JP2766620B2 - テニスラケット用ガット - Google Patents

テニスラケット用ガット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテニスラケット用ガット
に関し、詳しくは、テニスラケットに使用される合成繊
維製のテニスラケット用ガットのボールの飛び、打球感
等の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テニスラケット用のガットとして、牛や
羊の腸、鯨筋等の動物筋に適度の撚りをかけて樹脂をコ
ーティングしてなるガット(天然ガット)が提供されて
いる。この天然ガットは反発性、ボールの飛び、打球感
等は良好であるものの、耐久性、耐水性が低く、高価で
ある。
【0003】これに対して、種々の合成繊維製のガット
(合成ガット)が提供されている。この合成ガットは、
耐久性、耐水性が良好で安価であるが、ボールの飛び、
打球感等は天然ガットより劣るため、できる限り天然ガ
ットに近い特性を得るための種々の試みがなされてい
る。
【0004】従来、天然ガットの特性が優れているの
は、合成ガットと比較して引張試験により得られる応力
−歪み曲線が線形的であり、かつ、応力“0”(原点)
からの立ち上がり近くでの初期のバネ定数が高いためで
あるとされていた。そのため、天然ガットの特性に近づ
けるために、アラミド繊維等を使用した高弾性、高強度
の合成ガットが提案されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般にテニスラケット
にガットを張設するときの張力は、18〜31kg(4
0〜70lb)であるが、図7に示す天然ガット及び市
販されている合成ガットのバネ定数−荷重線図(サンプ
ル長は40mmとしている。)によれば、この荷重範囲
での天然ガットのバネ定数は60kg/cm程度である
のに対して、合成ガットのバネ定数は70〜150kg
/cm程度であり、合成ガットのバネ定数は天然ガット
のバネ定数よりも大きい。
【0006】また、最も一般的な合成ガットであるナイ
ロン繊維製のガットの荷重−歪み曲線は、図8に示すよ
うに、荷重“0”からの立ち上がりの直線部分a、降伏
状態b、荷重軸に凹である曲線部分c、直線部分d、ひ
ずみ軸に対して凹である曲線部分eを経て破断点fに至
る。従来の合成ガットでは、上記荷重−ひずみ線図のう
ち、荷重軸に対して凹である曲線部分cが上記18〜3
1kg(40lb〜70lb)の荷重範囲となってい
た。すなわち、この図8及び上記した図7に示されてい
るように、上記荷重範囲では、合成ガットのバネ定数は
増大する傾向にある。これに対して、この荷重範囲にお
ける天然ガットのバネ定数は、図7に示すようにほぼ一
定(変化の傾きがほぼ“0”)である。
【0007】合成ガットにおいてバネ定数が高いこと、
及びバネ定数が増大する傾向にあることは、ともに打球
感が硬くなり天然ガットの特性からかけ離れる要因とな
る。このように従来の合成ガットは、ラケットに張設し
た場合に相当する荷重範囲における弾性的性質が天然ガ
ットと異なるため、天然ガットのようなボールの飛び、
やわらかい打球感等を得ることができなかった。
【0008】これに対して、本発明者は、種々の実験、
研究の結果、ラケットに張設したときにかかる張力に相
当する上記18kg〜31kg(40〜70lb)の荷
重範囲において、バネ定数が小さく、かつ、バネ定数が
一定若しくは減少の傾向にある(上記図8の荷重−歪み
線図において、直線部分dから曲線部分eが上記荷重範
囲となる)合成ガットであれば、天然ガットと同様の特
性を有することを見いだした。
【0009】また、本発明者は、以下の分子論的、物理
的考察からも、上記図8の荷重−歪み曲線の直線部分d
から曲線部分eが上記荷重範囲にあれば、上記直線部分
aから曲線部分cが上記荷重範囲にある場合より、天然
ガットに近い特性を有する合成ガットが得られることを
見いだした。まず、ゴムの場合、荷重−ひずみ曲線は鎖
状分子がつくる網目組織のエントロピーを考慮すること
によって、定量的に説明する事ができる。このことは、
ゴムの変形に対する抵抗力の主たる要因が、いわゆる熱
振動下の最大エントロピー状態の実現にあること、つま
り非晶質部分の分子がランダムな構造をとろうとする
(外力への抵抗力)傾向に基づくものである。
【0010】一方、繊維は晶質部と非晶質部よりなりた
っている。繊維の物性に大きな影響を与えているのは晶
質部ではなく、むしろ非晶質部であるが、ゴムよりもは
るかに多い結晶体の部分により、鎖状分子の分節の運動
が阻害され、ゴムよりもヤング率が高いといえる。更に
繊維ではファン・デル・ワールス力や水素結合のような
2次的結合力も関与し、分子が縮もうとするエントロピ
ー的な力と、分子相互間の引き合いに基づく内部エネル
ギー的な力との間、一種のバランスが保たれていると考
えられる。繊維の荷重−歪み曲線の直線部分aにおい
て、まず伸びるのは非晶質部であり、晶質部は非晶質部
の10%程度しか伸びない。繊維が伸びるにしたがっ
て、晶質部が伸びに拮抗するようになり、エントロピー
的に慣性力が作用するようになる。しかし、エントロピ
ーの効果はまだ小さく、内部エネルギー的なひき合い力
の方がはるかに大きく効いている。一般に初期弾性率と
なるのはこの範囲である。
【0011】降伏状態bから曲線部分cの範囲では、鎖
状分子の分節が移動する程の大きな変形をおこしてラン
ダムな網目組織は強く配向し始め直線部分dから曲線部
分eではエントロピー的な慣性力とエネルギー的な引き
合い力との両方の効果が現れる。曲線部分eの半ばには
更に大きな鎖状分節の流れがおこり、ついに破壊してし
まう。このように、繊維がゴムのようなエントロピー的
な弾性を示すのは、直線部分dから曲線部分eの前半部
分であり、この部分では合成ガットは天然ガットと同様
の特性を有する。
【0012】本発明は、以上の点を鑑みて、従来の合成
ガットにおける問題を解決し、天然ガットに近い良好な
ボールの飛び、やわらかい打球感等の特性を有する合成
繊維製のラケット用ガットを提供することを目的として
なされものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、合成
繊維よりなるラケット用ガットであって、サンプル長4
0mmの引張試験における荷重−歪み線図の20〜30
kgの荷重範囲の全領域において、バネ定数が25〜9
0kg/cmであり、かつ荷重に対するバネ定数の変化
の傾きが0〜−4kg/cm/kgであることを特徴と
するラケット用ガットを提供するものである。
【0014】
【作用】本発明に係るラケット用ガットでは、荷重−歪
み曲線の20〜30kgの荷重範囲、すなわちラケット
に張設したときにかかる張力に相当するの荷重範囲の全
領域において、バネ定数をこの荷重範囲における天然ガ
ットのバネ定数とほぼ同様の25〜90kg/cmと
し、かつ、この荷重範囲での荷重に対するバネ定数の変
化の傾きを天然ガットとほぼ同様の0〜−4kg/cm
/kgとしているため、ボールを打球した場合の飛び、
やわらかい打球感及び反発係数が天然ガットとほぼ同様
であり、天然ガットを使用した場合と同様のフィーリン
グでボールを打つことができる。
【0015】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づいて本発明に
ついて詳細に説明する。図1に示す実施例に係る合成繊
維製のラケット用ガット1(以下、「ガット」と略称す
る。)は、テニスラケット用ガットであり、繊維太さ3
〜3000デニール程度、弾性率が約200〜1000
kg/mm2の繊維2を3本〜2000本程度撚り合わ
せて樹脂で接着、コーティングしたマルチフィラメント
構造である。この繊維2はナイロン6、ナイロン66等
のポリアミド樹脂からなる繊維である。また、繊維2の
撚りのピッチは、3〜40mm/turnとしている
が、よりをかけずに、引きそろえるのみの場合もある。
さらに、後述する加熱延伸の延伸倍率を0%〜50%と
している。
【0016】本実施例では、繊維2の繊維太さ、弾性
率、撚り合わせる繊維量(使用繊維量)、繊維を撚り合
わせる際の撚りのピッチ、ガットの延伸倍率等を調節す
ることにより、ラケットに張設して使用した際に相当す
る、サンプル長40mmの引張試験における荷重−歪み
曲線の20〜30kg(40〜70lb)の荷重範囲で
のバネ定数及び荷重に対するバネ定数の変化の傾きを下
記の範囲に設定している。
【0017】まず、本実施例では、上記荷重範囲の全部
領域での、バネ定数を25〜90kg/cmとし、同じ
荷重範囲における天然ガットのバネ定数(約60kg/
cm)に近付けて設定している。すなわち、本実施例で
は、荷重が20kg、22kg、24kg、26kg、
28kg、30kgの6点で測定したバネ定数が全て2
5kg/cm〜90kg/cmの範囲内となるようにし
ている。バネ定数の上限値を上記のように90kg/c
mとしているのは、バネ定数が大きいと上記したよう
に、打球感が硬くなり天然ガットの特性とかけ離れる要
因となるからである。また、バネ定数の下限値を上記の
ように25kg/cmとしているのは、バネ定数があま
りに小さいとガットとしての耐久性やラケットに調節し
て打球する際の打球感がなくなるが、この程度のバネ定
数であれば十分な耐久性、打球感が得られるからであ
る。
【0018】また、本実施例では、上記荷重範囲の全領
域での、荷重に対するバネ定数の変化の傾きを−4kg
/cm/kg〜0kg/cm/kgとして、同じ荷重範
囲における天然ガットのバネ定数の変化の傾き(約0k
g/cm/kg)に近付けて設定している。すなわち、
本実施例では、荷重20kg〜22kg、荷重22kg
〜24kg、荷重24kg〜26、26kg〜28k
g、28kg〜30kgの5区間でのバネ定数の変化の
傾きを全て0〜−4の範囲内に設定している。バネ定数
の荷重に対する変化の傾きの上限値を上記のように
“0”に設定しているのは、上記したように同じ荷重範
囲における天然ガットのバネ定数はほとんど一定(バネ
定数の変化の傾きがほぼ“0”)だからである。一方、
バネ定数の荷重に対する変化の傾きの下限値を上記のよ
うに−4kg/cm/kgとしているのは、バネ定数の
減少傾向があまりに大きいとガットとしての耐久性やラ
ケットに調節して打球する際の打球感がなくなるが、こ
の程度のバネ定数の変化の傾きであれば十分な耐久性、
やわらかい打球感が得られるからである。
【0019】本実施例のガット1は、上記のようにテニ
スラケットに張設して使用する際の張力に対応する18
〜31kg(40〜70lb)の荷重範囲の全領域にお
けるバネ定数及び荷重に対するバネ定数の変化の傾きを
天然ガットに近づけているため、テニスラケットに張設
してテニスボールを打球した場合に、天然ガットと同様
の反発性、ボールの飛び、やわらかい打球感を得ること
ができる。また、本実施例のガット1は合成繊維製であ
るから、天然ガットと比較して耐久性、耐水性が優れ、
かつ安価である。
【0020】なお、上記実施例に係るガット1は、以下
のように公知の方法により製造される。まず、ペレット
状態の繊維を紡糸、延伸しフィラメント状とする。次
に、2本以上のフィラメントを引き揃え、あるいは撚り
機により撚り合わせて接着剤により接着、コーティング
する。さらに、強度を向上するために加熱延伸を行う。
【0021】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、上記荷重範囲におけるバネ定数及びバネ定数の変
化の傾きが上記の範囲内にあれば、種々の変形が可能で
ある。例えば、上記ガットを構成する繊維は、ナイロン
6、ナイロン66等のポリアミド樹脂に限定されず、ポ
リビニリデン、変成ナイロン等からなる合成繊維であっ
てもよい。また、上記接着剤もナイロン6製に限定され
ず、その他のナイロン系、ウレタン系等種々の接着剤を
使用することができる。
【0022】(実験例)本発明の効果を確認するための
実験を行った。実験例として本発明に係る5種類のナイ
ロン6製のガット(実験例1から実験例5)を準備し
た。各実験例における繊維の太さ、繊維の弾性率、ガッ
トに使用する繊維の総量、撚りのピッチ、延伸倍率を下
記の表1に示すように上記実施例の範囲内で設定し、2
0kg〜30kg(40lb〜70lb)の荷重範囲の
全領域におけるバネ定数を25〜90kg/cm、荷重
に対するバネ定数の変化の傾きを0〜−4の範囲に設定
している。実験例1から実験例5のバネ定数−ひずみ曲
線と荷重−歪み曲線は、それぞれ図2、図3に示すよう
になる。
【0023】また、本実験では、下記の表1に示す比較
例1から比較例5のガットを準備した。比較例1は、実
験例5に対応する比較例であり、繊維の太さ、繊維の弾
性率、使用繊維量及び撚りのピッチは、第5実験例と同
じであるが、延伸倍率を25%として、実験例5(延伸
倍率0%)と異ならせることにより、上記荷重範囲での
バネ定数を75〜150kg/cm、バネ定数の傾きを
2.1〜5.4kg/cm/kgとして、バネ定数と荷
重に対するバネ定数の変化の傾きの両方を本発明の範囲
外に設定している。
【0024】比較例2は、実験例1に対応する比較例で
あり、繊維の太さ、使用繊維量、撚りのピッチ及び延伸
倍率は、第1実験例と同じであるが、繊維の弾性率を約
500kg/mm2として実験例1(繊維の弾性率は約
300kg/mm2)と異ならせることにより、上記荷
重範囲でのバネ定数を77〜114kg/cm、バネ定
数の傾きを1.1〜2.6kg/cm/kgとして、バ
ネ定数と荷重に対するバネ定数変化の傾きの両方を本発
明の範囲外に設定している。
【0025】比較例3は、実験例4に対応する比較例で
あり、繊維の太さ、繊維の弾性率、撚りのピッチ及び延
伸倍率は、実験例4と同じであるが、使用繊維量を75
60デニールとして第4実験例(使用繊維料8820デ
ニール)と異ならせることにより、上記荷重範囲でのバ
ネ定数を17〜20kg/cmとして本発明の範囲外に
設定している。ただし、比較例3における上記荷重範囲
での荷重に対するバネ定数の変化の傾きは0〜−0.7
であり本発明の範囲内にある。
【0026】比較例4は、実験例3に対応する比較例で
あり、繊維の太さ、繊維の弾性率、撚りのピッチ及び延
伸倍率は、実験例3と同じであるが、使用繊維量を75
60デニールとして実験例3(使用繊維料8820デニ
ール)と異ならせることにより、上記荷重範囲での荷重
に対するバネ定数の変化の傾きを−3.9〜−4.7と
して本発明の範囲外に設定している。ただし、比較例4
における上記荷重範囲におけるバネ定数は34〜77k
g/cmであり本発明の範囲内にある。
【0027】比較例5は、実験例5に対応する比較例で
あり、繊維の太さ、繊維の弾性率、撚りのピッチ及び延
伸倍率は、実験例5と同じであるが、使用繊維量を11
340デニールとして実験例5(10080デニール)
と異ならせることにより、上記荷重範囲でのバネ定数を
82〜94kg/cm、バネ定数の傾きを0〜12.5
kg/cm/kgとして、バネ定数と荷重に対するバネ
定数の変化の傾きの両方を本発明の範囲外と設定してい
る。比較例1から比較例5のバネ定数−荷重曲線、荷重
−歪み曲線は、それぞれ図4、図5に示す通りである。
【0028】
【表1】
【0029】本実験では、上記実験例1から実験例5及
び比較例1から比較例5について、フィーリングテスト
により、ボールの飛び、打球感、天然ガットに近いフィ
ーリングを有するかについて調べた。また、上記実験例
1から実験例5及び比較例1から比較例5について、反
発係数を測定した。なお、上記比較例1から比較例5に
加えて天然ガット(BABOLAT製のVS ALL
SEASON)についても上記フィーリングテストと反
発係数の測定を行った。
【0030】上記ボールの飛び等のフィーリングテスト
では、各実験例、比較例のガットをテニスラケット(D
UNLOP製PRO−70)に縦糸27kg(60l
b)、横糸21.6kg(48lb)で張設し、110
人のアマチュアトッププレーヤーに実際にテニスボール
を打球させ、ボールの飛び等について「良い」と答えた
人数を集計した。
【0031】一方、反発係数の測定は図6に示すよう
に、上記した張力でガットを張設したテニスラケット5
を垂直状態で保持し、一定速度V1でテニスボール6を
打球面に衝突させ、跳ね返されたテニスボール6の速度
2を測定した。反発係数は、上記速度V1,V2の比
(V2/V1)である。この反発係数(V2/V1)が大き
い程ボールの飛びが良いことを示している。
【0032】上記フィーリングテニス及び反発係数の測
定の結果は表2に示す通りである。なお、この表2中ボ
ールの飛び、打球感及び天然ガットに近いフィーリング
か否かの欄では、◎は110人中90人以上が「良い」
と答えた場合、○は110人中70人〜89人が「良
い」と答えた場合、△は110人中50人〜69人が
「良い」と答えた場合、×は110人中50人未満が
「良い」と答えた場合を示している。
【0033】
【表2】
【0034】上記表2に示すように、実験例1から実験
例5のボールの飛び、打球感は、比較例1から比較例5
より良好であり、バネ定数及び荷重に対するバネ定数の
変化の傾きを本発明のように設定することにより、ボー
ルの飛び及び打球感が良好となることが確認できる。ま
た、上記表2に示すように、実験例1から実験例5の打
球感は、比較例1から比較例5より天然ガットに近いフ
ィーリングを有し、バネ定数及び荷重に対するバネ定数
の変化の傾きを本発明のように設定すれば、天然ガット
に近いフィーリングを得られることが確認できる。さら
に、反発係数(V2/V1)については、表2に示すよう
に、天然ガットが0.432であるのに対して、実験例
1から実験例5では0.423〜0.433、比較例1
から比較例5では0.419〜0.421であり、本発
明のガットは天然ガットと同様の反発係数を有すること
を確認できる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかように、本発明に
係るラケット用ガットでは、荷重−歪み曲線の20〜3
0kgの荷重範囲、すなわちラケットに張設したときに
かかる張力に相当する荷重範囲の全領域において、バネ
定数をこの荷重範囲における天然ガットのバネ定数とほ
ぼ同様の25〜90kg/cmとし、かつこの荷重範囲
での荷重に対するバネ定数の変化の傾きを天然ガットと
ほぼ同様の0〜−4kg/cm/kgとしているため、
ボールを打球した場合の飛び、やわらかい打球感及び反
発係数が天然ガットとほぼ同様であり、天然ガットを使
用した場合と同様のフィーリングでボールを打つことが
できる。
【0036】また、本発明に係るラケット用ガットは、
合成繊維製であるため、耐久性、耐水性が優れ、かつ安
価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るラケット用ガットを示
す概略斜視図である。
【図2】 実験例1から実験例5のラケット用ガットの
バネ定数と荷重の関係を示す線図である。
【図3】 実験例1から実験例5のラケット用ガットの
荷重と歪みの関係を示す線図である。
【図4】 比較例1から比較例5のラケット用ガットの
バネ定数と荷重の関係を示す線図である。
【図5】 比較例1から比較例5のラケット用ガットの
荷重と歪みの関係を示す線図である。
【図6】 反発係数を説明するための概略図である。
【図7】 天然ガット及び従来の合成ガットのバネ定数
と荷重の関係を示す線図である。
【図8】 ナイロン繊維製のガットの荷重と歪みの関係
を示す線図である。
【符号の説明】
1 ラケット用ガット 2 繊維 5 テニスラケット 6 テニスボール

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維よりなるラケット用ガットであ
    って、サンプル長40mmの引張試験における荷重−歪
    み曲線の20〜30kgの荷重範囲の全領域において、
    バネ定数が25〜90kg/cmであり、かつ荷重に対
    するバネ定数の変化の傾きが0〜−4kg/cm/kg
    であることを特徴とするテニスラケット用ガット。
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