JPS62167316A - 靭性を有する熱可塑性重合体 - Google Patents

靭性を有する熱可塑性重合体

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JPS62167316A
JPS62167316A JP61007866A JP786686A JPS62167316A JP S62167316 A JPS62167316 A JP S62167316A JP 61007866 A JP61007866 A JP 61007866A JP 786686 A JP786686 A JP 786686A JP S62167316 A JPS62167316 A JP S62167316A
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JP
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parts
weight
microgel
rubbery
resin
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Application number
JP61007866A
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English (en)
Inventor
Tadashi Kitamura
正 北村
Jiro Hikita
疋田 次郎
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は低温下での耐衝撃性や良好な接着性を発揮する
、極めて靭性と剛性のバランスに優れた新規な熱可塑性
ポリウレタン重合体に関する。
〔従来の技術〕
従来より熱可塑性ポリウレタン樹脂は一般に常温での可
撓性及び耐磨耗性、耐薬品性、接着性に優れた物性を有
している事から、広くチューブ、ホース、靴底等の成型
材料や構造用接着材料や被覆材料や塗料材料として広く
使用されているが、近年では熱可塑性ポリウレタン樹脂
を用いた接着複合構造物や成型物が一段と高性能化且つ
高級化指向され、樹脂の要求性能は、出来るかぎり一2
0℃以下の低温下から80℃以上の高温下で実用的に使
用できる熱可塑性ポリウレタン樹脂の出現が強く望まれ
ていた。
具体的には一20℃以下の低温下での耐クラツク性、耐
衝撃性を有しつつ且つ常態での樹脂の引っ張り強度は望
ましくは200〜600kl/Cdとし、1チ弾性率は
2.000〜10.000 ky/ffl程度の性能を
有し、且つ80℃の耐熱物性では常態強度の40チ以上
を保持出来、1−当たり1〜2kgの荷重では熱クリー
プする事が無いことが理想である。
すなわち極めて低温下での靭性と高温下での剛性のバラ
ンスに優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂が強く求められ
ている。
これまで知られている技術では、例えば靭性改良を目的
としてポリエーテル成分を導入する、いわゆるポリエス
テル−ポリエーテル型ブロツク共重合ポリウレタン樹脂
とする技術があるが、得られる樹脂は軟質であり、ポリ
エーテル成分の導入量を多くすると共に一20°Cで靭
性を発揮する事が可能となるが、その結果常態及び熱時
の剛性強度が低下し、特に常態での1多弾性率を200
0に9/i以上の値とし、且つ低温時の靭性を両立させ
る事は不可能であった。更にはブロッキング性の問題発
生からフィルム化が一般的に困難であったりする結果と
なった。
さらに前記ブロック共重合ポリウレタン樹脂を種々検討
した結果、重要な問題として耐水性劣化の問題があり、
かつ耐候性の不足や耐振動疲労試験での耐疲労劣化の問
題等、工業用樹脂としては重要な問題点を数多く含んで
いることも明らかとなり十分な低温下での靭性と高温下
での剛性のバランスに優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂
とは言い難い。
又、これまで靭性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂と
称される樹脂はその大部分が脂肪属ポリエステル型かポ
リエーテル型のいずれかの熱可塑性ポリウレタン樹脂で
十分低温下でのフレキシブル性、靭性が発揮されること
はよく知られているが、これらの樹脂は非晶質であり、
且つ樹脂自身の熱変形温度(以下融点と呼ぶ)が常温以
下であること等から剛性物性において満足する物とはな
らない。従って剛性性を満足させる為に最終的な樹脂の
使用形態では熱硬化樹脂としなければならないのが現状
である。
又、靭性改良を目的として単にゴム状熱可塑性高分子の
ポリマーブレンドの技術が考えられるが例えばニトリル
−ブタジェンゴムやアクリルゴム、インプレンゴム、シ
リコンゴム等をブレンド配合混練して改質する試みも行
なっても、種々検討したが単なるブレンド配合物は極め
て不安定で2層分離したり、分散ゴム粒子径の安定性、
再現性に欠け、且つ分散粒子径が不均一で、その効果は
全くといってよいほど靭性改良の効果は小さく再現性に
欠ける。又ゴム成分がマトリックスに対して溶解する場
合は著しく剛性力が低下し問題である。
すなわち工業用樹脂として耐衝撃信頼性に富み、良好な
接着性を発揮する極めて低温下での靭性と高温下での剛
性のバランスに優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂を得る
技術はいまだに見当たらない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は熱可塑性ポリウレタンの持つ優れた特質を損な
うことなく、すなわち良好な接着、被覆、成型特性を有
し、具体的には一20℃以下の低温下での耐クラツク性
、耐衝撃性を有しつつ且つ常態では樹脂の引っ張り強度
は200〜600 kg/dの範囲であり、1%弾性率
は2,000〜10,000kf/ffl程度、伸び性
能は10〜800%の範囲であり、且つ80°Cの耐熱
物性では常態強度の40%以上を保持出来、1cr+i
当たり1〜2ゆの荷重では熱クリープする事が無い樹脂
とする工業用樹脂として信頼性に富んだ極めて低温下で
の靭性と高温下での剛性のバランスに優れた熱可塑性ポ
リウレタン重合体を得ることにある。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明は鋭意検討した結果、特定したヒドロキシ基両末
端ポリエステルオリゴマーを用いて、特定したアクリル
酸エステルモノマーを重合してなるゴム状ミクロゲルを
形成させたプレポリマーとジイソシアナートを付加重合
することにより、マトリックスに対しゴム状ミクロゲル
がグラフト化された海−島構造を有する熱可塑性ポリウ
レタン重合体とする事で本発明を達成した。
即ち、本発明は下記のオリゴマー(A)とジイソシアナ
ート(B)とを付加重合してなる、1〜45重量%のゴ
ム状ミクロゲルがマトリックスにグラフ(A) (a)
重量平均分子量が300〜5,000のヒドロキシ基末
端ポリエステルオリゴマーの100重量部に、 (b)少なくとも70重量%以上が一般式CH2=CX
−COOR(ただし又は水素又はメチル基、Rは炭素数
1から18のアルキル基又はシクロヘキシル基又はイソ
ノニル基又はポリアルキルシロキサンプロピオネート基
を表す。)の(メタ入アクリル酸エステルであって、ガ
ラス転移温度が一20°C以下で、かつ粒子径が0.1
〜100μであるゴム状ミクロゲル重合体5〜200重
量部を、 分散安定化してなる改質されたポリエステルオリゴマー
またゴム状ミクロゲル重合体が、炭素数1から8の片末
端アルキル基を有する分子量50〜s、oooのポリア
ルキレンモノアクリレートを0.1〜10重量部と、一
般式CH,=CX−COOR(ただしXは水素又はメチ
ル基、Rは炭素数1から18のアルキル基又はシクロヘ
キシル基又はイソノニル基又はポリアルキルシロキサン
プロピオネート基を表す。)の(メタ)アクリル酸エス
テルの1〜20重量部を七ツマー成分とした種ラテック
スとし、多段重合または肥大化重合してなることを特徴
とする熱可塑性重合体が好ましいものとして上げられる
又、更に(A)と(B)にさらに(C)として結晶化核
剤を0.1〜10重量%添加配合して得られる靭性を有
する熱可塑性重合体は結晶化スピードが早いので極めて
特に好ましいものとして上げられる。
本発明に於いて(A)中の(a)のヒドロキシ基末端ポ
リエステルオリゴマー(以下単にオリゴエステルと呼ぶ
)とは、以下に示す様な二塩基酸成分とジオール成分の
原材料を適宜選択して反応させることにより得ることが
できる。すなわち、二塩基酸成分として例えばシュウ酸
、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、フマ
ル酸、グルタル酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ヘキサ
ヒドロテレフタル酸、β−メチルアジピン酸、ビシクロ
(2,2,2〕オクタジオンジカルボン酸の如き脂肪族
二塩基酸類や無水コハク酸、無水マレイン酸の如き脂肪
族二塩基酸無水物類や、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、の如きフタル酸類やテレフタル酸ジメチルの
如きフタル酸のアルコールのエステル類及び無水フタル
酸、無水テレフタル酸の如きフタル酸の無水物類や、ナ
フタリン−1,5−ジカルボン酸、ナフタリン−2,6
−ジカルボン酸、ジフェニル−m、m’−ジカルボン酸
、ジフェニル−p、p’−ジカルボン酸、ジフェニルメ
タン−m、m’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−p
p′−ジカルボン酸の如き芳香族二塩基酸類が挙げられ
る。ジオール成分として例えばエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、トリメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,3−ブタンジオール、1.4−ブタ
ンジオール、1,5−ベンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、デカメチレングリコール、6,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル’) −2
,4,8,10−テトラオキサ(5,51ウンデカン(
以下スピログリコールと呼ぶ)の如き脂肪族有機ジオー
ルやビスフェノール人やナフタレンジオールの如き芳香
族ジオールが挙げられる。製造方法としては二塩基酸の
カルボキシル基当量に対してジオールのヒドロキシル基
当量が過剰な割合で反応釜に加えて公知のエステル化反
応を行なって得るのが代表的である。
又は一端オリゴエステルを分子末端カルボキシル基とし
、引き続き更に別のジオールを使用反応して分子末端を
ヒドロキシル基に変換してもよく、又、分子末端ヒドロ
キシル基オリゴエステルを得る別の方法として、テレフ
タル酸、イソフタル酸、又はアジピン酸等とエチレンオ
キサイドやプロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン
、カプロラクトンを開環付加した後、引続き更に二塩基
酸成分とエステル化反応して得ても良い。
又、エステル化反応に際して溶剤の存在下に行なうこと
は前記二塩基酸成分の昇華析出防止の意味からも好まし
く、特に制約はない。
いずれの方法でも反応を十分完結させて反応終了時の酸
価及びヒドロキシル価の測定によって理論値との対比か
ら反応率を算出し、カルボキシル基基準又はヒドロキシ
ル基基準の反応率が95%以上、好ましくは98チ以上
となるようにする。
オリゴエステルはできるだけ分子両末端ヒドロキシル基
とする事が望ましく、特に制約するものでないが好まし
くは酸価が5以下が良い。
又、オリゴエステルは本発明の最終的なポリウレタン樹
脂の耐熱性や高い剛性力を発揮させる目的から、ポリエ
ステル鎖長部分が結晶性を発揮できる様に結晶性を維持
させることが好ましく、特に制約するものではないが、
全二塩基酸成分に占めるパラ又はメタ置換芳香族二塩基
酸の割合が60%以上が良好で、80チ以上が特に好ま
しい。
ここでいう結晶性とは、ポリマーが形成しているポリマ
ー鎖が一定に配列した配位集合状態を少なからず有して
いる状態(部分的な事が多い)であって、一般的には常
温で不透明ないし半透明である状態であり、X線回折等
の方法で結晶性の有無は容易にわかる。
又、オリゴエステルの重量平均分子量を300〜s、o
ooとしたのは重量平均分子量が300以下では得られ
る最終樹脂が剛性力に欠け、重量平均分子量がs、oo
o以上では靭性や接着特性が著しく低下するので不適当
である為で、重量平均分子量300〜5,000がよく
、特に好ましくは重量平均分子量800〜2,500が
良い。
本発明の(A)中の(b)の成分である(メタ)アクリ
ル酸エステルとは一般式ノH,=CX−COOR(ただ
しXは水素又はメチル基、Rは炭素数1から18のアル
キル基又はイソノニル基又はシクロヘキシル基又はポリ
アルキルシロクサンプロピオネート基をあられす。〕で
表わされる(メタ)アクリル酸エステルモノマーであり
、ゴム状ミクロゲル成分中70重量%以上となる様に適
宜選択して使用してよく、例えばメチルアクリレート、
エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、シクロ
へキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−
エチルへキシルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、インブチルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、ステアリルメタクリレート、イソノニルメタク
リレート、メタアクリ口キシプロビルボリジメチルシロ
キサン等を単独又は2種以上を使用して行なう事で良く
特にn−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアク
リレートが好ましい例として上げられる。
また、(b)は上記(メタ〕アクリル酸エステルの1種
又は2種以上のみからなる重合体でもよいが、他のモノ
マー類との共重合体でもよい。他のモノマー類としては
、特殊官能基を持ったモノマー、架橋性モノマー、グラ
フト形成用モノマー、オリゴエステル相溶性モノマー等
が挙げられる。特殊官能基を持ったモノマーとしては前
記(メタ)アクリル酸エステルと共重合性を有する下記
特殊官能基を持った(メタ)アクリル酸エステルモノマ
ー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、アクリロニ
トリル、酢酸ビニール、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリシジルメタアクリレート、アクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、(メタ)アクリル酸等が挙げ
られる。これらは全ゴム状ミクロゲル中に重量%で30
%以下となる、好ましくは10%以下となる様に使用す
る事が出来、本発明の靭性を有する熱可塑性重合体を特
に接着性や密着性を要求される用途等に使用する場合は
、前記特殊官能基を持った(メタ)アクリル酸エステル
モノマーを一部共重合して使用する事が好ましい。
架橋性七ツマ−としては、上記(メタ)アクリル酸エス
テルと共重合性を有する、例えばビスフェノール型Aエ
ポキシ樹脂に2モルの(メタ)アクリル酸を付加反応し
て得たジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールWFエ
ポキシ樹脂に2モルの(メタ)アクリル酸を付加反応し
て得たジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又は
ビスフェノールFにエチレンオキサイド付加物のジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンシオールジ(メタ
)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタコアクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレ−ナ トモノマーや、例えばトリメグロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、グリセリンエステルのトリ(メタ)
アクリレート等の如きトリ(メタ)アクリレートモノマ
ー等があげられる。これらの架橋性モノマーを本発明の
ゴム状ミクロゲル中にミクロゲル生成モノマーの重量%
で5チ以下、好ましくは3%以下となるように使用する
事は、ゴム状ミクロゲルが内部架橋され、均一で球状の
ゴム状ミクロゲルを安定に形成出来る事から好ましい。
グラフト形成用モノマーとしては、例えば2,4−トリ
レンジイソシアナートとヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートおよび/またはヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートとの1:1付加物、インホロンジイソシアナ
ートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび/
またはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの1
:1付加物、ジフェニルメタンジイソシアナートとヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートおよび/またはヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレートとの1:1付加物
、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド
等が挙げられ、これらの1種又は2種以上用いる事がで
きる。これらのグラフト形成用七ツマー用いる事は本発
明の目的を達成させる為のグラフト化の方法として有用
である。用いる景は本発明のゴム状ミクロゲルポリマー
中に、特に制約するものではないが重量%で、0.01
〜15%程度となる様に、好ましくは0.2%〜5チ程
度となる様に使用する事で達成される。
なお又グラフト化の他の方法として例えば(メタ)アク
リル酸エステルポリマーを形成させると同時に島相を形
成しているゴム状ミクロゲルポリマー表面の一部のポリ
マー鎖を海相を形成している前記オリゴエステル鎖とを
部分エステル交換反応や部分付加反応をおこなって達成
させてもよく、さらに別のグラフト化の方法として、ウ
レタン化反応の際に公知の方法でグラフト化の反応を導
入してもよく、例えば島相を形成しているゴム状ミクロ
ゲルポリマーのポリマー被表面付近にヒドロキシル基又
はアミノ基、アミド基等と存在させ、ウレタン化付加反
応によって海相である熱可塑性ポリウレタン樹脂とグラ
フト結合させる事でも良い。すなわち、なんらかの結合
様式で海相であるポリエステルウレタン樹脂とグラフト
していることが理想的な衝撃応力の分散緩和効果が発揮
される場が出来ると思われる事から極めて重要であり、
理由は不明だがグラフトが形成されない場合には本発明
の靭性のある熱可塑性重合体とはならず極めて脆い樹脂
となり実用にたえない。そこでおおよそ重量%で0.0
14以上15チ以内の範囲で、好ましくは0.2%以上
5%以内の範囲でグラフトポリマーの生成が起こる様に
グラフト形成モノマーを使用してミクロゲルを調整する
ことで達成される。
またオリゴエステル相溶性モノマーとしてはポリエチレ
ングリコールモノアリキルエーテルのモノ(メタ〕アク
リレート類、ポリプロピレングリコールモノアルキルエ
ーテルのモノ(メタ〕アクリレート類があげられる。
いずれの場合も、本発明の目的から得られるゴム状ミク
ロゲルポリマー自身のガラス転移温度が一20°C以下
、特に好ましくは一40’C以下となるように設計する
ことが望ましい。
なぜならばゴム状ミクロゲルポリマー自身のガラス転移
温度が一20℃以上では低温下でのミクロゲルのゴム弾
性が失われ応力緩和がなされずその結果として靭性効果
、耐衝撃性はほとんど発揮されないからである。
又、本発明の目的を達成させる為には(メタ)アクリル
酸エステル系ポリマーであるゴム状ミクロゲルポリマー
自身の分散粒子径は0.01〜100μ、好ましくは0
.1〜10μの範囲となるようにし、かつ最終的に海−
島がグラフト化される事が重要である。
又、本発明の(メタ)アクリル酸エステルを主成分とす
るゴム状ミクロゲル重合体を形成させる重合方法は公知
の重合触媒を使用して行なうことでよく、特に限定はし
ないが以下に示す重合触媒が代表的であり、例えば、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ
イド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2.5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ
)ヘキセン−3、ジクミルパーオキサイド等のジアルキ
ルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、シクロヘキサンパーオキサイド等のケトンパーオキ
サイド類、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソブ
チレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチ
ルパーオキシデカネート、t−ブチルパーオキシベンザ
x−1のパーオキシエステル類、ベンゾイルパーオキサ
イド、イソ−ブチリルパーオキサイド、オクタノイルパ
ーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、その他n
−ブチルー4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレ
レート、1.1−ヒス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−)ルメチルシクロヘキサン、ジーイソープロピ
ルパーオキシジカルボネート等の過酸化物重合触媒又は
、2.2’−アゾビスイソブチロニトリル、2.2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル〕等のアブ
系重合開始剤が代表的であり、適宜選択して使用するこ
とが出来る。
又1本発明の(メタ)アクリル酸エステルを主成分とす
るゴム状ミクロゲル重合体を形成させる重合方法は、(
a)のオリゴエステルの存在下に前記(メタ)アクリル
酸エステルを主成分として多段重合して目的のグラフト
化可能な、又は場合によりオリゴエステルとグラフト化
された、ゴム状ミクロゲルを形成させてもよく、例えば
1段目にオリゴエステルの100重量部に対し、例えば
2,4−トリレンジイソシアナートとヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートおよび/またはヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレートとの1:1付加物、イソホロン
ジイソシアナートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートおよび/またはヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レートとの1:1付加物、ジフェニルメタンジイソシア
ナートとヒドロキシエチル〔メタ〕アクリレートおよび
/またはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの
1=1付加物から適宜選ばれたグラフト形成用モノマー
0.1〜10重量部と、前記ミクロゲル形成モノマーで
ある(メタ)アクリル酸エステルの1〜20重量部を分
散重合して種ラテックスを合成し、さらに2段目に平均
粒子径が0.2〜5μとなる様に肥大化グラフト重合し
て得る。
特に好ましくは1段目にオリゴエステルの100重量部
に対し、オリゴエステル相溶性モノマー、例エバエチレ
ングリコールモノアルキルエーテルのモノアクリレート
類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルのモノ
アクリレート類、トリエチレングリコールモノアルキル
エーテルのモノアクリレート類で代表される数平均重合
度が1かう1,000のポリエチレングリコールモノア
ルキルエーテルのモノアクリレート類、プロピレングリ
コールモノアルキルエーテルのモノアクリレート類、ジ
プロピレングリコールモノアルキルエーテルのモノアク
リレート類、トリプロピレングリコールモノアルキルエ
ーテルのモノアクリレート類で代表される数平均重合度
が1から1,000のポリプロピレングリコールモノア
ルキルエーテルのモノアクリレート類などの炭素数1か
ら8の片末端アルキル基を有する分子量50〜s、oo
oのポリアルキレングリコールのモノアクリレ−トラ0
.1〜10重量部と、(メタ)アクリル酸エステルの1
〜20重量部を主成分として種ラテックスを合成し、こ
れを使用して2段目に平均粒子径が0.2〜5μとなる
様に肥大化グラフト重合して得るとかする方法が良い。
、又、本発明の(a)のオリゴエステルの存在下に(メ
タ)アクリル酸エステルを主成分とするゴム状ミクロゲ
ル重合体を形成させる重合方法は、例えば無溶剤下で行
なうとか、又はあらかじめオリゴエステルを適当な比較
的オリゴエステルに対し相溶性のある溶剤でオリゴエス
テルやジイソシアナートに対して不活性な溶剤で溶解し
たのち、(メタ)アクリル酸エステルの重合を行なって
、最終的に脱溶剤する方法などを使用してよく特に限定
するものでない。
又1本発明の(メタ)アクリル酸エステルを主成分とす
るゴム状ミクロゲル重合体を形成させる重合温度は特に
限定はないが通常は20〜200℃である。
すなわち、本発明の(A)のオリゴマーとは、前記オリ
ゴエステルの100重量部に対し、ゴム状ミクロゲル成
分中70重量%以上が一般式CH2=CX−COOR(
ただしXは水素又はメチル基、Rは炭素数1から18の
アルキル基又はイソノニル基又はシクロヘキシル基又は
ポリアルキルシロクサンプロピオネート基をあられす。
)で表わされる(メタ)アクリル酸エステルモノマーを
重合してなる、ガラス転移温度が一20℃以下で、かつ
平均粒子径が0.1〜100μであるゴム状ミクロゲル
重合体の5〜200重量部を分散安定化したグラフト化
可能な、またはグラフト化された海−島構造を有するゴ
ム状ミクロゲルゴム粒子含有ポリエステルオリゴマーで
ある。
ここで(A)のオリゴマー中のミクロゲルの最適濃度の
範囲を前記(a)のオリゴエステルの100重量部に対
し、5〜200重量部の範囲としたのはオリゴエステル
の100重量部に対し5重量部以下では得られる熱可塑
性ウレタン樹脂の靭性効果が低く、低温で十分な耐衝撃
性が発揮されない事からであり、200重量部以上では
ゴム状ミクロゲルが凝集して安定に得られない事からで
ある。
又、本発明に於て1〜45重量%のゴム状ミクロゲルが
マトリックスにグラフト化された海−島構造からなる熱
可塑性ポリウレタン樹脂としたのは、ゴム状ミクロゲル
が1重量%以下では低温下での靭性性がほとんど発揮さ
れないからであり、45重量%以上では耐熱クリープ性
や剛性性に著しく欠ける事によるからである。
なお(A)は(a)の存在下に(b)のモノマーを重合
して得ることが出来るが、重合の際は(a)を全量存在
させても良く、また一部を存在させ、残部は生成物と混
合しても良い。
又、本発明の(B)ジイソシアナートとは前記(A)の
オリゴマーをウレタン化反応により、直鎖状高分子及び
/又は一部枝状高分子に、場合により熱可塑性を損なわ
ない範囲で3次元化することが可能な高分子化原料であ
り、特に制約はないが以下に示すものが代表的である。
すなわち本発明の(B)ジイソシアナートとして例えば
トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシ
アナート、インホロンジイソシアナート、水添ジフェニ
ルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシア
ナート、フェニレンジイソシアナート、キシリレンジイ
ソシアナート、水添キシリレンジイソシアナート、ナフ
チレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアナート等が良く、好ましくはトリレンジイソシア
ナート、インホロンジイソシアナート、水添ジフェニル
メタンジイソシアナート、水添キシリレンジイソシアナ
ート、テトラメチルキシリレンジイソシアナートが良い
例として上げられる。
又、本発明のジイソシアナートを用いたウレタン化反応
の反応条件は特に制約はなく、無溶剤下で行なったり、
前記(A)のプレポリマーのオリゴエステルに対して相
溶性のある溶剤でオリゴエステルやジインシアナートに
対して不活性な溶剤を使用して行なったり、また、公知
のウレタン化触媒や反応促進剤を使用して行なっても良
くいずれの場合もウレタン化反応を選択的に形成出来る
条件を選定する事が望ましい。
ただし、必要に応じて部分的にアルファナート結合やビ
エウレット結合を導入することでも良く、本発明の目的
の熱可塑性を有する直鎖状高分子及び/又は一部枝状高
分子に、場合により熱可塑性を損なわない範囲で3次元
化した高分子化を達成出来れば良い。
又、本発明の靭性を有する熱可塑性ポリウレタン重合体
に一般に公知の例えばヒンダードフェノール類、亜リン
酸エステル類等の如き酸化防止剤、ベンゾトリアゾール
誘導体等の如き紫外線吸収剤(耐候性向上剤〕、重金属
キレート化剤、充填剤、顔料を適宜添加使用して良く、
特に制約はない。
又、本発明の靭性を有する熱可塑性ポリウレタン重合体
の最終末端基としてはヒドロキシル基、インシアナート
基、アミド基等として良く、特に限定するものでない。
本発明の結晶化核剤とは、靭性を有する熱可塑性ポリウ
レタン重合体の結晶化速度を促進する為に添加すること
は大いに好ましく、例えば分子量が5万以上の結晶性ポ
リエステル樹脂微粉末や同じく分子量が5万以上の結晶
性を有するポリオレフィン樹脂微粉末や熱時可溶で常温
で不溶なワックス類、ステアリン酸金属塩等があり、靭
性を有する熱可塑性ポリウレタン重合体に対して0.1
から10重量%の範囲で、好ましくは0.1から5チの
範囲で添加使用する事で達成される。
〔作用及び発明の効果〕
本発明の具体的作用効果を示すとポリエステルオリゴマ
ーを使用した結晶性を有するポリウレタン重合体を溝相
として形成させる事により、樹脂重合体自身の高い剛性
性が発揮されると同時に耐熱性、耐候性、さらには高い
接着性能、密着性能、成型加工性等の工業用樹脂として
の重要不可欠な性能がこの溝相で発揮される。
そして、グラフト化されたゴム状ミクロゲルを島相とし
て形成させる事により、樹脂重合体自身の高い靭性性が
発揮されて優れた耐衝撃性と一20℃以下の苛酷な環境
条件下でも十分耐えられる可撓性、接着性等が発揮され
、且つ耐候性や耐水性が損なわれる事がない等、工業用
樹脂としての重要不可欠な性能がこの島相によって発揮
される。
本発明は工業用樹脂として信頼性に富み、かつ極めて低
温下での靭性と高温下での剛性のバランスに優れた熱可
塑性ポリウレタン樹脂、すなわち靭性を有する熱可塑性
ポリウレタン重合体は1〜45重量%のゴム状ミクロゲ
ルがマトリックスにグラフト化された海−島構造からな
る熱可塑性ポリウレタン樹脂、言い換えればポリエステ
ルオリゴマーを使用したポリウレタン重合体を溝相とし
て形成させ、かつグラフト化された1〜45重量%のゴ
ム状ミクロゲルを島相として形成させた全く新規な熱可
塑性ポリウレタン樹脂により達成され得たものである。
〔実施例〕
以下に本発明に関する実施例を示すが、特に本発明を限
定、制約するものではなく、以下に示す部又はチとはそ
れぞれ重量部、重量%を意味する。
又、本発明に関する契施例中に記載の樹脂の測定方法及
び樹脂の物性評価方法については以下に示す。
酸価の測定方法;JIS K−5400−8−5−2に
準する。
ヒドロキシル当量の測定方法;「無水酢酸−ピリジンの
アセチル化法J (Ber 154,5554 535
8(1901)]の方法よりヒドロキシル価を求め算出
した値である。
樹脂の物性評価方法; 1、耐衝撃物性試験;JIS  K−6800に準する
2、フィルム引っ張り試験;厚さtOmの均一なジート
ドし、ダンベルを用いてこのシートから巾10mm、長
さ100inの大きさを有し且つ両端が十分補強された
形状に型抜きした試験片を使用して万能引っ張り試験機
にて50inz’mXのひっばり速度で測定した結果を
示した。
3、耐熱クリープ温度測定;厚さ1.0mの均一なシー
トとし、このシートから巾10sn、長さ100Uの大
きさを有し且つ両端が十分補強された形状に型抜きした
試験片を使用して一方の端は固定し、もう一方の端に2
00JFの分銅をつるして常温から5°Cづつ昇温し、
それぞれ各一定温度で2時間の間にクリープが認められ
る温度をもって耐熱クリープ温度とした。
4、接着特性の評価方法;JIS  K−6800に準
する。(引っ張りスピードs Osm/mt+! )製
造例1 (イ)ヒドロキシル基末端オリゴエステル(a−1)の
合成 攪拌機、凝縮器(充填塔を含む)、温度計、窒素吹き込
み管を備えた反応器中にジメチルテレフタル酸582部
と1,4−ブタンジオール97部と1.6−ヘキサンジ
オール297部および溶剤として高沸点芳香族溶剤であ
る商品名ソルベッソナ150(沸点180〜218℃の
留分)(エッソ社製品)100部とを仕込み、加熱溶融
し、エステル交換触媒として0.05%のテトラブトキ
シチタネートを加えて窒素気流中最終反応温度220℃
まで昇温し、生成するメタノールを留出しながら反応を
行なった。
生成するメタノールの留出開始から反応終了まで6時間
であった。さらに同温度で減圧下に脱溶剤を行なった。
得られた樹脂原料は結晶性(白色不透明)を示し、末端
ヒドロキシル基であり、ヒドロキシル価の測定から樹脂
100g中のヒドロキシル基の当量数は0.16当量で
あり、又、末端基はメタノールの留出量、及び核磁気共
鳴分析の結果からほとんど全てヒドロキシル基であった
。故に重量平均分子量1250のヒドロキシル基両末端
オリゴエステル(a−1)を得た。
(に)ヒドロキシル基末端オリゴエステル(a−2)の
合成 前記(a−1>の合成で用いたと同様の反応器中に無水
フタル酸395部とアジピン酸195部とエチレングリ
コール160部と1,5−ベンタンジオール208部及
び溶剤としてキシレン200部とを仕込み、加熱溶融し
、エステル化触媒として0.02%のテトラプロピオキ
シチタネートを加えて窒素気流中最終反応温度230℃
まで昇温し、生成する水を留出しながら酸価の測定で1
.0以下となった反応終了まで約15時間行なった。さ
らlこ同温度で減圧下に脱溶剤と一部脱エチレングリコ
ールを行なった。得られた樹脂原料は結晶性(白色不透
明)を示し、ヒドロキシル価の測定から樹脂100I中
のヒドロキシル基の当量数は0.126であり、したが
って重量平均分子量が1570のヒドロキシル基末端オ
リゴエステル(a−2)を得た。
(ハ)ヒドロキシル基末端オリゴエステル(a−3)の
合成 前記(a−1)の合成で用いたと同様な反応器中にテレ
フタル酸ジメチル776部とプロピレングリコール11
5部と1,6−ヘキサンジオール360部とスピログリ
コール150部とを仕込み、加熱溶融し、エステル化触
媒として0.03%のテトラブトキシチタネートを加え
て窒素気流中最終反応温度230℃まで昇温し、生成す
るメタノールを留出しながら反応終了まで5時間行なっ
た。さらに減圧下に脱プロピレングリコールを行なって
得られた樹脂原料は結晶性(白色不透明)を示し、ヒド
ロキシル価の測定から樹脂I DoII中のヒドロキシ
ル基の当量数は0.082であり、末端基はほとんど全
てヒドロキシル基である重量平均分子量2430のヒド
ロキシル基両末端オリゴエステル(a−3)を得た。
に)ヒドロキシル基末端オリゴエステル(a−4)の合
成 前記(a−1)の合成で用いたと同様な反応器中にアジ
ピン酸585部とセパチン酸404部と1.6−ヘキサ
ンジオール298部とプロピレングリコール383部お
よびエステル化触媒として0.05’4のテトラブトキ
シチタネートを加えて、加熱溶融し、窒素気流中最終反
応温度を220℃まで昇温しで生成する水を留出させて
約15時間エステル化反応を行なって、酸価の測定で1
.5、樹脂100g中のヒドロキシル基の当量数が0.
158である重量平均分子量が1082のヒドロキシル
基末端オリゴエステル(a−4)を得た。
製造例2 (1)ゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴマー(A−
1)の合成 製造例1で用いたと同様な反応器を用いてヒドロキシル
基末端オリゴエステル(a−1)の400部と溶剤とし
てシクロへキサノン200部とを仕込、加熱溶融し、窒
素気流中反応温度110〜115℃にて2.4−1−リ
レンジイソシアナートとヒドロキシエチルアクリレート
の1:1付加物の5部とメチルメタクリレート2部、ヒ
ドキシエチルアクリレート3部、アクリルアミド2部を
加え、さらに重合触媒として1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)3.3.5− トリメチルシクロヘキサン
の0.3部にて1時間ラジカル重合反応を行って種ラテ
ックスを形成させた。引続き反応温度を120℃に昇温
しでブチルアクリレート85部、アクリロニトリル5部
、ヒドロキシエチルアクリレート2部、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート1.5部及びn−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレートの0.2
部の一括肥大化モツマー溶液を約2時間かかって連続滴
下重合反応し、更に2時間同温度で重合を継続した。更
にn−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ〕
バレレートの0.1部を30分づつ2〜6回繰り返し加
えて、肥大化上ツマ−の98%以上が重合している事を
確認後、最終的に減圧下に脱溶剤を行った。得られた樹
脂原料はゴム状ミクロゲル重合体が安定に分散しており
、ゴム状ミクロゲルの粒子径は位相差型光学顕微鏡にて
観察測定した結果2〜3μであった。この様にしてゴム
状ミクロゲルで改質されたオリゴマー(A−1)を得た
。またモノマーの重合率より算出したゴム状ミクロゲル
の濃度は23%であった。
(2)ゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴマー(A−
2)の合成 製造例1で用いたと同様な反応器を用いてヒドロキシル
基末端オリゴエステル(a−1)の200部を無溶剤下
で加熱溶解し、窒素気流中140〜145℃にてヘキシ
ルジエチレングリコールモノアクリレート11部と、2
−エチルへキシルアクリレート75部、アクリロニトリ
ル1.5部、メタアクリル酸1部、アクリルアミド1部
を仕込、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト0.25部にて1時間ラジカル重合反応を行って種ラ
テックスを形成させた。引続き反応温度を120℃に冷
却して2−エチルへキシルアクリレート45部、アクリ
ロニトリル2.5部、ヒドロキシプロピルアクリレート
1.5部、アクリルアミド1部、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート1.0部及びt−プチルパーオキシ
イソプロピルカーボネ−1−0,15部の一括肥大化モ
ツマー溶液を約2時間かかって連続滴下し、更に2時間
同温度で重合を継続した。
更にt−プチルパーオキシイソプロピルカーボネ−10
,1部を30分づつ2〜3回繰り返し加えて、肥大化モ
ノマーの99チ以上が重合している事を確認した。得ら
れた樹脂原料はゴム状ミクロゲル重合体が安定に分散し
ており、ゴム状ミクロゲルの粒子径は走査型電子顕微鏡
にて観察測定した結果0.3〜0.5μであった。この
ようにしてゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴマー(
A−2)を得た。
またモノマーの重合率より算出したゴム状ミクロゲルの
濃度は25.6%であった。
(3)ゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴマー(A−
3)の合成 製造例1で用いたと同様な反応器を用いてヒドロキシル
基末端オリゴエステル(a−2)の400部を溶剤とし
てトルエン250部とを仕込、加熱溶融し、窒素気流中
反応温度105〜110℃にてN−メチロールアクリル
アミド12部とエチルアクリレート5部、ヒドキシエチ
ルアクリレート3部、プチメアクリレート15部を加え
、さらに重合触媒としてデカノイルパーオキサイドの0
.2部にて30分間ラジカル重合反応を行って種ラテッ
クスを形成させた。引続き反応温度を90℃に設定して
ブチルアクリレート100部、N−メチロールアクリル
アミド1部、エチルアクリレート10部、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート1.5部及びベンゾイルパ
ーオキサイドの0.1部の一括肥大化モツマー溶液を約
6時間かかって連続滴下重合反応し、更に2時間同温度
で重合を継続した。更にベンゾイルパーオキサイドの0
.05部を繰り返し加えて、肥大化モノマーの98%以
上が重合している事を確認後、最終的に減圧下に脱溶剤
を行った。
得られた樹脂原料はゴム状ミクロゲル重合体が安定に分
散しており、ゴム状ミクロゲルの粒子径は位相差型光学
顕微鏡にて観察測定した結果0.8〜1μであった。こ
のようにしてゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴマー
(A−3)を得た。またモノマーの重合率より算出した
ゴム状ミクロゲルの濃度は25.9チであった。
(4)ゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴマー(A−
4)の合成 製造例1で用いたと同様な反応器を用いてヒドロキシル
基末端オリゴエステル(a−3)の400部と溶剤とし
て沸点150〜195℃の高沸点芳香族炭化水素溶剤で
ある商品名ツルペッツ+100(エッソ社製品)100
部とを仕込、加熱溶融し、窒素気流中反応温度100〜
102℃にてN−メチロールアクリルアミド5部とヘキ
シルジエチレングリコールモノアクリレート10部、シ
クロへキシルアクリレート15部、ヒドロキシエチルア
クリレート2部、ブチルアクリレート30部を加え、さ
らに重合触媒として2,2′−アゾビスイソブチロニト
リルの0,3部にて30分間ラジカル重合反応を行った
引続き反応温度を105〜110℃に昇温しでブチルア
クリレート30部、シクロへキシルアクリレート100
部、ネオペンチルグリコールジアクリレート2部及び2
,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサンの0.2部の一括肥大化モツマー溶液を約3時
間かかって連続滴下、重合反応し、更に2時間同温度で
重合を継続した。更に2.5−ジメチル−2,5−ジ(
t−ブチルパーオキシ〕ヘキサンの0.1部を30分毎
に繰り返し加えて、肥大化モノマーの98チ以上が重合
している事を確認後、最終的に減圧下に脱溶剤を行った
。得られた樹脂原料はゴム状ミクロゲル重合体が安定に
分散しており、ゴム状ミクロゲルの粒子径は位相差型光
学顕微鏡にて観察測定した結果1.5〜25μであった
。このようにしてゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴ
マー(A−4)を得た。またモノマーの重合率より算出
したゴム状ミクロゲルの濃度は29.5チであった。
(5)ゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴマー(A−
5)の合成 製造例1で用いたと同様な反応器を用いてヒドロキシル
基末端オリゴエステル(a−3)の400部と溶剤とし
てシクロヘキサノンとキシレンの1=1の混合溶剤15
0部とを仕込、加熱溶融し、窒素気流中反応温度100
〜102℃にてブチルアクリレート10部とブチルジエ
チレングリコールモノアクリレート10部、ヒドロキシ
エチルアクリレート1部、インノニルアクリレート2部
、インホロンジイソシアナートとヒドロキシエチルアク
リレートとの1:1付加物t5部を加え、さらに重合触
媒として2,2′−アゾビスイソブチロニトリルの0.
2部にて60分間ラジカル重合反応を行った。引続き反
応温度を80〜85℃に設定してブチルアクリレート1
20部、メタアクリロキシプロピルポリジメチルシロキ
サン10部、グリシジルメタクリレート5部及び2,2
/−アゾビスイソブチロニトリルの0.1部の一括肥大
化モツマー溶液を約3時間かかって連続滴下、重合反応
し、更に2時間同温度で重合を継続した。更に2,2′
−アゾビスイソブチロニトリルの0,05部を30分毎
に繰り返し加えて、肥大化上ツマ−の99%以上が重合
している事を確認後、最終的に減圧下に脱溶剤を行った
。得られた樹脂原料はゴム状ミクロゲル重合体が安定に
分散しており、ゴム状ミクロゲルの粒子径は位相差型光
学顕微鏡にて観察測定した結果0.8〜1.5μであっ
た。このようにしてゴム状ミクロゲルで改質されたオリ
ゴマー(A−5)を得た。また七ツマ−の重合率より算
出したゴム状ミクロゲルの濃度は296%であった。
比較例1 a)熱可塑性ポリウレタン(PU−1)の合成製造例1
の(イ)で示したと同様な反応器中にヒドロキシル基末
端オリゴエステル(a−1)の450部と溶剤としてト
ルエン300部を仕込み、窒素気流下で加熱溶融し、反
応温度を85〜90℃にて2,4−トリレンジイソシア
ナート63.8部を2時間かかって連続添加し、更に同
温度で2時間熟成反応を行い更に最終的に減圧下に脱溶
剤を行なって、結晶性を有する熱可塑性ポリウレタン(
PU−1)樹脂を得た。(PU−1)樹脂はメルトイン
デックス(以下MI値と呼ぶ)による測定の結果、18
0℃にて8.5.9/10分(21601iF荷重)の
流動特性を示し、又、高速液体クロマトグラフによるポ
リスチレン換算の重量平均分子量はおおよそ14,6万
であった。
b)熱可塑性ポリウレタン(PU−2)の合成製造例1
の(イ)で示したと同様な反応器にヒドロキシル基末端
オリゴエステル(a−2)の450部を仕込み、窒素気
流下で加熱溶融し、反応温度180℃にてα、α、α′
、α′−テトラメチル−]−キシリレンジイソシアナー
ト70部を3分割して30分ごとに加え8時間熟成反応
を行なって結晶性を有する熱可塑性ポリウレタン(PU
−2)樹脂を得た。
(PU−2)樹脂はMI値測定の結果、150℃にてお
およそ5.69/10分(216部9荷重)の流動特性
を示し、ポリスチレン換算値で重量平均分子量が11.
2万であった。
C)熱可塑性ポリウレタン(PU−3)の合成製造例1
の(イ)で示したと同様な反応器にヒドロキシル基末端
オリゴエステル(a−3)の600部とp−hルエンス
ルフォン酸2部を仕込み、窒素気流下で加熱溶融し、反
応温度170℃にて水添ジフェニルメタンジイソシアナ
−1−78,5部を約2時間かかって添加し、2時間熟
成反応を行って熱可塑性ポリウレタン(PU−5)樹脂
を得た。(PU−3)樹脂はMI値の測定の結果180
℃にておおよそ6.7g/10分(216部9荷重〕の
流動特性を示し、ポリスチレン換算値の重量平均分子量
が18,0万であった。
d)熱可塑性ポリウレタン(PU−4)の合成製造例1
の(イ)で示したと同様な反応器を用いて、ヒドロキシ
ル基末端オリゴエステル(a−4)の500部とシクロ
へキサノン300部を仕込み、窒素気流下、加熱溶融し
て、反応温度120℃にてインホロンジイソシアナート
99.5部を3分割して60分づつ添加反応させ、2時
間熟成反応を行って更に同温度で減圧下に脱シクロヘキ
サノンを行なって常態で透明な熱可塑性ポリウレタン(
PU−4)樹脂を得た。(PU−4)樹脂のMI値の測
定の結果150°Cで7.1g/10分(2160g荷
重)の流動特性を示し、ポリスチレン換算値の重量平均
分子量はおおよそ16.5万であった。
e)熱可塑性ポリウレタン(PU−5)樹脂の合成 製造例1の(イ)で示したと同様な反応器を用いて、ヒ
ドロキシル基末端オリゴエステル(a−1)300部と
重量平均分子i 1516のポリテトラメチレングリコ
ール160部を仕込み、窒素気流中加熱溶融し、反応温
度175℃にてα、α、α′、α′−テトラメチル−p
−キシリレンジイソシアナート85.2部を3分割して
30分づつ添加反応させ、5時間熟成反応を行なって、
ごく僅かに結晶性を示す熱可塑性ポリウレタン(PU−
5)を得た。(PU−5>樹脂のMI値の測定の結果は
180℃で25.01/10分(216部9荷重)を示
し、ポリスチレン換算値の重量平均分子量は15万であ
った。
f)熱可塑性ポリウレタン(PU−6)の合成製造例1
の(イ)で示したと同様な反・応益を用いて、温度80
℃にて、ジフェニルメタンジインシアナート42.8部
を2分割して60分づつ添加反応させ、引き続き5時間
熟成反応を行なった後、脱溶剤して透明なや一粘調な非
晶質の熱可塑性ポリウレタン(PU−6)樹脂を得た。
(PU−6’)樹脂のMI値の測定の結果は150℃で
23g/10分(2160,9荷重)を示しポリスチレ
ン換算値の重量平均分子量は7.5万であった。
実施例1 (A)靭性を有する熱可塑性ポリウレタン(PU−7)
樹脂の合成 攪拌機、凝縮器、温度計、窒素吹込み管を備えた反応器
を用いてドデシルベンゼンスルフオン酸3部とヒドロキ
シル基末端オリゴエステル(a−1)270部とゴム状
ミクロゲルで改質されたオリゴマー(A−1)の350
部を仕込み、窒素気流中、加熱溶融して、反応温度18
0℃にて2.4−トIJレンジイソシアナート77.7
部を2時間かかって連続滴下し、2時間熟成反応を行な
ってゴム状ミクロゲルの濃度が11.5%を含有する結
晶性を有しかつ靭性性を発揮する熱可塑性ポリウレタン
(PU−7)樹脂を得た。(PU−7)樹脂は位相差型
光学顕微鏡による観察の結果、ゴム状ミクロゲルの粒子
径が2〜3μとプレポリマー(B−1)と比較しても粒
子径は変化がなく安定に均一に分散している状態が認め
られた。又、(PU−7)樹脂の180℃でのMI値の
測定の結果は5.3g/10分(2160g荷重〕の流
動特性を示し、又、N−メチルピロリドンによる熱時溶
解抽出母液からの液クロマトグラフの分析の結果で、溝
相を形成している樹脂のポリスチレン換算値の重量平均
分子量は15.7万であった。さらに(PU−7)樹脂
の島相を形成しているゴム状ミクロゲルのガラス転移温
度は針入法による測定の結果で一46℃であり、又、溝
相を形成しているポリウレタンポリマーの融点は示差走
査熱量計(以下DSCと呼ぶ)による分析の結果117
℃であった。
(B)靭性を有する熱可塑性ポリウレタン(PU−8)
樹脂の合成 囚で用いたと同様な反応器を用いて、ドデシルベンゼン
スルフオン酸2部の存在下にゴム状ミクロゲルで改質さ
れたオリゴマー(A−1)の350部を窒素気流中、反
応温度180℃にて、2.4−トIJレンジイソシアナ
ートの38.8部を実施例1の(A)と同様に反応させ
て得た樹脂100部と比較例1の(a)で得た(PU−
1)樹脂100部を180℃にて溶融混合してゴム状ミ
クロゲル濃度11.5%である結晶性の靭性性を発揮す
る熱可塑性ポリウレタン(PU−8)樹脂を得た。(P
U−8)樹脂は囚で得られたものと全く同一のMI値、
ゴム状ミクロゲル粒子径、ゴム相のガラス転移温度、溝
相の融点の値をそれぞれ示した。従りて以下の実施例で
は(PU−7>と(PU−8)は同一とみなした。
(C)靭性を有する熱可塑性ポリウレタン(PU−9>
樹脂の合成 囚で示したと同様な反応器を用いてヒドロキシル基末端
オリゴエステル(a−1)250部とゴム状ミクロゲル
で改質されたオリゴマー(A−2)ss。
部、及び溶剤としてシクロへキサノン400部とを仕込
み、窒素気流中、加熱溶融し、反応温度90℃にて水添
ジフェニルメタンジイソシアナートの165部を5分割
して30分づつ添加反応させ、約2時間熟成反応を行な
った後、更に同温度で減圧下に脱溶剤を行なってゴム状
ミクロゲルの濃度が14.5チの結晶性の靭性を発揮す
る熱可塑性ポリウレタン(PU−9)樹脂を得た。なお
(PU−9)樹脂の比較しても粒子径の変化はなく、安
定に均一に分散が認められた。又、(PU−9)樹脂は
MI値の測定から180℃で3.6F/10分(216
0,9荷重)の流動特性を示し、N−メチルピロリドン
の熱時溶解抽出母液からの溝相形成ポリマーのポリスチ
レン換算値の重量平均分子量は17.3万であり、又、
島相であるゴム状ミクロゲルのガラス転移温度は針入法
の測定より一59℃であった。又、溝相を形成するポリ
ウレタンポリマーの融点はDSCによる分析から119
℃であった。
(D)靭性を有する熱可塑性ポリウレタン(pty−1
0)樹脂の合成 (A)で示したと同様な反応器を用いて、ゴム状ミクロ
ゲルで改質されたオリゴマー(A−3)の500部を仕
込み、窒素気流中加熱溶融して、反応温度170℃にて
α、α、α′、αI−テトラメチル−m−キシリレンジ
インシアナートの58.0部を5分割して45分ごとに
添加反応させ、5時間熟成反応を行なって得た樹脂は、
ゴム状ミクロゲルの濃度が25.596含有する結晶質
である靭性性を有する熱可塑性ポリウレタン(PU−1
0)樹脂でありた。(PU−10)樹脂の位相差型光学
顕微鏡の観察からゴム状ミクロゲルの粒子径は0.7〜
1.0μであり、かつゴム状ミクロゲルのガラス転移温
度は針入法の測定から一45℃であった。又、(PU−
10)樹脂はMl値の測定から180℃で7.5g/1
0分(2160部荷重)の流動特性を示し、N−メチル
ピロリドンの熱時溶解抽出母液からの溝相形成ポリマー
のポリスチレン換算値の重1平均分子量は12.0万で
あった。又、(PU−10)樹脂の融点はDSCによる
分析から118℃であった。
(E)靭性を有する熱可塑性ポリウレタン(PU−11
)樹脂の合成 囚で用いたと同様な反応器を用いてゴム状ミクロゲルで
改質されたオリゴマー(A−4)の450部とヒドロキ
シル基末端オリゴエステル(a−4)の50部とヒドロ
キシル基末端オリゴエステル(a−1)300部及びp
−トルエンスルフオン酸2部とを仕込み、窒素気流中加
熱溶融し、反応温度180℃にてヘキサメチレンジイン
シアナートの28部と2,4−トリレンジイソシアナー
トの37部の混合物を2時間かかって連続滴下し、引き
続き1時間熟成してゴム状ミクロゲルの濃度15.3%
の結晶性を持った靭性性を有する熱可塑性ポリウレタン
(PU−11)樹脂を得た。なお(PU−11)樹脂の
位相差型光学顕微鏡によるゴム状ミクロゲルの粒子径の
測定結果は1.5〜2.5μであり、針入法によるゴム
状ミクロゲルのガラス転移温度は一48℃であった。又
、溝相を形成しているポリマーの重量平均分子量はポリ
スチレン換算値でおおよそ191万であった。又、(P
U−11)樹脂の融点はDSGの測定の結果104℃付
近の値であった。
(F)靭性を有する熱可塑性ポリウレタン(PU−12
)樹脂の合成 囚で用いたと同様な反応器を用いて、ゴム状ミクロゲル
で改質されたオリゴマー(A−5)の700部と溶剤と
してシクロへキサノン300部とを仕込み、窒素気流中
加熱溶融し、反応温度140〜1450Cにて水添ジフ
ェニルメタンジイソシアナート61部を3分割して1時
間づつ添加反応させ、60分熟成反応を行なった後、内
温を175℃に昇温させながら減圧下に脱溶剤を行なっ
た。さらに結晶核剤としてステアリン酸アルミの4.5
部を添加溶融混練した樹脂は、結晶性を発揮する靭性性
を有する熱可塑性ポリウレタン(PU−12)樹脂であ
った。
なお(PU−12)樹脂のゴム状ミクロゲルの粒子径は
位相差型光学顕微鏡による観察測定の結果0.8〜1.
5μの範囲でありゴム状ミクロゲル濃度は27q6であ
る。また針入法によるゴム状ミクロゲルのガラス転移温
度は一44℃であった。又(PU−12)樹脂の融点は
DSCによる測定の結果で127℃であった。又、溝相
を形成しているポリマーの重量平均分子量はシクロヘキ
サノンの熱時抽出母液からの高速液体クロマトグラフに
よる分析でポリスチレン換算値で17.7万であった。
(G)靭性を有する熱可塑比ポリウレタン(PU−13
)樹脂の合成 内容積51のニーダ−ルーダ−(混練機能と吐出機能を
合わせ持つ混線機)を用いて槽内を窒素気流下に保ちつ
つ、内温を電熱ヒーターにて140°Cとし、ヒドロキ
シル基末端ポリエステルオリゴ7  (a−1) 15
00部とゴム状ミクロゲルで改質されたオリゴマー(A
−2)の600部を仕込み、加熱溶融し、ルーダ−を逆
回転した状態で原料が流出しない様にしながら、反応温
度145〜150°Cにてイソホロンジイソシアナート
353部を1時間かかって連続添加し、2時間熟成反応
を行なった。
その後、同温度で酸化防止剤として商品名イルガノック
ス1010 (CよりA −GEIGY社製品)を12
3部及び商品名チヌビン900 (CよりA−GEIG
Y社製品)25部を添加して加熱溶解させて、ルーグー
を正転させてノズルより5絽ψのストランド状に吐出さ
せ、ベルトクーラー及び冷却水槽を通して固化させてペ
レタイザーでペレット化してペレット状の樹脂を得た。
さらに十分乾燥させて結晶性を有し、ゴム状ミクロゲル
を6.2%含有した靭性を有する熱可塑性ポリウレタン
(PU−13)樹脂を得た。なお(PU−13)樹脂の
位相差型光学顕微鏡によるゴム状ミクロゲルの粒子径は
2〜3μであり、かつ針入法によるゴム状ミクロゲルの
ガラス転移温度は一4!1℃であった。又、(pu−1
!l)樹脂のN−メチルピロリドンによる熱時抽出母液
での高速液体クロマトグラフによる溝相を形成するポリ
マーの重量平均分子量はポリスチレン換算値で約17.
4万であった。又(PU−13)樹脂のDSC測定によ
る樹脂の融点はおおよそ107℃であった。“比較例2 ゴム状ミクロゲル(高濃度)を含むプレポリマーの合成 前記実施例1の(A)で用いたと同様な反応器を用いて
ヒドロキシル基末端オリゴエステル(a−1)の200
部とシクロヘキサノン100部を仕込み、加熱溶融し、
窒素気流中、反応温度105℃にてN−メチロールアク
リルアミド6部とヒドロキシエチルアクリレート1.5
部、ブチルアクリレート10部を加え、さらに重合触媒
としてデカノイルパーオキサイドの0.15部にて30
分間重合反応を行なった。引き続き反応温度を90°C
に設定してブチルアクリレート220部、2.4−1リ
レンジイソシアナートとヒドロキシプロピルアクリレー
トの1=1付加物の3部、及びヒドロキシエチルメタク
リレート2部、1,4−ブタンジオールジアクリレート
5部の一括肥大化モツマー溶液を3時間かかって連続滴
下重合反応を試みた所、肥大化途中でゴム状ミクロゲル
のゲル化凝集が起り、ゴム状ミクロゲルを安定に分散し
たプレポリマーは得られなかった。
実施例2 熱可塑性ポリウレタン樹脂の物性性能評価試験比較例1
及び実施例で得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂(PU
−1からPU−13の一連の樹脂)を1508Cζこセ
ントした熱プレスを用いてフィルムを作製し、室温で1
週間以上養生させたのちダンベルにて試1験片をそれぞ
れ5ケづつ切り出し得られた試験片を使用して、万能引
張り試験機を用いて引張り強度試験と恒温槽を用いた耐
熱クリープ試、験を行なった結果と前記した耐衝重囲試
験であるJIS−に−6800に準じた方法で接合表面
がサンディング処理された5PCC鋼ブロック片2枚を
200℃に加熱した状態で引張り試験で用いたと同じフ
ィルムを用いて50秒間加熱圧締した。同種の樹脂フィ
ルムでそれぞれ6ケづつの接合片を用意した。室温で1
週間以上放電したのちにアイヅノト衝撃試験を行なった
結果を表−1に記載した。
なお表中の値はそれぞれの平均値を表わす。
又、上記試験に使用したそれぞれの熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂を用いて、あらかじめα−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン2%含ム酢酸エチルプライマー溶液
を塗付、加熱乾燥し、下地処理を十分はどこした0、5
v+m厚みのアルミ板を被着体として、210℃にあら
かじめ加温された熱板上で2枚の被着体を加熱し、予定
温度になった状態で一方の被着体面上に熱可塑性ポリウ
レタン樹脂を溶融塗布し、ただちにもう一方の被着体を
かさね合わせて30秒間250〜300g/dの荷重下
で熱圧締した後、水中で急冷して接着試験片を得た。
その後室温で1週間以上養生した後、万能引張り試験機
にて一20℃及び70°Cの時のT型剥離強度を測定し
た結果も合わせて表−1に記載した。
表−1記載の如く、明らかにゴム状ミクロゲルが7トリ
ソクスにグラフト化された海−島構造を有する熱可塑性
ポリウレタン樹脂は低温下での靭性及び耐熱性、剛性性
のバランスに優れた特性値を示した。
本発明の靭性を有する熱可塑性重合体の工業的利用分野
としては、チューブ・ホース・靴底等の成型材料はもち
ろんの事、電線ケーブル被覆材料、光ファイバーの2次
被覆材料、構造用接着剤、塗料などに有益である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)下記のオリゴマー(A)とジイソシアナート(B
    )とを付加重合してなる、1〜45重量%のゴム状ミク
    ロゲルがマトリックスにグラフト化された、海−島構造
    からなる靭性を有する熱可塑性重合体。 (A)(a)重量平均分子量が300〜5,000のヒ
    ドロキシ基末端ポリエステルオリゴマーの100重量部
    に (b)少なくとも70重量%以上が一般式CH_2=C
    X−COOR(ただしXは水素又はメチル基、Rは炭素
    数1から18のアルキル基又はシクロヘキシル基又はイ
    ソノニル基又はポリアルキルシロキサンプロピオネート
    基を表す。)の(メタ)アクリル酸エステルであって、
    ガラス転移温度が−20℃以下で、かつ粒子径が0.1
    〜100μであるゴム状ミクロゲル重合体5〜200重
    量部を、分散安定化してなる改質されたポリエステルオ
    リゴマー。
  2. (2)(メタ)アクリル酸エステルがブチルメタクリレ
    ート又は2−エチルヘキシルメタクリレートある特許請
    求の範囲第1項記載の熱可塑性重合体。
  3. (3)ゴム状ミクロゲル重合体が、炭素数1から8の片
    末端アルキル基を有する分子量50〜5,000のポリ
    アルキレンモノアクリレートを0.1〜10重量部と、
    一般式CH_2=CX−COOR(ただしXは水素又は
    メチル基、Rは炭素数1から18のアルキル基又はシク
    ロヘキシル基又はイソノニル基又はポリアルキルシロキ
    サンプロピオネート基を表す。)の(メタ)アクリル酸
    エステルの1〜20重量部をモノマー成分とした種ラテ
    ックスとし、多段重合または肥大化重合してなることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の熱
    可塑性重合体。
  4. (4)下記のオリゴマー(A)とジイソシアナート(B
    )とを付加重合し、さらに結晶化核剤(C)を(A)と
    (B)の合計に対し0.1〜10重量%配合してなる、
    1〜45重量%のゴム状ミクロゲルがマトリックスにグ
    ラフト化された、海−島構造からなる靭性を有する熱可
    塑性重合体。 (A)(a)重量平均分子量が300〜5,000のヒ
    ドロキシ基末端ポリエステルオリゴマーの100重量部
    に (b)少なくとも70重量%以上が一般式CH_2=C
    X−COOR(ただしXは水素又はメチル基、Rは炭素
    数1から18のアルキル基又はシクロヘキシル基又はイ
    ソノニル基又はポリアルキルシロキサンプロピオネート
    基を表す。)の(メタ)アクリル酸エステルであって、
    ガラス転移温度が−20℃以下で、かつ粒子径が0.1
    〜100μであるゴム状ミクロゲル重合体5〜200重
    量部を、分散安定化してなる改質されたポリエステルオ
    リゴマー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01252620A (ja) * 1987-12-04 1989-10-09 Sanyo Chem Ind Ltd 重合体ポリオール組成物およびこれを使用したポリウレタンの製法
JPH0597958A (ja) * 1990-07-20 1993-04-20 Sanyo Chem Ind Ltd 複合樹脂組成物の製造法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60233121A (ja) * 1984-04-13 1985-11-19 モベイ・コ−ポレ−ション 衝撃特性の改良された熱可塑性ポリエステル成形用組成物

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