含む複数本の合成繊維を撚り合わせて樹脂接着剤によ
り接着するとポリフッ化ビニリデン繊維の外周どうし及
び/又は他の合成繊維の外周と確実に接着される。
【0015】よって、本発明のガットは、接着性の問題
を解決することにより、ポリフッ化ビニリデン繊維をガ
ットに用いることができ、ポリフッ化ビニリデン繊維の
良く伸びてエネルギーロスが小さいという特性を十分に
生かすことができ、反発性、打球感のよい天然ガットに
より近い特性を得ることができる。
【0016】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づいて、本発明
について詳細に説明する。図1は、本発明の実施例に係
るガット1を張設したラケット2を示している。図2に
示すように、上記ガット1は、直径D1が約0.4mm
のポリフッ化ビニリデン繊維を後述するガス雰囲気下に
おいてプラズマ表面処理したものを9本撚り合わせて樹
脂製接着剤で接着してマルチフィラメント構造としてい
る。ガット1自体の直径D2は約1.3mmである。
【0017】各ポリフッ化ビニル繊維3は、外周部が隣
接する他のポリフッ化ビニル繊維3に樹脂製接着剤によ
り接着されているが、ポリフッ化ビニル繊維3の間には
接着剤層4が存在しており、ガット1全体として十分な
変形の自由度を備えている。
【0018】上記ガット1は、図3に示す製造方法によ
り製造される。まず、工程#1としてポリフッ化ビニリ
デン繊維にプラズマ表面処理による接着用前処理を施
す。このプラズマ表面処理は、酸素、窒素、アルゴン、
空気、ヘリウム、トリメチルホウ素又はアンモニアガス
のいずれかのガス雰囲気下において行う。処理条件は、
高周波出力200W、ガス流量70〜100ml/mi
n、圧力は0.3〜0.7Torrが適当であるが、この
処理条件は処理を施すポリフッ化ビニリデン繊維の量や
上記ガスの種類により異なる。
【0019】処理時間は30秒〜5分程度が好ましい。
これは、あまり長時間プラズマ表面処理を行うとポリフ
ッ化ビニリデン繊維が熱収縮するおそれがあるからであ
る。例えば、酸素雰囲気下での処理の場合、処理時間が
5分以上となると熱収縮を生じる。
【0020】このプラズマ表面処理により、ポリフッ化
ビニリデン繊維の表面からフッ素基が除去されて親水基
に置換される。そのため、ポリフッ化ビニリデン繊維の
表面の親水性が良好となり、接着性が向上する。具体的
には、後述する実験により確認されるように、このプラ
ズマ表面処理により接着性が2〜4倍程度向上する。
【0021】次に、工程#2において、上記プラズマ表
面処理を施したポリフッ化ビニリデン繊維を樹脂製接着
剤に浸せんする。この樹脂製接着剤としては、ナイロン
系、ウレタン系又はシリコン系樹脂からなる接着剤が好
ましいが、その他の樹脂であってもよい。
【0022】続いて、工程#3において、上記接着剤に
浸せんしたポリフッ化ビニリデン繊維を結束機又は収束
機にかけ、9本のポリフッ化ビニリデン繊維を撚り合わ
せてマルチフィラメント構造とする。このとき、上記工
程#1において、ポリフッ化ビニリデン繊維にはプラズ
マ表面処理を施して親水性を高めているため、各繊維は
隣接する他の繊維に確実に接着される一方、各繊維の間
には接着剤層4が形成される。
【0023】最後に、工程#4において、上記マルチフ
ィラメント構造としたポリフッ化ビニリデン繊維の束の
表面にナイロン系、ウレタン系、シリコン系等の樹脂に
より耐水性、耐摩耗性を付与するためのコーティングを
施す。このコーティングにおいても、上記工程#1にお
いて、ポリフッ化ビニリデン繊維にプラズマ表面処理を
施しているため、上記ナイロン系等の樹脂をむらなく良
好にコーティングすることができる。
【0024】この製造方法により製造されたガット1で
は、隣接するポリフッ化ビニリデン繊維の外周が確実に
接着され、かつ、上記した接着剤層4を備えているた
め、打球時の変形の自由度が十分である。よって、この
ガット1はポリフッ化ビニリデン繊維の良く伸びてエネ
ルギーロスが小さいという特性を十分に生かすことがで
き、反発性、打球感のよい天然ガットにより近い特性を
備える。また、このガット1は合成繊維であるポリフッ
化ビニリデンに樹脂のコーティングを施したものである
から耐水性、耐摩耗性の点でも良好である。
【0025】図4は、本発明の他の実施例に係るガット
1’を示している。このガット1’はシングルレイヤー
構造であり、直径D3が約0.9mmの1本のポリフッ
化ビニリデン繊維からなる芯線6の外周に、直径D4が
約0.2mmのポリフッ化ビニリデン繊維からなる複数
の巻線7を螺旋状に巻き付けて接着している。ガット
1’自体の直径D5は約1.3mmである。
【0026】この図4のガット1’も、芯線6となるポ
リフッ化ビニリデン繊維及び巻線7となるポリフッ化ビ
ニリデン繊維にそれぞれプラズマ表面処理による接着前
処理を施した後、樹脂製接着剤に浸せんした芯線6に巻
線7を巻き付けて接着し、その後コーティングを施して
製造している。
【0027】よって、このガット1’も上記のようにポ
リフッ化ビニリデン繊維にプラズマ表面処理による前処
理を施した後に、接着、コーティングを行っているた
め、芯線6と巻線7の間の接着、及び、巻線7の間の接
着が良好であると共に、樹脂によるコーティングもむら
がなく良好である。
【0028】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、種々の変形が可能である。例えば、マルチフィ
ラメント構造の場合、すべての繊維をポリフッ化ビニリ
デン繊維とする必要はなく、ガットを構成する合成繊維
のうち少なくとも1本の繊維がプラズマ表面処理を施し
たポリフッ化ビニリデン繊維であればよく、これにナイ
ロン等の種々の樹脂からなる繊維を組み合わせて、接
着、コーティングすることにより多様なガットを形成す
ることができる。
【0029】また、同様にシングルレイヤー構造の場合
も芯線及び巻線の少なくとも1本をプラズマ表面処理を
施したポリフッ化ビニリデン繊維として、他の樹脂製の
繊維と組み合わせることができる。
【0030】
【実験例1】ポリフッ化ビニリデン繊維にプラズマ表面
処理を施すことによる接着性の向上を確認するための実
験を行った。
【0031】この実験では、同一直径同一長さ(直径約
0.7mm、長さ約2m)のポリフッ化ビニリデン繊維
に対してプラズマ表面処理を施したもの(実施例1から
実施例3)、未処理のもの(比較例1)、及び、水酸化
カリウムによる表面処理を施したもの(比較例2)につ
いて、収縮率、接触角及び接触力を調べた。
【0032】上記実施例1では酸素雰囲気下、実施例2
では窒素雰囲気下、さらに実施例3ではアルゴン雰囲気
下でプラズマ表面処理を施した。実施例1から実施例3
における具体的な処理条件は下記の表1に示すとおりで
ある。なお、実施例1から実施例3のプラズマ表面処理
には、いずれもヤマト科学(株)製プラズマリアクター
PR−41型を使用した。なお、比較例2は、ジメチル
アセトアミドと30%水酸化カリウム水溶液を3:2と
し、これらが混ざり合うまでメタノールを加えた液に4
時間浸透して表面処理した。
【0033】
【表1】
【0034】収縮率は、処理前の長さと処理後の長さか
ら下記の式により求める。
【0035】 (収縮率)={(処理前の長さ)−(処理後の長さ)}/(処理前の長さ)}×100
【0036】接触角の測定は図5に示すようにして行っ
た。すなわち、数本のポリフッ化ビニリデン繊維を貼り
合わせた板材9に純水の水滴10を付け、角度θを測定
した。この角度θの2倍(θ×2)が接触角である。な
お、角度θの測定には、協和界面化学(株)製の型式C
A−Aを用いた。
【0037】この接触角は、繊維に対する接着剤の広が
り易さを示す指標であり、接触角が小さいほど接着性が
良好であることを示す。
【0038】接着力は、2本のポリフッ化ビニリデン繊
維を20回/m撚り合わせてウレタン系樹脂により接着
したものを引張試験機により引き離し、引き離し時に要
した力(剥離強度)を測定した。なお、引張試験機とし
てはインテスコ社製の万能引張試験機を使用した。
【0039】実験例1の実験結果は下記の表2に示すと
おりである。
【0040】
【表2】
【0041】上記表2に示すように、実施例1、実施例
2は、比較例1及び比較例2と比べて、剥離強度が1.
5倍程度である。また、実施例3は比較例1及び比較例
2と比べて、剥離強度が2.5倍程度である。さらに、
実施例1から実施例3は、比較例1及び比較例2と比べ
て接触角が半分以下となっている。よって、この実験よ
り、プラズマ表面処理を施すことにより、未処理又は水
酸化カリウムによる表面処理を施す場合と比較してポリ
フッ化ビニリデン繊維の接着性が大幅に向上することが
確認できる。
【0042】
【実験例2】本発明に係る製造方法により製造したポリ
フッ化ビニリデン繊維製のガットの特性を確認するため
の実験を行った。
【0043】この実験では、前記した本発明の実施例に
係るガット(0.4mmのポリフッ化ビニリデン繊維を
アルゴン雰囲気下でプラズマ表面処理した後、9本を撚
り合わせてウレタン系樹脂で接着、コーティングしたガ
ット)と、比較例3としてナイロンガット(DUNLOP製DT
S-500)、比較例4として熱融着したポリフッ化ビニリ
デン製のガット、参考例として天然ガット(BABOLAT製
VS ALL SESON)を同じラケットに張設して反発性、打球
感、耐水性、耐摩耗性を調べた。なお、ガットを張設す
るラケットとしては、DUNLOP製DP80Internatuonal Tour
OVER MID SIZEを使用し、かつ、いずれのガットも縦糸
501b、横糸401bで張設した。
【0044】反発性の測定は、速度約30m/secの
ボールを衝突させ、跳ね返ったボールの速度を測定し、
次式により反発係数を求めた。この反発係数が大きいほ
ど反発性が良好であることを示す。
【0045】 (反発係数)=(跳ね返ったボールの速度)/(ボールの初速度)
【0046】ガットの耐水性は、水中にガットを24時
間浸漬し、その重量変化率を調べた。ガットの耐摩耗性
は、ラケットに張った状態で、50m/secのボール
を衝突させガットが切れるまでの回数を測定した。
【0047】実施例、比較例3、比較例4並びに参考例
の反発係数、耐水性、耐摩耗性の測定結果は、下記の表
3に示すとおりである。
【0048】
【表3】
【0049】この表3から明らかなように、実施例のガ
ットは、天然ガットである参考例のガットよりも、耐水
性、耐摩耗性の点で良好である。また、実施例のガット
は、比較例3、比較例4と比べて、天然ガット(参考
例)に近い反発性能を有する。
【0050】ボールの飛び、打球感の軟らかさ、ボール
のホールド感は、トップレベルのアマチュアプレーヤー
(63人)が実際にボールを打つフィーリングテストに
より調べた。実施例及び比較例3、比較例4のガットの
飛び等の測定結果は下記の表4に示すとおりである。
【0051】
【表4】
【0052】この実験より、実施例のガットは、従来の
合成繊維製のガットである比較例3、比較例4のガット
と比べて、ボールの飛び、打球感の軟らかさ、ボールの
ホールド感が良好であることが確認できる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るガットは、ポリフッ化ビニリデン繊維を樹脂によ
り接着及びコーティングする前に、プラズマ表面処理を
施しているため、接着性が良好であり、マルチフィラメ
ント構造とする場合もシングルレイヤー構造とする場合
にも、繊維を確実かつ強固に接着し、かつ、樹脂による
コーティングを好適に施すことができる。よって、本発
明のガットは、ポリフッ化ビニリデン繊維の良く伸びて
エネルギーロスが小さいという特性を十分に生かすこと
ができ、反発性、打球感が天然ガットと同等であると共
に、耐水性、耐摩耗性の点でも良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るガットを張設したラケ
ットを示す概略図である。
【図2】 本発明の実施例に係るガットを示す拡大概略
図である。
【図3】 本発明のガットの製造方法を示す概略図であ
る。
【図4】 本発明の他の実施例に係るガットを示す拡大
概略図である。
【図5】 接触角の測定方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ガット 2 ラケット 3 ポリフッ化ビニリデン繊維 4 接着剤層 6 芯線 7 巻線

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の合成繊維を樹脂製接着剤により
    接着してなるラケット用ガットであって、 上記合成繊維のうち少なくとも一部がポリフッ化ビニリ
    デン繊維であり、該ポリフッ化ビニリデン繊維は、上記
    接着前にその表面をプラズマ照射による前処理を行った
    ものであることを特徴とするラケット用のガット。
  2. 【請求項2】 ポリフッ化ビニリデン繊維に対してプラ
    ズマ照射による前処理を行った後、 上記接着用前処理を行ったポリフッ化ビニリデン繊維を
    含む複数本の合成繊維を撚り合わせて樹脂製接着で接着
    するラケット用のガットの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記プラズマ照射による前処理は、酸
    素、窒素、アルゴン、空気、ヘリウム、トリメチルホウ
    素又はアンモニアガスのいずれかのガス雰囲気中で行う
    ことを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 表面をプラズマ照射による前処理を行っ
    たポリフッ化ビニリデン繊維を含む複数の合成繊維を撚
    り合わせて樹脂製接着剤により接着してなるガットを張
    設したことを特徴とするラケット。
JP5316443A 1993-12-16 1993-12-16 ガット及びその製造方法ならびに該ガットを張設したラケット Expired - Lifetime JP2667784B2 (ja)

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