JP2665965B2 - 高性能タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

高性能タイヤトレッド用ゴム組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高荷重用タイヤに代表される、トレッド層
の変形の大きいタイヤのグリップ性能を大きく向上する
タイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来、グリップ性能などの高運動性能をタイヤに付与
するトレッド用ゴム組成物として、スチレン・ブタジエ
ン共重合体ゴム(SBR)が使用されている。このSBRとし
ては大別して、乳化重合によって得られるスチレン・ブ
タジエン共重合体ゴム(以下、乳化重合SBRと略す)と
溶液重合によって得られるスチレン・ブタジエン共重合
体ゴム(以下、溶液重合SBRと略す)の2種が知られて
いる。
溶液重合SBRは、一般に乳化重合SBRに比較して、スチ
レンブロックが多いため発熱性や耐摩耗性に劣ってお
り、かつ結合スチレン量の多い溶液重合SBRは、高歪域
におけるヒシテリシスロスを減少させるため、タイヤの
トレッド面にパターンを有し、ブロックの変形量の大き
いタイヤに対しては、その運動性能を向上させるもので
はなかった。
他方、特開昭61−243839号公報には、乾燥並びに湿潤
路面での制動性(スキッド性)、加工性に優れていると
共に、耐摩耗性、破壊特性などの物性に優れた乳化重合
SBRとして、スチレン含有量が10〜65重量%であり、分
子量分布指数(Mw/Mn)が10以上で、分子量3.00×106
上の成分を15重量%以上含有する上記乳化重合SBRを少
なくとも20重量%含有するゴム組成物が提案されてい
る。
しかしながら、この乳化重合SBRは、そのスチレン量
が高くなると、グリップ性の向上は認められるが、カー
ボンブラックやアロマテックオイルなどを多量に配合す
る必要があり、ロール等への密着が著しく、加工性に劣
る欠点があった。特に、該乳化重合SBRのスチレン含有
量が50重量%を越える時はヒシテリシスロスが大きくな
る点では有利であるものの、ゴムポリマ鎖中のスチレン
部がブロック化し、その硬さとモジュラスの温度依存性
が増大し、かつタイヤのグリップ性能の向上に寄与しな
いと言う欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、トレッド用ゴム組成物のゴム成分と
しての上記従来の乳化重合や溶液重合によって得られる
SBRの欠点を解消した、高運動性能、特に高度のグリッ
プ性能を有するタイヤトレッド用ゴム組成物を提供する
ことである。
〔課題を解決するための手段〕
このような目的を達成する本発明のゴム組成物は、 (A)結合スチレン量が50〜60重量%、重量平均分子量
(Mw)が80万以上、分子量分布指数(Mw/Mn)が4.0〜7.
0、スチレン単位が1個および/または2個連なったス
チレン短連鎖〔(S1)および/または(S2)〕の全結合
スチレン量に対する割合が50%以上、スチレン単位が20
個以上連なったスチレン長連鎖〔(S20)〕の全結合ス
チレン量に対する割合が1.0%以下である乳化重合によ
り得られたスチレン・ブタジエンゴムを少なくとも30重
量%含有するゴム成分100重量部に対して、 (B)窒素吸着比表面積(N2SA)が100〜350m2/gで、ジ
ブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)が100〜170ml/10
0gであるカーボンブラック80〜250重量部、 (C)伸展油80〜280重量部、 から構成されることが必要である。
本発明の特徴はゴム組成物を構成する乳化重合SBRに
ある。すなわちこの乳化重合SBRは50〜60%と言う高い
結合スチレン含有量を有するにもかかわらず、スチレン
単位が1個および/または2個連なったスチレン短連鎖
〔(S1)および/または(S2)〕(以下、スチレン短連
鎖(S1)/(S2)と略す)の量が少なくとも50%以上で
あり、スチレン単位が20個以上連なったスチレン長連鎖
〔(S20)〕(以下、スチレン連鎖(S20)と略す)の量
が1.0%以下である点にある。すなわち、全結合スチレ
ン量に対してスチレン短連鎖(S1)/(S2)の量が少な
くとも50%以上で、スチレン長連鎖(S20)の量が1.0%
以下であると云うことは、該乳化重合SBR中のスチレン
が高度にランダム化しており、ブロックを形成していな
いことを示す。したがって、本発明の乳化重合SBRは、
高スチレン含有量にもかかわらず、ゴムの硬さおよびモ
ジュラスの温度依存性が小さく、耐発熱性や耐摩耗性の
点でも極めて優れている。
すなわち、該乳化重合SBR中の全結合スチレン量に対
するスチレン短連鎖(S1)/(S2)の割合が50%以上
で、スチレン長連鎖(S20)の量が1.0%以下であると同
時に、乳化重合SBR中の結合スチレン量が多いと言うこ
とが、本発明の目的とする耐発熱性、反発弾性、耐摩耗
性などのゴム物性を高水準に維持して、剛性と硬度の温
度依存性の小さい、優れたグリップ性を有するゴムとす
ることができるのである。
また、この乳化重合SBRは一定水準の破壊強度物性を
保持する上で、少なくも80万以上の重量平均分子量
(Mw)を有すべきである。
そして、本発明の乳化重合SBRは、その分子量分布指
数(Mw/Mn)が4.0〜7.0の範囲内と云う比較的に広い分
子量分布を有し、低分子量ポリマ成分を含有している。
したがって、この低分子量ポリマ成分により、本発明の
ゴム組成物は適度の粘着性が与えられ、その加工性が優
れている。
なお、本発明において、上記スチレン短連鎖(S1)・
(S2)およびスチレン長連鎖(S20)は、ブタジエン単
位の二重結合を全てオゾン開裂して得られた分解物のゲ
ルパーミエーションクロマトグラフ(G.P.C)法によっ
て分析した値である(東京農工大,田中ら「ポリマ」
(Polymer")第22巻1721頁または高分子学会予稿集、29
巻、9号、2055頁参照)。
本発明のSBRの構造決定において、スチレン量は赤外
分光光度計を用いたハンプトン法により、ビニル量は同
じく赤外分光光度計を用いたモレロ法によった。
また、分子量分布指数(Mw/Mn)および重量平均分子
量(Mw)の測定には、ウォーターズ社製ALC/GPC 150−
C型のG.P.Cを使用し、検出器として示差屈折計を使用
した。カラムはウォーターズ社製ウルトラスタイジュル
4本、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、40℃
で測定した。予め、ウォーターズ社製単分散スチレン重
合体により求めた検量線を使用し、各カウントに対応す
る分子量をポリスチレン換算で求め、得られた分子量曲
線からかく低分子量重合体の割合を面積比として求め
た。
上記乳化重合SBRは、本発明の組成物中のゴム成分の
少なくとも30重量部を占める必要があり、好ましくは少
なくとも50〜100重量部を占めるのがよい。この乳化重
合SBRの量が30%よりも少ないと、上述した乳化重合SBR
の有する優れたゴム特性が組成物に反映されなくなる。
本発明の乳化重合SBRに混合、配合される他種のゴム
成分としては、たとえば、通常の乳化重合SBR、溶液重
合によって得られるSBR、天然ゴム、ブタジエンゴム、
イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムな
どを例示することができる。
次に、本発明の乳化重合SBRに対して配合されるカー
ボンブラックは、該乳化重合SBRの優れたグリップ性能
を助長し、高めるために、その窒素吸着比表面積(N2S
A)が100〜350m2/gで、ジブチルフタレート吸油量(DBP
吸油量)が100〜170ml/100gであることが必要である。
このカーボンブラックが上記窒素吸着比表面積(以下、
N2SAと記す)およびジブチルフタレート吸油量(以下、
DBP吸油量という)の数値範囲を満足しない場合は、本
発明のゴム組成物としてのグリップ性能が十分でないの
みならず、耐摩耗性或いは発熱性のいずれかが低下する
ため好ましくない。
さらにゴム組成物の物性向上のため伸展油を配合す
る。
これらのカーボンブラックおよび伸展油の配合量は、
本発明のゴム組成物に良好な加工性を付与し、過度の粘
着性を防止して加工時のロールへの密着などを避けるた
め、ゴム成分の乳化SBR100重量部に対してそれぞれ、80
〜250重量部および80〜280数量部の範囲内とすべきであ
る。
なお、上記N2SAおよびDBP吸油量の値を満足するカー
ボンブラックとしては、N220(ISAF)〜N110(SAF)な
どを例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。伸展油としては、芳香族系オイル、ナフテン
系オイル、パラフィン系オイル等がある。
また、本発明のゴム組成物中には、各種の添加剤、た
とえば酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、加硫
促進剤、ワックス、硫黄、亜鉛華などを適宜配合するこ
とができる。
以下、実施例により本発明の効果をさらに具体的に説
明する。
なお、実施例、比較例中、ゴム組成物のタイヤトレッ
ド用としての性能評価は、タイヤの運動性能指数、すな
わち1周4.41Kmのサーキットで5周走行した場合のベス
トトラップを測定し、標準値に対する指数で示した。
この指数値、その値が小さい程、グリップ力が高く、
性能が良好であることを示す。
実施例1〜6、比較例 乳化重合法によって得られたSBRとして、結合スチレ
ン量、重合平均分子量(Mw)、分子量分布指数(Mw/
Mn)、スチレン短連鎖(S1)/(S2)およびスチレン長
連鎖(S20)の全結合スチレン量に対する割合が異なる
表1に示す3種類ののSBRをゴム成分とし、表2に示す
配合組成を有する組成物をタイヤトレッド用として用い
て、7種類のタイヤを作成した。これらのタイヤを車両
に装着し、前記運動性能指数を測定した。
なお、運動性能指数の基準値は、比較例のタイヤの値
をとった。結果を表2に示した。
〔発明の作用・効果〕 本発明によれば、結合スチレン量、重量平均分子量
(Mw)、分子量分布指数(Mw/Mn)、スチレン短連鎖(S
1)/(S2)およびスチレン長連鎖(S20)の全結合スチ
レン量に対する割合がそれぞれ一定の範囲内にある特定
の乳化重合SBR、同じく特定のN2SAとDBP吸油量を有する
カーボンブラックを使用し、この乳化重合SBRとカーボ
ンブラック、加えて伸展油をそれぞれ特定範囲量配合す
ることによって、乳化重合SBRの特徴である優れた耐摩
耗性、耐発熱性の特徴を保有し、剛性と硬度の温度依存
性、路面に対するグリップ性能に優れ、すなわち高い運
動性能指数を有し、良好な加工性を示すトレッド用ゴム
組成物とすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広実 秀己 山口県下松市大海町西192―11 (72)発明者 秋田 修一 神奈川県横浜市戸塚区品濃町553―1 パークヒルズN―204

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)結合スチレン量が50〜60重量%、重
    量平均分子量(Mw)が80万以上、分子量分布指数(Mw/M
    n)が4.0〜7.0、スチレン単位が1個および/または2
    個連なったスチレン短連鎖〔(S1)および/または(S
    2)〕の全結合スチレン量に対する割合が50%以上、ス
    チレン単位が20個以上連なったスチレン長連鎖〔(S2
    0)〕の全結合スチレン量に対する割合が1.0%以下であ
    る乳化重合により得られたスチレン・ブタジエンゴムを
    少なくとも30重量%含有するゴム成分100重量部に対し
    て、 (B)窒素吸着比表面積(N2SA)が100〜350m2/gで、ジ
    ブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)が100〜170ml/10
    0gであるカーボンブラック80〜250重量部、 (C)伸展油80〜280重量部、 を配合してなる高性能タイヤトレッド用ゴム組成物。
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