JP2663604B2 - 常圧可染性抗ピル繊維 - Google Patents

常圧可染性抗ピル繊維

Info

Publication number
JP2663604B2
JP2663604B2 JP1010751A JP1075189A JP2663604B2 JP 2663604 B2 JP2663604 B2 JP 2663604B2 JP 1010751 A JP1010751 A JP 1010751A JP 1075189 A JP1075189 A JP 1075189A JP 2663604 B2 JP2663604 B2 JP 2663604B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
normal pressure
pill
section
dyeing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1010751A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02191714A (ja
Inventor
和夫 内田
吉宏 近野
実 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TORE KK
Original Assignee
TORE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TORE KK filed Critical TORE KK
Priority to JP1010751A priority Critical patent/JP2663604B2/ja
Publication of JPH02191714A publication Critical patent/JPH02191714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2663604B2 publication Critical patent/JP2663604B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、異形断面でかつ常圧染色可能な抗ピル繊維
に関するものである。より詳しくは、常圧で分散染料に
良好な染色性を示し、優れた抗ピル性を有し、かつ良好
な風合いを有するポリエチレンテレフタレート繊維に関
するものである。
[従来の技術] 従来、ポリエステル繊維の染色は高温高圧染色が主流
であり、常圧染色を行う場合はキャリアを併用した、い
わゆるキャリア染色を行う必要があった。しかしなが
ら、キャリアの使用は廃液処理にからむ公害問題が非常
に大きな弊害となり、ほとんど使用が困難になりつつあ
る。一方、ポリエチレンテレフタレート繊維を改質して
常圧可染性にしようとする試みも数多く提案されてい
る。
例えば、特公昭60−15725号公報、特公昭60−24207号
公報にはポリエチレングリコールを多量に添加し、分散
染料常圧可染性のポリエチレンテレフタレート繊維を得
る方法が開示されている。しかしながらポリエチレング
リコールを多量に共重合したポリエチレンテレフタレー
トはポリエチレングリコールの減粘効果のため著しくポ
リマ溶融粘度が低下する。一方、ポリエチレンテレフタ
レート繊維に抗ピン性を付与するために重合度を低下さ
せることが一般に行なわれているが、ポリエチレングリ
コールを共重合し、かつ抗ピル性を付与するために重合
度を低下させると紡糸時に溶融粘度が大巾に低下してし
まい、そのため製糸性が極端に悪化し満足できる原綿品
質のものが得られないばかりでなく、溶融粘度が低いた
め異形化が難しい。
このためポリエチレングリコールを高率に共重合した
異形抗ピルポリエステル繊維はこれまで得られていなか
った。この問題を解決する手段として、特公昭57−3017
0号公報には、3官能性化合物または/及び4官能性化
合物、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トールとポリアルキレンサイドを共重合することか開示
されている。しかしこのようなエステル形成性化合物の
場合ジカルボン酸と重縮合反応中に反応し、ゲル化す
る。ゲル化により溶融粘度は急激に変化するが、同時に
線状ポリエステルのもつ特性は失われてしまう。更にこ
のゲル化物は回分式あるいは連続重合法においては反応
系内のデッドスペースで異物化し、この異物が溶融紡糸
時に糸切れや濾圧上昇問題などのトラブルの原因にな
る。さらに、ポリアルキレングリコールとホウ酸を配合
してなる吸湿性を有する組成物が特公昭47−49175号公
報に開示されている。しかしながら、単にポリアルキル
グリコールとホウ酸を添加して得た丸断面のポリエチレ
ンテレフタレート繊維では分散染料で常圧可染性を有し
ているものの抗ピル性に劣り、製品として張り、腰のな
いものとなる問題がある。以上前述したように常圧染色
可能にするためには、多量の改質成分を添加する必要が
あり、そのためポリエチレンテレフタレート繊維の特性
が失われ、ヘタリの大きな製品となり、風合い、張り、
腰のないのになってしまうなどの問題があって、ポリエ
チレンテレフタレート繊維においては分散染料で常圧染
色可能な抗ピル繊維は市場に存在しなかったのが実状で
ある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、異形断面で張り、腰を有し更に常圧
染色可能な抗ピル繊維に関するものである。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、ポリエステルを構成するジ
カルボン酸成分に対してホウ酸を0.3モル%以上含み、
ポリエステルに対して分子量が800〜2000のポリエチレ
ングリコールを5〜10重量%共重合した固有粘度が0.45
〜0.53のポリエステルからなり、繊維横断面の外接円と
内接円の直径比が1.3〜4.0である異形断面糸ならなる常
圧可染性抗ピル繊維によって達成できる。
本発明におけるポリエステルとはエチレンテレフタレ
ートを主たる構成単位としたポリエステルであるが、他
に二酸化チタンなど艶消剤、着色防止剤、酸化防止剤な
どを含んでいてもよい。
また本発明におけるポリエチレングリコールの分子量
は800〜2000が必要である。好ましくは800〜2000であ
る。分子量が800より小さいと重縮合時に反応系外へ留
出し、安定した共重合量のポリマが得られず製品の染色
工程での染め差バラツキの原因になる。分子量が2000よ
り大きいと製品の染色耐光堅牢度が低下して商品価値に
劣る。ポリエチレングリコールの共重合量は常圧可染性
を保持するためにポリエステルの主たる構成成分に対し
て、5〜10重量%とする必要がある。5重量%より少な
いと常圧可染性とすることができず、10重量%を越える
と製品の染色耐光堅牢度が低下し、商品価値に劣る。ホ
ウ酸の含有量は布帛の張り、腰を向上することを目的に
高度な異形断面形状をえるためにはポリエステルの構成
するジカルボン酸成分に対して0.3モル%以上が必要で
あり、好ましくは0.5モル%以上、3モル%以下であ
る。ホウ酸の含有量が0.3モル%より少ないと異形断面
形状が十分でなく張り、腰を有する布帛が得られない。
一方、多すぎると紡績工程でホウ酸がブリードアウトし
装置の汚染を起こす原因となるので、3モル%以下が望
ましい。固有粘度は0.45〜0.53であり、0.45より低いと
高度な異形断面形状が得られず布帛の張り、腰が劣り0.
53より高いと得られた繊維の抗ピル性が低下する。繊維
の断面形状はいかなる形状でもかまわないが、好ましく
はY断面、T断面、又は第1図に示す如く繊維断面が直
線状断面部A、B、Cから構成され、直線状断面部Aに
対して他の2本の直線状断面部B、Cが直線状断面Aの
先端から内側に入った部分の同一側面に接合され、かつ
直線状断面部B、Cの外側面が直線状断面部Aの先端部
と直線状断面部B、Cの外側面からなる接線の内側にあ
の特殊断面形状を有するものであって、直線状断面部
A、B、Cで形成される溝の幅W、深さHが3〜15μ、
直線状断面部Aの外側面から直線状断面部B、Cの先端
部までの長さL2と直線状断面部Aの長さL1の比が0.3〜
1.5の範囲の 断面である。繊維断面の外接円と内接円の直径比は1.3
〜4.0が必要であり、1.3より小さいと得られた布帛の張
り、腰がなく商品価値に劣る。4.0以上になると得られ
た製品の風合いが劣る。好ましくは1.5〜2.5である。
本発明の常圧可染性抗ピル繊維は、例えば以下のよう
な製造方法をとることにより製造することができる。
すなわち、分子量が800〜2000のポリエチレングリコ
ールを得られるポリエステルに対して5〜10重量%通常
の方法で共重合したポリエステルであり、ホウ酸を該ポ
リエステルを構成するジカルボン酸成分に対し0.3モル
%以上含有し、固有粘度が0.45〜0.53のポリマをY断面
を有する口金を使用して、紡糸温度275℃、紡糸速度500
m/min〜2500m/minで紡糸巻取をする。ついで通常の延伸
を行い常圧可染性抗ピル繊維を得ることができる。又
は、得られた該未延伸糸を集束してトウとなし通常の湿
熱延伸を行い、けん縮付与し、ついでカットして短繊維
を得ることができる。
本発明の繊維に各種安定剤、例えば抗酸化剤、耐光
剤、艶消し剤を適用できる。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明を説明する。なお実施例
中の各特性値の測定法は次の方法で行った。
(極限粘度の測定) ポリマをO−クロロフェノールに溶解し、25℃で測定
した値である。
(ポリエチレングリコールの定量) ポリマをアミノ分解してカリボール試薬を使用し電位
差滴定装置で測定した値である。
(ホウ酸の定量) ポリマをO−クロロフェノールに溶解し、塩酸抽出し
てクルクミン−シュウ酸試薬を加えて自記分光光度計で
比色分析した値である。
(染色性) 付着している油剤を通常の方法にて除去した試料繊維
をResoline Blun FBL 20%owf、浴比1:100、染色液
の加熱還流下で60分間95℃の条件で染色し、十分に水洗
した後、染色物をO−クロロフェノールに溶解せしめて
その吸光度を測定し吸尽率を求めた。吸尽率が35%以上
であれば十分濃色に染色しうるといえる。吸尽率の評価
は吸尽率35%以上を○、20〜35%を△、20%以下を×と
した。
(抗ピル性) 単繊維2本をループ状に60゜交叉角となるように、交
叉させた上に200mg/dの荷重をかけ、下糸を30゜往復さ
せ、上下いずれかが切断するまでの往復回数を求め、屈
曲強度(回)で表した。
(官能評価) 評価すべき織物を10人のパネラーが手で触り、官能検
査を行い、5人以上のパネラーが張り、腰有りとしたも
のを○、2〜4人のパネラーが張り、腰有りとしたもの
を△、その他を×とした。
実施例 エチレンテレフタレートに対してポリエチレングリコ
ールの分子量、添加量とポリマ中のホウ酸含有量及びポ
リマの固有粘度を変更して得たポリマを160℃で減圧乾
燥した後、Y断面を有する口金孔から275℃で吐出して1
50m/minの速度で引き取った。この未延伸糸を集束して1
50万デニールのトウとなし、45℃の湿熱予熱後に3.2
倍、湿熱70℃の液浴延伸を120m/minの速度で実施した。
この延引トウをスタッファボックスへ導き、けん縮を付
与した後、76mmにカットして3d×76mmの原綿を得た。紡
糸、延伸性は第1表に記載したとおりであり、固有粘度
が本発明範囲外の実験No6、7は紡糸時糸切れが頻発し
てサンプルを得ることができなかつた。他の水準は製糸
性は良好であった。
この原綿の物理特性、異形度、染色性、抗ピル性を表
1に記載した。更に、この原綿100%からなる紡績糸を
作り、織物の官能評価を行った。その結果を表1に記載
した。表1から明らかなように、本発明の範囲である実
験No.2の繊維は製造工程の問題はなく、かつ製品特性、
風合いとも良好であった。
ポリエチレングリコール(PEG)の分子量が本発明の
範囲外である実験No.1は染色性、抗ピル性に劣り、実験
No.3は染織性が劣る。ポリエチレングリコール(PEG)
の添加量が本発明範囲外である実験NO.4は染織性があ
り、実験No.5は織物の風合いが悪かった。固有粘度が本
発明の範囲外である実験No.8は製糸性は良好であった
が、抗ピル性が悪い。異形度が本発明の範囲外である。
実験No.9、10の織物は風合いが悪かった。
なお実験No.2と同様なポリマでY断面を有する口金孔
から、 断面を有する口金孔を用いて実験No.2と同じ方法で紡糸
延伸し、直線状断面部A、B、Cで形成される溝の幅W
が7μ、深さHが13μ、直線状断面部Aの外側面から直
線状断面部B、Cの先端部までの長さL2と直線状断面部
Aの長さL1の比が1.0で、強度3.5g/d、伸度47.2%、異
形度4.0の原綿を得た。
さらに実験No.2と同様に紡績し織物を得た。該織物を
染色性、抗ピル性は満足できるものであり、官能評価に
より張り、腰も優れていた。
[発明の効果] 本発明の常圧可染性抗ピル繊維は次のような利点を有
する。
(1) 従来技術では達成できなかった100℃未満の染
色温度で染色でき、かつ異形度を有することにより抗ピ
ル性に優れているとともに、張り、腰の優れた布帛を得
ることができる。すなわち、天然繊維との混紡糸と交
編、交織品を天然繊維の染色温度と同じくすることが可
能で天然繊維を傷めず風合いが良好で抗ピル性に優れた
製品が得られる。
(2) 100℃未満の低温でキャリアを用いず染色でき
るため、染色コストが安く、更に、キャリアによる公害
問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の 断面の拡大断面図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルを構成するジカルボン酸成分
    に対してホウ酸を0.3モル%以上含み、該ポリエステル
    に対して分子量が800〜2000のポリエチレングリコール
    を5〜10重量%共重合した固有粘度が0.45〜0.53のポリ
    エステルからなり、繊維横断面の外接円と内接円の直径
    比が1.3〜4.0である異形断面糸ならなる常圧可染性抗ピ
    ル繊維。
JP1010751A 1989-01-18 1989-01-18 常圧可染性抗ピル繊維 Expired - Fee Related JP2663604B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1010751A JP2663604B2 (ja) 1989-01-18 1989-01-18 常圧可染性抗ピル繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1010751A JP2663604B2 (ja) 1989-01-18 1989-01-18 常圧可染性抗ピル繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02191714A JPH02191714A (ja) 1990-07-27
JP2663604B2 true JP2663604B2 (ja) 1997-10-15

Family

ID=11759017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1010751A Expired - Fee Related JP2663604B2 (ja) 1989-01-18 1989-01-18 常圧可染性抗ピル繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2663604B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105088748A (zh) * 2015-09-11 2015-11-25 无锡市长安曙光手套厂 一种棉纺织品的抗菌整理剂及其制备方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5730170A (en) * 1980-07-28 1982-02-18 Fujitsu Ltd Buffer memory control system
JPS63196714A (ja) * 1987-02-04 1988-08-15 Toray Ind Inc 特殊断面形状を有するポリエステル繊維

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02191714A (ja) 1990-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100452675B1 (ko) 태세를갖는폴리아미드계섬유및그제조방법
CA2310686A1 (en) Soft stretch yarns and their method of production
KR102240789B1 (ko) 카치온 가염형 폴리에스테르섬유 및 이의 제조방법
KR101660675B1 (ko) 폴리에스테르 복합가공사 및 이를 이용한 직물의 제조방법
JP2663604B2 (ja) 常圧可染性抗ピル繊維
CN1756871A (zh) 来自聚酰胺纱的闪光织物
WO1992013120A1 (en) Improvements in polyester fibers
KR20030021601A (ko) 폴리에스터계 복합섬유 및 그 제조방법
JP4114113B2 (ja) 牽切用ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維トウ
JP6948048B2 (ja) 潜在捲縮性複合繊維
KR100546216B1 (ko) 자발고권축성 폴리에스터 복합섬유
JP4505960B2 (ja) 高伸縮耐久性ポリエステル系複合繊維および製造方法
JP3515508B2 (ja) ポリエステル撚糸を含む濃淡織編物
JP3757710B2 (ja) 潜在捲縮発現性ポリエステル繊維および製造方法
JP4687091B2 (ja) ソフトストレッチ糸および布帛
JP2011149137A (ja) 極細ポリエステルフィラメント仮撚加工糸
JP4866109B2 (ja) 仮撚加工糸
JP3855384B2 (ja) 太細を有する合成繊維マルチフィラメントおよび織物
JP2007092227A (ja) ポリエステル芯鞘複合繊維およびその布帛
JP4566708B2 (ja) ポリエステル系複合繊維の製造方法
KR950001653B1 (ko) 자발 고권축성 폴리에스테르 복합섬유의 제조방법
JPH05209337A (ja) 複合嵩高加工糸の製造方法
JPS6339686B2 (ja)
KR100482452B1 (ko) 분할형 복합섬유.
WO2024043287A1 (ja) 合成繊維

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees