JP2665755B2 - β−サイアロン質複合セラミックスの製造方法 - Google Patents
β−サイアロン質複合セラミックスの製造方法Info
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- C04B35/515—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics
- C04B35/58—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on borides, nitrides, i.e. nitrides, oxynitrides, carbonitrides or oxycarbonitrides or silicides
- C04B35/597—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on borides, nitrides, i.e. nitrides, oxynitrides, carbonitrides or oxycarbonitrides or silicides based on silicon oxynitride, e.g. SIALONS
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、高硬度、高強度を有するβ−サイアロン質
複合セラミックスの製造方法に関する。 〔従来の技術〕 近年、β−サイアロンセラミックスは、常温および高
温強度が高いこと、耐酸化性、溶融金属に対する耐食性
に優れていることから、各種耐火物材料、エンジン部
品、切削工具等の材料として注目されている。 従来より、β−サイアロンセラミックスの製造方法と
しては、窒化けい素、窒化アルミニウム、酸化アルミニ
ウムの混合粉又は窒化けい素、窒化アルミニウムのポリ
タイプ、酸化イツトリウムの混合粉を焼結する方法およ
びβ−サイアロン粉末を焼結する方法が知られている。 しかし、従来の方法で製造されたβ−サイアロンセラ
ミックスは、硬度がビッカース硬度で1600〜1500kg/mm2
と低く、高硬度を必要とする切削工具、耐摩耗性を必要
とするベアリング等に利用するには硬度が不充分であり
問題があった。 これに対して、硬度を向上させる方法として、β−サ
イアロンと第2成分との複合セラミックスを製造するこ
とが提案されている。 つまり、窒化けい素、窒化アルミニウム、酸化アルミ
ニウムをβ−サイアロン組成となるように配合し、必要
に応じて焼結助剤を加え、更に第2成分としてTi,Zrお
よびHfの炭化物、窒化物を添加して焼結する方法が取ら
れている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、この方法は、数種類の原料を均一に混
合することが困難であり、特にβ−サイアロン相の組成
が不均一なため、β−サイアロンと、Ti,Zr等の炭化
物、窒化物との複合による効果を十分発揮させることが
できず、所望の硬度を引き出すには未だ不十分であっ
た。 そこで、β−サイアロンと第2成分である他の成分が
均一に混合され、硬度の高い複合β−サイアロンセラミ
ックスの製法の出現が望まれていた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、高硬度を具備するβ−サイアロンと第
2成分との複合セラミックス(以下β−サイアロン質複
合セラミックスという)との製造方法を鋭意研究した結
果、β−サイアロン相となっているβ−サイアロン粉末
にSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCの各複
合剤粉末よりなる群から選ばれた一種以上の粉末を均一
に混合後、成形し、焼結することにより、β−サイアロ
ン相が均一となり混合度も均一化され、その結果、高強
度、高硬度を有するβ−サイアロン質複合セラミックス
を製造できるとの知見を得て本発明を完成するに到っ
た。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用するβ−サイアロン粉末としては一般的
にはSi6-zAlzOzN8-Zで表わされる連続固溶体のβ−サイ
アロン粉末を用いるのが好ましく、高強度のサイアロン
焼結体を得るためにはZ値が0.1〜3.0、望ましくは0.2
〜2.5であることが好ましい。 本発明で用いるβ−サイアロン粉末はいくつかの方法
で合成できる。 例えば目的のZ値になるようにSiO2,Al2O3,カーボン
等を配合した混合粉末を窒素またはアンモニア雰囲気
中、1300〜1550℃で焼成し、還元窒化して合成したβ−
サイアロン粉末、Si(NH)2とAl2O3,AlN,Alの内一種また
は二種を所望のZ値になるように配合して窒素もしくは
アンモニア雰囲気中で焼成して合成したβ−サイアロン
粉末またはSi,Al2O3,AlNを所望のZ値になるように配合
した混合原料を窒素雰囲気中で窒化して合成したβ−サ
イアロン粉末が挙げられる。 その粉末の平均粒径は2μm以下が好ましい。平均粒
度が2μmより大きいものを使用すると複合剤との混合
が不十分となり、高硬度の焼結体を得られず好ましくな
い。 複合剤としてはSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr
3C2,ZrC等が挙げられる。 これらの金属炭化物、金属窒化物はできるだけ細かい
ものがよく、平均粒径が5μm以下のものが好ましい。
平均粒径が5μmを超えるとβ−サイアロン粉末と複合
剤との混合が不均一になることもあり、高硬度の焼結体
が得られず好ましくない。 該複合剤を一種以上選んでβ−サイアロン粉末と混合
する。 β−サイアロン粉末と複合剤の混合はβ−サイアロン
粉末100重量部に対して複合剤を3〜40重量部配合して
行うのが好ましい。3重量部未満では添加量が少なすぎ
て効果が小さく、高硬度の焼結体が得られない場合が生
じ好ましくない。 また40重量部を超えると複合剤の添加量が多すぎて焼
結しにくくなり、かえって硬度や強度が低下したりして
好ましくない。 更に必要に応じて焼結助剤としてY2O3,希土類酸化物
の中から一種以上選んで添加することもできる。 β−サイアロン粉末のZ値が低い場合は、焼結時に液
相量が少なく焼結しにくいので焼結助剤を添加した方が
望ましい。 焼結助剤はできるだけ細かいものがよく、平均粒径が
5μm以下のものが好ましい。平均粒径が5μmを超え
るとβ−サイアロン粉末、複合剤と焼結助剤との混合が
不均一になり、焼結体の強度低下や硬度低下を来すので
好ましくない。 焼結助剤の添加量はβ−サイアロン、複合剤の合量10
0重量部に対して1〜30重量部配合するのが好ましい。
常圧焼結を行う場合には1.5〜30重量部配合するのが好
ましい。1重量部未満では添加量が少なすぎて効果が小
さく、高強度、高硬度の焼結体が得られない場合があ
る。また30重量部を超えると添加量が多すぎてガラス相
が多くなりすぎたり、焼結体の粒界相が粒成長したりし
て、かえって高強度、高硬度の焼結体が得られず好まし
くない。 β−サイアロン粉末にはSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al
4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCの中から一種以上選んだ複合剤およ
び必要に応じてY2O3,希土類酸化物の中から一種以上選
んだ焼結助剤を前記の通り配合し、ボールミル、アトラ
イター等慣用の装置を用いて十分混合する。 得られたβ−サイアロン粉末、複合剤等の混合物を所
望の形状に成形し、その成形体を、窒素雰囲気の焼結炉
に挿入し、1600〜1900℃、10〜180分程度保持し、常圧
焼結又はホットプレス焼結を行うことにより、所望のサ
イアロン質複合セラミックスを製造することができる。 〔作用〕 本発明の如くβ−サイアロン粉末にSiC,TiC,TiN,Ti
B2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrC等の複合剤および必要に
応じて、Y2O3又は希土類酸化物等の焼結助剤を添加後焼
結して得たβ−サイアロン質複合セラミックスが高硬度
であるのは以下の理由によるものと考えられる。 本発明の場合、母体となるβ−サイアロン用原料は、
従来のように焼結してβ−サイアロン組成になるような
窒化けい素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、又
は窒化けい素、窒化アルミニウムのポリタイプ、酸化イ
ツトリウム等ではなく、あらかじめβ−サイアロン相と
なっているβ−サイアロン粉末を使用しているため、焼
結後のβ−サイアロン相の組成は非常に均一である。 それ故焼結時にSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr
3C2,ZrC等の複合剤をとり囲んだβ−サイアロン相は強
固となり、上記複合剤との結合も強固となり高硬度なβ
−サイアロン質複合セラミックスが製造できるものと思
われる。 また本発明の如くβ−サイアロン粉末を使用して焼結
した場合、従来の方法である窒化けい素、窒化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム又は窒化けい素、窒化アルミニ
ウムのポリタイプ、酸化イツトリウムを使用したいわゆ
る反応焼結の場合よりも、粒界組成が微細になるため、
更に高硬度なβ−サイアロン質複合セラミックスが製造
できるものと思われる。 〔実施例〕 実施例1〜7 シリカ原料としてホワイトカーボン100重量部(日本
アエロジル社製:商品名、AEROSIL300)、アルミナ粉7
重量部(日本アエロジル社製:商品名、Aluminum Oxide
C)およびカーボンブラック100重量部(東海カーボン
社製:商品名、シースト600)を均一に混合した後、乾
燥して1500℃窒素雰囲気中で6時間還元窒化し、さらに
空気雰囲気下、700℃、4時間、未反応カーボンの酸化
除去を行い、Z=0.5のβ−サイアロン粉末を得た。 得られたβ−サイアロン粉末に、平均粒径0.6〜1.5μ
mのSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCから
なる群より選んだ複合剤粉末を一種以上、表−1に示す
配合割合で添加し、更に必要に応じてY2O3,CeO2,Nd2O3
等の焼結助剤より一種以上、表−1に示す配合割合で選
んで添加してプラスチック製ポットミルを用い、エタノ
ール溶媒中で24時間混合した。 得られた混合物を乾燥後、50mmφ×5mmtに成形し、表
−1に示す焼成方法で、窒素雰囲気中1780℃、90分の常
圧焼結、又は230kg/cm2の圧力下で1780℃、60分のホッ
トプレスを行った。 得られた焼結体からJISR-1601に規定された3×4×4
0mmの供試体を作製し、曲げ試験を行い、得られた結果
を表−1に示す。 また、該供試体の表面をラッピングしてビッカース法
による硬度試験も行った。 その結果を表−1に示す。 本発明によるβ−サイアロン質複合セラミックスは高
強度かつ高硬度であることが分かった。 比較例1〜5 比較用として、α‐Si3N4(0.7μm,α率92%),α‐
Al2O3(0.5μm),AlN(1.2μm)をZ=0.5のβ−サイ
アロン組成になるように配合し、更に必要に応じて、Y2
O3(平均粒径1.0μm),CeO2(平均粒径1.3μm),Nd
2O3(平均粒径1.3μm)から一種以上選んだ、表−1に
示す焼結助剤と、更に表−1に示す複合剤を添加して実
施例1〜7に準じて混合した。 得られた混合物を実施例1〜7に準じて表−1に示す
方法で焼結し、さらに実施例1〜7に準じて曲げ試験及
び硬度試験を行い、その結果を表−1に示す。 〔効果〕 本発明によればβ−サイアロン粉末にSiC,TiC,TiN,Ti
B2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCの各粉末から一種又は二
種以上選んで添加し、必要に応じて焼結助剤を添加して
均一に混合、成形後、焼結することにより、粒界組成が
微細になり、高強度、高硬度に優れたβ−サイアロン質
複合セラミックスを工業的に得ることができる。
複合セラミックスの製造方法に関する。 〔従来の技術〕 近年、β−サイアロンセラミックスは、常温および高
温強度が高いこと、耐酸化性、溶融金属に対する耐食性
に優れていることから、各種耐火物材料、エンジン部
品、切削工具等の材料として注目されている。 従来より、β−サイアロンセラミックスの製造方法と
しては、窒化けい素、窒化アルミニウム、酸化アルミニ
ウムの混合粉又は窒化けい素、窒化アルミニウムのポリ
タイプ、酸化イツトリウムの混合粉を焼結する方法およ
びβ−サイアロン粉末を焼結する方法が知られている。 しかし、従来の方法で製造されたβ−サイアロンセラ
ミックスは、硬度がビッカース硬度で1600〜1500kg/mm2
と低く、高硬度を必要とする切削工具、耐摩耗性を必要
とするベアリング等に利用するには硬度が不充分であり
問題があった。 これに対して、硬度を向上させる方法として、β−サ
イアロンと第2成分との複合セラミックスを製造するこ
とが提案されている。 つまり、窒化けい素、窒化アルミニウム、酸化アルミ
ニウムをβ−サイアロン組成となるように配合し、必要
に応じて焼結助剤を加え、更に第2成分としてTi,Zrお
よびHfの炭化物、窒化物を添加して焼結する方法が取ら
れている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、この方法は、数種類の原料を均一に混
合することが困難であり、特にβ−サイアロン相の組成
が不均一なため、β−サイアロンと、Ti,Zr等の炭化
物、窒化物との複合による効果を十分発揮させることが
できず、所望の硬度を引き出すには未だ不十分であっ
た。 そこで、β−サイアロンと第2成分である他の成分が
均一に混合され、硬度の高い複合β−サイアロンセラミ
ックスの製法の出現が望まれていた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、高硬度を具備するβ−サイアロンと第
2成分との複合セラミックス(以下β−サイアロン質複
合セラミックスという)との製造方法を鋭意研究した結
果、β−サイアロン相となっているβ−サイアロン粉末
にSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCの各複
合剤粉末よりなる群から選ばれた一種以上の粉末を均一
に混合後、成形し、焼結することにより、β−サイアロ
ン相が均一となり混合度も均一化され、その結果、高強
度、高硬度を有するβ−サイアロン質複合セラミックス
を製造できるとの知見を得て本発明を完成するに到っ
た。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用するβ−サイアロン粉末としては一般的
にはSi6-zAlzOzN8-Zで表わされる連続固溶体のβ−サイ
アロン粉末を用いるのが好ましく、高強度のサイアロン
焼結体を得るためにはZ値が0.1〜3.0、望ましくは0.2
〜2.5であることが好ましい。 本発明で用いるβ−サイアロン粉末はいくつかの方法
で合成できる。 例えば目的のZ値になるようにSiO2,Al2O3,カーボン
等を配合した混合粉末を窒素またはアンモニア雰囲気
中、1300〜1550℃で焼成し、還元窒化して合成したβ−
サイアロン粉末、Si(NH)2とAl2O3,AlN,Alの内一種また
は二種を所望のZ値になるように配合して窒素もしくは
アンモニア雰囲気中で焼成して合成したβ−サイアロン
粉末またはSi,Al2O3,AlNを所望のZ値になるように配合
した混合原料を窒素雰囲気中で窒化して合成したβ−サ
イアロン粉末が挙げられる。 その粉末の平均粒径は2μm以下が好ましい。平均粒
度が2μmより大きいものを使用すると複合剤との混合
が不十分となり、高硬度の焼結体を得られず好ましくな
い。 複合剤としてはSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr
3C2,ZrC等が挙げられる。 これらの金属炭化物、金属窒化物はできるだけ細かい
ものがよく、平均粒径が5μm以下のものが好ましい。
平均粒径が5μmを超えるとβ−サイアロン粉末と複合
剤との混合が不均一になることもあり、高硬度の焼結体
が得られず好ましくない。 該複合剤を一種以上選んでβ−サイアロン粉末と混合
する。 β−サイアロン粉末と複合剤の混合はβ−サイアロン
粉末100重量部に対して複合剤を3〜40重量部配合して
行うのが好ましい。3重量部未満では添加量が少なすぎ
て効果が小さく、高硬度の焼結体が得られない場合が生
じ好ましくない。 また40重量部を超えると複合剤の添加量が多すぎて焼
結しにくくなり、かえって硬度や強度が低下したりして
好ましくない。 更に必要に応じて焼結助剤としてY2O3,希土類酸化物
の中から一種以上選んで添加することもできる。 β−サイアロン粉末のZ値が低い場合は、焼結時に液
相量が少なく焼結しにくいので焼結助剤を添加した方が
望ましい。 焼結助剤はできるだけ細かいものがよく、平均粒径が
5μm以下のものが好ましい。平均粒径が5μmを超え
るとβ−サイアロン粉末、複合剤と焼結助剤との混合が
不均一になり、焼結体の強度低下や硬度低下を来すので
好ましくない。 焼結助剤の添加量はβ−サイアロン、複合剤の合量10
0重量部に対して1〜30重量部配合するのが好ましい。
常圧焼結を行う場合には1.5〜30重量部配合するのが好
ましい。1重量部未満では添加量が少なすぎて効果が小
さく、高強度、高硬度の焼結体が得られない場合があ
る。また30重量部を超えると添加量が多すぎてガラス相
が多くなりすぎたり、焼結体の粒界相が粒成長したりし
て、かえって高強度、高硬度の焼結体が得られず好まし
くない。 β−サイアロン粉末にはSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al
4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCの中から一種以上選んだ複合剤およ
び必要に応じてY2O3,希土類酸化物の中から一種以上選
んだ焼結助剤を前記の通り配合し、ボールミル、アトラ
イター等慣用の装置を用いて十分混合する。 得られたβ−サイアロン粉末、複合剤等の混合物を所
望の形状に成形し、その成形体を、窒素雰囲気の焼結炉
に挿入し、1600〜1900℃、10〜180分程度保持し、常圧
焼結又はホットプレス焼結を行うことにより、所望のサ
イアロン質複合セラミックスを製造することができる。 〔作用〕 本発明の如くβ−サイアロン粉末にSiC,TiC,TiN,Ti
B2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrC等の複合剤および必要に
応じて、Y2O3又は希土類酸化物等の焼結助剤を添加後焼
結して得たβ−サイアロン質複合セラミックスが高硬度
であるのは以下の理由によるものと考えられる。 本発明の場合、母体となるβ−サイアロン用原料は、
従来のように焼結してβ−サイアロン組成になるような
窒化けい素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、又
は窒化けい素、窒化アルミニウムのポリタイプ、酸化イ
ツトリウム等ではなく、あらかじめβ−サイアロン相と
なっているβ−サイアロン粉末を使用しているため、焼
結後のβ−サイアロン相の組成は非常に均一である。 それ故焼結時にSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr
3C2,ZrC等の複合剤をとり囲んだβ−サイアロン相は強
固となり、上記複合剤との結合も強固となり高硬度なβ
−サイアロン質複合セラミックスが製造できるものと思
われる。 また本発明の如くβ−サイアロン粉末を使用して焼結
した場合、従来の方法である窒化けい素、窒化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム又は窒化けい素、窒化アルミニ
ウムのポリタイプ、酸化イツトリウムを使用したいわゆ
る反応焼結の場合よりも、粒界組成が微細になるため、
更に高硬度なβ−サイアロン質複合セラミックスが製造
できるものと思われる。 〔実施例〕 実施例1〜7 シリカ原料としてホワイトカーボン100重量部(日本
アエロジル社製:商品名、AEROSIL300)、アルミナ粉7
重量部(日本アエロジル社製:商品名、Aluminum Oxide
C)およびカーボンブラック100重量部(東海カーボン
社製:商品名、シースト600)を均一に混合した後、乾
燥して1500℃窒素雰囲気中で6時間還元窒化し、さらに
空気雰囲気下、700℃、4時間、未反応カーボンの酸化
除去を行い、Z=0.5のβ−サイアロン粉末を得た。 得られたβ−サイアロン粉末に、平均粒径0.6〜1.5μ
mのSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCから
なる群より選んだ複合剤粉末を一種以上、表−1に示す
配合割合で添加し、更に必要に応じてY2O3,CeO2,Nd2O3
等の焼結助剤より一種以上、表−1に示す配合割合で選
んで添加してプラスチック製ポットミルを用い、エタノ
ール溶媒中で24時間混合した。 得られた混合物を乾燥後、50mmφ×5mmtに成形し、表
−1に示す焼成方法で、窒素雰囲気中1780℃、90分の常
圧焼結、又は230kg/cm2の圧力下で1780℃、60分のホッ
トプレスを行った。 得られた焼結体からJISR-1601に規定された3×4×4
0mmの供試体を作製し、曲げ試験を行い、得られた結果
を表−1に示す。 また、該供試体の表面をラッピングしてビッカース法
による硬度試験も行った。 その結果を表−1に示す。 本発明によるβ−サイアロン質複合セラミックスは高
強度かつ高硬度であることが分かった。 比較例1〜5 比較用として、α‐Si3N4(0.7μm,α率92%),α‐
Al2O3(0.5μm),AlN(1.2μm)をZ=0.5のβ−サイ
アロン組成になるように配合し、更に必要に応じて、Y2
O3(平均粒径1.0μm),CeO2(平均粒径1.3μm),Nd
2O3(平均粒径1.3μm)から一種以上選んだ、表−1に
示す焼結助剤と、更に表−1に示す複合剤を添加して実
施例1〜7に準じて混合した。 得られた混合物を実施例1〜7に準じて表−1に示す
方法で焼結し、さらに実施例1〜7に準じて曲げ試験及
び硬度試験を行い、その結果を表−1に示す。 〔効果〕 本発明によればβ−サイアロン粉末にSiC,TiC,TiN,Ti
B2,B4C,Al4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCの各粉末から一種又は二
種以上選んで添加し、必要に応じて焼結助剤を添加して
均一に混合、成形後、焼結することにより、粒界組成が
微細になり、高強度、高硬度に優れたβ−サイアロン質
複合セラミックスを工業的に得ることができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.β−サイアロン粉末にSiC,TiC,TiN,TiB2,B4C,Al
4C3,Cr2N,Cr3C2,ZrCの各複合剤粉末よりなる群から選ば
れた一種以上の粉末を均一に混合後、成形し、焼結する
ことを特徴とするβ−サイアロン質複合セラミックスの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62328633A JP2665755B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | β−サイアロン質複合セラミックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62328633A JP2665755B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | β−サイアロン質複合セラミックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01172276A JPH01172276A (ja) | 1989-07-07 |
JP2665755B2 true JP2665755B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=18212445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62328633A Expired - Lifetime JP2665755B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | β−サイアロン質複合セラミックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2665755B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011098842A (ja) * | 2009-11-04 | 2011-05-19 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 焼結体とその製造方法、ならびに回転工具 |
JP2011157233A (ja) * | 2010-02-01 | 2011-08-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 焼結体、焼結体を用いた切削工具および焼結体の製造方法 |
-
1987
- 1987-12-25 JP JP62328633A patent/JP2665755B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01172276A (ja) | 1989-07-07 |
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