JP2663483B2 - レジストパターン形成方法 - Google Patents

レジストパターン形成方法

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JP2663483B2 JP63047196A JP4719688A JP2663483B2 JP 2663483 B2 JP2663483 B2 JP 2663483B2 JP 63047196 A JP63047196 A JP 63047196A JP 4719688 A JP4719688 A JP 4719688A JP 2663483 B2 JP2663483 B2 JP 2663483B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば、半導体及びその周辺分野に用いら
れる各種のデバイス基板、フォトマスク用基板、X線マ
スク用基板等にリソグラフィー法を適用して微細なパタ
ーン加工を施す場合において、これら基板等にレジスト
パターン形成するレジストパターン形成方法に関する。
[従来の技術] いわゆるリソグラフィー法による微細パターン形成方
法は、一般に、被加工物たる基板表面にレジストを塗布
してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に所望のパタ
ーンの露光処理を施した後、この露光処理済みの基板に
現像処理を施して前記レジストの一部を前記パターンに
沿って除去することによりレジストパターンを形成し、
次に、このレジストパターンが形成された側からエッチ
ング処理その他の加工処理を施すことにより前記基板に
前記パターンに沿った加工を行い、しかる後、前記使用
済のレジストを除去して該基板を洗浄するという手順か
らなっている。
ところで、上述の手順において、前記レジストパター
ンを形成するレジストパターン形成方法は露光と現像と
いう手順によって行われるが、従来の露光・現像は以下
のようにしてなされていた。
すなわち、まず、露光は、レジスト(高分子化合物か
らなる)に、電子線、X線もしくは紫外線等の放射線を
所望のパターンに沿って照射することにより行う。この
放射線の照射によって、前記レジストは、放射線を照射
された部分とされない部分とで分子量が大巾に異なった
り、あるいは、構造が異なったものとなる。すなわち、
放射線照射によって主鎖切断反応が生じて低分子量化す
る(このような反応をするレジストをいわゆるポジ型レ
ジストという)か、あるいは、逆に架橋反応を生じて高
分子量化し(このような反応をするレジストをいわゆる
ネガ型レジストという)、これにより、放射線が照射さ
れない部分と分子量において著しい違いが生じたり、あ
るいは、ヘキスト社製のAZ1350(商品名)等のノボラッ
ク系のフォトレジストのように、放射線が照射された部
位に光化学反応によって特異な官能基が生じて放射線が
照射された部とされない部分とで溶媒に対する溶出速度
に相違が生じたりする。
この露光処理の次に行われる現像処理は、要するに、
前記露光処理を経たレジストのうち低分子量を有する部
分が一般に光分子量を有する部分に比較して通常の溶剤
に溶出しやすいこと、あるいは、前記溶出速度の相違が
あることを利用してこの低分子量の部分あるいは溶出速
度の早い部分を選択的に溶出して除去するものである。
この現像工程は、実際には、本来の現像のほかにこの
現像後に行われるリンス及び乾燥の工程、あるいは、現
像前の前処理工程等が含まれ、さらには、前記リンス工
程も2段階に別けて行われる場合もある。なお、このリ
ンス工程は、前記現像の際、溶出効果の強い物質からな
る溶媒、あるいは、複数の物質の混合液が用いられるた
め、これら溶媒がレジスト中に侵入して該レジスト膜を
膨潤させてパターンを劣化させるおそれがあるが、この
おそれを除去するために、比較的穏やかな溶媒もしくは
混合液を用いて前記レジスト中に侵入している強い溶媒
をこの穏やかな溶媒に置換し、膨潤したレジストを引き
締めるものである。
このような現像、リンス及び乾燥の処理は、実際の製
造工程においては、通常、シリコンウエハー基板等の被
処理物を回転させておき、これに溶媒をスプレーノズル
から噴出させて吹きかけるいわゆるスピンスプレー法が
用いられる。すなわち、まず、前記ノズルから前記強い
溶媒を噴出させて現像処理を行い、続いて、これに数秒
間オーバーラップさせて前記ノズルから前記穏やかな溶
媒を噴出させてリンス処理をし、しかる後、前記基板を
高速回転させることによりいわゆるスピンドライ法によ
る乾燥処理を施すことでなされる。これにより、前記シ
リコンウエハー等の基板が溶媒によって汚染されるのを
極力防止している。この場合、汚染をできるだけ少なく
するために、いずれの工程に用いられる溶媒も汚染物や
不純物の極めて少ないクリーンなものが用いられる。
なお、前記現像処理によって前記基板に形成されたレ
ジストパターンは、前記基板へのエッチング処理その他
の加工処理に供されて使用済となるが、この使用済のレ
ジストを除去するレジストの除去(剥離)方法としては
従来以下のような種々の方法が試みられていた。
強力な酸化作用を有する溶液、例えば、熱濃硫酸に
過酸化水素を混入した溶液を用いて使用済レジストを分
解除去する方法、 有機溶媒、例えば、東京応化工業株式会社製のレジ
スト剥離剤J100(商品名)を用いて剥離する方法、 酸素プラズマ法により、レジストを灰化して除去す
る方法。
さらに、使用済レジストが除去された基板は洗浄工程
に供されるが、従来この洗浄工程には以下の方法が試み
られていた。
a.基板をDI水(超純水)中に浸して超音波洗浄し、次
に、IPA(イソプロピルアルコール)水中に浸して同じ
く超音波洗浄し、しかる後、IPA又はフレオン蒸気にて
乾燥する方法、 b.使用済レジストが形成されている基板表面にDI水ある
いはDI水に界面活性剤(例えばRBS等)を加えたものを
吹きかけながら該基板表面を連続的に移動させ、この基
板に回転するブラシ、スポンジあるいは布等を接触させ
て除去する方法、 c.液化ガス又は超臨界ガスに基板を接触させた後このガ
スを膨張させることによりレジスト内に侵入したガスの
膨張力によりレジストを剥離・除去する方法(例えば、
特開昭60−192333号公報参照)。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上述のレジストパターン形成方法には以下
のような問題点があった。
すなわち、現像の処理工程は上述のように少なくとも
3工程以上の工程が必要であり、工程数が多く、処理が
煩雑であるという欠点があった。また、その際、高価な
複数種類の溶媒を多量に用いなければならず、処理コス
トがかさむとともに、火災の防止や作業者への悪影響の
除去等安全管理の観点から、現像装置や作業場たるクリ
ーンルームの換気に特別な設備が必要になり、さらに
は、前記現像工程がスピンコート法によって行われるこ
とから、大量の廃液がでるため、この廃液の処理も大変
であるという欠点があった。
また、前記レジストの除去方法にも以下の欠点があっ
た。すなわち、前記レジストの除去方法のうちの強力
な酸化溶剤を用いる方法は、使用する溶剤がレジストの
下地である基板にまで作用してそれを損傷する場合があ
るので適用範囲が限られ、特に、例えば、基板が、表面
にITO膜(スズを含む酸化インジウムからなる透明電極
膜)が形成された液晶パネル用基板である場合等には、
前記溶剤がITO膜を損傷するのでこの方法を適用するこ
とができなかった。前記の有機溶媒を使用する方法
は、溶出効果を高めるため、通常、この有機溶媒を加熱
する必要があり、安全性に対する配慮が大変であるとと
もに、レジストの種類やプロセスの条件等によっては、
有機溶媒では使用済レジストを完全に除去しきれない場
合もあった。なお、上述の及びの方法は、いずれも
廃液処理の問題も抱えている。さらに、前記の酸素プ
ラズマを用いる方法は、レジスト除去効果にはすぐれて
いるが、装置が大掛かりとなり、設備費がかさむととも
に、基板が金属によって汚染されるおそれがあるという
欠点があった。
また、前記従来の洗浄方法のうち、前記(a)のDI水
等を用いた超音波洗浄によるものは、実際には、前記DI
水もしくはIPA水溶液が複数の槽に別けて用意され、こ
れら各槽に次々と浸漬されて超音波洗浄がなされもの
で、工程数が多く処理が煩雑であるとともに、基板が超
音波によって損傷を受けるおそれがあり、特に、例え
ば、表面に複数の薄膜が積層されてなる多層膜基板にあ
っては、内部の弱い膜が集中的に損傷を受ける場合があ
った。また、前記(b)のブラシ等によって機械的には
ぎ取るという方法は、強固なガラス基板、あるいは、未
加工のウエハー等に対しては有効であるが、内部に柔ら
かい薄膜層を有する多層膜基板、もしくは、薄膜化され
たX線マスク等の基板にはその機械的強度の面から適用
することができなかった。なお、これら、(a)、
(b)の方法はいずれも廃液処理の問題も抱えている。
さらに、前記(c)の気体等の膨張力を利用する方法
は、前記(a)、(b)のような問題はないが、基板を
高圧容器内に収容してその内圧を急激に変化させること
から、その衝撃により基板を破損するおそれがあり、特
に、機械的強度の弱い薄膜化されたX線マスクや内部に
柔らかい薄膜層を有する多層膜基板等には適用できない
ものであった。
本発明は、上述の背景のもとでなされたもので、現像
の工程を極めて単純にし、基板破損のおそれを除去する
とともに、廃液処理を著しく容易にするレジストパター
ン形成方法を提供することを目的としたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、露光処理後の記番を超臨界流体中に一定時
間浸漬したところ、現像作用が得られるという新規な事
実の発見に基づいてなされたものであって、以下の各構
成を有する。
(1)リソグラフィー法を適用して微細パターンを形成
する過程において、基板表面に塗布された高分子化合物
からなるレジストに露光処理を施して現像することによ
り前記基板表面にレジストのパターンを形成するレジス
トパターン形成方法において、 前記現像の処理は、前記露光処理済みの基板の少なく
とも前記レジストが形成された部位を超臨界流体中に浸
漬することにより行うものであることを特徴としたレジ
ストパターン形成方法。
[作用] 上述の構成(1)において、前記露光処理によって、
前記レジストに主鎖切断反応が生じて分子量がもとの原
子量よりは小さくなった高分子化合物になる(ポジ型レ
ジストの場合)か、あるいは、逆に架橋反応を生じてさ
らに大きな分子量を有する高分子化合物になり(ネガ型
レジストの場合)、これにより、放射線が照射された部
分とされない部分とで分子量において著しい相違が生じ
たり、あるいは、ヘキスト社製のAZ1350(商品名)等の
ノボラック系のフォトレジストのように、放射線が照射
された部位に光化学反応によって特異な官能基が生じて
放射線が照射された部分とされない部分とで溶媒に対す
る溶出速度に相違が生じたりする。
次に、この露光処理済みの基板の少なくとも前記レジ
ストが形成された部位が超臨界流体中に一定時間浸漬さ
れると、分子量がもとの分子量に比較して小さくなった
部分、あるいは、溶出速度の早い部分が選択的に前記超
臨界流体中に溶出され、現像が行われ、レジストパター
ンが形成される。
ここで、超臨界流体とは、広義には、高密度に圧縮し
ても液化しない状態、すなわち、その物質固有の臨界温
度以上に加熱された気体の総称を意味し、ほぼ理想気体
に近い性質を示す低密度の状態をも含むものであるが、
本発明における超臨界流体とは、常圧よりも著しく高い
圧力(例えば数十気圧)下におかれて高い密度に圧縮さ
れた状態、例えば、著しい場合には液体の密度に近いか
又はそれ以上の高密度に圧縮された状態の狭義の超臨界
流体を意味するものとする。
すなわち、このように密度を高めてくると、その微視
的構造は液体状態にしだいに類似してくる(X線や中性
子線回折の測定により確認されている)半面、通常の液
体(例えば水等)に比較して動粘度が著しく小さいとと
もに、拡散係数が著しく大きいという特異な性質を有し
ている(超臨界流体については、例えば、「化学と工
業」第40巻.1987.P753参照)。
発明者等の考察によれば、このような高密度の超臨界
流体では、分子が液体に近いかそれ以上の高密度に圧縮
されて存在しながら個々の分子の動きが極めて活発であ
ると推察され、このため、個々の分子が通常の液体状態
では浸透できないようなものにも容易に浸透してこれを
溶出してしまうものと考えられる。
[実施例] 以下、図面を参照にしながら、本発明の実施例にかか
るレジストパターン形成方法について詳細に説明する。
(実施例1) まず、直径3インチの円盤状シリコンウエハー表面に
ホジ型電子線レジストであるPMMAを約5000オングストロ
ームの厚さに塗布し、これに電子線描画装置で露光を行
う。この場合の加速電圧を20KV、ドーズ量を50μC/c
m2、露光パターの最小線幅をラインとスペースの繰返し
パターンで0.5μmとする。
次に、この露光処理済みのシリコンウエハーを超臨界
流体に浸漬して現像を行う。この場合、超臨界流体とし
ては二酸化炭素(CO2、臨界温度31℃、臨界圧72.8気
圧、臨界密度0.468g/cm3)を用いる。
第1図ないし第3図は、この現像処理の情況を示す図
である。
図において符号1は高圧容器であり、この高圧容器1
内のほぼ中央部には網状保持体2が設けられている。
現像を行う際には、まず、前記露光済の基板3を前記
網状保持体2上に載置する。その際、前記基板3に形成
された露光済のレジスト4は図中下向きとされる。な
お、場合によっては、これと逆に上向きに載置してもよ
い。
次に、高圧容器1を、臨界温度以下の温度に保った状
態で、図示しない導入口から高圧の二酸化炭素を導入す
る。導入量は、この高圧容器1内で前記二酸化炭素が超
臨界流体となったとき、その密度が0.6g/cm3になる量で
ある。導入された二酸化炭素は第1図に示されるよう
に、液層部5と気層部(蒸気部)6とに分離して存在す
ることになるが、前記基板3は前記液層部5には浸漬さ
れないようになっている。
次いで、前記高圧容器1を図示しない温度制御手段に
より46℃まで昇温する。これにより、第2図に示される
ように、前記高圧容器1内の二酸化炭素は超臨界流体7
となる。
この状態を30分間維持し、しかる後、前記高圧容器の
温度を臨界温度以下に下げる。これにより、第3図に示
されるように、前記基板3のレジスト4は現像されて、
前記露光パターンに沿った凹凸パターンを形成すること
ができる。
こうして形成したレジストパターンのパターンの深さ
を触針式の段差計(ランクテーラー社製・タリーステッ
プ)で計測したところ、3200オングストロームであっ
た。
(実施例2) この実施例は、基板として、薄膜化されたX線マスク
を用い、このX線マスクを、超臨界流体に有機溶媒を添
加したものに浸漬する場合の例を示すものである。
まず、以下のようにしてX線マスク用ブランクを制作
する。
直径3インチの円盤状のシリコンウエハー(厚さ;400
μm)の表面に反応性スパッタ法によりSiNの薄膜(厚
さ;2μm)を形成し、このウエハーの裏面からエッチン
グを施して前記400μmの厚いウエハーの中央部分を除
去し、周囲に厚いリング上の支持枠部を残し、中央部を
厚さ2μmの薄膜としたシリコンウエハーとし、しかる
後、このシリコンウエハーの表面部にスパッタ法によ
り、X線吸収体たるタンタル薄膜(厚さ;0.6μm)を形
成させることにより、X線マスク用ブランクを得る。
次に、上記X線マスク用ブランクの表面に、200℃で
ハードベークされたフォトレジストAZ1350J(ヘキスト
社の商品名)の膜(厚さ;2.5μm)を形成し、この膜の
上にSiO2膜(厚さ1000オングストローム)を形成し、最
後に、回転塗布法により前記SiO2膜上に電子線レジスト
PMMA膜(厚さ;3000オングストローム)を形成する。
第4図は、こうして得られたX線マスク用ブランクの
断面図であり、図中、符号11が支持枠部、12が薄膜化さ
れたシリコンウエハー、13がタンタル膜、14がフォトレ
ジスト膜、15がSiO2膜、16がPMMA膜である。
次いで、前記X線マスク用ブランクの前記電子線レジ
ストPMMAを電子線描画装置によって、露光する。このと
き、電子線の加速電圧を20KV、ドーズ量を60μc/cm2
ラインとスペースとからなる図形の最小寸法を0.5μm
とする。
こうして露光処理を行った基板を、前記第1図に示さ
れる高圧容器1に収容して前記実施例1とほぼ同様にし
て現像処理を行う。
この場合、前記実施例1と異なる点は、超臨界流体と
しての密度が0.55g/cm3とされ、かつ、これに0.5重量%
のメチルイソブチルケトン(MiBK)が添加されること
と、高圧容器1の温度を45℃で5分間維持する点であ
る。
これにより、前記PMMAレジストに凹凸パターンを形成
することができ、その場合、パターンの深さは前記触針
式段差計により3000オングストロームであり、さらに
は、その凹部には前記SiO2膜が完全に露出していること
が確認された。
すなわち、この実施例では、前記実施例1に比較して
現像時間を著しく短縮できる。
なお、こうして現像された後は、以下のようにして、
X線マスクが製造される。すなわち、まず、前記実施例
2によってPMMA電子線レジスト16(第4図)に形成され
たレジストパターン上からリアクティブ・イオン・エッ
チング(RIE)を施して、前記SiO2膜15に前記レジスト
パターンを転写し、次に、これらパターンが形成された
PMMAレジスト膜16及びSiO2膜15上から酸素ガスを用いた
RIEを施して、このパターンを前記フォトレジストAZ135
0J膜14に転写する。しかる後、このフォトレジストAZ13
50Jの膜14上からCL2ガスを用いたRIEを施し、前記X線
吸収体であるタンタル膜13をエッチングすることによ
り、前記シリコン薄膜12上に形成されたタンタル膜13に
所望のパターンを形成できる。第5図はこうして得られ
た基板を示す断面図である。ところで、このタンタル膜
13上には厚さ約1.5μmの使用済レジスト(AZ1350J)14
aが残留している。
そこで、次に、この使用済レジスト14aが残留してい
る基板を前記第1図に示される高圧容器1の網状保持体
2上に載置し、前記高圧容器1内に、超臨界流体となっ
た状態での密度が0.55g/cm3となる量の二酸化炭素と、
7重量%となる量のMiBKを導入し、前記高圧容器を45℃
で45分間維持する。これにより、前記使用済レジストの
除去及び基板の洗浄がなされる。
このようにして使用済レジストの除去・洗浄を行った
基板を集光ランプによる斜光照明による肉眼観察、及
び、光学顕微鏡による50倍の拡大観察を行った結果、レ
ジストの残留その他異物は全く認められず、極めて清浄
な表面状態であるとともに、前記2μm厚のSiN膜は全
く破損されていないことが確認されている。
以上の実施例によれば、強力な酸化作用を有する溶媒
を用いたり、あるいは、基板全体に機械的振動(前記超
音波を用いる場合)や衝撃力(前記気体の膨張力を利用
する場合)を与える必要がなく、超臨界流体の分子が直
接接触するレジストだけに必要な作用を及ぼして現像を
行うものであることから、下地の基板や薄膜を破損する
ことなく現像を行うことができる。
さらに、用いる流体は、不活性ガス、あるいは、これ
に極めて少量の有機溶媒を添加したものを用い、これら
に一定時間浸漬するだけであるから、工程が極めて単純
であるとともに、廃液処理等の後処理も従来に比較して
著しく容易であるというすぐれた利点を有している。
なお、以上の実施例においては、超臨界流体として二
酸化炭素を用いた例を掲げたが、これは、必ずしも二酸
化炭素に限られることなく、例えば、Ar,Kr,Xe等の他の
不活性ガスでもよく、また、これら不活性ガスに比較し
て火災等に対する安全性に多少劣るが、例えばCH4等の
低級炭化水素類、CF3H等のフロン類を用いることもでき
る。
さらに、前記各実施例ではレジストとしてフォトレジ
ストを用いた例を掲げたが、これも、例えば、PMMA等の
電子線レジストでもよく、また、ポリイミド等の他の有
機高分子膜でもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明は、露光処理済の基板を
超臨界流体に一定時間浸漬することにより、現像を行う
ようにしたもので、これにより、現像工程を極めて単純
にし、基板破損のおそれを除去するとともに、廃液処理
を著しく容易にするというすぐれた効果を得ている。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は、本発明の実施例にかかるレジス
トパターン形成方法における現像処理の情況を示す図、
第4図はX線マスク用ブランクを示す断面図、第5図は
残留レジストが付着した状態のX線マスクを示す断面図
である。 1……高圧容器、 3……露光済の基板、 4……露光済のレジスト、 7……超臨界流体、 14a……使用済レジスト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 和道 東京都国分寺市西町1丁目32番地 国立 住宅254号 (72)発明者 山口 洋一 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホ ーヤ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−229523(JP,A) 特開 昭63−11577(JP,A) 特開 昭62−152504(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リソグラフィー法を適用して微細パターン
    を形成する過程において、基板表面に塗布された高分子
    化合物からなるレジストに露光処理を施して現像するこ
    とにより前記基板表面にレジストのパターンを形成する
    レジストパターン形成方法において、 前記現像の処理は、前記露光処理済みの基板の少なくと
    も前記レジストが形成された部位を超臨界流体中に浸漬
    することにより行うものであることを特徴としたレジス
    トパターン形成方法。
JP63047196A 1988-02-29 1988-02-29 レジストパターン形成方法 Expired - Lifetime JP2663483B2 (ja)

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