JP2662563B2 - ディスクブレーキ用パッドアッセンブリ - Google Patents
ディスクブレーキ用パッドアッセンブリInfo
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- JP2662563B2 JP2662563B2 JP23255989A JP23255989A JP2662563B2 JP 2662563 B2 JP2662563 B2 JP 2662563B2 JP 23255989 A JP23255989 A JP 23255989A JP 23255989 A JP23255989 A JP 23255989A JP 2662563 B2 JP2662563 B2 JP 2662563B2
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- friction material
- recess
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車輌等に用いるディスクブレーキのパッ
ドアッセンブリ、詳しくは、ディスクに摺接させる摩擦
材とこれを支持する裏金との接合部に工夫を凝らしたパ
ッドアッセンブリに関する。
ドアッセンブリ、詳しくは、ディスクに摺接させる摩擦
材とこれを支持する裏金との接合部に工夫を凝らしたパ
ッドアッセンブリに関する。
この種のパッドアッセンブリにおける摩擦材と裏金の
接合は、万一、機械的強度、接着強度の低下があっても
制動力解放時に振動等で摩擦材が裏金から脱落しないよ
うにしておく必要がある。そのため、 （イ） 一般的には、第４図のように、裏金１にモール
ド孔４と称する比較的大きな貫通孔を設け、その孔に摩
擦材２の一部を入り込ませている。
接合は、万一、機械的強度、接着強度の低下があっても
制動力解放時に振動等で摩擦材が裏金から脱落しないよ
うにしておく必要がある。そのため、 （イ） 一般的には、第４図のように、裏金１にモール
ド孔４と称する比較的大きな貫通孔を設け、その孔に摩
擦材２の一部を入り込ませている。
（ロ） 第５図に示すように、裏金１に突出長さが摩擦
材の摩耗限界内にある小突起５を一体に設け、これを摩
擦材中に入り込ませて機械的な引掛りとするものもあ
る。
材の摩耗限界内にある小突起５を一体に設け、これを摩
擦材中に入り込ませて機械的な引掛りとするものもあ
る。
（ハ） また、第６図に示すように、裏金１にハーフシ
ャー加工による凹部６を形成し、この中に摩擦材を入り
込ませて接合するものも提案されている。
ャー加工による凹部６を形成し、この中に摩擦材を入り
込ませて接合するものも提案されている。
上記（イ）のケースでは、 モールド孔を通って摩擦材の内部に浸透した水分が
接着面（３は接着剤）に至って錆を誘発し、接着力低下
や摩擦材の孔充填部の割れ等を早める。
接着面（３は接着剤）に至って錆を誘発し、接着力低下
や摩擦材の孔充填部の割れ等を早める。
摩擦材を裏金上で加圧成形する際、モールド孔周辺
の圧力分布が乱れるため摩擦材の物理的性質が各部で一
定せず、摩擦特性が変動する。
の圧力分布が乱れるため摩擦材の物理的性質が各部で一
定せず、摩擦特性が変動する。
また、（ロ）のケースでは、誤って摩耗限界を越えて
使用した場合、ディスク摺動面に傷溝を発生させる。
使用した場合、ディスク摺動面に傷溝を発生させる。
さらに、（ハ）のケースでは、ハーフシャーによって
裏金背面に打出された突起７がパッドアッセンブリ交換
時にキャリパやピストンと干渉し、従って、これを避け
るためにピストン軸方向に余分のスペースが必要であ
り、ブレーキの大型化或いは複雑化を招く。
裏金背面に打出された突起７がパッドアッセンブリ交換
時にキャリパやピストンと干渉し、従って、これを避け
るためにピストン軸方向に余分のスペースが必要であ
り、ブレーキの大型化或いは複雑化を招く。
ここで、上述の諸問題の解決策としては、第６図
（ｂ）の突起７を無くした、第７図の如き形状にするこ
とが有効である。
（ｂ）の突起７を無くした、第７図の如き形状にするこ
とが有効である。
ところが、このような形状を得るために凹部６を切削
加工したり、ハーフシャー後に背面の打出し突起を削り
取ったりすると加工の手間が増加する。
加工したり、ハーフシャー後に背面の打出し突起を削り
取ったりすると加工の手間が増加する。
また、別法として単純な塑性鍛造で凹部を作ろうとす
ると、 膨大なプレス圧力が必要、 鍛造時に展延する裏金余材が凹部の周囲に盛り上
り、裏金を歪ませるのでその修正加工が必要、 金型の損耗が著しい、 と云った問題が生じ、いずれにしても実用的でない。
ると、 膨大なプレス圧力が必要、 鍛造時に展延する裏金余材が凹部の周囲に盛り上
り、裏金を歪ませるのでその修正加工が必要、 金型の損耗が著しい、 と云った問題が生じ、いずれにしても実用的でない。
そこで、この発明は、塑性鍛造により、上記の諸問題
を生じさせずに簡単かつ安価に裏金の凹部を作り得るパ
ッドアッセンブリを提供することを課題としている。
を生じさせずに簡単かつ安価に裏金の凹部を作り得るパ
ッドアッセンブリを提供することを課題としている。
この発明のパッドアッセンブリは、前面に貫通孔を自
由面としてその孔と同芯上に塑性鍛造された凹部を有
し、その凹部中央には上記貫通孔が凹部鍛造時に展延す
る余材に圧壊されて作り出された必要最小限の大きさの
空気抜き孔が存在している裏金の前面に、摩擦材をその
一部で凹部を埋めて接合したところに特徴を有する。
由面としてその孔と同芯上に塑性鍛造された凹部を有
し、その凹部中央には上記貫通孔が凹部鍛造時に展延す
る余材に圧壊されて作り出された必要最小限の大きさの
空気抜き孔が存在している裏金の前面に、摩擦材をその
一部で凹部を埋めて接合したところに特徴を有する。
凹部の塑性鍛造時に展延する裏金余材は、裏金に設け
た貫通孔を自由面としてこの自由面側に逃げる。そのた
め、プレス圧力が低減され、裏金前面側への肉の盛り上
り、裏金の歪等も防止される。
た貫通孔を自由面としてこの自由面側に逃げる。そのた
め、プレス圧力が低減され、裏金前面側への肉の盛り上
り、裏金の歪等も防止される。
また、凹部中央に作り出された空気抜き孔は、裏金面
上で摩擦材の材料を加圧成形する際に接着面部の空気を
逃げ易くし、ブレーキへの実装後は、裏金背面からの水
分の浸透を実害の無い範囲に抑える一方でいわゆるフェ
ード現象発生時に、摩擦材から生じたガスを逃がして可
燃性発生ガスのディスク熱による発火等を起き難くす
る。
上で摩擦材の材料を加圧成形する際に接着面部の空気を
逃げ易くし、ブレーキへの実装後は、裏金背面からの水
分の浸透を実害の無い範囲に抑える一方でいわゆるフェ
ード現象発生時に、摩擦材から生じたガスを逃がして可
燃性発生ガスのディスク熱による発火等を起き難くす
る。
第１図にこの発明の一実施例を示す。
図のように、裏金１の前面に凹部６が設けられ、その
凹部の中央部に裏金背面に抜ける微細な空気抜き孔８が
設けられている。この裏金の前面に摩擦材２を裏金上で
加圧成形して接着剤３で貼り着けるとこの発明のパッド
アッセンブリ10となる。
凹部の中央部に裏金背面に抜ける微細な空気抜き孔８が
設けられている。この裏金の前面に摩擦材２を裏金上で
加圧成形して接着剤３で貼り着けるとこの発明のパッド
アッセンブリ10となる。
このアッセンブリにおける裏金の凹部６は以下のよう
にして加工してある。
にして加工してある。
即ち、先ず、第２図に示すようにφｄの貫通孔９を打
抜き、次に、背面を支えて貫通孔９と同芯上にφＤ（Ｄ
＞ｄ）の凹部６をt1の深さに塑性鍛造する。このとき、
（φＤ−φｄ）・t1部の肉が孔９を自由面としてこの自
由面側に流動する。そこで、この展延する余材が孔９を
完全に消滅させないようにして凹部中央に第３図の空気
抜き孔８を生じさせる。その空気抜き孔８の大きさは、
余材の展延量 と孔９の有効容積 の関係を調整して自由に変え得る。
抜き、次に、背面を支えて貫通孔９と同芯上にφＤ（Ｄ
＞ｄ）の凹部６をt1の深さに塑性鍛造する。このとき、
（φＤ−φｄ）・t1部の肉が孔９を自由面としてこの自
由面側に流動する。そこで、この展延する余材が孔９を
完全に消滅させないようにして凹部中央に第３図の空気
抜き孔８を生じさせる。その空気抜き孔８の大きさは、
余材の展延量 と孔９の有効容積 の関係を調整して自由に変え得る。
なお、貫通孔９と同芯上において、裏金１の背面に予
めφＤよりも大径のリング状溝を圧印しておくと、凹部
６鍛造時の歪防止効果が更に高まる。
めφＤよりも大径のリング状溝を圧印しておくと、凹部
６鍛造時の歪防止効果が更に高まる。
このほか、空気抜き孔８は、その入口又は出口の周囲
を小さな窪みができるように圧印することによって簡単
に閉塞し得る。
を小さな窪みができるように圧印することによって簡単
に閉塞し得る。
以上述べたこの発明のパッドアッセンブリは以下に列
挙する効果を有する。
挙する効果を有する。
（１） 貫通孔を自由面として凹部を塑性鍛造するの
で、肉の盛り上りや歪が少なく、しかも、背面に打出し
突起が存在しない裏金を小さなプレス圧力によって容易
に作り得る。
で、肉の盛り上りや歪が少なく、しかも、背面に打出し
突起が存在しない裏金を小さなプレス圧力によって容易
に作り得る。
（２） 裏金に貫通モールド孔が無いので裏金剛性が高
まり、その分板厚を薄くして軽量化を計り、かつ、余裕
のできる軸方向スペース分だけ摩擦材の有効肉厚を増加
させて摩耗寿命を長めることが可能。
まり、その分板厚を薄くして軽量化を計り、かつ、余裕
のできる軸方向スペース分だけ摩擦材の有効肉厚を増加
させて摩耗寿命を長めることが可能。
（３） 裏金の凹部中央に小さな空気抜き孔があるの
で、摩擦材の成形・接着時に接着界面の空気が抜け易
い。また、使用中には、裏金背面からの水分の浸透を実
害の範囲に抑えながら、フェード時に摩擦材の結合材が
熱分解して生じると云われるガスを逃がすことができ
る。
で、摩擦材の成形・接着時に接着界面の空気が抜け易
い。また、使用中には、裏金背面からの水分の浸透を実
害の範囲に抑えながら、フェード時に摩擦材の結合材が
熱分解して生じると云われるガスを逃がすことができ
る。
（４） 凹部の深さを適切に選ぶことにより接着強度低
下時の摩擦材の脱落防止能を充分に確保して摩擦材成形
時の圧力分布の均一化を計ることができ、摩擦特性の安
定化につながる。
下時の摩擦材の脱落防止能を充分に確保して摩擦材成形
時の圧力分布の均一化を計ることができ、摩擦特性の安
定化につながる。
第１図は、この発明の一実施例の正面図｛同図（ａ）｝
と断面図｛同図（ｂ）｝、第２図及び第３図は裏金の製
造工程を示す図、第４図乃至第６図は従来のパッドアッ
センブリの正面図｛各図の（ａ）｝と断面図｛各図の
（ｂ）｝、第７図はパッドアッセンブリの望ましい形状
を示す正面図｛同図（ａ）｝と断面図｛同図（ｂ）｝で
ある。 １……裏金、２……摩擦材、 ３……接着剤、６……凹部、 ８……空気抜き孔、 10……パッドアッセンブリ。
と断面図｛同図（ｂ）｝、第２図及び第３図は裏金の製
造工程を示す図、第４図乃至第６図は従来のパッドアッ
センブリの正面図｛各図の（ａ）｝と断面図｛各図の
（ｂ）｝、第７図はパッドアッセンブリの望ましい形状
を示す正面図｛同図（ａ）｝と断面図｛同図（ｂ）｝で
ある。 １……裏金、２……摩擦材、 ３……接着剤、６……凹部、 ８……空気抜き孔、 10……パッドアッセンブリ。
フロントページの続き (72)発明者 井後 博志 兵庫県尼崎市久々知西町２丁目２番23号 株式会社瀬良製工舎内 (56)参考文献 特開 昭60−23644（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−175831（ＪＰ，Ｕ)
Claims (1)
- 【請求項１】前面に貫通孔を自由面としてその孔と同芯
上に塑性鍛造された凹部を有し、その凹部中央には上記
貫通孔が凹部鍛造時に展延する余材に圧壊されて作り出
された必要最小限の大きさの空気抜き孔が存在している
裏金の前面に、摩擦材をその一部で凹部を埋めて接合し
てあるディスクブレーキ用パッドアッセンブリ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23255989A JP2662563B2 (ja) | 1989-09-06 | 1989-09-06 | ディスクブレーキ用パッドアッセンブリ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23255989A JP2662563B2 (ja) | 1989-09-06 | 1989-09-06 | ディスクブレーキ用パッドアッセンブリ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0396725A JPH0396725A (ja) | 1991-04-22 |
| JP2662563B2 true JP2662563B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=16941229
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23255989A Expired - Fee Related JP2662563B2 (ja) | 1989-09-06 | 1989-09-06 | ディスクブレーキ用パッドアッセンブリ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2662563B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10299798A (ja) * | 1997-04-24 | 1998-11-10 | Hitachi Chem Co Ltd | ディスクパッド |
-
1989
- 1989-09-06 JP JP23255989A patent/JP2662563B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0396725A (ja) | 1991-04-22 |
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