JP2662522B2 - 重合体ポリオール組成物の製法 - Google Patents

重合体ポリオール組成物の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリウレタンの製法に関する。さらに詳しく
は特定のエチレン性不飽和単量体(以下モノマーと称
す)をポリオール中で重合して得られる重合体ポリオー
ルを使用することを特徴とする、反発弾性に優れたポリ
ウレタンの製法に関する。
[従来の技術] 従来、ポリウレタンの製造に用いられる重合体ポリオ
ール組成物として、ポリオール中で低分子量のモノマー
を重合させて得られる重合体ポリオールが知られてい
る。
[発明が解決しようとする問題点] しかしこの重合体ポリオールを用いてポリウレタンフ
ォームを製造した際得られるフォームは硬度が上がり弾
力性に乏しいものとなる。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは弾力性に優れ、柔らかい手ざわりのポリ
ウレタンフォームを製造する方法を見出すべく検討を重
ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、有機ポリイソシアネートと活性水
素含有化合物とを、必要により触媒、発泡剤、その他の
添加剤の存在下に反応させてポリウレタンを製造する方
法において、活性水素含有化合物の少なくとも20重量%
として、下記重合体ポリオール(A)を用いることを特
徴とするポリウレタンの製法である。
重合体ポリオール(A): ポリオキシエチレン鎖を有する末端一級水酸基が20%
以上のポリエーテルポリオール(i)と該ポリオール中
に分散されたエチレン性不飽和単量体(ii)の重合体か
らなり、エチレン性不飽和単量体を該ポリオール中で重
合させることにより製造される重合体ポリオールであっ
て、(ii)の30重量%以上が次の一般式 (式中、R1は水素またはメチル基を表し、R2は炭素数9
〜30のアルキル基を表す。)で表される単量体である、
重合体ポリオール。
一般式(1)において、R2の炭素数9〜30のアルキル
基としては、直鎖または側鎖を有するアルキル基たとえ
ばノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシ
ル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オク
タデシル、エイコシル、ドコシル基などがあげられる。
これらのうち、好ましいのは炭素数12〜22のアルキル基
である。R2の炭素数が8以下では反発弾性の低下度が大
きい。
一般式(1)で表される単量体としては、例えばノニ
ル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレー
ト、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、
テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メ
タ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレー
ト、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル
(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート
およびこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
一般式(1)で示される単量体とともに必要により他
の単量体を使用することもできる。この単量体としては
エチレン性不飽和ニトリル[(メタ)アクリロニトリル
など]、エチレン性不飽和カルボン酸およびその誘導体
[(メタ)アクリル酸、(メタアクリレートなど]、脂
肪族炭化水素単量体[エチレン、プロピレン、炭素数4
〜20のαオレフィンなど]、芳香族炭化水素単量体[ス
チレン、メチルスチレンなど]、その他のビニル単量体
[ニトロスチレン、酢酸ビニルなど]などがあげられ
る。これらのうち好ましくはメチルメタクリレート、窒
素含有(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、スチ
レン類およびこれらの混合物、さらに好ましくはメチル
メタクリレートである。
重合体ポリオール(A)の製造に用いられるエチレン
性不飽和単量体(ii)中の一般式(1)の単量体の含量
は、全単量体の重量に基づいて通常30重量%以上、好ま
しくは50重量%以上である。一般式(1)の単量体の含
量が30重量%未満では反発弾性の良好なポリウレタンが
得られない。
重合体ポリオール(A)の製造に用いるポリオール
(i)としては、少なくとも2個(好ましくは2〜8
個)の活性水素原子を有する化合物(たとえば多価アル
コール、多価フェノール、アミン類、ポリカルボン酸、
リン酸など)にアルキレンオキサイドが付加した構造の
化合物およびそれらの混合物が挙げられる。
上記多価アルコールとしてはエチレングリコール,エ
チレングリコール,プロピレングリコール,1.3−および
1,4−ブタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,ネオペ
ンチルグリコールなどのアルキレングリコール、および
環状基を有するジオール(たとえば、特公昭45−1474号
公報記載のもの)などのような2価アルコール;グリセ
リン,トリメチロールプロパン,トリメチロールエタ
ン,ヘキサントリオール,トリエタノールアミンなどの
3価アルコール;ペンタエリスリトール,メチルグリコ
シド,ジグリセリンなどの4価アルコール;および更に
高い官能基を有する糖アルコールたとえばアドニトー
ル,アラビトール,キシリトールなどのペンチトール,
ソルビトール,マンニトール,イジトール,タリトー
ル,ズルシトールなどのヘキシトール;糖類たとえば、
グルコース,マンノース,フラクトース,ソルボースな
どの単糖類、ショ糖、クレハロース,ラクトース,ラフ
ィノースなどの少糖類;グリコシドたとえば、ポリオー
ル(たとえばエチレングリコール,プロピレングリコー
ルなどのグリコール、グリセリン,トリメチロールプロ
パン,ヘキサントリオールなどのアルカンポリオール)
のグルコシド;ポリ(アルカンポリオール)たとえばト
リグリセリン,テトラグリセリンなどのポリグリセリ
ン、ジペンタエリスリトール,トリペンタエリスリトー
ルなどのポリペンタエリスリトール;およびシクロアル
カンポリオールたとえばテトラキス(ヒドロキシメチ
ル)シクロヘキサノールなどが挙げられる。上記多価フ
ェノールとしてはピロガロール,ハイドロキノン,フロ
ログルシンなどの単環多価フェノール;ビスフェノール
A,ビスフェノールスルフォンなどのビスフェノール類;
フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)
たとえば、米国特許第3265641号明細書に記載のポリフ
ェノールなどが挙げられる。またアミン類としてはアン
モニア;モノ−,ジ−,およびトリ−エタノールアミ
ン,イソプロパノールアミン,アミノエチルエタノール
アミンなどのアルカノールアミン類;C1〜C20アルキルア
ミン類;C2〜C6アルキレンジアミンたとえばエチレンジ
アミン,プロピレンジアミン,ヘキサメチレンジアミ
ン、ポリアルキレンポリアミンたとえばジエチレントリ
アミン,トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン
類;アニリン,フェニレンジアミン,ジアミノトルエ
ン,キシリレンジアミン,メチレンジアニリン,ジフェ
ニルエーテルジアミンおよびその他の芳香族アミン類;
イソホロンジアミン,シクロヘキシレンジアミン,ジシ
クロヘキシルメタンジアミンなどの脂環式アミン類;ア
ミノエチルピペラジンおよびその他特公昭55−21044号
公報記載の複素環式アミン類などが挙げられる。これら
の活性水素原子含有化合物は2種以上併用してもよい。
これらのうちで好ましいのは多価アルコールである。
上記活性水素原子含有化合物に付加させるアルキレン
オキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下EOと略
記),プロピレンオキサイド(以下POと略記),1,2−,
1,3−,1,4−,2,3−ブチレンオキサイド,スチレンオキ
サイド等、およびこれらの2種以上の併用(ブロックお
よび/またはランダム付加)が挙げられる。
ポリオール(i)のうちで好ましいのはポリオキシエ
チレン鎖を有するもの、すなわちアルキレンオキサイド
としてEOと他のアルキレンオキサイド(以下AOと略記)
〔とくにPO,およびPOにその他のAO(ブチレンオキサイ
ド,スチレンオキサイド)を少量(たとえば5%以下)
併用したもの]である。そのポリオキシエチレン鎖含量
(以下EO量と略記)は、通常5%(重量%、以下同様)
以上、好ましくは7〜50%、さらに好ましくは10〜40%
である。EO量が5%未満ではポリウレタンの製造に使用
した際、反応性が小さくキュアー性、初期物性が低く、
かつ反応相手のイソシアネートとの相溶性が悪く均一系
での反応ができず満足な効果は得られない。またEO量が
50%と越えるとキュアー性は向上するが、粘度が高くな
り作業性が悪くなり、また物性的には温度特性や吸水性
が悪くなるので好ましくない。なお、EO量が5%未満の
ものでもEO量が5%以上のものと組み合わせて、あるい
はEO量が50%を越えるものも50%以下のものと組み合わ
せて全体として(平均の)EO量が上記範囲となるように
配合して使用することができる。
上記ポリオキシエチレン鎖を有するポリオールとして
は、上記活性水素原子含有化合物にEOおよびAOを、
(I)AO−EOの順序で付加したもの(チップド),(I
I)AO−EO−AO−EOの順序で付加したもの(バランス
ド),(III)EO−AO−EOの順序で付加したもの,(I
V)AO−EO−AOの順序で付加したもの(活性セカンダリ
ー)などのようなブロック付加物;(V)EOおよびAOを
混合付加したランダム付加物;および(VI)特開昭57−
209920号公報記載の順序で付加したもの,(VII)特開
昭53−13700号公報記載の順序で付加したもの等のよう
なランダム/ブロック付加物などが挙げられる。
これらのうちで好ましいものは末端ポリオキシエチレ
ン鎖を有するもの、とくに(I)および(II)である。
その末端EO量は通常5%好ましくは7%以上さらに好ま
しくは7〜30%である。また、内部EO量は通常50%以
下、好ましくは10〜40%である。
ポリオール(i)の末端一級水酸基含有率は、通常20
%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以
上、最も好ましくは60%以上である。
ポリオール(i)の水酸基価(平均)は、通常200以
下、好ましくは15〜100である。水酸基価が200を越える
ものでは、得られるポリウレタンの剛性が高すぎて脆く
なり、好ましくない。
ポリオール(i)としては水酸基価の異なるもの〔た
とえば70以下のもの(通常50重量%以上)と80〜500の
もの〕を併用してもよく、また、これらに更に高水酸基
価(例えば水酸基価700以上)の低分子ポリオールを少
量(例えば20重量%以下とくに5重量%以下)併用する
こともできる。〔併用する低分子ポリオールとしては前
記[(i)の原料として挙げた]多価アルコール、およ
び前記多価アルコール、アミン類などのAO低モル付加物
が挙げられる。〕 ポリオール(i)の分子量は通常2000〜30000または
それ以上、好ましくは3000〜25000である。分子量が200
0より低いものでは、得られるポリウレタンの成形性が
劣り、且つ弾性の乏しい成形品となるので好ましくな
い。
本発明に用いられる重合体ポリオール(A)の製造の
際のエチレン性不飽和単量体(ii)の使用量は、ポリオ
ール(i)と(ii)との合計100部(重量部、以下同
様)当り、通常1〜50部、好ましくは3〜20部である。
(ii)が50部を越えるとポリエーテル層とポリマー層の
分離が生じる。また、1部未満では得られるポリウレタ
ンの反発弾性が悪い。該(A)の製造は、通常の重合体
ポリオール製造方法で行うことができ、例えばポリオー
ル(i)中でエチレン性不飽和単量体(ii)を重合開始
剤(ラジカル発生剤など)の存在下に重合させる公知の
方法(米国特許第3383351号明細書、特公昭39−24737
号、特公昭47−47999号、特開昭50−15894号公報など)
が挙げられる。
重合開始剤としては遊離基を生成して重合を開始させ
るタイプのもの、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN),2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)(AVN)などのアゾ化合物;ジベンゾイ
ルパーオキサイド,ジクミルパーオキサイドおよび特開
昭61−76517号公報記載の上記以外の過酸化物、あるい
は過硫酸塩,過ホウ酸塩,過コハク酸等が使用できる
が、実用的にはアゾ化合物が好ましく、特にAIBNおよび
AVNが好ましい。重合開始剤の使用量はエチレン性不飽
和単量体(ii)の重量に基づいて通常0.1〜10重量%、
好ましくは0.2〜5重量%である。
上記重合反応は無溶媒でも行うことができるが、有機
溶媒の存在下に行うこともできる(とくに重合体濃度が
高い場合)。有機溶媒としてはベンゼン,トルエン,キ
シレン,アセトニトリル,酢酸エチル,ヘキサン,ヘプ
タン,ジオキサン,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジ
メチルアセトアミド,イソプロピルアルコール,n−ブタ
ノールなどが挙げられる。
また必要によりアルキルメルカプタン類を除く公知の
連鎖移動剤(四塩化炭素,四臭化炭素,クロロホルム,
特開昭55−31880号公報記載のエノールエーテル類な
ど)の存在下に重合を行うことができる。
重合はバッチ式でも連続式でも行うことができる。重
合反応は重合開始剤の分解温度以上、通常60〜180℃、
好ましくは90〜160℃、特に好ましくは100〜150℃で行
うことができ、大気圧下または加圧下さらには減圧下に
おいても行うことができる。
重合反応終了後は得られる変性ポリオールは何ら後処
理を加えることもなくそのままポリウレタンの製造に使
用できるが、反応終了後は有機溶媒、重合開始剤の分解
生成物や未反応モノマー等の不純物を慣用手段により除
くのが望ましい。
重合体ポリオール(A)の水酸基価は、通常15〜90、
好ましくは20〜80、更に好ましくは20〜70である。
本発明のポリウレタンの製法において、重合体ポリオ
ール(A)は必要により他の活性水素原子含有化合物と
併用することができる。(A)に加えて、必要により用
いられる他の活性水素原子含有化合物としては、ポリウ
レタン製造に普通に用いられている高分子ポリオール
(b)および/または低分子活性水素原子含有化合物
(c)が使用できる。
(A)と併用することのできる他の高分子ポリオール
(b)としては、ポリエーテルポリオール,ポリエステ
ルポリオールおよびその他の重合体ポリオールが挙げら
れる。ポリエーテルポリオールとしては前記(A)の原
料ポリエーテルポリオール(i)として例示したものが
挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、前記多
価アルコール(エチレングリコール,ジエチレングリコ
ール,プロピレングリコール,1,3−または1,4−ブタン
ジオール,1,6−ヘキサンジオール,ネオペンチルグリコ
ールなどの2価アルコール、またはこれらとグリセリ
ン,トリメチロールプロパンなどの3価またはそれ以上
のアルコールとの混合物)および/またはポリエーテル
ポリオール(上述のEO量5%以上および/または5%未
満のポリエーテルポリオール)に、ポリカルボン酸もし
くはその無水物,低級エステルなどのエステル形成性誘
導体(たとえばアジピン酸,セバシン酸,無水マレイン
酸,無水フタル酸,テレフタル酸ジメチルなど),また
はその無水物およびアルキレオンキサイド(EO,POな
ど)を反応(縮合)させたもの、あるいはラクトン(ε
−カプロラクトンなど)を開環重合させることにより得
られるものがあげられる。その他の重合体ポリオールと
しては、これらのポリオール(ポリエーテルポリオール
および/またはポリエステルポリオール等)とエチレン
性不飽和単量体〔前記(A)の原料(ii)として述べた
もの:アクリロニトリル,スチレンなど〕を重合させて
得られるポリオール(たとえば特開昭54−101899号,特
開昭54−122396号公報記載のもの)があげられる。ま
た、ポリブタジエンポリオール,水酸基含有ビニル重合
体(アクリル系ポリオール)たとえば特開昭58−57413
号および57414号公報記載のものやヒマシ油などの天然
油系ポリオール,変性されたポリオールなども使用でき
る。これらのポリオールは通常2〜8個の水酸基と200
〜4,000のOH当量、好ましくは2〜4個の水酸基と400〜
3,000のOH当量を有している。これらの中で好ましいの
はポリエーテルポリオールであり、さらに好ましいのは
EO鎖含量ポリエーテルポリオール(分子中に任意に分布
されたEO鎖を0〜50重量%有し、かつ0〜30重量%のEO
鎖が分子末端にチップされたもの)である。
必要により使用される低分子活性水素原子含有化合物
(c)としては、少なくとも2個(好ましくは2〜3
個、とくに好ましくは2個)の活性水素原子(水酸基,
アミノ基,メルカプト基など、好ましくは水酸基)を有
する分子量500以下(好ましくは60〜400)の化合物、た
とえば低分子ポリオール,アミノアルコールなどを用い
ることができる。低分子ポリオールとしては、エチレン
グリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコ
ール,ジプロピレングリコール,1,4−ブタンジオール,
ネオペンチルグリコール,ヘキサンジオールなどの2価
アルコール;グリセリン,トリメチロールプロパン,ペ
ンタエリスリトール,ジグリセリン,α−メチルグルコ
シド,ソルビトール,キシリット,マンニット,ジペン
タエリスリトール,グルコース,フルクトース,ショ糖
などの3価以上の多価アルコール;低分子量(たとえば
分子量200〜400)の多価アルコールAO付加物(ポリエチ
レングリコール,ポリプロピレングリコールなど);環
状基を有する低分子ジオール類〔例えば特公昭45−1474
号記載のもの(ビスフェノールAのプロピレンオキサイ
ド付加物等)〕;第3級または第4級窒素原子含有低分
子ポリオール〔たとえば特開昭54−130699号公報記載の
もの(N−メチルジエタノールアミン,N−ブチルエタノ
ールアミンなどのN−アルキルジアルカノールアミン等
およびそれらの4級化物);トリアルカノールアミン
(トリエタノールアミン,トリプロパノールアミンな
ど)〕;チオジエチレングリコール等が挙げられる。ア
ミノアルコールとしては、モノ−またはジ−アルカノー
ルアミン類たとえばモノエタノールアミン,ジエタノー
ルアミン,モノプロパノールアミンなど)があげられ
る。これらのうちで好ましいのは、低分子ポリオール
(とくにジオール)であり、具体的にはエチレングリコ
ール,1,4−ブタンジオール,ネオペンチルグリコール,
1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの2種以上の混合
物である。
活性水素原子含有化合物全体[(A)および必要によ
り(b)および/または(c)]中の、重合体ポリオー
ル(A)の量は通常20重量%以上、好ましくは50重量%
以上である。他の高分子ポリオール(b)の量は通常0
〜70重量%、好ましくは0〜50重量%であり、低分子活
性水素含有化合物(c)の量は通常0〜30重量%、好ま
しくは0〜25重量%である。(A)の量が20重量%未満
では、ポリウレタンの反発弾性が悪くなる。また、
(c)の量が30重量%を越えると、反応時の発熱温度が
高くなり、成形品の注入口付近にフクレが発生し易く、
また得られる成形品の剛性が高すぎて脆い成形品となり
実用に適さない。
本発明において使用する有機ポリイソシアネートとし
ては、従来からポリウレタン製造に使用されているもの
が使用できる。このようなポリイソシアネートとして
は、炭素数(NCO基中の炭素を除く)6〜20の芳香族ポ
リイソシアネート(たとえば2,4−および/または2,6−
トリレンジイソシアネート(TDI),粗製TDI,2,4′−お
よび/または4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI),粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン{ホ
ルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその
混合物との縮合物生成物:ジアミノジフェニルメタンと
少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミ
ンとの混合物}のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシ
アネート(PAPI)など];炭素数2〜18の脂肪族ポリイ
ソシアネート(たとえばヘキサメチレンジイソシアネー
ト,リジンジイソシアネートなど);炭素4〜15の脂環
式ポリイソシアネート(たとえばイソホロンジイソシア
ネート,ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート);
炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(たとえ
ばキシリレンジイソシアネートなど);およびこれらの
ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基,カルボジイ
ミド基,アロファネート基,ウレア基,ビューレット
基,ウレトジオン基,ウレトンイミン基,イソシアヌレ
ート基,オキサゾリドン基含有変性物など);および特
開昭61−76517号公報記載の上記以外のポリイソシアネ
ート;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうちでは、商業的に容易に入手できるポリイソ
シアネート、たとえば2,4−および2,6−TDI,これらの異
性体の混合物,粗製DTI,4,4′−および2,4′−MDI,およ
びこれらの異性体の混合物,粗製MDI,およびこれらのポ
リイソシアネート類より誘導されるウレタン基,カルボ
ジイミド基,アロファネート基,ウレア基,ビューレッ
ト基,イソシアヌレート基を含有する変性ポリイソシア
ネート類である。
本発明において、ポリウレタン成形品の製造に際して
のイソシアネート指数[NCO/活性水素原子含有基(カル
ボキシル基以外の活性水素含有基の合計)の当量比×10
0]は、通常80〜120、好ましくは85〜110,とくに好まし
くは95〜108である。またイソシアネート指数を上記範
囲より大幅に高くして(たとえば300〜1,000またはそれ
以上)ポリウレタン中にポリイソシアヌレートを導入す
ることもできる。
本発明において、反応を促進させるため、ポリウレタ
ン反応に通常使用される触媒[たとえばアミン系触媒
(トリエチレンアミン,N−エチルモルホリンなどの3級
アミン)、錫系触媒(オクチル酸第1スズ、ジブチルチ
ンジラウレートなど)、その他の金属触媒(オクチル酸
鉛など)]を使用することができる。触媒の量は、反応
混合物の重量に基づいて通常0.001〜5%である。
また、本発明においてはポリウレタンの製造に際し、
必要により発泡剤(たとえばメチレンクロライド、モノ
フルオロトリクロロメタン、水など)を使用することが
できる。発泡剤の使用量はポリウレタンの所望の密度
(たとえば0.01〜1.4g/cm3)により適宜変えることがで
きる。
本発明において必要により使用できるその他の添加剤
としては、乳化剤および気泡安定剤としての界面活性剤
が使用でき、特にシリコーン界面活性剤(ポリシロキサ
ン−ポリオキシアルキレン共重合体)が重要である。
その他本発明において使用できる添加剤としては、難
燃剤、反応遅延剤、着色剤、内部離型剤、老化防止剤、
抗酸化剤、可塑剤、殺菌剤、カーボンブラックおよびそ
の他の充填剤等公知の添加剤が挙げられる。
本発明のポリウレタンの製造は通常の方法で行うこと
ができ、ワンショット法,セミプレポリマー法,プレポ
リマー法等の公知の方法により行うことができる。ポリ
ウレタンの製造には通常用いられている製造装置を用い
ることができる。無溶媒の場合はたとえばニーダーやエ
クストルーダーのような装置を用いることができる。閉
鎖モールドあるいは開放モールド内で各種の非発泡ある
いは発泡のポリウレタンの製造を行うことができる。ポ
リウレタンの製造は普通低圧あるいは高圧の機械装置を
用いて原料を混合反応させることにより行われる。さら
には、原料混合前後(とくに原料混合前)、原料中の溶
存空気あるいは混合時に混入した空気などのガスを真空
法により除去することによりポリウレタンの製造を行う
こともできる。
[実施例] 以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、部および%はそれぞれ重量部および重量%を表す。
実施例、比較例に使用した原料の組成は次の通りであ
る。
(1)ポリオールA:グリセリン92部にPO 4,708部,次
いでEO 1,200部を付加させた水酸基価28の3官能性ポ
リオール。
(2)ポリオールB:プロピレングリコール76部にPO 3,
004部,次いでEO 920部を付加させた水酸基価28の2官
能性ポリオール。
(3)ポリオールC:ペンタエリスリトール136部にPO
6,164部,次いでEO 700部を付加させた水酸基価32の4
官能性ポリオール。
(4)重合体ポリオールI:ポリオールA90部中で、AIBN
1.0部を開始剤としてドデシルメタクリレート5部とト
リデシルメタクリレート5部を、約130℃の温度で重合
させることにより得られた、水酸基価25.2の重合体ポリ
オール。
(5)重合体ポリオールII:ポリオールA43部とポリオー
ルB43部の混合物中で、AIBN1.0部を開始剤としてテトラ
デシルメタクリレート7部とペンタデシルメタクリレー
ト7部を、約130℃の温度で重合させることにより得ら
れた、水酸基価2.41の重合体ポリオール。
(6)重合体ポリオールIII:ポリオールC95部中で、AIB
N0.5部を開始剤としてヘキサデシルメタクリレート2.5
部とオクタデシルメタクリレート2.5部を、約130℃の温
度で重合させることにより得られた、水酸基価30.4の重
合体ポリオール。
(7)重合体ポリオールIV:ポリオールA45部とポリオー
ルB45部の混合物中で、AIBN1.0部を開始剤としてエイコ
シルアクリレート5部とドコシルアクリレート5部を、
約130℃の温度で重合させることにより得られた、水酸
基価25.2の重合体ポリオール。
(8)重合体ポリオールV:ポリオールA47.5部とポリオ
ールB47.5部の混合物中で、AIBN1.0部を開始剤としてテ
トラデシルメタクリレート1.25部とトリデシルメタクリ
レート1.25部並びにメチルメタクリレート2.5部を、約1
20℃の温度で重合させることにより得られた、水酸基価
26.6の重合体ポリオール。
(9)重合体ポリオールVI:ポリオールA90部中で、AIBN
1.0部を開始剤としてテトラデシルメタクリレート2.5部
とトリデシルメタクリレート2.5部並びにジメチルアミ
ノエチルメタクリレート5部を、約130℃の温度で重合
させることにより得られた、水酸基価25.2の重合体ポリ
オール。
(10)重合体ポリオールVII:ポリオールA90部中で、AIB
N1.0部を開始剤としてアクリロニトリル10部を、約130
℃の温度で重合させることにより得られた、水酸基価2
5.2の重合体ポリオール。
(11)重合体ポリオールVIII:ポリオールA90部中で、AI
BN1.0部を開始剤としてアクリロニトリル6部とスチレ
ン4部の混合物を、約100℃の温度で重合させることに
より得られた、水酸基価25.2の重合体ポリオール。
(12)架橋剤 EG:エチレングリコール (13)ポリイソシアネート コロネート1050:変性液状MDI[日本ポリウレタン(株)
製] (14)触媒 DABCO 33LV:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレン
グリコール溶液 (15)発泡剤 フレン−11:トリクロロフルオロメタン[ダイキン工業
(株)製] (16)整泡剤 SH−190:ポリエーテルポリシロキサン重合体[トーレ・
シリコーン(株)製] SF−2962:ポリエーテルポリシロキサン重合体[トーレ
・シリコーン(株)製] (17)黒トナー:カーボンブラック、老化防止剤(紫外
線吸収剤と酸化防止剤および耐熱性向上剤の混合物等)
をポリエーテルポリオールに分散したもの。
実施例1〜8、比較例1〜4 表1に記載の成形処方に従って、下記の成形条件で、
高分子ポリオール,架橋剤および触媒からなるポリオー
ル成分とイソシアネート成分とを、それぞれ高圧発泡機
の原料タンクに仕込み、ポリオール成分に窒素ガスを一
定量圧入して溶存させた後、高圧発泡機で混合し、厚み
5mm×幅400mm×長さ1000mmの温度調節可能な密閉モール
ドに注入して、ポリウレタン成形品を製造した。
[成形条件] 高圧発泡機:クラウス−マッファイPU40/40 吐出量:約500g/秒 吐出圧力:140〜160Kg/cm2 注入時間:約2.0秒〜3.0秒 原料温度:ポリオール成分 40±2℃、イソシアネート
成分 40±2℃ 金型温度:40±2℃ 離型時間:60秒 得られたポリウレタン成形品の物性測定結果を第2に
示す。
物性測定法は次の通りである。
密度(g/cm2):浮力法 引張強度(Kg/cm2):JIS K−6301 伸び率(%):JIS K−6301 引裂強度(Kg/cm2):JIS K−6301 硬度(ショアーA):ASTM D−2240 反発弾性(%):JIS K−6382 耐候劣化時間(hrs):フェードメータ(ブラックパネ
ル温度83℃)照射し、180゜折り曲げ時にクラックを発
生する時間を測定(200hrs毎に測定) 実施例9〜11、比較例5〜7 表3に記載の成形処方に従って、下記の成形条件で、
高分子ポリオール,架橋剤および触媒からなるポリオー
ル成分とイソシアネート成分とを、それぞれ低圧発泡機
の原料タンクに仕込み、低圧発泡機で混合し、厚み10cm
×30cm×30cmの密閉モールドに注入して、ポリウレタン
フォームを製造した。
[成形条件] 低圧発泡機:MEG−E−24 吐出量:約130g/秒 注入時間:約3.0秒 原料温度:ポリオール成分 25±2℃、イソシアネート
成分 25±2℃ 金型温度:60±2℃ 離型時間:8分 得られたポリウレタンフォームの物性測定結果を表4
に示す。
物性測定法は次の通りである。
密度(g/cm2):実寸測定法 引張強度(Kg/cm2):JIS K−6301 伸び率(%):JIS K−6301 引裂強度(Kg/cm2):JIS K−6301 25%ILD(Kg/314cm2):JIS K−6382 65%ILD(Kg/314cm2):JIS K−6382 反発弾性(%):JIS K−6382 圧縮永久歪(%):JIS K−6382 [発明の効果] 本発明の方法を用いることにより、従来のポリウレタ
ン成形品に比べて、反発弾性に優れたものが得られるの
で、柔らかい手触りをもちかつ弾力性に優れたポリウレ
タン成形品の製造が可能になる。
上記のような効果を奏することから、本発明の方法を
用いて製造されたポリウレタン成形品は、ハンドル、シ
ートクッション、クラッシュパッド、バンパーをはじめ
とする自動車部品や、家具などの室内調度などの用途に
著しい有用性を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−15894(JP,A) 特開 昭58−2314(JP,A) 特開 昭60−197718(JP,A) 特開 昭60−252612(JP,A) 特開 昭58−2319(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機ポリイソシアネートと活性水素含有化
    合物とを、必要により触媒、発泡剤、その他の添加剤の
    存在下に反応させてポリウレタンを製造する方法におい
    て、活性水素含有化合物の少なくとも20重量%として、
    下記重合体ポリオール(A)を用いることを特徴とする
    ポリウレタンの製法。 重合体ポリオール(A): ポリオキシエチレン鎖を有する末端一級水酸基が20%以
    上のポリエーテルポリオール(i)と該ポリオール中に
    分散されたエチレン性不飽和単量体(ii)の重合体から
    なり、エチレン性不飽和単量体を該ポリオール中で重合
    させることにより製造される重合体ポリオールであっ
    て、(ii)の30重量%以上が次の一般式 (式中、R1は水素またはメチル基を表し、R2は炭素数9
    〜30のアルキル基を表す。)で表される単量体である、
    重合体ポリオール。
  2. 【請求項2】(A)が、(ii)として上記(1)の単量
    体とメチルメタクリレートを併用した重合体ポリオール
    である請求項1記載のポリウレタンの製法。
  3. 【請求項3】(A)が、(ii)として上記(1)の単量
    体とアクリロニトリル、スチレン類および窒素含有(メ
    タ)アクリレートからなる群より選ばれる単量体を併用
    した重合体ポリオールである請求項1記載のポリウレタ
    ンの製法。
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