JP2664048B2 - 六フッ化二ケイ素の合成法 - Google Patents

六フッ化二ケイ素の合成法

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JP2664048B2
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disilicon hexafluoride
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哲二 野田
裕 鈴木
弘 荒木
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科学技術庁金属材料技術研究所長
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/08Compounds containing halogen
    • C01B33/107Halogenated silanes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、六フッ化二ケイ素の
製造法に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、シリコン半導体原料として有用であり、赤外多光子
解離によるシリコンの同位体分離用の作業ガスとして有
望とされている、高純度な六フッ化二ケイ素の新しい製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、六フッ化二ケイ素
の製造法としては、六塩化二ケイ素をフッ化亜鉛、三フ
ッ化アンチモン等のフッ素化剤でフッ素化するハロゲン
交換法が知られてる。しかしながら、従来の方法では、
六塩化二ケイ素とフッ素化剤を直接反応させると、反応
を制御することが難しいため、反応温度が上昇し、生成
した六フッ化二ケイ素が分解しやすいことや、フッ素化
剤の表面が反応生成物で覆われて反応の進行が途中で止
まる等の問題がある。
【0003】そこで、これらの問題を解消し、ブチルエ
ーテル、塩化アルキル、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン等の有機溶媒を用いて緩やかに反応
を進行させることによって、六フッ化二ケイ素を合成す
ることが提案されている(特開昭63−19510
8)。しかしながら、これらの有機溶媒を用いる従来の
方法においても、四フッ化ケイ素等の副生成物の生成は
大きな割合を占め、これら副生成物の少ない高純度の六
フッ化二ケイ素を合成することは極めて難しいのが実情
であった。
【0004】この発明は、以上通りの事情を鑑みてなさ
れたものであり、従来技術の欠点を解消し、同位体分離
用の作業ガスとしても利用できるように、四フッ化ケイ
素等の不純物が1%以下の高純度な六フッ化二ケイ素を
容易にかつ大量に製造することのできる、新しい方法を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、溶媒として次式
【0006】
【化2】
【0007】(式中のR1 およびR2 は、各々、置換基
を有してもよいアルキル基を示し、R 1 およびR2 の炭
素数の合計は2以上であって、また、m≧1,n≧0を
示す)で表されるオキシベンゼン化合物を用いてフッ素
化剤を懸濁させた後に、大気圧下、窒素気流中において
六塩化二ケイ素を反応させて高純度の六フッ化二ケイ素
を製造することを特徴とする六フッ化二ケイ素の製造法
を提供する。
【0008】さらに詳しく説明すると、まず、この発明
方法で使用する六塩化二ケイ素と、反応により生成され
る六フッ化二ケイ素は加水分解されやすいため、反応容
器・器具、フッ素化剤及び溶媒はあらかじめ十分に脱水
しておくことが望ましい。また、反応中は、容器内は大
気に触れないようにする。この発明で使用するフッ素化
剤としては、従来公知のものをはじめとして各種のもの
を使用できる。特に限定されることはないが、なかでも
反応が緩やかに進行するフッ化亜鉛が望ましい。これら
フッ素化剤は、使用前に約300℃で加熱し、10-2
orrの真空を維持するまで十分に脱水しておくことが
望ましい。
【0009】また、この発明で溶媒として使用するオキ
シベンゼン化合物についても、モリキュラーシーブ等に
よって、たとえば1週間以上の脱水処理を行っておくこ
とが望ましい。溶媒としてのオキシベンゼン化合物とフ
ッ素化剤との使用割合は、通常は、その混合比が2〜4
(重量比)程度とするのが好ましい。オキシベンゼン化
合物は、ベンゼン環に酸素原子を直接結合する上記式で
表される化合物を意味しており、その代表的なものとし
てはエトキシベンゼン、プロポキシベンゼン等のアルコ
キシベンゼン類、メトキシトルエン、エトキシトルエ
ン、ジメトキシトルエン等のアルコキシトルエン類、メ
トキシキシレン、ジメトキシキシレン等のアルコキシキ
シレン類等がある。さらに、アルキル基、その他の置換
基を1個以上結合していてもよい。
【0010】特にこの発明では、このオキシベンゼンと
して、エトキシベンゼンまたはメトキシベンゼンが好ま
しいものとして例示される。反応は、窒素気流中、大気
圧下、たとえば15〜40℃の温度で六塩化二ケイ素を
フッ素化剤を懸濁させた溶液中に滴下して行う。生成し
たガスは、たとえば、−20〜−25℃の不純物トラッ
プを通した後、−85℃〜−90℃の試料トラップに採
取することができる。
【0011】
【作用】この発明においては、沸点が100℃以上のオ
キシベンゼンを溶媒として、六塩化二ケイ素とフッ化剤
であるフッ化亜鉛を反応させることで、四フッ化ケイ素
等の不純物が1%以下の高純度な六フッ化二ケイ素を合
成する。以下、実施例を示してさらに詳しく六フッ化二
ケイ素の合成法について説明する。
【0012】
【実施例】実施例1 300℃で約8時間脱水処理をしたフッ化亜鉛50gを
窒素ガス雰囲気下で、1リットルのガラス製容器に入
れ、さらに十分脱水したエトキシベンゼン120ccを
加えて懸濁させた。約1.02気圧の窒素気流下で、六
塩化二ケイ素8ccを1cc/分の速度で容器内に滴下
した。この際、液温度を37℃に保持しながら、六塩化
二ケイ素がフッ化亜鉛に直接触れないようにゆっくりと
懸濁液を攪拌しながら反応させた。
【0013】また、溶媒の蒸発を防ぐために、反応容器
のガス出口に0℃の冷却器を設けた。生成したガスは、
20℃の不純物トラップを通した後、−90℃の試料ト
ラップで採取したところ、六フッ化二ケイ素の生成量は
6gであった。表1に示した通り、原料の六塩化二ケイ
素に対する生成効率は、75%であった。
【0014】また、表2に示した通り、六フッ化二ケイ
素の純度は99.9%であり、不純物として四フッ化二
ケイ素(SiF4 )の生成量は、六フッ化二ケイ素中に
0.1%含まれる程度であった。実施例2 実施例1において、溶媒としてメトキシトルエンを用い
て六フッ化二ケイ素の合成を行った。
【0015】表1に示したように、反応温度37℃にお
いて、原料の六塩化二ケイ素に対する生成効率は最も高
く、51%であった。また、表2に示したように、六フ
ッ化二ケイ素の純度は99.8%であり、不純物として
四フッ化二ケイ素(SiF4 )の生成量は、六フッ化二
ケイ素中に0.2%含まれる程度であった。比較例1〜3 溶媒としてデカンおよびブチルエーテル(比較例1)、
ベンゼン(比較例2)、並びに塩化ブチル(比較例3)
を用い、実施例1と同様にして反応を行った。
【0016】表1および表2に示したように、生成効
率、純度ともに、実施例1および2に比べて著しく劣っ
ていた。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】実施例3 実施例1において、反応温度を20℃とし、溶媒とフッ
化亜鉛との混合割合を変えて六フッ化二ケイ素の合成を
行った。図1は、六フッ化二ケイ素(Si2 6 )の生
成効率と溶媒/フッ素化剤の混合比との関係を示した図
である。
【0020】この図1に示したように、フッ化亜鉛に対
する溶媒の混合割合(重量比)は、2なし4で40〜6
0%の高効率を示した。実施例4 反応温度5℃(278K)〜90℃(363K)におい
て、各種溶媒を用いて六フッ化二ケイ素の合成を試み
た。
【0021】図2に示したように、温度15℃(288
K)〜40℃(313K)において、エトキシベンゼン
及びメトキシトルエンを用いたこの発明の実施例の場合
には、50〜75%の効率で六フッ化二ケイ素を合成で
きた。これに対して、塩化ブチル及びベンゼンを用いた
場合、生成効率は0%であった。
【0022】一方、ブチルエーテル+デカンを用いた場
合、約60℃(333K)以上において六フッ化二ケイ
素を生成したが、生成効率は10〜15%程度であり、
純度は極めて悪く、不純物である四フッ化ケイ素が大部
分を占めた。
【0023】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
より、沸点が100℃以上であり、かつ六塩化二ケイ素
と緩やかな結合を示すエトキシベンゼン、メトキシ・エ
トキシベンゼン、メトキシトルエン等のオキシベンゼン
を溶媒として用い、フッ素化剤を懸濁させた後に六塩化
二ケイ素と反応させることで、四フッ化ケイ素等の不純
物が1%以下である高純度な六フッ化二ケイ素を合成す
ることが可能となる。
【0024】六フッ化二ケイ素は同位体分離作業物質と
して極めて優れており、この発明によって多量のシリコ
ン同位体が容易に得られる可能性があるため、原子力、
半導体用材料等の分野の発展に寄与するものと考えられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】六フッ化二ケイ素(Si2 6 )の生成効率と
溶媒/フッ素化剤の混合比との関係を示した図である。
【図2】六フッ化二ケイ素(Si2 6 )の生成効率と
反応温度との関係を各種溶媒について示した図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒として次式 【化1】 (式中のR1 およびR2 は、各々、置換基を有してもよ
    いアルキル基を示し、R 1 およびR2 の炭素数の合計は
    2以上であって、また、m≧1,n≧0を示す)で表さ
    れるオキシベンゼン化合物を用いてフッ素化剤を懸濁さ
    せた後に、大気圧下、窒素気流中において六塩化二ケイ
    素を反応させて高純度の六フッ化二ケイ素を製造するこ
    とを特徴とする六フッ化二ケイ素の製造法
  2. 【請求項2】 溶媒として用いるオキシベンゼンが、エ
    トキシベンゼンまたはメトキシトルエンである請求項1
    の六フッ化二ケイ素の製造法
  3. 【請求項3】 溶媒とフッ素化剤の混合比が2〜4(重
    量比)である請求項1の六フッ化二ケイ素の製造法
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