JP2663217B2 - トウガラシのプロトプラストから茎頂様組織を誘導する方法 - Google Patents

トウガラシのプロトプラストから茎頂様組織を誘導する方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カプシクム・フルテッ
センス(Capsicum frutescens L.) に属するトウガラシ
のプロトプラストから茎頂様組織を誘導する方法に関
し、更に詳しくは、植物体再生の中間体である茎頂様組
織を誘導することができるプロトプラストから茎頂様組
織を誘導する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物の細胞壁を取り除いた裸の細胞であ
るプロトプラストは、最外層が細胞膜に取り囲まれてい
るため、遺伝子等の高分子物質の導入や、プロトプラス
ト同志の融合が可能である。そのため、このようなプロ
トプラストから植物体を再生することが可能になれば、
今まで存在しなかった新しい有用形質を持つ植物を育成
できる可能性がある。
【0003】従って、トウガラシ属(Capsicum)の辛み
を有する植物のプロトプラストから植物体を再生する技
術が確立すれば、細胞融合等の技術を用いて他の植物と
交配することにより、新しい辛みを有した植物を育成で
きる可能性がある。従来、トウガラシ属(Capsicum)の
植物のプロトプラストから植物体を再生する技術は、カ
プシクム・アニウム(Capsicum annuum L.) に属する栽
培品種のCalifornia Wonder(Saxena, P.K. et al., Pro
toplasma, 180,357−360,1981),Dulc
e ltaliano(Diaz, l.et al., Plant Cell Reports 7,
210−212,1988)を用いた2例が報告されて
いるだけである。しかし、これらの栽培品種は、いずれ
もトウガラシ属(Capsicum)の植物のなかでも辛みを有
しない品種であることから、他の植物と交配できたとし
ても新しい辛みを有した植物を育成することはできな
い。そこで、ここに記載された方法を用いて、辛みを有
するトウガラシ(Capsicum frutescens L.cv.Tabasco、
及び Capsicum annuum L.cv.Tochigisantaka) につい
て、プロトプラストからカルスを経て茎頂様組織を誘導
しようと試みたが、辛みを有するトウガラシでは辛みを
有しないトウガラシと異なり茎頂様組織が得られないこ
とがわかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、辛みを有す
るトウガラシ属(Capsicum)の植物、特にカプシクムフ
ルテッセンス(Capsicum frutescens L.) に属するトウ
ガラシのプロトプラスト由来のカルスから、植物体再生
の中間体である茎頂様組織を誘導するプロトプラストか
らの茎頂様組織の誘導方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、Capsicum fru
tescens L.に属するトウガラシを特定の期間培養して得
られた植物体の葉、根、茎等の器官から調製したプロト
プラストを、ジベレリンとサイトカイニン類を含む培地
を用いて培養することにより、上記目的を達成すること
ができるとの知見に基づいてなされたのである。すなわ
ち、本発明は、カプシクム・フルテッセンス(Capsicum
frutescens L.) に属するトウガラシの発芽幼苗を7〜
21日間培養して得られた植物体の器官から調製したプ
ロトプラストを生育させ、得られたカルスを、ジベレリ
ンとサイトカイニン類を含む培地で培養することを特徴
とするプロトプラストから茎頂様組織を誘導する方法で
ある。
【0006】本発明で用いるCapsicum frutescens L.に
属するトウガラシの栽培品種としては、Tabasco が例示
できる。本発明は、まず、上記Capsicum frutescens L.
に属するトウガラシからプロトプラストを調製するが、
このプロトプラストは、幼苗を7〜21日間、好ましく
は12〜18日間培養して得られた植物体の器官、例え
ば、葉、根、茎等から調製したものを使用する。つま
り、この期間に得られた器官から調製したプロトプラス
トを用いることにより、はじめて、カルスを生育させる
ことができ、更には、そのカルスに、植物体を再生する
中間体である茎頂様組織を誘導させることができるので
ある。この期間以外に得られた器官を用いた場合には、
プロトプラストの収量は極めて少なく、このプロトプラ
ストを生育させたとしても、分裂は起きず、カルスを得
ることは困難である。
【0007】次に、本発明におけるプロトプラストの調
製方法の好適態様を例示するが、本発明はこの方法に限
定されるものではない。本発明の処理は、全て無菌下で
行わなければならないため、まず、植物体の器官に、例
えば、エタノール、HgCl、次亜塩素酸ナトリウム、次亜
塩素酸カルシウム等を用いて殺菌処理を施す。この場
合、器官を死滅させないように、或るいは器官の生物活
性が損われないように注意しなければならない。殺菌後
は、無菌蒸留水等を用いて洗浄する。例えば、トウガラ
シの種子からプロトプラストを調製する場合、該種子を
濃度1%〜2%程度の次亜塩素酸ナトリウム溶液に約2
0〜30分間浸漬し、次いでこれを無菌蒸留水で洗浄す
る。
【0008】次に、この種子が発芽するまで、培養す
る。ここで、使用する培地は、種子が発芽するように水
分を含むものであれば如何なるものでもよく、水寒天培
地、Knop寒天培地、MS寒天培地等が例示できる。培養
するに当たってその温度条件は、15℃〜40℃、好ま
しくは、20℃〜30℃の温度雰囲気であることが望ま
しい。又、光の条件としては、常に暗い状態、明るい状
態、明/暗を交互にする状態の如何なる条件でもよい。
例えば、約25℃、16時間日長(蛍光灯照射4000
lux )/8時間暗黒の条件で培養することにより、約1
0〜14日後には種子が発芽し、発芽幼苗(双葉)を展
開させることができる。
【0009】次に、発芽した幼苗(双葉)を、植物体生
育培地に移植し、培養する。ここで、使用する植物体生
育培地としては、約10〜数百mg/l の濃度範囲の無機
イオン群(いわゆる多量要素、例えば、硝酸塩、りん酸
塩、硫酸塩、カリウム、マグネシウム、鉄)最大限で数
mg/l の別の無機イオン群(いわゆる微量要素、例えば
コバルト、亜鉛、銅、マグネシウム)、ビタミン(例え
ばイノシトール、ニコチン酸、チアミン)、シュークロ
ースまたはグルコースのような炭素源を含むものであれ
ばよく、TM−2寒天培地、MS寒天培地、LS寒天培
地等が例示できる。
【0010】培養するに当たってその温度条件は、15
℃〜40℃、好ましくは、20℃〜30℃の温度雰囲気
であることが望ましい。又、光の条件としては、常に明
るい状態、或るいは明/暗を交互にする状態の如何なる
条件でもよい。例えば、約25℃、16時間日長(蛍光
灯照射4000lux )/8時間暗黒の条件で培養するの
が好ましい。尚、常時暗い状態の場合は、植物体が正常
に生育し難く好ましくない。
【0011】次に、生育した植物体の器官からプロトプ
ラストを調製するが、前記したように7〜21日間、好
ましくは12〜18日間培養して得られた植物体の器官
を使用する。例えば、葉を使用する場合、まず、この葉
を約5mm程度の幅の短冊状に細断する。次に、短冊状に
細断した葉を、ペクチナーゼ等のペクチン分解酵素、ヘ
ミセルラーゼ、セルラーゼ等のセルロース分解酵素を含
む液体培地に浸漬し、暗所に約14〜16時間時間静置
し、プロトプラストを遊離させる。上記液体培地として
は、マンニトール、ソルビトール等の成分を含有させ、
シュークロース等の炭素源等は含有させないものであれ
ば如何なるものでもよく、上記成分以外は、MS培地、
LS培地等、通常組織培養に使用される培地を利用すれ
ばよい。ここで、マンニトール等の成分を含有させるの
は、酵素を含む液体培地の浸透圧を保持させることによ
り、プロトプラストの破裂死を防止するためであり、そ
の添加量は、所期の目的が達成できる量であればよく、
具体的には、マンニトールの場合は、0.5〜0.7M程度
が望ましい。一方、シュークロース等の炭素源等を含有
させないのは、この成分が含まれている場合には、プロ
トプラストが死滅したり、或るいはプロトプラストの生
物活性が著しく損なわれてしまうからである。
【0012】又、液体培地に、ペクチン分解酵素及びセ
ルロース分解酵素を添加するのは、細胞間に存在するペ
クチン質、及び細胞壁の主成分であるセルロースを溶解
させるためである。又、暗所に静置するのは、細胞の光
合成作用を抑制し、細胞の生物活性の低下を防止し、更
には、振とう等による物理的衝撃によって、遊離したプ
ロトプラストが破壊され死滅してしまうことを防止する
ためである。
【0013】次に、葉の断片、その他夾雑物等を除去す
ることにより、プロトプラストのみを採取する。採取す
る方法としては、まず、メッシュサイズ100〜300
メッシュ程度の篩を用いてろ過することにより葉の断片
を除去する。次に、ろ液に、0.5〜0.7M程度のマンニ
トールを添加し、遠心分離処理を施し、酵素液、ごみ等
を除去する。この場合、遠心分離処理は、100×g、
3分間の条件で数回施すのが好ましい。更に、残存する
夾雑物等を除去するために、浸透圧が保持でき、かつ比
重がマンニトールよりも重い液体、例えば0.45〜0.6
M程度のシュークロースの液上に、上記遠心分離処理を
施した液を、混合しないように層状に載せ、これに10
0×g、5分間の条件で遠心分離処理を施す。これによ
り、シュークロースと、マンニトールとの界面に、健全
なプロトプラストが分布し、小さな夾雑物はマンニトー
ルの上層部に、大きな夾雑物はシュークロースの下層部
に分布するため、上記健全なプロトプラストのみを採取
することができる。
【0014】次に、本発明は、上記したように調製した
プロトプラストを培養生育させ、カルスを生成させる。
ここで、プロトプラストを生育させるに当たり、該プロ
トプラストを、多量要素、微量要素、イノシトール、チ
アミン等のビタミン、ホルモン、カザミノ酸、ココナツ
ウオーター等の有機物、フルクトース、マンノース等の
糖、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸、グルコース等の浸
透圧調整剤等の成分を含む液体培地、例えば8p液体培
地で培養する。特に、上記したホルモンとしては、2.4
−ジクロロフェノキシ酢酸(2.4−D)とt−Zeatin、
ベンジルアミノプリン等のサイトカイニン類を用い、必
要に応じてこれらにナフタレン酢酸(NAA)等を加え
て用いてもよい。
【0015】上記培養に当たり、プロトプラストは、1
4 個〜5×105 個/ml の濃度範囲になるよう培地
中に懸濁するのが好ましい。培養するに当たってその温
度条件は、15℃〜40℃、好ましくは、20℃〜30
℃の温度雰囲気であることが望ましい。又、光の条件と
しては、常に暗い状態、明るい状態、明/暗を交互にす
る状態の如何なる条件でもよい。尚、明るい状態の場合
には、プロトプラストの死滅を防止するために、培養当
初は約300lux 程度の弱い照射であることが望まし
く、2週間程度経過したならば、4000lux 程度の強
い照射をしても特に問題はない。例えば、約25℃、1
6時間日長(蛍光灯照射300lux )/8時間暗黒の条
件で培養することにより、約40〜50日で直径1〜2
mmのミニカルスが生成される。尚、栄養分をプロトプラ
ストに補給するために、約7〜10日おきに新しい培地
を1/3〜2/3容量で添加するのが望ましい。
【0016】本発明は、上記のようにして得られたカル
スを、培養することにより茎頂様組織(meristematic re
gions)が誘導される。ここで、使用する培地としては、
ジベレリンとサイトカイニン類を含む培地であればよ
く、これらの成分を含むMS寒天培地、LS寒天培地等
が例示できる。上記ジベレリンとしては、ジベレリンG
3 を用いることが好ましく、その使用量は、0.1〜1
0mg/l 、好ましくは0.1〜5mg/l になるようにする
のが好ましい。一方、サイトカイニン類としては、カイ
ネチン、ベンジルアミノプリン、ゼアチンリボシド、シ
ス−ゼアチン、2−イソペンテニルアミノプリン(2i
p) 、N−フェニル−N′−(4−ピリジル)尿素(4
PU)等が例示できる。この中で、例えば、カイネチン
を使用する場合には、0.001〜1mg/l 、好ましくは
0.001〜0.01mg/l 、ベンジルアミノプリンを使用
する場合には、0.0001〜0.1mg/l 、好ましくは0.
0005〜0.01mg/l の範囲になるようにするのが好
ましい。
【0017】培養するに当たってその温度条件は、15
℃〜40℃、好ましくは、20℃〜30℃の温度雰囲気
であることが望ましい。又、光の条件としては、常に暗
い状態、明るい状態、明/暗を交互にする状態の如何な
る条件でもよい。次に実施例により本発明を説明する。
【0018】
【実施例】実施例1I.プロトプラストの調製 (1) 以下の方法でトウガラシ(Capsicum frutescens L.
cv. Tabasco)の種子を殺菌した。
【0019】 次亜塩素酸ナトリウム溶液(2%濃
度)に30分間浸漬する。 無菌蒸留水で3回洗浄す
る。 (2) 殺菌したトウガラシの種子を以下の方法で発芽培養
した。 Knop寒天培地を用いて、25℃、16時間日
長(蛍光灯照射4000lux)/8時間暗黒の条件で、発
芽して幼苗(双葉)が展開するまで、14日間培養し
た。 (3) 発芽幼苗(双葉)が本葉に発育するまで以下の方法
により培養した。
【0020】 発芽幼苗(双葉)をTM−2寒天培地
に移植する。 培養条件 ・25℃、16時間日長(蛍光灯照射4000lux)/8
時間暗黒の条件で、本葉が6〜8枚程度展開するまで、
約15日間培養した。 (4) 以下の方法によりプロトプラストを調製した。
【0021】 本葉を幅が約5mm程度の短冊状に細断
する。 細断した本葉をペクチン分解酵素(ペクチナ
ーゼ)、及びセルロース分解酵素(ヘミセルラーゼ、セ
ルラーゼ)を含むTo 液体培地に浸漬、暗所に約15時
間静置する。 ろ過(300メッシュ)により葉の断
片を除去する。
【0022】 ろ液に0.6Mのマンニトールを添加し
て、100×g、3分間の条件で遠心分離処理を3回施
し、酵素液、ごみ等を除去する。 0.54Mのシュー
クロースの上に、得られたプロトプラストを含む0.6M
のマンニトールを混合しないように層状に載せ、これに
100×g、5分間の条件で遠心分離処理を施し、純粋
なプロトプラストを得た。II. カルスの生育 プロトプラストを105 個/ml の細胞濃度で、ホ
ルモン(2.4−ジクロロフェノキシ酢酸(2.4−D)…
0.2mg/l、ナフタレン酢酸(NAA)…1.6mg/l、t−
Zeatin…0.5mg/l)を含む8p液体培地に植え付け、4
6日間、下記の条件で培養し、直径1〜2mmのミニカル
スを生育した。
【0023】 培養条件 ・25℃、16時間日長(蛍光灯照射300lux)/8時
間暗黒 ・7日おきに新しい培地を1/3〜2/3容量で添加す
る。III.茎頂様組織の誘導方法 カルスを、ホルモン(ジベレリン…1mg/l、カイネ
チン…0.01mg/l)を含むMS寒天培地で培養した。 実施例2 茎頂様組織の誘導に当たり、ホルモン(ジベレリン、カ
イネチン)を含むMS寒天培地に換えて、ホルモン(ジ
ベレリン…3mg/l、ベンジルアミノプリン…0.01mg/
l)を含むMS寒天培地を用いる以外は、実施例1と同
様の方法によりカルスを培養した。 比較例1 トウガラシ(Capsicum frutescens L. cv. Tabasco) の
種子に換えて、カプシクム・アニウムに属するトウガラ
シ(Capsicum annuum L. cv. Tochigisantaka)の種子を
用いる以外は、実施例1と同様の方法によりカルスを培
養した。 比較例2 茎頂様組織の誘導に当たり、ホルモン(ジベレリン、カ
イネチン)を含むMS寒天培地に換えて、カイネチン0.
01mg/lを含み、ジベレリンは含まないMS寒天培地を
用いる以外は、実施例1と同様の方法によりカルスを培
養した。 比較例3 茎頂様組織の誘導に当たり、ホルモン(ジベレリン、カ
イネチン)を含むMS寒天培地に換えて、ベンジルアミ
ノプリン0.01mg/lを含み、ジベレリンは含まないMS
寒天培地を用いる以外は、実施例1と同様の方法により
カルスを培養した。 評 価 実施例1〜比較例1において、カルスを培養した結果を
以下に示す。
【0024】 実施例1……約30日後に茎頂様組織が誘導され、その
誘導率は、83.3%であった。 実施例2……約50日後に茎頂様組織が誘導され、その
誘導率は、83.3%であった。 比較例1……茎頂様組織は誘導されなかった。
【0025】 比較例2……茎頂様組織は誘導されなかった。 比較例3……茎頂様組織は誘導されなかった。 比較例1から明らかなように、トウガラシ属(Capsicu
m)の辛みを有するトウガラシのなかでも、カプシクム
・アニウムに属するトウガラシでは、ジベレリンとサイ
トカイニン類を組み合わせた培地でカルスを培養して
も、茎頂様組織を誘導することはできなかった。
【0026】比較例2及び3から明らかなようにサイト
カイニン類のみでは、Capsicum frutescens L.に属する
辛味を有するトウガラシのカルスから茎頂様組織を誘導
することはできなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、プロトプラストからの
植物体再生が困難であったから味を有するトウガラシ、
特にCapsicum frutescens L.に属するトウガラシの、プ
ロトプラスト由来のカルスから、植物体再生の中間体で
ある茎頂様組織を誘導することができ、その誘導率も極
めて高いものであった。 比較例2 サイトカイニンのみではfrutescensのカルスは生成しな
いことを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 珠美 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品工業株式会社内 (56)参考文献 I.DIAZ,R.MORENO,A ND.J.B.POWER,PLANT CELL REPORTS,VOL. 7,NO.3,(1988),P.210−212

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプシクム・フルテッセンス(Capsicum
    frutescens L.) に属するトウガラシの発芽幼苗を7〜
    21日間培養して得られた植物体の器官から調製したプ
    ロトプラストを生育させ、得られたカルスを、ジベレリ
    ンとサイトカイニン類を含む培地で培養することを特徴
    とするプロトプラストから茎頂様組織を誘導する方法。
  2. 【請求項2】 サイトカイニン類が、カイネチン又はベ
    ンジルアミノプリンである請求項1記載のプロトプラス
    トから茎頂様組織を誘導する方法。
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